JP7275311B2 - 回転式圧縮機および冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和装置、冷蔵庫または冷凍機等に用いられる回転式圧縮機および冷凍サイクル装置に関するものである。
回転式圧縮機は、密閉容器内に収容された環状のシリンダと、シリンダ内を偏心回転するローリングピストンと、シリンダに設けられたベーン溝に摺動自在に配置されたベーンとを有する。ベーンは、ベーンばねによって付勢されてローリングピストンに常時、ベーン先端部が当接し、シリンダ内部の空間を低圧空間と高圧空間とに仕切っている。そして、ローリングピストンがシリンダ内で偏心運動することで、低圧空間の体積が縮小して高圧空間となり、シリンダ内に吸入された冷媒が圧縮されるようになっている。
この種の密閉型圧縮機において、ベーンを付勢するベーンばねは、シリンダに形成されたベーンばね挿入穴に収納されてシリンダ内に保持されている。このようにベーンばねがシリンダ内に保持されている構成では、ベーンばねの長さが、ベーンの後端側の端面と密閉容器の内周面との距離に制約を受け、それ以上に長くできない。このため、ベーンが往復運動の最も後方の上死点位置に移動したときに、ベーンばねの全長が、ベーンばねが最大限縮んだ密着長さに達し、ベーンばねに生じる応力が大きくなってベーンばねが疲労破損する恐れがある。
そこで、ベーンばねを収容するスペースを密閉容器の外部に確保し、ベーンばねの長さに関する制約を無くしてベーンばねへの過剰な応力による疲労破損を防ぐようにした技術がある(例えば、特許文献1参照)。
実全昭56―17388号公報
ベーンばねは、密閉容器内でベーンを押圧しながら伸縮動作を繰り返す。そのため、ベーンばねの取付位置および取付姿勢にずれがある場合、ベーンばねの伸縮動作時に、ベーンばねと周辺部品との干渉およびベーンばねの屈曲等が発生する。これにより、ベーンばねの破損、動作不良または寿命低下等の不具合が生じる。したがって、ベーンばねを回転式圧縮機に精度よく組み付けることが求められる。
特許文献1の回転式圧縮機では、密閉容器の外方に突出して固定されたスプリングガイド内にベーンばねが配置される構成である。密閉容器には、圧縮された冷媒による内圧が作用し、密閉容器は外方に膨らむ等、形状が変化する。このため、密閉容器にスプリングガイドが固定される構造とすると、内圧による密閉容器の変形の影響で、ベーンばねの位置が正規の位置からずれる可能性があり、ベーンばねを精度よく設置することができない。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、ベーンばねをシリンダに対して精度よく設置することが可能な回転式圧縮機および冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本発明に係る回転式圧縮機は、密閉容器と、密閉容器に収容される環状のシリンダと、シリンダの内周面に沿って偏心回転するローリングピストンと、シリンダに径方向に設けられたベーン溝内を往復運動するベーンと、ベーンを付勢してベーンの先端部をローリングピストンに当接させるコイルばねであって、小径部および小径部よりも大径の大径部を有するベーンばねと、円筒部と、円筒部の端部を閉塞するばね蓋とを有し、ベーンばねの大径部がばね蓋の内面に接触してベーンばねが固定されるスプリングガイドとを備え、スプリングガイドは、密閉容器に形成された、スプリングガイドの外径よりも大きい内径を有する開口部を介して、密閉容器に接触せずに、一端部が密閉容器内に挿入され、シリンダに固定されており、ベーンばねは、ベーンとばね蓋との間に、常に自然長よりも縮み、且つベーンばねの一端部がばね蓋に当接した状態で固定されているものである。
本発明によれば、ベーンばねが内部に固定されたスプリングガイドをシリンダに直接固定する構造としたので、ベーンばねをシリンダに対して精度よく設置することができる。
実施の形態1に係る回転式圧縮機の概略構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る回転式圧縮機における圧縮機構部を拡大して示す横断面図である。 実施の形態1に係る回転式圧縮機のスプリングガイドとシリンダとの接合構造を示す拡大図である。 実施の形態1に係る回転式圧縮機におけるベーンばねとスプリングガイドとの固定構造の説明図である。 実施の形態1に係る回転式圧縮機のスプリングガイドの変形例1を示す図である。 実施の形態1に係る回転式圧縮機のスプリングガイドの変形例2を示す図である。 実施の形態2に係る回転式圧縮機におけるベーンばねとスプリングガイドとの固定構造の説明図である。 実施の形態3に係る回転式圧縮機におけるベーンばねとスプリングガイドとの固定構造の説明図である。 実施の形態3に係る回転式圧縮機におけるベーンばねとスプリングガイドとの固定構造の変形例の説明図である。 実施の形態4に係る回転式圧縮機におけるベーンばねとスプリングガイドとの固定構造の説明図である。 実施の形態5における冷凍サイクル装置の冷媒回路を示す図である。
本実施の形態では、空気調和機、冷蔵庫または冷凍機等に用いる回転式圧縮機を例に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る回転式圧縮機の概略構成を示す断面図である。図2は、実施の形態1に係る回転式圧縮機における圧縮機構部を拡大して示す横断面図である。図3は、実施の形態1に係る回転式圧縮機のスプリングガイドとシリンダとの接合構造を示す拡大図である。なお、この明細書の中で、特に断り無く「径方向」、「周方向」、「軸方向」というときは、それぞれシリンダの「径方向」、「周方向」、「軸方向」を言うものとする。
回転式圧縮機1は、密閉容器5の内部に、電動要素25と、冷媒の圧縮を行う圧縮要素10と、電動要素25の駆動力を圧縮機構部に伝達する回転軸17とを備えている。
密閉容器5は、図1のように、概略円筒形の密閉された容器である。密閉容器5の厚みは、圧縮要素10で圧縮された冷媒による内圧で密閉容器5に歪みを生じない程度の肉厚に形成されている。また、密閉容器5を肉厚を厚くすることで、空気調和機または冷蔵庫等の装置に、回転式圧縮機1を例えばアークスポット溶接で取り付ける際、加熱によって生じる密閉容器5の歪みの影響を、圧縮要素10に及ぼしにくくできる。
密閉容器5の外部には、当該密閉容器5に隣接して、冷媒音を消音するためのアキュムレータ28が設けられている。アキュムレータ28は、圧縮要素10を構成する後述の2つの圧縮機構に対してそれぞれアキュムレータ管29を介して接続されている。密閉容器5の上部には、圧縮要素10で圧縮された冷媒を吐出する吐出管16が接続されている。密閉容器5の底部には、圧縮要素10を潤滑するための冷凍機油が貯留されている。この冷凍機油としては、合成油であるPOE(ポリオールエステル)、PVE(ポリビニルエーテル)またはAB(アルキルベンゼン)等が使用される。
電動要素25は、密閉容器5の内周面に固定された円筒形状の固定子26と、固定子26の内側に回転自在に配置された円柱形状の回転子27と、を備えている。固定子26は、外径が密閉容器5の内径より大きく形成され、密閉容器5の内周面に焼嵌めによって固定されている。回転子27上には、永久磁石によって磁極が形成される。この回転子27は、回転子27上の磁極が作る磁束と固定子26が作る磁束との作用によって回転する。
電動要素25と圧縮要素10とは回転軸17によって連結されており、電動要素25の回転が圧縮要素10に伝達され、伝達された回転力によって圧縮要素10は冷媒を圧縮する。圧縮要素10で圧縮された冷媒は、圧縮要素10に設けられた吐出穴21(図2参照)を通じて密閉容器5内に放出される。したがって、密閉容器5内は、圧縮された高温高圧の冷媒ガスによって満たされる。
圧縮要素10は、回転軸17の軸方向に配置された2つの圧縮機構と、上軸受18と、下軸受19と、中間板12とを備えている。つまり、圧縮要素10は、圧縮機構を2つ備えた多気筒型である。なお、回転式圧縮機1は、圧縮機構を複数備えた多気筒型に限られず、圧縮機構を1つ備えた一気筒型でもよい。
各圧縮機構は同様に構成されるため、便宜上、一方についてのみ説明する。図2に示すように、圧縮機構は、シリンダ11と、ローリングピストン13と、ベーン14と、ベーンばね15と、ベーンばね15が内部に固定される円筒状のスプリングガイド30と、を備えている。
シリンダ11は、環状の平板で構成されている。シリンダ11の内側のシリンダ室11aは、軸方向の両端が開口しており、上軸受18および下軸受19の一方と中間板12とで閉塞されている。また、シリンダ11には、図2および図4に示すように、径方向に貫通する吸入口20と、シリンダ11の内周面11bに形成された吐出穴21が形成されている。吸入口20には、アキュムレータ28のアキュムレータ管29が接続されている。
ローリングピストン13は、図2に示すように、回転軸17の偏心部17aに回転可能に嵌合した状態で、シリンダ11のシリンダ室11aに収納されている。ローリングピストン13は、シリンダ11の内周面11bに沿って偏心回転する。
シリンダ11には、シリンダ室11aに連通し、径方向に延びるベーン溝22が形成されている。ベーン溝22内には、径方向に進退自在にベーン14が配置されている。ベーン14の背面14bにはベーンばね15が配置されている。ベーン14の背面14bにはベーンばね15の一端部が収容される収容凹部が形成されている。図2は収容凹部での断面を示しており、収容凹部の底面にベーンばね15の一端部が固定されている。ベーンばね15の他端部は後述のスプリングガイド30の内面に固定されている。
ベーンばね15は、ベーン14を付勢してベーン14の先端部14aをローリングピストン13に当接させるものである。ベーン14は、ベーンばね15の付勢力によって径方向内側に押圧されることで、ベーン14の先端部14aがローリングピストン13に常に当接している。このようにベーン14の先端部14aがローリングピストン13と当接することで、シリンダ室11a内が低圧空間と高圧空間とに仕切られている。ベーン14は、シリンダ室11a内のローリングピストン13の偏心回転に伴い、先端部14aがローリングピストン13の外周面13cに当接したままベーン溝22内を往復運動する。
スプリングガイド30は、鉄製材料で構成されている。スプリングガイド30は、鉄製材料のような高強度材に限らず、樹脂等の低強度材で構成されてもよい。スプリングガイド30は、一端部がシリンダ11に設けられた固定凹部40に固定され、他端部が密閉容器5に設けられた開口部8を通って密閉容器5の外部に突出している。密閉容器5の開口部8の内径は、スプリングガイド30の外径よりも大きく構成され、スプリングガイド30は、密閉容器5に接触せずにシリンダ11に固定されている。なお、スプリングガイド30のシリンダ11への固定方法は、嵌合、圧入またはねじ固定等の方法で固定される。ねじ固定とは、スプリングガイド30の外周面およびシリンダ11の固定凹部40の内周面の一方に雄ねじ部、他方に雌ねじ部を設け、ねじ締結する固定する方法である。
スプリングガイド30の一端部側には、ベーン通過部31が形成されている。ベーン通過部31は、スプリングガイド30の一端部側の端面からスプリングガイド30の軸方向に延びたスリットで構成されている。ベーン通過部31は、スプリングガイド30の中心軸に対して対称に2つ形成されている。ベーン通過部31は、図3に示すようにスプリングガイド30がシリンダ11に固定された状態において、ベーン溝22の径方向の延長線上に位置している。
ここで、スプリングガイド30の寸法について説明する。スプリングガイド30の直径D1は、ベーン14の軸方向の長さ(図3の紙面に直交する方向の長さ)よりも小さい。ベーン通過部31の径方向の幅W1は、ベーン14の同方向の幅よりも大きい。これにより、ベーン14は、ベーン溝22を通過した後、ベーン通過部31に接触することなくベーン通過部31内に入り込み、往復運動する。
ベーンばね15が固定されたスプリングガイド30は、密閉容器5の外方に突出して設けられた突出部6内に配置されている。突出部6は、断面形状が円、長方形または長円形の筒形部材である。突出部6は、図2に示すように、密閉容器5に形成された開口部8に、突出部6の中心軸がシリンダ11の中心軸に対して直交するように取り付けられている。突出部6は、密閉容器5に形成された開口部8に、突出部6の端部が圧入されて密閉容器5に固定されている。
突出部6の密閉容器5に固定される側と反対側の端部(以下、外周側端部という)には、蓋部7が取り付けられている。蓋部7は、突出部6の外周側端部を閉塞する蓋である。蓋部7は、例えば溶接またはろう付け等によって突出部6の外周側端部に接合されている。突出部6の外周側端部が蓋部7で閉塞されることにより、突出部6が密閉され、密閉容器5が密閉されている。
(回転式圧縮機の動作)
次に、本実施の形態1の回転式圧縮機の動作について説明する。電動要素25に電力供給すると、電動要素25によって回転軸17が回転する。回転軸17が回転することにより、シリンダ室11a内では偏心部17aが偏心回転運動する。偏心部17aの偏心回転運動に伴い、シリンダ室11a内ではローリングピストン13が偏心回転運動し、アキュムレータ28のアキュムレータ管29からシリンダ室11a内に吸入された低圧のガス状冷媒が圧縮される。シリンダ室11a内で圧縮されたガス状冷媒は、所定の圧力になると吐出穴21から密閉容器5の内部空間に吐出される。そして、密閉容器5の内部空間に吐出された高圧のガス状冷媒は、密閉容器5に設けられた吐出管16から密閉容器5の外部へ吐出される。
ここで、ベーン14は、ローリングピストン13の回転に伴い、ベーン溝22内を往復運動する。図2に示すように、ローリングピストン13の外周面13cとシリンダ11の内周面11bとの接触位置がベーン14の配置位置の位相に一致するとき(以下、ローリングピストン13がベーン溝位相にあるとき、という。)、ベーン14はシリンダ11から遠ざかる方向である後方に移動して上死点位置に位置する。そして、ローリングピストン13の外周面13cとシリンダ11の内周面11bとの接触位置がベーン14の配置位置の位相から180°異なる位相にあるとき、ベーン14はシリンダ11の中心に向かう方向である前方に移動して下死点位置に位置する。このように、ベーン14は、上死点位置と下死点位置との間を往復する。また、ローリングピストン13が、図2の位置から90°回転した位相に位置するとき、ベーン14は上死点位置と下死点位置との間の中間位置に位置する。
このようにベーン14の往復運動の範囲は上死点位置と下死点位置との間であり、ベーン14が上死点位置、下死点位置および中間位置にあるときの、ベーン14のスプリングガイド30に対する位置は、以下のようになっている。
ベーン14が図2に示す上死点位置にあるとき、ベーン14の背面14bは、スプリングガイド30のベーン通過部31内に位置する。また、ベーン14が下死点位置にあるとき、ベーン14の背面14bは、スプリングガイド30のベーン通過部31内には位置しない。また、ベーン14が中間位置にあるときも、ベーン14の背面14bは、スプリングガイド30のベーン通過部31内には位置しない。このように構成した理由は、製造時の都合によるものであるが、この点については後述する。
回転式圧縮機1の運転中、密閉容器5内に液冷媒が流入する、いわゆる液バックが発生することがある。液バック時には、シリンダ室11aの内圧が急激に高まるため、ベーン14が径方向外側に押圧される。この場合、ベーン14は、上死点位置よりも径方向外側に移動し、ベーン14の背面14bが、スプリングガイド30のベーン通過部31の底面31aに接触したところで停止する。つまり、ベーン通過部31の底面31aは、液バック時のベーン14のストッパとして機能する。ベーン通過部31の底面31aの径方向の位置は、ベーン14の背面14bがベーン通過部31の底面31aに接触した状態において、ベーンばね15の長さが密着長さにならないように設定されている。このため、液バック時等、シリンダ室11aの内圧が急激に高まった際に、ベーンばね15に過剰な圧力が作用しないようになっている。
本実施の形態1の回転式圧縮機1は、密閉容器5の外方に突出して突出部6を取り付けた構造である。このため、ある意味、回転式圧縮機1の外郭を、ベーンばね15の設置部分に関し、径方向に拡大した構造である。したがって、ベーン14の背面14bと密閉容器5の内周面との距離に制約を受けず、ベーンばね15の全長を自由に設定できる。ベーンばね15の長さは、突出部6の長さを調整することにより、自由に設定できる。このため、ベーンばね15の全長を伸ばし、ベーンばね15の伸縮率を小さくできる。ベーンばね15の伸縮率を小さくできることで、ベーンばね15に繰り返し作用する応力に対する疲労耐力を、伸縮率が大きいばねを用いる場合に比べて十分に確保できる。これにより、疲労耐力を確保したまま、ベーン14をローリングピストン13に押し付ける付勢力を大きくすることが可能となる。
ここで、仮にベーンばね15の付勢力を大きくできず、ベーン14をローリングピストン13に押し付ける力が十分ではない場合、ベーン14が下死点位置にあるときにベーン14はローリングピストン13の動きに追従できない。つまり、ベーン14の先端部14aがローリングピストン13から離れる。この場合、騒音および振動が発生する。
これに対し、本実施の形態1では、上述したようにベーンばね15の全長を自由に設定できるため、ベーンばね15の全長を伸ばしてベーンばね15の伸縮率を小さくすることで、十分な疲労耐力を確保できる。したがって、十分な疲労耐力を確保しつつ、ベーン14をローリングピストン13に常に押し付けるために必要な付勢力を得ることが可能となり、ベーン14がローリングピストン13と離れることで発生する騒音および振動を抑えることができる。
また、本実施の形態1では、突出部6の長さを調整することで、蓋部7とスプリングガイド30との距離を自由に設定でき、以下の効果を得ることができる。蓋部7とスプリングガイド30との距離が近いと、蓋部7を溶接またはろう付け等で突出部6に接合する際に発生する熱が、蓋部7を介してベーンばね15に伝わり、ベーンばね15の特性が劣化する可能性がある。これに対し、本実施の形態1では、蓋部7とスプリングガイド30との距離を自由に設定できるため、この距離を十分に確保することで、接合時にベーンばね15に伝わる熱によってベーンばね15の特性が劣化することを防止できる。
ところで、従来の回転式圧縮機では、密閉容器から外方に突出して設けられた筒状のスプリングガイド内にベーンばねが配置された構造であった。スプリングガイドは、密閉容器と共に、回転式圧縮機の外郭の一部を構成する部品であり、これら外郭構成部品には、圧縮要素から吐出された冷媒による内圧が作用する。外郭構成部品は、内圧の影響で外方に膨らむ等、形状が変化する。このため、外郭構成部品に対してスプリングガイドを固定する構造とすると、内圧による外郭構成部品の変形の影響で、スプリングガイドひいてはベーンばねを目的の位置に配置することができない。目的の位置とはシリンダ11の中心軸に対して直交する方向に沿う位置である。
これに対し、本実施の形態1では、外郭構成部品とは別部品であるスプリングガイド30にベーンばね15を固定し、スプリングガイド30をシリンダ11に直接固定するようにしている。このため、ベーンばね15を精度良く設置することができ、ベーンばね15を安定して動作させることができる。
次に、ベーンばね15のスプリングガイド30への固定構造について説明する。本実施の形態1および後述の実施の形態の回転式圧縮機1は、ベーンばね15の後述の大径部15b(図4参照)をスプリングガイド30の内面に接触させてスプリングガイド30に固定する構造を共通の構造として備えている。そして、本実施の形態1は、圧入方式でベーンばね15をスプリングガイド30に固定する構造に関する。
図4は、実施の形態1に係る回転式圧縮機におけるベーンばねとスプリングガイドとの固定構造の説明図である。
ベーンばね15は、金属等の線材がコイル状に巻かれて構成されたコイルばねである。ベーンばね15は、小径部15aと、小径部15aよりも大径の大径部15bとを有する。小径部15aは、非伸縮部15aaと、ベーン14の動きに追従して伸縮する伸縮部15abとを有する。小径部15aの非伸縮部15aaおよび大径部15bは、線材同士が密接することで伸縮しない。
ベーンばね15は、大径部15bで筒状のスプリングガイド30内に固定されている。すなわち、ベーンばね15の大径部15bがスプリングガイド30に圧入されることで大径部15bの径が縮小し、径を戻そうとする復元力でベーンばね15がスプリングガイド30内に固定されている。
なお、図4等に示したスプリングガイド30は、内径が一様の円筒形状であるが、次の図5または図6に示すようにしてもよい。
図5は、実施の形態1に係る回転式圧縮機のスプリングガイドの変形例1を示す図である。図6は、実施の形態1に係る回転式圧縮機のスプリングガイドの変形例2を示す図である。
図5および図6のスプリングガイド30は、ベーンばね15の大径部15bが固定される部分(以下、固定部という)32a以外の部分(以下、非固定部という)32bの内径D2が、固定部32aの内径D3よりも広く構成されている。この構成によれば、ベーンばね15の小径部15aの外周面とスプリングガイド30の非固定部32bの内周面とのクリアランスを、図4の構成に比べて広く確保できる。このため、圧入時に必要となるベーンばね15とスプリングガイド30との同軸度の精度の緩和が可能となる。つまり、このクリアランスが仮に狭い場合、ベーンばね15とスプリングガイド30との同軸度を確保しながらベーンばね15をスプリングガイド30に挿入するようにしないと、ベーンばね15がスプリングガイド30の内周面に引っかかって挿入し難い、または挿入できなくなる可能性がある。
これに対し、図5および図6の構成によれば、ベーンばね15の小径部15aの外周面とスプリングガイド30の非固定部32bの内周面とのクリアランスを広く確保することで、ベーンばね15をスプリングガイド30に挿入しやすくなるため、ベーンばね15とスプリングガイド30との同軸度の精度の緩和が可能となる。
また、図6に示すように、スプリングガイド30の内周面に、固定部32aの内周面と非固定部32bの内周面とを滑らかに繋ぐ傾斜面33を設けた構成としてもよい。この構成により、スプリングガイド30の剛性を向上できる。スプリングガイド30の剛性を向上できることで、ベーンばね15の大径部15bをスプリングガイド30内に圧入する際の負荷に対するスプリングガイド30の変形を抑制できる。
次に、回転式圧縮機1の要部の組み立て手順について説明する。まず、上軸受18と、2つのシリンダ11と、中間板12と、下軸受19と、2つのローリングピストン13を備えた回転軸17と、を組み合わせた一体物を、突出部6が接合された密閉容器5の内部に固定する。各シリンダ11は、ベーン溝22が密閉容器5の開口部8に対向する位置で密閉容器5に固定される。そして、密閉容器5に固定された2つのシリンダ11のうちの一方のシリンダ11のベーン溝22に、ベーン14を挿入する。次に、スプリングガイド30をシリンダ11に接合し、スプリングガイド30にベーンばね15を挿入して固定する。他方のシリンダ11に対しても、同様にしてベーン14、スプリングガイド30およびベーンばね15を固定する。そして、突出部6に蓋部7を接合する。
上記組み立て手順では、スプリングガイド30をシリンダ11に取り付けた後に、ベーンばね15をスプリングガイド30に固定していたが、逆としてもよい。つまり、ベーンばね15をスプリングガイド30に固定した後、スプリングガイド30をシリンダ11に取り付けても良い。
ここで、仮にスプリングガイド30を設けず、ベーンばね15の一端をベーン14の背面14bに固定し、他端を蓋部7に当接させてベーンばね15を突出部6内に保持する構造とした場合、ベーンばね15の他端を押さえて保持しながら蓋部7を突出部6に接合する必要がある。これに対し、本実施の形態1では、蓋部7を突出部6に接合する時点で、ベーンばね15が、シリンダ11に接合されたスプリングガイド30に固定されているため、ベーンばね15を押さえて保持する必要がない。したがって、組み立て性が良い。
なお、ベーンばね15をスプリングガイド30に固定する際には、回転軸17を回してローリングピストン13をベーン溝位相に移動させ、ベーン14を下死点位置に移動させる。これにより、例えばベーン14が上死点位置に位置する時に比べて、ベーンばね15の長さが長い状態、つまりベーンばね15に作用するばね力が小さい状態でベーンばね15を設置でき、組み立て性が良い。
一方のシリンダ11内のローリングピストン13と、他方のシリンダ11内のローリングピストン13とは、位相が180°ずれて設けられている。このため、一方のシリンダ11内のローリングピストン13がベーン溝位相に位置するとき、他方のシリンダ11内のローリングピストン13はベーン溝位相から180°ずれた位相に位置する。したがって、一方のシリンダ11内にベーンばね15を挿入する際には、まず、ローリングピストン13をベーン溝位相から180°ずれた位相に移動させ、ベーン14を下死点位置に位置させてベーンばね15を挿入する。そして、他方のシリンダ11内にベーンばね15を挿入する際には、回転軸17を180°回転させ、同じくローリングピストン13をベーン溝位相から180°ずれた位相に移動させ、ベーン14を下死点位置に移動させて行う。
なお、スプリングガイド30をシリンダ11にねじ固定方式で固定する場合には、スプリングガイド30の一端部30aを固定凹部40に挿入した状態で回転させることになる。このため、スプリングガイド30を回転させる際に、ベーン14の背面14bがスプリングガイド30のベーン通過部31内に入り込んでいると、スプリングガイド30を回転させることができない。このため、ベーン14の背面14bがベーン通過部31に入り込まないようにベーン14を移動させた状態でスプリングガイド30を回転させる動作を行う。具体的には例えば、ベーン14を下死点位置または上述の中間位置に移動させる。ベーン14が下死点位置または中間位置にあるときにベーン14の背面14bがベーン通過部31内に位置しないように構成した理由は、このようにスプリングガイド30をねじ固定方式で固定する際に、スプリングガイド30の回転を妨げないようにするためである。
以上説明したように本実施の形態1の回転式圧縮機1は、密閉容器5と、密閉容器5に収容される環状のシリンダ11と、シリンダ11の内周面11bに沿って偏心回転するローリングピストン13と、シリンダ11に径方向に設けられたベーン溝22内を往復運動するベーン14とを備える。回転式圧縮機1はさらに、ベーン14を付勢してベーン14の先端部14aをローリングピストン13に当接させるコイルばねであって、小径部15aおよび小径部15aよりも大径の大径部15bを有するベーンばね15と、ベーンばね15の大径部15bが内面に接触してベーンばね15が固定されるスプリングガイド30とを備える。スプリングガイド30は、一端部が密閉容器5に形成された開口部8を介して密閉容器5内に挿入され、シリンダ11に固定されている。
このように、ベーンばね15が内部に固定されたスプリングガイド30をシリンダ11に直接固定する構造としたので、ベーンばね15をシリンダ11に対して精度よく設置することができる。よって、ベーンばね15を安定して動作させることができる。
密閉容器5の開口部8の内径は、スプリングガイド30の外径よりも大きく構成され、スプリングガイド30は、密閉容器5に接触せずにシリンダ11に固定されている。
これにより、スプリングガイド30は、密閉容器5の変形の影響を受けることなくシリンダに固定できるため、ベーンばね15をシリンダ11に対してより精度よく設置することができる。
ベーンばね15は、スプリングガイド30内に大径部15bが圧入されて固定されている。
このように、ベーンばね15のスプリングガイド30への固定は、大径部15bでの圧入により行える。
スプリングガイド30は、非固定部32bの内径が固定部32aの内径よりも大きく構成されている。
これにより、ベーンばね15の小径部15aの外周面とスプリングガイド30の非固定部32bの内周面とのクリアランスを広く確保でき、ベーンばね15とスプリングガイド30との同軸度の精度の緩和が可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態2の回転式圧縮機1は、スプリングガイド30Aへのベーンばね15の固定方法が実施の形態1と異なっている。実施の形態1では圧入方式であったが、実施の形態2では、ねじ固定方式である。以下、本実施の形態2が実施の形態1と異なる点を中心に説明するものとし、本実施の形態2で説明されていない構成は実施の形態1と同様である。
図7は、実施の形態2に係る回転式圧縮機におけるベーンばねとスプリングガイドとの固定構造の説明図である。
本実施の形態2において、スプリングガイド30Aへのベーンばね15の固定は、ねじ固定方式を用いる。本実施の形態2の円筒状のスプリングガイド30Aは、ねじ挿入方向の後端側の端部の内周面にねじ溝34を有する。ねじ溝34は螺旋状の溝である。
本実施の形態2では、ベーンばね15の大径部15bをねじ溝34にねじ込むことでベーンばね15がスプリングガイド30A内に固定されている。
このようなねじ固定方式では、ベーンばね15の大径部15bがスプリングガイド30Aのねじ溝34に沿って導かれるようにして取り付けられる。このため、ベーンばね15の取付け位置および姿勢の精度を向上できる。
回転式圧縮機1の運転中には、ベーンばね15に、ベーン14の動きに追従して伸縮するベーンばね15のばね力と、ベーンばね15自体の慣性力と、回転式圧縮機1の振動による力と、が加わる。運転を続けていると、これらの力によってベーンばね15の位置が当初の固定位置からずれる可能性がある。このため、スプリングガイド30Aのねじ溝34とベーンばね15の大径部15bとは、ベーンばね15の位置がずれない保持力を確保できる形状および寸法に設計する必要がある。具体的には、ねじ溝34の断面形状は、ベーンばね15の線材に沿うように半円とし、半円の径は、ベーンばね15の線径に合致した径に設定される。ベーンばね15の線径に合致した径とは、ベーンばね15の線径と一致もしくはベーンばね15の線径よりも僅かに小さい径を含む。
以上説明したように、本実施の形態2の回転式圧縮機1のスプリングガイド30Aは、内周面にねじ溝34を有する。そして、ねじ溝34にスプリングガイド30Aの大径部15bがねじ込まれてベーンばね15がスプリングガイドに固定されている。
このように、ねじ溝34にスプリングガイド30Aの大径部15bがねじ込まれてベーンばね15がスプリングガイド30Aに固定されているため、ベーンばね15の取付け位置および姿勢の精度を向上できる。
ねじ溝34の断面形状は半円で形成されており、半円の径は、ベーンばね15の線径に合致した径を有する。
これにより、ベーンばね15の位置が当初の固定位置からずれることを抑制できる。
(実施の形態3)
本実施の形態3の回転式圧縮機1は、スプリングガイド30Bへのベーンばね15の固定方法が実施の形態1と異なっている。本実施の形態3の固定方法は、溝固定方式である。以下、本実施の形態3が実施の形態1と異なる点を中心に説明するものとし、本実施の形態3で説明されていない構成は実施の形態1と同様である。
図8は、実施の形態3に係る回転式圧縮機におけるベーンばねとスプリングガイドとの固定構造の説明図である。
本実施の形態3において、スプリングガイド30Bへのベーンばね15の固定は、溝固定方式を用いる。本実施の形態3の円筒状のスプリングガイド30Bは、内周面に、断面が矩形状の周状の溝部35を有する。そして、ベーンばね15の大径部15bが溝部35に嵌め込まれて圧入されることで、ベーンばね15がスプリングガイド30B内に固定されている。なお、断面形状は矩形状に限られたものではなく、任意の形状に構成できる。
回転式圧縮機1の運転中には、ベーンばね15に、ベーン14の動きに追従して伸縮するベーンばね15のばね力と、ベーンばね15自体の慣性力と、回転式圧縮機1の振動による力とが加わる。これらの力に加えてさらに、スプリングガイド30Bの内周面との接触による摩擦力がベーンばね15に加わる。これらの力の向きを考慮した合力は、ベーンばね15の位置をずらす方向に作用する。このため、運転を続けていると、ベーンばね15の位置が当初の固定位置からずれる可能性がある。
このため、ベーンばね15は、固定位置がずれない保持力でスプリングガイド30Bに固定される。ベーンばね15をスプリングガイド30Bに固定するにあたり、溝部35に対する大径部15bの圧入代が大きすぎると、ベーンばね15をスプリングガイド30B内に挿入することができない。逆に圧入代が小さいと、ベーンばね15が位置ずれしやすいという問題がある。このため、ベーンばね15の位置ずれを防止するために、溝部35に対する大径部15bの圧入代は、以下のように設定される。
圧入代は、ローリングピストン13がベーン溝位相に位置したとき、つまりベーン14が上死点位置にあるとき、のベーンばね15のばね力で、ベーンばね15の大径部15bが溝部35を径方向外側に滑る圧入代ある。また、圧入代は、ローリングピストン13がベーン溝位相から180°異なる位相に位置したとき、つまりベーン14が下死点位置にあるとき、のベーンばね15自体の慣性力で大径部15bが溝部35を滑らない圧入代ある。
なお、図8では、ベーンばね15の大径部15bが溝部35に嵌め込まれて圧入されることで、ベーンばね15がスプリングガイド30B内に固定された構成を示したが、次の図9のように構成してもよい。
図9は、実施の形態3に係る回転式圧縮機におけるベーンばねとスプリングガイドとの固定構造の変形例の説明図である。
この変形例では、小径部15aと大径部15bとの間に、小径部15aよりも大径で大径部15bよりも小径の中間径部15cを備えている。中間径部15cはスプリングガイド30Bの内周面に圧入されている。この構成とすると、大径部15bと中間径部15cとの両方でベーンばね15がスプリングガイド30B内に固定されるため、さらに保持力を高めることができ、位置ずれ防止効果を高めることができる。なお、図9の構成は、図4に示したベーンばね15の大径部15bのさらに径方向外側に、さらに大径の非伸縮部で構成された位置決め部を設け、この位置決め部を溝部35内に嵌め込んだ構成と見ることもできる。
本実施の形態3の回転式圧縮機1のスプリングガイド30Bは、内周面に周状の溝部35を有し、溝部35にベーンばね15の大径部15bが嵌め込まれてベーンばね15がスプリングガイドに固定されている。
このように、スプリングガイド30Bの内周面に形成された周状の溝部35にベーンばね15の大径部15bを嵌め込んで固定することもできる。
ベーン14はシリンダ11の中心に向かう方向である前方の下死点位置とシリンダ11から遠ざかる方向である後方の上死点位置との間を往復するものである。ベーンばね15は、溝部35に大径部15bが嵌め込まれて圧入されている。大径部15bの溝部35に対する圧入代は、ローリングピストン13がベーン溝位相に位置したときのベーンばね15のばね力でベーンばね15の大径部15bが溝部35の径方向外側に滑る圧入代かつ、ローリングピストン13がベーン溝位相から180°異なる位相に位置したときのベーンばね自体の慣性力でベーンばね15の大径部15bが溝部35を滑らない圧入代設定されている。
これにより、ベーンばね15の位置ずれを防止することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態4の回転式圧縮機1は、スプリングガイド30Cへのベーンばね15の固定方法が実施の形態1と異なっている。実施の形態1では圧入方式であったが、実施の形態4では、蓋固定方式である。以下、本実施の形態4が実施の形態1と異なる点を中心に説明するものとし、本実施の形態4で説明されていない構成は実施の形態1と同様である。
図10は、実施の形態4に係る回転式圧縮機におけるベーンばねとスプリングガイドとの固定構造の説明図である。
本実施の形態4において、スプリングガイド30Cへのベーンばね15の固定は、蓋固定方式を用いる。実施の形態1では、スプリングガイド30の内径がベーンばね15の大径部15bの外径よりも小さく形成されており、大径部15bがスプリングガイド30内に圧入されて固定されていた。本実施の形態4では、スプリングガイド30Cの内径は、ベーンばね15の大径部15bの外径よりも大きく形成されており、大径部15bを含むベーンばね15全体がスプリングガイド30Cに接触していない。
また、本実施の形態4のスプリングガイド30Cは、円筒部36と、円筒部36の端部を閉塞するばね蓋37とを有する。ベーンばね15は、ベーン14とばね蓋37との間に、常に自然長よりも縮んだ状態で固定されている。このように、ベーンばね15が縮んだ状態でスプリングガイド30C内に配置されてベーンばね15がスプリングガイド30C内に固定されている。
次に、回転式圧縮機1の要部の組み立て手順について説明する。まず、上軸受18と、2つのシリンダ11と、中間板12と、下軸受19と、2つのローリングピストン13を備えた回転軸17と、を組み合わせた一体物を、突出部6が接合された密閉容器5の内部に固定する。各シリンダ11は、固定凹部40が密閉容器5の開口部8に対向する位置で密閉容器5に固定される。そして、密閉容器5に固定された2つのシリンダ11のうちの一方のシリンダ11のベーン溝22に、突出部6の開口端部からベーン14を挿入する。次に、スプリングガイド30Cを突出部6の開口端部から挿入し、端部をシリンダ11の固定凹部40に固定する。そして、スプリングガイド30Cにベーンばね15を挿入して固定する。他方のシリンダ11に対しても、同様にしてベーン14、スプリングガイド30Cおよびベーンばね15を固定する。そして、突出部6に蓋部7を接合する。
上記組み立て手順では、スプリングガイド30をシリンダ11に取り付けた後に、ベーンばね15をスプリングガイド30に固定していたが、逆としてもよい。つまり、ベーンばね15をスプリングガイド30に固定した後、スプリングガイド30をシリンダ11に取り付けても良い。
本実施の形態4の回転式圧縮機1は、スプリングガイド30が、円筒部36と、円筒部36の端部を閉塞するばね蓋37とを有する。ベーンばね15は、ベーン14とばね蓋37との間に、常に自然長よりも縮んだ状態で固定されている。このようにしてベーンばね15をスプリングガイド30内に固定する構成としてもよい。
(実施の形態5)
本実施の形態5は、実施の形態1~実施の形態4のいずれかの回転式圧縮機1を備えた冷凍サイクル装置に関するものである。
図11は、実施の形態5における冷凍サイクル装置の冷媒回路を示す図である。
冷凍サイクル装置50、実施の形態1~実施の形態4のいずれかの回転式圧縮機1と、凝縮器51と、減圧装置としての膨張弁52と、蒸発器53とを備えている。回転式圧縮機1から吐出されたガス冷媒は凝縮器51に流入し、凝縮器51を通過する空気と熱交換して高圧液冷媒となって流出する。凝縮器51を流出した高圧液冷媒は膨張弁52で減圧されて低圧の気液二相冷媒となり、蒸発器53に流入する。蒸発器53に流入した低圧の気液二相冷媒は、蒸発器53を通過する空気と熱交換して低圧ガス冷媒となり、再び回転式圧縮機1に吸入される。
このように構成された冷凍サイクル装置50は、実施の形態1~実施の形態4のいずれかの回転式圧縮機1を備えることで、安定したベーン14およびベーンばね15の動作が得られる。また、スプリングガイドがシリンダ11から抜けることを抑止できる。これにより、信頼性の高い冷凍サイクル装置50を構成できる。
なお、冷凍サイクル装置50は、空気調和機、冷蔵庫または冷凍機等に適用することができる。
1 回転式圧縮機、5 密閉容器、6 突出部、7 蓋部、8 開口部、10 圧縮要素、11 シリンダ、11a シリンダ室、11b 内周面、11c 外周面、12 中間板、13 ローリングピストン、13c 外周面、14 ベーン、14a 先端部、14b 背面、15 ベーンばね、15a 小径部、15aa 非伸縮部、15ab 伸縮部、15b 大径部、15c 中間径部、16 吐出管、17 回転軸、17a 偏心部、18 上軸受、19 下軸受、20 吸入口、21 吐出穴、22 ベーン溝、25 電動要素、26 固定子、27 回転子、28 アキュムレータ、29 アキュムレータ管、30 スプリングガイド、30A スプリングガイド、30B スプリングガイド、30C スプリングガイド、30a 一端部、31 ベーン通過部、31a 底面、32a 固定部、32b 非固定部、33 傾斜面、34 ねじ溝、35 溝部、36 円筒部、37 ばね蓋、40 固定凹部、50 冷凍サイクル装置、51 凝縮器、52 膨張弁、53 蒸発器。

Claims (4)

  1. 密閉容器と、
    前記密閉容器に収容される環状のシリンダと、
    前記シリンダの内周面に沿って偏心回転するローリングピストンと、
    前記シリンダに径方向に設けられたベーン溝内を往復運動するベーンと、
    前記ベーンを付勢して前記ベーンの先端部を前記ローリングピストンに当接させるコイルばねであって、小径部および前記小径部よりも大径の大径部を有するベーンばねと、
    円筒部と、前記円筒部の端部を閉塞するばね蓋とを有し、前記ベーンばねの前記大径部が前記ばね蓋の内面に接触して前記ベーンばねが固定されるスプリングガイドとを備え、
    前記スプリングガイドは、前記密閉容器に形成された、前記スプリングガイドの外径よりも大きい内径を有する開口部を介して、前記密閉容器に接触せずに、一端部が前記密閉容器内に挿入され、前記シリンダに固定されており、
    前記ベーンばねは、前記ベーンと前記ばね蓋との間に、常に自然長よりも縮み、且つ前記ベーンばねの一端部が前記ばね蓋に当接した状態で固定されている回転式圧縮機。
  2. 前記密閉容器の前記開口部の内径は、前記スプリングガイドの外径よりも大きく構成され、前記スプリングガイドは、前記密閉容器に接触せずに前記シリンダに固定されている請求項1載の回転式圧縮機。
  3. 前記スプリングガイドは、前記ベーンばねの前記大径部が固定された部分以外の部分の内径が、前記大径部が固定された部分の内径よりも大きく構成されている請求項1又は請求項2に記載の回転式圧縮機。
  4. 請求項1~請求項のいずれか一項に記載の回転式圧縮機を備えた冷凍サイクル装置。
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