JP7273610B2 - スピンドルユニット - Google Patents

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Description

本発明は、加工装置等に配設されるスピンドルユニットに関する。
例えば切削装置に用いられるスピンドルユニット(例えば、特許文献1参照)においては、スピンドルとエアベアリング等でスピンドルを支持するハウジングとの間にスピンドルユニットの先端部分から加工屑を含む加工廃液がハウジング側に進入してしまうことがあり、スピンドルとハウジングとの間に加工廃液に含まれていた加工屑が固着することによってスピンドルが回転不能になる場合がある。これを防ぐために、ゴム等からなるリング状のシール部材を用いて加工廃液の上記進入を防止している。
しかし、切削ブレードで切削した被加工物の切断面をきれいにするため、切削ブレードに含まれる砥粒の粒径が小さく改良され、それに伴って排出される加工屑も小さくなる事で、スピンドルとハウジングとの間に加工屑がより進入しやすくなるという問題がある。該問題を解決するため方法として、スピンドルを支持するエアベアリングを形成したエアを、加工屑の進入を阻止するためのエアとして用いるためにハウジング側からスピンドルの先端側に向けて流れるようにしている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005-059151号公報 特開2018-075688号公報
しかし、加工屑の進入を阻止するために該エアの消費量が多くなり問題となる。また、エアベアリング形成のためのエア供給を停止すると、ハウジングとスピンドルとの隙間に加工屑を含む加工廃液が入り込んでしまうという問題がある。よって、スピンドルユニットにおいては、エアベアリング形成のためのエア供給を停止した場合等においても、スピンドルとハウジングとの間に細かな加工屑を含む加工廃液が進入することを防ぎ、また、エアベアリングの代わりにボールベアリングなどを用いたメカニカルベアリングをスピンドルユニットが備える場合であっても、スピンドルとハウジングとの間に加工屑を含む加工廃液が進入するのを防ぎ、スピンドルとハウジングとの間に加工屑が固着して、スピンドルを回転不能にしてしまうことが無いようにするという課題がある。
上記課題を解決するための本発明は、砥石加工具を装着するためのマウントを一方の端側に装着するスピンドルと、該スピンドルの一方の端側を露出させ該スピンドルを回転可能に支持するハウジングと、該スピンドルを回転させる回転駆動源と、を備えたスピンドルユニットであって、該ハウジングの一方の端から露出した該スピンドルの外側面を包囲し、該スピンドルの一方の端側に装着された該マウントに非接触の状態で該マウントと該ハウジングの一方の端との間で該ハウジングの一方の端に連結される筒状のシール部を備え、該マウントは、円筒形状の筒状基部と、筒状基部の外側面の中間位置において径方向外側に突出して形成されたフランジと、を備え、該シール部は、該スピンドルの一方の端側に装着された該マウントの該筒状基部の外側面に対面した面又は該スピンドルの一方の端側に装着された該マウントの後面に対面した面に形成される環状の内凹部を備え、該内凹部がラビリンスシールとして機能し、加工水を供給しながら該砥石加工具で被加工物を加工している際に加工屑を含む加工廃液が、該マウントと該シール部との間の隙間から該ハウジング側に進入するのを止めるスピンドルユニットである。
本発明に係るスピンドルユニットは、該シール部と該マウントとを該スピンドルの軸方向で切った断面における該シール部と該マウントとの間の隙間が大小交互に配置された形状(例えば、ジグザグ形状)となると好ましい。
該スピンドルには該マウントが装着されるマウント装着部を備え、該マウント装着部のうち該シール部より該回転駆動源側には第2シール部を備え、該第2シール部は、該マウント装着部の外側面と、該マウント装着部の外側面に対面した面に形成される環状の第2内凹部とからなることが好ましい。
本発明に係るスピンドルユニットは、ハウジングの一方の端から露出したスピンドルの外側面を包囲し、スピンドルの一方の端側に装着されたマウントに非接触の状態でマウントとハウジングの一方の端との間でハウジングの一方の端に連結される筒状のシール部を備え、シール部は、スピンドルの一方の端側に装着されたマウントの外側面に対面した面又はスピンドルの一方の端側に装着されたマウントの後面に対面した面に形成される環状の内凹部を備えることで、内凹部がラビリンスシールとして機能し、加工水を供給しながら砥石加工具で被加工物を加工している際に発生する加工屑を含む加工廃液を、マウントとシール部との間の隙間からハウジング側に進入するのを止めることが可能となる。即ち、細かな加工屑を含む加工廃液が、エアベアリングを形成するためのエア供給を停止しても、スピンドルとハウジングとの間に進入しようとするのを内凹部で止めることができる。したがって、スピンドルとハウジングとの間に加工屑が固着してしまうといった事態を生じさせないようにすることが可能となる。また、ハウジングがボールベアリング等のメカベアリングでスピンドルを支持する構成となっており、加工廃液の進入を防ぐためのハウジングから排出される高圧エアが無い場合であっても、スピンドルとハウジングとの間に加工屑を含む加工廃液が進入してしまうことを内凹部で止めることができるようになる。
本発明に係るスピンドルユニットにおいては、シール部の外壁面に撥水性のコーティングを施すことで、加工により発生する加工屑が生加工されたセラミックスやPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の水分が抜けやすく固化しやすい加工屑であっても、撥水性のコーティングでシール部の外壁面に加工屑を固着させないようにすることが可能となる。その結果、スピンドルの回転による部品同士のかじり等を防止することが可能となる。
本発明に係るスピンドルユニットにおいては、シール部の内側面とスピンドルの外側面との間の隙間が、ハウジング内部においてスピンドルを支持するエアベアリングを形成した高圧エアの排気部となることで、スピンドルを支持するエアベアリングを形成した高圧エアを加工屑の進入を阻止するためエアとして作用させることができる。
本発明に係るスピンドルユニットは、シール部の先端の面に対面するマウントの後面に形成されシール部の先端を収容する環状凹部を備え、シール部とマウントとをスピンドルの軸方向で切った断面におけるシール部とマウントとの間の隙間が大小交互に配設された形状となることで、細かな加工屑を含む加工廃液が、スピンドルとハウジングとの間に進入してしまうことをより防ぐことが可能となる。
本発明に係るスピンドルユニットを備える切削装置の一例を示す斜視図である。 スピンドルユニットを備える切削手段の構造の一例を示す断面図である。 切削手段の一部の分解断面図である。 切削手段の一部の断面図である。 シール部の先端の面に対面するマウントの後面に形成されシール部の先端を収容する環状凹部を備えるスピンドルユニットの一部を示す断面図である。 本発明に係るスピンドルユニットを備える研削装置の一例を示す斜視図である。 チャックテーブルと本発明に係るスピンドルユニットを備える研削手段とを示す断面図である。 シール部の別例を示す断面図である。 シール部の先端の面に対面するマウントの後面に形成されシール部の先端を収容する環状凹部を備えるスピンドルユニットの一部を示す断面図である。
(実施形態1)
図1に示す切削装置1は、例えば、保持テーブル15に保持された半導体ウェーハ等の板状の被加工物Wに対して、本発明に係るスピンドルユニット62により回転される砥石加工具63を切り込ませて切削加工を施す装置である。
図1に示す被加工物Wは、例えば、シリコンを母材とする外形が円形板状の半導体ウェーハであり、図1において上側を向いている表面Waには、直交差する複数の分割予定ラインSが形成されており、分割予定ラインSによって格子状に区画された各領域にはIC等のデバイスDがそれぞれ形成されている。被加工物Wの裏面Wbは、ダイシングテープTが貼着されて保護されている。なお、被加工物Wはシリコン以外にガリウムヒ素、サファイア、樹脂、窒化ガリウム又はシリコンカーバイド等で構成されていてもよいし、その外形も円形状ではなく、例えば、矩形状に形成されていてもよい。例えば、被加工物Wは、その表面WaにPZT薄膜等が成膜されていてもよいし、生セラミックス基板やPZTウェーハ等であってもよい。また、被加工物Wは、例えば、図示しない環状フレームによってダイシングテープTを介してハンドリング可能に支持されていてもよい。
切削装置1の基台10上には、切削送り方向(X軸方向)に保持テーブル15を往復移動させる切削送り手段11が配設されている。切削送り手段11は、X軸方向の軸心を有するボールネジ110と、ボールネジ110と平行に配設された一対のガイドレール111と、ボールネジ110を回動させるモータ112と、内部のナットがボールネジ110に螺合し底部がガイドレール111に摺接する可動板113とから構成される。そして、モータ112がボールネジ110を回動させると、これに伴い可動板113がガイドレール111にガイドされてX軸方向に移動し、可動板113上に配設された保持テーブル15がX軸方向に移動する。
被加工物Wを保持する保持テーブル15は、例えば、その外形が円形状であり、ポーラス部材等からなる水平な保持面15a上で被加工物Wを吸引保持する。保持テーブル15は、その底面側に配設され軸方向がZ軸方向である回転手段151を介して可動板113上に固定されている。
基台10上の後方側(+X方向側)には、門型コラム100が切削送り手段11を跨ぐように立設されている。門型コラム100の前面には、X軸方向に水平面において直交するY軸方向に切削手段6を往復移動させる割り出し送り手段12が配設されている。割り出し送り手段12は、Y軸方向の軸心を有するボールネジ120と、ボールネジ120と平行に配設された一対のガイドレール121と、ボールネジ120を回動させるモータ122と、内部のナットがボールネジ120に螺合し側部がガイドレール121に摺接する可動板123とから構成される。そして、モータ122がボールネジ120を回動させると、これに伴い可動板123がガイドレール121にガイドされてY軸方向に移動し、可動板123上に切込み送り手段16を介して配設された切削手段6がY軸方向に割り出し送りされる。
可動板123上には、X軸方向及びY軸方向に対して直交するZ軸方向(鉛直方向)に切削手段6を往復移動させる切込み送り手段16が配設されている。切込み送り手段16は、Z軸方向の軸心を有するボールネジ160と、ボールネジ160と平行に配設された一対のガイドレール161と、ボールネジ160を回動させるモータ162と、内部のナットがボールネジ160に螺合し側部がガイドレール161に摺接する支持部材163とから構成される。そして、モータ162がボールネジ160を回動させると、これに伴い支持部材163がガイドレール161にガイドされてZ軸方向に移動し、支持部材163が支持する切削手段6がZ軸方向に切込み送りされる。
切削手段6は、例えば、砥石加工具63を回転可能に支持するスピンドル621(図2参照)を備える本発明に係るスピンドルユニット62と、スピンドル621に装着される砥石加工具63と、砥石加工具63をカバーするブレードカバー64と、砥石加工具63に加工水を供給する加工水供給ノズル671、672と、を少なくとも備えている。
図2に示すスピンドルユニット62は、砥石加工具63を装着するためのマウント65を一方の端側(+Y方向側)に装着するスピンドル621と、スピンドル621の一方の端側を露出させスピンドル621を回転可能に支持するハウジング622と、スピンドル621を回転させる回転駆動源623と、を備えている。
本実施形態においては、ハウジング622の内部にはエアベアリングが形成される。即ち、筒状部材であるハウジング622の中にスピンドル621を通し、ハウジング622とスピンドル621との間の小さな隙間に、コンプレッサー等で構成されるエア供給源60から供給された高圧エアからなるエア層(エアベアリング)を形成し、このエアベアリングによってスピンドル621を非接触で軸承する。
なお、ハウジング622は、ボールベアリング等のメカベアリングでスピンドル621を支持する構造となっていてもよい。
図2に示すように、ハウジング622に例えば非接触で支持されるスピンドル621は、Y軸方向に延在する長軸部621cと、長軸部621cの例えば長手方向(Y軸方向)の略中位置において一体的に形成され径方向外向きに延出されるスラストプレート部621dと、長軸部621cの一端側に一体的に形成され+Y方向側に向かって縮径するテーパー面を備えるマウント装着部621aを有しており、マウント装着部621aの先端面から内部にかけて固定ボルト664が螺合するネジ孔621b(図3参照)が形成されている。長軸部621c、及びスラストプレート部621dとハウジング622の内側面との間には、僅かな隙間が設けられている。
図2に示すように、ハウジング622の側壁内部には、エア供給源60に連通しハウジング622の長手方向(Y軸方向)に延びるエア流路622aが形成され、ハウジング622の内側壁面には、スピンドル621に向かって高圧エアを噴出させる複数の噴射口622bが形成されている。
複数の噴射口622bからスピンドル621の外面に高圧エアが噴射され、スピンドル621とハウジング622との僅かな隙間に高圧エアが流れ込み隙間に充満する。これにより、ハウジング622にラジアルエアベアリングとスラストエアベアリングとが形成され、径方向及び軸方向(Y軸方向)でスピンドル621が回転可能に支持される。即ち、スピンドル621がハウジング622により高圧エアを介して非接触で浮動支持される。
図2に示すスピンドル621の後端側(-Y方向側)には、回転駆動源623が形成されている。回転駆動源623は、例えばモータであり、スピンドル621の後端にロータ623eが形成されている。ハウジング622には、ロータ623eを囲繞して配置されるステータ623cと、ステータ623cを囲繞し回転駆動源623の発熱を抑える冷却ジャケット622fとが形成されている。
図2に示すスピンドル621の先端側(+Y方向側)は、ハウジング622の一方の端側(+Y方向側)から外部に突き出るように露出している。図3に示すように、マウント装着部621aは、例えば、円柱基部621g及び円柱基部621gから+Y方向側の先端に向かって縮径する円錐台のテーパー部621fを備えている。
切削手段6は、スピンドル621に着脱可能に装着されるマウント65を備えている。全体として正面視略円形の外形を備えるマウント65は、円筒形状の筒状基部650と、筒状基部650の外側面の中間位置において径方向外側に突出して形成されたフランジ651と、を備えている。筒状基部650の筒内は、スピンドル621のテーパー部621fが嵌合する嵌合孔652(図3参照)となっている。
図3に示す筒状基部650のフランジ651よりも先端側(+Y方向側)の部分は、図3に示す略円環状の外形を備えるフランジ660の開口内に挿入される。また、筒状基部650の外側面65c中のフランジ651よりも先端側(+Y方向側)の領域には、固定ナット661が螺合するネジ650cが形成されている。
フランジ651の+Y方向側の前面には、一段の段差が設けられており、これによって
砥石加工具63の開口に嵌入される砥石支持部651aが形成されている。
砥石加工具63は、中央に円形の開口が形成された円環状のワッシャー型のブレードであり、ダイヤモンド砥粒等が適宜のバインダーで固定されて形成されている。なお、砥石加工具63は、例えばアルミニウムからなる台金(ハブ)と台金から径方向外側に向かって突出するように形成された切り刃(砥石)とを備えるハブブレードであってもよい。
マウント65の嵌合孔652にスピンドル621のテーパー部621fを挿嵌した後、スピンドル621のネジ孔621bに固定ボルト664を螺合していくことによって、テーパー部621fと嵌合孔652とが嵌合され、マウント65をスピンドル621に固定することができる。さらに、フランジ651の砥石支持部651aに砥石加工具63の開口を挿入させてから、フランジ651の先端側にフランジ660の開口を挿入させ、筒状基部650の先端側の外側面65cに形成されたネジ650cに固定ナット661を螺合させて締め付けることで、砥石加工具63は、砥石支持部651aによって支持されると共に、フランジ651とフランジ660とで挟持された状態になる。そして、図2に示す回転駆動源623によりスピンドル621が回転駆動されることに伴って、砥石加工具63も高速回転する状態になる。
本発明に係るスピンドルユニット62は、図3、4に示すように、ハウジング622の一方の端側から露出したスピンドル621の側面を包囲し、スピンドル621の一方の端側に装着されたマウント65に非接触の状態でマウント65とハウジング622の一方の端(+Y方向側)との間でハウジング622の一方の端に連結される筒状のシール部68を備えている。
本実施形態におけるシール部68は、ハウジング622の先端面に図示しないボルト等で後面が固定されている。筒状のシール部68は、本実施形態においては、先端側(+Y方向側)に向かって縮径している。シール部68の先端部分は、シール部68の径方向外側に向かって拡径するようにフランジ状に延在することで、折り返し部685が形成されている。折り返し部685は、砥石加工具63を挟んで配設される図4に示す一対の加工水供給ノズル671から噴射される加工水が加工屑を含んで加工廃液となった後に、砥石加工具63の回転によって発生する気流により巻き上げられてシール部68の先端面とマウント65のフランジ651の後面651bとの間の隙間に直接向かっていくのを防ぐ役割を果す。
シール部68の筒内径は、例えば、後端側から先端側に向かって、縮径した後に間欠的に拡径している。そして、シール部68の内側面は、スピンドル621の円柱基部621gの外側面との間に僅かな隙間を設けて対面する第1内側面68aと、スピンドル621の一方の端側であるテーパー部621fに装着されたマウント65の例えば外側面65c中のフランジ651よりも後端側の領域に対面した面68b(本実施形態においては、以下、第2内側面68bとする)とを備える。
シール部68は、第2内側面68bに形成される環状の内凹部681を備えている。ラビリンスシールとして機能する内凹部681は、例えば、Y軸方向に等間隔を空けて第2内側面68bを環状に切り欠いて形成された3本の円環状の溝である。なお、内凹部681の本数は1本、2本、又は4本以上であってもよい。
例えば、図4に示すように、マウント装着部621aの円柱基部621gの外側面との間に僅かな隙間を設けて対面する第1内側面68aには、ラビリンスシールとして機能する円環状の溝683が形成されていると好ましい。また、図3,4においては円環状の溝683は1本となっているが、Y軸方向に所定間隔を空けて複数形成されていてもよい。なお、シール部68は、円環状の溝683を備えない構成であってもよい。
シール部68の外壁面68dには、例えば本実施形態のようにテフロン(登録商標)コーティング等の撥水性のコーティング(塗布や、シートの貼着)が施されていると、外壁面68dに加工屑が固着するのを防止できる。
例えば、シール部68の内側面とスピンドル621の外側面との間の隙間、即ち、本実施形態においては、シール部68の第1内側面68aとスピンドル621の円柱基部621gの外側面との間の隙間は、エアベアリングを形成するために流された高圧エアの排気部626となる。排気部626から排気されるエアは、シール部68の第2内側面68bとマウント65の外側面65cとの隙間を通り、シール部68の先端面とマウント65のフランジ651の後面651bとの隙間から排気される。
図1に示すブレードカバー64は、その中央領域に砥石加工具63を収容する略円形の開口を備えている。ブレードカバー64の-X方向側の側面には、加工水供給ノズル672を支持するノズル支持ブロック643が配設されており、ノズル支持ブロック643には、純水等を蓄えている加工水供給源69に連通し砥石加工具63の径方向外側から砥石加工具63に向かって加工水を噴射する加工水供給ノズル672が配設されている。
砥石加工具63を図4に示すようにスピンドル621に装着した後に、図1に示すブレードカバー64をハウジング622に装着すれば、砥石加工具63をブレードカバー64の開口内に収容でき、切削手段6が被加工物Wを切削可能な状態になる。
ブレードカバー64は、Y方向側から見て略L字形状の図1、4に示す一対の加工水供給ノズル671を支持している。一対の加工水供給ノズル671は、砥石加工具63の下部を挟むようにしてX軸方向に互いに平行に延びている。一対の加工水供給ノズル671のそれぞれの上端は、加工水供給源69に樹脂チューブ等を介して連通している。一対の加工水供給ノズル671は砥石加工具63の側面に対面する内側面に複数のスリットを備えており、スリットから噴射される加工水によって、砥石加工具63は冷却及び洗浄される。
例えば、図1に示すように、スピンドルユニット62のハウジング622の外側面には、被加工物Wの分割予定ラインSを検出するアライメント手段18が配設されている。アライメント手段18は、光照射手段と、被加工物Wからの反射光を捉える光学系及び受光量に対応した電気信号を出力する撮像素子等で構成されたカメラ180と、を備えており、カメラ180により取得した画像に基づき、パターンマッチング等の画像処理によって被加工物Wの表面Waの分割予定ラインSの位置を検出できる。
以下に、上記図1に示す切削装置1を用いて被加工物WをデバイスDを備える個々のチップに分割する場合の、切削装置1の動作、特にスピンドルユニット62の動作について詳しく説明する。
まず、図1に示す保持テーブル15の保持面15aによって、被加工物Wが表面Waが上側を向いた状態で吸引保持される。保持テーブル15により被加工物Wが保持された後、切削送り手段11が、保持テーブル15に保持された被加工物Wを+X方向に送り、カメラ180が被加工物Wの撮像を行う。被加工物Wの表面Waが写った撮像画像を基に、アライメント手段18がパターンマッチング等の画像処理を実行し、砥石加工具63を切り込ませるべき分割予定ラインSの座標位置が検出される。各分割予定ラインSの座標位置が検出されるのに伴って、切削手段6が割り出し送り手段12によってY軸方向に移動され、切削すべき分割予定ラインSと砥石加工具63とのY軸方向における位置合わせが行われる。
上記位置合わせ後、図2に示す回転駆動源623がスピンドル621を高速回転させ、先に説明したエアベアリングでハウジング622に非接触で支持されるスピンドル621の回転に伴って、スピンドル621に固定された砥石加工具63が高速回転をし、図1に示す切込み送り手段16が切削手段6を-Z方向に降下させ、例えば、砥石加工具63が被加工物Wの裏面Wbを切り抜けダイシングテープTに到る所定の高さ位置に切削手段6が位置付けられる。さらに、切削送り手段11が被加工物Wを保持する保持テーブル15を所定の切削送り速度で+X方向に移動させ、被加工物Wを分割予定ラインSに沿って切削していく。
切削加工中において、図1、4に示す一対の加工水供給ノズル671によって、砥石加工具63の刃厚方向(Y軸方向)両側から砥石加工具63と被加工物Wとの接触部位に向かって加工水が噴射され、接触部位に生じた加工屑が加工廃液となった加工廃液と共に除去され、また、接触部位が冷却される。
切削加工中において、先に説明したハウジング622内部においてスピンドル621に向けて噴出されスピンドル621を支持するエアベアリングを形成した高圧エアは、スピンドルユニット62の排気部626、及びシール部68の第2内側面68bとマウント65の外側面65cとの隙間を通りスピンドルユニット62外へ排気される。そして、排出された高圧エアは、エアシールとして働き、加工屑を含む加工廃液がシール部68の先端面とマウント65のフランジ651の後面651bとの隙間を通過してハウジング622内に進入しようとするのを防ぐ。
スピンドルユニット62は外部に排出した該高圧エアによるエアシールの効果を得ることができる一方、エア供給を停止すると、ハウジング622とスピンドル621との隙間に加工屑を含む加工廃液が入り込んでしまうという問題があった。
しかし、本発明に係るスピンドルユニット62では、図4に示すシール部68が、スピンドル621の一方の端側に装着されたマウント65の例えば外側面65cに対面した第2内側面68bに形成される環状の内凹部681を備えていることで、第2内側面68b、内凹部681、及びマウント65の外側面65cによって囲まれる微細な隙間でラビリンスシールを形成することが可能となる。そのため、細かな加工屑を含む加工廃液が、スピンドル621とハウジング622との間に進入してしまうことを防ぎ、スピンドル621とハウジング622との間に加工屑が固着してしまうといった事態を生じ無いようにすることが可能となる。また、エアベアリングの代わりに、ハウジング622がボールベアリングでスピンドル621を支持する構成の場合であっても、スピンドル621とハウジング622との間に加工屑を含む加工廃液が進入してしまうことをラビリンスシールとして機能する内凹部681で防ぐことができるようになる。
本発明に係るスピンドルユニット62においては、シール部68の外壁面68dに撥水性のコーティングを施すことで、加工により発生する加工屑が例えば生加工されたセラミックスやPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の水分が抜けやすく固化しやすい加工屑であっても、撥水性のコーティングでシール部68の外壁面68dに加工屑を固着させないようにすることが可能となる。
なお、切削装置1が備える本発明に係るスピンドルユニット62は、本実施形態1に限定されるものではない。例えば、スピンドルユニット62は、図5に示すように、シール部68の先端の面に対面するマウント65の後面に形成されシール部68の先端を収容する環状凹部686を備えていてもよい。例えば、環状凹部686は、マウント65を構成するフランジ651の後面651bを所定深さだけ円環状に切り欠いて形成されており、
シール部68の先端部分が環状凹部686に入り込んだ状態になっている。環状凹部686は、シール部68の外壁面68d、先端面、及び第2内側面68bとの間に僅かな隙間を形成しており、シール部68とマウント65とをスピンドル621の軸方向(Y軸方向)で切った断面におけるシール部68とマウント65との該隙間が図5に示すように大小交互に配設された形状であるコの字形状になる。そのため、シール部68の先端面とマウント65を構成するフランジ651の後面651bとの隙間に直接細かな加工屑を含む加工廃液が真っ直ぐ進入してしまうことをより防ぐことが可能となる。
(実施形態2)
図6に示す研削装置2は、本発明に係るスピンドルユニット72を備える研削手段7によって、チャックテーブル23によって吸引保持された被加工物Wを研削する装置である。研削装置2のベース20上の前方(-Y方向側)は、チャックテーブル23に対して被加工物Wの着脱が行われる領域であり、ベース20上の後方(+Y方向側)は、研削手段7によってチャックテーブル23上に保持された被加工物Wの研削が行われる領域である。
なお、本発明に係るスピンドルユニット72を備える研削装置は、研削装置2のような研削手段7が1軸のマニュアルタイプの研削装置に限定されるものではなく、粗研削手段と仕上げ研削手段とを備える2軸のフルオートタイプの研削装置であってもよい。
被加工物Wを保持する図6に示すチャックテーブル23は、例えば、その外形が円形状であり、ポーラス部材等からなり被加工物Wを吸着する吸着部230と、吸着部230を支持する枠体231とを備える。吸着部230は図示しない吸引源に連通し、吸着部230の露出面と枠体231の上面とからなる保持面230a上で被加工物Wを吸引保持する。なお、保持面230aは、チャックテーブル23の回転中心を頂点とする極めて緩やかな円錐面となっている。
チャックテーブル23は、カバー24によって囲繞されていると共に、その下方に配設されZ軸方向の回転軸を備える図示しない回転手段によって回転可能である。また、チャックテーブル23は、図1に示すカバー24及びカバー24に連結された蛇腹カバー24aの下方に配設された図示しない移動手段によってY軸方向に往復移動可能となっている。
研削領域には、コラム21が立設されており、コラム21の前面には研削手段7をチャックテーブル23に対して離間又は接近するZ軸方向(鉛直方向)に研削送りする研削送り手段22が配設されている。研削送り手段22は、鉛直方向の軸心を有するボールネジ220と、ボールネジ220と平行に配設された一対のガイドレール221と、ボールネジ220の上端に連結しボールネジ220を回動させるモータ222と、内部のナットがボールネジ220に螺合し側部がガイドレール221に摺接する昇降板223とを備えており、モータ222がボールネジ220を回動させると、これに伴い昇降板223がガイドレール221にガイドされてZ軸方向に往復移動し、昇降板223に固定された研削手段7がZ軸方向に研削送りされる。
研削位置まで+Y方向に移動したチャックテーブル23に隣接する位置には、例えば、研削中において被加工物Wの厚みを接触式にて測定する厚み測定手段28が配設されている。
チャックテーブル23に保持された被加工物Wを研削する研削手段7は、軸方向がZ軸方向であるスピンドル720を備える本発明に係るスピンドルユニット72と、スピンドル720の下端に接続された円環状のマウント73と、マウント73の下面に着脱可能に装着された砥石加工具74と、スピンドルユニット72を支持し研削送り手段22の昇降
板223にその側面が固定されたホルダ75とを備える。
スピンドルユニット72は、砥石加工具74を装着するためのマウント73を一方の端側(下端側)に装着するスピンドル720と、スピンドル720の一方の端側を露出させスピンドル720を回転可能に支持するハウジング721と、スピンドル720を回転させる回転駆動源722と、を備えている。
図7に示すように、ハウジング721に例えば非接触で支持されるスピンドル720は、円柱状に形成されZ軸方向に延在する長軸部720aと、長軸部720aの中段位置において長軸部720aと一体的に形成され長軸部720aから径方向外向きに延出される円形板状のプレート部720bと、長軸部720aの下端側に長軸部720aから径方向外向きに一体的に延出されマウント73が取り付けられる円形板状の取り付け部720cとを備えている。プレート部720b及び取り付け部720cとハウジング721の内側面との間には僅かな隙間が形成されている。
図7に示すように、例えば外形が有天井円筒形状に形成されたハウジング721は、コンプレッサー等で構成されるエア供給源79から供給されるエアの圧力によってスピンドル720を非接触で支持するエアベアリングを内部に形成する。
なお、ハウジング721は、ボールベアリングでスピンドル720を支持する構造となっていてもよい。
エアベアリングの具体的な構造について説明する。ハウジング721の下端部分にはプレート部720bと取り付け部720cとの間に入り込むように環状板状の外形を備えるエア噴射部721dが形成されている。スピンドル720のプレート部720bとハウジング721のエア噴射部721dとの間、及びスピンドル720の取り付け部720cとハウジング721のエア噴射部721dとの間には、エアの通り路になる僅かな隙間が設けられている。エア噴射部721dの外面には図示しない多数の噴射口が形成されており、各噴射口はエア噴射部721d内のエア流路721e及び配管を通じてエア供給源79に接続されている。
エア供給源79から供給された高圧エアが、上記エア流路721eを通ってエア噴射部721dの各噴射口から隙間を介してスピンドル720の外面に噴射されることで、スピンドル720がハウジング721に対して高圧エアを介して浮動支持される。これにより、ハウジング721内にラジアルエアベアリングとスラストエアベアリングとが形成され、ラジアルエアベアリングとスラストエアベアリングとによって径方向及び軸方向でスピンドル720の外側面が回転可能に支持される。このとき、スラストエアベアリングによって広い範囲でスピンドル720のプレート部720bと取り付け部720cとが浮動支持されているため、スピンドル720に対してスラスト方向(Z軸方向)に作用する加工負荷が適度に分散されている。
図7に示す回転駆動源722は、例えば、スピンドル720の長軸部720aの上端側の側面に接続されたロータ722aと、ロータ722aの外側においてハウジング721の内側面に冷却ジャケット721fを介して配設されたステータ722bとを備えたモータである。ステータ722bには、回転駆動源722に所定の電力を供給する図示しない電源が接続されている。回転駆動源722は、ステータ722bに電圧が印加されることによりロータ722aを回転させ、ロータ722aが装着されたスピンドル720を回転させる。冷却ジャケット721fは、例えば水冷式の冷却ジャケットであり、回転駆動源722の発熱を抑える。
ハウジング721の一方の端側(下端側)からは、スピンドル720の一方の端側(下
端側)である取り付け部720cが、ハウジング721の外部に向かって-Z方向に突出している。ハウジング721から露出した取り付け部720cの下面に、マウント73を図示しない固定ボルト等で取り付けることができるようになっている。
スピンドル720の一方の端側(下端側)に装着されたマウント73の前面(本実施形態においては下面)には、砥石加工具74が図示しないボルト等によって固定されている。砥石加工具74は、砥石基台741と、砥石基台741の底面に環状に配置された略直方体形状の複数の研削砥石740とを備える。研削砥石740は、適宜のバインダー(接着剤)でダイヤモンド砥粒等が固着されて成形されており、主にその下面が研削面となる。
本発明に係るスピンドルユニット72は、ハウジング721の一方の端側(下端側)から露出したスピンドル720の外側面を包囲し、スピンドル720の一方の端側に装着されたマウント73に非接触の状態でマウント73とハウジング721の一方の端との間でハウジング721の一方の端に連結される筒状のシール部77を備えている。
本実施形態におけるシール部77は、スピンドル720の取り付け部720cの外側面を包囲し、ハウジング721のエア噴射部721dの下面に図示しないボルト等でその上端面が固定されている。
シール部77は、スピンドル720の一方の端側に装着されたマウント73の例えば後面73b(本実施形態における上面)に対面した面77c(本実施形態においては下端面77c)に形成される環状の内凹部770を備えている。ラビリンスシールとして機能する内凹部770は、面77cを環状に切り欠いて形成された1本の円環状の溝である。なお、内凹部770は、例えば、シール部77の中心を中心とする同心円状に面77cに複数本形成されていてもよい。
例えば、図7に示すように、スピンドル720の取り付け部720cの外側面に対面するシール部77の内側面77aには、ラビリンスシールとして機能する1本の円環状の溝771が形成されていると好ましい。また、円環状の溝771は、例えば、内側面77aにZ軸方向に所定間隔を空けて複数形成されていてもよい。
シール部77の外壁面77bには、例えばテフロン(登録商標)コーティング等の撥水性のコーティングが施されていると、外壁面77bに加工屑が固着するのを防止できる。該撥水性のコーティングは、例えば撥水剤の塗布や、シートの貼着によるものである。
例えば、シール部77の外壁面77bは、平坦面ではなく、図7に示すように内側面77a側に向かって窪んだ後外側に向かって折り返された形状となっていると、外壁面77bに付着した加工廃液がシール部77の面77cに伝っていき難くなるので好ましい。
シール部77の内側面77aとスピンドル720の外側面との隙間は、例えば、先に説明したスピンドル720を支持するエアベアリングを形成するために流された高圧エアの排気部773となる。排気部773から排気される高圧エアは、研削加工中に発生する加工屑を含んだ加工廃液が、ハウジング721内に進入するのを防ぐ役割を果す。
図7に示すように、スピンドル720の内部には、回転中心を通り加工水の通り道となる加工水流路720fがZ軸方向に貫通して形成されている。加工水流路720fは、マウント73内に形成された加工水分配路73aに連通している。加工水分配路73aはマウント73の内部において周方向に均等間隔を空けて径方向に延在しており、マウント73の下面でそれぞれ開口している。そして、加工水分配路73aは、砥石基台741の上面から内側斜面に貫通形成され研削砥石740に向かって加工水を噴出する複数の加工水
噴出口741bと連通する。
研削装置2は、加工水を研削砥石740と被加工物Wとの接触部位に供給するための加工水供給手段27を備えている。加工水供給手段27は、例えば、スピンドル720の加工水流路720fにジョイント721hを介して挿入される加工水供給パイプ270と、ポンプ等から構成され加工水供給パイプ270の上端側に連通する加工水供給源271とを備えている。加工水供給源271が送出する加工水は、加工水供給パイプ270を通り、スピンドル720の加工水流路720fに至り、さらに、加工水分配路73aで分かれて加工水噴出口741bから下方に向かって噴出し、研削砥石740と被加工物Wとに供給される。
例えば、研削位置まで+Y方向に移動したチャックテーブル23に隣接する位置には、研削中において被加工物Wと研削砥石740との接触部位に砥石加工具74の外側から加工水を供給する加工水供給ノズル26が配設されている。加工水供給ノズル26は、加工水供給源271に配管を介して連通している。
以下に、上記図6、7に示す研削装置2を用いて被加工物Wの裏面Wbを研削する場合の、研削装置2の動作、特にスピンドルユニット72の動作について詳しく説明する。
図6、7に示すチャックテーブル23の保持面230aによって、被加工物Wが裏面Wbが上側を向いた状態で吸引保持される。被加工物Wの裏面Wbの中心とチャックテーブル23の回転中心とは略合致している。次いで、被加工物Wを保持したチャックテーブル23が、研削手段7の下まで+Y方向へ移動する。そして、研削手段7の研削砥石740とチャックテーブル23に保持された被加工物Wとの位置合わせがなされる。位置合わせは、例えば、砥石加工具74の回転中心が被加工物Wの回転中心に対して所定の距離だけ水平方向にずれ、研削砥石740の回転軌跡が被加工物Wの回転中心を通るように行われる。
次いで、研削手段7が研削送り手段22により-Z方向へと送られ、先に説明したハウジング721内に形成されるエアベアリングで非接触で支持されるスピンドル720の回転に伴って回転する研削砥石740が、被加工物Wの裏面Wbに当接することで研削が行われる。研削中は、チャックテーブル23が例えば研削砥石740と同方向に回転するのに伴って、保持面230a上に保持された被加工物Wも回転するので、研削砥石740によって被加工物Wの裏面Wb全面の研削加工が行われる。
研削加工中においては、図7に示す加工水供給源271が、主に砥石加工具74を冷却するための加工水をスピンドル720中の加工水流路720fに対して供給する。加工水流路720fに供給された加工水は、マウント73の加工水分配路73aを通り、砥石加工具74の各加工水噴出口741bから噴出し研削砥石740に到達する。この加工水によって研削砥石740及び被加工物Wが冷却されると共に、被加工物Wの裏面Wbから加工屑が加工廃液となった加工水と共に洗い流される。
また、研削加工中においては、加工水供給ノズル26から、加工水が砥石加工具74の外側から研削砥石740と被加工物Wとの接触部位に向かって噴射され、接触部位に生じた加工屑を含んだ加工廃液と共に除去される。
研削加工中において、先に説明したハウジング721内部においてスピンドル720に向けて噴出されスピンドル720を支持するエアベアリングを形成した高圧エアは、排気部773を通過して、さらに、シール部77の面77c及び内凹部770とマウント73の後面73bと間を通ってスピンドルユニット72の外部に排出される。そして、排出された高圧エアは、エアシールとして作用して、加工屑を含む加工廃液がシール部77の面
77cとマウント73の後面73bとの隙間を通過してハウジング721内に至ることを効果的に防止できる。
スピンドルユニット72の外部に排出された該高圧エアによるエアシールの効果を得ることができる一方、スピンドルユニット72への高圧エアの供給を停止したとき、加工廃液が排気部773を通りハウジング721内に入り込んでしまうという問題があった。
しかし、本発明に係るスピンドルユニット72では、シール部77が、スピンドル720の一方の端側に装着されたマウント73の例えば後面73bに対面した面77cに形成される環状の内凹部770を備えていることで、面77c、内凹部770、及びマウント73の後面73bによって囲まれる微細な隙間でラビリンスシールを形成することができる。そのため、細かな加工屑を含む加工廃液が、スピンドル720とハウジング721との間に進入してしまうことを、ラビリンスシールとして機能する内凹部770で防ぐことができる。そのため、スピンドル720とハウジング721との隙間に加工屑が固着してしまうといった事態を生じさせないようにすることが可能となる。また、エアベアリングの代わりに、ハウジング721が例えばボールベアリングでスピンドル720を支持する構成の場合であっても、スピンドル720とハウジング721との隙間に加工屑を含む加工廃液が進入してしまうことをラビリンスシールとして機能する内凹部770で防ぐことが可能となる。
本発明に係るスピンドルユニット72においては、シール部77の外壁面77bに撥水性のコーティングを施すことで、加工により発生する加工屑が例えば生加工されたセラミックスやPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の水分が抜けやすく固化しやすい加工屑であっても、撥水性のコーティングでシール部77の外壁面77bに加工屑を固着させないようにすることが可能となる。
本発明に係るスピンドルユニット72においては、シール部77の内側面77aとスピンドル720の外側面との隙間が、ハウジング721内部においてスピンドル720を支持するエアベアリングを形成した高圧エアの排気部773となることで、スピンドル720を支持するエアベアリングを形成した高圧エアを加工屑の進入を阻止するためエアとして作用させることができる。
なお、研削装置2が備える本発明に係るスピンドルユニット72は、本実施形態2に限定されるものではない。
例えば、図8に示すように、別例のシール部77Fは、スピンドル720の一方の端側に装着されたマウント73の外側面73cに対面した面77dに形成される環状の内凹部774を備えていてもよい。即ち、シール部77Fの下端側は、マウント73の後面73b上方を径方向外側に延在した後-Z方向に延在しマウント73の外側面73cを囲繞する形状となっている。内凹部774は、例えば、マウント73の外側面73cに僅かな隙間を設けて対面した面77dを環状に切り欠いて形成された複数本(例えば、3本)の円環状の溝であり、細かな加工屑を含む加工廃液がスピンドル720とハウジング721(図7参照)との隙間に進入してしまうことを防ぐラビリンスシールとして機能する。
図9に示すように、スピンドルユニット72は、例えば、別例のシール部77Gの先端に対面するマウント73の後面73bに形成されシール部77Gの先端を収容する環状凹部733を備えていてもよい。環状凹部733は、マウント73の後面73bを所定深さだけ円環状に切り欠いて形成されており、シール部77Gの外壁面77b、内側面77a、及びマウント73の後面73bに対面する下端面77cとの間に僅かな隙間を形成している。内凹部770は、下端面77c、及びマウント73の後面73bに形成された環状凹部733の底面と共にラビリンスシールとして機能する。そして、シール部77Gとマウント73とをスピンドル720の軸方向(Z軸方向)で切った断面におけるシール部77Gとマウント73との隙間が図9に示すように大小交互に配置された形状(ジグザグした形状)となることで、内凹部770とマウント73の後面73bとの隙間に直接細かな加工屑を含む加工廃液が真っ直ぐ進入してしまうことをより防ぐことが可能となる。
W:被加工物 Wa:被加工物の表面 Wb:被加工物の裏面 S:分割予定ライン D:デバイス T:ダイシングテープ
1:切削装置 10:基台 100:門型コラム
11:切削送り手段 15:保持テーブル 15a:保持面 151:回転手段
12:割り出し送り手段 16:切込み送り手段 18:アライメント手段 180:カメラ
6:切削手段 60:エア供給源 69:加工水供給源
62:スピンドルユニット
621:スピンドル 621a:マウント装着部 621f:テーパー部 621g:円柱基部 621b:ネジ孔 621c:長軸部 621d:スラストプレート部 622f:冷却ジャケット
622:ハウジング 622a:エア流路 622b:噴射口
623:回転駆動源 626:排気部
63:砥石加工具
64:ブレードカバー 643:ノズル支持ブロック
65:マウント 65c:マウントの外側面 650:筒状基部 650c:ネジ 651:フランジ 651a:砥石支持部 652:嵌合孔
661:固定ナット 664:固定ボルト
671:一対の加工水供給ノズル 672:加工水供給ノズル 69:加工水供給源
68:シール部 68a:第1内側面 68b:第2内側面 681:内凹部 683:円環状の溝 68d:シール部の外壁面 685:折り返し部 686:環状凹部
2:研削装置 20:ベース 21:コラム
23:チャックテーブル 24:カバー 22:研削送り手段 28:厚み測定手段
27:加工水供給手段 26:加工水供給ノズル
7:研削手段
72:スピンドルユニット
720:スピンドル 720a:長軸部 720b:プレート部 720c:取り付け部
720f:加工水流路
721:ハウジング 721d:エア噴射部 721e:エア流路 721f:冷却ジャケット
722:回転駆動源
73:マウント 73a:加工水分配路
74:砥石加工具 740:研削砥石 741:砥石基台
75:ホルダ
77:シール部 77a:シール部の内側面 77b:シール部の外壁面 770:内凹部
773:排気部 79:エア供給源

Claims (3)

  1. 砥石加工具を装着するためのマウントを一方の端側に装着するスピンドルと、該スピンドルの一方の端側を露出させ該スピンドルを回転可能に支持するハウジングと、該スピンドルを回転させる回転駆動源と、を備えたスピンドルユニットであって、
    該ハウジングの一方の端から露出した該スピンドルの外側面を包囲し、該スピンドルの一方の端側に装着された該マウントに非接触の状態で該マウントと該ハウジングの一方の端との間で該ハウジングの一方の端に連結される筒状のシール部を備え、
    該マウントは、円筒形状の筒状基部と、筒状基部の外側面の中間位置において径方向外側に突出して形成されたフランジと、を備え、
    該シール部は、該スピンドルの一方の端側に装着された該マウントの該筒状基部の外側面に対面した面に形成される環状の内凹部を備え、
    該内凹部がラビリンスシールとして機能し、加工水を供給しながら該砥石加工具で被加工物を加工している際に加工屑を含む加工廃液が、該マウントと該シール部との間の隙間から該ハウジング側に進入するのを止めるスピンドルユニット。
  2. 該シール部と該マウントとを該スピンドルの軸方向で切った断面における該シール部と該マウントとの間の隙間が大小交互に配設される請求項1記載のスピンドルユニット。
  3. 該スピンドルには該マウントが装着されるマウント装着部を備え、該マウント装着部のうち該シール部より該回転駆動源側には第2シール部を備え、
    該第2シール部は、該マウント装着部の外側面と、該マウント装着部の外側面に対面した面に形成される環状の第2内凹部とからなる、
    請求項1又は2のいずれかに記載のスピンドルユニット。
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