JP7273400B2 - 加熱されたクロロフィル含有野菜類またはその抽出物を含む飲食品の退色抑制用組成物、退色抑制方法および退色抑制用キット - Google Patents
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Description
核酸関連化合物をクロロフィル含有野菜類またはその抽出物に付与する工程、および
該核酸関連化合物が付与されたクロロフィル含有野菜類またはその抽出物を加熱する工程、
を包含する。
クロロフィル含有野菜類またはその抽出物を加熱する工程、および
該加熱されたクロロフィル含有野菜類またはその抽出物に核酸関連化合物を付与する工程、
を包含する。
(i)核酸関連化合物と、(ii)アスコルビン酸およびその塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを、相互に混ざり合わない形態で含む。
まず、本明細書に用いる用語について定義する。
本発明は、加熱されたクロロフィル含有野菜類またはその抽出物を含む飲食品の退色を抑制するための組成物(本明細書においては、この組成物を「退色抑制用組成物」ともいう)を提供する。この組成物は、核酸関連化合物を含む。
発明はさらに、加熱されたクロロフィル含有野菜類またはその抽出物を含む飲食品の退色を抑制する方法(本明細書においては、このような方法を「退色抑制方法」ともいう)を提供する。本発明においては、加熱されたクロロフィル含有野菜類またはその抽出物を含む飲食品の退色を抑制するために、上記核酸関連化合物をクロロフィル含有野菜類またはその抽出物に付与されればよい。このために、本発明の退色抑制用組成物を用いてもよく、あるいは核酸関連化合物、または上記核酸関連化合物をアスコルビン酸等と併用して用いてもよい。
本発明はさらに、加熱されたクロロフィル含有野菜類またはその抽出物を含む飲食品の退色抑制用キットを提供し、このキットは、(i)核酸関連化合物と、(ii)アスコルビン酸およびその塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物(「アスコルビン酸等」)とを、相互に混ざり合わない形態で含む。核酸関連化合物とアスコルビン酸等との量比は、核酸関連化合物1重量部に対し、アスコルビン酸等が、例えば0.1重量部~50重量部、好ましくは0.1重量部~30重量部である。量比がこのような範囲内であることにより、加熱されたクロロフィル含有野菜類またはその抽出物を含む飲食品の退色をより効果的に抑制することができる。
無添加の水または表1に示すいずれかの核酸関連化合物0.1重量%水溶液を、ボイル水として調製した。小松菜をカットし、得られた根元付近の茎と葉付近の茎とを半分ずつ用いた。小松菜:ボイル水=1:10(重量比)で1分間ボイルし、次いで1分間水冷した。ボイルした小松菜を総菜用トレイに盛り付けし、透明なトレイ蓋で閉じた後、20℃にて蛍光灯照明下(約1600lux;白色光)で24時間または10℃にて完全遮光下で48時間保存した。保存後にボイル小松菜の外観の色彩を官能評価(5段階尺度法)にて評価した。官能評価の評点基準は下記の通りとした:
1 非常に退色し、白に近い色を呈した
2 退色して薄い緑を呈した
3 退色はしているが、緑色は残っていた
4 かなり退色が抑制され、緑色が濃かった
5 かなり退色が抑制され、鮮やかさのある緑色が保持された
10重量%エタノール溶媒に溶媒重量に対し各核酸関連化合物1%およびクロロフィルaを45mg/Lになるよう溶解させサンプル液とした。20℃にて24時間の蛍光灯照明下(約1600lux;白色光)、または20℃にて65時間の暗所にてサンプル液を保存し、保存後のクロロフィルの吸収強度を分光度計で測定した。保存後のクロロフィル量を10重量%エタノール中のクロロフィルの吸収極大波長672nmから算出した(クロロフィル量(mg/L)=A672÷クロロフィルのミリモル吸光度係数ε672×893.503)。結果を表2に示す。
無添加の水、各核酸関連化合物0.1重量%水溶液、または各核酸関連化合物0.1重量%とL-アスコルビン酸ナトリウム1.0重量%を含む水溶液をボイル水として調製したこと以外は、実施例1と同様にして、保存後のボイル小松菜の色彩を評価した。結果を表3に示す。
実施例2の小松菜に代えて、アスパラガス、ピーマンまたはインゲンのいずれかを用いたことを除いて、実施例1と同様にして、保存後の各ボイル野菜の色彩を評価した。アスパラガスは、根元部分をカットしたものを用いた。ピーマンは種をとって細切りしたものを用いた。インゲンは、へたの部分をカットして取り除いたものを用いた。結果を表4に示す。表4は、実施例3のボイル小松菜の結果を併せて示す。
実施例2に用いた各ボイル水を加熱前処理液とし、そして小松菜:加熱前処理液=1:2(重量比)で1時間浸漬処理し、処理液を切って1分間ボイルし、次いで1分間水冷したことを除いて、実施例1と同様にして、保存後のボイル小松菜の色彩を評価した。
実施例2に用いた各ボイル水を加熱後処理液とし、ボイル後の小松菜:加熱後処理液=1:2(重量比)で1時間浸漬処理したことを除いて、実施例1と同様にして、保存後のボイル小松菜の色彩を評価した。
小松菜:5’-イノシン酸二ナトリウム0.1重量%水溶液=1:2で1時間浸漬処理し、液を切って1分間ボイルし、次いで1分間水冷した後、ボイルした小松菜:L-アスコルビン酸ナトリウム1.0重量%水溶液=1:2(重量比)で1時間浸漬処理したことを除いて、実施例1と同様にして、保存後のボイル小松菜の色彩を評価した。
小松菜を1分間ボイルし、次いで1分間水冷後、ボイルした小松菜:5’-イノシン酸二ナトリウム0.1重量%水溶液=1:2(重量比)で1時間浸漬処理し、液を切ってから浸漬処理後の小松菜:L-アスコルビン酸ナトリウム1.0重量%水溶液=1:2(重量比)で1時間浸漬処理したことを除いて、実施例1と同様にして、保存後のボイル小松菜の色彩を評価した。
小松菜を炒める際に、小松菜100重量部に対し、5’-イノシン酸二ナトリウム0.1重量部、または5’-イノシン酸二ナトリウム0.1重量部およびL-アスコルビン酸ナトリウム1重量部を粉末状態で添加した。炒めた小松菜を総菜用トレイに盛り付けし、透明なトレイ蓋で閉じた後、20℃にて蛍光灯照明下(約1600lux;白色光)で24時間保存し、実施例1と同様に色彩を評価した。
5’-イノシン酸二ナトリウム0.1重量%水溶液、および5’-イノシン酸二ナトリウム0.1重量%とL-アスコルビン酸ナトリウム1.0重量%とを含む水溶液を処理液として調製した。小松菜を3分間100℃で蒸した後、蒸した小松菜:処理液=1:2(重量比)にて1時間浸漬処理した。蒸した小松菜の処理液を切って総菜用トレイに盛り付けし、透明なトレイ蓋で閉じた後、20℃にて蛍光灯照明下(約1600lux;白色光)で24時間保存し、実施例1と同様に色彩を評価した。
Claims (8)
- 加熱されたクロロフィル含有野菜類またはその抽出物を含む飲食品の退色を抑制するための組成物であって、核酸関連化合物を含み、
該核酸関連化合物が、イノシン酸、グアニル酸、アデニル酸、ヒポキサンチンおよびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、組成物。 - アスコルビン酸およびその塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記加熱されたクロロフィル含有野菜類またはその抽出物が、該加熱を通じて、クロロフィル合成に関与する酵素が失活したクロロフィル含有野菜類またはその抽出物である、請求項1または2に記載の組成物。
- 加熱されたクロロフィル含有野菜類またはその抽出物を含む飲食品の退色を抑制する方法であって、
核酸関連化合物をクロロフィル含有野菜類またはその抽出物に付与する工程、および
該核酸関連化合物が付与されたクロロフィル含有野菜類またはその抽出物を加熱する工程、
を包含し、
該核酸関連化合物が、イノシン酸、グアニル酸、アデニル酸、ヒポキサンチンおよびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、方法。 - 前記クロロフィル含有野菜類またはその抽出物に、アスコルビン酸およびその塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を付与する工程
を包含する、請求項4に記載の方法。 - 加熱されたクロロフィル含有野菜類またはその抽出物を含む飲食品の退色を抑制する方法であって、
クロロフィル含有野菜類またはその抽出物を加熱する工程、および
該加熱されたクロロフィル含有野菜類またはその抽出物に核酸関連化合物を付与する工程、
を包含し、
該核酸関連化合物が、イノシン酸、グアニル酸、アデニル酸、ヒポキサンチンおよびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、方法。 - 前記クロロフィル含有野菜類またはその抽出物に、アスコルビン酸およびその塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を付与する工程
を包含する、請求項6に記載の方法。 - 加熱されたクロロフィル含有野菜類またはその抽出物を含む飲食品の退色抑制用キットであって、
(i)核酸関連化合物と、(ii)アスコルビン酸およびその塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを、相互に混ざり合わない形態で含み、
該核酸関連化合物が、イノシン酸、グアニル酸、アデニル酸、ヒポキサンチンおよびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、キット。
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