JP7273039B2 - 加工工具 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークの開口の内周に切削加工を施して、複数の加工面を形成する加工工具に関する。
例えば、特許第3020179号公報には、開口の内周に切削加工を施して、軸方向に対する傾斜角度が互いに異なる複数の加工面を形成する加工工具が開示されている。この加工工具では、軸線まわりに回転駆動する工具本体の先端部に複数のバイトが設けられている。これらのバイトを工具本体とともに回転させながら、ワークの被加工部に同時に接触させて切削を行うことで、複数の加工面を同時に形成する。
上記の切削加工では、複数の加工面ごとに切削する取り代が異なるため、複数のバイトを被加工部に同時に接触させる加工工具では、取り代が大きい加工面を形成するバイトが他のバイトよりも摩耗し易くなることがある。特に、他の加工面よりも高精度に形成されることが求められる加工面を加工するバイトが摩耗し易くなると、該バイトの研磨や交換を頻繁に行わなければ、要求される精度の加工面が得られなくなる。このため、高精度に加工を行うことと、効率的に加工を行うことの両立が困難となる。また、複数のバイトを被加工部に同時に接触させるためには、複数のバイトのそれぞれの位置関係を高精度に調整する必要があり、研磨後や交換後のバイトの再装着作業が煩雑になりやすい。これによっても効率的な加工が妨げられる懸念がある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、高精度且つ効率的な切削加工を容易に行うことが可能な加工工具を提供する。
本発明の一態様は、開口を有するワークの内周に切削加工を施して、複数の加工面を形成する加工工具であって、軸線まわりに回転駆動され、工具本体駆動機構によって軸方向に進退駆動する工具本体と、前記工具本体とともに回転する複数のバイトと、前記工具本体に対して、前記軸線に沿って進退可能に取り付けられるカートリッジと、前記カートリッジの基端面に当接して、前記カートリッジを進退させるカムと、を備え、前記複数のバイトのうち、少なくとも1つのバイトが、前記工具本体に取付けられ、前記複数のバイトのうち、少なくとも1つのバイトは、前記カートリッジに取り付けられ、前記工具本体駆動機構によって前記工具本体を動作させることで、前記工具本体に取付けられた前記バイトによる前記加工面の加工を行い、前記カムによって前記カートリッジを動作させることで、前記カートリッジに取付けられた前記バイトによる前記加工面の加工を行い、前記工具本体に取付けられた前記バイトによる前記加工面の加工タイミングと、前記カートリッジに取付けられた前記バイトによる前記加工面の加工タイミングとが異なり、前記カムは、円弧の外周に沿った円弧状面と、前記円弧の一部を切り欠いた切り欠き面とを有し、前記円弧の中心を回転中心として回転することで前記円弧状面と前記切り欠き面とを選択的に前記カートリッジの前記基端面に当接させることが可能であり、前記円弧状面が前記基端面に当接するとき、前記カートリッジが進出し、前記切り欠き面が前記基端面に当接するとき、前記カートリッジが後退する
本発明では、複数のバイトのうち、カートリッジに取り付けられたバイトをカムによって軸線に沿って進退させることができる。これによって、工具本体に直接取り付けられたバイトと異なる加工タイミングで、カートリッジに取り付けられたバイトを被加工部に接触させて、複数の加工面を異なる加工タイミングで加工することができる。
このため、例えば、他の加工面よりも高精度に形成することが求められる加工面(対象加工面)を他の加工面よりも後に加工することができる。これによって、対象加工面を加工する際の取り代を低減させて、対象加工面を加工するバイトの摩耗を効果的に抑制できる。その結果、バイトの研磨や交換の頻度を上げることなく、対象加工面を高精度に加工することが可能になる。
また、上記の通り、複数の加工面を異なるタイミングで加工する際、カートリッジを進退させればよいため、ツールチェンジャー等を用いた工具交換を行う必要がなく、これによっても、切削加工を効率的に行うことが可能になる。
以上から、本発明の加工工具によれば、高精度且つ効率的な切削加工を容易に行うことが可能になる。
さらにまた、この加工工具では、カートリッジが軸線に沿って進退可能に設けられているため、例えば、カートリッジが軸線に対して傾斜する方向に進退可能に設けられるような場合に比して、軸線に直交する方向の外形寸法を小さくできる。従って、例えば、一度に複数の開口の内周に切削加工を施すべく、加工工具を並列させて多軸化等を図ることも容易になる。
本発明の実施形態に係る加工工具の先端面の概略説明図である。 ロッドを進出位置まで進出させた状態の、図1のII-II線矢視要部断面図である。 図2のロッドを後退位置まで後退させた状態の要部断面図である。 図4A~図4Cは、ロッドが進出位置から後退してカムの切り欠き面がカートリッジに当接するまでの距離Laと、ロッドが進出位置から後退して連通位置に達するまでの距離Lbとの関係を説明する説明図である。 切削加工を施す前のバルブシート素材及びシリンダヘッド本体の概略部分断面図である。 図5のバルブシート素材に切削加工を施した後のシリンダヘッドの概略部分断面図である。 図5のバルブシート素材に第1バイト及び第2バイトを用いて逃し面を加工する様子を説明する概略説明図である。 図7のバルブシート素材に第3バイトを用いてバルブシート面を加工する様子を説明する概略説明図である。
本発明に係る加工工具について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の図において、同一又は同様の機能及び効果を奏する構成要素に対しては同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する場合がある。
以下では、図1、図2、図3、図4A、図4B、図4Cに示す本実施形態に係る加工工具10を適用して、図5に示すバルブシート素材12をワークとし、当該バルブシート素材12の開口12aの内周に切削加工を施すことで、図6に示す第1逃し面14と、バルブシート面16と、第2逃し面18とを複数の加工面として形成する例について説明する。第1逃し面14、バルブシート面16、第2逃し面18は、開口12aの軸方向に対する傾斜角度が互いに異なる傾斜面である。図5に示すように、バルブシート素材12は、シリンダヘッド本体20に圧入又は接合されており、上記のようにして切削加工が施されることで、図6に示すシリンダヘッド22のバルブシート24を構成する。
しかしながら、加工工具10を適用して切削加工を施すことが可能な対象は、バルブシート素材12に限定されるものではない。また、加工工具10により形成可能な複数の加工面は、上記の第1逃し面14、バルブシート面16、第2逃し面18に限定されるものではない。加工工具10は、ワークの開口の内周に切削加工を施して、複数の加工面を形成する場合に好適に適用することができる。その一例としては、ワークの開口の内周に対して、ラフボーリング加工による加工面及びファインボーリング加工による加工面をそれぞれ形成する場合や、ボーリング加工による加工面及び面取り加工による加工面をそれぞれ形成する場合等が挙げられる。
先ず、図6を参照しつつ、シリンダヘッド22について簡単に説明する。シリンダヘッド22は、例えば、鋼材等の鉄系材料の焼結体からなる円環状のバルブシート24と、例えば、純アルミニウムや、アルミニウム合金等のアルミニウム系材料からなるシリンダヘッド本体20とを備える。なお、バルブシート24は、さらに、銅系材料等の高電気伝導率材料を含んでいてもよい。
シリンダヘッド本体20には、一端側が不図示の燃焼室に向かってそれぞれ開口するポート26が形成されている。本実施形態では、ポート26の一端側(矢印X1側)の開口周縁部に、円環状のバルブシート24が挿入されることで、該開口周縁部にバルブシート24が嵌合されている。
バルブシート24の内周には、互いに面方向が異なる第1逃し面14と、バルブシート面16と、第2逃し面18とが、軸方向の一端側(矢印X1側)から他端側(矢印X2側)に向かってこの順に配設されている。第1逃し面14、バルブシート面16、第2逃し面18のそれぞれは、燃焼室側(矢印X1側)に向かって開口を拡径する方向に傾斜する。バルブシート24の軸方向に対する各面の傾斜角度の一例としては、第1逃し面14が60°であり、バルブシート面16が45°であり、第2逃し面18が30°であることが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
バルブシート24の内周面のうち、バルブシート面16に対して、不図示のバルブが着座又は離間することにより、ポート26が開閉可能となっている。このため、シリンダヘッド22の高品質化を図るべく、バルブとバルブシート面16とを隙間なく接触させるためには、バルブシート24の内周面のうち、特に、バルブシート面16の真円度や面粗度等が高精度に加工されている必要がある。
次に、図5を参照しつつ、切削加工が施されてバルブシート24となる前のバルブシート素材12、換言すると、第1逃し面14と、バルブシート面16と、第2逃し面18とが形成されていないバルブシート素材12について説明する。バルブシート素材12は、シリンダヘッド本体20に圧入された円環状である。バルブシート素材12の内周には、例えば、軸方向の一端側(矢印X1側)に配置される直交端面28と、軸方向の他端側に配置される軸方向面30と、直交端面28と軸方向面30との間に配置されるテーパ状面32とを有する。直交端面28は、軸方向に直交する。軸方向面30は、ポート26の内周面と面一に形成される。テーパ状面32は、軸方向の一端側(矢印X1側)に向かって開口を拡径する方向に傾斜するテーパ状である。
次に、図1~図4Cを参照しつつ、加工工具10について説明する。加工工具10は、図5に示すバルブシート素材12の開口12aの内周に切削加工を施して、図6に示す第1逃し面14と、バルブシート面16と、第2逃し面18とを形成する。なお、本実施形態では、加工工具10は、バルブシート素材12の切削加工に加えて、バルブガイド孔(不図示)のリーマ加工を施すことも可能な複合加工工具である。バルブガイド孔は、シリンダヘッド本体20に設けられ、上記のバルブの軸部(不図示)を挿通可能となっている。
具体的には、加工工具10は、工具本体40と、第1バイト42と、第2バイト44(図1参照)と、第3バイト46と、カートリッジ48と、図2~図4Cに示す、カム50と、カム付勢部材52と、ロッド54と、ピストン付勢部材56と、リーマ58と、図2及び図3に示す流体センサ59と、を主に備える。
図2及び図3に示すように、工具本体40は、第1部材40aと、第2部材40bと、第3部材40cとを一体化して構成される。第1部材40aと、第2部材40bと、第3部材40cとは、工具本体40の先端側(矢印Y1側)から基端側(矢印Y2側)に向かって、この順に連結されている。第1部材40aは、先端側の径が基端側に比して小さくなる段付きの略円筒状である。また、第1部材40aの基端側には、大径部40aLが設けられる。この大径部40aLの外周側を介したボルト止め等によって、第1部材40aの基端側と第2部材40bの先端側とが固定されている。
第2部材40bの基端側には、先端側よりも小径の小径部40bSが設けられる。この小径部40bSに第3部材40cの先端側が外嵌されることで、第2部材40bの基端側と第3部材40cの先端側とが固定されている。第3部材40cの基端側が、不図示の工作機械が備える回転駆動機構の回転主軸に固定されることで、工具本体40は、軸線aまわりに回転駆動される。また、工具本体40は、工作機械が備える工具本体駆動機構により、軸線aに沿って進退駆動される。
第1バイト42は、第1逃し面14(図6参照)を加工するための刃先42aを有し、シャンク42bを介して工具本体40の第1部材40aに着脱自在に取り付けられている。具体的には、図1に示すように、第1部材40aに軸線aに沿って設けられた収容溝60の内壁60aと、該収容溝60内の内壁60aよりも工具本体40の回転方向(以下、単に回転方向ともいう)の前方に設けられた締め付け部材62との間にシャンク42bが挟持されることで、第1バイト42が工具本体40に直接固定される。
締め付け部材62は、工具本体40の径方向に延在するように設けられたねじ孔とねじ64とを螺合させることにより、回転方向の前方から収容溝60の内壁60aに向かってシャンク42bを押圧して、締め付け力を加えることができる。また、締め付け部材62では、ねじ孔とねじ64との螺合を緩めることにより、シャンク42bに対する締め付けを緩めることができ、これによって、収容溝60の内壁60aと締め付け部材62との間でシャンク42bを出し入れ可能になっている。
第2バイト44は、第2逃し面18(図6参照)を加工するための刃先44a(図7参照)を有し、シャンク44bを介して工具本体40の第1部材40aに着脱自在に取り付けられている。第2バイト44も第1バイト42と同様にして、締め付け部材62を介して工具本体40に直接固定される。
第3バイト46は、バルブシート面16(図6参照)を加工するための刃先46aを有し、シャンク46bを介してカートリッジ48に着脱自在に取り付けられている。具体的には、カートリッジ48に軸線aに沿って設けられた収容溝66の内壁66aと、該内壁66aよりも回転方向の前方に設けられた締め付け部材62との間にシャンク46bが挟持されることで、第3バイト46がカートリッジ48に固定される。
カートリッジ48は、工具本体40の第1部材40aに対して、軸線aに沿って進退可能に取り付けられ、工具本体40とともに回転駆動される。なお、以下では、工具本体40の先端に向かう側(矢印Y1側)を進出方向とし、工具本体40の基端に向かう側(矢印Y2側)を後退方向とする。
図2及び図3に示すように、カートリッジ48は、カートリッジ本体68と、プッシュロッド70とが一体化されて構成されている。カートリッジ本体68は、工具本体40の第1部材40aに軸線aに沿って形成された溝72の内部に摺動可能に配設される。また、カートリッジ本体68は、ボディ74と、該ボディ74の軸線a側(工具本体40の径方向の中心側)の部分から先端側(矢印Y1側)に向かって延在する延在部76とを有する。延在部76の軸方向全体と、ボディ74の先端側の一部に、第3バイト46のシャンク46bを収容する収容溝66が設けられている。
図1に示すように、ボディ74は、軸線aの先端側から見て、略矩形状であり、回転方向の前方側、且つ工具本体40の径方向の外側の角部が切り欠かれて受圧面74aが設けられている。ボディ74及び延在部76では、回転方向の後方の端面78が互いに面一に形成され、且つ軸線a側の端面80が互いに面一に形成されている。これらの端面78、80は互いに直交する。受圧面74aは、端面78、80の両方に対して傾斜する。この際、受圧面74aは、例えば、端面78、80のそれぞれに対して、略45°傾斜して設けられることが好ましい。
溝72の内部において、カートリッジ本体68の端面78には、溝72の第1内壁面72aが当接し、端面80には、溝72の第2内壁面72bが当接する。第1内壁面72aは端面78に沿って延在し、第2内壁面72bは端面80に沿って延在するため、第1内壁面72a及び第2内壁面72bは互いに直交する。
受圧面74aには、工具本体40の第1部材40aにボルト止め等によって取り付けられた板ばね82(押圧部材)が、回転方向の前方から当接する。この板ばね82によって、カートリッジ本体68の回転方向の前方から、溝72の第1内壁面72a及び第2内壁面72bの両方に対して傾斜する方向にカートリッジ本体68が押圧される。
図2及び図3に示すように、ボディ74の基端側には、軸線aに沿って嵌合穴84が設けられ、該嵌合穴84にプッシュロッド70の先端側の小径部70aが嵌合している。プッシュロッド70の小径部70aの基端側には、小径部70aより大径の軸部70bが設けられ、該軸部70bの基端側にはフランジ部70cが設けられている。工具本体40は、その大径部40aLの溝72に臨む部分に、軸線aに沿って貫通孔86が設けられている。この貫通孔86に、プッシュロッド70の軸部70bが進退可能に挿通されることで、該プッシュロッド70の先端側を除く大部分が、工具本体40(第1部材40a及び第2部材40b)の内部に形成されるプッシュロッド室88に挿入されている。
貫通孔86の内径は、プッシュロッド70の軸部70bの外径よりも僅かに大きく、プッシュロッド室88の内径よりも小さい。このため、プッシュロッド室88と貫通孔86との間には、段差面90が形成される。
プッシュロッド70のフランジ部70cは、プッシュロッド室88の内径より僅かに小径であり、プッシュロッド室88内を摺動可能となっている。このフランジ部70cと段差面90との間に、例えば、ばね等の弾性体からなるカム付勢部材52が設けられている。カム付勢部材52は、フランジ部70cと段差面90とを離間させる方向、換言すると、カートリッジ48を後退させる方向に弾発付勢する。
工具本体40(第2部材40b、第3部材40c)には、プッシュロッド室88の基端側に連通してカム室92が設けられ、該カム室92の軸線a側(工具本体40の径方向の中心側)に連通してロッド室94が設けられ、カム室92よりも基端側(矢印Y2側)でロッド室94に連通するようにシリンダ室98が設けられ、シリンダ室98の基端側に連通して収容室100が設けられている。
カム室92には、プッシュロッド70の基端面70dに当接するカム50が設けられている。ロッド室94には、ロッド54が軸線aに沿って進退可能に設けられている。シリンダ室98には、ロッド54に設けられたピストン54aが軸線aに沿って進退可能に設けられている。収容室100には、シリンダ室98の先端側に向かってピストン54aを弾発付勢するべく、ばね等の弾性体からなるピストン付勢部材56が設けられる。
カム50は、プッシュロッド70の基端面70dに当接して、カートリッジ48を進退させる。具体的には、カム50は、略円形状であり、円弧の一部が切り欠かれた切り欠き面50aと、円の中心側に向かって陥没する凹部50bと、切り欠き面50aと凹部50bとの間に設けられた円弧状面50cとを有する。凹部50bには、ロッド54の先端側の外周面から円環状に膨出する膨出部54bが挿入可能となっている。
カム50は、膨出部54bを凹部50bに進入させつつ、ロッド54を進退させることで、円(円弧)の中心を回転中心として回転駆動される。具体的には、上記の回転中心を通るカム50の回転軸は軸線aに対し交差、好ましくは直交している。また、膨出部54bを凹部50bの内面に当接させつつロッド54を進出させることで、図2に示すように、円弧状面50cがカートリッジ48(プッシュロッド70)の基端面70dに当接するようにカム50が回転する。
一方、膨出部54bを凹部50bの内面に当接させつつロッド54を後退させることで、図3に示すように、切り欠き面50aがカートリッジ48の基端面70dに当接するようにカム50が回転する。これらによって、円弧状面50cと切り欠き面50aとを選択的にカートリッジ48の基端面70dに当接させることが可能である。
図4A~図4Cに示すように、円弧状面50cの半径rは、円の中心から切り欠き面50aまでの垂線の長さLよりも長い。このため、図4Aに示すように、円弧状面50cを基端面70dに当接させることで、切り欠き面50aを基端面70dに当接させた場合に比して、半径rと垂線の長さLとの差分だけ、カム付勢部材52の弾発力に抗してカートリッジ48を進出させることができる。このようにして、カートリッジ48を進出させた状態では、図2に示すように、例えば、第3バイト46の刃先46aが、第1バイト42及び第2バイト44の刃先42a、44aよりも先端側に配置される。これによって、バルブシート素材12の内周に第3バイト46のみを接触させて切削加工を行うことが可能となっている。
一方、図4B及び図4Cに示すように、切り欠き面50aを基端面70dに当接させることで、円弧状面50cを基端面70dに当接させた場合に比して、半径rと垂線の長さLとの差分だけ、カム付勢部材52の弾発付勢下にカートリッジ48を後退させることができる。このようにして、カートリッジ48を後退させた状態では、図3に示すように、例えば、第1バイト42及び第2バイト44の刃先42a、44aが、第3バイト46の刃先46aよりも先端側に配置される。これによって、バルブシート素材12の内周に第1バイト42及び第2バイト44のみを接触させて切削加工を行うことが可能となっている。
図2及び図3に示すように、工具本体40の第2部材40bには、カム室92とシリンダ室98との間を径方向に延在する第1仕切部102が設けられる。第1仕切部102のロッド室94に臨む内周面102aは、ロッド54の延在方向の中程に設けられた第1摺動部54cの外周面と摺動可能となっている。また、工具本体40の第3部材40cには、ロッド室94の基端側(矢印Y2側)と収容室100との間を軸線aに沿って延在する第2仕切部104が設けられる。第2仕切部104のロッド室94に臨む内周面104aは、ロッド54の基端側に設けられた第2摺動部54dの外周面と摺動可能となっている。
つまり、ロッド54は、第1摺動部54c及び第2摺動部54dの外周面と第1仕切部102及び第2仕切部104の内周面102a、104aとをそれぞれ摺動させつつ、図2及び図4Aに示す進退方向先端の進出位置と、図3及び図4Cに示す進退方向基端の後退位置との間を進退可能となっている。
具体的には、ロッド54は、その先端側に設けられた膨出部54bから基端側に所定の距離を離間した部位に第1摺動部54cが設けられ、第1摺動部54cの基端に第1摺動部54cより大径のストッパ部54eが設けられ、ストッパ部54eの基端にストッパ部54eより大径のピストン54aが設けられ、ピストン54aの基端に第1摺動部54cより小径の第2摺動部54dが設けられている。
第1摺動部54cの先端側の外周面に形成された円環状のシール溝に、第1仕切部102の内周面102aと第1摺動部54cの外周面との間をシールするシール部材106が設けられている。第2摺動部54dの基端側の外周面に形成された円環状のシール溝に、第2仕切部104の内周面104aと第2摺動部54dの外周面との間をシールするシール部材108が設けられている。ピストン54aの外周面に形成された円環状のシール溝に、シリンダ室98のピストン54aよりも先端側と基端側とをシールするシール部材110が設けられている。
ロッド54の内部には、先端側流路112と、複数の連絡路114と、遮断部116と、供給路118とが設けられている。先端側流路112は、ロッド54の遮断部116よりも先端側を軸線aに沿って延在する。各連絡路114は、先端側流路112と第1摺動部54cの外周面との間をロッド54の径方向に沿って延在する。すなわち、各連絡路114の延在方向の一端側(ロッド54の径方向の外側)の開口114aは、第1摺動部54cの外周面に設けられる。遮断部116は、先端側流路112と供給路118との間に介在して、互いを連通しないように遮断する。
供給路118は、ロッド室94の基端部に設けられた第1筒部材120を介して、不図示の工作機械が備えるクーラント供給機構からクーラント(流体)が供給される。また、供給路118は、軸線aに沿って延在する上流部118aと、上流部118aから分岐し、ストッパ部54eの外周面に向かって延在する複数の分岐部118bとを有する。すなわち、各分岐部118bの下流側の端部は、ストッパ部54eの外周面に開口する。
図2及び図4Aに示すように、ストッパ部54eの先端面は、ロッド54が進出位置まで進出したときに、シリンダ室98の先端側の内壁面に当接する。このため、ストッパ部54eの外周面は、ロッド54の進退方向の位置に関わらずシリンダ室98に臨む。すなわち、ロッド54の進退方向の位置に関わらず、供給路118は、分岐部118bを介してシリンダ室98におけるピストン54aよりも先端側に連通した状態にある。
図2及び図3に示すように、ピストン54aの基端面54aeと収容室100の基端側の内壁面100aとの間にピストン付勢部材56が設けられる。このため、図2及び図4Aに示すように、シリンダ室98にクーラントが供給される前は、ピストン付勢部材56の弾発付勢下にロッド54が進出位置まで進出する。また、図4Bに示すように、供給路118を介してシリンダ室98にクーラントが供給されることで、シリンダ室98のクーラントの圧力が増大すると、ピストン付勢部材56の弾発力に抗してロッド54が後退する。さらにロッド54が後退して、図3及び図4Cに示すように、ピストン54aの基端面54aeが第2仕切部104の先端面104bに当接すると、ロッド54が後退位置に達する。
図4Aに示すように、ロッド54が進出位置にあるとき、連絡路114の開口114aが第1仕切部102の内周面102aに臨むことで、連絡路114とシリンダ室98とは連通せずに遮断された状態にある。図4Bに示すように、ロッド54が進出位置から後退して、カム50の切り欠き面50aがカートリッジ48に当接すると、カートリッジ48が後退する。このときも、連絡路114の開口114aが第1仕切部102の内周面102aに臨むことで、連絡路114とシリンダ室98とは遮断された状態にある。
図4Cに示すように、さらにロッド54が後退すると連絡路114の開口114aがシリンダ室98に臨むことで、連絡路114とシリンダ室98とが連通する。このようにして連絡路114とシリンダ室98とが連通し始めるロッド54の位置を連通位置という。本実施形態では、ロッド54の連通位置と後退位置とが同じ位置であることとするが、連通位置は、後退位置より前方にあってもよい。
図4A~図4Cに示すように、ロッド54が進出位置から後退してカム50の切り欠き面50aがカートリッジ48に当接するまでの距離Laは、ロッド54が進出位置から後退して連通位置に達するまでの距離Lbより小さくなる。
図3及び図4Cに示すように、供給路118を介してシリンダ室98に流体が供給され、ロッド54が連通位置まで後退することで、シリンダ室98と連絡路114とが連通すると、シリンダ室98内のクーラントが連絡路114を介して先端側流路112に供給される。
図3に示すように、先端側流路112の先端側には、第2筒部材122の基端側が内嵌されている。第2筒部材122の先端側は、工具本体40の第1部材40aに設けられたクーラント流路124の基端側に摺動可能に挿入されている。これによって、先端側流路112は、第2筒部材122の内側を介して、クーラント流路124に連通する。
第1部材40aのクーラント流路124を形成する孔部126の先端側には、リーマ58の基端側が内嵌される。これによって、工具本体40には、第1部材40aの先端から突出するようにリーマ58が固定される。また、クーラント流路124の先端側は、孔部126の内周面とリーマ58の外周面との間を延在して、第1部材40aの先端面に開口するとともに分岐して、第1部材40aの外周面の第1バイト42、第2バイト44、第3バイト46の近傍に開口する。これによって、加工工具10を用いた切削加工の際に、クーラント流路124に供給されたクーラントを加工点に供給することが可能になっている。
加工工具10では、クーラントが先端側流路112、第2筒部材122の内側、クーラント流路124を介して工具本体40の外部に流出する際の流路抵抗と、ピストン付勢部材56の弾発付勢力と、シリンダ室98の圧力との関係を設定することにより、カートリッジ48の進退を良好に制御することができる。
流体センサ59は、クーラント供給機構からシリンダ室98に供給されるクーラントの流量及び圧力の少なくとも何れか一方を検出可能に設けられる。流体センサ59により検出される流体の流量又は圧力が所定値以上である場合に、カム50の切り欠き面50aがカートリッジ48に当接する位置までロッド54が後退している、換言すると、カートリッジ48が後退していると判断することができる。
以下、加工工具10の主な動作について説明する。加工工具10は、例えば、工具本体40を回転駆動する回転駆動機構と、工具本体40を進退駆動する工具本体駆動機構と、クーラント供給機構とを備える一般的な工作機械(不図示)に装着して用いることができる。
先ず、クーラント供給機構により第1筒部材120を介して供給路118にクーラントを供給することで、シリンダ室98のクーラントの圧力を増大させる。これによって、図4Bに示すように、ロッド54が進出位置から距離Laを後退することで、カム50の切り欠き面50aがカートリッジ48に当接して、カートリッジ48が後退する。このため、カートリッジ48に取り付けられた第3バイト46の刃先46aよりも、工具本体40に直接取り付けられた第1バイト42及び第2バイト44の刃先42a、44aが進出する。
シリンダ室98のクーラントの圧力をさらに増大させることで、図3及び図4Cに示すように、ロッド54は、進出位置から距離Laよりも大きい距離Lbを後退して、後退位置(連通位置)に達する。これによって、シリンダ室98と連絡路114とが連通するため、シリンダ室98に供給されたクーラントは、連絡路114を介して先端側流路112に供給される。先端側流路112に供給されたクーラントは、第2筒部材122の内側、クーラント流路124を流通してリーマ58、第1バイト42、第2バイト44、第3バイト46の近傍に流出する。
この状態で、回転駆動機構により工具本体40を回転駆動しつつ、工具本体駆動機構により工具本体40を進退駆動して、バルブシート素材12の開口12aに軸方向の一端側から他端側に向かって工具本体40の先端側を挿入する。これによって、先ず、工具本体40の先端に設けられたリーマ58によるバルブガイド孔のリーマ加工が行われる。この際、加工点又はその近傍に工具本体40の内側を介してクーラントが供給される。
次に、図7に示すように、第1バイト42及び第2バイト44のそれぞれの刃先42a、44aをバルブシート素材12に接触させて、図6に示す第1逃し面14及び第2逃し面18を形成する切削加工を行う。この際も、加工点又はその近傍に工具本体40の内側を介してクーラントが供給される。この切削加工では、第1バイト42及び第2バイト44によって、バルブシート素材12が直交端面28側及びテーパ状面32側から切削される。
図7に二点鎖線で示す取り代S1に相当する分のバルブシート素材12が切削されるまで切削加工を行った後、工具本体駆動機構により、軸方向の一端側(矢印X1側)に向かって工具本体40を僅かに後退させることで、バルブシート素材12と第1バイト42及び第2バイト44とを離間させる。その結果、バルブシート素材12には、第1逃し面14と同じ傾斜角度の第1切削面14aと、第2逃し面18と同じ傾斜角度の第2切削面18aとが形成される。
次に、クーラント供給機構による供給路118へのクーラントの供給を停止して、シリンダ室98のクーラントの圧力を低下させることで、ロッド54を進出位置まで進出させる。これによって、カム50の円弧状面50cがカートリッジ48の基端面70dに当接するため、カートリッジ48が進出して、工具本体40に直接取り付けられた第1バイト42及び第2バイト44の刃先42a、44aよりも、カートリッジ48に取り付けられた第3バイト46の刃先46aが進出する。
この状態で、回転駆動機構により工具本体40を回転駆動しつつ、工具本体駆動機構により工具本体40を軸方向の他端側(矢印X2側)に向かって進出させる。これによって、図8に示すように、第3バイト46の刃先46aを、取り代S1が除去された後のバルブシート素材12に接触させて、第1切削面14aと第2切削面18aとの間にバルブシート面16を形成する切削加工を行う。なお、工具本体40の内部を介した加工点へのクーラントの供給を停止して切削加工を行う場合は、工具本体40の外部から加工点にクーラントを供給することとしてもよい。
上記のようにして、図8に二点鎖線で示す取り代S2に相当する分のバルブシート素材12が切削されるまで切削加工を行った後、工具本体駆動機構により軸方向の一端側に向かって工具本体40を後退させることで、開口の内周に、第1逃し面14と、バルブシート面16と、第2逃し面18とが、軸方向の一端側からこの順に形成されたバルブシート24が得られる。
以上から、本実施形態に係る加工工具10では、カートリッジ48に取り付けられた第3バイト46を軸線aに沿って進退させることができる。これによって、工具本体40に直接取り付けられた第1バイト42及び第2バイト44とは異なるタイミングで、第3バイト46をバルブシート素材12(被加工部)に接触させて、第1逃し面14、バルブシート面16、第2逃し面18(以下、これらを総称して複数の加工面ともいう)を異なるタイミングで加工することができる。
このため、例えば、他の加工面よりも高精度に形成することが求められるバルブシート面16を、他の第1逃し面14及び第2逃し面18よりも後に加工することができる。これによって、バルブシート面16を加工する際の取り代S2を低減させて、バルブシート面16を加工する第3バイト46の摩耗を効果的に抑制することができる。その結果、第3バイト46の研磨や交換の頻度を上げることなく、バルブシート面16を高精度に加工することが可能になる。
また、複数の加工面を異なるタイミングで加工する際、カートリッジ48を進退させればよいため、ツールチェンジャー等を用いた工具交換を行う必要がなく、これによっても、切削加工を効率的に行うことが可能になる。
従って、この加工工具10によれば、高精度且つ効率的な切削加工を容易に行うことが可能になる。
さらにまた、この加工工具10では、カートリッジ48が軸線aに沿って進退可能に設けられているため、例えば、カートリッジ48が軸線aに対して傾斜する方向に進退可能に設けられるような場合に比して、軸線aに直交する方向の外形寸法を小さくできる。このため、例えば、一度に複数の開口の内周に切削加工を施すべく、加工工具10を並列させて多軸化等を図ることも容易になる。
上記の実施形態に係る加工工具10では、カートリッジ48を後退方向に弾発付勢するカム付勢部材52をさらに備え、カム50は、円弧の外周に沿った円弧状面50cと、円弧の一部を切り欠いた切り欠き面50aとを有し、円弧の中心を回転中心として回転することで円弧状面50cと切り欠き面50aとを選択的にカートリッジ48の基端面70dに当接させることが可能であり、円弧状面50cが基端面70dに当接することで、カム付勢部材52の弾発力に抗してカートリッジ48を進出させ、切り欠き面50aが基端面70dに当接することで、カム付勢部材52の弾発付勢下に前記カートリッジ48を後退させることとした。
この場合、上記の通り、円弧状面50cの半径rと、円弧の中心から切り欠き面50aまでの垂線の長さLとの差分だけ、カートリッジ48を進退させることができる。すなわち、カートリッジ48の基端面70dに、円弧の外周に沿った円弧状面50cを当接させることで、基端面70dに切り欠き面50aを当接させた場合より、上記の差分だけカートリッジ48を進出させることができる。
この際、カム50は円弧の中心を回転中心として回転するため、円弧状面50cの何れの部分に基端面70dを当接させた場合であっても、カートリッジ48の進出量を等しくすることができる。従って、カム50の回転量の高精度な調整を必要とすることなく、カートリッジ48を介したバイトの位置決め精度を容易に維持することができる。また、カートリッジ48の基端面70dに円弧の外周に沿った円弧状の円弧状面50cを当接させた状態で、カートリッジ48に取り付けられたバイトによる切削加工が行われるため、加工工具10の加工反力に対する耐久性を向上させることができる。さらに、切り欠き面50aに基端面70dを当接させるので、カートリッジ48を後退させた状態を良好に維持することが可能になる。
上記の実施形態に係る加工工具10では、工具本体40の内部を軸線aに沿って進退することでカム50を回転させるロッド54と、工具本体40の内部に設けられ流体を供給可能なシリンダ室98と、をさらに備え、ロッド54は、シリンダ室98を軸線aに沿って移動可能なピストン54aを有し、シリンダ室98の流体の圧力によりピストン54aが変位することで、ロッド54が進退することとした。
シリンダ室98のクーラントの圧力によりロッド54を進退させることで、カートリッジ48に取り付けられた第3バイト46を進退させることができる。すなわち、汎用的な工作機械に設けられている流体供給機構を用いてシリンダ室98に流体(クーラント)を供給することで、カートリッジ48を進退させることができる。従って、この加工工具10は、モータや送りねじ等からなるカートリッジ48専用の駆動機構を備える工作機械に限定されず、流体供給機構を備える種々の工作機械に装着することが可能であり、汎用性に優れる。なお、この場合、カートリッジ48の進退方向は、軸線aに沿う方向に限定されるものではなく、例えば、カートリッジ48は、工具本体40の径方向に沿って進退してもよい。
上記の実施形態に係る加工工具10では、ロッド54は、進退方向先端の進出位置と、進退方向基端の後退位置との間を進退し、ピストン54aは、ピストン付勢部材56により、シリンダ室98の先端側に向かって弾発付勢され、シリンダ室98は、ロッド54に設けられた供給路118と連通し、シリンダ室98に流体(クーラント)が供給される前は、ピストン付勢部材56による弾発付勢下にロッド54が進出位置まで進出し、供給路118を介してシリンダ室98に流体が供給されることで、シリンダ室98の流体の圧力が増大すると、ピストン付勢部材56の弾発力に抗してロッド54が後退することとした。
これによって、例えば、工具本体40に取り付けられた第1バイト42及び第2バイト44を被加工部に接触させて切削加工を行う場合には、供給路118を介してシリンダ室98にクーラントを供給することで、カートリッジ48を後退させて、カートリッジ48に取り付けられた第3バイト46を被加工部から退避させることができる。
一方、第3バイト46を被加工部に接触させて切削加工を行う場合には、供給路118を介したクーラントの供給を停止することで、カートリッジ48を進出させることができる。これによって、第1バイト42及び第2バイト44に代えて、第3バイト46を被加工部に接触させて切削加工を行うことができる。従って、複数の加工面を異なるタイミングで容易に加工することができる。
上記の実施形態に係る加工工具10では、ロッド54には、ロッド54が進出位置から連通位置まで後退するとシリンダ室98に連通し、且つロッド54が連通位置より先端側にあるときシリンダ室98と遮断される連絡路114と、連絡路114と連通し且つ連絡路114から先端側に延在する先端側流路112と、が設けられ、供給路118を介してシリンダ室98に流体が供給され、ロッド54が連通位置まで後退することで、シリンダ室98と連絡路114とが連通すると、先端側流路112にクーラントが供給されることとした。
これによって、供給路118を介してシリンダ室98にクーラントを供給し、連通位置までロッド54を後退させた場合に、連絡路114を介して先端側流路112にクーラントを供給することができる。すなわち、カートリッジ48を後退させた場合に、クーラント流路124を介して工具本体40の外部の加工点等にクーラントを供給することが可能になる。
上記の実施形態に係る加工工具10のロッド54では、ピストン54aよりも先端側に連絡路114が設けられ、連絡路114よりも先端側に、ロッド54の外周面から膨出する膨出部54bが設けられ、カム50は、膨出部54bを挿入可能な凹部50bが設けられ、膨出部54bを凹部50bの内面に当接させつつ、ロッド54を進出位置に進出させることで、円弧状面50cがカートリッジ48の基端面70dに当接するようにカム50が回転し、膨出部54bを凹部50bの内面に当接させつつ、ロッド54を後退位置に後退させることで、切り欠き面50aがカートリッジ48の基端面70dに当接するようにカム50が回転することとした。
この場合、上記の通り、円弧状面50cの何れの部分にカートリッジ48の基端面70dを当接させた場合であっても、カートリッジ48の進出量を等しくすることができるため、ロッド54の進退量を高精度に調整することなく、簡単な構成でカートリッジ48を介した第3バイト46の位置決め精度を容易に維持することができる。
上記の実施形態に係る加工工具10では、ロッド54が進出位置から後退してカム50の切り欠き面50aがカートリッジ48の基端面70dに当接するまでの距離Laは、ロッド54が進出位置から後退して連通位置に達するまでの距離Lbより小さいこととした。シリンダ室98よりもクーラントの上流側に、切削加工で生じたスラッジ等の詰まりが生じると、シリンダ室98に供給されるクーラントの流量(供給量)が低減することがある。
このため、例えば、図4Aに示すように、ロッド54が進出位置にあるときに、クーラントの供給量が低減すると、シリンダ室98の圧力が上昇し難くなり、カートリッジ48を後退させ難くなる懸念がある。この場合であっても、ロッド54が後退してカム50の切り欠き面50aがカートリッジ48の基端面70dに当接するまで(カートリッジ48が後退するまで)の間に、シリンダ室98と連絡路114とが連通することがない。これによって、シリンダ室98のクーラントが連絡路114を介して流出することを回避できる分、シリンダ室98の圧力を上昇し易くすることができる。その結果、カートリッジ48を容易に後退させることが可能になる。
また、進出位置から後退位置までロッド54を後退させる距離Lbに対して、進出位置から切り欠き面50aがカートリッジ48の基端面70dに当接するまでロッド54を後退させる距離Laが短く設定されているため、これによっても、カートリッジ48を容易に後退させることができる。
さらに、例えば、図4Cに示すように、ロッド54が後退位置にあるときに、クーラントの供給量が低減すると、シリンダ室98の圧力が低減し易くなり、カートリッジ48を後退させた状態で維持し難くなる懸念がある。この場合であっても、カム50の円弧状面50cとカートリッジ48の基端面70dとが当接する位置(カートリッジ48が進出する位置)までロッド54が進出する前に、図4Bに示すように、シリンダ室98と連絡路114との連通が遮断される。これによって、シリンダ室98のクーラントが連絡路114を介して流出することを回避できる分、シリンダ室98の圧力を低下し難くすることができる。その結果、カートリッジ48を後退させた状態を良好に維持することが可能になる。
上記の実施形態に係る加工工具10では、流体は、ワークの加工点に供給されるクーラントであることとした。切削加工を行う加工工具10が装着される工作機械は、加工点にクーラントを供給するためのクーラント供給機構を備えることが一般的である。このため、クーラントの給排によりカートリッジ48を進退可能とすることで、装着可能な工作機械の種類を増やすことができ、加工工具10の汎用性を一層高めることができる。なお、シリンダ室98に供給される流体は、クーラントに限定されるものではない。エア等のクーラント以外の流体がシリンダ室98に供給されてもよい。
上記の実施形態に係る加工工具10では、シリンダ室98に供給される流体の流量及び圧力の少なくとも何れか一方を検出する流体センサ59をさらに備えることとした。この場合、流体センサ59により検出される流体の流量又は圧力が所定値以上である場合に、カム50の切り欠き面50aがカートリッジ48に当接する位置までロッド54が後退していると判断すること、換言すると、カートリッジ48が後退していると判断することができる。従って、流体センサ59の検出結果をモニタすることで、工具本体40(第1バイト42及び第2バイト44)に対する、第3バイト46の相対位置をより確実に調整して、切削加工を高精度に行うことが可能になる。
上記の実施形態に係る加工工具10では、カートリッジ48は、工具本体40に軸線aに沿って形成された溝72の内部に摺動可能に配設され、溝72は、工具本体40とともに回転するカートリッジ48の回転方向の後方の端面78に当接する第1内壁面72aと、カートリッジ48の軸線a側の端面80に当接する第2内壁面72bとを有し、工具本体40には、カートリッジ48の回転方向の前方から第1内壁面72a及び第2内壁面72bの両方に対して傾斜する方向にカートリッジ48を押圧する板ばね82(押圧部材)が設けられることとした。
カートリッジ48に取り付けられた第3バイト46を用いた切削加工の際、カートリッジ48は、回転方向の前方から後方に向かって切削抵抗を受ける。このため、第1内壁面72a及び第2内壁面72bにカートリッジ48を当接させることで、カートリッジ48を工具本体40に対して安定して固定した状態で切削加工を行うことが可能になり、加工精度を向上させることができる。また、板ばね82によって上記の方向にカートリッジ48を押圧することで、該板ばね82の弾発力に抗してカートリッジ48の軸線aに沿った進退を可能にしつつ、切削加工時に遠心力を受けたカートリッジ48が工具本体40から離間することを効果的に抑制できる。なお、板ばね82に代えて、上記のようにカートリッジ48を押圧することが可能な種々の押圧部材を採用してもよい。
上記の実施形態に係る加工工具10では、複数の加工面は、シリンダヘッド22のバルブシート面16と、バルブシート面16の軸方向の両端側にそれぞれ設けられた第1逃し面14及び第2逃し面18とであり、複数のバイトとして、第1逃し面14を形成する第1バイト42と、第2逃し面18を形成する第2バイト44と、バルブシート面16を形成する第3バイト46とを備え、第1バイト42及び第2バイト44は、工具本体40の先端部に直接取り付けられ、第3バイト46は、カートリッジ48の先端部に取り付けられることとした。
上記の通り、バルブシート面16は、バルブとの当接面となるため、第1逃し面14及び第2逃し面18に比して、真円度や面粗度等が高精度に調整される必要がある。第3バイト46によるバルブシート面16の加工を、第1バイト42及び第2バイト44による第1逃し面14及び第2逃し面18の加工よりも後に行うことで、バルブシート面16を加工する際の取り代S2(図8参照)を低減させることができる。これによって、第3バイト46の摩耗を効果的に抑制できるため、第3バイト46の研磨や交換の頻度を上げることなく、バルブシート面16を高精度に加工することが可能になる。
また、バルブシート面16に比して、切削加工の取り代S1(図7参照)が大きくなる第1逃し面14及び第2逃し面18を加工する第1バイト42及び第2バイト44を工具本体40に直接取り付ける。これによって、第1バイト42及び第2バイト44を、カートリッジ48を介するよりも強固に工具本体40に取り付けることができるため、加工による振動等の発生を抑制して、加工精度の向上や耐久性の向上を図ることが可能になる。なお、バルブシート面16に関しては、上記のように取り代S2を低減できるため、該バルブシート面16を加工する第3バイト46をカートリッジ48に設けても、十分な加工精度を得ることができる。
さらに、加工工具10では、第1バイト42及び第2バイト44が工具本体40に直接取り付けられることで、第3バイト46を進退させるためのカートリッジ48のみを備えればよい。このため、工具本体40に取り付けるカートリッジ48の個数を可及的に低減して、軸線aに直交する方向の外形寸法を効果的に小さくすることができる。
上記の実施形態に係る加工工具10では、工具本体40の先端にバルブガイド穴加工用のリーマ58が固定されることとした。この場合、回転駆動機構及び工具本体駆動機構により工具本体40を回転及び進退させることで、リーマ58を回転及び進退させることができる。すなわち、リーマ専用の駆動機構を用いることなくリーマ58を用いた加工を行うことが可能であるため、加工工具10を装着可能な工作機械が限定されることを回避でき、加工工具10のさらなる汎用性の向上を図ることができる。
本発明は、上記した実施形態に特に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、加工工具10では、工具本体40の先端部に第3バイト46が直接取り付けられていてもよい。この場合、加工工具10は、2個のカートリッジ48を備え、一方のカートリッジ48に第1バイト42が取り付けられ、他方のカートリッジ48に第2バイト44が取り付けられていてもよい。また、1個のカートリッジ48に第1バイト42及び第2バイト44の両方が取り付けられていてもよい。
この場合であっても、第3バイト46によるバルブシート面16の加工を、第1バイト42及び第2バイト44による第1逃し面14及び第2逃し面18の加工よりも後に行うことができる。このため、バルブシート面16を加工する際の取り代S2を低減させて、第3バイト46の研磨や交換の頻度を上げることなく、バルブシート面16を高精度に加工することが可能になる。また、この場合、バルブシート面16の加工を、工具本体40に強固に取り付けられた第3バイト46を用いて行うことができるため、バルブシート面16の加工精度を一層効果的に高めることができる。
加工工具10が備える複数のバイトは、第1バイト42、第2バイト44、第3バイト46の3個に限定されるものではない。バイトの個数は、開口の内周に形成する加工面の個数に応じて設定されればよく、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
10…加工工具 12…バルブシート素材
12a…開口 14…第1逃し面
16…バルブシート面 18…第2逃し面
22…シリンダヘッド 40…工具本体
42…第1バイト 44…第2バイト
46…第3バイト 48…カートリッジ
50…カム 50a…切り欠き面
50b…凹部 50c…円弧状面
52…カム付勢部材 54…ロッド
54a…ピストン 54b…膨出部
56…ピストン付勢部材 58…リーマ
59…流体センサ 70d…基端面
72…溝 72a…第1内壁面
72b…第2内壁面 74a…受圧面
78、80…端面 82…板ばね
98…シリンダ室 112…先端側流路
114…連絡路 118…供給路

Claims (13)

  1. 開口(12a)を有するワークの内周に切削加工を施して、複数の加工面(14、16、18)を形成する加工工具(10)であって、
    軸線(a)まわりに回転駆動され、工具本体駆動機構によって軸方向に進退駆動する工具本体(40)と、
    前記工具本体とともに回転する複数のバイト(42、44、46)と、
    前記工具本体に対して、前記軸線に沿って進退可能に取り付けられるカートリッジ(48)と、
    前記カートリッジの基端面(70d)に当接して、前記カートリッジを進退させるカム(50)と、
    を備え、
    前記複数のバイトのうち、少なくとも1つのバイトが、前記工具本体に取付けられ、
    前記複数のバイトのうち、少なくとも1つのバイトは、前記カートリッジに取り付けられ、
    前記工具本体駆動機構によって前記工具本体を動作させることで、前記工具本体に取付けられた前記バイトによる前記加工面の加工を行い、
    前記カムによって前記カートリッジを動作させることで、前記カートリッジに取付けられた前記バイトによる前記加工面の加工を行い、
    前記工具本体に取付けられた前記バイトによる前記加工面の加工タイミングと、前記カートリッジに取付けられた前記バイトによる前記加工面の加工タイミングとが異なり、
    前記カムは、円弧の外周に沿った円弧状面(50c)と、前記円弧の一部を切り欠いた切り欠き面(50a)とを有し、前記円弧の中心を回転中心として回転することで前記円弧状面と前記切り欠き面とを選択的に前記カートリッジの前記基端面に当接させることが可能であり、
    前記円弧状面が前記基端面に当接するとき、前記カートリッジが進出し、
    前記切り欠き面が前記基端面に当接するとき、前記カートリッジが後退する、加工工具。
  2. 請求項記載の加工工具において、
    前記カートリッジを後退方向に弾発付勢するカム付勢部材(52)をさらに備え、
    前記円弧状面が前記基端面に当接することで、前記カム付勢部材の弾発力に抗して前記カートリッジを進出させ、
    前記切り欠き面が前記基端面に当接することで、前記カム付勢部材の弾発付勢下に前記カートリッジを後退させる、加工工具。
  3. 請求項又は記載の加工工具において、
    前記工具本体の内部を前記軸線に沿って進退することで前記カムを回転させるロッド(54)と、
    前記工具本体の内部に設けられ流体を供給可能なシリンダ室(98)と、
    をさらに備え、
    前記ロッドは、前記シリンダ室を前記軸線に沿って移動可能なピストン(54a)を有し、
    前記シリンダ室の前記流体の圧力により前記ピストンが変位することで、前記ロッドが進退する、加工工具。
  4. 請求項記載の加工工具において、
    前記ロッドは、進退方向先端の進出位置と、進退方向基端の後退位置との間を進退し、
    前記ピストンは、ピストン付勢部材(56)により、前記シリンダ室の先端側に向かって弾発付勢され、
    前記シリンダ室は、前記ロッドに設けられた供給路(118)と連通し、
    前記シリンダ室に前記流体が供給される前は、前記ピストン付勢部材による弾発付勢下に前記ロッドが前記進出位置まで進出し、
    前記供給路を介して前記シリンダ室に前記流体が供給されることで、前記シリンダ室の前記流体の圧力が増大すると、前記ピストン付勢部材の弾発力に抗して前記ロッドが後退する、加工工具。
  5. 請求項記載の加工工具において、
    前記ロッドには、
    前記ロッドが前記進出位置から連通位置まで後退すると前記シリンダ室に連通し、且つ前記ロッドが前記連通位置より先端側にあるとき前記シリンダ室と遮断される連絡路(114)と、
    前記連絡路と連通し且つ該連絡路から先端側に延在する先端側流路(112)と、が設けられ、
    前記供給路を介して前記シリンダ室に前記流体が供給され、前記ロッドが前記連通位置まで後退することで、前記シリンダ室と前記連絡路とが連通すると、前記先端側流路に前記流体が供給される、加工工具。
  6. 請求項記載の加工工具において、
    前記ロッドでは、前記ピストンよりも先端側に前記連絡路が設けられ、前記連絡路よりも先端側に、前記ロッドの外周面から膨出する膨出部(54b)が設けられ、
    前記カムは、前記膨出部を挿入可能な凹部(50b)が設けられ、
    前記膨出部を前記凹部の内面に当接させつつ、前記ロッドを前記進出位置に進出させることで、前記円弧状面が前記カートリッジの前記基端面に当接するように前記カムが回転し、前記膨出部を前記凹部の内面に当接させつつ、前記ロッドを前記後退位置に後退させることで、前記切り欠き面が前記カートリッジの前記基端面に当接するように前記カムが回転する、加工工具。
  7. 請求項又は記載の加工工具において、
    前記ロッドが前記進出位置から後退して前記カムの前記切り欠き面が前記カートリッジの前記基端面に当接するまでの距離は、
    前記ロッドが前記進出位置から後退して前記連通位置に達するまでの距離より小さい、加工工具。
  8. 請求項の何れか1項に記載の加工工具において、
    前記流体は、前記ワークの加工点に供給されるクーラントである、加工工具。
  9. 請求項の何れか1項に記載の加工工具において、
    前記シリンダ室に供給される前記流体の流量及び圧力の少なくとも何れか一方を検出する流体センサ(59)をさらに備える、加工工具。
  10. 請求項1~の何れか1項に記載の加工工具において、
    前記カートリッジは、前記工具本体に前記軸線に沿って形成された溝(72)の内部に摺動可能に配設され、
    前記溝は、前記工具本体とともに回転する前記カートリッジの回転方向の後方の端面(78)に当接する第1内壁面(72a)と、前記カートリッジの前記軸線側の端面(80)に当接する第2内壁面(72b)とを有し、
    前記工具本体には、前記カートリッジの回転方向の前方から前記第1内壁面及び前記第2内壁面の両方に対して傾斜する方向に前記カートリッジを押圧する押圧部材(82)が設けられる、加工工具。
  11. 請求項1~1の何れか1項に記載の加工工具において、
    前記複数の加工面は、シリンダヘッド(22)のバルブシート面(16)と、該バルブシート面の軸方向の両端側にそれぞれ設けられた第1逃し面(14)及び第2逃し面(18)とであり、
    前記複数のバイトとして、前記第1逃し面を形成する第1バイト(42)と、前記第2逃し面を形成する第2バイト(44)と、前記バルブシート面を形成する第3バイト(46)とを備え、
    前記第1バイト及び前記第2バイトは、前記工具本体の先端部に直接取り付けられ、
    前記第3バイトは、前記カートリッジの先端部に取り付けられる、加工工具。
  12. 開口(12a)を有するワークの内周に切削加工を施して、複数の加工面(14、16、18)を形成する加工工具(10)であって、
    軸線(a)まわりに回転駆動され、工具本体駆動機構によって軸方向に進退駆動する工具本体(40)と、
    前記工具本体とともに回転する複数のバイト(42、44、46)と、
    前記工具本体に対して、前記軸線に沿って進退可能に取り付けられるカートリッジ(48)と、
    前記カートリッジの基端面(70d)に当接して、前記カートリッジを進退させるカム(50)と、
    を備え、
    前記複数のバイトのうち、少なくとも1つのバイトが、前記工具本体に取付けられ、
    前記複数のバイトのうち、少なくとも1つのバイトは、前記カートリッジに取り付けられ、
    前記工具本体駆動機構によって前記工具本体を動作させることで、前記工具本体に取付けられた前記バイトによる前記加工面の加工を行い、
    前記カムによって前記カートリッジを動作させることで、前記カートリッジに取付けられた前記バイトによる前記加工面の加工を行い、
    前記工具本体に取付けられた前記バイトによる前記加工面の加工タイミングと、前記カートリッジに取付けられた前記バイトによる前記加工面の加工タイミングとが異なり、
    前記複数の加工面は、シリンダヘッドのバルブシート面と、該バルブシート面の軸方向の両端側にそれぞれ設けられた第1逃し面及び第2逃し面とであり、
    前記複数のバイトとして、前記第1逃し面を形成する第1バイトと、前記第2逃し面を形成する第2バイトと、前記バルブシート面を形成する第3バイトとを備え、
    前記第1バイト及び前記第2バイトは、前記カートリッジの先端部に取り付けられ、
    前記第3バイトは、前記工具本体の先端部に直接取り付けられる、加工工具。
  13. 請求項1~12の何れか1項に記載の加工工具において、
    前記工具本体の先端にバルブガイド穴加工用のリーマ(58)が固定される、加工工具。
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