JP4309988B2 - 工作機械の主軸台および軸物ワークの加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸物ワークの一方の軸端面に形成したセンタ穴に嵌合可能なセンタと、前記軸物ワークの一方の軸端外周をチャック可能なチャックとを備えた工作機械の主軸台、及びその主軸台を用いた軸物ワークの加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
軸物ワークの外周面を加工する工作機械において、その主軸台に設けたセンタおよびチャックの両方を用いて軸物ワークの一方の端部をクランプするものが、特開平6−39065号公報、特開平9−300193号公報により公知である。このように軸物ワークの一端部をセンタおよびチャックで同時にクランプすることにより、クランプ剛性を高めるとともに軸物ワークの心振れを防止して加工精度を高めることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、軸物ワークの主軸台側の端部外周を加工する場合にチャックを使用すると、工具がチャックと干渉して前記軸端部外周の加工ができなくなるため、チャックを使用せずにセンタだけで軸物ワークの一端部をクランプすることが必要となる。このようにセンタだけで軸物ワークの一端部をクランプすると、センタおよびチャックの両方でクランプする場合に比べてクランプ剛性が低下するため、軸物ワークが心振れを起こして加工精度が低下することが懸念される。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、軸物ワークの心振れを最小限に抑えて加工精度を高めることが可能な工作機械の主軸台、および軸物ワークの加工方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、軸物ワークの一方の軸端面に形成したセンタ穴に嵌合可能なセンタと、そのセンタが中心部を貫通するコレットガイドと、そのコレットガイド内に嵌装されて該ガイドと協働して前記軸物ワークの一方の軸端外周をチャック可能なコレットチャックとを備え、センタがコレットチャック及びコレットガイドに対して軸方向に移動可能である工作機械の主軸台において、センタを後退させて軸物ワークのセンタ穴に嵌合させた状態で、チャックは軸物ワークの軸端外周をチャック可能であり、コレットチャック及びコレットガイドには、径方向内方に付勢されて軸物ワークの軸端外周の溝に係合し得る位置決めピンが径方向摺動可能に支持され、その位置決めピンは、該位置決めピンが前記溝に係合しない状態ではエア源に連通するが前記溝に該位置決めピンが係合した状態ではエア源から遮断されるエア導入開口と、そのエア導入開口をコレットチャック内の空間に連通させるエア排出通路とを備えていることを特徴とする工作機械の主軸台が提案される。
【0006】
上記構成によれば、主軸台のチャックで軸物ワークの一方の軸端外周をチャックする際に、後退させたセンタを軸物ワークのセンタ穴に嵌合させることにより、軸物ワークの心振れを防止して加工精度を高めることができる。また、軸物ワークの軸端外周の溝に位置決めピンが係合する前は、エア源から供給されたエアが位置決めピンのエア導入開口およびエア排出通路を経てコレットチャックの内部に排出されるが、位置決めピンが溝に係合すべく移動すると、エア導入開口が閉塞されてエアの流通が遮断されるので、位置決めピンが軸物ワーク軸端の溝に正しく係合したことを検出することができる。
【0007】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、センタを前進させて軸物ワークのセンタ穴に嵌合させた状態で、チャックはセンタの外周をチャック可能であることを特徴とする工作機械の主軸台が提案される。
【0008】
上記構成によれば、主軸台のセンタで軸物ワークの一方の軸端面に形成したセンタ穴を支持する際に、前進させたセンタを軸物ワークのセンタ穴に嵌合させた状態でチャックがセンタの外周をチャックするので、センタの剛性を高めて軸物ワークの心振れを防止し、その加工精度を高めることができる。
【0009】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1又は2の構成に加えて、前記コレットチャックの端部には、放射状のスリットによって相互に分割される複数のチャック爪が形成されていて、それらチャック爪の外周と前記コレットガイドの端部内周とがテーパ嵌合しており、前記コレットチャックを前記コレットガイドに対し軸方向に駆動し得る油圧シリンダを設けた部材が、主軸台に支持される主軸の先端部に結合され、前記部材の先端外周面に前記コレットガイドの内周面がテーパー状の位置決め面で相互に係合していることを特徴とする工作機械の主軸台が提案される。
【0010】
上記構成によれば、コレットガイドの内周面と部材の外周面とはテーパー状の位置決め面で相互に係合するため、この位置決め面を係合させてコレットガイドを部材に組み付けるだけで、コレットガイドを精密に位置決めして心振れの発生を防止できる。
【0011】
さらに請求項4に記載された発明によれば、前記請求項2に記載の工作機械の主軸台を使用した軸物ワークの加工方法であって、前記センタを前進させて軸物ワークのセンタ穴に嵌合させた状態で、前記チャックでセンタの外周をチャックしつつ、その軸物ワークを機械加工するセンタ前進加工工程と、前記センタを後退させて軸物ワークのセンタ穴に嵌合させ且つ前記位置決めピンを前記溝に係合させた状態で、前記チャックで軸物ワークの端部外周をチャックしつつ、その軸物ワークを機械加工するセンタ後退加工工程とを備え、前記センタ後退加工工程の開始に当たり、前記位置決めピンを前記溝に係合させるまでは、前記エア排出通路から前記コレットチャック内の空間にエアが排出され、また前記位置決めピンを前記溝に係合させてからは前記エアの排出が停止することを特徴とする軸物ワークの加工方法が提案される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図9は本発明の一実施例を示すもので、図1は円筒研削盤の全体正面図、図2は図1の2部拡大断面図、図3は図2の3−3線拡大断面図、図4は図2の4−4線拡大断面図、図5は図2の5−5線拡大断面図、図6は図2の6部拡大図、図7は図2に対応する作用説明図、図8は図7の8−8線拡大断面図、図9は図7の9−9線拡大断面図である。
【0014】
図1に示すように、円筒研削盤11はベース12と、ベース12上に移動自在に支持されたテーブル13と、テーブル13の一端側に設けられた主軸台14と、テーブル13の他端側に設けられた心押台15とを備える。本発明の軸物ワークを構成するエンジンのカムシャフトWは主軸台14および心押台15間に支持され、主軸台14から伝達される駆動力で回転駆動される。そしてテーブル13上に設けた図示せぬ砥石ユニットによってカムシャフトWの外周面が研削される。
【0015】
次に、図2〜図9に基づいて主軸台14の構造を説明する。
【0016】
主軸台14のハウジング21に複数のボールベアリング22を介して支持された円筒状の主軸23は、図示せぬ駆動源に接続されて回転駆動される。主軸23の右端にセンタガイド24がボルト25で結合され、このセンタガイド24の右端に第1シリンダ部材26がボルト29で結合され、更にその右端に第2シリンダ部材27が図示せぬボルトで結合される。そして第2シリンダ部材27の右端にコレットガイド28が軸方向に重ね合わされてボルト30で結合される。主軸23の内部に同軸に配置されたセンタ31は、円錐台形状に形成されてカムシャフトWの端部に形成したセンタ穴W1 に嵌合可能なセンタ頭部32と、センタ頭部32の左端にネジ結合された軸状のセンタ軸部33と、センタ軸部33の左端に一体に形成されたピストン34とから構成される。
【0017】
センタ31は、そのセンタ軸部33がセンタガイド24に摺動自在に支持されており、センタ軸部33と一体のピストン34は主軸23の中心に形成したシリンダ35に摺動自在に嵌合する。ピストン34の左右にそれぞれ一対の油室36,37が形成されており、それら油室36,37はバルブ38を介して油圧源39に接続される。従って、左側の油室36に油圧を供給するとセンタ31は右方向に前進し、右側の油室37に油圧を供給するとセンタ31は左方向に後退する。
【0018】
センタ軸部33の外周に摺動自在に嵌合する段付きのピストン41が、第1シリンダ部材26および第2シリンダ部材27に形成されたシリンダ42,43に摺動自在に嵌合する。ピストン41と第1シリンダ部材26とはピン44で連結されており、ピストン41は摺動を許容されながら第1シリンダ部材26と一体に回転する。ピストン41の左右にそれぞれ一対の油室45,46が形成されており、それら油室45,46はバルブ47を介して前記油圧源39に接続される。従って、左側の油室45に油圧を供給するとピストン41は右方向に前進し、右側の油室46に油圧を供給するとピストン41は左方向に後退する。
【0019】
コレットガイド28およびセンタ31間に同軸に嵌合するコレットチャック48の右端部には、放射状に延びる6本のスリット481 によって6個のチャック爪482 が形成されるとともに、それらチャック爪482 の外周に右側に向けて拡径するテーパ面483 が形成される。前記テーパ面483 はコレットガイド28の内周に形成したテーパ面281 に摺動自在に当接する。コレットチャック48の左端部には4個の突起484 が半径方向外側に突出しており、このコレットチャック48の半径方向外側に嵌合するピストン41の内周に4個の切欠411 および4個の突起412 が形成される。従って、コレットチャック48の4個の突起484 をピストン41の4個の切欠411 を通過させた後に45°回転させると、コレットチャック48の4個の突起484 がピストン41の4個の突起412 に係合するため、コレットチャック48およびピストン41が軸方向に一体に結合される。
【0020】
図6から明らかなように、コレットガイド28および1つのチャック爪482 をピン孔282 ,485 が半径方向に貫通しており、このピン孔282 ,485 に位置決めピン51が半径方向に摺動自在に嵌合する。コレットガイド28の右端に嵌合するキャップ52がボルト53で固定されており、このキャップ52との間に縮設したスプリング54で位置決めピン51が半径方向内側に付勢される。位置決めピン51はコレットガイド28に嵌合する円柱部511 と、チャック爪482 に嵌合する偏平部512 と、偏平部512 の先端に円弧状に形成されてカムシャフトWの左端近傍の外周面に形成したキー溝W2 に係合可能な係合部513 とを備える。位置決めピン51の内部にエア導入開口514 、スプリング収納室515 およびエア排出通路516 が形成されており、エア導入開口514 はコレットガイド28に形成したエア供給通路283 を介してエア源55に連通し、エア排出通路516 はコレットチャック48内の空間に連通する。
【0021】
次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用を説明する。
【0022】
カムシャフトWを主軸台14にセンタ方式でクランプする場合には、図2に示すように、油室36に油圧を供給してセンタ31を右方向に前進させ、そのセンタ頭部32をカムシャフトWの左端面のセンタ穴W1 に係合させる。このとき、カムシャフトWの右端面のセンタ穴は心押台15のセンタによりクランプされる。また油室46に油圧を供給してピストン41と共にコレットチャック48を左方向に駆動することにより、コレットチャック48のチャック爪482 の外周のテーパ面483 をコレットガイド28のテーパ面281 に圧接し、該チャック爪482 を閉方向に駆動してセンタ頭部32をクランプする。而して、主軸23と共に回転するセンタ31でカムシャフトWを回転駆動しながら、砥石GでカムシャフトWの外周面を研削することができる。
【0023】
このようにセンタ頭部32をコレットチャック48でクランプすることにより、センタ頭部32の心振れを抑えてカムシャフトWの加工精度を高めることが可能になるだけでなく、コレットチャック48でカムシャフトWの外周面をクランプしないので、砥石Gはコレットチャック48と干渉することなくカムシャフトWの外周面を研削することができる。
【0024】
カムシャフトWを主軸台14にチャック方式でクランプする場合には、図7に示すように、油室37に油圧を供給してセンタ31を左方向に後退させ、そのコレットチャック48の内部に挿入したカムシャフトWの左端面のセンタ穴W1 をセンタ頭部32に係合させる。このときも、カムシャフトWの右端面のセンタ穴は心押台15のセンタによりクランプされる。そして油室46に油圧を供給してチャック爪482 を閉方向に駆動し、カムシャフトWの左端部の外周面をクランプする。尚、コレットチャック48でカムシャフトWをクランプするとき、コレットチャック48に設けた位置決めピン51がカムシャフトWの外周面に凹設したキー溝W2 に係合し、カムシャフトWを所定の位相に位置決めしてカム面の研削を可能にする。
【0025】
また図6に示すように、キー溝W2 に位置決めピン51が係合する前は、エア源55から供給されたエアが、コレットガイド28のエア供給通路283 と、位置決めピン51のエア導入開口514 、スプリング収納室515 およびエア排出通路516 とを経て排出されるが、キー溝W2 に係合した位置決めピン51が移動すると、前記エア導入開口514 が閉塞されてエアの流通が遮断される。これにより、位置決めピン51がキー溝W2 に正しく係合したことを検出することができる。而して、主軸23と共に回転するコレットチャック48でカムシャフトWを回転駆動しながら、砥石GでカムシャフトWの外周面を研削することができる。
【0026】
このようにセンタ頭部32をカムシャフトWの左端面のセンタ穴W1 に係合させた状態で該カムシャフトWの左端部をコレットチャック48でクランプすることにより、カムシャフトWの心振れを抑えて加工精度を高めることができる。
【0027】
本実施例の円筒研削盤11によれば、研削加工の途中でカムシャフトWの姿勢を反転させることなく、その全ての外周面の研削を行うことができる。即ち、最初に図2に示すセンター方式でカムシャフトWをクランプし、砥石GでカムシャフトWの左端部の外周面を研削する。このとき、前述したように砥石Gはコレットチャック48と干渉することなく、カムシャフトWの左端部の外周面を研削することができる。続いて図7に示すチャック方式でカムシャフトWをクランプし、砥石GでカムシャフトWの残りの外周面を全て研削する。このように、センター方式およびチャック方式を切り換えるだけで、カムシャフトWの姿勢を反転させることなく該カムシャフトWの全ての外周面の研削を行うことができ、加工時間の短縮に寄与することができる。
【0028】
ところで、主軸台14のコレットガイド28、コレットチャック48およびセンタ頭部32はワークの機種変更や、摩耗の進行に応じて交換する必要があるが、本実施例の主軸台14では前記交換作業を短時間で行うことができ、しかも交換後のセンタ頭部32の位置を高精度で再現することができる。前記交換作業は以下のような手順で行われる。
【0029】
先ず、油室37に油圧を供給してセンタ31を左方向に後退させた状態で、6本のボルト30および図示せぬ1本の位相決めボルトを外した後に、コレットガイド28およびコレットチャック48を一体で取り外す。このとき、コレットチャック48の突起484 がピストン41の突起412 に係合しているが、コレットチャック48を45°回転させることにより前記係合を解除することができる。このようにしてコレットガイド28およびコレットチャック48を取り外すとセンタ頭部32が露出するため、そのセンタ頭部32をスパナで回転させて取り外すことができる。新たなコレットガイド28、コレットチャック48およびセンタ頭部32の取付け作業は、上述した取外し作業逆の手順で行うことができる。
【0030】
コレットガイド28の内周面と第2シリンダ部材27の外周面とはテーパーした位置決め面56(図2および図7参照)で相互に係合するため、前記位置決め面56を係合させてコレットガイド28を第2シリンダ部材27に組み付けるだけで、コレットガイド28を精密に位置決めして心振れの発生を防止することができる。而して、コレットガイド28の内周にコレットチャック48を介してセンタ軸部33が支持され、またコレットガイド28によってコレットチャック48を介してセンタ頭部32をクランプするので、そのセンタ頭部32を精密に位置決めして心振れの発生を防止することができる。
【0031】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0032】
例えば、実施例では軸物ワークとしてカムシャフトWを例示したが、本発明はカムシャフトW以外の軸物ワークに対しても適用することができる。また実施例では工作機械として円筒研削盤11を例示したが、本発明は旋盤等の他の工作機械に対しても適用することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、主軸台のチャックで軸物ワークの一方の軸端外周をチャックする際に、後退させたセンタを軸物ワークのセンタ穴に嵌合させることにより、軸物ワークの心振れを防止して加工精度を高めることができる。また、軸物ワークの軸端外周の溝に位置決めピンが係合する前は、エア源から供給されたエアが位置決めピンのエア導入開口およびエア排出通路を経てコレットチャックの内部に排出されるが、位置決めピンが溝に係合すべく移動すると、エア導入開口が閉塞されてエアの流通が遮断されるので、位置決めピンが軸物ワーク軸端の溝に正しく係合したことを検出することができる。
【0034】
また請求項2の発明発明によれば、主軸台のセンタで軸物ワークの一方の軸端面に形成したセンタ穴を支持する際に、前進させたセンタを軸物ワークのセンタ穴に嵌合させた状態でチャックがセンタの外周をチャックするので、センタの剛性を高めて軸物ワークの心振れを防止し、その加工精度を高めることができる。
【0035】
また請求項3の発明によれば、コレットガイド内周面と部材外周面とはテーパー状の位置決め面で相互に係合するため、この位置決め面を係合させてコレットガイドを部材に組み付けるだけで、コレットガイドを精密に位置決めして心振れの発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 円筒研削盤の全体正面図
【図2】 図1の2部拡大断面図
【図3】 図2の3−3線拡大断面図
【図4】 図2の4−4線拡大断面図
【図5】 図2の5−5線拡大断面図
【図6】 図2の6部拡大図
【図7】 図2に対応する作用説明図
【図8】 図7の8−8線拡大断面図
【図9】 図7の9−9線拡大断面図
【符号の説明】
W・・・・カムシャフト(軸物ワーク)
W1 ・・・センタ穴
W 2 ・・・溝
26,27・・部材
28・・・コレットガイド
31・・・センタ
42,43・・油圧シリンダ
48・・・コレットチャック
48 1 ・・スリット
48 2 ・・チャック爪
51・・・位置決めピン
51 4 ・・エア導入開口
51 6 ・・エア排出通路
55・・・エア源
56・・・位置決め面
Claims (4)
- 軸物ワーク(W)の一方の軸端面に形成したセンタ穴(W1 )に嵌合可能なセンタ(31)と、そのセンタ(31)が中心部を貫通するコレットガイド(28)と、そのコレットガイド(28)内に嵌装されて該ガイド(28)と協働して前記軸物ワーク(W)の一方の軸端外周をチャック可能なコレットチャック(48)とを備え、センタ(31)がコレットチャック(48)及びコレットガイド(28)に対して軸方向に移動可能である工作機械の主軸台において、
センタ(31)を後退させて軸物ワーク(W)のセンタ穴(W1 )に嵌合させた状態で、チャック(48)は軸物ワーク(W)の軸端外周をチャック可能であり、
コレットチャック(48)及びコレットガイド(28)には、径方向内方に付勢されて軸物ワーク(W)の軸端外周の溝(W 2 )に係合し得る位置決めピン(51)が径方向摺動可能に支持され、
その位置決めピン(51)は、該位置決めピン(51)が前記溝(W 2 )に係合しない状態ではエア源(55)に連通するが前記溝(W 2 )に該位置決めピン(51)が係合した状態ではエア源(55)から遮断されるエア導入開口(51 4 )と、そのエア導入開口(51 4 )をコレットチャック(48)内の空間に連通させるエア排出通路(51 6 )とを備えていることを特徴とする工作機械の主軸台。 - センタ(31)を前進させて軸物ワーク(W)のセンタ穴(W1 )に嵌合させた状態で、チャック(48)はセンタ(31)の外周をチャック可能であることを特徴とする、請求項1に記載の工作機械の主軸台。
- 前記コレットチャック(48)の端部には、放射状のスリット(48 1 )によって相互に分割される複数のチャック爪(48 2 )が形成されていて、それらチャック爪(48 2 )の外周と前記コレットガイド(28)の端部内周とがテーパ嵌合しており、前記コレットチャック(48)を前記コレットガイド(28)に対し軸方向に駆動し得る油圧シリンダ(42,43)を設けた部材(26,27)が、主軸台に支持される主軸(23)の先端部に結合され、前記部材(26,27)の先端外周面に前記コレットガイド(28)の内周面がテーパー状の位置決め面(56)で相互に係合していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の工作機械の主軸台。
- 前記請求項2に記載の工作機械の主軸台を使用した軸物ワークの加工方法であって、
前記センタ(31)を前進させて軸物ワーク(W)のセンタ穴(W 1 )に嵌合させた状態で、前記チャック(48)でセンタ(31)の外周をチャックしつつ、その軸物ワーク(W)を機械加工するセンタ前進加工工程と、
前記センタ(31)を後退させて軸物ワーク(W)のセンタ穴(W 1 )に嵌合させ且つ前記位置決めピン(51)を前記溝(W 2 )に係合させた状態で、前記チャック(48)で軸物ワーク(W)の端部外周をチャックしつつ、その軸物ワーク(W)を機械加工するセンタ後退加工工程とを備え、
前記センタ後退加工工程の開始に当たり、前記位置決めピン(51)を前記溝(W 2 )に係合させるまでは、前記エア排出通路(51 6 )から前記コレットチャック(48)内の空間にエアが排出され、また前記位置決めピン(51)を前記溝(W 2 )に係合させてからは前記エアの排出が停止することを特徴とする、軸物ワークの加工方法。
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