JP6266465B2 - 複合加工工具及びこの複合加工工具を用いた加工方法 - Google Patents

複合加工工具及びこの複合加工工具を用いた加工方法 Download PDF

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    • F16H25/18Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms for conveying or interconverting oscillating or reciprocating motions
    • F16H25/20Screw mechanisms

Description

この発明は、例えばエンジンのバルブシートに対するカッターによる切削加工と、バルブガイドに対するリーマによる内径加工とを、共通の工具で行えるようにした複合加工工具及びこれを用いた加工方法に関する。
カッターとリーマを備えた複合加工工具は公知であり、例えば、リーマを工具のヘッドに固定して取付けるとともに、カッターを工具主軸外周に設けた差動機構によりカムを介して移動させるようにして、カッターとリーマにより同時加工するようにしたものもある(従来例1;特許文献1参照)。
また、工具のヘッドにカッターをスライド可能に取付けるとともに、工具主軸内部に設けたピストン機構により、リーマを進退させ、カッターとリーマにより同時加工するようにしたものもある(従来例2;特許文献2参照)。
特許第5288994号公報 特許第4497887号公報
従来例1のように、工具のヘッドに対して予めリーマを固定すると、リーマ加工に必要な長さだけリーマを予め工具のヘッドから十分に長く突出させておく必要がある。しかし、このようにリーマを長く突出させておくと、加工中にリーマがたわむことにより、穴曲がりが生じることがある。また、カッターとリーマで同時に加工するので、加工時における刃具の支点が2ケ所になり、ビビリ易くなるため、同軸度や真円度などにおいて加工不良が生じやすくなる。このため精密な加工が難しくなる。
そのうえ、カッターが進退自在になっているため、ガタが生じて精密加工をさらに困難にしていた。また、リーマを長く突出させると折損することがあり、刃具寿命を短くしてしまうことになった。
一方、従来例2のように、リーマを進退自在にすれば、当初のカッターによる加工時はリーマを後退させておき、リーマ加工のときリーマを徐々に前進させるようにすればよいので、このような穴曲がりは生じにくくなる。しかし、リーマとカッターの同時加工のため、従来例1と同様にビビリが生じて高精度の加工が難しくなる。
また、リーマを進退させるためにピストン機構を設けると、ピストンの駆動源を複合加工工具の回転駆動源(例えば、マシニングセンタの加工機主軸動力)と別に設ける必要があるため、装置が大型化してしまう。したがって、リーマを複合加工工具と共通の駆動源により進退させることが望まれる。そのうえクーラントも上記ピストン機構と別に設けなければならず、さらに装置が大型化してしまう。
一方、複合加工工具をマシニングセンタ等の加工機の加工機主軸に取付けて使用する場合には、加工機に長さ方向や径方向における取付寸法の制限があるので、これに適合するよう、複合加工工具の全長を短くして加工機主軸へ取付可能となるようコンパクトにしなければならない。また、上記のように大型化すると加工機主軸への取付けが困難になるので、加工機主軸への取付けが可能となるようにコンパクト化することも望まれている。
本願はこのような要請の実現を目的とする。
上記課題を解決するため請求項1に記載した発明は、
加工機の加工機主軸(12)へ着脱自在に取付けられてその動力により回転駆動される工具主軸(11)と、この工具主軸(11)に設けられた第1の刃具(22)及び第2の刃具(28)とを備えた複合加工工具であって、
前記工具主軸(11)の先端へ着脱自在に取付けられたホルダヘッド(20)に前記第1の刃具(22)を一体に設け、
前記第2の刃具(28)を前記工具主軸(11)と一体回転可能かつその回転軸線(CL)上を進退自在に支持したものにおいて、
前記第2の刃具(28)を保持し、前記工具主軸(11)へ回転可能に支持され、かつ前記回転軸線(CL)上を進退可能な刃具ホルダ(58)と、
この刃具ホルダ(58)を進退させる送り機構(61)と、
前記工具主軸(11)の回転を前記送り機構(61)へ伝達し、この送り機構(61)を駆動させるための歯車機構からなる伝達機構(80)を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載した発明は上記請求項1において、
前記伝達機構(80)は、前記送り機構(61)を減速回転する遊星歯車機構(84)を含むことを特徴とする。
請求項3に記載した発明は上記請求項2において、
前記送り機構(61)は、前記刃具ホルダ(58)の外周に形成されたネジ軸状の送りネジ(65)と、この送りネジ(65)に噛み合うネジが内周に形成された送りネジナット(62)を備えることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は上記請求項3において、
前記遊星歯車機構(84)は、前記送りネジナット(62)に設けられた送りネジナットギア(63a)と、これと同軸にその回りを囲んで設けられた内歯ギア(91)と、これら内歯ギア(91)と前記送りネジナットギア(63a)の間に設けられたピニオンギア(92)とを備え、
前記内歯ギア(91)は、リング状をなして前記工具主軸(11)の外周へ回転可能に支承されるとともに前記工具主軸(11)に連結されて回転し、
前記ピニオンギア(92)は、前記内歯ギア(91)の内周面に形成された内歯(91a)及び前記送りネジナットギア(63a)と噛み合って自転するとともに、前記送りネジナットギア(63a)に対して公転不能に前記工具主軸(11)へ固定されていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は上記請求項4において、
前記伝達機構(80)は、前記工具主軸(11)の回転を前記遊星歯車機構(84)へ伝達するための主軸側伝動歯車機構(82)を備え、
前記主軸側伝動歯車機構(82)は、前記工具主軸(11)の外周に設けられ、この工具主軸(11)と一体に回転するリング状の入力ギア(86)と、
リング状をなし、前記工具主軸(11)の外周に設けられ、かつ前記遊星歯車機構(84)へ接続する出力ギア(87)と、
これら入力ギア(86)及び出力ギア(87)が噛み合う伝達ギア(88)とからなるとともに、
前記出力ギア(87)により前記遊星歯車機構(84)の前記内歯ギア(91)を回転させることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は上記請求項5において、
前記主軸側伝動歯車機構が、前記出力ギア(87)と前記入力ギア(86)の歯数を異にする差動歯車機構であることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は上記請求項5又は6において、
前記出力ギア(87)と前記内歯ギア(91)は、回転軸線方向に沿って隣り合って配置され、連結部材(90)にて一体化されるとともに、
この連結部材(90)は所定以上の負荷で破断するようになっていることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は上記請求項3において、
前記送り機構(61)はクラッチ機構(68)を備え、このクラッチ機構(68)がオンすると前記送りネジナット(62)による前記刃具ホルダ(58)の送りを可能とし、オフすると送りを停止することを特徴とする。
請求項9に記載した発明は上記請求項8において、
前記クラッチ機構(68)は、前記工具主軸(11)の前記伝達機構(80)より後方となるアーバー(14)の内部へ配設されることを特徴とする。
請求項10に記載した発明は上記請求項4〜9のいずれか1項において、
前記工具主軸(11)は、その内部に、前記第1の刃具(22)及び前記第2の刃具(28)を冷却するクーラント通路を備え、
このクーラント通路は、前記工具主軸(11)の後端部に設けられた入り口通路(14c)を備え、この入り口通路(14c)は、回転軸線(CL)上にて前記加工機の加工機主軸(12)に設けられているクーラント通路に接続し、
前記入り口通路(14c)から前記工具主軸(11)の内部を通って前記第1の刃具(22)及び前記第2の刃具(28)へクーラントを供給する工具センタースルー形式のクーラント通路を備えるとともに、
この工具センタースルー形式のクーラント通路の一部が、前記内歯ギア(91)と送りネジナットギア(63a)の間に形成されていることを特徴とする。
請求項11に記載した発明は、上記請求項1〜10のいずれか1項に記載した複合加工工具(10)を用いて、ワーク(30)内に配置された第1の被加工部(32)とその中心に位置する第2の被加工部(34)とを加工する加工方法において、
前記複合加工工具(10)の回転軸線(CL)を前記第2の被加工部(34)の中心に合わせ、前記複合加工工具(10)を前進させてホルダヘッド(20)に設けられた第1の刃具(22)により前記第1の被加工部(32)を加工する第1工程と、
前記第1の被加工部(32)の加工終了後、前記第1の刃具(22)が前記第1の被加工部(32)から離れる程度に、前記複合加工工具(10)を若干後退させる第2工程と、
続いて前記第2の刃具(28)を送り出しながら前記第2の被加工部(34)を加工する第3工程とを備えたことを特徴とする。
請求項1によれば、工具主軸(11)の回転を、歯車機構からなる伝達機構(80)により送り機構(61)へ伝達し、これを駆動して第2の刃具(28)を進退させて送り出すようにしたので、第2の刃具(28)の送り出しを、工具主軸(11)と同じ一つの駆動源で駆動することが可能になり、装置全体をコンパクト化できる。
さらに、取付寸法に制約のある加工機に対しても取付けて使用することが可能になる。
請求項2によれば、工具主軸(11)の回転を伝達機構(80)の遊星歯車機構(84)により送り機構(61)へ減速伝達し、第2の刃具(28)を進退させて送り出すようにしたので、伝達機構(80)をコンパクトにできる。
請求項3によれば、送り機構(61)を、刃具ホルダ(58)の外周に形成されたネジ軸状の送りネジ(65)と、この送りネジ(65)に噛み合うネジが内周に形成された送りネジナット(62)で構成したので、送り機構(61)を簡単に構成できる。また、工具主軸(11)の軸心部へ設けることができるので、装置全体をコンパクト化できる。
請求項4によれば、遊星歯車機構(84)を、送りネジナット(62)に設けられた送りネジナットギア(63a)と、これと同軸にその回りを囲んで設けられた内歯ギア(91)と、これら内歯ギア(91)と送りネジナットギア(63a)の間に設けられたピニオンギア(92)とを備えたものとし、リング状の内歯ギア(91)を工具主軸(11)の外周へ回転可能に支承させた。また、ピニオンギア(92)を内歯ギア(91)の内周面に形成された内歯(91a)及び送りネジナットギア(63a)と噛み合って自転するとともに、送りネジナットギア(63a)に対して公転不能に工具主軸(11)へ固定した。
そこで、内歯ギア(91)を工具主軸(11)に連動させて回転させると、ピニオンギア(92)を介して送りネジナットギア(63a)を減速回転させ、このとき送りネジナットギア(63a)は大きく減速される。したがって、この遊星歯車機構(84)によれば、内歯ギア(91)から送りネジナットギア(63a)へ高減速比で回転を伝達でき、コンパクトな装置で高減速比を実現できる。しかも、内歯ギア(91)をリングギアとして、同じくリングギアの出力ギア(87)と並設して工具主軸(11)の外周へ設けるので、伝達機構(80)全体をさらにコンパクトにでき、装置の全長を短くできる。
また、送りネジナットギア(63a)を遊星歯車機構(84)の太陽歯車として使用するので、遊星歯車機構(84)で直接送り機構(61)の送りネジナット(62)を回転駆動できる。
請求項5によれば、伝達機構(80)を主軸側伝動歯車機構(82)と遊星歯車機構(84)で構成し、主軸側伝動歯車機構(82)をリング状の入力ギア(86)及び出力ギア(87)とこれらと噛み合う伝達ギア(88)で構成することによって工具主軸(11)の外周へ設け、工具主軸(11)の回転を主軸側伝動歯車機構(82)の入力ギア(86)へ入力し、さらに出力ギア(87)から遊星歯車機構(84)の内歯ギア(91)へ入力したので、工具主軸(11)の回転をコンパクトな歯車機構で遊星歯車機構(84)へ伝達することができる。さらに遊星歯車機構(84)で減速してその出力で送りネジナット(62)を回転駆動できる。
したがって、工具主軸(11)の回転を大きく減速して送り機構(61)を駆動させることができるとともに、主軸側伝動歯車機構(82)を工具主軸(11)の外周へ設けること並びに主軸側伝動歯車機構(82)と遊星歯車機構(84)を組み合わせることにより、高減速を得られるにもかかわらず、伝達機構(80)全体をコンパクトにでき、装置の全長を短くできる。
請求項6によれば、主軸側伝動歯車機構を、入力ギア(86)と出力ギア(87)の歯数が異なる差動歯車機構(82)としたので、2つの減速機構である、差動歯車機構(82)と遊星歯車機構(84)とを組み合わせることになり、より高減速を実現できる。
請求項7によれば、互いにリング状をなし、回転軸線方向へ並設された出力ギア(87)と内歯ギア(91)を連結部材(90)で一体化したので、構造を簡単にでき、装置を長さ方向にてコンパクト化できる。
しかも、連結部材(90)は所定以上の負荷で破断するようになっているので、送り機構(61)から過大な負荷がかかったとき、連結部材(90)が破断して、伝達機構(80)への大荷重を遮断でき、伝達機構(80)を保護できる。
請求項8によれば、送り機構(61)にクラッチ機構(68)を設けたので、クラッチオンにより、送りネジナット(62)による刃具ホルダ(58)の送りを開始し、オフにより、刃具ホルダ(58)の送り方向の動作を停止する。したがって、送りネジナット(62)が常時回転しても、第2の刃具による加工が必要なときのみ、クラッチをオンにして刃具ホルダ(58)を送り出すことができる。
請求項9によれば、クラッチ機構(68)を工具主軸の後部であるアーバー(14)内に設けたので、装置全体のコンパクト化を実現できる。
請求項10によれば、クーラント通路を、工具主軸(11)の内部に工具センタースルー形式で設け、回転軸線(CL)上にて加工機主軸(12)から供給されるクーラントを、工具主軸(11)の内部を通して第1の刃具(22)及び第2の刃具(28)へ供給できるようにしたので、クーラント通路を簡単に設けることができる。
しかも、工具センタースルー形式のクーラント通路の一部が、内歯ギア(91)と送りネジナットギア(63a)の間に形成されることにより、遊星歯車機構(84)の構成ギア間における空間を有効利用してコンパクトに形成できる。
請求項11によれば、複合加工工具(10)の回転軸線(CL)上にて、複合加工工具(10)を第1加工開始位置に置き、さらにここから前進させてホルダヘッド(20)に設けられた第1の刃具(22)により第1の被加工部(32)を加工する第1工程と、
その後複合加工工具(10)を若干後退させて第1の被加工部(32)から第1の刃具(22)を離した第2加工開始位置にする第2工程と、
続いて、複合加工工具(10)を第2加工開始位置にしたまま、第2の刃具(28)を送り出しながら第2の被加工部(34)を加工する第3工程とを備えたので、第1の刃具(22)と第2の刃具(28)による加工をそれぞれ別工程とすることができ、各工程の加工時における刃具の支点を1ケ所にするので、ビビリを少なくすることができ、真円度及び同軸度を高くして高精度の加工が可能になる。しかも、複合加工工具(10)を同軸上で進退させるだけであり、第2工程の後退量は微少で済むため、効率よく加工することができる。また、第3工程において、第2の刃具(28)を加工深度に応じて送り出すので、第2の刃具(28)の曲がりによる穴曲がりを防ぐことができ、かつ第2の刃具(28)の折損を抑制して長寿命化させることができる。
実施形態に係る複合加工工具の正面図 上記複合加工工具の側面図 図2の3−3線断面図 図2の4−4線断面図 図2の5−5線断面図 クラッチ機構の分解斜視図 スライダの平面図 伝達機構を回転軸線方向前方から示す図
以下、エンジンのシリンダヘッドにおけるバルブシートとバルブガイドに対する加工工具であって、バルブシートを加工するカッターと、バルブガイドを加工するリーマを備えた複合加工工具の一例を説明する。以下、前方とは、加工工具の前進方向をいうものとする。
図1及び図2において、この複合加工工具10は、マシニングセンタ等からなる加工機の加工機主軸ユニット12へ着脱自在に取付けられ、加工機主軸ユニット12のスピンドル12aにより一体回転されるものであり、CLはスピンドル12a及び複合加工工具10の各回転軸線である。
複合加工工具10は回転軸線CL上にてスピンドル12aへ同軸で取付けられ、スピンドル12aで駆動される工具主軸11を備える。工具主軸11は、同軸で前後に二分され、主軸後部であるアーバー14と主軸前部16(後述する図3参照)とを備える。アーバー14は、スピンドル12aへ連結されるテーパー部14aを有する。主軸前部16は、刃具を支持する部分である。
さらに、アーバー14及び主軸前部16の結合部外側を覆って設けられるケース18と、主軸前部16の前面へ取付けられるホルダヘッド20を備える。
ホルダヘッド20の外周部には、カッター22が周方向へ等間隔で一体に形成されている。ホルダヘッド20はボルト24で軸方向前方から複合加工工具10の主軸前部16へ取付けられている(図2及び図4参照)。
ホルダヘッド20の軸心部には、リーマ28が一体回転自在かつ軸方向へ進退自在に保持されている。
ケース18の外周部には、位置決めピン18aが外方へ突出し、その一部が後方へ延出して、加工機主軸ユニット12の前端部から前方へ突出する保持部12bと係合することにより、複合加工工具10が加工機主軸ユニット12に対して、相対回転不能に位置決めされている。
また、ケース18には、位置決めピン18aとずれた位置にギアカバー18bが突出形成され、ここに後述する差動機構の伝達ギアが収容されている。
複合加工工具10は、加工機主軸ユニット12のスピンドル12aと一体に回転し、カッター22によりワーク(シリンダヘッド)30のシート面32(第1の被加工部)を切削して仕上げ加工し、さらにリーマ28を前進させながらバルブガイド34(第2の被加工部)の内径仕上げ加工を行うようになっている。シート面32はエンジンのバルブ(図示省略)が着座する部分であり、バルブガイド34と同軸でその周囲へ広がって形成されている。バルブガイド34は、バルブのステム(軸部)を摺動案内する円筒孔であり、複合加工工具10側から見てシート面32よりも前方の深い位置に形成されている。
以下、図3〜図8により、複合加工工具10の内部構造を説明する。アーバー14と主軸前部16は同軸で前後に配置され、ボルト40で相互に連結され(図5)、一体回転するようになっている。アーバー14と主軸前部16は工具主軸11をなしている。すなわち、工具主軸11は、前後に分割され、かつ一体回転可能に連結されている。工具主軸11の外周にケース18がベアリング19で回転可能に支持され、ケース18の軸方向両端は、工具主軸11との間をオイルシール18cにてシールされている。
主軸前部16の前端部にホルダヘッド20が取付けられている。
ホルダヘッド20の後方となる主軸前部16の前部外周にはキャップ42が配置されている。キャップ42は、軸方向前方からボルト44で主軸前部16へ取付けられている。また、キャップ42の前端部がホルダヘッド20の後端部外周にボルト26及びナット46で径方向から取付けられている(図3)。
ボルト26はホルダヘッド20から径方向外方へ突出し、キャップ42の前端部を径方向外方へ貫通している。
ホルダヘッド20の軸心部には、軸方向へ貫通する軸穴50が設けられ、この中をリーマ28が貫通し、ベアリング52、54にて、軸方向へ進退自在に保持されている。
リーマ28は、先端の刃部28aと、その後方へ長く直線状に延出する丸棒状のシャンク28bを備える。シャンク28bはホルダヘッド20から主軸前部16の軸穴56内へ入っている。シャンク28bの側面には、回転軸線CLと平行で先端が刃部28aへ達するガイド溝28cが形成されている。ガイド溝28cは回転軸線CLに沿ってリーマ28の進退移動を可能にするとともに、ホルダヘッド20に設けられた凸部(図示省略)と係合してリーマ28をホルダヘッド20と一体回転可能にしている。
主軸前部16の軸穴56は主軸前部16の軸心部を貫通して形成され、ホルダヘッド20の軸穴50よりも大径である。図3及び図4はリーマ28が最も後退した状態を示し、この状態ではリーマ28の刃部28aを除くほとんど大部分が軸穴56内へ長く収容されている。リーマ28の後端部は軸穴56の後端部近傍に位置して、リーマホルダ58の前端部へ接続している。
図3及び図4において、リーマホルダ58は、回転軸線CLと同軸で軸穴56より若干長く形成され、その前端部は軸穴56の後端部内にあり、他の大部分はアーバー14の軸心部に形成された軸穴60内へ収容されている。リーマホルダ58は送り機構61により回転軸線CL上を前後方向へ進退するようになっている。
軸穴60は、軸穴56と同軸でかつこれよりも若干大径であり、前方へ向かって開放された袋穴である。この軸穴60には、リーマの送り機構61やクラッチ機構68が収容されている。
アーバー14の後端部に設けられたプルスタット14bには入り口通路14cが設けられている。入り口通路14cはクーラントの入り口通路であって回転軸線CL上に位置し、ここからカッター22やリーマ28の刃先部を冷却するクーラントが供給される。
クーラントはスピンドル12aの軸心部からスピンドルセンタースルー形式でプルスタット14bの軸穴である入り口通路14cへ供給され、ここからさらに工具主軸部11内部に設けられた通路を通って、工具センタースルー形式でホルダヘッド20側へ供給されるようになっている。
入り口通路14cは、アーバー14のテーパー部14a内において、そのテーパー形状に沿って斜めに形成された斜め通路14dへ接続する。斜め通路14dはアーバー14前部の軸穴60外方を平行に通る横通路14eへ接続し、さらにこの横通路14eは、アーバー14の前端部で送りネジナット62の外周に形成された横通路14fへ接続する。
横通路14fは、主軸前部16及びキャップ42を連続して通る横通路16a、42aへ接続する。横通路42aはさらに、内側の主軸前部16の小径部に形成された横通路16bへ接続する。横通路16bはホルダヘッド20に形成された軸穴50へ向かう斜め通路50aへ接続している。斜め通路50aは軸穴50の一部を若干拡径してシャンク28bの周囲に形成された間隙50bへ接続する。この間隙50bには、ホルダヘッド20を径方向へ貫通する吐出孔50cの一端とガイド溝28cが臨んでいる。
したがって、斜め通路50aから間隙50bへ入ったクーラントは、吐出孔50cからカッター22の周囲へ吐出するとともに、ガイド溝28cを通って、リーマ28の刃部28aから前端方向へ吐出する。このようにすると、工具主軸11内にクーラント通路を設けることができる。しかも、このような工具主軸11内のクーラント通路は、後述するように、リング状のギアを有する差動機構82及び遊星歯車機構84を備えたことにより可能になった。
なお、クーラント通路は図示のもの以外も可能であり、例えば、クーラントをスピンドル12aから供給せず、加工機主軸ユニット12の外部から位置決めピン18aへ供給し、さらにこの位置決めピン18aから工具主軸11内部へクーラントを供給する公知の構造を採用することもできる。
また、工具主軸11内に通路を設けず、複合加工工具10と別体のクーラント装置を設け、その吐出口をホルダヘッド20の周囲に配置し、カッター22及びリーマ28の近傍へクーラントを外部から供給する公知の構造を採用することもできる。
図3の拡大部に示すように、リーマ28のシャンク28bにおける後端部は、リーマホルダ58の前端部に形成された大径部58aに差し込まれる。大径部58aは軸穴56内へ摺動可能に収容され、その内部にカラー58bが収容され、カラー58b内にリーマ28のシャンク28bにおける後端部が嵌合される。
カラー58bは、側面の外フランジをカラー第1スプリング58cにて前方へ付勢され、
さらに、底面中央部をカラー第2スプリング58eにて前方へ付勢されている。
カラー第2スプリング58eはリーマホルダ58の軸心部に形成された袋状の軸穴58d内へ収容されている。カラー第1スプリング58c及びカラー第2スプリング58eは、リーマ28の後端部を大径部58a(カラーキャップ59)へ押しつけて、軸方向のガタを防いでいる。
また、大径部58aは、前方からカラーキャップ59にて閉じられる。カラーキャップ59はボルト59aにて、リーマホルダ58の前端面へ固定される。カラーキャップ59によりリーマ28のシャンク28bにおける後端部が回り止め及び抜け止めされた状態で連結される。
この連結構造は、カラーキャップ59の回り止め孔とリーマ28のシャンク28bにおける後端部に形成された異形断面部により構成される。カラーキャップ59の中心部には、例えば、D字状の孔からなる非円形の回り止め孔が設けられている。一方、リーマ28のシャンク28bにおける後端部は回り止め孔を通過可能なD字状の異形断面をなすように側面を切り欠かれ、さらにこの切り欠き面の一部から連続して係合溝が周方向に略1/4周長程度の長さで形成されている。
そこで、リーマ28のシャンク28bにおける後端部をカラーキャップ59の回り止め孔に貫通させてから、リーマ28を略1/4回転させることにより、係合溝が回り止め孔に係合して回り止め及び抜け止めされた状態となり、リーマ28はリーマホルダ58へ迅速かつ簡単に連結されて固定される。リーマホルダ58はリーマ28が連結一体化されると、リーマ28と一体に回転する。
次に、送り機構61について説明する。図4の拡大部に示すように、送り機構61は加工機主軸ユニット12におけるスピンドル12aの回転を伝達機構80及びクラッチ機構68を介して減速して回転する送りネジナット62と、リーマホルダ58の大径部58aに続く軸部64の外周に形成された送りネジ65により構成される。軸部64はネジ軸状をなし、送りネジナット62を貫通している。送りネジナット62の内周面には送りネジ65と噛み合うネジ63bが形成されている。
送りネジナット62の回転により、リーマホルダ58が軸方向へ進退自在になっている。
但し、クラッチ機構68において、クラッチオフのときは、送りネジ65に常時噛み合う送りネジナット62の回転にもかかわらず、リーマホルダ58は送り出されない。クラッチオンのときのみ、リーマホルダ58が送り出される。
図4の拡大部に示すように、送りネジナット62は大径部62aと小径部62bが連続一体に形成された筒状部材であり、大径部62aの外周には、送りネジナットギア63aが形成される。小径部62bはリーマホルダ58の軸部64に外嵌し、内周部のネジ63bは軸部64に形成された送りネジ65と噛み合っている。
なお、本実施形態の送りネジ65は右ネジとして形成されている。ここで、回転軸前方に向かって右回転を正転、左回転を逆転とすると、送りネジ65は送りネジナット62の逆転により前進する。送りネジ65のピッチは4mmになっている。但し、ネジの方向及びピッチは任意に設定できる。
次に、クラッチ機構を説明する。図6はクラッチ機構68の分解斜視図であり、リーマホルダ58が内側を摺動する略円筒状のスライダ70と、その前後に設けられる第1クラッチスプリング72、第2クラッチスプリング74及びリーマホルダ58の後端に設けられ、スライダ70の軸方向に設けられたスリット70c内を軸方向へ移動するラチェットピン66とを備える。ラチェットピン66がスリット70c内へ入っているときクラッチオンとなり、送りネジナット62によるリーマ28の送り出しが開始される。ラチェットピン66がスリット70cから出るとクラッチオフとなり、リーマ28の送り出しが停止される。
リーマホルダ58は予めその後端部へラチェットピン66をボルト67により固定してあり、このラチェットピン66をスリット70cへ入れて、リーマホルダ58の軸部64をスライダ70に貫通させて通し、さらに、第1クラッチスプリング72をスライダ70の前部側へ外嵌し、第2クラッチスプリング74をスライダ70の後部側へ外嵌している。
なお、スリット70cはスライダ70の全長に亘って形成され、その長さは、リーマ28の最大送り量、すなわちリーマホルダ58の軸部64の長さとほぼ同じである。
ラチェットピン66は、リーマホルダ58の後端部へ取付けられる本体部66aから径方向外方へ一体に突出形成されている。ラチェットピン66の幅はスリット70cへ入って回転を規制されながら長さ方向へ摺動できる程度である。ラチェットピン66の径方向突出高さは、リーマホルダ58へ取付けた状態で、リーマホルダ58の軸心からスライダ70の大径部70bの内周面へ達する程度である。
ラチェットピン66の本体部66aは前部が側面視で略コ字状に形成され、一対の前方突出部66bが形成され、リーマホルダ58の軸端部外周を部分的に平面とした平面部58fへ嵌合して回り止めをなすようになっている。これにより、ボルト67にてリーマホルダ58へ固定した状態で長期使用しても脱落しない程度の十分な耐久性が得られている。
スライダ70は、小径部70aと大径部70bからなる全体として略円筒状の部材である。小径部70aはその一部を長さ方向へカットして両端部側を開放させた形状をなし、この開放部分がスリット70cをなす。スライダ70の長さ方向中間部は厚肉の大径部70bをなし、スリット70cの上方を覆って径方向外方へ突出するストッパ部をなしている。
大径部70bの内周面にも、左右のスリット70cと連続する同幅の溝が軸方向へ形成されている。スリット70cはラチェットピン66を回転不能状態にしつつ、大径部70bの内側を通って軸方向へ進退移動させるためのガイド溝である。
図3に示すように、第1クラッチスプリング72は、送りネジナット62と大径部70bの前端部との間に軸穴60の内周面に沿って配置され、スライダ70を後方へ付勢している。第2クラッチスプリング74は、軸穴60の後端部と大径部70bの後端部との間に軸穴60の内周面に沿って設けられ、スライダ70を前方へ付勢している。
スライダ70の大径部70bにおけるスリット70cと反対側の部分には、径方向外方へ突出するガイドピン76が設けられている。ガイドピン76は、アーバー14に形成された軸方向の長穴78内へ入り、スライダ70を若干量前後方向へ移動可能にするとともににアーバー14に対して相対回転不能にしている。その結果、スライダ70はアーバー14と常時一体に回転する。
図3中の符号77はスライダ70の回り止め部材であり、ガイドピン76でスライダ70の大径部70b底部に固定される。79は長穴78を覆う蓋であり、ボルトでアーバー14の底部に固定される。図6中の拡大部Dは、スライダ70の大径部70b底部に対するガイドピン76の取付構造を断面で示してある。大径部70bの底部には、回り止め部材77用の凹部77aが形成され、その中にガイドピン76のナット穴76aが形成されている。回り止め部材77を凹部77aへ嵌合した状態でガイドピン76をナット穴76aへ締結することにより、回り止め部材77がガイドピン76で固定される。
したがって、アーバー14に対して回転方向を固定されたスライダ70に対して、そのスリット70cへラチェットピン66が入ってクラッチオンとなると、リーマホルダ58はスライダ70に対して回転不能になり、相対的に自由な回転を規制されるため、送りネジナット62の回転によって、その回転がリーマホルダ58へ軸方向の直線運動に変えて伝達され、リーマホルダ58が軸方向へ送り出されることになる。
一方、スリット70cからラチェットピン66が出たクラッチオフの状態では、リーマホルダ58はスライダ70に対して相対的に自由な回転が可能となるから、送りネジナット62が回転しても、リーマホルダ58は一緒に空転することになり、軸方向の直線運動が伝達されないので、送り出されない。
クラッチオンの状態では、リーマホルダ58は、図5に示す最前進位置まで送り出し可能である。この最前進位置では、ホルダヘッド20から突出するリーマ28の突出量が最大となる。このとき、ラチェットピン66はスライダ70の前側端面70dから前方へ出てクラッチオフとなり、リーマホルダ58は前進が停止される。このため、リーマホルダ58は所定の前進位置で駆動系から切り離されるので、加工孔の深さが異なっても、送り量をシビアに管理する必要がなく、送り量の管理が容易になる。
図7はスライダ70の平面図である。この図において、スライダ70の長さ方向両端の端面70dは、ラチェットピン66をスリット70cへ入りやすくするための、平面視で略S字状をなす導入促進面になっている。これを図右側の端面70dについて説明する。端面70dはスリット70cにて分断され、スリット70cに臨む2つの端点70e及び70fをなす。これらの端点70e及び端点70fは、平面視で軸方向に相対的にずれており、図示で上側の端点70fが下側の端点70eよりも軸方向内側(スライダ70の長さ方向中間点側)に位置する。
端面70dは下側の端点70eから上側の端点70fに向かって、軸方向位置が次第に軸方向内側となるように連続的に変化している。このため、両端点70e及び端点70fを結ぶ端面70dの平面視形状は略S字状になる(正確には、図示状態はS字を鏡像反転させたような形状になっている。但し、このようなものを含めて略S字状という)。
なお、図左側の端面70dは、右側と対称的に形成され、下側の端点70eが上側の端点70fよりも軸方向内側へ位置するようになっている。
このように、端面70dを平面視で略S字状をなすようにすると、ラチェットピン66に対するスリット70cへの導入促進面にすることができる。すなわち、ラチェットピン66がスライダ70の後方へ出たクラッチオフの状態において、ラチェットピン66が端面70d上を相対的に移動するとき、平面視形状が略S字状をなす端面70dに案内されるためスリット70c内へ導入され易くなる。
これを図によりさらに説明すると、図中に(A)を付けて仮想線で示すように、ラチェットピン66が端面70dに接しているとき、アーバー14と一体回転するスライダ70と、減速回転する送りネジナット62に噛み合うリーマホルダ58との間に回転速度の相違が生じると、ラチェットピン66は端面70d上を相対的に摺動するが、スリット70cに臨むと、(B)を付けて示すように、軸方向にずれた端点70e及び端点70fの段差部へ当接し、ここでスリット70cへ入りこみ、(C)を付けて示すようにクラッチオンの状態になる。
このとき、スライダ70はガイドピン76がアーバー14に形成された軸方向の長穴78内を軸方向へ移動できるため、軸方向へ若干量進退移動してラチェットピン66をスリット70cへさらに入り込み易くしている。また、スライダ70は、一時的に軸方向へ移動しても、第1クラッチスプリング72及び第2クラッチスプリング74により、常時中立位置へ戻される。
次に伝達機構80について説明する。
図8は伝達機構80を回転軸線方向前方から示す図である。伝達機構80は差動機構82と遊星歯車機構84を備える。差動機構82は工具主軸11の回転を遊星歯車機構84へ伝達するための主軸側伝動歯車機構であり、主軸前部16の外周へ一体回転可能に固定された入力ギア86と、これよりわずかに歯数が少なくアーバー14の前端部外周へ回転可能に支承された出力ギア87と、これらが噛み合う伝達ギア88とからなる。これらのギアは平歯車で構成されている。伝達ギア88は、ギアカバー18bに対して中心軸CLと平行の中間軸89にて固定されている(図4)。
入力ギア86は主軸前部16と一体であって、その回転方向及び回転数は主軸前部16の回転数すなわちスピンドル12aの回転方向及び回転数と同じである。出力ギア87は入力ギア86と同じ方向へ歯数差に応じて減速回転される。したがって、スピンドル12aが正転すると、入力ギア86は正転し、伝達ギア88は逆転し、出力ギア87は減速して正転する。
遊星歯車機構84は、出力ギア87とボルト90にて一体化された内歯ギア91と、これと噛み合うピニオンギア92と、ピニオンギア92が噛み合う送りネジナットギア63aとで構成される。内歯ギア91には内歯91aが形成され、この内歯にピニオンギア92が噛み合っている。ピニオンギア92は、中間軸93にてアーバー14へ固定される。
出力ギア87と内歯ギア91とをボルト90にて連結一体化することで、差動機構82と遊星歯車機構84とを容易に一体化できる。なお、連結部材はボルト90に限らず適宜使用できる。内歯ギア91と送りネジナットギア63aとの間に形成される空間には工具センタースルー形式のクーラント通路の一部である横通路14fが形成されている。
この遊星歯車機構84では、内歯ギア91が入力ギアとなり、ピニオンギア92は自転のみ可能であり、中間軸93がアーバー14へ固定されるため送りネジナットギア63aの周囲を公転しないようになっているので、アイドルギアとして機能し、送りネジナットギア63aを内歯ギア91と逆方向へ減速回転させる。
このとき、内歯ギア91が出力ギア87と一体に正転すると、ピニオンギア92も正転し、送りネジナットギア63aは減速して逆転する。
この伝達機構80は、スピンドル12aの回転を送り機構61の送りネジナットギア63aへ減速して逆回転で伝達するものである。送りネジナットギア63aが減速して逆転すると、送りネジナット62も一体に逆回転し、そのネジ63bがリーマホルダ58の右ネジである送りネジ65と噛み合うことにより、リーマホルダ58を前進させる(クラッチオンのとき)。
この伝達機構80における総減速比は、(送りネジナットギア63aの回転数)/(主軸前部16の回転数)であり、例えば、主軸前部16(スピンドル12a)の回転数が4000回転/分のとき、送りネジナットギア63aの回転数を130回転/分程度に減速可能である。このときの減速比は13/400となり、高減速比が得られる。なお、減速比の値が著しく小さい(例えば、1/10以下)ことを高減速比といい、このような高減速比となる減速を高減速ということにする。
また、差動機構82と遊星歯車機構84を組み合わせ、かつ差動機構82の入力ギア86を前方、出力ギア87を後方へ配置し、出力ギア87と遊星歯車機構84の内歯ギア91を隣り合わせに併設して一体化できたので、伝達機構80を工具主軸11の前半部側へ配置し、送り機構61を前方よりに配置でき、装置全体の長さ方向寸法を短縮してコンパクト化できる。
なお、送りネジナット62のリードが4mmのため、リーマホルダ58の送り速度(すなわちリーマ28の送り速度)は、4mm×13/400=0.13mm/回転として、リーマ28の送り速度を速いものにすることができる。
次に、この複合加工工具10を用いた加工方法について説明する。
まず図1において、複合加工工具10のアーバー14をスピンドル12aへ取付け、回転軸線CLをワーク30のシート面32に合わせ、加工機主軸ユニット12を前進させて、ホルダヘッド20をシート面32近傍に位置させる。この位置をカッター加工開始位置(第1加工開始位置)とする。
続いて、複合加工工具10をスピンドル12aと一体回転させ、カッター加工開始位置より加工機主軸ユニット12をさらに前進させ、カッター22にてシート面32を仕上げ加工する(第1工程)。
このとき、リーマ28を予め後退位置にしておくことで、図3に示すように、リーマホルダ58は最も後退した位置にあり、ラチェットピン66はスライダ70の後端からスリット70c内へ入って、クラッチオン状態となっている。したがって、カッター22による加工の間、リーマ28は送り出されて前進状態にある。
なお、複合加工工具10が回転中は、リーマ28が複合加工工具10と一体に回転し、リーマ28と一体にリーマホルダ58も回転している。このため、シート面32の加工中にラチェットピン66がスリット70cへ入りこんでクラッチオンになっている。このとき送りネジナット62も減速回転しているので、リーマホルダ58の送り出しが開始され、リーマ28が若干前方へ送り出される。しかし、バルブガイド34はシート面より深い位置にあるので、シート面加工終了までにリーマ28の刃部28aがバルブガイド34へ到達しないようになっている。
シート面32の加工が終了すると、加工機主軸ユニット12を若干量(例えば、約1mm)後退させ、カッター22をシート面32から離す(第2工程)。このときリーマ28の刃部28aはバルブガイド34の軸線上にある。このときのホルダヘッド20先端の位置をリーマ加工開始位置(第2加工開始位置)ということにする。なお、リーマ加工開始位置において、リーマ28が既に送り出されているので、リーマ28の刃部28a先端がバルブガイド34に近づいている。
このリーマ加工開始位置にて、加工機主軸ユニット12及び複合加工工具10の位置をそのままに固定して、リーマ28を回転及び前進させて、バルブガイド34に対するリーマ加工を開始する(第3工程)。このときラチェットピン66がスリット70cへ入ってクラッチがオンになり、送りネジナット62の回転により送り出され、リーマ28がバルブガイド34内へ入り込んで、バルブガイド34穴内面の仕上げ加工を行う。リーマ28による加工は、バルブガイド34の手前側(ホルダヘッド20側)から前方へ向かって次第に深い部分へと移って行くが、リーマ28は加工場所が前方へ移るにしたがって次第に前方へ送り出され、リーマ28がホルダヘッド20から伸び出す長さも長くなる。
しかし、ホルダヘッド20の先端部は、バルブガイド34の手前側端部に近接したリーマ加工開始位置にあって、その位置は不動であるから、送り出されたリーマ28の殆ど全部がバルブガイド34内に位置し、撓みにくくなっているので、穴曲がりを生じにくくなる。また、カッター加工とリーマ加工を時系列的に異なる独立工程として、同軸上で連続的におこなうので、刃具の支点が複数になることもなく、高い同軸度及び真円度を有する高精度の加工が可能になる。
リーマ28による加工が終了すると、加工機主軸ユニット12が後退し、複合加工工具10を例えば、カッター加工開始位置まで後退させ、続いてスピンドル12aを逆転させることにより、複合加工工具10を逆転させる。
これにより、送りネジナット62が正転するため、リーマホルダ58は後退し、やがてラチェットピン66が長さ方向両端面70dから外れてスライダ70の後方へ出ると、クラッチオフの状態となる。この状態でスピンドル12aは回転を停止し、全加工が終了する。
次に、本実施形態の作用を説明する。
図1に示すように、工具主軸11にカッター22(第1の刃具)とリーマ28(第2の刃具)を同軸で設け、同軸上において、まず、カッター22によるシート面32の加工をおこない、その後、リーマ28によるバルブガイド34の加工をおこなうようにした。このため、複合加工工具10でありながら、カッター22とリーマ28による同時加工をおこなわないため、加工時における刃具の支点が一つとなり、同時加工のように、カッター22の支点とリーマ28の支点が同時に生じないので、ビビリが少なくなり、高精度の加工が可能になる。
そのうえ、カッター22をホルダヘッド20と一体に設けたので、ガタなしで加工でき、シート面32を高精度に仕上げることができる。
しかも、加工深さに応じてリーマ28を送り出しながら加工するので、軸の曲がりを生じずにバルブガイド34を内径加工でき、高い同軸度及び真円度の仕上げ加工が可能になる。
また、図3等に示すように、加工機の加工機主軸ユニット12により回転駆動される工具主軸11の回転を伝達機構80の歯車機構により送り機構61へ減速伝達し、リーマホルダ58を進退させて所定速さで送り出すようにしたので、リーマ28(第2の刃具)の送り出しを、工具主軸11と同じ一つの駆動源で駆動することが可能になり、装置全体をコンパクト化でき、取付寸法に制約がある加工機に対しても取付けて使用することが可能になる。
また、伝達機構80を差動機構82と遊星歯車機構84からなる歯車機構で構成したので、高減速を得られるにもかかわらず、伝達機構80全体をコンパクトにでき、装置の全長を短くできる。
特に、遊星歯車機構84を採用することにより、高減速でかつ工具主軸11全体をコンパクトにできる伝達機構が可能になった。
しかも、差動機構82をリング状の入力ギア86及び出力ギア87とこれらと噛み合う伝達ギア88で構成することによって工具主軸11の外周へ設けることができ、この、出力ギア87を遊星歯車機構84の内歯ギアへ連結したので、伝達機構80をコンパクトに配置できる。
また、遊星歯車機構84を、内歯ギア91の内歯91aとピニオンギア92及び送りネジナットギア63aで構成し、ピニオンギア92を自転可能かつ工具主軸11に対して公転不能に固定してアイドルギアとし、内歯ギア91から送りネジナットギア63aへ高減速比で回転を伝達するようにしたので、コンパクトな装置で高減速比を実現できる。
しかも、内歯ギア91をリングギアとして、同じくリングギアの出力ギア87と並設して工具主軸11の外周へ設けるので、伝達機構80全体をさらにコンパクトにでき、装置の全長を短くできる。
このとき、出力ギア87と内歯ギア91をボルト(連結部材)90で一体化したので、構造を簡単にでき、装置を長さ方向にてさらにコンパクト化できる。
しかも、このボルト90を樹脂製として所定の大荷重で破断される軟式材料ボルトとしたので、送り機構61側からボルト90へ所定の大きな負荷がかかったとき、ボルト90を破断して、出力ギア87への過大な負荷を遮断できる。なお、このような過大な負荷を考慮する必要がないときはボルト90を通常の金属製とすることができる。
また、送り機構61にクラッチ機構68を設けたので、クラッチオンにすると、送りネジナット62によるリーマホルダ58の送りを開始し、クラッチオフにすると、リーマホルダ58の送り方向の動作を停止する。したがって、所定の送り出し量にてクラッチオフとすることにより、送り機構61を駆動系から切り離し、送りネジナット62が常時回転しても、リーマ28の送り出し量を所定にすることができる。このため、加工孔の深さが異なっても、送り量をシビアに管理する必要がなく、送り量の管理が容易になる。
また、クラッチ機構68をアーバー14の内部に設けたので、装置全体のコンパクト化を実現できる。
さらに、図3に示すように、工具主軸11の内部にクーラント通路(14d、14e、14f、16a、42a、16b、50a、50b、50c)を設け、アーバー14の後端部に設けたプルスタット14bの軸穴を入り口通路14cとしたので、アーバー14を加工機の加工機主軸ユニット12におけるスピンドル12aへ連結すると、スピンドル12aの軸心部からスピンドルセンタースルー形式で供給されるクーラントを、入り口通路14cから工具主軸11の内部を通してカッター22及びリーマ28の周囲へ供給できる。
このため、工具主軸11の内部に工具センタースルー形式のクーラント通路を設けることができ、スピンドルセンタースルー形式の加工機主軸ユニット12へ複合加工工具10を取付けるだけで、別体のクーラント装置を設けることなく、ホルダヘッド20側へクーラントを供給できる。しかも、クーラント通路を複合加工工具10の外部に設けないので、加工機への取付けが可能になる。
そのうえ、リングギアを有する差動機構82と遊星歯車機構84を設け、工具主軸11の内部全体を歯車機構で占めないようにすることで、工具主軸11の内部にクーラント通路のスペースを確保でき、工具センタースルー形式のクーラント通路を簡単に設けることができるようになった。
また、本実施形態に係る加工方法によれば、複合加工工具10の回転軸線(CL)上にて、カッター22(第1の刃具)によるシート面32(第1の被加工部)を加工する第1工程と、複合加工工具10を若干後退させる第2工程と、リーマ28(第2の刃具)を送り出しながらバルブガイド34(第2の被加工部)を加工する第3工程を順次おこなうようにしたので、カッター22とリーマ28による加工をそれぞれ時系列的に異なる別工程とすることができる。このため、第1及び第3工程の加工時における刃具の支点を1ケ所にするので、ビビリを少なくすることができ、真円度及び同軸度を高くして高精度の加工が可能になる。
しかも、複合加工工具10を同軸上で進退させるだけであり、第2工程の後退量は微少で済むため、効率よく加工することができる。また、第3工程において、リーマ加工開始位置からリーマ28を加工深度に応じて送り出すので、リーマ28の曲がりによる穴曲がりを防ぐことができ、かつリーマ28の折損を抑制して長寿命化させることができる。
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。例えば、リーマ加工の開始時及び終了時に必ずしもクラッチオフにする必要はなく、加工中並びにその開始及び停止を通してクラッチオンのままにしておくこともできる。
また、加工対象のワークはエンジン部品に限定されず種々のものが可能である。また、加工刃具は、カッター及びリーマに限定されず、各種加工に使用されるものを少なくとも2種類備えれば足りる。また、カッター22等からなる第1の刃具は、ホルダヘッド20と別体に設けられてボルト等の適宜手段でホルダヘッド20へ着脱自在に固定されるようにしてもよい。
さらに、遊星歯車機構84は、この機構の構成要素である、太陽歯車、遊星歯車及び内歯ギアをそれぞれ、送りネジナットギア63a、ピニオンギア92及び内歯ギア91としてあるが、このうち太陽歯車を送りネジナットギア63aと別に設けてもよい。さらにピニオンギア92を公転させ、そのキャリア出力で送りネジナット62を駆動するようにしてもよい。また、出力ギア87に内歯を設け、これにピニオンギア92を噛み合わせるようにして、出力ギア87を内歯ギア91と兼用させてもよい。
また、伝達機構80は、差動機構82を省略し、遊星歯車機構84を単独で使用するものでもよい。この場合でも、遊星歯車機構84による、高減速でかつ工具主軸11全体をコンパクトにできる伝達機構が可能になる。
さらに、伝達機構80を差動機構82のみで構成してもよい。また、差動機構82や遊星歯車機構84以外で、加工機主軸ユニット12の回転を送り機構61の駆動力として伝達する他の機構を用いてもよい。
さらにまた、差動機構82は、工具主軸11の回転を遊星歯車機構84へ伝達するための
主軸側伝動歯車機構として機能すれば足りるため、出力ギア87と入力ギア86の歯数を異ならせず、同数としてもよい。このようにしても、工具主軸11の回転を遊星歯車機構84へコンパクトに伝達することができる。さらに、差動機構82の入力ギア86を直接遊星歯車機構84の内歯ギア91へ連結し、出力ギア87及び伝達ギア88を省略することもできる。
また、クーラント形式は、スピンドルセンタースルー形式の加工機主軸ユニット12へ接続する工具センタースルー形式の他に、複合加工工具10の中間部へ外部の
クーラント装置を接続し、複合加工工具10の前部内側に設けたクーラント通路へクーラントを供給する形式や、複合加工工具10の内部に通路を設けず、外部に設けた別体のクーラント装置からホルダヘッド20の周囲へクーラントを供給する形式を採用することもできる。
10:複合加工工具、11:工具主軸、12:加工機主軸ユニット、12a:スピンドル、14:アーバー(主軸後部)、16:主軸前部、18:ケース、20:ホルダヘッド、22:カッター(第1の刃具)、28:リーマ(第2の刃具)、30:ワーク、32:シート面、34:バルブガイド、58:リーマホルダ、61:送り機構、62送りネジナット、65:送りネジ、66:ラチェットピン、68:クラッチ機構、70:スライダ、70c:スリット、70d:端面、80:伝達機構、82:差動機構、84:遊星歯車機構、86:入力ギア、87:出力ギア、88:伝達ギア、91:内歯ギア、92:ピニオンギア

Claims (11)

  1. 加工機の加工機主軸(12)へ着脱自在に取付けられてその動力により回転駆動される工具主軸(11)と、この工具主軸(11)に設けられた第1の刃具(22)及び第2の刃具(28)とを備えた複合加工工具であって、
    前記工具主軸(11)の先端へ着脱自在に取付けられたホルダヘッド(20)に前記第1の刃具(22)を一体に設け、
    前記第2の刃具(28)を前記工具主軸(11)と一体回転可能かつその回転軸線(CL)上を進退自在に支持したものにおいて、
    前記第2の刃具(28)を保持し、前記工具主軸(11)へ回転可能に支持され、かつ前記回転軸線(CL)上を進退可能な刃具ホルダ(58)と、
    この刃具ホルダ(58)を進退させる送り機構(61)と、
    前記工具主軸(11)の回転を前記送り機構(61)へ伝達し、この送り機構(61)を駆動させるための歯車機構からなる伝達機構(80)を備えたことを特徴とする複合加工工具。
  2. 前記伝達機構(80)は、前記送り機構(61)を減速回転する遊星歯車機構(84)を含むことを特徴とする請求項1に記載した複合加工工具。
  3. 前記送り機構(61)は、前記刃具ホルダ(58)の外周に形成されたネジ軸状の送りネジ(65)と、この送りネジ(65)に噛み合うネジが内周に形成された送りネジナット(62)を備えることを特徴とする請求項2に記載した複合加工工具。
  4. 前記遊星歯車機構(84)は、前記送りネジナット(62)に設けられた送りネジナットギア(63a)と、これと同軸にその回りを囲んで設けられた内歯ギア(91)と、これら内歯ギア(91)と前記送りネジナットギア(63a)の間に設けられたピニオンギア(92)とを備え、
    前記内歯ギア(91)は、リング状をなして前記工具主軸(11)の外周へ回転可能に支承されるとともに前記工具主軸(11)に連結されて回転し、
    前記ピニオンギア(92)は、前記内歯ギア(91)の内周面に形成された内歯(91a)及び前記送りネジナットギア(63a)と噛み合って自転するとともに、前記送りネジナットギア(63a)に対して公転不能に前記工具主軸(11)へ固定されていることを特徴とする請求項3に記載した複合加工工具。
  5. 前記伝達機構(80)は、前記工具主軸(11)の回転を前記遊星歯車機構(84)へ伝達するための主軸側伝動歯車機構(82)を備え、
    前記主軸側伝動歯車機構(82)は、前記工具主軸(11)の外周に設けられ、この工具主軸(11)と一体に回転するリング状の入力ギア(86)と、
    リング状をなし、前記工具主軸(11)の外周に設けられ、かつ前記遊星歯車機構(84)へ接続する出力ギア(87)と、
    これら入力ギア(86)及び出力ギア(87)が噛み合う伝達ギア(88)とからなるとともに、
    前記出力ギア(87)により前記遊星歯車機構(84)の前記内歯ギア(91)を回転させることを特徴とする請求項4に記載した複合加工工具。
  6. 前記主軸側伝動歯車機構は、前記出力ギア(87)と前記入力ギア(86)の歯数が異なる差動歯車機構であることを特徴とする請求項5に記載した複合加工工具。
  7. 前記出力ギア(87)と前記内歯ギア(91)は、回転軸線方向へ隣り合って配置され、連結部材(90)にて一体化されるとともに、
    この連結部材(90)は所定以上の負荷で破断するようになっていることを特徴とする請求項5又は6に記載した複合加工工具。
  8. 前記送り機構(61)はクラッチ機構(68)を備え、このクラッチ機構(68)がオンすると前記送りネジナット(62)による前記刃具ホルダ(58)の送りを可能とし、オフすると送りを停止することを特徴とする請求項3に記載した複合加工工具。
  9. 前記クラッチ機構(68)は、前記工具主軸(11)の前記伝達機構(80)より後方となるアーバー(14)の内部へ配設されることを特徴とする請求項8に記載した複合加工工具。
  10. 前記工具主軸(11)は、その内部に、前記第1の刃具(22)及び前記第2の刃具(28)を冷却するクーラント通路を備え、
    このクーラント通路は、前記工具主軸(11)の後端部に設けられた入り口通路(14c)を備え、この入り口通路(14c)は、回転軸線(CL)上にて前記加工機の加工機主軸(12)に設けられているクーラント通路に接続し、
    前記入り口通路(14c)から前記工具主軸(11)の内部を通って前記第1の刃具(22)及び前記第2の刃具(28)へクーラントを供給する工具センタースルー形式のクーラント通路を備えるとともに、
    この工具センタースルー形式のクーラント通路の一部が、前記内歯ギア(91)と送りネジナットギア(63a)の間に形成されていることを特徴とする請求項4〜9のいずれか1項に記載した複合加工工具。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載した複合加工工具(10)を用いて、ワーク(30)内に配置された第1の被加工部(32)とその中心に位置する第2の被加工部(34)とを加工する加工方法において、
    前記複合加工工具(10)の回転軸線(CL)を前記第2の被加工部(34)の中心に合わせ、前記複合加工工具(10)を前進させてホルダヘッド(20)に設けられた第1の刃具(22)により前記第1の被加工部(32)を加工する第1工程と、
    前記第1の被加工部(32)の加工終了後、前記第1の刃具(22)が前記第1の被加工部(32)から離れる程度に、前記複合加工工具(10)を若干後退させる第2工程と、
    続いて前記第2の刃具(28)を送り出しながら前記第2の被加工部(34)を加工する第3工程とを備えたことを特徴とする複合加工工具を用いた加工方法。
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