JP7272536B2 - 交通機関の利用料金算定システムおよびコンピュータプログラム - Google Patents

交通機関の利用料金算定システムおよびコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、交通機関の利用料金を後払い請求する後払い運賃計算を行うための交通機関の利用料金算定システムに関する。
交通機関の利用料金は、交通機関を運営する交通事業者により予め決められている。交通事業者は、様々なサービスを用意して利用者に交通機関の利用を促している。例えば、交通事業者は、定期券、回数券、一日乗車券等を利用者に提供して、利用料金を割り引くサービスを提供している。また、近年は、乗降客が少なくなる時間帯に交通機関を利用するいわゆるオフピーク通勤等の利用者に対するポイント付与サービスも行われている。利用者は、このようなサービスの利用により、利用料金の割引やポイント活用による特典を享受することができる。特許文献1、2には、月間の利用実績から事後的に定期券料金などの割引運賃を適用する技術が開示される。
特開平09-115017号公報 特開2003-162741号公報
割引料金を利用する場合、利用者は、利用前に定期券、回数券、一日乗車券等を事前購入する必要がある。また、交通機関の利用により付与されるポイントは、利用機会が限定されており、利用者にとっては利用しづらい現状がある。利用実績から事後的に運賃割引を適用する場合であっても、運賃は予め静的に決められているために、満員電車利用時と空席の多い電車の利用時とで、還元額は変わらない。
これらのことは、交通事業者側で用意した様々なサービスが利用者に適切に利用されない原因の一つとなる。利用者側としても、交通事業者がどのようなサービスを用意しているかをすべて知っているわけではないため、例えば低価格でサービスを利用できる機会を喪失している。このように、交通事業者と利用者との間で需給のミスマッチが発生している。
本発明は、上記背景のもと、交通事業者側で用意したサービスを利用者が意識しなくとも利用することができるシステムを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決する本発明の一つの態様は、後払いで利用可能な1又は複数の交通機関の利用者が所定の利用特典を享受し得る条件を保持する条件保持手段と、前記利用者が携行する携帯端末との間の通信を可能にする通信手段と、いずれかの前記交通機関を利用した前記利用者の利用状況及び利用時点の当該交通機関の需給状況を取得する取得手段と、所定の期間における前記利用者による前記利用状況及び前記需給状況が前記条件を満たすかどうかを判定する解析手段と、前記判定の結果、前記条件を満たす場合は前記期間における個別利用料金の合計額から前記利用特典を差し引いた特典料金を算定し、前記条件を満たさない場合はその旨を表す情報を前記携帯端末へ送信する処理手段と、を備えたことを特徴とする交通機関の利用料金算定システムである。
本発明の他の態様は、通信機能を有するコンピュータを上記態様の利用料金算定システムとして動作させるためのコンピュータプログラムである。
本発明によれば、交通事業者側で用意したサービスを利用者が意識しなくとも利用することができる。
交通機関の利用料金算定システムを含む全体システムの説明図。 (a)、(b)は、利用料金算定システムの構成説明図。 既定料金表の例示図。 条件表の例示図。 利用者情報の例示図。 デポジット情報の例示図。 交通機関管理情報の例示図。 (a)、(b)は、携帯端末の構成説明図。 (a)、(b)は、交通機関システムの構成説明図。 登録処理を表す処理流れ図。 利用者が交通機関を利用した際の処理を表す処理流れ図。 精算処理を表す処理流れ図。 締め日間の利用状況を示す画像の例示図。 精算時の確認画面の例示図。 サービス提案を行う経路検索処理を表す処理流れ図。 経路検索結果の表示画面の例示図。 特別オファーがある場合の表示画面の例示図。
以下、図面を参照しつつ実施形態を詳細に説明する。
(全体システム)
図1は、本実施形態の交通機関の利用料金算定システムを含む全体システムの説明図である。利用料金算定システム1は、ネットワークNを介して利用者が所持する携帯端末2及び交通機関4を管理する交通機関システム3と通信可能である。図1では2つの交通機関システム3を例示するが、交通機関システム3の数はこれに限らず、1又は複数であればよい。携帯端末2についても、多数がネットワークNを介して利用料金算定システム1と通信可能であってもよい。ネットワークNは、インターネット等の通信回線網である。
交通機関4は、後払いで利用可能であり、鉄道、航空機、バス、タクシー、レンタカー、カーシェア等による移動手段を利用者へ提供する。交通機関4は、交通事業者により運営される。交通機関システム3は、交通機関4による利用者の移動が円滑に行われるように、運行管理や料金の管理を行う。
利用者は、自身が所持する携帯端末2に利用料金算定システム1を利用するためのアプリケーションソフト(以下、「AP」)をインストールする。利用者は、該APを起動した携帯端末2を携行して交通機関4を利用する。利用者による交通機関4の利用状況は、携帯端末2からあるいは該交通機関4の交通機関システム3から、利用料金算定システム1へ送信される。利用状況には、交通機関4の利用開始日時、利用終了日時、利用開始位置、利用終了位置、その他利用区間の解析に用いられる情報が含まれる。
なお、交通機関システム3から送信される利用状況は、交通機関4を利用した利用者が支払うべき利用状況毎の個別利用料金を含んでもよい。携帯端末2あるいは交通機関システム3から利用料金算定システム1への利用状況の送信は、例えば交通機関4の利用終了直後にリアルタイムで行われる。
交通機関システム3は、また、交通機関4の需給状況を利用料金算定システム1へ送信する。需給状況は、例えば、利用者側の早く、安く(お得に)、楽に、混雑を避けて移動したいという需要に対する利用時点での事業者側の供給(オフピーク通勤等の利用者に対する割引ないしポイント付与、輸送能力の供給過少や供給過多の状況)との適合(混雑率、運行トラブルや代替車両の有無等)の程度である。あるいは、事業者側の使って欲しい交通車両(カーボンオフセットの交通車両)や移動ルートがある、利用時期又は利用時間帯がある、売りたいチケットがある等の需要に対する利用時点での利用者数との適合(空席数、駅構内の滞留人数等)の程度である。需給状況は、例えば、以下の情報に基づいて検知、取得ないし生成することができる。
・交通車両の応加重装置から取得した閾値を超えた搭載荷重の大きさ
・交通車両内のカメラ映像装置から取得した閾値を超えた乗客人数
・ホーム設置のカメラ映像装置から取得した閾値を超えた乗客予定人数
・改札等から取得した入出情報
・チケット管理システムから取得した指定席等のチケットの販売状況
・チケット管理システムから取得した特別オファー
・運行障害の発生情報
・代替運行や折り返し運行の情報
交通機関システム3は、このような需給状況を検知等した時点で、利用状況とともに利用料金算定システム1へ送信してもよいが、利用者による交通機関4の利用終了時点で取得できない場合には、所定のタイミング(例えば1日の業務終了時)で利用料金算定システム1へ送信してもよい。
利用料金算定システム1は、利用状況や需給状況(利用状況等)を取得する度に、交通機関4を利用した利用者が支払うべき個別利用料金を取得する。個別利用料金は、交通機関システム3から取得する利用状況等にそれが含まれていない場合や、利用状況等を携帯端末2から取得する場合には、取得した利用状況等に応じて算定される。
利用料金算定システム1は、所定の期間毎に、利用者の個別利用料金の合計額を交通機関4毎に算定し、蓄積する。個別利用料金の合計額については後で詳しく説明するが、単に個別利用料金を集計した一括精算料金と、所定の条件が満たされる場合に一括精算料金から利用特典を差し引いた特典料金とがある。所定の条件が満たされるかどうかは、利用者の交通機関4の利用状況あるいは利用状況及び利用時点の需給状況の解析結果と利用特典を享受するための条件との照合に基づいて判定される。利用料金算定システム1は、算定した個別利用料金の合計額を利用者の精算用の口座から交通機関の精算用の口座へ振り込む行うことで、利用料金の決済を行う。
以下、利用料金算定システム1、携帯端末2、及び交通機関システム3の各々について詳細に説明する。
(利用料金算定システム)
図2は、利用料金算定システム1の構成説明図である。図2(a)は、利用料金算定システム1のハードウェア構成を示す。図2(b)は、利用料金算定システム1の機能ブロック例を示す。利用料金算定システム1は、例えば通信機能及び大容量記憶装置を有するサーバ等の情報処理装置である。
利用料金算定システム1は、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、ストレージ13、及びネットワークアダプタ14を備える。ストレージ13は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置である。ネットワークアダプタ14は、ネットワークNを介した携帯端末2及び交通機関システム3との間の通信を行う通信インタフェースである。CPU10は、ROM11あるいはストレージ13に格納されるコンピュータプログラムを実行することで、利用料金算定システム1の全体動作を制御する。RAM12は、CPU10が処理を実行する際のワークエリアを提供する。
CPU10がコンピュータプログラムを実行することで、利用料金算定システム1は、図2(b)に例示する各機能ブロックを実現する。なお、本実施形態ではコンピュータプログラムの実行により各機能ブロックを実現する場合について説明するが、各機能ブロックの少なくとも一部がハードウェアにより構成されていてもよい。
利用料金算定システム1は、制御部100、通信部101、既定料金表保持部102、利用特典条件保持部103、利用者管理部104、設定部105、デポジット管理部106、交通機関登録部107、解析部108、料金算定部109、及び精算部110として機能する。
制御部100は、利用料金算定システム1の全体動作の制御処理を行う処理手段として動作する。制御部100は、利用者が本システムを利用するために携帯端末2により利用者情報を登録すると、該携帯端末2へ、後払いで利用可能な複数の交通機関4で共通に利用可能な共通利用券であることを保証するための保証情報を表示させるための表示制御情報を送信する。制御部100が携帯端末2のディスプレイ等に保証情報を提示することで、利用者は交通機関4を後払いで利用可能となる。
通信部101は、ネットワークアダプタ14の動作を制御して、ネットワークNを介した携帯端末2及び交通機関システム3との間の通信制御を行う。保証情報には、文字、図案、コード画像、あるいはこれらを表す電子データを用いることができる。保証情報が画像の場合、当該画像は、紙媒体に印刷、あるいはスマートフォン等の携帯端末のディスプレイに表示されて使用されることになる。また、保証情報が電子データの場合、例えばICカードや携帯端末に、当該電子データが紐付けされて記憶される。ICカードには、ICカード乗車券やクレジットカードなどが含まれる。
既定料金表保持部102は、交通機関4毎の既定利用料金を定めた既定料金表を保持する。図3は、既定料金表の例示図である。図3では鉄道の既定料金表を例示するが、他の種類の交通機関についてもほぼ同様の内容となる。既定料金表には、交通機関4を識別する識別情報である交通機関IDが付されている。交通機関IDにより、既定料金表がどの交通機関4のものであるかが識別可能となっている。既定料金表により各駅間の既定利用料金が明示される。
既定料金表保持部102は、通信部101を介して交通機関システム3から既定利用料金を取得する。既定料金表保持部102は、取得した既定利用料金に当該交通機関システム3が設けられる交通機関4の交通機関IDを付与して既定料金表を作成し、ストレージ13に保存する。既定利用料金は、交通機関4を運営する交通事業者により予め決められる。交通事業者により既定利用料金が改定される場合、交通機関システム3から改定後の既定利用料金が指示される。既定料金表保持部102は、交通機関システム3からの既定利用料金の改定の指示に従って、既定料金表の既定利用料金を動的に変更する。
利用特典条件保持部103は、交通機関4の利用者が料金減免を含む利用特典を享受しうる条件を表す条件表を保持する。図4は条件表の例示図である。条件表は、ストレージ13に保存される。利用特典が交通機関4毎に提供されるため、条件表には交通機関IDが関連付けられている。図4の例において、「利用特典」は、例えば定期券区間無料、周遊区間定額、一日乗車券、利用する交通機関指定の定額旅行プラン、他の交通機関との相互乗り入れによる割引(相互乗入割引)、高齢者割引等である。「条件」は、各利用特典に対して設定される。例えば定期区間無料の利用特典を享受するための条件は、同じ区間を所定の期間(例えば1月)に所定回数(例えば12回)利用すること、である。
なお、図4には、利用状況に応じた利用特典の条件が例示されているが、需給状況のみ、あるいは利用状況と需給状況との組み合わせに応じた条件例を定めてもよい。例えば、利用時点で、所定値を超える車内混雑率、ホーム混雑率、遅延時間等が検知されたとき(条件)、あるいは、障害ないし災害の発生により迂回路を利用した事実が検知されたとき(条件)に、当該交通機関4の個別利用料金を5%~100%割引く(利用特典)内容にすることができる。
利用者管理部104は、利用者情報を登録した利用者の管理を行う。利用者管理部104は、利用者毎の利用者情報により、利用者が交通機関を利用した履歴を管理する。利用者情報は、ストレージ13に保存される。図5は、利用者情報の例示図である。
利用者管理部104は、通信部101を介して携帯端末2から取得する利用者の個人情報に、該利用者を識別するための識別情報である利用者IDを付与して利用者情報を作成する。利用者情報には、利用者が交通機関を利用する度に、利用した交通機関の交通機関ID、利用状況、利用時点の需給状況、及び交通機関の利用による個別利用料金が追記される。携帯端末2から取得する利用者の個人情報には、例えば利用者の氏名、住所、携帯端末の連絡先(電話番号、メールアドレス等)、利用者の決済用の口座情報が含まれる。決済用の口座情報は、銀行口座の口座番号やクレジットカード番号等である。
利用状況は、携帯端末2及び交通機関システム3のいずれか一方からリアルタイムで送信される。利用者管理部104は、通信部101を介して携帯端末2あるいは交通機関システム3から利用状況、交通機関ID、及び利用者IDを含む利用状況情報を取得し、取得した利用状況情報に含まれた利用者IDに該当する利用者情報に、該利用状況を追記する。
需給状況は、本例では交通機関システム3から送信されるものとする。後述の交通機関登録部107は、通信部101を介して交通機関システム3から需給状況、需給状況の検知時間ないし生成日時、及び交通機関IDを含む需給状況情報を取得する。交通機関登録部107は、取得した需給状況情報を後述の交通機関管理情報に追記してストレージ13に保存する。
利用者管理部104は、利用者情報に含まれる利用状況(利用開始日時、利用終了日時、利用開始位置、利用終了位置)及び交通機関IDと、需給状況情報に含まれる需給状況の検知時間(あるいは取得ないし生成日時)及び交通機関IDにより、利用者情報に追記する需給状況を特定する。同じ交通機関IDで検知時間が利用開始日時から利用終了日時までの間の需給状況が、利用者情報に追記される。なお、交通機関システム3から需給状況と利用状況とを同時に取得する場合、利用者管理部104は、取得した需給状況と利用状況とを、利用者情報に追記する。また、利用状況に対応する需給状況が交通機関管理情報から特定可能である場合、利用者情報に需給状況をそのまま保存する必要はない。
利用者管理部104は、利用状況情報を取得する度に個別利用料金を特定する。利用者管理部104は、利用状況に基づき、例えば既定料金表を参照することにより、個別利用料金を特定する。また、利用者管理部104は、交通機関システム3からの通信連絡により個別利用料金を特定してもよい。個別利用料金の通信連絡は、例えば利用者がタクシー、レンタカー、カーシェア等を利用した場合に、タクシー、レンタカー、カーシェア等の交通機関システム3により行われるようにしてもよい。この場合、利用者管理部104は、交通機関システム3から交通機関ID、利用状況、需給状況、及び個別利用料金を取得し、これらの一部又は全部を利用者情報に追記する。
このように利用者管理部104は、利用状況、需給状況及び利用者IDに関連付けて、個別利用料金をストレージ13に蓄積することができる。
設定部105は、利用者が交通機関4を利用する際の利用目的等の設定を、通信部101を介して携帯端末2から利用者毎に受け付ける。利用目的は、例えば公用、私用、他人用、営業用等であり、交通機関4の利用目的を事後に区別するための区別情報として設定される。設定部105は、利用者情報に含まれる利用状況に、上記の区別情報を関連付ける。なお、利用目的が携帯端末2から取得する利用状況に予め含まれている場合、設定部105は、利用状況に関連付ける区別情報の設定を回避することができる。
デポジット管理部106は、利用者から預かったデポジットを更新自在に記録する。図6は、利用者毎のデポジットの内容を表すデポジット情報の例示図である。デポジット情報は、利用者IDにデポジットを関連付けてストレージ13に記録される。デポジット管理部106は、個別利用料金の累積額が最新のデポジットに対して所定割合を超えたときに、決済期間の終期を待つことなく、交通機関4の利用を制限するための情報を当該利用者の携帯端末2へ通信部101を介して出力する。デポジット管理部106により、利用者による不正行為が未然防止される。なお、デポジット情報は、図5に例示した利用者情報の一つとしてもよい。
交通機関登録部107は、交通機関管理情報を生成して、本システムを利用する交通機関4の管理を行う。交通機関管理情報は、ストレージ13に保存される。図7は、交通機関管理情報の例示図である。交通機関登録部107は、通信部101を介して交通機関システム3から取得する交通機関情報に、該交通機関を識別するための識別情報である交通機関IDと、交通機関4を提供する交通事業者用の決済手段を関連付けて交通機関管理情報を作成する。決済手段は、例えば交通事業者が用意する決済用口座である。交通機関管理情報には、決済用口座を表す決済用口座情報が保存される。交通機関情報は、交通事業者の連絡先等の情報である。交通機関管理情報には、交通機関4の需給状況が保存される。交通機関登録部107は、交通機関システム3から需給状況を取得する度に、交通機関管理情報に需給状況を追記する。
交通機関登録部107は、例えば交通機関情報を交通機関システム3から取得する際に、既定料金表及び条件表をも取得するようにしてよい。この場合、交通機関登録部107は、取得した既定料金表を既定料金表保持部102によりストレージ13に保存し、取得した条件表を利用特典条件保持部103によりストレージ13に保存する。なお、既定料金表、利用特典、条件表、個別利用料金の通信連絡の手順は、交通事業者毎に定められている。
解析部108は、交通機関システム3等から取得した各種情報から交通機関4の利用者毎の利用状況及び需給状況を抽出するとともに、所定の期間(後払いのための基準期間、または基準期間の締め日(終期)から遡る所定期日)における利用状況及び需給状況を利用者毎に定量的に解析する。
解析は、例えば所定の期間における当該利用者の利用回数、利用傾向(定区間利用が多い/少ない、快速利用が多い/少ない、オフピーク帯の利用が多い/少ない、途中下車が多い/少ない、利用特典の獲得が多い/少ない、・・・)等である。その上で、解析部108は、利用者毎の利用状況、需給状況、あるいは利用状況及び需給状況の組み合わせが、利用特典条件保持部103が保持する条件表で示された1つ以上の条件を満たすかどうかを判定する。条件が満たされているときは、当該条件に対応する利用特典を特定し、料金算定の根拠として用いる。
解析部108は、また、どの条件も満たされていない場合、その旨を表す情報を生成する。その旨を表す情報は、利用特典の存在を知らない利用者への喚起情報であり、メッセージ、画像、文字・記号等であってもよいが、本実施形態では、利用者が享受し得る利用特典の案内情報、及び/又は、いずれかの条件を満たすための誘導情報を用いる。
案内情報は、例えば、利用傾向に基づいて基準期間の締め日までに条件を満たす可能性があるいくつかの利用特典の内容(可能性の高い順)、前回の利用駅ではなく他の利用駅を利用することで獲得可能であった利用特典の内容等であるが、この限りでない。
誘導情報は、例えば、当該利用者の利用傾向に基づいて基準期間の締め日までに利用特典を獲得できるように誘導するメッセージ(あと○回の○線の利用で○○の利用特典を利用できる等)、混雑を避ける経路あるいはダイナミックプライシングによりディスカウントが発生している経路への誘導メッセージ等であるが、この限りでない。なお、誘導情報は、1つ以上の条件を満たすときにも生成されるようにしてよい。
料金算定部109は、解析部108の解析及び判定の結果に応じて変動する、所定の期間における利用者の利用料金を算定する。利用特典を享受し得る条件が1つも満たされなった場合、料金算定部109は、所定の期間における個別利用料金を集計した一括精算料金を利用料金として算定する。一方、1つあるいは複数の条件が満たされていた場合、料金算定部109は、一括精算料金から、条件が満たされた利用特典分の料金を差し引いた特典料金を利用料金として算定する。なお、複数の条件が満たされている場合、それぞれの条件について定められている特典料金を合算してもよい。
料金算定部109は、また、利用状況に利用目的を表す区別情報が含まれる場合に、区別情報により区別される利用目的毎に、利用料金を算定してもよい。例えば、公用の場合には、条件が満たされていても利用特典を差し引かないようにすることができる。営業用の場合には、私用とは異なる営業用の条件表を用いて条件が満たされているかを判断してもよい。
解析部108が上記判定を行う際の所定の期間と料金算定部109が利用料金を算定する際の所定の期間とは同じ期間であってよい。ここにいう所定の期間は、例えば、予め始期と終期とが暦に従って定められた期間、利用者が携帯端末2により任意に指定した期間、システムが独自に定めた期間(後払いの基準期間の終期から遡る所定期日まで)等である。料金算定部109は、デポジット管理部106による処理を補助するために、利用状況を取得する度に個別利用料金の累積額を算定して保持する。デポジット管理部106は、利用状況を取得する度に累積額と最新のデポジットとの比較を行い、利用者による交通機関4の利用の制限の判断を行うことができる。
精算部110は、利用者の利用料金が利用者から支払われたときに、利用料金に関連付けられた交通機関IDに対応する交通事業者の決済用口座を用いて、当該交通機関4の利用者が支払った利用料金の決済を完了させる。例えば、精算部110は、利用者の決済用口座情報で示される口座から利用料金を差し引いて、交通事業者の決済用口座情報が示す口座への入金処理を行う。
(携帯端末)
図8は、携帯端末2の構成説明図である。図8(a)は、携帯端末2のハードウェア構成を示す。図8(b)は、携帯端末2の機能ブロックを示す。携帯端末2は、スマートフォン、タブレット端末あるいはスマートウォッチ等、情報表示機能と情報処理機能とを有する情報端末装置である。また、携帯端末2は、交通機関4で駅やバス車輌内に用意される改札機(ICカードや二次元コードの読み取りによる改札処理を行う機器を含む)の通過に使用可能である。
携帯端末2は、CPU20、ROM21、RAM22、メモリ23、NFC(Near Field Communication)24、ユーザインタフェース25、及び通信アンテナ26を備える。CPU20は、ROM21あるいはメモリ23に格納される所定の端末用コンピュータプログラム(上記APを含む)を実行することで、携帯端末2の全体動作を制御する。RAM22は、CPU20が処理を実行する際のワークエリアを提供する。メモリ23は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。
NFC24は、近距離無線通信を行う。本実施形態のNFC24は、例えば上記の改札機を通過する際に、改札機と近距離無線通信を行い、改札処理に必要な各種のデータのやりとりを行うことができる。ユーザインタフェース25は、入力インタフェース及び出力インタフェースを備える。入力インタフェースは、例えばタッチパネルや各種のボタンである。出力インタフェースは、例えばディスプレイやスピーカである。通信アンテナ26は、ネットワークNを介した利用料金算定システム1との間の通信を行う通信インタフェースである。
携帯端末2は、CPU20が上記端末用コンピュータプログラムを実行することで、携帯端末2は、図8(b)の各機能ブロックを実現する。携帯端末2は、制御部200、通信部201、改札処理部202、利用状況生成部203、登録処理部204、経路検索部205、及び表示部206として機能する。制御部200は、携帯端末2の全体動作の制御を行う。通信部201は、通信アンテナ26を用いて、ネットワークNを介した利用料金算定システム1との間の通信制御を行う。
改札処理部202は、NFC24やユーザインタフェース25のディスプレイを用いた改札処理を行う。本システムでは利用料金が後払いである。そのため、改札処理の際には利用開始日時、利用終了日時、利用開始位置、利用終了位置等の情報がやりとりされる。なお、利用者は、ディスプレイに前述の保証情報(例えば画像)を表示することで改札を通過してもよい。利用状況生成部203は、改札処理部202による改札処理に基づいて利用状況情報を生成する。利用状況生成部203は、利用状況情報を駅から出場した際やバスから降車した際に生成し、通信部201によりリアルタイムで利用料金算定システム1へ送信する。
登録処理部204は、利用者情報を利用料金算定システム1に登録する。登録処理部204は、ユーザインタフェース25のディスプレイに登録用画面を表示して、利用者に利用者情報の登録を促す。利用者が入力インタフェースにより登録用画面に必要事項を入力することで、登録処理部204は、登録用の個人情報を取得する。登録処理部204は通信部201を介して登録用の個人情報を利用料金算定システム1へ送信する。利用料金算定システム1の利用者管理部104は、登録用の個人情報に基づいて利用者情報を作成することになる。利用料金算定システム1は、利用者の登録が終了すると該利用者の利用者IDを該利用者が所持する携帯端末2へ送信する。携帯端末2は、利用料金算定システム1から取得した利用者IDをメモリ23に保存して、利用者情報の生成の際に用いる。
経路検索部205は、公知の技術による経路検索を行い、利用者に交通機関4を用いた最適な経路による移動を提案する。経路検索部205は、入力インタフェースからの入力やGPS(Global Positioning System)を用いて出発地(位置情報)を取得し、入力インタフェースからの入力により目的地(位置情報)を取得する。入力インタフェースによる入力は、テキスト入力の他にマップ上の指示による入力受付による取得であってもよい。経路検索部205は、取得した出発地から目的地への交通機関4を用いた最適な経路を検索して、その検索結果をユーザインタフェース25のディスプレイに表示させる。
表示部206は、ディスプレイに必要な画面を表示する。例えば表示部206は、改札の通過の際に保証情報(例えば画像)を表示する。また、表示部206は、利用料金算定システム1から交通機関4の利用を制限するための情報を取得した場合に、この情報に基づく画像を表示して、利用者にデポジットの追加を促すことができる。
(交通機関システム)
図9は、交通機関システム3の構成説明図である。図9(a)は、交通機関システム3のハードウェア構成を示す。図9(b)は、交通機関システム3の機能ブロックを示す。交通機関システム3は、例えば大容量記憶装置を有するサーバ等の情報処理装置である。交通機関システム3は、CPU30、ROM31、RAM32、ユーザインタフェース33、ストレージ34、入力インタフェース35、及びネットワークアダプタ36を備える。
CPU30は、ROM21あるいはストレージ34に格納されるコンピュータプログラムを実行することで、交通機関システム3の全体動作を制御する。RAM32は、CPU30が処理を実行する際のワークエリアを提供する。ストレージ34は、HDD、SSD等の大容量記憶装置である。入力インタフェース35は、交通機関4との間で、例えば専用回線を用いた通信を行うことでデータを取得する。ネットワークアダプタ36は、ネットワークNを介した利用料金算定システム1との間の通信を行う通信インタフェースである。
CPU30がコンピュータプログラムを実行することで、交通機関システム3は、図9(b)の各機能ブロックを実現する。なお、本実施形態ではコンピュータプログラムの実行により各機能ブロックを実現する場合について説明するが、各機能ブロックの少なくとも一部がハードウェアにより構成されていてもよい。
交通機関システム3は、制御部300、通信部301、既定料金表保持部302、利用特典条件保持部303、利用状況生成部304、需給状況生成部305、入力部306、及び出力部307として機能する。制御部300は、交通機関システム3の全体動作の制御を行う。通信部301は、ネットワークアダプタ36の動作を制御して、ネットワークNを介した利用料金算定システム1との間の通信制御を行う。
既定料金表保持部302は、管理する交通機関4の既定利用料金を定めた既定料金表を保持する。制御部300は、通信部301により既定料金表保持部302で保持する既定料金表を利用料金算定システム1へ送信する。利用特典条件保持部303は、管理する交通機関4が利用者に利用特典を享受させる条件を表す条件表を保持する。制御部300は、通信部301により利用特典条件保持部303で保持する条件表を利用料金算定システム1へ送信する。
交通機関システム3のオペレータは、既定料金表及び条件表を更新する場合に、入力インタフェース35により更新内容を入力する。制御部300は、ユーザインタフェース33からの入力に応じて、既定料金表保持部302が保持する既定料金表及び利用特典条件保持部303が保持する条件表を更新する。制御部300は、利用料金表や条件表を更新すると、その更新内容を通信部301により利用料金算定システム1へ送信する。そのために利用料金算定システム1には、最新の利用料金表及び条件表が保持される。
利用状況生成部304は、利用状況を表す利用状況情報を生成し、生成した利用状況情報を通信部301を介して利用料金算定システム1へ送信する。利用状況情報は、例えば交通機関4の入場及び出場のための改札処理が行われる度に取得する改札処理に関する情報に基づいて生成される。改札処理に関する情報は、入力インタフェース35を介して取得することができる。需給状況生成部305は、需給状況を表す需給状況情報を生成し、生成した需給状況情報を通信部301を介して利用料金算定システム1へ送信する。
入力部306及び出力部307は、ユーザインタフェース33の動作を制御して、ユーザインタフェース33からの入力を受け付けて制御部300へ送信し、ユーザインタフェース33から情報を出力する。
(運用形態)
図10は、本システムを利用する際に利用者及び交通事業者により行われる登録処理を表す処理流れ図である。利用者と交通事業者は、それぞれで利用料金算定システム1への登録処理を行う。交通事業者のオペレータは、交通機関システム3のユーザインタフェース33により、登録に必要な情報の利用料金算定システム1への送信を指示する(S30)。登録に必要な情報は、例えば交通機関情報、決済用口座、既定利用料金、条件表等である。
利用料金算定システム1は、交通機関システム3から登録に必要な情報を取得すると、交通機関4の登録処理を行う(S10)。交通機関4の登録処理では、交通機関情報に交通機関IDが付されて図7に例示する交通機関管理情報が作成される。交通機関管理情報には、決済用口座を示す決済用口座情報も含まれる。既定利用料金に交通機関情報と同じ交通機関IDが付されて、図3に例示する既定料金表が作成される。条件表に交通機関情報と同じ交通機関IDが付されて、図4に例示する条件表が作成される。作成された交通機関管理情報、既定料金表、及び条件表はストレージ13に保存される。
なお、交通機関IDは、利用料金算定システム1から交通機関システム3へ送信される。交通機関システム3は、ストレージ34に交通機関IDを格納する。このように交通機関4が利用料金算定システム1に登録される。
携帯端末2の利用者は、登録前に、インストール済の上記APを起動し、携帯端末2のユーザインタフェース25により登録に必要な情報の利用料金算定システム1への送信を指示する(S20)。登録に必要な情報は、決済用口座を含む個人情報等であり、ユーザインタフェース25により、利用者が該APを起動した携帯端末2に入力される。
利用料金算定システム1は、携帯端末2から登録に必要な情報を取得すると、利用者の登録処理を行う(S11)。利用者の登録処理では、個人情報に利用者IDが付されて、図5に例示する利用者情報が作成される。作成された利用者情報はストレージ13に保存される。なお、利用者IDは、利用料金算定システム1から携帯端末2へ送信される。携帯端末2は、メモリ23に利用者IDを格納する。このように携帯端末2が利用料金算定システム1に登録される。
図11は、利用者が交通機関4を利用した際の処理を表す処理流れ図である。この処理は、利用者が上記APを起動し、交通機関4を利用することで開始される。
交通機関4が鉄道の場合、利用者が携帯端末2により改札を通過することで、携帯端末2と交通機関4に設けられた改札機とで改札処理が行われる(S21、S31)。携帯端末2は、改札処理により、交通機関システム3が保存する交通機関ID、利用開始位置(乗車した駅)、利用終了位置(下車した駅)を取得する。交通機関システム3は、改札処理により、携帯端末2が保存する利用者ID、利用開始位置を取得する。
交通機関4がタクシーやバスの場合にも同様に、利用者が携帯端末2によりタクシーやバスに設置された精算機を通過することで、携帯端末2が交通機関ID、利用開始位置(乗車した停留所)、利用終了位置(下車した停留所)を取得する。タクシーの場合には、携帯端末が個別利用料金も取得する。
改札処理が終了すると、携帯端末2と交通機関システム3とのいずれか一方から利用状況が送信される(S22、S32)。鉄道の場合には、利用状況の送信は、携帯端末2と交通機関システム3とのいずれが行ってもよい。タクシーやバスの場合には、携帯端末2が利用状況の送信を行う。利用料金算定システム1は、携帯端末2あるいは交通機関システム3から利用状況を収集する(S12)。利用料金算定システム1は、取得した利用状況を該当する利用者情報に追記する。
携帯端末2から利用状況が送信される場合、携帯端末2は、改札処理で取得した交通機関ID、メモリ23に格納する利用者ID、利用開始日時、利用終了日時、利用開始位置、及び利用終了位置を利用状況として利用料金算定システム1へ送信する。
交通機関システム3から利用状況が送信される場合、交通機関システム3は、改札処理で取得した利用者ID、ストレージ34に格納する交通機関ID、利用開始日時、利用終了日時、利用開始位置、及び利用終了位置を利用状況として利用料金算定システム1へ送信する。なお、交通機関システム3から利用状況が送信される場合、交通機関システム3は、利用状況とともに需給状況を送信してもよい。
利用状況を取得した利用料金算定システム1は、該利用状況に応じた個別利用料金を取得する(S13)。利用料金算定システム1は、利用状況に含まれる利用開始日時、利用終了日時、利用開始位置、及び利用終了位置と、既定料金表とにより、個別利用料金を算定する。利用料金算定システム1は、算定した個別利用料金を該当する利用者情報の該当する利用状況に関連付けて保存する。なお、タクシーを利用する場合には、携帯端末2から取得する利用状況に個別利用料金が含まれる。
以上のような改札処理から個別利用料金の取得処理までの一連の処理は、改札処理が行われる度に繰り返し行われる。これにより、利用者情報には、交通機関4を利用した実績が蓄積される。また、利用の度に個別利用料金が算定され、蓄積される。
交通機関システム3は、利用状況の送信と同時に需給状況を送信しない場合には、所定のタイミングで、需給状況をストレージ34に格納する交通機関IDとともに利用料金算定システム1へ送信する(S32)。利用料金算定システム1は、需給状況を取得した場合は、それを該当する交通機関管理情報に追記する(S14)。交通機関システム3は、例えば1日の業務終了後に需給状況を送信する。利用料金算定システム1は、1日分の需給状況を交通機関管理情報に追記することになる。
利用料金算定システム1は、利用者情報に追記される交通機関IDと利用状況(利用開始日時、利用終了日時)により、交通機関管理情報に追記した需給状況の中から、該利用状況に適合する需給状況を抽出する。利用料金算定システム1は、抽出した需給状況を該利用状況に関連付けて利用者情報に追記する。
なお、交通機関4が航空機、レンタカー、カーシェアの場合、S21、S31の改札処理の代わりに、携帯端末2により、航空会社、レンタカー会社、カーシェア会社の交通機関システム3に対して支払い処理が行われる。しかしこの際に実際の精算処理は行われない。交通機関システム3は、支払い処理に応じて、利用料金算定システム1へ交通機関ID、利用者IDとともに個別利用料金を送信する。利用料金算定システム1は、取得した利用状況を該当する利用者情報に追記する。この場合の需給状況については、鉄道の場合と同様の処理で収集される。
図12は、精算処理を表す処理流れ図である。利用料金算定システム1は、締め日になるまで、図11の処理を繰り返し行う(S100:N)。つまり、交通機関4の利用状況等をリアルタイムに携帯端末4に向けて出力可能にする。
次の締め日になると(S100:Y)、利用料金算定システム1は、利用者毎に、交通機関毎の最終的な利用料金を算定する。そのために利用料金算定システム1は、利用者毎に、交通機関毎の個別利用料金を抽出する(S101)。利用料金算定システム1は、利用者毎に、交通機関毎に抽出した個別利用料金を集計して、交通機関毎の一括精算料金(合計額)を算定する(S102)。
利用料金算定システム1は、一括精算料金の算定後に、抽出した個別利用料金に関連付けされた利用状況、需給状況又は利用状況と需給状況の組み合わせが、該交通機関4の条件表に示される1つ以上の条件を満たすかどうかを判定する(S103)。条件を1つでも満たす場合(S103:Y)、利用料金算定システム1は、満たした条件に応じた利用特典を一括精算料金から差し引いた特典料金を算定する(S105)。利用料金算定システム1は、特典料金を基準期間内の合計額として、該利用者の決済用口座から該交通機関の決済用口座への料金の精算を行う(S105)。条件を満たさない場合(S103:N)、利用料金算定システム1は、一括精算料金をそのまま利用料金として、該利用者の決済用口座から該交通機関の決済用口座への料金の精算を行う(S105)。
以上のような処理では、利用状況が追加される度に個別利用料金が抽出され、集計される。そのため、利用者は、基準期間における前回締め日以降、次の締め日までの各交通機関4の利用状況等をリアルタイムで表示可能にすることができる。図13は、利用状況等を示す画像の例示図である。この画像は、携帯端末2により利用状況等の確認の指示が利用料金算定システム1へ送信されることで表示される。図13は、8月1日から8月31日までの間の利用状況等を例示する。
利用状況の画像には、例えば、金額表示部1301、地図表示部1302、及びグラフ表示部1303が含まれる。金額表示部1301には、その時点の個別利用料金の合計額、支払い方法、利用特典を適用したことによる割引率、通常料金が表示される。地図表示部1302には、日/週/月毎の実績をプロットした地図が表示される。デフォルトでは当日分の実績がプロットされる。地図はスクロール可能である。グラフ表示部1303には、日/週/月毎の実績を示すグラフが表示される。グラフは横スクロール可能である。グラフのバーをタップすることで、地図に実績がプロットされる。グラフのバーは、交通機関4の種類に応じて色が変更される。
図14は、精算時の確認画面の例示図である。精算時の確認画面は、例えば図12の精算処理で合計額が判明した時点で表示可能となる。利用者が携帯端末2により利用料金算定システム1に確認画面の表示を指示することで、携帯端末2に確認画面が表示される。
確認画面には、支払い方法表示部1401、適用料金表示部1402、及び利用明細表示部1403が含まれる。支払い方法表示部1401には、支払い方法と締め日が表示される。支払い方法は、支払い方法表示部1401から「支払い方法を変更する」をタップすることで変更可能である。
適用料金表示部1402には、適用される利用特典とプランの明細が表示される。適用料金表示部1402の上から3つ目までの利用特典は適用済みであり、下から2つ目までの利用特典は、例えばもうすぐ条件が満たされて適用可能となるプランである。利用特典が選択されると、該利用特典の詳細が表示される。利用明細表示部1403では、交通機関4を利用した明細が表示可能である。
利用明細表示部1403には、利用した交通機関4の名前が表示される。交通機関の名前が選択されると、該交通機関の利用開始日時、利用終了日時、通常の料金が表示される。
利用者は、精算時の確認画面により、締め日(1ヶ月分)の利用実績に基づく利用料金(支払額)を確認することができる。また、交通機関4で用意されたサービス等のプランの適合性の有無を、プランを知らなくても交通機関4を利用した後で知ることができる。
このように利用者は、交通機関4で提供されるプランを知らなくとも(あるいは忘れていても)、事後的にプランによる利益を享受することができる。つまり、利用者は、サービスを享受する機会を逸失せずに、サービスが反映された利用料金を後払いで精算することができる。
携帯端末2の経路検索機能を用いることで、利用者に対してより便利なサービスを提示することができる。図15は、サービス提案を行う経路検索処理を表す処理流れ図である。携帯端末2は、出発地と目的地を受け付けることで、経路検索部205による経路検索処理を行う(S200、S201)。経路検索部205は、経路検索により出発駅から目的駅までの1以上の経路検索結果を索出する。携帯端末2は、利用料金算定システム1との間で通信を開始して、1以上の経路検索結果に対する利用特典(お得なプラン)の適用判定を行う(S202)。
利用特典の適用判定は、例えば携帯端末2から利用料金算定システム1へ、利用者IDとともにすべての経路検索結果が送信されることで行われる。すなわち、利用料算定システム1は、解析部108で、携帯端末2の利用者IDで特定される利用者情報に基づいて、すべての経路検索結果に対して、利用状況等が、該交通機関4の条件表に示される条件を1つ以上満たすか否かを判定する。
携帯端末2は、利用料金算定システム1から各経路検索結果に対する判定結果を取得し、判定結果に応じて経路検索結果を編集し、編集した経路検索結果をディスプレイに表示する(S203、S204)。例えば、判定時点で上記条件が満たされている利用特典と上記条件が満たされていない利用特典とを異なる態様で経路探索結果に付加されるように編集することができる。また、上記条件が満たされていない場合、もう少しで利用特典が適用される経路検索結果と、利用者に対する特別オファー(推奨経路、商品の無料提供等があること)とを区別できるように編集してもよい。
なお、経路検索は、利用料算定システム1で行われてもよい。この場合、利用料算定システム1は、携帯端末2の経路検索部205と同様の経路検索部を有し、携帯端末2から出発地と目的地の入力を受け付けて経路検索処理を行う。利用料算定システム1は、経路検索結果に対して利用特典の適用判定を行い、判定結果に応じて経路検索結果を上記のように編集して携帯端末2のディスプレイに表示させる。
図16は、編集された経路検索結果の表示画面の例示図である。この経路検索結果の表示画面では、4つの経路検索結果が表示されている。2番目の経路検索結果には、「お得なプランが適用されます」が表示されている。利用者は、これにより2番目の経路検索結果で移動すること(条件)で何らかの特典を享受できることを知ることができる。なお、もう少しで利用特典が適用される経路検索結果に付加されるメッセージとして、「もう少しで割引条件が満たされます」、「いつも乗車しており特典が付与されます」、「今安くなっているルートがあります」等を用いることができる。利用者は、このようなメッセージを確認して、より有利な移動経路の選択ができるようになる。
経路検索結果からいずれかの経路検索結果が選択されると、その選択結果が利用者IDとともに携帯端末2から利用料金算定システム1へ送信される。利用料金算定システム1は、利用者の利用者情報と選択された経路とにより、利用特典や特別オファーの内容を読み出して編集し、携帯端末2に表示させる。図17は、特別オファーがある場合の表示画面の例示図である。利用者は、この表示画面により、選択する経路に特別なサービスが設定されていることを知ることができる。
以上のように本実施形態の利用料金算定システム1により、利用者は、交通機関4を利用することで得られる利用特典(割引等)を、識することなく享受することができる。すなわち、これまでの利用状況と需給状況とを反映した「今のあなたならでは」の移動の選択肢や特別オファーを利用者に提供することができる。
なお、経路検索をせずに改札を通って入場してしまった場合でも、「今のあなたならでは」の移動の選択肢や特別オファーの情報を携帯端末2の表示画面にマッピングし、各ノードの通過時点でその情報を更新するようにしてもよい。

Claims (8)

  1. 後払いで利用可能な1又は複数の交通機関の利用者が所定の利用特典を享受し得る条件を保持する条件保持手段と、
    前記利用者が携行する携帯端末との間の通信を可能にする通信手段と、
    いずれかの前記交通機関を利用した前記利用者の利用状況及び利用時点の当該交通機関の需給状況を取得する取得手段と、
    所定の期間における前記利用者による前記利用状況及び前記需給状況が前記条件を満たすかどうかを判定する解析手段と、
    前記条件が満たされている場合は前記期間における個別利用料金の合計額から前記利用特典を差し引いた特典料金を算定し、前記条件が満たされなかった場合はその旨を表す情報を前記携帯端末へ送信する処理手段と、
    を備えたことを特徴とする、交通機関の利用料金算定システム。
  2. 前記解析手段は、前記利用状況及び前記需給状況が前記条件を満たすかどうかを前記期間の満了前所定日時前に判定し、
    前記処理手段は、判定時点で前記条件が満たされていない場合は前記条件の案内情報又は前記条件を満たすように誘導するための誘導情報を前記携帯端末へ送信することを特徴とする、請求項1に記載の利用料金算定システム。
  3. 前記条件及び利用特典が複数であり、
    前記処理手段は、前記判定時点で前記条件が満たされている利用特典と前記条件が満たされていない利用特典とを異なる態様で前記携帯端末へ送信することを特徴とする、
    請求項2に記載の利用料金算定システム。
  4. 前記処理手段は、後払いのための次回精算の締め日までの前記交通機関の前記利用状況及びいずれかの前記利用特典を適用したことによる割引率を蓄積し、蓄積したこれらの情報をリアルタイムに前記携帯端末に表示可能にすることを特徴とする、
    請求項3に記載の利用料金算定システム。
  5. 前記取得手段は、経路検索機能を有する前記携帯端末から1以上の経路検索結果を取得しており、
    前記解析手段は、取得した時点の前記1以上の経路検索結果に対して、前記携帯端末の利用者の、前記経路検索結果で示される交通機関についての前記利用状況及び前記需給状況が前記条件を満たすかどうかを判定し、
    前記処理手段は、前記判定の結果に応じて前記1以上の経路検索結果を編集して、前記携帯端末へ送信することを特徴とする、請求項1に記載の利用料金算定システム。
  6. 前記条件及び利用特典が複数であり、
    前記解析手段は、前記利用状況及び前記需給状況が前記条件を満たすかどうかを前記検索結果の取得時点で判定し、
    前記処理手段は、前記判定時点で前記条件が満たされている利用特典と、前記条件が満たされていない利用特典とを異なる態様で前記経路検索結果に付加して、前記携帯端末へ送信することを特徴とする、請求項5に記載の利用料金算定システム。
  7. 前記処理手段は、前記判定時点で前記条件が満たされているかどうかに関わらず、特別オファーを前記経路検索結果に付加して、前記携帯端末へ送信することを特徴とする、
    請求項5に記載の利用料金算定システム。
  8. 通信機能を有するコンピュータを請求項1~7のいずれか一項に記載された交通機関の利用料金算定システムとして動作させるためのコンピュータプログラム。
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