以下、実施形態の交通システム、および交通利用管理方法を、図面を参照して説明する。実施形態の交通システムは、鉄道やバスなどの交通機関において、駅の入出場やバスの乗降車の管理を行うシステムである。以下の説明では、交通システムが、鉄道駅において適用される例について説明する。
(第1の実施形態)
[全体構成]
図1は、第1の実施形態における改札機システム1を示す図である。改札機システム1は、例えば、A駅システム10Aと、B駅システム10Bと、センタサーバ装置50と、電子マネーサーバ装置70Aと、電子マネーサーバ装置70Bと、店舗用決済端末100とを備える。なお、改札機システム1は、A駅システム10A、およびB駅システム10Bの他に、複数の駅システムを含んでもよい。以下、A駅システム10Aと、B駅システム10Bとを区別しない場合は、単に「駅システム10」と称する。また、図示する例では、A駅システム10Aに含まれる構成を符号の末尾に「A」を付し、B駅システム10Bに含まれる構成を符号の末尾に「B」を付して示している。いずれの駅システムに含まれる構成であるか区別しない場合は、「A」または「B」を省略して示す。
また、駅システム10は、例えば、自動改札機30や決済端末40の他、駅サーバ、券売機、駅務機器等を備える。駅サーバは、ネットワークNWを介してセンタサーバ装置50から取得した情報を、専用線(または公衆回線)を介して自動改札機30に送信したり、自動改札機30から専用線(または公衆回線)を介して取得した情報を、ネットワークNWを介してセンタサーバ装置50に送信したりする。ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)や、WAN(Wide Area Network)、Wi−Fi網、インターネット等である。自動改札機30と、決済端末40とは、例えば専用線を介して通信する。
決済端末40は、例えば、駅サーバを介さず、ネットワークNWに直接アクセスして電子マネーサーバ装置70と通信し、情報を送受信する。なお、決済端末40は、駅サーバを介して、ネットワークNWに直接アクセスしてもよい。
[媒体]
ここで、本実施形態の改札機システム1において、利用される媒体Mについて説明する。媒体Mは、例えば、一以上の電子マネーのサービスの管理に用いられる情報を含む媒体である。媒体Mは、複数の電子マネーのサービスごとに、サービスのIDや、チャージ金額、利用履歴(例えば○○店舗利用等)等を書き込み可能な媒体であってもよい。すなわち、媒体Mは、複数の電子マネーのサービスの情報がそれぞれ独立して管理可能な媒体であってもよい。
図2は、媒体Mの構成および機能を示す図である。媒体Mは、無線通信機能を有する媒体である。媒体Mは、例えば、基材M2と、チップM3と、アンテナM4とを備える。チップM3は、例えば、基材M2に含まれるパッシブタイプのICチップである。チップM3は、RFID(Radio Frequency IDentifier)技術によって、自動改札機30のリーダライタとの間で情報を送受信する。チップM3は、自動改札機30により送信されたコマンド(信号)に応答して情報を送信する、コマンドレスポンス方式に基づいて処理を実行する。チップM3は、例えば、送受信部M5、制御回路M6、記憶部M7などを備える。送受信部M5は、自動改札機30により送信された電波に含まれる情報を復調したり、情報を重畳するための電波を生成し、生成した電波に情報を重畳したりする。
制御回路M6は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む。制御回路M6は、自動改札機30により送信されたコマンドの内容に応じて、記憶部M7に情報を書き込んだり、記憶部M7に書き込まれた情報を読み出したりする。また、制御回路M6は、記憶部M7に記憶された情報を読み出し、アンテナM4および送受信部M5を用いて、読み出した情報を自動改札機30に送信する。
記憶部M7には、制御回路M6により実行されるプログラムや、媒体ID、電子マネーのチャージ金額(入金金額)等がエンコードされて記憶されている。以下、具体的に説明する。記憶部M7には、例えば、第1記憶領域AR1と、第2記憶領域AR2とが設定されている。第1記憶領域AR1には、例えば、媒体Mの識別情報(以下、「媒体ID」と称する)が記憶されている。媒体IDは、媒体Mにおいて管理される電子マネーのサービスに関わらず、媒体MのチップM3ごとに付与される識別情報である。この媒体IDは、チップM3に対して、予め定められた所定のプロトコルで通信が行われることによって取得される情報である。
第2記憶領域AR2は、例えば、第1の電子マネーサービス領域AR2−1、および第2の電子マネーサービス領域AR2−2が設定されている。第1の電子マネーサービス領域AR2−1には、第1の電子マネーのサービスに関する情報が記憶され、第2の電子マネーサービス領域AR2−2には、第2の電子マネーのサービスに関する情報が記憶されている。第1の電子マネーのサービスに関する情報、または第2の電子マネーのサービスに関する情報は、当該電子マネーのサービスに対応するアクセス権を有する装置によって、当該電子マネーのサービスに対応するプロトコルで通信が行われることで取得または書き換えられる。
第1の電子マネーのサービスに関する情報は、第1のサービスID、第1のチャージ金額、および第1の利用履歴を含む。第1のサービスIDは、第1の電子マネーのサービスの管理者により管理されているIDである。第2の電子マネーのサービスに関する情報は、第2のサービスID、第2チャージ金額、および第2の利用履歴を含む。第2のサービスIDは、第2の電子マネーのサービスの管理者により管理されているIDである。以下、第1のサービスIDおよび第2のサービスIDを区別しない場合は、「サービスID」と称する。
また、媒体Mには、少なくとも媒体IDを書き込む領域が設定され、利用者の入場駅の情報、出場駅の情報、またはチャージ金額を書き込む領域は設定されていなくてもよい。この場合、チャージ金額は、電子マネーサーバ装置70側で管理される。また、媒体Mには、媒体IDと、一つの電子マネーのサービスに関する情報のみが記憶されていてもよい。
一つの電子マネーに関する情報が記憶されている媒体Mや、複数の電子マネーに関する情報が記憶されている媒体Mが混在して利用されている環境において、利用者が利用したい電子マネーのサービスの種別を取得することにより、取得したサービスの種別に対応する決済を迅速に行うことができる。
また、媒体Mに代えて(または加えて)、カードエミュレーション機能を有する携帯電話などの電子デバイスが改札機システム1において利用されてもよい。
[自動改札機、決済端末]
図3は、入場駅または出場駅に設置される自動改札機30および決済端末40を含む改札ユニット20の外観構成図である。改札ユニット20は、例えば、支持体22に支持される。改札ユニット20は、自動改札機30と、決済端末40を含む。出場駅に設置された自動改札機30は、「利用終了時に使用される第2の装置」の一例である。また、自動改札機30は乗換駅に設置されてもよい。この場合、乗換駅に設置された自動改札機30は、「利用終了時に使用される第2の装置」の他の例である。また、入場駅において、決済端末40は省略され、自動改札機30のみが設置されてもよい。
改札ユニット20には、自動改札機30の入出場用リーダライタ32と、決済端末40の決済用リーダライタ42とが、利用者が媒体Mをタッチ可能な位置に設けられている。自動改札機30の入出場用リーダライタ32には、図3のA方向に通過しようとする利用者によって媒体Mが翳される。そして、媒体Mは、自動改札機30の内部の各種処理を受ける(図7を用いて説明)。また、決済用リーダライタ42には、入出場用リーダライタ32に媒体Mを翳した利用者によって、再度、媒体Mが翳される。そして、媒体Mは、決済端末40内部の各種処理を受ける(図7を用いて説明)。また、入出場用リーダライタ32と、決済用リーダライタ42との間には、自動改札機30の処理結果を表示するタッチパネル38(表示部38A)が設けられている。
なお、図3では、自動改札機30がICカード専用機であるものとして説明するが、自動改札機30は、ICカードと、QR(登録商標)コード等のコード券や、磁気券、紙券との双方を処理可能な併用機であってもよい。また、自動改札機30は、利用者の双方向の通過のみを許可するものに限らず、利用者の一方向の通過を許可するものであってもよい。
図4は、自動改札機30の機能構成を示す図である。自動改札機30は、例えば、入出場用リーダライタ32と、対センタサーバ通信部34Aと、対決済端末通信部34Bと、通信制御部36と、タッチパネル38と、制御部39とを備える。
入出場用リーダライタ32は、鉄道の利用者により翳された媒体Mと通信して媒体MのIDを取得する。対センタサーバ通信部34Aは、センタサーバ装置50と通信する。対決済端末通信部34Bは、決済端末40と通信する。
通信制御部36は、対センタサーバ通信部34Aを制御して、入出場用リーダライタ32により取得された媒体IDをセンタサーバ装置50に送信する。また、通信制御部36は、対センタサーバ通信部34Aを介して、センタサーバ装置50により送信された鉄道の利用運賃を示す運賃情報、および利用者が利用する電子マネーのサービスの種別を受信する。通信制御部36は、対決済端末通信部34Bを制御して、センタサーバ装置50により送信された運賃情報、およびサービスの種別を決済端末40に送信する。
タッチパネル38は、表示部38Aと、利用者の選択操作を受け付ける入力部38Bとを含む。表示部38Aは、自動改札機30の処理結果に応じた画像を表示する。
制御部39は、入場用リーダライタ32や、通信制御部36、タッチパネル38等を統合的に制御する。
自動改札機30は、「第1の装置」または「第2の装置」の一例である。入出場用リーダライタ32は、「第1取得部」または「第2取得部」の一例である。対センタサーバ通信部34Aと、対決済端末通信部34Bと、通信制御部36とを合わせたものは、「第1通信部」または「第2通信部」の一例である。
決済端末40は、例えば、決済用リーダライタ42と、決済制御部とを備える。決済用リーダライタ42は、鉄道の利用者により翳された媒体Mと通信して媒体Mに記憶されたチャージ金額を取得する。決済制御部は、媒体Mに記憶されたチャージ金額に対して運賃の決済を行う。例えば、決済端末40は、自動改札機30から受信した電子マネーのサービスの種別に対応するプロトコルで通信が行い、サービスの種別に対応するアクセス権を用いて、サービスの種別に対応付けられたチャージ金額を取得する。
[センタサーバ装置]
図5は、センタサーバ装置50の機能構成を示す図である。センタサーバ装置50は、例えば、センタサーバ側通信部52と、情報管理部54と、運賃導出部56と、センタサーバ側記憶部60とを備える。情報管理部54と、運賃導出部56とを統合したものは、「制御部」の一例である。
センタサーバ側通信部52は、自動改札機30と通信する。情報管理部54は、センタサーバ側通信部52を介して、自動改札機30により送信された情報を受信し、受信した情報を入出場管理テーブル64において管理する。情報管理部54は、入出場管理テーブル(対応情報)64において、自動改札機30から取得した媒体IDに対応付けられているサービスの種別を取得する。また、情報管理部54は、センタサーバ側通信部52を制御して、運賃導出部56により導出された鉄道の利用運賃、および取得したサービスの種別を出場駅の自動改札機30に送信する。
運賃導出部56は、受信した媒体IDと、利用者の入場駅および出場駅との駅間の運賃とに基づいて、鉄道の利用運賃を導出する。センタサーバ側記憶部60は、情報管理部54または運賃導出部56により実行されるプログラムや、運賃テーブル62、入出場管理テーブル64等が記憶されている。運賃テーブル62は、駅間の運賃が一覧となっている情報である。入出場管理テーブル64については後述する。
[電子マネーサーバ装置]
電子マネーサーバ装置70Aは、第1の電子マネーのサービスを管理する装置である。電子マネーサーバ装置70Bは、第2の電子マネーのサービスを管理する装置である。電子マネーサーバ装置70Aおよび電子マネーサーバ装置70Bを区別しない場合は、単に、「電子マネーサーバ装置70」と称する。改札機システム1は、その他に、第3または第4の電子マネーのサービスを管理する装置が含まれてもよい。
図6は、電子マネーサーバ装置70の機能構成を示す図である。電子マネーサーバ装置70は、例えば、電子マネーサーバ側通信部72と、決済管理部74と、電子マネーサーバ側記憶部80とを備える。電子マネーサーバ側通信部72は、決済端末40と情報を送受信する。決済管理部74は、決済端末40により行われた決済処理を電子マネー情報82において管理する。電子マネーサーバ側記憶部80は、決済管理部74により実行されるプログラムや、後述する電子マネー情報82等が記憶されている。
店舗用決済端末100は、店舗Aに設けられた決済端末である。上記の決済端末40の機能構成は、店舗用決済端末100の機能構成と同等である。
[改札機システムの処理の概要]
図7は、改札機システム1の処理の概要を示す図である。入場駅において、利用者が媒体Mを入出場用リーダライタ32に翳すと、自動改札機30は、入出場用リーダライタ32が読み取った媒体ID、時刻をセンタサーバ装置50に送信する。この媒体IDは、センタサーバ装置50の入出場管理テーブル64において管理される。
図8は、入出場管理テーブル64の内容を示す図である。入出場管理テーブル64は、媒体IDに対して、入場駅の情報、入場時刻、出場駅の情報、出場時刻、入場駅と出場駅との間の運賃、定期利用区間の情報、および運賃の決済が完了しているか否かを示す情報(決済状況)、利用者が利用する電子マネーのサービスの種別が対応付けられた情報の一覧である。
利用する電子マネーのサービスの種別とは、例えば、事前に利用者によって指定され、入出場管理テーブル64に登録された情報である。第1の実施形態において、例えば、利用者が、登録したいサービスの種別を駅係員に伝えると、駅係員は媒体Mの情報を読み取るリーダライタを用いて媒体ID等を取得する。そして、駅係員は、駅に設けられた端末装置を操作して、入出場管理テーブル64において、媒体IDに対応付けてサービスの種別を登録するようにセンタサーバ装置50に指示する。これにより、利用者が利用するサービスの種別が、入出場管理テーブル64に登録される。また、利用者は、自身が管理する端末装置を操作して、入出場管理テーブル64において、利用するサービスの種別を媒体IDに対応付けるようにセンタサーバ装置50に指示してもよい。利用者が保持する端末装置は、例えば、媒体Mの情報を読み取る機能を備える端末装置である。
センタサーバ装置50の情報管理部54は、自動改札機30により送信された媒体IDや自動改札機30が設置された駅の識別情報を取得すると、入出場管理テーブル64において媒体IDに対応し、且つ該当する項目に取得した情報を対応付ける。例えば、情報管理部54は、入出場管理テーブル64において、媒体IDに対して駅の識別情報が対応付けられていない状態で、駅の識別情報を取得すると、当該駅を入場駅とみなし、駅の識別情報を取得した時刻を入場時刻とみなす。定期利用区間の情報は、センタサーバ装置50にアクセスする権限を有する駅員が管理する端末装置によって登録される情報である。
図7に戻り、出場駅において、利用者が媒体Mを入出場用リーダライタ32に翳すと、自動改札機30は、入出場用リーダライタ32が読み取った媒体IDや自動改札機30が設置された駅の識別情報をセンタサーバ装置50に送信する。情報管理部54は、自動改札機30により送信された媒体IDや駅の識別情報を取得すると、入出場管理テーブル64において媒体IDに対応し、且つ該当する項目に取得した情報を対応付ける。例えば、情報管理部54は、入出場管理テーブル64において、媒体IDに対して入場駅の識別情報が対応付けられている状態で、駅の識別情報を取得すると、当該駅を出場駅とみなし、駅の識別情報を取得した時刻を出場時刻とみなす。
更に、センタサーバ装置50の運賃導出部56は、運賃テーブル62を参照し、入出場管理テーブル64の入場駅から出場駅までの運賃を導出する。また、情報管理部54は、媒体IDに対応付けられた電子マネーのサービスの種別を取得する。導出された運賃および取得されたサービスの種別は、出場駅の自動改札機30に送信される。
運賃およびサービスの種別を受信した自動改札機30は、受信した運賃およびサービスの種別を決済端末40に送信する。決済端末40は、自動改札機30から運賃およびサービスの種別を受信すると、取得したサービスの種別を利用して運賃を決済するための処理を実行する。この状態において、利用者によって決済用リーダライタ42に媒体Mが翳されると、決済端末40は、媒体Mに記憶され、取得したサービスの種別に対応付けられたチャージ金額から運賃を差し引く。そして、決済端末40は、決済の明細(差し引いた金額やチャージ金額(残額)、媒体Mが利用された事業者名)を、サービスの種別に対応する電子マネーサーバ装置70に送信する。
電子マネーサーバ装置70は、決済の明細を取得すると、電子マネー情報82を更新する。図9は、電子マネー情報82の内容を示す図である。電子マネー情報82は、媒体IDおよびサービスIDに対して、利用後のチャージ金額、媒体Mが利用された日時、媒体Mの利用金額、および媒体Mが利用された事業者名が対応付けられた情報の一覧である。決済管理部74は、決済の明細を取得すると、電子マネー情報82において媒体IDに対応し、且つ該当する項目に取得した情報を対応付け、媒体Mの利用状況を管理する。これにより、運賃が媒体Mのチャージ金額によって支払われ、利用者の入出場処理が完了する。
上述したように、改札機システム1では、入場駅または出場駅の情報が書き込めない媒体Mであっても、改札処理を実現することができる。この結果、利用者が、自身にとって都合のよい媒体を利用することができ、利用者の利便性が向上する。また、決済端末40は、利用者が利用するサービスの種別を予め特定して決済を行うことができるため、より迅速に決済に関する処理を行うことができる。
なお、本実施形態では、自動改札機30は、利用者の入場および出場の双方を受け付けるものとして説明したが、これに代えて(或いは、加えて)、自動改札機30は、入場専用機または出場専用機として構成されてよい。入場専用機の自動改札機30においては、決済端末40は省略される。この場合、入場専用機は、利用者が翳した媒体Mの媒体IDを取得すると、利用者が入場したことを示す情報と共に媒体IDをセンタサーバ装置50に送信する。センタサーバ装置50は、入場専用機から上記の情報を取得すると、利用者が入場したと判断する。出場専用機は、利用者が翳した媒体Mの媒体IDを取得すると、利用者が出場しようとしていることを示す情報と共に媒体IDをセンタサーバ装置50に送信する。センタサーバ装置50は、出場専用機から上記の情報を取得すると、利用者が出場したと判断する。また、情報管理部54は、入場したことを示す情報と媒体IDとを取得した場合に、入出場管理テーブル64において、利用者が前回の入場したことを示す情報に対して出場したことを示す情報が対応付けられていない場合、入場専用機にエラメッセージを送信する。そして、入場専用機は、前回の運賃の精算が行われていないことを示す情報を利用者に通知する。また、例えば、情報管理部54は、出場しようとしていることを示す情報と媒体IDとを取得した場合に、入出場管理テーブル64において、入場したことを示す情報が対応付けられていない場合、出場専用機にエラメッセージを送信する。そして、出専用機は、入場処理が行われていないことを示す情報を利用者に通知する。
また、出場駅が、定期利用区間外である場合と定期利用区間内である場合とで処理が異なる。まず、出場駅が、定期利用区間外である場合について、上述した説明と異なる点について説明する。図10は、出場駅が定期利用区間外である場合の処理の概要を説明するための図である。センタサーバ装置50の運賃導出部56は、出場駅の自動改札機30により送信された媒体IDや出場駅等の情報を取得すると、入出場管理テーブル64において媒体IDに対応付けられた定期利用区間を参照する。運賃導出部56は、利用者の入場駅および出場駅が定期利用区間外である場合、運賃テーブル62を参照し、入出場管理テーブル64の入場駅から出場駅までの運賃を導出する。また、情報管理部54は、媒体IDに対応付けられた電子マネーのサービスの種別を取得する。そして、情報管理部54は、導出された運賃および取得したサービスの種別を出場駅の自動改札機30に送信する。なお、利用者の利用区間が定期利用区間と一部重複する場合、重複する区間に応じた金額が、運賃から差し引かれる。
これに対して、運賃導出部56は、利用者の入場駅および出場駅が定期利用区間内である場合、運賃はゼロ円であることを示す情報を出場駅の自動改札機30に送信する。この場合、出場駅の自動改札機30は、運賃はゼロ円であるため、運賃の情報およびサービスの種別を決済端末40に送信する必要がない。また、利用者は、媒体Mを決済端末40に翳す必要はない。また、この場合、出場駅の自動改札機30は、表示部38Aに媒体Mを決済端末40に翳さずに、自動改札機30を通過することができることを示す内容を含む画像を表示させる。図11は、出場駅が定期利用区間内である場合の処理の概要を説明するための図である。
上述したように、改札機システム1では、媒体Mを交通系のICカードと同様に、運賃の支払いに利用したり、定期券として利用したりすることができる。この結果、利用者の利便性が向上する。
図12は、改札機システム1により実行される処理を示すシーケンス図である。まず、入場側の自動改札機30の入出場用リーダライタ32に媒体Mが翳されると、入出場用リーダライタ32は、媒体IDを取得する。通信制御部36は、対センタサーバ通信部34Aを制御して、取得した媒体ID、および時刻をセンタサーバ装置50に送信する(ステップS100)。次に、センタサーバ装置50の情報管理部54は、入場駅の自動改札機30により送信された媒体ID、入場駅、および入場時刻を入出場管理テーブル64に対応付ける(ステップS102)。
次に、出場側の自動改札機30の入出場用リーダライタ32に媒体Mが翳されると、入出場用リーダライタ32は、媒体IDを取得する。通信制御部36は、対センタサーバ通信部34Aを制御して、取得した媒体ID、および時刻をセンタサーバ装置50に送信する(ステップS104)。次に、センタサーバ装置50は、出場駅の自動改札機30により送信された媒体ID、出場駅、および出場時刻を入出場管理テーブル64に対応付ける(ステップS106)。
次に、センタサーバ装置50の運賃導出部56が、運賃テーブル62および入出場管理テーブル64に基づいて、利用者が支払う運賃を導出し、更に媒体IDに対応付けられたサービスの種別を取得し(ステップS108)、導出した運賃および取得したサービスの種別を出場駅の自動改札機30に送信する(ステップS110)。この際、センタサーバ装置50の情報管理部54は、導出した運賃を入出場管理テーブル64に仮登録する。
次に、出場駅の自動改札機30は、センタサーバ装置50により送信された運賃およびサービスの種別を受信し、受信した運賃およびサービスの種別を決済端末40に送信する(ステップS112)。なお、運賃がゼロ円である場合には、ステップS112以降の処理は省略される。
そして、決済端末40の決済用リーダライタ42に媒体Mが翳されると、決済端末40は、出場駅の自動改札機30から受信した運賃を、受信したサービスの種別に対応する電子マネーのチャージ金額で決済する(ステップS114)。次に、決済端末40は、サービスの種別に対応する電子マネーサーバ装置70に、決済の明細を送信する(ステップS116)。
次に、電子マネーサーバ装置70の決済管理部74は、決済端末40から受信した決済の明細を、電子マネー情報82に反映させる(ステップS118)。この際、決済管理部74は、電子マネー情報82と、媒体Mに記憶された情報(例えばチャージ金額)の不整合が存在するか否かを判定してもよい。そして、不整合が存在する場合、決済管理部74は、不整合を示すフラグを電子マネー情報82に設定したり、決済端末40に不整合が存在することを示す情報を送信したりする。不整合が存在しない場合、決済管理部74は、不整合が存在しないことを示す情報を決済端末40に送信してもよい。例えば、決済端末40は、決済の明細を電子マネーサーバ装置70に送信してから所定時間内に、不整合が存在しないことを示す情報を受信した場合に、決済が完了したと確定させてもよい。
次に、決済端末40は、決済の結果を出場駅の自動改札機30に送信する(ステップS120)。次に、出場駅の自動改札機30は、受信した決済の結果をセンタサーバ装置50に送信する(ステップS122)。この場合、センタサーバ装置50は、送信した運賃に対する応答である、決済の結果を受信すると、入出場管理テーブル64において、仮登録した運賃を確定させると共に、運賃に対する決済が完了したことを示すフラグを媒体IDに対応付ける(ステップS124)。
また、センタサーバ装置50は、送信した運賃に対する応答である、決済の結果を受信していない場合、運賃の決済が正しく行われていないため、決済が完了したことを示すフラグを設定しない。この状態で、利用者が駅に入場しようとし、決済が完了していない媒体IDがセンタサーバ装置50に送信された場合、センタサーバ装置50は、前回の決済が未完了であることを示す情報や、未完了の決済額等の情報を自動改札機30に送信する。以下、具体的な処理の流れについて説明する。
図13は、入場時にセンタサーバ装置50により実行される処理の流れを示すフローチャートである。まず、情報管理部54は、入場駅の自動改札機30から媒体IDを受信するまで待機する(ステップS200)。入場駅の自動改札機30から媒体IDを受信すると、情報管理部54は、入出場管理テーブル64おいて媒体IDに対応する情報を検索して、今回の鉄道の利用を除いた決済であって、未完了の決済が存在するか否かを判定する(ステップS202)。未完了の決済が存在しない場合、情報管理部54は、媒体IDに入場駅、および入場時刻を入出場管理テーブル64に対応付ける(ステップS204)。未完了の決済が存在する場合、情報管理部54は、未完了の決済が存在することを示す情報(所定の情報)、または未完了の決済に対応する運賃(所定の情報)を自動改札機30に送信する(ステップS206)。自動改札機30は、未完了の決済が存在することを示す情報を受信すると、未完了の決済が存在することを示す情報を表示部38Aに表示させたり、入場を禁止することを示す情報を表示部38Aに表示させたりする。これにより、本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
図14は、出場時にセンタサーバ装置50により実行される処理の流れを示すフローチャートである。なお、本処理では、入場駅の情報が入出場管理テーブル64の媒体IDに対応付けられているものとして説明する。まず、情報管理部54は、出場駅の自動改札機30から媒体IDを受信するまで待機する(ステップS300)。出場駅の自動改札機30から媒体IDを受信すると、情報管理部54は、媒体IDに出場駅、および出場時刻を入出場管理テーブル64に対応付ける(ステップS302)。次に、運賃導出部56が、入場駅から出場駅までの運賃を導出する(ステップS304)。次に、情報管理部54は、入出場管理テーブル64において、媒体IDに対応付けられたサービスの種別を取得する(ステップS306)。次に、情報管理部54は、入出場管理テーブル64おいて媒体IDに対応する情報を検索して、今回の鉄道の利用を除いた決済であって、未完了の決済が存在するか否かを判定する(ステップS308)。未完了の決済が存在しない場合、情報管理部54は、ステップS304で導出した運賃、およびステップS306で取得したサービスの種別を自動改札機30に送信する(ステップS310)。自動改札機30は、運賃およびサービスの種別を受信すると、受信した運賃を決済端末40に送信する。これにより決済端末40において決済がされる。
未完了の決済が存在する場合、情報管理部54は、未完了の決済が存在することを示す情報および未完了の決済の運賃を示す情報のうち一方または双方と、ステップS304で導出した運賃と、ステップS306で取得したサービスの種別とを自動改札機30に送信する(ステップS310)。未完了の決済が存在することを示す情報、または未完了の決済の運賃を示す情報は、「所定の情報」の一例である。自動改札機30は、未完了の決済が存在することを示す情報等を受信すると、未完了の決済が存在することを示す情報を表示部38Aに表示させたり、出場を禁止することを示す情報を表示部38Aに表示させたりする。これにより、本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
図15は、表示部38Aに表示される画像を示す図である。自動改札機30は、運賃の支払いを利用者に求める場合、画像IM1に示すように「運賃は○○円です。利用されるサービスの種別は△△です。決済用リーダライタ42に媒体Mを翳して下さい。」などのような情報を表示部38Aに表示させる。また、自動改札機30は、利用区間が定期利用区間内であったため運賃の支払いが不要な場合、画像IM2に示すように「定期利用区間です。お進み下さい。」などのような情報を表示部38Aに表示させる。また、自動改札機30は、前回の鉄道の利用に対する運賃について決済処理が未完了であった場合、画像IM3に示すように「前回利用した運賃を係員窓口で精算して下さい。」などのような情報を表示部38Aに表示させる。
上述した処理により、利用者は、自動改札機30を通過する際に、決済の必要性や、係員窓口での精算の必要性など、自身に対する改札処理について容易に認識することができる。
なお、上述した処理では、媒体Mは、チャージ金額を記憶するものとして説明したが、これに限られず、媒体Mは、チャージ金額が記憶されない媒体であってもよい。この場合、決済端末40は、媒体IDおよび運賃を、利用者が利用するサービスの種別に対応する電子マネーサーバ装置70に送信し、電子マネーサーバ装置70が、電子マネー情報82に記憶されたチャージ金額と、運賃とに基づいて、決済を行い、決済の結果を決済端末40に送信する。また、特定されたサービスが、銀行口座から決済の金額を引き落とすサービスや、クレジットカード機能を用いたサービスである場合、決済端末40は、サービスに対応する不図示の決済サーバに決済を依頼する。
以上説明した第1の実施形態では、自動改札機30は、媒体IDを送信したセンタサーバ装置50により送信された運賃およびサービスの種別を決済端末40に送信する。そして、決済端末40において、サービスの種別に対応する運賃の決済が行われる。これにより、利用者は、入出場駅の情報を書き込むことができない媒体Mを利用して、交通機関を利用することができる。更に、改札機システム1は、複数の電子マネーのサービスを利用することができる媒体Mや、異なる種別の電子マネーのサービスに対応する媒体が用いられる環境であっても、特段の処理を行わずに決済を完了させることができる。この結果、利用者にとっての利便性が向上する。
また、上述したように、入場時および出場時に、利用者は、利用する電子マネーの種別を指定する処理を行う必要がないため、円滑に駅へ入場または駅からの出場することができる。この結果、駅の入場口または出場口付近における流動阻害が抑制される。
また、本実施形態の決済端末40は、以下のような機能を有してもよい。例えば、サービスの種別が入出場管理テーブル64において登録されていなく、サービスの種別が取得できなかった場合、決済端末40は、所定の電子マネーのサービスの種別に対応するプロトコルで通信が行って、所定の電子マネーのサービスのチャージ金額に対して決済処理を実行してもよい。この場合、決済端末40は、複数の電子マネーのサービスの種別に対応するプロトコルを用いたポーリングを、所定時間ごとに切り替えてもよい。
また、サービスの種別が取得できなかった場合、決済端末40は、予め設定された優先順位に基づいて、優先的に決済処理するサービスの種別を決定してもよい。この場合、決済端末40は、優先度が高いサービスの情報を取得するためのポーリングを行い、所定時間内に応答がない場合は、次に優先度が高いサービスの情報を取得するためのポーリングを行い、これらの動作を繰り返す。
また、決済端末40は、表示部38Aに利用者が利用する媒体の種類を選択させるための画像を表示させてもよい。この場合、決済端末40は、利用者によって選択されたサービスに対する処理を実行するためのポーリングや所定の処理を実行し、決済処理を実行する。詳細については第3の実施形態で説明する。
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態では、自動改札機30と決済端末40とが1つのユニットであるものとして説明したが、第1の実施形態の変形例では、自動改札機30と決済端末40と離間して設置される。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図16は、第1の実施形態の変形例の自動改札機30と決済端末40との外観構成図である。自動改札機30が設けられた位置と決済端末40が設けられた位置との間隔は数ミリ〜数メートルの範囲内である。自動改札機30は、利用者が通行する方向を長手方向とし、この長手方向に直交する方向を短手方向とする筐体を有する。また、自動改札機30の長手方向の一端(または両端)であって、筐体の上面側において、利用者が媒体Mをタッチ可能な位置に入出場用リーダライタ32のタッチ面が設けられている。決済端末40は、例えば、支持体41に支持される。なお、入場駅では決済端末40は省略され、自動改札機30のみが設置されてもよい。
また、第1の実施形態では、自動改札機30と決済端末40は専用線で接続されるものとして説明したが、第1の実施形態の変形例では、自動改札機30と決済端末40とはネットワークNWを介して接続されるものとする。
図17は、第1の実施形態の変形例の自動改札機30の機能構成を示す図である。自動改札機30は、対センタサーバ通信部34Aおよび対決済端末通信部34Bに代えて、ルータ37Aおよび通信インターフェース37Bを有する。ルータ37Aは、通信制御部36の制御によって、ネットワークNWを介して決済端末40またはセンタサーバ装置50と通信する。通信制御部36は、通信インターフェース37Bを介して、決済端末40またはセンタサーバ装置50により送信された情報を取得する。
図18は、第1の実施形態の変形例の自動改札機30により実行される処理の流れを示すフローチャートである。まず、入出場用リーダライタ32が、媒体Mが翳されるまで待機する(ステップS400)。媒体Mが翳されると、通信制御部36が、入出場用リーダライタ32に取得された媒体IDをセンタサーバ装置50に送信する(ステップS402)。
次に、通信制御部36が、センタサーバ装置50から運賃、およびサービスの種別を受信するまで待機する(ステップS404)。運賃およびサービスの種別を受信すると、通信制御部36は、運賃およびサービスの種別を決済端末40に送信する(ステップS406)。次に、自動改札機30は、入出場用リーダライタ32をオフ状態に制御する(ステップS408)。
次に、通信制御部36は、決済の結果(完了通知)を決済端末40から受信するまで待機する(ステップS410)。決済の結果を決済端末40から受信すると、自動改札機30は、入出場用リーダライタ32をオン状態に制御する(ステップS412)。これにより本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
上述したように、自動改札機30は、運賃およびサービスの種別を決済端末40に送信してから、決済端末40から決済の結果を受信するまでの間、入出場用リーダライタ32をオフ状態に制御することにより、利用者が決済端末40で決済処理を行う間、後続の利用者が自動改札機30に進入してくることを制限する。このように、入出場用リーダライタ32を制御することにより、利用者が決済端末40において決済する前に、後続の利用者の運賃が決済端末40に送信されて、利用者によって後続の運賃の決済が行われることが抑制される。この結果、改札機システム1は、より正確に決済処理を行うことができる。
なお、利用者が出場駅において入出場用リーダライタ32に媒体Mをタッチすることを怠り、後続の利用者の運賃が表示部38Aに表示された場合、利用者は、駅係員を呼んだり、駅係員のいる窓口で決済処理を行ったりする。
以上説明した第1の実施形態の変形例によれば、既存の自動改札機30の近傍に決済端末40を設置することにより、既存の自動改札機30の大幅な改変などをせずに、入出場駅の情報を書き込むことができない媒体Mを利用可能にすることができる。また、自動改札機30が、運賃を決済端末40に送信してから、決済端末40から決済の結果を受信するまでの間、入出場用リーダライタ32をオフ状態に制御することにより、決済端末40において、より正確に決済処理が行われる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、予め設定された割引が運賃に適用される。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図19は、第2の実施形態の入出場管理テーブル64Aの内容を示す図である。入出場管理テーブル64において、媒体IDに対して、第1の実施形態の入出場管理テーブル64の情報に加えて、更に運賃の割引等に関する情報が記憶されている。運賃の割引等に関する情報とは、例えば、所定の期間における所定の鉄道の利用回数に応じた割引や、1日乗車券などの鉄道利用の効力を示す情報、所定の年齢や基準を満たす利用者に付与される割引(例えば学生割引、シニア割引等)等の情報である。また、センタサーバ装置50のセンタサーバ側記憶部60には、鉄道の利用回数に応じて設定された割引度合が対応付けられたテーブルや、利用者に設定された割引度合が対応付けられたテーブルが記憶されている。上述したこれらの運賃の割引等に関する情報は、センタサーバ装置50にアクセスする権限を有する駅員が管理する端末装置によって登録された情報である。
図20は、第2の実施形態のセンタサーバ装置50により実行される処理の流れを示すフローチャートである。まず、センタサーバ装置50は、入場駅の自動改札機30から媒体IDを受信するまで待機する(ステップS500)。入場駅の自動改札機30から媒体IDを受信すると、センタサーバ装置50は、出場駅の自動改札機30から媒体IDを受信するまで待機する(ステップS502)。
出場駅の自動改札機30から媒体IDを受信すると、運賃導出部56が、定期利用区間内に入場駅および出場駅が含まれるか否かを判定する(ステップS504)。定期利用区間内である場合、センタサーバ装置50は、運賃はゼロ円であることを出場駅の自動改札機30に送信する(ステップS512)。
定期利用区間外である場合、運賃導出部56は、駅間の運賃を導出し(ステップS506)、導出した運賃に対して割引または鉄道利用の効力を示す情報を適用する(ステップS508)。例えば、媒体Mに対して1日乗車券の効力が付与されている場合、運賃はゼロ円となり、シニア割引が適用される場合、運賃からシニア割引に対応した割引がされた運賃が導出される。次に、情報管理部54は、入出場管理テーブル64において、媒体IDに対応付けられたサービスの種別を取得する(ステップS510)。そして、センタサーバ装置50は、導出した運賃、および取得したサービスの種別を出場駅の自動改札機30に送信する(ステップS512)。これにより本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
以上説明した第2の実施形態によれば、媒体Mの識別情報に対して容易に割引や特典などを設定することができる。そして、利用者は、運賃に対して割引の適用を受けることができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、利用者が決済に利用する電子マネーのサービスの種別は、駅係員または利用者が管理する端末装置を介して、入出場管理テーブル64に登録されるものとして説明したが、第3の実施形態では、サービスの種別は、入場側の改札ユニット200において指定され入出場管理テーブル64に登録される。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第1と第3の実施形態は組み合わされて実施されてもよい。
図21は、自動改札機230を含む改札ユニット200の外観図である。改札ユニット200は、改札ユニット20において決済端末40が省略されたものである。第3の実施形態の改札ユニット200は、例えば入場駅に設けられる。入場駅に設置された自動改札機30は、「利用開始時に使用される第1の装置」の一例である。
改札ユニット20は、例えば、支持体222に支持される。改札ユニット200は、自動改札機230を有する。改札ユニット200には、自動改札機230の入出場用リーダライタ232が、利用者が媒体Mをタッチ可能な位置に設けられている。自動改札機230の入出場用リーダライタ232には、図21のA方向に通過しようとする利用者によって媒体Mが翳される。そして、媒体Mは、自動改札機230の内部の各種処理を受ける。また、入出場用リーダライタ232の上方には、情報を表示するタッチパネル238(表示部238A)が設けられている。
自動改札機230は、例えば、入出場用リーダライタ232、対センタサーバ通信部234A、対決済端末通信部234B、通信制御部236、タッチパネル238、および制御部239を備える。これらの機能構成は、第1の実施形態における自動改札機230が備える同様の名称の機能構成と同等である。自動改札機230の機能構成については、図4のブロック図を援用する。
また、制御部239は、表示部238Aに利用者が利用するサービスの種別を選択させるための選択ボタンB1〜B3を表示させる。この選択ボタンは4つ以上あってもよい。
図22は、第3の実施形態の改札機システム1の処理の概要を示す図である。利用者により選択ボタンが選択されると、制御部239は、利用者により選択された選択ボタンを認識し、入出場用リーダライタ232に媒体Mを翳すように促すことを示す画像を表示部238Aに表示させる。入出場用リーダライタ232に媒体Mが翳されると、制御部239は、入出場用リーダライタ232により読み取られた媒体IDに認識したサービスの種別を対応付けた情報を、センタサーバ装置50に送信する。センタサーバ装置50は、改札ユニット200から送信された情報に基づいて、サービスの入出場管理テーブル64において媒体IDに対してサービスの種別を対応付ける(入出場管理テーブル64にサービスの種別を示す一つのレコードを追加する)。
すなわち、入出場管理テーブル64において媒体IDに対してサービスの種別が対応付けられていない場合、センタサーバ装置50は、改札ユニット200から送信された情報を、以後に用いるサービスの種別として扱う。
なお、入出場管理テーブル64において、既に媒体IDに対してサービスの種別が対応付けられている場合、センタサーバ装置50は、予め登録されたサービスの種別を、送信されたサービスの種別に書き換えてもよい(入出場管理テーブル64にサービスの種別を示すレコードを更新する)。また、送信されたサービスの種別に書き換えないようにしてもよい。また、本実施形態では、選択ボタンは、タッチパネルに表示されるものとして説明するが、選択ボタンは、改札ユニット200の筐体に設けられた機械式のボタンであってもよい。
出場駅において、利用者が媒体Mを入出場用リーダライタ232に翳すと、自動改札機230は、入出場用リーダライタ232が読み取った媒体IDおよび自動改札機230が設置された駅の識別情報をセンタサーバ装置50に送信する。
更に、センタサーバ装置50の運賃導出部56は、運賃テーブル62を参照し、入出場管理テーブル64の入場駅から出場駅までの運賃を導出する。また、情報管理部54は、媒体IDに対応付けられたサービスの種別を改札ユニット200から取得する。センタサーバ装置50は、導出された運賃および取得されたサービスの種別を、出場駅の改札ユニット20に送信する。そして、出場駅の改札ユニット20において改札処理や決済処理が行われる。
なお、情報管理部54は、次回のために、自動改札機230により送信された媒体IDや駅の識別情報を取得すると、入出場管理テーブル64において媒体IDに対応し、且つ該当する項目に取得した情報を対応付けておく。例えば、情報管理部54は、入出場管理テーブル64において、媒体IDに対して入場駅の識別情報が対応付けられている状態で、駅の識別情報を取得すると、当該駅を出場駅とみなし、駅の識別情報を取得した時刻を出場時刻とみなす。
上述したように、改札機システム1では、入出場管理テーブル64においてサービスの種別が登録されていない場合であっても、利用者が希望に応じたサービスの種別を用いて改札処理を実現することができる。この結果、利用者が、自身にとってより都合のよいサービスを利用することができ、利用者の利便性が向上する。
図23は、第3の実施形態の改札機システム1により実行される処理を示すシーケンス図である。本シーケンス図では、入場駅の自動改札機230と、センタサーバ装置50との処理について説明する。まず、利用者が選択ボタンを操作すると、入場駅の自動改札機230は、操作された選択ボタンに対応するサービスの種別を認識する(ステップS600)。次に、入場側の自動改札機230の入出場用リーダライタ232に媒体Mが翳されると、入出場用リーダライタ232は、媒体IDを取得する(ステップ602)。なお、入場側の自動改札機230は、選択ボタンが操作された後に、媒体IDを取得するためのポーリングを開始してもよい。上記とは逆の手順でポーリングが行われてもよいが、上記の手順でポーリングが開始されることにより、上記とは逆の手順の場合より消費電力を抑制することができる。
次に、通信制御部36は、対センタサーバ通信部234Aを制御して、駅の識別情報、取得した媒体ID、認識されたサービスの種別、および時刻をセンタサーバ装置50に送信する(ステップS604)。次に、センタサーバ装置50の情報管理部54は、入場駅の自動改札機230により送信された媒体ID、入場駅、入場時刻、およびサービスの種別を入出場管理テーブル64に対応付ける(ステップS606)。そして、図12のシーケンスのステップS104以降の処理と同等の処理を実行する。上述した処理により、利用者は、自身にとってより都合のよいサービスを利用することができるため、利用者の利便性が向上する。
上記の例では、選択ボタンが操作された後に、媒体Mが入出場用リーダライタ232に翳された例について説明したが、この操作の手順は、一回目の登録の場合に行われるものであり、二回目以降は選択ボタンの操作が省略されてもよい。図24のフローチャートでは、選択ボタンが操作されずに、媒体Mが入出場用リーダライタ232に翳された例について説明する。本処理では、入場駅の自動改札機230は、所定間隔ごとに媒体Mと通信するためのポーリングを行っているものとする。
まず、入場駅の自動改札機230は、表示部38Aに表示された選択ボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS700)。選択ボタンが操作された場合、入場駅の自動改札機230は、選択ボタンが操作されてから所定時間以内に、入出場用リーダライタ232に媒体Mが翳されたか否かを判定する(ステップS702)。入出場用リーダライタ232に媒体Mが翳された場合、入場駅の自動改札機230は、読み取られた媒体ID、自動改札機230が設置された駅の識別情報、および選択されたサービスの種別を、センタサーバ装置50に送信し、利用者の入場を許可する(ステップS712)。ステップS702で入出場用リーダライタ232に媒体Mが翳されなかった場合、本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
選択ボタンが操作されていない場合、入場駅の自動改札機230は、入出場用リーダライタ232に媒体Mが翳されたか否かを判定する(ステップS704)。入出場用リーダライタ232に媒体Mが翳されていない場合、本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
入出場用リーダライタ232に媒体Mが翳された場合、入場駅の自動改札機230は、入出場用リーダライタ232により読み取られた媒体IDに対してサービスの種別が入出場管理テーブル64において対応付けられているか否かを、センタサーバ装置50に問い合わせる(ステップS706)。入場駅の自動改札機230は、センタサーバ装置50から問い合わせ結果を取得し、取得した結果に基づいて、サービスの種別が媒体IDに対応付けられているか否かを判定する(ステップS708)。
サービスの種別が媒体IDに対応付けられていない場合、入場駅の自動改札機230は、サービスの種別を選択することを促す内容の画像を表示部38Aに表示させ(ステップS710)、本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
サービスの種別が媒体IDに対応付けられている場合、入場駅の自動改札機230は、ステップS708で読み取られた媒体IDや自動改札機230が設置された駅の識別情報を、センタサーバ装置50に送信し、利用者の入場を許可する(ステップS712)。これにより本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
上述した処理によって、利用者は、入出場管理テーブル64において媒体IDに対してサービスの種別が登録されている場合、選択ボタンを操作せずに駅構内に入場することができる。また、入出場管理テーブル64において媒体IDに対してサービスの種別が登録されていない場合に、選択ボタンが操作されずに入出場用リーダライタ332に媒体Mが翳されると、表示部38Aに選択ボタンを操作することを促す内容の画像が表示されるため、利用者がサービスの種別を選択する必要があることを認識することができる。このように、利用者の利便性が向上する。
なお、改札ユニット200は、出場駅に設けられてもよい。また、入場駅の自動改札機230の表示部38Aに選択ボタンを表示させなくてもよいし、入出場管理テーブル64において媒体IDに対してサービスの種別が登録されていない場合に、選択ボタンが選択されなかったときでも、入場駅の自動改札機230は、利用者の入場を許可してもよい。この場合、出場駅の自動改札機230は、センタサーバ装置50に媒体IDにサービス種別が対応付けられているかを問い合わせたり、出場駅に設けられた自動改札機230において、選択ボタンを表示させ、利用者にサービスの種別を選択させたりすることにより、利用者が利用するサービスの種別を特定する。そして、出場駅の自動改札機230は、特定したサービスの種別を決済端末40に送信する。
また、入出場管理テーブル64に登録されたサービスの種別は、利用者が出場駅から出場するための改札処理が行われた後、消去されてもよい。この場合、利用者は、駅構内に入場(または駅構外に出場)する度に、利用者が利用するサービスの種別を選択する。
以上説明した第3の実施形態によれば、利用者は、入場駅の自動改札機230を用いて、利用するサービスの種別を選択することができるため、第1の実施形態の効果を奏すると共に、より利用者にとっての利便性が向上する。
(第4の実施形態)
第1の実施形態では、センタサーバ装置50は、出場駅の自動改札機30から媒体IDを取得した後に運賃を導出し、導出した運賃を出場駅の自動改札機30に送信するものとしたが、第4の実施形態では、入場駅の自動改札機30から媒体IDを取得すると、利用者の出場駅となり得る各駅までの運賃を導出し、導出した駅に対応する運賃を当該駅の自動改札機30に配信する。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。例えば、本実施形態の処理は、改札機システム1において管理される駅が所定数以下や、管理される路線が数路線、管理される地域が所定範囲である場合に有効である。
図25は、第4の実施形態の改札機システム1により実行される処理を示すシーケンス図である。まず、入場側の自動改札機30の入出場用リーダライタ232に媒体Mが翳されると、入出場用リーダライタ232は、媒体IDを取得する。通信制御部36は、対センタサーバ通信部34Aを制御して、取得した媒体ID、および時刻をセンタサーバ装置50に送信する(ステップS800)。次に、センタサーバ装置50の情報管理部54は、入場駅の自動改札機30により送信された媒体ID、入場駅、および入場時刻を入出場管理テーブル64に対応付ける(ステップS802)。
次に、センタサーバ装置50の運賃導出部56が、運賃テーブル62および入出場管理テーブル64に基づいて、利用者が出場する可能性がある(改札機システム1により管理される)各駅までの運賃を導出し、更に媒体IDに対応付けられたサービスの種別を取得し(ステップS804)、利用者が出場する可能性がある出場駅に対して、媒体IM、その駅までの運賃、および取得したサービスの種別を駅の自動改札機30に送信する(ステップS806)。
次に、出場側の自動改札機30は、センタサーバ装置50により送信された、媒体IM、利用者が入場した駅から当該駅までの運賃、サービスの種別を取得し、自動改札機30の記憶装置に記憶させる(ステップS808)。次に、出場側の自動改札機30の入出場用リーダライタ232に媒体Mが翳されると、入出場用リーダライタ232は、媒体IDを取得する。そして、出場側の自動改札機30は、取得した媒体IDに対応する運賃、サービスの種別を記憶装置から取得し、取得した情報を決済端末40に送信する(ステップS810)。
そして、決済端末40の決済用リーダライタ42に媒体Mが翳されると、決済端末40は、出場駅の自動改札機30から受信した運賃を、媒体Mのサービスの種別に対応するチャージ金額で決済する(ステップS812)。以降、図12のシーケンスのステップS116以降と同様の処理が行われる。
上記の処理において、運賃に代えて、媒体IDおよび入場駅の情報が、利用者が出場する可能性がある駅に配信されてもよい。この場合、例えば、出場駅の自動改札機30は、運賃を導出する運賃導出部、および運賃テーブルを備える。そして、出場駅の自動改札機30は、利用者が出場する際に媒体IDを取得し、取得した媒体IDをキーとして利用者の入場駅を特定し、入場駅から当該駅までの運賃を導出する。
以上説明した第4の実施形態によれば、利用者が出場する可能性がある駅に、その駅までの運賃およびサービスの種別が配信されることで、出場駅の自動改札機30は、媒体Mが入出場用リーダライタに32に翳された後に、センタサーバ装置50に運賃を問い合わせる必要がないため、より迅速に改札処理を行うことができる。
上述した第1〜第4の実施形態の改札機システム1が利用されることによって、以下のような利点がある。(1)利用者が所持する媒体M(電子マネーカード)を使用できるため、交通利用の用途で新たな専用カードの発行不要である。また、公共交通事業者にとって、カード媒体や発行業務に関連する負担が発生しない。(2)利用者は、所持する媒体を店舗で買い物に用いることも、交通利用に用いることもできる。
(3)交通系のICカードであっても本実施形態の処理が適用され、媒体Mと同様に処理が行われる(物販利用での取り扱いとなり(決済端末40および電子マネーサーバ装置70によって処理が行われ)、交通利用スキームに乗らなくてよい(自動改札機30による運賃収受が行われない))。この場合、交通系のICカードが自動改札機30の入出場用リーダライタ32に翳された場合、入出場用リーダライタ32は、入場駅や出場駅をICカードに書込まない。また、出場駅の自動改札機30は、上述した改札機システム1のスキームを利用して、センタサーバ装置50により送信された運賃を決済端末40に送信する。そして、利用者は、決済端末40において運賃の決済を行う。
(4)交通の運賃収受に既存の決済スキーム(例えば店舗用決済端末100)を流用でき、決済に必要な機器等の新たな開発や機器の改良が不要である。(5)複数の異なる種類の媒体に対応した決済端末が実用化されているため、特定の種類の媒体に限らず利用者の持つ媒体に対応可能である。(6)媒体に金額をチャージする場合、既存施設や機器を活用できる。(7)運賃の導出と決済とが分離されるため、例えば行政等の施策に連動した新たな割引の実現や、新たな運賃体系の実現の際に、運賃導出のシステムやプログラムのみの改変で、上記の施策を実現できる。
(8)運賃の導出と決済が分離されるため、改札機システム1に対応する媒体の種類を増やす際に、決済端末のみの改変で実現できる。(9)交通運賃の収受の決済において、小売加盟店で媒体が使用された際の決済手数料と同じ決済手数料体系を適用できるため、適正な維持コスト負担で改札機システム1を運用できる。(10)交通運賃の収受でありながら、物販利用スキームが活用されるため、加盟店開拓を地元の金融機関が行えば、交通運賃の決済に関する料金等が、交通機関が存在する地元の金融機関に流入する。この結果、地元以外の地域に決済に関する料金等が流出することが抑制され、その資金を再度地元の地域内に投資することで地元の地域内で資金が循環するようになる。
(11)異なる種類の電子マネーのサービスに用いられる媒体が利用される場合であっても、サービスの種別が特定されることにより、迅速に改札処理が行われる。特に、複数のサービスの種別が1つの媒体において利用できるような媒体であっても、利用者が利用したいサービスの種別に対して改札処理を容易に行うことができる。これにより、利用者の利便性が向上すると共に、流動阻害を抑制することができる。特に、出場駅における流動阻害を抑制することができる。
以上の説明では、交通システムが鉄道に利用される例について説明したが、交通システムはバスについても適用されてもよい。この場合、例えば、バスの乗降口には、自動改札機30と同様の機能構成を有する管理装置が設けられる。管理装置は、「第1の装置」または「第2の装置」の一例である。また、この管理装置は、更に運転手の操作に基づいて出力される現在バスが存在する停留所の識別情報を取得する機能、またはGPS衛星などから自装置の現在地を取得する位置測位部などを備える。また、バスの乗降口には、決済端末40が設けられる。また、センタサーバ装置50は、乗車時の停留所の識別情報と降車時の停留所の識別情報との区間に対する運賃が対応付けられた運賃テーブルや、乗車時の位置情報と降車時の位置情報との区間に対する運賃が対応付けられた運賃テーブルを備える。例えば、利用者がバスに乗車および降車する際、入出場用リーダライタ32に媒体Mを翳す。センタサーバ装置50の情報管理部54は、乗降車の際に管理装置から送信された媒体ID、乗車時の停留所の識別情報、および時刻と、媒体ID、降車時の停留所の識別情報、および時刻とを取得し、取得した情報と、運賃テーブルとに基づいて、利用者が支払う運賃を導出し、導出した運賃を管理装置に送信する。これにより、利用者は、決済端末40において、決済を行うことができる。なお、交通システムは、鉄道、バスに限らず、路面電車や、バス・ラピッド・トランジット(BRT;Bus rapid transit)、フェリー、航空機、ロープウェイなどの交通システムに適用することができる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、入場駅に設けられた自動改札機(第1の装置)30であって、鉄道の利用者により翳された媒体Mと通信して識別情報を取得する入出場用リーダライタ32、および入出場用リーダライタ32により取得された識別情報をセンタサーバ装置50に送信する第1通信部(対センタサーバ通信部34A、対決済端末通信部34B、および通信制御部36)を有する自動改札機30と、出場駅に設けられた自動改札機(第2の装置)30であって、鉄道の利用者により翳された媒体Mと通信して識別情報を取得する入出場用リーダライタ32、および、少なくともセンタサーバ装置50により送信されたサービスの種別を受信し、少なくとも受信したサービスの種別の情報を、鉄道の利用運賃を決済する決済端末40に送信する第2通信部(対センタサーバ通信部34A、対決済端末通信部34B、および通信制御部36)を有する自動改札機30と、センタサーバ装置50であって、少なくとも第2通信部により送信された識別情報で識別情報とサービスの種別とが対応付けられた入出場管理テーブル64を検索して、交通機関の利用に際して支払に使用されるサービスの種別の情報を取得し、センタサーバ側通信部52に、少なくとも取得したサービスの種別の情報を出所駅の自動改札機30に送信させる情報処理部54を有するセンタサーバ装置50とを持つことにより、利用者にとっての利便性を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。