JP2022137424A - 販売促進システム、販売促進方法、及び、販売促進プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】サービスの販売を効果的に促進することが可能な販売促進システムを提供する。【解決手段】特典付与装置1は、イベントが行われる施設の施設情報と、チケットの購入時価格情報と、利用者IDと、を受け付ける予約受付処理部111と、利用者が鉄道を利用したか否かを判定する利用駅特定処理部114と、イベント開催日時におけるサービスの現在価格情報を取得する価格情報取得処理部115と、現在価格情報と購入時価格情報に基づき特典の付与に係る差額を算出する差額算出処理部116と、差額に対応する差額情報を外部に出力する通信I/F13と、を含み、利用者端末は、差額情報に基づき価格情報を提示する。【選択図】図2
Description
本発明は、例えば、電子チケット等の商品の販売促進システム、販売促進方法、及び、販売促進プログラムに関する。
例えば、芝居、コンサート、或いは、スポーツ競技等のイベントのチケット(イベントチケット)を可能な限り多く販売するため、イベントの主催者は、マスメディアやインターネットサイトなどを利用した宣伝広告を行うのが一般的である。
また、後掲の特許文献1(段落0025など)には、チケットの購入者に、ゲームコンテンツに係るゲーム情報記憶手段を、チケットの購入の特典として与え、チケットの販売を促進することが開示されている。さらに、同じく後掲の特許文献2(段落0033など)には、自動券売機から乗車券を購入する際、所定の楽曲データも同時に購入できるようにすることが開示されている。
ところで、サービスの利用者(例えば芝居の観客等)の多くは、鉄道などの公共交通機関を利用して、当該サービスが提供されるイベント施設に来場する。また、鉄道には、地方と大都市とを結んでいるものもあることから、鉄道は、例えばイベント施設の周辺に住むような利用者のみでなく、地理的に広範囲の居住者をイベント施設に運ぶことが可能である。このため、鉄道の利用者に対し、イベント施設への来場を効果的に促すことができれば、イベントチケットの販売促進を効果的に行うことができると考えられる。
本発明の目的は、サービスの販売を効果的に促進することが可能な販売促進システム、販売促進方法、及び、販売促進プログラムを提供することにある。
(1)販売促進システムは、利用者が購入したサービスに係る価格情報を前記利用者に提示する提示装置と、前記価格情報に基づき特典を付与する特典付与装置と、を有する販売促進システムであって、
前記特典付与装置は、
前記購入したサービスに対応する購入サービス情報と、前記購入したサービスの購入時の価格である購入時価格に対応する購入時価格情報と、前記利用者に対応する利用者識別情報と、を受け付ける受付処理部と、
前記購入したサービスに対応するサービス対応日時に前記利用者が鉄道を利用したか否かを判定する判定処理部と、
前記サービス対応日時における前記購入したサービスの価格である現在価格に対応する現在価格情報を取得する取得処理部と、
前記取得処理部が取得した前記現在価格情報と前記購入時価格情報に基づき前記特典の付与に係る差額を算出する算出処理部と、
前記算出された差額に対応する差額情報を前記提示装置に提示する出力部と、を含む。
(2)また、販売促進システムにおいて、前記判定処理部は、前記利用者が前記鉄道の改札機を通過したことによって前記鉄道の利用を判定する。
(3)また、販売促進システムにおいて、前記鉄道は、前記サービスの購入先と対応付けられている。
(4)また、販売促進システムにおいて、前記判定処理部は、前記サービスに対応付けられた特定の鉄道を利用したことを判定した場合に鉄道の利用を判定する。
(5)また、販売促進システムにおいて、前記購入時価格よりも前記現在価格が安い場合に、前記差額と前記判定処理部の判定結果とに基づき特典を付与する特典与部を更に含む。
(6)また、販売促進システムにおいて、前記現在価格が前記購入時価格よりも高い場合には前記特典は付与されない。
(7)また、販売促進システムにおいて、前記判定処理部が、前記利用者が前記サービス対応日時に前記鉄道を利用していないと判定した場合には、前記特典が付与されない。
(8)また、販売促進システムにおいて、前記サービス対応日時は、前記サービスが提供される日時に基づいて算出された時間幅である。
(9)また、販売促進システムにおいて、前記現在価格は、前記サービスの予約率に応じて変動する価格である。
(10)また、販売促進システムにおいて、前記現在価格は、前記鉄道の改札機を入った時点の価格または出る時点の価格のいずれか低い方である。
(11)また、販売促進システムにおいて、前記現在価格は、前記鉄道の改札機を入った時点の価格または出る時の価格のいずれか高い方である。
(12)また、販売促進システムにおいて、前記現在価格は、所定条件に基づき日ごとに決められた金額である。
(13)また、販売促進方法は、利用者が購入したサービスに係る価格情報を前記利用者に提示する提示装置と、前記価格情報に基づき特典を付与する特典付与装置と、を用いる販売促進方法であって、
前記特典付与装置は、
前記購入したサービスに対応する購入サービス情報と、前記購入したサービスの購入時の価格である購入時価格に対応する購入時価格情報と、前記利用者に対応する利用者識別情報と、を受け付け、
前記購入したサービスに対応するサービス対応日時に前記利用者が鉄道を利用したか否かを判定し、
前記サービス対応日時における前記購入したサービスの価格である現在価格に対応する現在価格情報を取得し、
取得した前記現在価格情報と前記購入時価格情報に基づき差額を算出し、
前記算出された差額に対応する差額情報を前記提示装置に提示する。
(14)また、販売促進プログラムは、利用者が購入したサービスに係る価格情報を前記利用者に提示する提示装置と、前記価格情報に基づき特典を付与する特典付与装置と、を有する販売促進システムに実行させる販売促進プログラムであって、
前記特典付与装置に、
前記購入したサービスに対応する購入サービス情報と、前記購入したサービスの購入時の価格である購入時価格に対応する購入時価格情報と、前記利用者に対応する利用者識別情報と、を受け付け、
前記購入したサービスに対応するサービス対応日時に前記利用者が鉄道を利用したか否かを判定し、
前記サービス対応日時における前記購入したサービスの価格である現在価格に対応する現在価格情報を取得し、
取得した前記現在価格情報と前記購入時価格情報に基づき差額を算出し、
前記算出された差額に対応する差額情報を前記提示装置に提示する処理を実行させる。
前記特典付与装置は、
前記購入したサービスに対応する購入サービス情報と、前記購入したサービスの購入時の価格である購入時価格に対応する購入時価格情報と、前記利用者に対応する利用者識別情報と、を受け付ける受付処理部と、
前記購入したサービスに対応するサービス対応日時に前記利用者が鉄道を利用したか否かを判定する判定処理部と、
前記サービス対応日時における前記購入したサービスの価格である現在価格に対応する現在価格情報を取得する取得処理部と、
前記取得処理部が取得した前記現在価格情報と前記購入時価格情報に基づき前記特典の付与に係る差額を算出する算出処理部と、
前記算出された差額に対応する差額情報を前記提示装置に提示する出力部と、を含む。
(2)また、販売促進システムにおいて、前記判定処理部は、前記利用者が前記鉄道の改札機を通過したことによって前記鉄道の利用を判定する。
(3)また、販売促進システムにおいて、前記鉄道は、前記サービスの購入先と対応付けられている。
(4)また、販売促進システムにおいて、前記判定処理部は、前記サービスに対応付けられた特定の鉄道を利用したことを判定した場合に鉄道の利用を判定する。
(5)また、販売促進システムにおいて、前記購入時価格よりも前記現在価格が安い場合に、前記差額と前記判定処理部の判定結果とに基づき特典を付与する特典与部を更に含む。
(6)また、販売促進システムにおいて、前記現在価格が前記購入時価格よりも高い場合には前記特典は付与されない。
(7)また、販売促進システムにおいて、前記判定処理部が、前記利用者が前記サービス対応日時に前記鉄道を利用していないと判定した場合には、前記特典が付与されない。
(8)また、販売促進システムにおいて、前記サービス対応日時は、前記サービスが提供される日時に基づいて算出された時間幅である。
(9)また、販売促進システムにおいて、前記現在価格は、前記サービスの予約率に応じて変動する価格である。
(10)また、販売促進システムにおいて、前記現在価格は、前記鉄道の改札機を入った時点の価格または出る時点の価格のいずれか低い方である。
(11)また、販売促進システムにおいて、前記現在価格は、前記鉄道の改札機を入った時点の価格または出る時の価格のいずれか高い方である。
(12)また、販売促進システムにおいて、前記現在価格は、所定条件に基づき日ごとに決められた金額である。
(13)また、販売促進方法は、利用者が購入したサービスに係る価格情報を前記利用者に提示する提示装置と、前記価格情報に基づき特典を付与する特典付与装置と、を用いる販売促進方法であって、
前記特典付与装置は、
前記購入したサービスに対応する購入サービス情報と、前記購入したサービスの購入時の価格である購入時価格に対応する購入時価格情報と、前記利用者に対応する利用者識別情報と、を受け付け、
前記購入したサービスに対応するサービス対応日時に前記利用者が鉄道を利用したか否かを判定し、
前記サービス対応日時における前記購入したサービスの価格である現在価格に対応する現在価格情報を取得し、
取得した前記現在価格情報と前記購入時価格情報に基づき差額を算出し、
前記算出された差額に対応する差額情報を前記提示装置に提示する。
(14)また、販売促進プログラムは、利用者が購入したサービスに係る価格情報を前記利用者に提示する提示装置と、前記価格情報に基づき特典を付与する特典付与装置と、を有する販売促進システムに実行させる販売促進プログラムであって、
前記特典付与装置に、
前記購入したサービスに対応する購入サービス情報と、前記購入したサービスの購入時の価格である購入時価格に対応する購入時価格情報と、前記利用者に対応する利用者識別情報と、を受け付け、
前記購入したサービスに対応するサービス対応日時に前記利用者が鉄道を利用したか否かを判定し、
前記サービス対応日時における前記購入したサービスの価格である現在価格に対応する現在価格情報を取得し、
取得した前記現在価格情報と前記購入時価格情報に基づき差額を算出し、
前記算出された差額に対応する差額情報を前記提示装置に提示する処理を実行させる。
本発明によれば、サービスの販売を効果的に促進することが可能な販売促進システム、販売促進方法、及び、販売促進プログラムを提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
(販売促進システム100)
図1は、本発明の実施形態に係る販売促進システム100の一例を概略的に示している。図1に示すように、販売促進システム100は、特典付与装置1や、施設端末2、鉄道事業者サーバ3、及び、利用者端末(提示装置)4を含んでいる。
図1は、本発明の実施形態に係る販売促進システム100の一例を概略的に示している。図1に示すように、販売促進システム100は、特典付与装置1や、施設端末2、鉄道事業者サーバ3、及び、利用者端末(提示装置)4を含んでいる。
これらの特典付与装置1、施設端末2、鉄道事業者サーバ3、及び、利用者端末4は、通信網CNを介して通信可能である。通信網CNとしては、図示は省略するが、例えば、インターネット、LAN、WAN、公衆電話回線、基地局、移動体通信網、及び、ゲートウェイなどを介して相互に接続されたもの(所謂クラウドを含む)を例示できる。また、鉄道事業者サーバ3には、自動改札機(改札機)5が、鉄道事業者が運営する通信ネットワーク(不図示)を介して接続されている。
(特典付与装置1)
特典付与装置1は、少なくとも1つの施設に関する情報(購入サービス情報としての施設情報)を提供する施設情報提供サイトとしての機能を備えている。また、特典付与装置1は、上述の施設についての予約を受け付ける予約受付サイトとしての機能を備えている。ここで、「施設」について、以下では単に「施設」と称する場合のほか、「イベント施設」や、「サービス施設」、或いは、「対象施設」などと称する場合がある。
特典付与装置1は、少なくとも1つの施設に関する情報(購入サービス情報としての施設情報)を提供する施設情報提供サイトとしての機能を備えている。また、特典付与装置1は、上述の施設についての予約を受け付ける予約受付サイトとしての機能を備えている。ここで、「施設」について、以下では単に「施設」と称する場合のほか、「イベント施設」や、「サービス施設」、或いは、「対象施設」などと称する場合がある。
上述の施設としては、例えば、利用者(チケット購入者)が事前にチケットを購入して利用するものを例示できる。そして、施設として、例えば、劇場(映画館、演劇などが行われるもの)、芝居小屋、及び、コンサート会場などのように、各種のイベントが開催される施設を挙げることができる。また、その他にも施設として、展示会場(コンベンションホール)、遊園地、運動競技場(野球場、サッカー場など)、祭り会場、催事場、及び、ゴルフ場などを挙げることができる。そして、これらの施設は、イベントを開催するサービス(イベントサービス)が提供される施設であるということができる。
前述の施設情報としては、例えば、施設名、所在地、電話番号、イベント開催日時(サービス対応日時)、最寄駅(アクセス情報)、業態(ジャンル)などを例示できる。これらのうち、イベント開催日時は、イベント開始日時やイベント終了日時の情報を含む情報である。さらに、イベント開催日時は、イベント開催日における瞬間的な或る時点として定められたものではなく、時間的な幅(時間幅)をもって定められているものである。
そして、このイベント開催日時に関しては、対象となるイベントが1日のうちに開始されて終了されるものであれば、開催日を示す情報や、入場開始時刻、上演開始時刻、上演終了時刻などの日単位の情報に基づく時間幅を採用することが可能である。
さらに、イベント開催日時に関しては、当日の終電時刻が深夜(翌日の午前零時以降)である場合には、終電までの時刻や、終電から所定時間後(例えば30分後)なども含めた時間幅を定めることも可能である。また、この終電時刻については、駅ごとに異なるため、利用駅ごとに異ならせることが可能である。
さらに、イベント開催日時に関しては、対象となるイベントが、複数日に亘り行われるものであれば、上述のような日単位の情報を、複数日に亘る期間に応じて採用して時間幅を定めることが可能である。
利用者は、例えば、前述の予約受付サイトにおいて、対象となるイベントの予約を行って、イベント施設を利用するためのチケット(利用券、参加券など)を購入する。予約は、対象施設に対する予約であってもよく、或いは、目的のイベントに対する予約であってもよい。また、チケットは、電子データであってもよく、或いは、印刷がされた紙媒体などであってもよい。
本実施形態では、チケットの価格には、チケット販売事業者等により予め定められた価格(定価)があるものとする。また、チケットは、常に定価で販売されるわけではなく、チケットの価格は、定価以外の価格に変動する場合があるものとする。さらに、利用者によるチケットの購入は、定価で行われる場合や、定価とは異なった価格で行われる場合があるものとする。
そして、チケットの価格を変動させるにあたり、チケットの価格は、例えば、チケット販売事業者や、イベントの主催に係る者等が、人為的に決定するものとすることができる。また、これに限らず、チケットの価格は、コンピュータの演算処理等により、予め定められたパラメータに基づいて自動的に決定されるものとすることもできる。
上述の予め定められたパラメータとしては、例えば、チケットの残数、イベントの開催時間帯、イベント施設の立地、及び、イベントの開催日における天候などの各種の要素や、これらの要素の組み合わせを採用することが可能である。また、予約が可能な座席数と、チケットの残数(或いは予約済みの座席数)とを用いて、予約済の割合(予約率)を算出することが可能である。そして、上述の予め定められたパラメータとして、この予約率を採用することが可能である。
チケットの価格は、前述したように定価と、定価以外の価格とに分けて考えることができる。また、チケットの価格に関しては、この他にも、購入時の価格である購入時価格と、購入時以外の価格である非購入時価格とに分けて考えることができる。これらのうち購入時価格は、決済手段(現金、クレジットカード、プリペイド、或いは、電子マネーなど)に関わらず、利用者による決済が行われたとき(予約時を含む)の価格とすることができる。
また、非購入時価格は、購入時よりも前の時点に係る購入前価格や、購入時よりも後の時点に係る購入後価格に分けることができる。さらに、チケットの価格は、購入後にも変動するものとなっている。そして、チケットの購入が可能な期間における、その時々の時点での価格を現在価格とし、以下では主に、購入時価格と、購入後の現在価格との関係を用いて説明を行う。
購入時価格と現在価格(購入後の現在価格)とが異なる場合に、両価格の差額である価格差が生じる。そして、利用者の購入後にチケットの価格が下がり、購入時価格よりも現在価格が低くなると、利用者は購入時期について後悔し得ると考えられる。また、利用者が、購入時価格よりも現在価格が低くなることを予想して、早期の購入に消極的なイメージを抱き、チケット購入を控えることも予想される。
このため、本実施形態では、購入後に差額が発生した場合には、差額に基づき、利用者に対し所定の特典を付与するようにしている。そして、本実施形態では、購入後のチケットが価格変動した(ここでは価格の下落があった)場合には、特典付与による代償が行われる。
ここで、イベントとしては、鉄道事業者が運営や、会場提供、或いは、協賛などのように、何らかの事業上の関係をもって開催されるものが望ましい。そして、本実施形態における鉄道は、サービスの購入先(チケットを販売する側の者)と何らかの事業上の関係をもって対応付けられているものとする。
つまり、本実施形態では、後述するように、鉄道事業者が保有する鉄道利用者の情報を、チケット購入者の情報と紐づけて、チケットの差額に基づいた特典付与が行われている。鉄道事業者では、鉄道の利用者(鉄道利用者)を識別する情報(例えば後述する利用者ID)と、鉄道利用者による利用履歴の情報とを紐づけた情報(例えば後述する利用履歴情報D4など)が管理されているが、このような情報は個人情報となるものであるから、安易に第三者に提供することは好ましくない。
このため、本実施形態では、鉄道事業者とサービスの購入先とが事業上の協力関係を有することとする。例えば、鉄道事業者が、鉄道事業分野の事業セグメントに加えてイベント事業分野(或いは流通事業分野)の事業セグメントを有するような場合には、サービスの購入先と鉄道事業者とを同一事業者とすることができ、容易に協力関係を形成できると考えられる。この場合、鉄道事業者が、イベント事業(或いは流通事業)の1つとしてチケットの販売を行い、特典付与装置1を運用することが可能である。
さらに、サービスの購入先としては、イベント施設の運営事業者、イベント主催者、及び、予約受付サイトの提供事業者なども例示できる。そして、これらの事業者がサービスの購入先となる場合には、例えば法律や契約などに基づき、鉄道事業者との事業上の関係を形成して鉄道利用者の利用履歴に係る情報を使用するものとする。
そして、サービスの購入先となる者が、鉄道事業者から提供された鉄道利用者を識別する情報(後述する利用者IDなど)と、鉄道利用者による利用履歴の情報の提供を受けることができる場合には、サービスの購入先が、必要に応じてこれらの情報を取り扱うこととする。この場合の利用履歴に係る情報の具体的な取扱いについては後述する。
さらに、本実施形態では、特典付与にあたり対象となる利用者は、特定の公共交通機関を利用したものとしている。また、特定の公共交通機関としては、例えば、東京、大阪、名古屋、福岡、札幌、京都、神戸などの大都市で運営される地下鉄を採用している。
そして、本実施形態では、上述のような大都市にとって不可欠な鉄道である地下鉄の利用者を、チケット価格に係る特典付与の対象とすることで、チケットを販売し得る地理的範囲の拡大を図るとともに、利用者がチケット購入に対し、差額に起因して消極的なイメージを抱くのを防止し得るようにしている。さらに、本実施形態では、地下鉄の利用の状況に合わせて、チケット価格に係る特典付与を行えるようにしている。
このように、チケット価格の変動と、鉄道利用の状況との両方の組み合わせに基づき特典付与を行うことで、後述するように、チケットの価格変動に対する代償を、組合せ方次第できめ細かく行うことが可能となる。また、チケット価格の変動と鉄道利用の状況とを関連付けて特典を付与することにより、チケットの販売促進だけでなく、鉄道の利用促進も併せて図ることが可能となる。
図2に示すように、特典付与装置1は、制御部11、記憶部12、及び、通信I/F(出力部)13などを備えるサーバコンピュータにより構成されている。この特典付与装置1は、実施形態の一例であり、これに限られるものではない。そして、特典付与装置1は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピューターシステムであってもよい。また、特典付与装置1で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサによって分散して実行されてもよい。
さらに、特典付与装置1は、1台のサーバ装置、或いは、機能を分散した複数台のサーバ装置により構成されるものであってもよい。また、特典付与装置1は、後述する施設端末2や鉄道事業者サーバ3などに、機能上組み込まれたものであってもよい。
ここで、前述した購入時価格、現在価格、及び、差額(価格差)などの金銭価格に対応した情報は、コンピュータ等の情報処理装置での処理に用いられる場合には、購入時価格情報、現在価格情報、及び、差額情報として取り扱われるものである。そして、これらの情報はいずれも、本実施形態における価格情報に該当する。
通信I/F13は、特典付与装置1を有線又は無線で外部の通信網CNに接続した通信インターフェースである。この通信I/F13は、通信網CNを介して、施設端末2、鉄道事業者サーバ3、及び、利用者端末4などの外部機器との間で、所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。そして、この通信I/F13は、後述するように利用者端末4で差額情報に係る特典の表示等を行えるようにするため、利用者端末4に向けて出力する。なお、通信I/F13は、特典の付与に係る差額を利用者端末4に表示可能な情報として出力する他、データとして利用者端末4に送信してもよい。すなわち、通信I/F13は、特典の付与に係る差額を利用者端末4に提示する。
記憶部12は、各種の情報を記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、又は、SSD(Solid State Drive)などを含む不揮発性の記憶部である。記憶部22には、プロセッサ(ここでは制御部11)における処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、及び、データ等が記憶されている。
記憶部12に記憶される情報には、施設情報D1、チケット情報D2、及び、特典情報D3などがある。図6は、施設情報D1の一例を示しており、図7は、チケット情報D2の一例を示している。また、図8は、特典情報D3の一例を示している。
これらの情報のうち、図6に示す施設情報D1には、前述の施設情報提供サイトに登録されている複数の施設に関する情報が登録される。施設情報D1には、施設ごとに、対応する「施設ID」、「施設名」、「所在地」、「最寄駅」、「業態」、「利用日」などの情報が登録される。
さらに、これらの情報のうち「施設ID」は、イベント施設を識別するための識別情報である。「施設名」は、イベント施設の名称である。「所在地」は、イベント施設の所在地を示す。「最寄駅」は、イベント施設に最も近い駅を示す。なお、「最寄駅」に、複数の鉄道事業者ごとに、イベント施設に最も近い駅が記憶されていてもよい。
「業態」は、イベント施設で開催されるイベントの内容を示すジャンルである。「利用日」は、イベント施設が利用される日(又は日時)、すなわちイベントの開催日(又は開催日時)を示す。例えば、「利用日」には、イベント開始日時及びイベント終了日時が登録される。
図7に示すチケット情報D2には、利用者が予約受付サイトにおいて購入したチケットに関する情報が登録される。チケット情報D2には、予約受付サイトにおいて利用者により購入されたチケットごとに、対応する「利用者ID」、「施設ID」、「購入日時」、「購入時価格」、「利用日」などの情報が登録される。
これらの情報のうち「利用者ID」は、予約を申し込み、チケットを購入した利用者の識別情報(利用者識別情報)である。「施設ID」は、利用者が予約を申し込み、利用するイベント施設の識別情報である。「購入日時」は、チケットが購入された日時、すなわちチケットの代金に関する決済が完了した日時である。
「購入時価格」は、チケットの決済代金の価格であり、利用者が支払った金額である。「利用日」は、イベント施設が利用される日(又は日時)、すなわちイベントの開催日(又は開催日時)を示す。例えば、「利用日」には、イベント開始日時及びイベント終了日時が登録される。
図8に示す特典情報D3には、鉄道を利用した利用者に対し付与される特典に関する情報が登録される。特典情報D3には、利用者に対して特典を付与する施設ごとに、「施設ID」、「特典ID」、「特典付与条件」などの情報が登録される。
これらの情報のうち「施設ID」は、施設を識別するための識別情報である。「特典ID」は、鉄道の利用者に付与される特典を識別するための識別情報である。特典としては、例えば、金銭的価値を有するポイント(マイルなどを含む)が付与される特典が採用されている。この特典としては、例えば、チケットの購入のインセンティブ(動機、誘因などの一般的な意味)を需要者に与えることが可能な各種のものを採用することが可能である。
また、特典としては、チケットの購入金額が割引になる特典、及び、鉄道の利用料金(乗車料金)が割引になる特典、割引クーポンのようなクーポンが付与される特典などといったものも採用が可能である。
「特典付与条件」は、利用者に特典が付与される条件である。この特典付与条件は、利用者がサービス対応日時に鉄道を利用していることとなっており、利用者がサービス対応日時に鉄道を利用していないと判定された場合には、特典が付与されない。そして、特典付与条件は、例えば、「イベント施設のチケットを購入した利用者が、イベント開催日に鉄道を利用してイベント施設の最寄駅で降車したこと」、「イベント施設のチケットを購入した利用者が、イベント開催日に鉄道を利用してイベントの終了時刻より前にイベント施設の最寄駅を降車したこと」、「イベント施設のチケットを購入した利用者が、イベント開催日に鉄道を利用してイベント施設の最寄駅で降車し、その後、所定時間、イベント施設に滞在したこと」などである。
なお、施設情報D1、チケット情報D2、及び、特典情報D3の一部又は全部が、特典付与装置1から通信網CNを介してアクセス可能な他のサーバに記憶されてもよい。この場合、特典付与装置1の制御部11は、必要に応じてサーバから各種の情報を取得して、後述の特典付与処理(図10参照)などの各処理を実行してもよい。
また、施設情報D1、チケット情報D2、及び、特典情報D3の一部又は全部が、施設端末2に記憶されてもよい。この場合、特典付与装置1の制御部11は、必要に応じ施設端末2から各種の情報を取得して、後述の特典付与処理(図10参照)などの各処理を実行してもよい。また、施設情報D1、チケット情報D2、及び、特典情報D3の一部又は全部が、特典付与装置1と施設端末2の両方に記憶されてもよい。
前述した記憶部12には、制御部11に後述の特典付与処理(図10参照)を実行させるための特典付与プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。特典付与プログラムは、例えば、CD又はDVDなどのコンピュータによる読取りが可能な記録媒体に記録されており、特典付与装置1が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM、及び、RAMなどの制御機器を有する。CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。ROMは、CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS(Basic Input Output System)及びOS(Operating System)などの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムをCPUで実行することにより特典付与装置1を制御する。
制御部11は、図2に示すように、予約受付処理部(受付処理部)111、施設取得処理部112、利用履歴取得処理部113、利用駅特定処理部(判定処理部)114、チケットの現在価格に係る情報(現在価格情報)を取得する価格情報取得処理部(取得処理部)115、購入時価格と現在価格との差額に対応した差額情報を算出する差額算出処理部(算出処理部)116、及び、利用者に差額に基づいた特典を付与する特典付与処理部117などの各種の処理部を含む。
ここで、制御部11は、前述のCPUで特典付与プログラムに従った各種の処理を実行し、上述した各種の処理部として機能する。制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、特典付与プログラムは、複数のプロセッサを各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
前述の予約受付処理部111は、利用者が、前述の予約受付サイトにおいてチケットの予約(購入)を行った場合に、チケットに対応するイベント施設についての予約を受け付ける。そして、予約受付処理部111は、図7に示す「利用者ID」、「施設ID」、「購入日時」、「購入時価格」、「利用日」などの情報を取得し、チケット情報D2の元データとなるよう、これらの情報を記憶する処理を行う。
施設取得処理部112は、チケットを購入した利用者が利用するイベント施設の施設情報を取得する。例えば、施設取得処理部112は、利用者が予約受付サイトにおいて目的のイベント施設の予約を行ってチケットを購入した場合に、施設情報D1(図6参照)を参照して、イベント施設の施設情報を取得する。
利用履歴取得処理部113は、利用者が利用した鉄道の利用履歴情報を取得する。利用履歴取得処理部113は、例えば、鉄道事業者サーバ3から利用者の鉄道の利用履歴情報を、通信網CNを通じて受信する。図9は、鉄道事業者サーバ3の記憶部32に記憶される利用履歴情報D4の一例を示している。
利用履歴情報D4には、過去に鉄道を利用した利用者及びその乗車区間に関する情報が登録される。利用履歴情報D4には、利用者が鉄道を利用するごとに、「利用者ID」、「乗車駅」、「乗車日時」、「降車駅」、「降車日時」などの情報が記録される。これらの情報は、鉄道の各駅に設置された自動改札機5で読み取られたICカード(図示略)の情報に基づいて、利用履歴情報D4として記録される。
ここで、上述のICカードは、鉄道事業者が発行する所謂交通系ICカードであり、定期券の機能や、電子マネー機能を有する価値媒体である。また、ICカードは、この他に、クレジットカード機能や、身分証明書機能などを備えたものであってもよい。
なお、ここでは説明が煩雑にならないよう、ICカードを例として説明するが、ICカードを、交通系ICカードの機能を発揮するアプリケーションソフト(以下では「交通系ICカードアプリ」と称する)がインストールされた利用者端末4等に置き換えてもよい。この場合の利用者端末4等は、交通系ICカードをモバイル化し、利用者ID等の情報を使用して交通系ICカードと同様の機能を発揮するものであるということができる。
利用履歴情報D4における各種の情報のうち「利用者ID」は、前述のように、予約を申し込んでチケットを購入した利用者の識別情報である。そして、「利用者ID」は、鉄道の利用者(すなわち、ICカードの所有者)を識別するための識別情報である。この「利用者ID」としては、利用者個人を識別できる情報(個人ID)のほか、例えば、ICカードに割り当てられているICカードごとの識別情報(ICカードID)を利用することも可能である。また、個人IDとICカードIDの両方を用いて特典付与を行ってもよい。
「乗車駅」は、利用者が列車に乗車した駅である。「乗車日時」は、利用者が列車に乗車した日時(より正確には、乗車駅に設置された自動改札機5でICカードが読み取られた日時)である。「降車駅」は、利用者が列車から降車した駅である。「降車日時」は、利用者が列車から降車した日時(より正確には、降車駅に設置された自動改札機5でICカードが読み取られた日時)である。
利用履歴取得処理部113は、施設の利用者を識別するための識別情報(例えば、利用者IDなど)を鉄道事業者サーバ3に送信する。鉄道事業者サーバ3は、利用履歴情報D4の中から識別情報(利用者IDなど)に対応する利用者の利用履歴情報を抽出して、特典付与装置1に送信する。
例えば、利用履歴取得処理部113は、施設情報D1(図6参照)及びチケット情報D2(図7参照)を参照し、現在日が施設の利用日(イベント開催日)に一致するレコードの利用者IDを取得して、当該利用者IDを鉄道事業者サーバ3に送信する。鉄道事業者サーバ3は、利用者IDを受信すると、利用履歴情報D4の中から利用者IDに対応する利用履歴情報D4(図9参照)を抽出して、特典付与装置1に送信する。
ここで、利用履歴取得処理部113は、現在の日時(現在日時)が施設のイベント開始日時より所定時間前(例えば、3時間前、24時間前など)となるレコードの利用者IDを鉄道事業者サーバ3に送信し、利用者IDに対応する利用履歴情報を取得してもよい。
なお、利用履歴取得処理部113は、利用者端末4において周期的に記録されるGPS(Global Positioning System)などの位置情報(すなわち、利用者端末4の移動経路を示す情報)を、鉄道の利用履歴情報として利用者端末4から受信してもよい。そして、利用履歴取得処理部113は、位置情報に基づいて、乗車駅、乗車日時、降車駅、降車日時などを判定してもよい。この場合、利用履歴取得処理部113は、位置情報に基づいて利用者端末4の移動速度を算出し、利用者端末4の移動経路と移動速度とに基づいて、利用者が鉄道を利用したか否かを判定してもよい。
また、駅の構内に掲示された二次元コード(例えば、駅の識別情報を含む二次元コード)が、利用者端末4のカメラ(不図示)で撮影されてもよい。そして、利用履歴取得処理部113は、二次元コードに含まれる情報を、鉄道の利用履歴情報として利用者端末4から受信してもよい。
利用駅特定処理部114は、利用履歴取得処理部113により取得される鉄道の利用履歴情報に基づいて、施設の利用日に利用者が降車した降車駅を特定する。施設の利用日は、施設取得処理部112により取得された施設情報D1(図6参照)に含まれる。また、利用駅特定処理部114は、利用者の乗車駅から降車駅までの利用区間を特定する。ここで、図2に示す例では、利用履歴取得処理部113と利用駅特定処理部114とが、別なブロックにより分けて記載されているが、利用履歴取得処理部113を、利用駅特定処理部に含まれるものとすることも可能である。
価格情報取得処理部115は、各種の価格情報を取得する。ここで取得される価格情報は、購入時価格情報や現在価格情報である。取得される現在価格情報の詳細については後述する。
差額算出処理部116は、取得された価格情報や購入時価格情報を用いて、購入時価格と現在価格との差額(購入時価格-現在価格)を算出する。さらに、差額算出処理部116は、求められた差額が0以外であるか否かを判定し、差額が0でない場合には、その差額が正(プラス)の値であるのか、或いは、負(マイナス)の値であるのかを判定する。また、差額算出処理部116は、差額と、予め定められた所定金額との対比なども行う。
次に、特典付与処理部117は、利用履歴取得処理部113により取得される鉄道の利用履歴情報や、図8に示す特典情報D3に基づいて、チケットを購入した利用者に特典を付与する。
利用者に付与される特典としては、前述したように、金銭的価値を有するポイント(マイルなどを含む)が付与される特典を例示することができる。また、これ以外に、例えば、チケットの購入金額が事後的に割引になる特典、及び、鉄道の利用料金(乗車料金)が割引になる特典などといった種々のものを例示できる。
例えば、特典付与処理部117により利用者に付与される特典が、ポイントが付与される特典である場合、特典付与処理部117は、前述した購入時価格と現在価格の差額に相当するポイントの情報を、鉄道事業者サーバ3に送信する。これにより、鉄道事業者サーバ3は、利用者が次回鉄道を利用する際にICカード等にポイントを加算する。
なお、特典付与処理部117により利用者に付与される特典が、チケットの購入金額が事後的に割引になる特典である場合、特典付与処理部117は、購入金額の一部(例えば1割)に相当する金額を利用者に返金(キャッシュバック)する。また、特典付与処理部117は、返金する金額を利用者の指定口座に振り込む。
また、特典付与処理部117により利用者に付与される特典が、鉄道の利用料金(乗車料金)が割引になる特典である場合、特典付与処理部117は、乗車料金の一部(例えば1割)に相当する金額を利用者に返金する。そして、特典付与処理部117は、返金する金額を示す情報を鉄道事業者サーバ3に送信する。これにより、鉄道事業者サーバ3は、利用者が次回鉄道を利用する際にICカード等に金額を返金(チャージ)する。
ここで、特典を、現金(プリペイドや電子マネーなども含む)とは切り分けて考え、第三者により特典が現金であるような解釈がされる余地のないもの(或いは少ないもの)とすることも可能である。その場合には、前述したポイント(マイルを含む)を特典とすることが有効である。そして、このポイントを、特定の事業者に係る店舗(電子商取引の店舗を含む)でのみ買い物に使用できるものとすることが考えられる。また、現金以外の特典としては、特定の物品との引換券となる電子データなども例示できる。
さらに、現在価格については、以下に説明するように、所定の現在価格決定条件が成立した場合のチケット価格を現在価格として採用することが可能である。
例えば、駅の自動改札機5の利用時刻におけるチケット価格を現在価格として採用する。自動改札機5の利用時刻としては、例えば、乗車駅の自動改札機5を使用した時点(改札機を入った時点)の価格、または、降車駅の自動改札機5を使用した時点(改札機を出る時点)の価格を利用することが可能である。この場合、乗車駅及び降車駅のうちのいずれか一方を使用することで、現在価格決定条件が成立する。
さらに、現在価格を、乗車駅の自動改札機5を利用した時点の価格、及び、降車駅の自動改札機5を利用した時点のチケット価格の相関に基づいて定めることも可能である。例えば、双方の価格のうちのいずれか低い方を、現在価格として採用することが可能である。また、これに限らず、例えば、双方の価格のうちのいずれか高い方を、現在価格として採用することも可能である。
この場合、乗車駅を使用した時点と、降車駅を使用した時点のそれぞれでチケット価格の情報が特典付与装置1により取得され、それぞれのチケット価格が比較されて、いずれか何れか低い方(或いはいずれか高い方)が決定されることで、現在価格決定条件が成立する。
さらに、現在価格は、自動改札機5の利用時点におけるチケット価格に限るものではなく、日ごとに(日単位で)決められた金額とすることも可能である。例えば、現在価格を、イベント開催日の前日までにおける予約済みのチケットの割合(前述の予約率)に応じて決まるものとすることも可能である。この場合には、チケットの売れ行きが良く、予約率が高い場合には現在価格を相対的に高くし(例えば定価の9割などとし)、チケットの売れ行きがさほど良くなく、予約率が低い場合には現在価格を相対的に低くする(例えば定価の6割などとする)といったことが可能である。
そして、予約率の決定タイミングとしては、1日のうちの決まった時刻を採用することが可能である。さらに、1日のうちの決まった時刻としては、例えば、午前0時00分、午前10:00分、午後0時00分、18時00分、22時00分などのうちの1つ、或いは複数を採用することが可能である。この場合、予約率の決定タイミングが到来することで、現在価格決定条件が成立する。
また、現在価格については、予約されたチケットとの関係に基づいて定めることが可能である。例えば、現在価格を、チケットの予約をキャンセルできなくなった時点(キャンセル時間切れ時刻)の価格とすることが可能である。この場合、キャンセル時間切れ時刻が、イベント開催日当日の午前0時00分に定められているとすれば、当該時点に達したことで、現在価格決定条件が成立する。
これらのような各種の現在価格決定条件のうちのいずれかを採用し、現在価格決定条件が成立すると、現在価格情報が、例えば特典付与装置1において登録される。現在価格情報の登録は、現在価格登録処理(図11参照)により行われるが、現在価格登録処理については後述する。
現在価格情報の登録にあたっては、前述の現在価格決定条件のいずれを採用した場合も時刻の参照が行われるが、時刻の参照にあたっては、リアルタイムクロック(カレンダークロックなどともいう)による時計機能を利用することが可能である。このリアルタイムクロックとしては、コンピュータが一般的に備えているリアルタイムクロックを利用できる。
本実施形態においては、現在価格情報が登録される特典付与装置1のリアルタイムクロックを利用することが可能である。そして、リアルタイムクロックの計時による時刻が、前述した自動改札機5の利用時刻や、予約率の決定タイミング、或いは、キャンセル時間切れ時刻などに達した場合の現在価格を、差額の計算のために採用することが可能である。
なお、現在価格情報の登録先は、特典付与装置1に限らず、例えば、施設端末2や鉄道事業者サーバ3、或いは、その他の機器であってもよい。
続いて、特典付与処理部117は、チケットの購入時価格と現在価格との差額を判定する。さらに、特典付与処理部117は、差額が所定値以上であれば、更に特典情報D3(図8参照)の特典付与条件が満たされた場合に、利用者に特典を付与する。
チケットの購入時価格と現在価格との関係としては、購入時価格と現在価格との差が利用される。このことは、現在価格が、人為的に決定される場合も、或いは、自動的に決定される場合も同様である。例えば、チケットの定価が定められており、チケットの価格が定価に対して上下する場合、チケットの定価を示す情報(定価情報)が、特典付与装置1に入力され、記憶部12に記憶される。さらに、チケットの現在価格も、特典付与装置1に入力され、記憶部12に記憶される。
定価情報や現在価格の入力は、特典付与装置1や施設端末2から行うことが可能である。また、鉄道事業者に、定価情報や現在価格の入力を行うことが可能な入力装置(不図示)を配置することも可能である。また、図示は省略するが、イベントを主催する主催業者に、定価情報や現在価格の入力を行うことが可能な入力装置を配置することも可能である。
特典付与処理部117は、購入時価格と現在価格との差額(購入時価格-現在価格)を算出し、求められた差額が、0ではなく、且つ、正(プラス)の値であり、更に所定金額(例えば1円、10円、100円、又は、1000円など)以上であることが判定された場合に、差額判定条件(後述する)が満たされた旨の判定を行う。さらに、差額判定条件が満たされた場合に、特典付与条件が満たされたか否かの判定を行い、特典付与条件が満たされていれば、前述のような特典の付与を実行する。
特典付与条件は、前述したように、利用者がサービス対応日時に鉄道を利用していることとなっており、利用者がサービス対応日時に鉄道を利用していないと判定された場合には、特典が付与されない。
例えば、特典付与条件を「チケットを購入した利用者が、利用日(イベント開催日)に鉄道を利用してイベント施設の最寄駅で降車したこと」とすることが可能である。この場合、特典付与処理部117は、利用駅特定処理部114により特定された降車駅が、施設情報に含まれるイベント施設の最寄駅である場合に、利用者に特典を付与する。
ここでいう最寄駅は、チケットを購入した利用者が、イベント施設の利用日(イベント開催日)において降車した駅である。利用者がイベント開催日の当日に上述の最寄駅を降車した場合には、利用者がイベント施設に来訪する可能性が高いと判断できる。このため、当該特典付与条件が満たされた場合には、特典付与処理部117は利用者に特典を付与する。また、イベント開催日を特典付与条件に加えることにより、通勤、通学などで鉄道を日常的に利用している利用者に対して特典が無制限に付与されてしまうことを防止できる。
なお、最寄駅に複数の鉄道路線が乗り入れており、当該最寄駅で降車するために複数の鉄道を利用可能な場合には、「特定の鉄道を利用したこと」を、このときの特典付与条件に加えてもよい。これにより、特定の鉄道の利用者数を増加させることができる。
この他にも、特典付与条件は、例えば、「チケットを購入した利用者が、利用日(イベント開催日)に鉄道を利用してイベント終了時刻より前にイベント施設の最寄駅を降車したこと」であってもよい。
すなわち、特典付与処理部117は、利用者が最寄駅を降車した日時がイベント開催中(イベント開始日時からイベント終了日時の間)である場合に、利用者に特典を付与する。利用者がイベント終了前に最寄駅を降車した場合には、利用者がイベント施設に来訪する可能性が高いと判断できる。このため、当該特典付与条件が満たされた場合には、特典付与処理部117は利用者に特典を付与する。
このように、特典付与処理部117は、イベント施設の利用日時(例えばイベント開催日時)と、利用者がイベント施設の最寄駅で降車した日時とが、予め定められた条件を満たすことを条件として利用者に特典を付与してもよい。
ところで、通勤、通学などでイベント施設の最寄駅を利用している利用者が、休憩時間にイベント施設を利用する場合も想定される。このような場合、イベント開始日時と最寄駅で降車した日時との間に大きな時間差が生じることがある。一方、利用者が、イベント施設に来訪するためだけに最寄駅を利用した場合、イベント開始日時と最寄駅で降車した日時との間に大きな時間差は生じない。
そこで、特典付与処理部117は、例えば、イベント開始日時と利用者がイベント施設の最寄駅で降車した日時との時間差が、予め定められた閾値以下であることを条件として、利用者に特典を付与してもよい。これにより、通勤、通学などで最寄駅を日常的に利用している利用者(すなわち、鉄道の利用者数の増加には貢献しないような利用者)への特典の付与が抑制されるので、鉄道の利用者数を効率良く増加させることが可能である。なお、この場合の閾値は、イベント施設ごとに個別に設定されてもよい。例えば、閾値が、イベント施設と最寄駅との間の距離又は道程などの情報に応じて設定又は変更されてもよい。
また、特典付与条件は、例えば、「チケットを購入した利用者が、イベント開催日に鉄道を利用してイベント施設の最寄駅で降車し、その後、所定時間、イベント施設に滞在したこと」であってもよい。
すなわち、特典付与処理部117は、利用者が最寄駅を降車してイベント施設に来訪し、イベント施設を利用した場合に、利用者に特典を付与する。この場合、特典付与処理部117は、利用者端末4の位置情報に基づいて、利用者が所定時間、イベント施設に滞在したか否かを判定してもよい。また、施設端末2が利用者のICカード又は利用者端末4を通じて入退場時刻を取得可能である場合には、特典付与処理部117は、利用者の入退場時刻の情報に基づいて、利用者が所定時間、イベント施設に滞在したか否かを判定してもよい。
特典付与処理部117は、利用者がイベント施設の利用日にイベント施設に滞在した時間(施設滞在時間)に応じて、利用者に異なる特典を付与してもよい。例えば、特典付与処理部117は、施設滞在時間が相対的に長い利用者に対して、施設滞在時間が相対的に短い利用者よりも有利な特典(例えば、チケットの購入金額の割引率を大きくするなど)を付与してもよい。これにより、鉄道及び施設の利用者数を増加させることができる。
特典付与処理部117は、利用駅特定処理部114により特定される乗車駅から降車駅までの利用区間に応じて、利用者に異なる特典を付与してもよい。利用駅特定処理部114は、利用履歴取得処理部113により取得される鉄道の利用履歴情報D4(図9参照)に基づいて、利用者が乗車した乗車駅を特定する。そして、特典付与処理部117は、利用区間が相対的に長い利用者に対して、利用区間が相対的に短い利用者よりも有利な特典(例えば、鉄道の利用料金の割引率を大きくするなど)を付与する。これにより、鉄道の利用区間がより長い利用者の数を効率良く増加させることができる。
特典付与処理部117は、利用者が最寄駅で鉄道を降車後にイベント施設を利用し、且つ、利用者がイベント施設の利用後に最寄駅で鉄道に乗車した場合に、利用者に特典を付与してもよい。
イベント施設の利用者は、イベント施設に来訪する際には鉄道を利用する一方で、イベント施設から帰宅する際には他の交通機関(バス、タクシーなど)を利用する場合がある。このような場合には、鉄道の利用者数が減少してしまう。これに対して、上述のように鉄道での降車、イベント施設の利用、及び、乗車の一連の行動に係る情報を利用することで、利用者が往復でイベント施設の最寄駅を利用したことを条件に利用者に特典を付与できる。このため、鉄道の利用者数を増加させることができる。
なお、特典付与処理部117は、利用者が最寄駅で降車した列車の進行方向と、利用者が最寄駅で乗車した列車の進行方向とが反対方向であることを条件として、利用者に特典を付与してもよい。もしくは、特典付与処理部117は、利用者が最寄駅で降車した列車に乗車した乗車駅と、利用者が最寄駅で乗車した列車から降車した降車駅とが同一であることを条件として、利用者に特典を付与してもよい。
これにより、乗車駅から本来の目的駅へと電車で向かう途中に最寄駅で一旦降車してイベント施設を利用した利用者(鉄道の利用者数の増加には貢献しないような利用者)には特典を付与せず、最寄駅で折り返した利用者(イベント施設を利用するためだけに鉄道を利用した利用者)にのみ特典を付与することができる。これにより、鉄道の利用者数を効率良く増加させることが可能である。
特典付与処理部117は、チケットの購入日(図7の「購入日時」)に応じて、利用者に異なる特典を付与する。例えば、特典付与処理部117は、購入日が相対的に早い利用者に対して、購入日が相対的に遅い利用者よりも有利な特典(例えば、チケットの購入金額の割引率を大きくするなど)を付与してもよい。これにより、鉄道及び施設の利用者を早期に確保することができる。
特典付与処理部117は、利用者によるイベント施設の最寄駅の利用頻度が予め定められた条件を満たすことを条件として、利用者に特典を付与してもよい。例えば、特典付与処理部117は、利用者によるイベント施設の最寄駅の利用頻度(例えば、過去1ヶ月間の利用回数)が予め定められた閾値(例えば、15日)よりも低いことを条件として、利用者に特典を付与してもよい。
これにより、通勤、通学などで最寄駅を日常的に利用している利用者(すなわち、鉄道の利用者数の増加には貢献しないような利用者)への特典の付与が抑制されるので、鉄道の利用者数を効率良く増加させることが可能である。
また、本実施形態において、特典付与処理部117は、現在価格が購入時価格よりも高く、差額が負の値(マイナス)になった場合には特典を付与しないようになっている。このようにすることで、転売を目的として必要以上のチケットを購入した利用者に対して、特典が付与されるのを防止することができる。
なお、予約受付処理部111、施設取得処理部112、利用履歴取得処理部113、利用駅特定処理部114、価格情報取得処理部115、差額算出処理部116、及び、特典付与処理部117が設けられた特典付与装置1は、あくまでも一例であり、これまでに説明したものに限定されない。例えば、予約受付処理部111、施設取得処理部112、利用履歴取得処理部113、利用駅特定処理部114、価格情報取得処理部115、差額算出処理部116、及び、特典付与処理部117の一部又は全部の処理部が、施設端末2に設けられてもよい。
(施設端末2)
図3に示すように、施設端末2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び、通信I/F24などを備える。施設端末2は、施設に配置され、施設のスタッフによって操作される。施設端末2は、例えば、携帯電話、タブレット端末、タブレットPC(Personal Computer)、ウェアラブルコンピュータ等でもよい。なお、施設端末2は、スタッフごとに設けられていてもよい。例えば、1台の据置端末とスタッフが携帯する複数の携帯端末とが施設端末2として施設に配置されてもよい。
図3に示すように、施設端末2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び、通信I/F24などを備える。施設端末2は、施設に配置され、施設のスタッフによって操作される。施設端末2は、例えば、携帯電話、タブレット端末、タブレットPC(Personal Computer)、ウェアラブルコンピュータ等でもよい。なお、施設端末2は、スタッフごとに設けられていてもよい。例えば、1台の据置端末とスタッフが携帯する複数の携帯端末とが施設端末2として施設に配置されてもよい。
通信I/F24は、施設端末2を有線又は無線で通信網CNに接続した通信インターフェースである。通信I/F24は、通信網CNを介して特典付与装置1などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又は、タッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
記憶部22は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部22には、特典付与装置1との間で各種の情報を送受信するための施設端末プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、施設端末プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、施設端末2に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。
制御部21は、CPU、ROM、及び、RAMなどの制御機器を有する。CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。ROMは、CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムをCPUで実行することにより施設端末2を制御する。
制御部21は、例えば、利用者がイベント施設に来訪した際に、当該利用者が所持するチケットに係る紙媒体、又は、チケットに係る電子データが表示された利用者端末4から、チケットの情報及び利用者の情報を取得して、特典付与装置1に送信する。また、制御部21は、例えば、利用者がイベント施設から退場する際に、チケットの情報、及び、利用者の情報を取得して、特典付与装置1に送信する。すなわち、施設端末2は、利用者の施設への入退場を管理する管理サーバとして機能することが可能である。
(鉄道事業者サーバ3)
図4に示すように、鉄道事業者サーバ3は、制御部31、記憶部32、及び、通信I/F33などを備える。鉄道事業者サーバ3は、鉄道事業者により管理されるサーバである。鉄道事業者サーバ3には、例えば、鉄道の各駅に設置されたクライアント端末から、自動改札機5で読み取られたICカードの情報がアップロードされる。
図4に示すように、鉄道事業者サーバ3は、制御部31、記憶部32、及び、通信I/F33などを備える。鉄道事業者サーバ3は、鉄道事業者により管理されるサーバである。鉄道事業者サーバ3には、例えば、鉄道の各駅に設置されたクライアント端末から、自動改札機5で読み取られたICカードの情報がアップロードされる。
通信I/F33は、鉄道事業者サーバ3を有線又は無線で通信網CNに接続した、通信インターフェースである。通信I/F33は、通信網CNを介して特典付与装置1などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。
記憶部32は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、図9に示される利用履歴情報D4が記憶される。また、記憶部32には、鉄道の各駅に設置されたクライアント端末から各種情報を収集して利用履歴情報D4として記録するための制御プログラムなどが記憶されている。
制御部31は、CPU、ROM、及び、RAMなどの制御機器を有する。CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。ROMは、CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムをCPUで実行することにより鉄道事業者サーバ3を制御する。
制御部31は、特典付与装置1からの要求に応じて、記憶部32に記憶されている利用履歴情報D4から任意の利用者の利用履歴情報を抽出して、特典付与装置1に送信することが可能である。
ここで、鉄道事業者において構築されるICカードシステムは、図示は省略するが、鉄道事業者サーバ3に加えて、駅内サーバ、駅構内LAN、自動改札機5、精算機、ICカードの発行機、ICカードの入金機などといった機器により構成されている。そして、鉄道事業者サーバ3と駅内サーバは、通常はオンラインで運用されるが、通信障害の発生時などには、オフラインに切り替えて運用されるようになっている。また、鉄道事業者サーバ3は、ICカード等の運用に係るサーバのほか、電子マネー用のサーバなどをネットワーク接続して構成されている。
(利用者端末4)
図5に示すように、利用者端末4は、制御部41、記憶部42、操作表示部43、及び、通信I/F44などを備える。利用者端末4は、施設を利用する利用者が所有する携帯端末であり、例えば、スマートフォン、携帯電話、又は、タブレット端末のような情報処理装置である。また、利用者端末4は、例えば、タブレットPC、ノートPC、電子書籍リーダ、ウェアラブルコンピュータ、或いは、携帯ゲーム機等でもよい。なお、利用者端末4は、提示装置の一例である。
図5に示すように、利用者端末4は、制御部41、記憶部42、操作表示部43、及び、通信I/F44などを備える。利用者端末4は、施設を利用する利用者が所有する携帯端末であり、例えば、スマートフォン、携帯電話、又は、タブレット端末のような情報処理装置である。また、利用者端末4は、例えば、タブレットPC、ノートPC、電子書籍リーダ、ウェアラブルコンピュータ、或いは、携帯ゲーム機等でもよい。なお、利用者端末4は、提示装置の一例である。
通信I/F44は、利用者端末4を有線又は無線で通信網CNに接続した通信インターフェースである。通信I/F44は、通信網CNを介して特典付与装置1などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。
操作表示部43は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイのような表示部45と、操作を受け付けるタッチパネル、ボタンなどの操作部46とを備えるユーザーインターフェースである。操作表示部43の表示部45は、プロセッサ(ここでは制御部41)から供給された動画像データに応じた動画像や、静止画像データに応じた静止画像等を表示する。
操作部46は、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスである。操作部46は、入力キーや、ゲーム用コントローラ装置でもよい。操作部46が、タッチパネルである場合、操作部46は、ユーザのタップ、ダブルタップ、ドラッグ、スワイプ、ピンチイン、ピンチアウト、長押し、フリック、及び、タッチオフ等の各種タッチ操作を検出することができる。タッチパネルは、静電容量式の近接センサを備え、ユーザの非接触操作を検出可能に構成されてもよい。
ユーザは、操作部46を用いて、文字、数字及び記号、若しくは、表示部の表示画面上の位置等を入力することができる。操作部46は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、操作部46は、発生した信号をユーザの指示として、制御部41に供給する。
操作部46を操作して、チケットの購入を行うことが可能である。例えば、利用者は、表示部45に表示される予約受付サイトにおいて、所望の施設の予約を行ってチケットを購入する。また、利用者端末4は、特典付与装置1からチケットに対応する電子データを取得した場合に、表示部45に当該チケットに係る情報を表示させる。ここで、利用者端末4をスマートフォンやタブレット端末などとし、この利用者端末4に、施設情報提供サイトや予約受付サイトに関連したアプリケーションソフト(以下では「サービス購入先アプリ」と称する)をインストールし、このサービス購入先アプリを使用して特典付与に係るサービスを利用者に提供することも可能である。
表示部45には、チケットに係る購入時価格と現在価格の間における差額情報が表示される。この差額情報は、特典付与装置1から、表示部45を有する外部機器である利用者端末4に向けて送信される。そして、利用者は、表示部45に表示された差額情報を視認することにより、差額を認識することが可能である。ここで、差額情報としては、差額を直接的に数値表示することや、利用者に付与される特典の内容を表示することなどを例示できる。また、差額のほかに、購入時価格や現在価格をそれぞれ表示することも可能である。
記憶部42は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶部である。記憶部42には、制御部41に各種の処理を実行させるための各種の制御プログラムが記憶されている。
制御部41は、CPU、ROM、及び、RAMなどの制御機器を有する。CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。ROMは、CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部41は、ROM又は記憶部42に予め記憶された各種の制御プログラムをCPUで実行することにより利用者端末4を制御する。
ここで、利用者端末4は、交通系ICカードとの連携を行うアプリケーションソフト(以下では「カード連携アプリ」と称する)をインストールしたものであってもよい。カード連携アプリは、スマートフォンなどのアンテナ機能を有する携帯端末に、交通系ICカードを接触させることで、交通系ICカードに記憶された利用者の利用履歴情報を携帯端末に表示できるようにしたものである。
利用者は、このようなカード連携アプリを用いることにより、どの駅の自動改札をどの時点で通過したのか、チャージ残高がどれだけあるのか、といった情報を容易に確認することができる。また、残高のほかに電子マネーの使用履歴も確認できる。さらに、交通系ICカードには、デポジット(保証金)が記録されているが、このデポジットの金額については、カード連携アプリの場合には、電子マネーに加算されているものとすることができる。
そして、カード連携アプリに、チケット購入に係る差額の有無と、鉄道の利用履歴に応じて付与される特典の情報(加算されるポイントや、加算後のポイント残高など)を、鉄道の利用履歴や、特典付与の対象となったイベントの名称などと併せて表示することも可能である。このようにすることで、利用者への、特典付与に係に伴う利便性が向上する。
(特典付与処理)
次に、図10に基づき、特典付与装置1の制御部11によって実行される特典付与処理について説明する。先ず、利用者によるチケットの購入があると、当該利用者は、前述した特典付与の可能性がある対象者となる。特典付与装置1の制御部11は、利用者に対し、特典付与を行うべきか否かの判定のため、前述した特典付与プログラムの実行を開始する。
次に、図10に基づき、特典付与装置1の制御部11によって実行される特典付与処理について説明する。先ず、利用者によるチケットの購入があると、当該利用者は、前述した特典付与の可能性がある対象者となる。特典付与装置1の制御部11は、利用者に対し、特典付与を行うべきか否かの判定のため、前述した特典付与プログラムの実行を開始する。
なお、制御部11は、複数の利用者のそれぞれがチケットを購入した場合に、利用者ごとに特典付与処理を個別に並行して実行してもよい。また、図示は省略するが、特典付与プログラムの実行開始に先立ち、制御部11により、特典付与プログラムを実行すべきタイミングが到来したか否かの判定が行われる。
特典付与プログラムの実行開始のタイミングは、特典付与の対象となるイベントが終了した後となっている。さらに、特典付与プログラムの実行開始のタイミングは、イベントが終了してから(或いは、終了予定時刻から)所定時間(例えば3時間など)が経過した後のタイミングとすることが可能である。また、特典付与プログラムの実行開始のタイミングを、イベント開催日の翌日以降のタイミングとすることも可能である。
図10に示すように、特典付与プログラムが実行されると、ステップS11において、制御部11は、施設情報D1(図6参照)を参照して、イベント施設の施設情報を取得する。
次に、ステップS12において、制御部11は、鉄道事業者サーバ3に利用者の利用履歴情報を要求する。例えば、制御部11は、施設情報D1(図6参照)及びチケット情報D2(図7参照)を参照して、現在日が利用日(イベント開催日)に一致するレコードの利用者IDを取得し、当該利用者IDを鉄道事業者サーバ3に送信する。鉄道事業者サーバ3は、利用者IDを受信すると、利用履歴情報D4の中から、受信した利用者IDに対応する利用履歴情報を抽出して、特典付与装置1に送信する。
ステップS13において、制御部11は、鉄道事業者サーバ3から利用者の利用履歴情報を取得する。さらに、ステップS14において、制御部11は、利用履歴情報に基づいて、施設の利用日に利用者が降車した降車駅を特定する。
ステップS15~S17において、制御部11は、前述した差額判定条件が成立しているか否かを判定する。つまり、制御部11は、S15において、チケットの購入時価格と現在価格との差額(購入時価格-現在価格)を算出する。そして、差額がある場合(演算結果が0でない場合)、制御部11は差額がある旨の判定を行い(S15:YES)、処理はステップS16に移行する。一方、差額がない場合(S15:NO)、特典付与処理は終了される。
ステップS16において、制御部11は、差額がプラスであるか否かを判定する。そして、差額がプラスであった場合(S16:YES)、現在価格が購入時価格よりも小さい(現在価格が購入時価格よりも安い)こととなり、処理はステップS17に移行する。一方、差額がプラスでない場合(S16:NO)、現在価格が購入時価格よりも大きい(現在価格が購入時価格よりも高い)こととなり、特典付与処理は終了される。
ステップS17において、制御部11は、差額が所定値(例えば100円)以上の値であるか否かを判定する。そして、差額が所定値以上である場合(S17:YES)、処理はステップS18に移行する。一方、差額が所定値未満の場合(S17:NO)、特典付与処理は終了される。
なお、S15~S17の各条件は、いずれも差額判定条件となるものであるが、S15~S17に係る各条件を総称して差額判定条件としてもよい。そして、S15~S17のいずれかにおいて、否定(NO)の判定が行われた場合に、制御部11は、利用者に特典が付与されない旨を示す情報を利用者端末4に送信してもよい。
次に、ステップS18において、制御部11は、利用履歴情報が、予め定められた特典付与条件を満たすか否かを判断する。特典付与条件は、例えば、特典情報D3(図8参照)におけるイベント施設の「特典付与条件」に含まれる条件である。
ステップS18において、制御部11は、チケットを購入した利用者が、イベント開催日に鉄道を利用してイベント施設の最寄駅で降車したか否かを判定する。利用履歴情報が特典付与条件を満たすと判断された場合(S18:YES)、処理はステップS19に移行する。一方、利用履歴情報が特典付与条件を満たさないと判断された場合(S18:NO)、特典付与処理は終了される。なお、特典付与条件を満たさないと判断された場合に(S18:NO)、制御部11は、利用者には特典が付与されない旨を示す情報を利用者端末4に送信してもよい。
ステップS19において、制御部11は、利用者に特典を付与する。具体的には、制御部11は、特典情報D3(図8参照)に示されるイベント施設の特典IDに対応する特典を、利用者に付与する。本実施形態では、対象となっているイベント施設の利用者に対して、当該イベント施設に対応する特典IDが割り当てられた特典が付与される。また、制御部11は、特典に係る差額情報が、表示部45を有する外部機器である利用者端末4に向けて出力されるよう処理を行う。本実施形態では、チケットの差額が生じたことへの代償として付与される特典は、差額に応じたポイントの付与などである。そして、差額とポイントの対応レートを、例えば、100円の差額に対して100ポイントとすることなどが可能である。
なお、本発明は、上述の特典付与処理に含まれる一又は複数のステップを実行する特典付与方法の発明として捉えることができる。また、特典付与処理に含まれる一又は複数のステップは適宜省略されてもよい。さらに、特典付与処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。また、ここでは制御部11によって特典付与処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明したが、複数のプロセッサによって特典付与処理における各ステップが分散して実行されるようにしてもよい。
さらに、これまでは、特典情報D3に登録された1つの施設を例にして説明を行っているが、前述したように、特典情報D3には、複数の施設が登録されている。そして、本実施形態では、複数の施設に対して、特典IDにより識別される複数種類の特典が割り当てられている。しかし、例えば、特典をポイントのみの1種類に定め、いずれの施設のイベント(互いに異なる日時のイベントや、種類や内容の異なるイベントを含む)の利用者に対しても同一種類の特典(ここではポイント)を付与することが可能である。
また、同様に複数の施設に関して、例えば、施設IDがA001~A006、A010~A015のイベント施設の利用者に対してはポイントを付与し、施設IDがA007~A009、A016~A021のイベント施設の利用者に対してはクーポンが付与されるといったように、グループ化された施設に対し、グループごとに異なる種類の特典を付与することも可能である。この場合、現金とは異なる複数種類の特典を付与することとなる。
(現在価格登録処理)
図11は、現在価格登録処理の一例を示している。この現在価格登録処理においては、ステップS21で、現在価格決定条件が成立したか否かが判定される。そして、現在価格決定条件が成立している場合には(S21:YES)、処理はステップS22に移行し、現在価格情報が登録される。一方、差額がない場合(S21:NO)、特典付与処理は終了される。
図11は、現在価格登録処理の一例を示している。この現在価格登録処理においては、ステップS21で、現在価格決定条件が成立したか否かが判定される。そして、現在価格決定条件が成立している場合には(S21:YES)、処理はステップS22に移行し、現在価格情報が登録される。一方、差額がない場合(S21:NO)、特典付与処理は終了される。
以上説明したように、本実施形態の販売促進システム100によれば、チケットの購入時価格と販売価格との差額が求められ、イベント施設の利用者による鉄道利用の有無に応じて、利用者に特典付与に係る差額が提示される。このため、利用者は、鉄道の利用に応じて、特典付与に係る差額を確認し得るようになる。そして、鉄道の利用に応じて、特典付与に係る差額情報を「提示する」といった新規なサービスの提供により、チケット販売の促進を図ることが可能となる。
また、本実施形態の販売促進システム100によれば、特典付与装置1により、差額に応じた特典について、鉄道の利用に基づき付与するか否かを決定することが可能となる。このため、チケット販売において生じた差額に対する特典を、地理的に広範囲に居住する利用者に対して行う、といった新規なサービスも提供できるようになる。そして、鉄道の利用に基づき、差額に応じた特典を付与するという新規なサービスの提供によっても、チケット販売の促進を図ることが可能となる。
本実施形態に係る販売促進システム100は、鉄道の利用履歴を使用して特典を付与することから、例えば、街頭で大型表示装置を用いてイベントの宣伝広告や、差額に応じた特典の付与を行うことの告知を行うのみの場合に比べて、より確実に、広範囲に居住する利用者に対して、差額に応じた代償を行うことが可能である。そして、このような利点は、鉄道として地下鉄を利用することで、より一層顕著なものとなる。
さらに、本実施形態の販売促進システム100は、1つのイベント施設(或いは同一種類のイベントが行われる複数の施設)に係るイベントのチケットについて、経時的な価格変動に対する代償を可能としている。そして、特典の種類を1つ(ここではポイント付与)とした場合には、特典の種類を複数(ポイント及び現金など)とした場合に比べて、販売促進のための制御プログラムの設計が容易になる。
また、本実施形態の販売促進システム100によれば、自動改札の利用履歴を用いて利用者による鉄道利用の有無を判定することから、迅速かつ確実に、差額情報と鉄道利用の有無とを結び付けた特典付与のサービスを提供することができる。
さらに、本実施形態の販売促進システム100によれば、鉄道は、サービスの購入先と対応付けられたものとなっていることから、例えば、事業上の提携関係等がない場合と比べて、施設利用の情報や、鉄道利用履歴の情報といった個人情報を融通し合う環境を整え易い。そして、本実施形態の販売促進システム100によれば、サービスに対応付けられた特定の鉄道を利用したことが判定された場合に、鉄道の利用を判定することから、利用者による鉄道利用履歴を、より有効に活用することが可能である。
ここで、「特定の鉄道」は、サービスの購入先と対応付けられた鉄道であるという意味のほか、JR、私鉄、及び、地下鉄等といった複数種類の鉄道のうちの地下鉄であるという意味や、複数の地下鉄の路線がある中での特定の地下鉄路線であるという意味をも有している。また、例えば、或る地下鉄と或る私鉄とが相互に乗り入れを行っている路線については、当該路線を走る鉄道を併せて「特定の鉄道」と捉えることも可能である。
また、本実施形態の販売促進システム100によれば、特典付与装置1により、購入時価格よりも現在価格が安い場合に、差額に基づき利用者に特典が付与される。したがって、チケットに生じた差額に対する代償を、地理的に広範囲に居住する利用者に対して確実に行うことが可能となる。
また、本実施形態の販売促進システム100によれば、現在価格が購入時価格よりも高い場合には特典が付与されないようにすることで、より確実に、現在価格が購入時価格よりも安い場合に限り特典の付与を行うことが可能である。また、このようにすることで、一部の利用者の買い占めによりチケット価格が向上したような場合におけるチケットの転売を、より確実に防止し得ることとなる。
また、本実施形態の販売促進システム100によれば、利用駅特定処理部(判定処理部)114が、利用者がイベント開催日時(サービス対応日時)に鉄道を利用していないと判定した場合には、特典が付与されない。このため、より確実に、購入時価格と現在価格の差額と、鉄等利用履歴とに応じた特典付与を行うことが可能である。
また、本実施形態の販売促進システム100によれば、イベント開催日時(サービス対応日時)は、サービスが提供される日時に基づいて算出された時間幅である。このため、このことによっても、より確実に、購入時価格と現在価格の差額と、鉄等利用履歴とに応じた特典付与を行うことが可能である。さらに、このようにすることで、多様な鉄道利用の判定を行うことが可能となる。
また、本実施形態の販売促進システム100によれば、現在価格は、サービスの予約率に応じて変動する価格である。このため、サービスに係る売れ行きの実情に合った特典の付与を行うことが可能となる。
また、本実施形態の販売促進システム100によれば、現在価格は、自動改札機5を入った時点の価格、又は、自動改札機5を出る時点の価格のいずれか低い方である。このため、現在価格の決定を多様に行うことが可能である。さらに、差額を可能な限り大きくすることができ、より多くの特典を付与することが可能となる。
また、本実施形態の販売促進システム100によれば、現在価格は、自動改札機5を入った時点の価格または出る時の価格のいずれか高い方とすることも可能である。このようにした場合にも、現在価格の決定を多様に行うことが可能である。さらに、差額を可能な限り小さくすることができ、特典の付与量を抑制することが可能となる。
また、本実施形態の販売促進システム100によれば、現在価格は、所定条件に基づき日ごとに決められた金額とすることも可能である。このようにした場合には、より適切にイベント開催日時(サービス対応日時)に対応付けて、差額と鉄道利用に応じた特典の付与を行うことが可能となる。
なお、特典付与装置1において特典付与処理部117が、利用者が購入したチケットの購入枚数が複数人分である場合に、利用者に複数人分の特典を付与してもよい。例えば、一人の利用者が複数枚分のチケットを購入した場合、差額と枚数の積の演算結果に基づき、相当する特典を一人の利用者に付与してもよい。この場合、利用者が購入した複数枚のチケットについて、共通の利用者IDを付し、鉄道の利用を条件にして、差額と枚数の積に相当する特典を付与することが考えられる。
また、一人の利用者が複数枚分のチケットを購入した場合であっても、一枚のチケット分の特典のみを付与するようにすることが可能である。さらに、特典の量を一枚のチケット分に限るのではなく、複数のチケット分の特典を、上限を設けて付与することが可能である。ここでいう上限としては、2人世帯を想定した2枚分、3人世帯から6人世帯を想定した3枚分~6枚分などを例示できる。
また、複数のチケットについて共通の利用者IDを付すのではなく、異なるチケットには、実際に使用する他の利用者の利用者IDを付すようにしてもよい。この場合、前述の予約受付サイトや他のサイトを利用し、個々のチケットと個々の利用者(利用者IDを有する利用者)とを対応付けた情報入力を、例えば利用者に行ってもらうことが考えられる。
そして、本実施形態に係る販売促進システム100は、チケットの差額に対する特典の付与を、鉄道の利用に基づき行うことから、例えば、利用者が必要以上のチケットを購入し、余剰分を転売したとしても、差額情報を鉄道利用に係る情報と結び付かないため、特典の付与を受けることができない。
また、サービスの購入先(チケットを販売する側の者)が、鉄道事業者から、利用者による鉄道の利用履歴に係る情報の提供を受ける場合については前述したが、このような場合の利用履歴に係る情報の取扱いについては、以下のようにすることが可能である。
例えば、鉄道事業者がサービスの購入先に利用者の利用履歴情報を提供するに際し、鉄道事業者は、サービスの購入先において、利用者IDの登録を行った利用者の利用履歴情報に限り、サービスの購入先に送信するようにする。そして、ここでの利用者IDは、ICカードごとに割り当てられた識別情報である前述のICカードIDとし、サービスの購入先においてICカードIDが登録されているものとする。
また、サービスの購入先において登録されたICカードIDについては、鉄道事業者に事前に登録済のICカードIDを通知し、鉄道事業者が、通知されたICカードIDに係る利用履歴情報を、サービスの購入先の機器(ここでは特典付与装置1や施設端末2など)に向けて提供してもらうようにする。
ただし、鉄道事業者からサービスの購入先へ利用履歴情報の提供を行う対象を、全てのICカードIDとせず、一部のICカードIDとすることが考えられる。例えば、前述した交通系ICカードアプリや、カード連携アプリをインストールして使用している利用者のICカードIDのみについて、利用履歴情報の提供対象としてもよい。
この場合、ICカードIDと、前述したサービス購入先アプリとを連携させ、利用者が、自動改札機5を通過した際に、登録済みのICカードIDに対応する利用者の利用者端末4に、所定のメッセージをプッシュ配信(ここでは利用者の操作なしでメッセージが表示される情報配信の意味)を行う、といったことが考えられる。
より具体的には、交通系ICカードアプリの場合であれば、利用者端末4において、交通系ICカードアプリとサービス購入先アプリとを連携させ、サービス購入先アプリを介して利用者端末4から、鉄道事業者サーバ3に利用者のICカードIDを送信する。そして、鉄道事業者サーバ3では、登録済みのICカードIDに係る利用履歴情報を、サービスの購入先に提供する、といったことが可能である。
また、ICカードの場合であれば、自動改札機5を経由して鉄道事業者サーバ3に利用者のICカードIDを送信し、鉄道事業者サーバ3から、登録済みのICカードIDに係る利用履歴情報をサービスの購入先に提供する、といったことが可能である。
そして、これらの情報提供は、交通系ICカードアプリとサービス購入先アプリとの即時の連携や、ICカードID(利用者IDでもよい)の即時の通信を行うことにより、鉄道事業者以外の者から利用者に特典付与を行う場合であっても、よりリアルタイムに行うことが可能である。そして、これらのことにより、特典付与に係るサービスの利便性を一層向上させることが可能となる。
なお、本発明の販売促進システム100は、上述の実施形態に限定されない。例えば、本発明の販売促進システム100は、特典付与装置1単体で構成されてもよく、制御部11の各処理部を備える施設端末2単体で構成されてもよい。また、本発明の販売促進システム100は、制御部11の各処理部を備える鉄道事業者サーバ3単体で構成されてもよく、特典付与装置1、施設端末2、及び、鉄道事業者サーバ3のうち少なくとも2つにより構成されてもよい。
また、本発明の販売促進システム100を構成する自動改札機5は、ICカード等の認証機能のほかに、顔認証の機能を有するものであってもよい。この場合の自動改札機5は、自動改札機5の改札通路を通行する利用者の顔の画像情報(顔情報)を取得し、この顔画像を、利用者IDの取得に利用するものとすることが可能である。
提示装置には、小売店等の施設に設置されている端末装置や、鉄道の駅に設置された乗車券販売機等の端末装置などを含めることも可能である。これらの端末装置は、本発明の販売促進システム100を構成する施設端末2や鉄道事業者サーバ3であってもよい。また、自動改札機5も提示装置になり得る。そして、これらの機器に提示された差額情報等を提示装置として表示する場合には、これらの機器の各種ディスプレイに表示したり、プリンタを用いた紙面(紙媒体)に表示したりすることが可能である。このように、提示装置として、利用者端末4、端末装置、施設端末2、鉄道事業者サーバ3、及び自動改札機5のうちの少なくとも一の装置が用いられる。なお、これらの装置に代えて、又は、これらの装置に加えて、販売促進システム100において使用可能な装置であればどのような装置が提示装置として用いられてもよい。
1 特典付与装置
2 施設端末
3 鉄道事業者サーバ
4 利用者端末
11 制御部
12 記憶部
13 通信I/F
100 販売促進システム
111 予約受付処理部111(受付処理部)
112 施設取得処理部
113 利用履歴取得処理部
114 利用駅特定処理部(判定処理部)
115 価格情報取得処理部(取得処理部)
116 差額算出処理部(算出処理部)
117 特典付与処理部
2 施設端末
3 鉄道事業者サーバ
4 利用者端末
11 制御部
12 記憶部
13 通信I/F
100 販売促進システム
111 予約受付処理部111(受付処理部)
112 施設取得処理部
113 利用履歴取得処理部
114 利用駅特定処理部(判定処理部)
115 価格情報取得処理部(取得処理部)
116 差額算出処理部(算出処理部)
117 特典付与処理部
Claims (14)
- 利用者が購入したサービスに係る価格情報を前記利用者に提示する提示装置と、前記価格情報に基づき特典を付与する特典付与装置と、を有する販売促進システムであって、
前記特典付与装置は、
前記購入したサービスに対応する購入サービス情報と、前記購入したサービスの購入時の価格である購入時価格に対応する購入時価格情報と、前記利用者に対応する利用者識別情報と、を受け付ける受付処理部と、
前記購入したサービスに対応するサービス対応日時に前記利用者が鉄道を利用したか否かを判定する判定処理部と、
前記サービス対応日時における前記購入したサービスの価格である現在価格に対応する現在価格情報を取得する取得処理部と、
前記取得処理部が取得した前記現在価格情報と前記購入時価格情報に基づき前記特典の付与に係る差額を算出する算出処理部と、
前記算出された差額に対応する差額情報を前記提示装置に提示する出力部と、を含む、
ことを特徴とする販売促進システム。 - 前記判定処理部は、前記利用者が前記鉄道の改札機を通過したことによって前記鉄道の利用を判定する、
請求項1に記載の販売促進システム。 - 前記鉄道は、前記サービスの購入先と対応付けられている、
請求項1又は2に記載の販売促進システム。 - 前記判定処理部は、前記サービスに対応付けられた特定の鉄道を利用したことを判定した場合に鉄道の利用を判定する、
請求項3に記載の販売促進システム。 - 前記購入時価格よりも前記現在価格が安い場合に、前記差額と前記判定処理部の判定結果とに基づき特典を付与する特典与部を更に含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の販売促進システム。 - 前記現在価格が前記購入時価格よりも高い場合には前記特典は付与されない、
請求項1~5のいずれか一項に記載の販売促進システム。 - 前記判定処理部が、前記利用者が前記サービス対応日時に前記鉄道を利用していないと判定した場合には、前記特典が付与されない、
請求項1~6のいずれか一項に記載の販売促進システム。 - 前記サービス対応日時は、前記サービスが提供される日時に基づいて算出された時間幅である、
請求項1~7のいずれか一項に記載の販売促進システム。 - 前記現在価格は、前記サービスの予約率に応じて変動する価格である、
請求項1~8のいずれか一項に記載の販売促進システム。 - 前記現在価格は、前記鉄道の改札機を入った時点の価格または出る時点の価格のいずれか低い方である、
請求項2~9のいずれか一項に記載の販売促進システム。 - 前記現在価格は、前記鉄道の改札機を入った時点の価格または出る時の価格のいずれか高い方である、
請求項2~9のいずれか一項に記載の販売促進システム。 - 前記現在価格は、所定条件に基づき日ごとに決められた金額である、
請求項1~11のいずれか一項に記載の販売促進システム。 - 利用者が購入したサービスに係る価格情報を前記利用者に提示する提示装置と、前記価格情報に基づき特典を付与する特典付与装置と、を用いる販売促進方法であって、
前記特典付与装置は、
前記購入したサービスに対応する購入サービス情報と、前記購入したサービスの購入時の価格である購入時価格に対応する購入時価格情報と、前記利用者に対応する利用者識別情報と、を受け付け、
前記購入したサービスに対応するサービス対応日時に前記利用者が鉄道を利用したか否かを判定し、
前記サービス対応日時における前記購入したサービスの価格である現在価格に対応する現在価格情報を取得し、
取得した前記現在価格情報と前記購入時価格情報に基づき差額を算出し、
前記算出された差額に対応する差額情報を前記提示装置に提示する、
ことを特徴とする販売促進方法。 - 利用者が購入したサービスに係る価格情報を前記利用者に提示する提示装置と、前記価格情報に基づき特典を付与する特典付与装置と、を有する販売促進システムに実行させる販売促進プログラムであって、
前記特典付与装置に、
前記購入したサービスに対応する購入サービス情報と、前記購入したサービスの購入時の価格である購入時価格に対応する購入時価格情報と、前記利用者に対応する利用者識別情報と、を受け付け、
前記購入したサービスに対応するサービス対応日時に前記利用者が鉄道を利用したか否かを判定し、
前記サービス対応日時における前記購入したサービスの価格である現在価格に対応する現在価格情報を取得し、
取得した前記現在価格情報と前記購入時価格情報に基づき差額を算出し、
前記算出された差額に対応する差額情報を前記提示装置に提示する処理を実行させる、
ことを特徴とする販売促進プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021036927A JP2022137424A (ja) | 2021-03-09 | 2021-03-09 | 販売促進システム、販売促進方法、及び、販売促進プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021036927A JP2022137424A (ja) | 2021-03-09 | 2021-03-09 | 販売促進システム、販売促進方法、及び、販売促進プログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022137424A true JP2022137424A (ja) | 2022-09-22 |
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ID=83319517
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2021
- 2021-03-09 JP JP2021036927A patent/JP2022137424A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7443583B1 (ja) | 2023-01-17 | 2024-03-05 | ソフトバンク株式会社 | 携帯通信端末、プログラム、及び情報処理方法 |
JP7476434B1 (ja) | 2023-01-17 | 2024-04-30 | ソフトバンク株式会社 | 携帯通信端末、プログラム、及び情報処理方法 |
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