以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[予約管理システム100]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る予約管理システム100は、予約管理装置1と施設端末2と鉄道業者サーバー3と利用者端末4とを含む。予約管理装置1、施設端末2、鉄道業者サーバー3、及び利用者端末4は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。
[予約管理装置1]
予約管理装置1は、複数の施設に関する情報(施設情報)を提供する施設情報提供サイトとしての機能を備えている。また、予約管理装置1は、前記施設についての予約を受け付ける予約受付サイトとしての機能を備えている。前記施設は、例えば、コンサート会場、遊園地、競技場(野球場、サッカー場など)、祭り会場、劇場(映画館、演劇など)、遊技場(パチンコ、ゲームセンターなど)、ゴルフ場など、様々なイベントを開催する施設である。また前記施設は、飲食店などの店舗であってもよい。前記施設情報は、例えば、施設名、所在地、電話番号、イベント開催日時(イベント開始日時、イベント終了日時)、交通機関(アクセス情報)、業態(ジャンル)、利用料金(イベント参加費用)などである。利用者は、例えば前記予約受付サイトにおいて、事前に、前記施設の予約の申し込みを行う。なお、前記予約は、前記施設に対する予約であってもよいし、前記イベントに対する予約であってもよい。
予約管理装置1は、利用者から予約の申し込みを受け付けると、仮予約を行う。ここで、「仮予約」は、予約が確定していない状態をいう。また「仮予約」は、予約の変更又は取り消しの際に料金の支払いが発生しない状態をいう。仮予約の状態で所定期間が経過した場合には、予約管理装置1は、仮予約を取り消してもよい。
本実施形態では、仮予約の状態において、例えば、利用者が、施設に来訪するために所定の交通機関を利用した場合に、予約が確定される。また仮予約の状態において、例えば、施設の利用料金の決済処理が完了した場合に、予約が確定される。予約が確定した場合は、その後の予約の変更又は取り消しの際に所定の料金の支払いが発生する。また「予約の確定」には、「施設の利用券の発行」が含まれる。すなわち、仮予約の状態において、利用者が前記所定の交通機関を利用した場合に、利用者に前記利用券が発行される。また、仮予約の状態において、例えば、施設の利用料金の決済処理が完了した場合に、前記利用券が発行される。前記利用券は、前記施設に入場するための入場券であってもよいし、前記イベントに参加するための参加券であってもよい。また前記利用券は、電子データであってもよいし、印刷された紙媒体であってもよい。
ところで、イベント会場などの施設を利用する利用者は、事前に施設の予約を申し込み、施設の利用料金に関する決済処理を行う。決済処理が完了すると前記施設の予約が確定し、利用者はイベント当日に施設を利用することが可能となる。そして、利用者が所定の交通機関を利用して施設に来訪した場合には、交通機関の利用料金を割り引く特典が付与される。このように、利用者が施設を利用するためには、利用者自身が決済処理に伴う所定の操作を行うなど、予約を確定させるための操作を行わなければならず手間がかかる。これに対して、本実施形態に係る予約管理システム100によれば、利用者が施設を利用するための予約操作の手間を簡略化することが可能である。
本実施形態では、一例として、施設(例えばイベント会場)の仮予約を行った利用者が当該施設に関連付けられた交通機関(例えば鉄道)を利用した場合に、仮予約に対応する予約を確定させる場合について説明する。
図1に示されるように、予約管理装置1は、制御部11、記憶部12、及び通信I/F13などを備えるサーバーコンピューターである。なお、予約管理装置1は、1台のコンピューターに限らず、複数台のコンピューターが協働して動作するコンピューターシステムであってもよい。また、予約管理装置1で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。予約管理装置1は、本発明の予約管理システムの一例である。
通信I/F13は、予約管理装置1を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して施設端末2、鉄道業者サーバー3、利用者端末4などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
記憶部12は、各種の情報を記憶する半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などを含む不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部12には、施設情報D1、仮予約情報D2、及び予約確定情報D3などのデータが記憶される。図2は、施設情報D1の一例を示す図である。図3は、仮予約情報D2の一例を示す図である。図4は、予約確定情報D3の一例を示す図である。
施設情報D1には、前記施設情報提供サイトに登録されている複数の施設に関する情報が含まれる。図2に示されるように、施設情報D1には、施設ごとに、対応する「施設ID」、「施設名」、「所在地」、「交通機関」、「業態」、「利用日」、「利用料金」などの情報が登録される。「施設ID」は、前記施設を識別するための識別情報である。「施設名」は、前記施設の名称である。「所在地」は、前記施設の所在地を示す。「交通機関」は、前記施設に来訪するために利用される交通機関、すなわち前記施設へのアクセスに適した交通機関を示す。「交通機関」には、鉄道、バス、タクシーなどの公共交通機関が登録される。なお、前記施設へのアクセスに適した鉄道路線が複数存在する場合には、「交通機関」に鉄道路線の種別が登録される。また「交通機関」に、前記施設に最も近い駅(最寄駅)が登録されてもよい。「業態」は、前記施設で開催されるイベントの内容を示すジャンルである。「利用日」は、前記施設が利用される日(又は日時)、すなわち前記イベントの開催日(又は開催日時)を示す。例えば、「利用日」には、イベント開始日時及びイベント終了日時が登録される。「利用料金」は、前記施設を利用するために必要な金額を示し、例えば利用券の購入金額を示す。
仮予約情報D2には、利用者が前記予約受付サイトにおいて施設の予約の申し込み、仮予約が設定された場合に登録される仮予約の情報が含まれる。図3に示されるように、仮予約情報D2には、前記予約受付サイトにおいて受け付けられた予約の申し込みごとに、対応する「予約ID」、「受付日時」、「利用者ID」、「施設ID」、「利用日」などの情報が登録される。「予約ID」は、利用者が申し込んだ予約の識別情報である。「受付日時」は、利用者から予約の申し込みを受け付けた日時である。「利用者ID」は、予約の申し込みを行った利用者の識別情報である。「施設ID」は、利用者が予約を申し込んだ施設の識別情報である。「利用日」は、利用者が前記施設を利用する日(又は日時)を示す。
予約確定情報D3には、仮予約に対応する予約が確定した場合に登録される予約の確定情報が含まれる。図4に示されるように、予約確定情報D3には、「予約ID」、「予約確定日時」、「利用者ID」、「施設ID」、「利用日」、「決済金額」などの情報が含まれる。「予約ID」は、前記予約の識別情報であり、仮予約情報D2の予約IDと一致する。「予約確定日時」は、前記仮予約に対応する予約が確定した日時である。「利用者ID」は、利用者の識別情報であり、仮予約情報D2の利用者IDと一致する。「施設ID」は、施設の識別情報であり、仮予約情報D2の施設IDと一致する。「利用日」は、利用者が前記施設を利用する日(又は日時)であり、仮予約情報D2の利用日と一致する。「決済金額」は、前記利用料金に対応する決済処理の金額である。前記決済金額は、前記利用料金と同一であってもよいし、割引などの特典が付与される場合には割引後の料金であってもよい。
なお、他の実施形態として、施設情報D1、仮予約情報D2、及び予約確定情報D3の一部又は全部が、予約管理装置1から通信網N1を介してアクセス可能な他のサーバーに記憶されてもよい。この場合、予約管理装置1の制御部11は、必要に応じて前記サーバーから各種の情報を取得して、後述の予約管理処理(図6参照)などの各処理を実行してもよい。また、他の実施形態として、施設情報D1、仮予約情報D2、及び予約確定情報D3の一部又は全部が、施設端末2に記憶されてもよい。この場合、予約管理装置1の制御部11は、必要に応じて施設端末2から各種の情報を取得して、後述の予約管理処理(図6参照)などの各処理を実行してもよい。また、他の実施形態として、施設情報D1、仮予約情報D2、及び予約確定情報D3の一部又は全部が、予約管理装置1と施設端末2の両方に記憶されてもよい。
さらに、記憶部12には、制御部11に後述の予約管理処理(図6参照)を実行させるための予約管理プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記予約管理プログラムは、CD又はDVDなどのコンピューター読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、予約管理装置1が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより予約管理装置1を制御する。
具体的に、制御部11は、図1に示されるように、受付処理部111、仮予約処理部112、判定処理部113、決済処理部114、予約確定処理部115などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記CPUで前記予約管理プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記予約管理プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
受付処理部111は、利用者から施設の予約に関する予約要求を受け付ける。受付処理部111は、本発明の受付処理部の一例である。例えば、受付処理部111は、利用者が前記予約受付サイトにおいて所望の前記施設の予約の申し込みを行った場合に、当該予約に関する予約要求を受け付ける。
仮予約処理部112は、受付処理部111により受け付けられた前記予約要求に基づいて、前記施設の仮予約を設定する。仮予約処理部112は、本発明の仮予約処理部の一例である。例えば、仮予約処理部112は、施設情報D1(図2参照)を参照して、前記予約要求に対応する前記施設の前記施設情報を取得する。そして、仮予約処理部112は、取得した前記施設情報に関連付けて、仮予約に関する情報を仮予約情報D2(図3参照)に登録する。仮予約処理部112は、受付処理部111により前記予約要求が受け付けられた日時を仮予約情報D2の「受付日時」に登録する。
判定処理部113は、利用者が前記施設に関連付けられた交通機関を利用したか否かを判定する。判定処理部113は、本発明の判定処理部の一例である。例えば図2に示す施設情報D1において、仮予約が設定された施設に、当該施設へのアクセスに適した鉄道路線又は最寄駅が関連付けられている場合には、判定処理部113は、利用者が前記施設に関連付けられた前記鉄道路線又は前記最寄駅を利用したか否かを判定する。判定処理部113の具体的な構成について以下に説明する。
先ず、判定処理部113は、利用者が利用した交通機関の利用履歴情報を取得する。判定処理部113は、例えば、鉄道業者サーバー3から前記利用者の鉄道の利用履歴情報を通信網N1を通じて受信する。図5は、鉄道業者サーバー3の記憶部32に記憶される利用履歴情報D4の一例を示す図である。
利用履歴情報D4には、過去に鉄道を利用した利用者及びその乗車区間に関する情報が登録される。利用履歴情報D4には、利用者が鉄道を利用するごとに、「利用者ID」、「乗車駅」、「乗車日時」、「降車駅」、「降車日時」などの情報が記録される。これらの情報は、鉄道の各駅に設置された自動改札機で読み取られたICカード(運賃の支払い機能を有するICカード)の情報に基づいて、利用履歴情報D4として記録される。「利用者ID」は、鉄道の利用者(すなわち、前記ICカードの所有者)を識別するための識別情報である。「乗車駅」は、前記利用者が列車に乗車した駅である。「乗車日時」は、前記利用者が列車に乗車した日時(より正確には、乗車駅に設置された自動改札機で前記ICカードが読み取られた日時)である。「降車駅」は、前記利用者が列車から降車した駅である。「降車日時」は、前記利用者が列車から降車した日時(より正確には、降車駅に設置された自動改札機で前記ICカードが読み取られた日時)である。
判定処理部113は、前記施設の利用者を識別するための識別情報(例えば、利用者IDなど)を鉄道業者サーバー3に送信する。鉄道業者サーバー3は、利用履歴情報D4の中から前記識別情報に対応する利用者の利用履歴情報を抽出して、予約管理装置1に送信する。例えば、判定処理部113は、仮予約情報D2(図3参照)の利用者IDを取得し、当該利用者IDを鉄道業者サーバー3に送信する。鉄道業者サーバー3は、前記利用者IDを受信すると、利用履歴情報D4の中から前記利用者IDに対応する前記利用履歴情報を抽出して、予約管理装置1に送信する。なお、判定処理部113は、仮予約情報D2の中から現在日時が施設のイベント開始日時より前のレコードの利用者IDを抽出して鉄道業者サーバー3に送信し、前記利用者IDに対応する前記利用履歴情報を取得する。
なお、他の実施形態では、判定処理部113は、利用者端末4において周期的に記録されるGPS(Global Positioning System)などの位置情報(すなわち、利用者端末4の移動経路を示す情報)を、鉄道の利用履歴情報として利用者端末4から受信してもよい。そして、判定処理部113は、前記位置情報に基づいて、乗車駅、乗車日時、降車駅、降車日時などを判定してもよい。この場合、判定処理部113は、前記位置情報に基づいて利用者端末4の移動速度を算出し、利用者端末4の移動経路と移動速度とに基づいて、前記利用者が鉄道を利用したか否かを判定してもよい。
また、他の実施形態では、駅の構内に掲示された二次元コード(例えば、駅の識別情報を含む二次元コード)が利用者端末4のカメラ(不図示)で撮影されてもよい。そして、判定処理部113は、前記二次元コードに含まれる情報を、鉄道の利用履歴情報として利用者端末4から受信してもよい。
判定処理部113は、鉄道業者サーバー3から取得した前記利用履歴情報に基づいて、前記利用者が前記施設に関連付けられた交通機関を利用したか否かを判定する。例えば、前記施設に所定の鉄道業者の路線Aが関連付けられている場合において、前記利用履歴情報に含まれる前記乗車駅及び前記降車駅の少なくともいずれかが前記路線Aの停車駅に含まれる場合に、判定処理部113は、前記利用者が前記路線Aを利用したと判定する。
決済処理部114は、判定処理部113により前記利用者が前記施設に関連付けられた前記交通機関を利用したと判定された場合に、前記施設の利用料金の決済処理を行う。決済処理部114は、本発明の決済処理部の一例である。決済処理部114は、前記利用料金に対応する請求金額と前記利用者の情報とを含む決済要求を前記利用者が利用する決済事業者(例えば、クレジットカード会社)に送信する。決済事業者は、決済要求に基づいて決済処理を実行し、決済処理が完了すると決済完了通知を予約管理装置1に送信する。決済処理部114は、前記決済完了通知を取得した場合に決済処理を完了させる。
他の実施形態として、決済処理部114は、前記決済要求を鉄道業者サーバー3に送信してもよい。鉄道業者サーバー3は、例えば前記決済要求に基づいて前記利用者のICカードによる決済処理を実行する。例えば鉄道業者サーバー3は、利用者が前記施設に関連付けられた所定の鉄道をICカードを使用して乗車又は降車した際に前記決済処理を実行する。鉄道業者サーバー3は、決済処理が完了すると決済完了通知を予約管理装置1に送信する。
ここで、仮予約処理部112により前記仮予約が設定されてから前記施設の利用日までの間に前記利用者が前記交通機関を利用した場合には、上述のように、決済処理部114は、前記施設の利用料金の決済処理を行う。しかし、仮予約処理部112により前記仮予約が設定されてから前記施設の利用日までの間に前記利用者が前記交通機関を利用しない場合も考えられる。この場合に、前記利用料金の決済処理が行われないと、前記施設に損失が発生してしまう可能性がある。そこで、決済処理部114は、仮予約処理部112により前記仮予約が設定されてから前記施設の利用日までの間に前記利用者が前記交通機関を利用しなかった場合には、前記施設の利用料金の決済処理を行ってもよい。例えば、決済処理部114は、利用日(例えばイベント開催日)までに所定の交通機関が利用されなかった場合に、当該利用日の翌日に前記利用料金の決済処理を実行する。これにより、前記施設の損失の発生を防ぐことができる。
予約確定処理部115は、判定処理部113により前記利用者が前記施設に関連付けられた前記交通機関を利用したと判定された場合に、仮予約処理部112により設定される前記仮予約に対応する予約を確定させることが可能である。例えば、予約確定処理部115は、判定処理部113により前記利用者が前記施設に関連付けられた前記交通機関を利用したと判定された場合に、前記施設を利用する利用券を前記利用者に発行する。予約確定処理部115は、本発明の予約確定処理部の一例である。前記「利用券を発行する」処理は、本発明の「予約を確定させる」処理の一例である。
他の実施形態として、予約確定処理部115は、判定処理部113により前記利用者が前記施設に関連付けられた前記交通機関を利用したと判定され、かつ決済処理部114により前記利用料金の決済処理が行われた場合に、前記予約を確定させる。例えば、予約確定処理部115は、判定処理部113により前記交通機関を利用したと判定され、かつ決済処理部114により前記利用料金の決済処理が行われた場合に、前記施設を利用する利用券を前記利用者に発行する。なお、予約確定処理部115は、前記予約を確定させる条件に、前記利用料金の決済処理が完了したことを含んでもよいし、含まなくてもよい。
予約確定処理部115は、仮予約に対応する予約を確定させた場合に、予約に関する情報(予約情報)を予約確定情報D3(図4参照)を登録する。予約確定処理部115は、予約確定情報D3に、前記利用券の発行状況と前記利用料金の決済状況とを登録してもよい。また、予約確定処理部115は、前記利用券に対応する情報(電子利用券情報)を利用者端末4に送信する。また、予約確定処理部115は、前記予約情報を予約確定情報D3に登録した場合、対応する仮予約の情報を仮予約情報D2(図3参照)から削除してもよい。
なお、判定処理部113により前記利用者が前記施設に関連付けられた前記交通機関を利用していないと判定された場合には、予約確定処理部115は、仮予約処理部112により設定された前記仮予約を取り消してもよい。この場合、予約確定処理部115は、前記施設の仮予約を取り消したことを示す情報(メッセージ)を利用者端末4に通知してもよい。
ここで、同一の利用者から複数の施設の予約の申し込みが行われた場合において、当該複数の施設に共通の交通機関が関連付けられている場合には、予約確定処理部115は、判定処理部113により前記利用者が前記交通機関を利用したと判定された場合に、前記複数の施設のそれぞれの仮予約に対応する予約を一括して確定させる。この構成を実現するために、例えば、受付処理部111は、利用者から第1施設の予約要求と第2施設の予約要求とを個別に受け付ける。仮予約処理部112は、受付処理部111により受け付けられた各予約要求に基づいて、前記第1施設の第1仮予約と前記第2施設の第2仮予約とを個別に設定する。予約確定処理部115は、判定処理部113により前記利用者が前記第1施設及び前記第2施設に共通して関連付けられた第1交通機関を利用したと判定された場合に、前記第1仮予約及び前記第2仮予約のそれぞれの予約を一括して確定させる。例えば、予約確定処理部115は、前記第1施設を利用する第1利用券と、前記第2施設を利用する第2利用券とを利用者に一括して発行する。この構成によれば、利用者の複数の予約要求に対して効率よく予約を確定させることができる。
なお、受付処理部111、仮予約処理部112、判定処理部113、決済処理部114、予約確定処理部115の一部又は全部の処理部が、施設端末2に設けられてもよい。受付処理部111、仮予約処理部112、判定処理部113、決済処理部114、予約確定処理部115が設けられた施設端末2は、本発明の予約管理システムの一例である。
[施設端末2]
図1に示されるように、施設端末2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信I/F24などを備える。施設端末2は、施設に配置され、施設のスタッフによって操作される。施設端末2は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置である。なお、施設端末2は、スタッフごとに設けられていてもよい。例えば、1台の据置端末とスタッフが携帯する複数の携帯端末とが施設端末2として施設に配置されてもよい。
通信I/F24は、施設端末2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して予約管理装置1などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
記憶部22は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部22には、予約管理装置1との間で各種の情報を送受信するための施設端末プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記施設端末プログラムは、CD又はDVDなどのコンピューター読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、施設端末2に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより施設端末2を制御する。
制御部21は、例えば、前記利用者が施設に来訪した際に、前記利用者が所持する前記施設の利用券(紙媒体)又は前記利用券(電子データ)が表示された利用者端末4から前記利用券の情報及び前記利用者の情報を取得して、予約管理装置1に送信する。また、制御部21は、例えば、前記利用者が前記施設から退場する際に、前記利用者が所持する前記施設の利用券又は前記利用券が表示された利用者端末4から前記利用券の情報及び前記利用者の情報を取得して、予約管理装置1に送信する。すなわち、施設端末2は、利用者の施設への入退場を管理する管理サーバーとして機能することが可能である。なお、本発明において、施設端末2は省略されてもよい。
[鉄道業者サーバー3]
図1に示されるように、鉄道業者サーバー3は、制御部31、記憶部32、及び通信I/F33などを備える。鉄道業者サーバー3は、鉄道業者により管理されるサーバーである。鉄道業者サーバー3には、例えば、鉄道の各駅に設置されたクライアント端末から、自動改札機で読み取られたICカードの情報がアップロードされる。なお、本実施形態では、交通機関の一例として「鉄道」を挙げているため、「鉄道業者サーバー」としているが、本発明の交通機関は鉄道に限定されないため、「交通業者サーバー」としてもよい。
通信I/F33は、鉄道業者サーバー3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して予約管理装置1などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
記憶部32は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、図5に示される利用履歴情報D4が記憶される。また、記憶部32には、鉄道の各駅に設置された前記クライアント端末から各種情報を収集して利用履歴情報D4として記録するための制御プログラムなどが記憶されている。
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより鉄道業者サーバー3を制御する。
制御部31は、予約管理装置1からの要求に応じて、記憶部32に記憶されている利用履歴情報D4から任意の利用者の利用履歴情報を抽出して、予約管理装置1に送信することが可能である。
[利用者端末4]
図1に示されるように、利用者端末4は、制御部41、記憶部42、操作表示部43、及び通信I/F44などを備える。利用者端末4は、施設を利用する利用者が所有する携帯端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、又はタブレット端末のような情報処理装置である。
通信I/F44は、利用者端末4を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して予約管理装置1などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
操作表示部43は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネル、ボタンなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。例えば、利用者は、操作表示部43に表示される前記予約受付サイトにおいて、所望の施設の予約の申し込みを行う。また利用者端末4は、予約管理装置1から前記利用券に対応する電子データを取得した場合に、操作表示部43に前記利用券の画面を表示させる。
記憶部42は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。記憶部42には、制御部41に各種の処理を実行させるための各種の制御プログラムが記憶されている。
制御部41は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部41は、前記ROM又は記憶部42に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより利用者端末4を制御する。
[予約管理処理]
以下、図6を参照しつつ、予約管理装置1の制御部11によって実行される予約管理処理について説明する。例えば、予約管理装置1の制御部11は、利用者が施設の予約の申し込みを行うことにより前記予約管理プログラムの実行を開始することによって、前記予約管理処理の実行を開始する。なお、制御部11は、複数の利用者のそれぞれが予約の申し込みを行った場合に、利用者ごとに前記予約管理処理を個別に並行して実行してもよい。
なお、本発明は、前記予約管理処理に含まれる一又は複数のステップを実行する予約管理方法の発明として捉えることができる。
なお、ここで説明する前記予約管理処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記予約管理処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部11によって前記予約管理処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、複数のプロセッサーによって前記予約管理処理における各ステップが分散して実行されてもよい。
ステップS11において、制御部11は、利用者が前記予約受付サイトにおいて所望の施設の予約の申し込みを行った場合に、当該予約に関する予約要求を受け付ける。前記ステップS11は、本発明の受付ステップの一例である。
次にステップS12において、制御部11は、施設情報D1(図2参照)を参照して、前記予約要求に対応する施設の施設情報を取得する。
次にステップS13において、制御部11は、前記施設の仮予約を設定する。具体的には、制御部11は、前記施設情報に関連付けて、仮予約に関する情報を仮予約情報D2(図3参照)に登録する。前記ステップS13は、本発明の仮予約ステップの一例である。
次にステップS14において、制御部11は、鉄道業者サーバー3に前記利用者の利用履歴情報を要求する。例えば、制御部11は、仮予約情報D2(図3参照)から所定の利用者IDを取得し、当該利用者IDを鉄道業者サーバー3に送信する。鉄道業者サーバー3は、前記利用者IDを受信すると、利用履歴情報D4の中から前記利用者IDに対応する前記利用履歴情報を抽出して、予約管理装置1に送信する。
次にステップS15において、制御部11は、鉄道業者サーバー3から取得した前記利用履歴情報に基づいて、前記利用者が前記施設に関連付けられた交通機関を利用したか否かを判定する。前記利用者が前記施設に関連付けられた交通機関を利用したと判定された場合(S15:YES)、処理はステップS16に移行する。一方、前記利用者が前記施設に関連付けられた交通機関を利用していないと判定された場合(S15:NO)、処理はステップS18に移行する。前記ステップS15は、本発明の判定ステップの一例である。
ステップS16において、制御部11は、前記施設の利用料金の決済処理を行う。
次にステップS17において、制御部11は、前記仮予約に対応する予約を確定させる。例えば、制御部11は、前記予約に関する情報を予約確定情報D3(図4参照)に登録し、前記施設の利用券を発行する。また例えば、制御部11は、前記利用券に対応する電子データ(電子利用券情報)を利用者端末4に送信する。前記ステップS17は、本発明の予約確定ステップの一例である。
ステップS18において、制御部11は、前記仮予約を取り消す。制御部11は、前記施設の予約を取り消したことを示す情報(メッセージ)を利用者端末4に通知してもよい。以上のようにして、前記予約管理処理が実行される。
以上説明したように、本実施形態に係る予約管理システム100では、施設の予約を申し込んだ利用者が当該施設に関連付けられた交通機関を利用した場合に、仮予約に対応する予約を確定させる。また前記利用者が前記交通機関を利用した場合に前記施設の利用料金に関する決済処理が行われて予約が確定される。また予約が確定されると、前記施設の利用券が発行される。このように、利用者が前記交通機関を利用することにより予約が確定されるため、利用者が施設を利用するための予約操作の手間を簡略化することが可能となる。また、利用者が施設を利用するために利用者自身が決済操作を行う必要がないため、利用者の決済処理に関する操作負担を軽減させることが可能となる。
また、施設に関連付けられる前記交通機関は、前記施設へのアクセスに適した交通機関であるため、利用者が前記施設に来訪する場合には当該交通機関を利用する可能性が高くなる。前記交通機関が利用されると、決済処理が行われて予約が確定し利用券が発行される。このため、利用者は予約の申し込みの操作のみ行えばよく、決済処理に関する操作、利用券を取得するための操作などを行う必要がない。よって、利用者が施設を利用する際の予約操作の利便性を向上させることができる。
本発明の予約管理システム100は、上述の実施形態に限定されない。
他の実施形態では、図7に示すように、予約管理装置1は、判定処理部113により利用者が施設に関連付けられた交通機関を利用したと判定された場合に、前記利用者に特典を付与する特典付与処理部116をさらに備える。特典付与処理部116は、本発明の特典付与処理部の一例である。
例えば、特典付与処理部116は、前記施設の利用料金を割り引く特典を利用者に付与する。この場合、決済処理部114は、前記施設の利用料金について、割り引き後の料金で決済処理を行う。また、特典付与処理部116は、前記交通機関の利用料金(乗車料金)を割り引く特典を前記利用者に付与してもよい。この場合、特典付与処理部116は、割引情報を鉄道業者サーバー3に送信してもよい。鉄道業者サーバー3は、前記割引情報を取得すると、前記乗車料金について、割り引き後の料金で清算を行う。前記構成によれば、利用者は所定の交通機関を利用することにより特典を得ることができるため、交通機関の利用を促進することができ、交通機関の利用者数を増加させることができる。
前記構成を実現するための特典付与処理部116の具体的な構成例について以下に説明する。
特典付与処理部116は、判定処理部113により取得される交通機関の前記利用履歴情報に基づいて、前記施設に関連付けられた交通機関を利用した利用者に特典を付与する。例えば、特典付与処理部116は、図8に示される特典情報D5に基づいて、前記利用者に特典を付与する。例えば、特典付与処理部116により前記利用者に付与される特典が、施設の利用料金が割引になる特典である場合、特典付与処理部116は、当該利用料金の一部(例えば1割)に相当する金額を前記利用料金から割り引く。また、特典付与処理部116により前記利用者に付与される特典が、鉄道の利用料金(乗車料金)が割引になる特典である場合、特典付与処理部116は、当該乗車料金の一部(例えば1割)に相当する金額を乗車料金から割り引く。例えば、特典付与処理部116は、割引額を示す情報を鉄道業者サーバー3に送信する。これにより、鉄道業者サーバー3は、例えば前記利用者が所定の交通機関の駅で降車した際に割引後の料金で乗車料金を精算する。なお、鉄道業者サーバー3は、前記割引額を前記利用者のICカードに返金してもよい。
特典付与処理部116は、特典情報D5の特典付与条件を満たす場合に、前記利用者に前記特典を付与する。前記特典付与条件は、例えば、「前記施設の予約の申し込みを行った利用者が、利用日(イベント開催日)に前記施設に関連付けられた交通機関(例えば鉄道)を利用したこと」である。すなわち、特典付与処理部116は、施設の予約の申し込みをした利用者が当該施設の利用日(イベント開催日)に利用した交通機関が、当該施設に関連付けられた交通機関(図2参照)である場合に、前記利用者に前記特典を付与する。なお、イベント開催日を前記特典付与条件に加えることにより、通勤、通学などで前記交通機関を日常的に利用している利用者に対して前記特典が無制限に付与されてしまうことを回避することができる。なお、「特定の駅(例えば施設の最寄駅)を利用したこと」を前記特典付与条件に加えてもよい。
また、前記特典付与条件は、例えば、「前記施設の予約の申し込みをした利用者が、利用日(イベント開催日)に鉄道を利用してイベント終了時刻より前に前記施設の最寄駅を降車したこと」であってもよい。すなわち、特典付与処理部116は、利用者が前記最寄駅を降車した日時がイベント開催中(イベント開始日時からイベント終了日時の間)である場合に、前記利用者に前記特典を付与する。利用者がイベント終了前に前記最寄駅を降車した場合には、前記利用者が前記施設に来訪する可能性が高いと判断できるため、前記条件を満たす場合には、特典付与処理部116は前記利用者に前記特典を付与する。
このように、特典付与処理部116は、施設の予約の申し込みをした利用者が当該施設に関連付けられた交通機関を利用したことを条件として、前記利用者に前記特典を付与してもよい。また特典付与処理部116は、前記施設の利用日時(例えばイベント開催日時)と前記利用者が前記施設の最寄駅で降車した日時とが予め定められた条件を満たすことを条件として、前記利用者に前記特典を付与してもよい。ところで、通勤、通学などで前記最寄駅を利用している利用者が、休憩時間に前記施設を利用する場合、前記イベント開始日時と前記最寄駅で降車した日時との間に大きな時間差が生じることがある。一方、利用者が、前記施設に来訪するためだけに前記最寄駅を利用した場合、前記イベント開始日時と前記最寄駅で降車した日時との間に大きな時間差は生じない。そこで、特典付与処理部116は、例えば、前記イベント開始日時と前記利用者が前記施設の最寄駅で降車した日時との時間差が、予め定められた閾値以下であることを条件として、前記利用者に前記特典を付与してもよい。これにより、通勤、通学などで前記最寄駅を日常的に利用している利用者(すなわち、鉄道の利用者数の増加には貢献しないような利用者)への特典の付与が抑制されるので、鉄道の利用者数を効率良く増加させることが可能である。なお、前記閾値は、前記施設ごとに個別に設定されてもよい。例えば、前記閾値が、前記施設と前記最寄駅との間の距離又は道程に応じて設定又は変更されてもよい。
特典付与処理部116は、前記乗車駅から前記降車駅までの利用区間に応じて前記利用者に異なる前記特典を付与してもよい。判定処理部113は、利用履歴情報D4(図5参照)に基づいて、前記利用者が乗車した乗車駅を特定する。例えば、特典付与処理部116は、前記利用区間が相対的に長い利用者に対して、前記利用区間が相対的に短い利用者よりも有利な特典(例えば、鉄道の利用料金の割引率を大きくするなど)を付与してもよい。これにより、鉄道の利用区間がより長い利用者の数を効率良く増加させることができる。
特典付与処理部116は、前記利用者が前記最寄駅で前記鉄道を降車後に前記施設を利用し、且つ前記利用者が前記施設の利用後に前記最寄駅で前記鉄道に乗車した場合に、前記利用者に前記特典を付与してもよい。前記施設の利用者は、前記施設に来訪する際には鉄道を利用し、前記施設から帰宅する際には他の交通機関(バス、タクシーなど)を利用する場合がある。このような場合には、前記鉄道の利用者数が減少してしまう。これに対して、前記構成によれば、利用者が往復で前記鉄道の最寄駅を利用したことを条件に前記利用者に特典を付与するため、鉄道の利用者数を増加させることができる。この場合、例えば、決済処理部114は、施設に来訪するために前記最寄駅で降車した際に当該施設の利用料金を割引後の料金で決済処理を行い、鉄道業者サーバー3は、当該施設を利用した後に前記最寄駅で乗車してその後に降車した駅において乗車料金を割引後の料金で精算する。
なお、特典付与処理部116は、前記利用者が前記最寄駅で降車した列車の進行方向と、前記利用者が前記最寄駅で乗車した列車の進行方向とが反対方向であることを条件として、前記利用者に前記特典を付与してもよい。もしくは、特典付与処理部116は、前記利用者が前記最寄駅で降車した列車に乗車した乗車駅と、前記利用者が前記最寄駅で乗車した列車から降車した降車駅とが同一であることを条件として、前記利用者に前記特典を付与してもよい。これにより、乗車駅から本来の目的駅へと電車で向かう途中で前記最寄駅で一旦降車して前記施設を利用した利用者(すなわち、鉄道の利用者数の増加には貢献しないような利用者)には特典を付与せず、前記最寄駅で折り返した利用者(すなわち、前記施設を利用するためだけに鉄道を利用した利用者)にのみ特典を付与することができる。よって、鉄道の利用者数を効率良く増加させることが可能である。
特典付与処理部116は、前記利用者が予約の申し込みをした施設の利用料金(図2の施設情報D1参照)に応じて、前記利用者に異なる前記特典を付与してもよい。例えば、特典付与処理部116は、前記利用料金が相対的に高い施設の予約の申し込みをした利用者に対して、前記利用料金が相対的に低い施設の予約の申し込みをした利用者よりも有利な特典(例えば、利用料金の割引率を大きくするなど)を付与してもよい。これにより、高額な利用料金の施設を利用する利用者の負担感を軽減することができるため、鉄道及び施設の利用を促進することができる。
特典付与処理部116は、前記利用者が前記施設の予約の申し込みを行った日(図3の仮予約情報D2の「受付日時」)に応じて、前記利用者に異なる前記特典を付与する。例えば、特典付与処理部116は、前記受付日時が相対的に早い利用者に対して、前記受付日時が相対的に遅い利用者よりも有利な特典(例えば、利用料金の割引率を大きくするなど)を付与してもよい。これにより、鉄道及び施設の利用者を早期に確保することができる。
特典付与処理部116は、前記利用者による前記施設の最寄駅の利用頻度が予め定められた条件を満たすことを条件として、前記利用者に前記特典を付与してもよい。例えば、特典付与処理部116は、前記利用者による前記施設の最寄駅の利用頻度(例えば、過去1ヶ月間の利用回数)が予め定められた閾値(例えば、15日)よりも低いことを条件として、前記利用者に前記特典を付与してもよい。これにより、通勤、通学などで前記最寄駅を日常的に利用している利用者(すなわち、鉄道の利用者数の増加には貢献しないような利用者)への特典の付与が抑制されるので、鉄道の利用者数を効率良く増加させることが可能である。
図9は、特典付与処理部116を備える予約管理システム100の予約管理装置1の制御部11によって実行される予約管理処理の手順の一例を示すフローチャートである。図6に示す予約管理処理と比較して、ステップS16が異なり、ステップS19,S20が新たに追加されている。ここでは、図6に示す予約管理処理と異なる点について説明する。
具体的には、ステップS15において、利用者が、仮予約が設定された施設に関連付けられた交通機関を利用したと判定された場合に(S15:YES)、ステップS16において、制御部11は、前記施設の利用料金を割引後の料金で決済処理を行う。その後、ステップS17において、制御部11は、前記仮予約に対応する予約を確定させる。
一方、ステップS15において、利用者が、仮予約が設定された施設に関連付けられた交通機関を利用していないと判定された場合に(S15:NO)、ステップS19において、制御部11は、所定期間が経過したか否かを判定する。前記所定期間は、例えば、前記施設の利用日に基づいて設定される。例えば、前記所定期間は、イベント終了日時に設定される。すなわち、制御部11は、現在日時がイベント終了日時を過ぎたか否かを判定する。制御部11は、現在日時がイベント終了日時を過ぎるまでは(S19:NO)、利用者が前記交通機関を利用したか否かを判定する(S15)。
利用者が前記交通機関を利用しないで(S15:NO)、現在日時がイベント終了日時を過ぎた場合(S19:YES)、ステップS20において、制御部11は、前記施設の利用料金を割引のない正規料金で決済処理を行う。
以上の特典付与処理部116を備える予約管理システム100では、利用者が所定の交通機関を利用したことを条件として利用者に特典が付与される。また、予約管理システム100は、利用者が前記施設を利用したことを、前記特典を付与する条件に含まない。すなわち、施設端末2は、利用者が施設に来訪したことを示す情報を取得しなくてもよいし、また当該情報を予約管理装置1に通知しなくてもよい。よって、利用者が施設を利用したか否かに関わらず、利用者が施設に対応する交通機関を利用した場合に特典を付与することが可能となる。また通勤、通学などで鉄道を日常的に利用している利用者に対して特典が無制限に付与されてしまうことを回避することができる。これにより、鉄道の利用者数の増加には貢献しないような利用者への特典の付与が抑制されるので、鉄道の利用者数を効率良く増加させることが可能となる。
また、予約管理システム100では、特典に基づく割引後の料金で決済処理を行うことができるため、予約時に利用料金の決済処理を行いその後に割引額に相当する金銭を返金する構成と比較して、決済処理を簡略化することができる。よって、予約管理装置1において決済処理に関する情報のやり取りの回数が抑制されるため、通信トラフィックの低減、及びコンピュータリソースの有効利用が可能となる。
特典付与処理部116を備える予約管理システム100は、以下に示す形態であってもよい。
他の実施形態として、予約管理装置1は、前記利用者が前記最寄駅で降車した後、前記最寄駅から所定範囲内に滞在する周辺滞在時間を取得する時間取得処理部をさらに備えてもよい。そして、特典付与処理部116は、前記時間取得処理部により取得される前記周辺滞在時間に応じて、前記利用者に異なる前記特典を付与してもよい。前記所定範囲は、例えば前記最寄駅から半径数百メートル又は半径数キロメートルの範囲に設定されてもよいし、前記最寄駅から前記施設までの経路上又は前記経路の周辺に設定されてもよい。例えば、特典付与処理部116は、前記周辺滞在時間が相対的に長い利用者に対して、前記周辺滞在時間が相対的に短い利用者よりも有利な特典(例えば、利用料金の割引率を大きくするなど)を付与してもよい。これにより、最寄駅周辺地域の活性化を図ることができるため、鉄道の利用者数の増加に寄与する。
なお前記構成においては、決済処理部114は、判定処理部113により前記利用者が前記施設に関連付けられた前記交通機関を利用したと判定された場合に、前記施設の利用料金の決済処理を直ちに行わず、前記特典が確定した時点で決済処理を行う。例えば、決済処理部114は、前記施設の利用日の翌日に前記特典に基づく割引後の利用料金で決済処理を行う。
また他の実施形態として、予約管理装置1では、特典付与処理部116が、前記利用者が予約の申し込みをした前記施設の利用人数が複数人である場合に、前記利用者に一人分又は複数人分の前記特典を付与してもよい。例えば、施設(イベント会場)で開催されれるイベントに複数人(グループ)で参加する場合、グループの代表者一人が全員分の仮予約を行う場合がある。この場合において、利用料金に対する割引率を一律に設定すると、代表者が施設に関連付けられた交通機関を利用して施設に来訪し、代表者以外の利用者が他の交通機関で前記施設に来訪した場合にも、一定の割引が行われてしまう。そこで、代表者が複数人の仮予約を行った場合には、特典付与処理部116は、一人分の前記特典を付与する。
なお、代表者以外の利用者の移動手段の情報を取得できる場合には、前記交通機関を利用した利用者の人数に応じて、前記割引額を決定してもよい。前記構成を採用する場合、仮予約情報D2(図3参照)には、利用者が予約の申し込みをした人数の情報が含まれる。また代表者以外の利用者の情報が、仮予約情報D2に登録されてもよい。例えば、特典付与処理部116は、代表者に、前記最寄駅で降車した利用者の人数分の前記特典を付与する。この場合、代表者は、各利用者から割引後の代金を徴収すればよい。
なお、本発明の予約管理システムは、予約管理装置1単体で構成されてもよいし、制御部11の各処理部を備える施設端末2単体で構成されてもよいし、制御部11の各処理部を備える鉄道業者サーバー3単体で構成されてもよいし、予約管理装置1、施設端末2及び鉄道業者サーバー3のうち少なくとも2つにより構成されてもよい。