JP7269485B2 - 高窒素ステンレス溶鋼の溶製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高窒素ステンレス溶鋼の溶製方法に関する。
耐摩耗性や耐食性の向上を目的として窒素濃度の高いステンレス溶鋼を溶製する際、溶鋼に窒素を添加する手段として、窒素ガスを溶鋼に吹き込むことが多く行われている。しかし、溶鋼に含有される窒素成分がばらつく傾向にあり、窒素成分の安定化に課題がある。窒素添加時に吹込み窒素ガス総流量を制御するが、溶鋼中に溶解するのはその一部である。そのため、窒素溶解度が低く、加えて処理単位ごとに窒素溶解度がばらつくという課題がある。
また、溶鋼中の炭素濃度及び酸素濃度を低減しなければならない場合、真空脱ガス処理を行う必要があるが、溶鋼中の窒素が真空雰囲気下で脱離することにより窒素濃度が低下し、窒素低下量を安定化できない(窒素低下量がばらつく)ことも窒素成分ばらつきの要因となっている。
真空脱ガス処理中に窒素が脱離する課題に対して、特許文献1には、脱ガス時の真空度及び真空処理時間を制御することで必要な脱酸量を確保しながら、窒素の脱離量を低減する方法が記載されている。
また、特許文献2には、従来の窒素含有合金の添加では真空脱ガス処理後でしか窒素が添加できず処理時間が増大するため、真空脱ガス処理と窒素ガス吹込みを同時に行う方法が記載されている。この方法では、還元剤の投入による脱酸と窒素添加を同時に行うことで窒素溶解量を高めている(特許文献2の段落[0011])。
特開2000-26913号公報 特開平11-279624号公報
特許文献1には、窒素ガス吹込みによる窒素添加後の溶鋼窒素濃度のばらつき解消について記載されていない。特許文献1記載の方法の場合、真空脱ガス処理時に溶鋼窒素濃度のばらつきが増大することがある。特に、真空脱ガス処理前の溶鋼窒素濃度にばらつきがある場合、真空脱ガス処理によって溶鋼窒素濃度のばらつきがさらに増大することがある。
特許文献2記載の方法は、溶鋼窒素濃度の増大に成功しているが、依然として溶鋼窒素濃度のばらつきが存在し、窒素成分の安定化は実現されていない。
このように従来の技術は、溶鋼に含有される窒素成分のばらつきを課題としていない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、ステンレス溶鋼への窒素添加において、窒素ガス供給量に対して溶鋼に含有される窒素濃度が安定しない課題、即ち、溶鋼窒素濃度がばらつく課題を解決することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る高窒素ステンレス溶鋼の溶製方法は、
一次精錬工程において、吹酸脱炭処理を行ったステンレス溶鋼に還元剤を投入した後に、該溶鋼中の溶存酸素濃度が100ppm以下となるまで脱酸処理し、その後、該溶鋼に窒素ガスを吹き込む処理を実施して出鋼し、
前記一次精錬工程後の真空脱ガス工程において、圧力が0.03MPa以下である真空雰囲気に前記溶鋼を暴露する時間を40分以下とし、
前記真空脱ガス工程後の取鍋精錬工程において、前記溶鋼中の溶存窒素量を基に該溶鋼に供給する窒素ガス量を決定し、該溶鋼に窒素ガスを供給して、窒素濃度が250ppm以上の高窒素ステンレス溶鋼を溶製することを特徴としている。
本発明が対象とする「高窒素ステンレス溶鋼」は、窒素濃度が250ppm以上のステンレス溶鋼を想定しており、特に窒素濃度が500ppm以上のステンレス溶鋼に対して有効な溶製方法である。
また、「還元剤」は、ステンレス溶鋼中の酸素と反応して酸化物を形成することによって溶鋼を還元する役割を果たす副原料である。
還元反応によって溶鋼の溶存酸素濃度を下げることにより、窒素が溶鋼に溶けやすくなる。しかし、還元反応過渡期は脱炭炉内の溶鋼に酸素濃度のばらつきがあるため、窒素ガスを溶鋼に吹き込むと、窒素溶解量にばらつきが生じる。また、低圧下では溶鋼から窒素が脱離するが、脱離速度の制御は難しい。
そこで、本発明では、一次精錬工程において、吹酸脱炭処理を行った溶鋼の溶存酸素濃度が100ppm以下となるまで脱酸処理した後、該溶鋼に窒素ガスを吹込み、真空脱ガス工程において、真空雰囲気に溶鋼を暴露する時間を40分以下とする。さらに、取鍋精錬工程までに生じた溶鋼窒素濃度のばらつきを低減するため、取鍋精錬工程において、溶鋼中の溶存窒素量を基に該溶鋼に供給する窒素ガス量を決定して該溶鋼に窒素ガスを供給する。
また、本発明に係る高窒素ステンレス溶鋼の溶製方法において、前記取鍋精錬工程では、前記溶鋼の溶存酸素濃度が50ppm以下となるまで脱酸処理した後、前記溶鋼に窒素ガスを供給するようにしてもよい。
当該構成では、取鍋精錬工程において、溶鋼の溶存酸素濃度が50ppm以下となるまでさらに脱酸処理を行うことにより、最終的な窒素成分値のばらつきを抑制する。
本発明に係る高窒素ステンレス溶鋼の溶製方法では、一次精錬工程、真空脱ガス工程、及び取鍋精錬工程の各工程において溶鋼窒素濃度のばらつきを抑制するので、目標とする窒素成分値を有するステンレス溶鋼を効率的に溶製することができる。
また、上記波及効果として、精錬処理時間のばらつきが抑制可能となるので、精錬処理時間が長くなることを見込んで用いていた昇熱材の使用量を削減することができる。
本発明の一実施の形態に係る高窒素ステンレス溶鋼の溶製方法の処理手順を示した模式図である。 高窒素ステンレス溶鋼の溶製過程における溶鋼窒素濃度のばらつきを表したイメージ図であり、(A)は従来方法、(B)は本実施の形態に係る高窒素ステンレス溶鋼の溶製方法を示している。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
[溶鋼窒素濃度がばらつく要因]
鋼片中の窒素濃度により硬度等の特性が変化する。そのため、製品の品質向上のためには鋳造時の溶鋼窒素濃度をばらつきなく制御することが必要となる。
溶鋼中に窒素を溶解させる方法には、窒素ガスの吹込みと窒素合金の投入がある。しかし、いずれの方法も溶鋼温度の低下を招くため、昇温機構を備えていない設備では、窒素添加可能量に上限が存在する。従って、鋳造前の最終工程である取鍋精錬工程において溶鋼窒素濃度の調整を行うとしても限界があり、鋳片中の窒素濃度を精度よく制御するためには、取鍋精錬を行う前に窒素濃度のばらつきをできるだけ抑制しておくことが重要となる。
ステンレス溶鋼(以下では、単に「溶鋼」と呼ぶことがある。)の精錬工程は、一次精錬工程と真空脱ガス工程を経由する必要がある。窒素添加ステンレス鋼を製造する場合、一次精錬工程の処理中あるいは処理後に窒素添加を行い、その後、真空脱ガス工程において真空処理を行う。その後、必要であれば取鍋精錬を行うことが一般的である。
本発明者らは、取鍋精錬前の溶鋼窒素濃度のばらつきが生じる主要因は、後述するように、一次精錬工程における窒素溶解量のばらつきと、真空脱ガス工程における窒素脱離量のばらつきであることを見出した。
a)一次精錬工程における窒素溶解量のばらつき
上述したように、溶鋼中に窒素を溶解させる方法には、窒素ガスの吹込みと窒素合金の投入があるが、窒素添加量に対する窒素溶解量の比率が、窒素ガス吹込みのほうが窒素合金の投入に比べて高いことから、一次精錬工程における窒素添加は、窒素ガスの吹込みによって行われてきた。しかし、窒素ガスの吹込み量に対して窒素の溶解量は一定ではなく、添加後の溶鋼中窒素濃度にばらつきが存在していた。
窒素ガスの溶解は、微視的にはガスの気相と溶鋼の液相の界面で進行するが、界面において溶解反応を阻害する元素(酸素、硫黄等)が存在すると、溶解反応の進行速度が低下すると考えられる。そこで、本発明者らは、溶鋼中の溶存酸素濃度を一定に制御した状態で窒素添加を行ったが、窒素溶解量のばらつきは解消されなかった。
脱炭炉内の溶鋼に窒素ガスを吹込むと、炉内の各所で窒素の溶解反応が同時並行的に進行する。ここで、当該反応進行中における各所の溶存酸素量を検討すると、溶鋼中に溶存酸素量が高い領域と低い領域が併存することが判明した。溶鋼中の溶存酸素量にばらつきがある状態で窒素ガスの吹込みを行うと、窒素の溶解速度にばらつきが生じ、溶解する窒素の総量がばらつくことを本発明者らは発見した。因って、炉内で溶鋼中の溶存酸素濃度にばらつきがないように制御できれば窒素の溶解量のばらつきを抑制できることに本発明者らは想到した。
b)真空脱ガス工程における窒素脱離量のばらつき
溶鋼の極低炭素化及び高純化のためには、真空脱ガス工程は必須である。しかし、高窒素ステンレス溶鋼の処理を行う場合、真空雰囲気下では溶鋼表面において窒素の脱離反応が進行する。
窒素の脱離反応の速度は、真空排気槽中の窒素分圧に依存する。しかし、窒素分圧は真空度のみならずCOガスやCOガスの濃度によっても変化する。このため、脱離反応速度の制御は困難であるため、真空脱ガス処理において窒素脱離量のばらつきは不可避的に生じ、真空処理時間が長いほど窒素脱離量のばらつきは大きくなる。
[本発明の一実施の形態に係る高窒素ステンレス溶鋼の溶製方法]
本発明の一実施の形態に係る高窒素ステンレス溶鋼の溶製方法では、一次精錬工程において窒素ガス吹込みにおける窒素溶解量のばらつきを低減し、さらに真空脱ガス工程において窒素脱離量のばらつきを低減する。そして、取鍋精錬工程の前までに生じた溶鋼窒素濃度のばらつきを取鍋精錬工程において低減する。
(STEP-1:一次精錬工程)
転炉10(脱炭炉の一例)内に挿入したランス13及び転炉10底部に設けられた羽口12から転炉10内のステンレス溶鋼20に酸素22を吹込み、吹酸脱炭処理を行う(図1(A)参照)。
なお、1チャージ当たりの溶鋼量は、50ton~350ton程度である。
(STEP-2:一次精錬工程)
副原料投入口15から転炉10内の溶鋼20に還元剤21を投入した後、溶存酸素濃度が100ppm以下となるまで溶鋼20を撹拌し脱酸処理を行う(図1(A)参照)。これにより、転炉10内で溶存酸素濃度が均等になる。
上記脱酸処理では、溶鋼20単位量当たりの撹拌動力密度を10(kW/ton)以上とし、5分以上撹拌すれば、溶存酸素濃度を100ppm以下とすることが可能となる。撹拌には、例えばArガスの吹込みやArガスの吹付け等の公知の方法が利用できる。
還元剤21には、反応性及び運搬性の高さの観点から、フェロシリコン合金、その他のSi-Mn合金のようなシリコン合金、金属アルミニウム、及び炭素のいずれか一つ又はその組み合わせが主として使用されるが、鉄及びクロムよりも酸素との反応性が高い金属を主成分とするものであれば上記合金に限らない。
撹拌動力密度の上限は特に定めず、使用する設備で可能な範囲とすればよい。例えば、1000(kW/ton)の設備が知られているが、100(kW/ton)以下が可能となる設備が一般的である。
(STEP-3:一次精錬工程)
転炉10底部の羽口12から転炉10内の溶鋼20に窒素ガス23を吹き込む処理を実施して出鋼する(図1(B)参照)。
(STEP-4:真空脱ガス工程)
転炉10から排出された溶鋼20を取鍋11内に装入した後、取鍋11上に真空排気槽16をセットし(図1(C)参照)、真空排気槽16内の真空雰囲気圧力を0.03MPa以下とする。そして、取鍋11底部に設けられた羽口(図示省略)から取鍋11内の溶鋼20にArガス24を吹込むと共に、真空排気槽16内に挿入したランス14から取鍋11内の溶鋼20に酸素22を吹込み、真空脱ガス処理を行う。真空雰囲気に溶鋼20を暴露する時間は40分以下とする。
真空雰囲気に溶鋼20を暴露する時間は短ければ短いほど、溶鋼窒素濃度のばらつき増大を抑制することができる。しかし、本発明が対象とする高窒素ステンレス溶鋼の場合、一次精錬のみで含有炭素量を目標値まで低減することができない。そのため、10分以上(0.03MPa以下の暴露時間)の真空脱ガス処理を必要とする場合が多い。
真空雰囲気圧力は、真空脱ガス装置の排気能力に依存し、例えば、0.0013MPa(10Torr)程度まで圧力を低減することができる装置が実用化されている。本発明者らの知見によれば、0.03MPa以下の暴露時間が40分以下であれば、溶鋼窒素濃度に関して顕著なばらつき増大は認められないことを確認している。
(STEP-5:取鍋精錬工程)
溶鋼20中の溶存窒素量を基に溶鋼20に供給する窒素ガス量を決定し、取鍋11底部の羽口から取鍋11内の溶鋼20に窒素ガス23を吹込む(図1(D)参照)。
本発明における一次精錬要件及び真空脱ガス要件が満足されると、取鍋精錬工程前における溶鋼20の溶存窒素量は安定する。従って、溶鋼20中の溶存窒素量には、溶鋼サンプルを採取した実測値、過去の実績データに基づいた推定値や計算値、吸窒脱窒のモデル式に基づく計算値等、いずれも使用することができる。
本工程では、溶鋼20の溶存酸素濃度が50ppm以下となるまで脱酸処理した後、溶鋼20に窒素ガス23を供給するようにしてもよい。溶鋼20中の溶存酸素濃度が高いと、取鍋11内で酸素濃度分布にばらつきが生じ、窒素ガス23吹込みによる窒素溶解量ばらつきの要因となりうる。そこで、溶存酸素濃度が50ppm以下になるまでさらに脱酸処理を行うことにより、最終成分値における溶鋼窒素濃度のばらつきを抑制することができる。
上記脱酸処理において、溶鋼単位量当たりの撹拌動力密度を1(kW/ton)以上とし、5分以上撹拌すれば、溶存酸素濃度が50ppm以下の到達が可能となる。撹拌には、例えばArガスの吹込みやArガスの吹付け等の公知の方法が利用できる。
予め、溶鋼20に還元剤21を投入してもよい。
撹拌動力密度の上限は特に定めない。使用する設備で可能な範囲とすればよく、例えば、10(kW/ton)以下の設備が知られている。
図2は、高窒素ステンレス溶鋼の溶製過程における溶鋼窒素濃度のばらつきを表したイメージ図であり、(A)は従来方法、(B)は本実施の形態に係る高窒素ステンレス溶鋼の溶製方法を示している。
従来方法では、一次精錬工程から真空脱ガス工程、取鍋精錬工程へと処理が進むにつれて溶鋼窒素濃度のばらつきが拡大していき、取鍋精錬終了時に、目標とする溶鋼窒素濃度に達しない場合があることがわかる。
一方、本実施形態では、一次精錬工程において窒素溶解量のばらつきを低減し、さらに真空脱ガス工程において窒素脱離量のばらつきを低減するので、取鍋精錬工程前の段階で、溶鋼窒素濃度のばらつきが大幅に抑制されていることがわかる。また、取鍋精錬工程において、さらに脱酸処理をして溶鋼に窒素ガスを吹込むことにより、溶鋼窒素濃度のばらつきが取鍋精錬工程において発生していないことがわかる。総処理時間も従来方法に比べて大幅に短縮されている。
以上、本発明の一実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
本発明の効果について検証するために実施した検証試験について説明する。
一次精錬工程には転炉を使用した。一次精錬工程では、還元剤(例えば、金属Siを含むFeSi合金、金属Al)投入後に窒素ガスを溶鋼に吹込んだ。一次精錬工程終了後、真空脱ガス工程で真空処理し、取鍋精錬工程において窒素ガスを溶鋼に吹込み窒素添加ステンレス溶鋼の溶製を行った。その際、溶鋼窒素濃度のばらつきを検証するため、還元条件及び脱ガス条件を変化させ、表1に示す成分値の窒素添加ステンレス溶鋼の溶製を行った。各溶鋼の成分値はタンディッシュで測定した。
Figure 0007269485000001
なお、実施例2は、真空脱ガス処理後の取鍋精錬において、還元剤(例えば、金属Siを含むFeSi合金、金属Al)添加とArガス撹拌による脱酸処理を行って溶存酸素濃度を50ppm以下とした後、窒素ガスを溶鋼へ吹込んだ。
真空脱ガス工程において真空排気槽内の圧力を0.03MPaから最低圧力(0.01MPa)へ減圧するパターンは各ケース同じとし、最低圧力(0.01MPa)の保持時間を調整して、真空曝露時間(雰囲気圧力が0.03MPa以下の真空に暴露する時間)を決定した。
各ケースそれぞれ同じ条件で3回ずつ溶製を行って、窒素目標値に対する実測成分値の差の絶対値の平均値を算出し、算出した平均値を基に各ケースのばらつきを評価した。具体的には、平均値が3%以下の場合は◎(優)、3%超~5%以下の場合は○(良)、5%超の場合には×(不可)とした。
検証試験結果を表2に示す。
Figure 0007269485000002
表2より以下のことがわかる。
実施例1は溶鋼窒素濃度判定が○、実施例2は、取鍋精錬工程における窒素ガス吹込み時の溶存酸素濃度が50ppm以下であったため、溶鋼窒素濃度判定は◎であった。
一方、比較例1及び2は、還元剤投入直後の溶存酸素濃度が100ppm超であったため、溶鋼窒素濃度判定は×であった。比較例3は、真空暴露時間が40分を超えていたため、溶鋼窒素濃度判定は×であった。
なお、実施例1と同じ処理条件で、異なるCr濃度、異なる窒素濃度のステンレス溶鋼の溶製を行ったところ、窒素濃度のばらつきは、上記実施例と同様、5%以内のばらつきで制御可能であった。
10:転炉(脱炭炉の一例)、11:取鍋、12:羽口、13、14:ランス、15:副原料投入口、16:真空排気槽、20:溶鋼(ステンレス溶鋼)、21:還元剤、22:酸素、23:窒素ガス、24:Arガス

Claims (2)

  1. 一次精錬工程において、吹酸脱炭処理を行ったステンレス溶鋼に還元剤を投入した後に、該溶鋼中の溶存酸素濃度が100ppm以下となるまで脱酸処理し、その後、該溶鋼に窒素ガスを吹き込む処理を実施して出鋼し、
    前記一次精錬工程後の真空脱ガス工程において、圧力が0.03MPa以下である真空雰囲気に前記溶鋼を暴露する時間を40分以下とし、
    前記真空脱ガス工程後の取鍋精錬工程において、前記溶鋼中の溶存窒素量を基に該溶鋼に供給する窒素ガス量を決定し、該溶鋼に窒素ガスを供給して、窒素濃度が250ppm以上の高窒素ステンレス溶鋼を溶製することを特徴とする高窒素ステンレス溶鋼の溶製方法。
  2. 請求項1記載の高窒素ステンレス溶鋼の溶製方法において、前記取鍋精錬工程では、前記溶鋼の溶存酸素濃度が50ppm以下となるまで脱酸処理した後、前記溶鋼に窒素ガスを供給することを特徴とする高窒素ステンレス溶鋼の溶製方法。
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