JP5272480B2 - 溶鉄の脱硫精錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、極低硫鋼を溶製するための溶鉄の脱硫精錬方法に関する。
一般に、炭素鋼で極低硫鋼(溶鋼の硫黄濃度で[S]≦14ppm)を製造するには、まず溶銑の段階で、ソーダ灰、金属Mg系あるいは石灰系の脱硫剤を用い、強力に予備脱硫を行ない、溶銑の硫黄濃度を20〜50ppm程度に低下させる。そして、該溶銑を転炉等で脱炭精錬を行なった後、得られた溶鋼に対し更に二次精錬を行って脱硫し、最終目標の硫黄濃度にする。その二次精錬で行う脱硫には、下記のような方法が利用される。
(1)取鍋、蓋及び加熱用電極からなる所謂「LF装置」を用い、電気エネルギーによる昇熱とスラグ−メタル精錬とを行い脱硫する方法
(2)取鍋に保持した溶鋼に、ガス吹き込みノズルを介して脱硫剤を大気下で吹き込み脱硫する方法
(3)取鍋に保持した溶鋼をRH等の真空脱ガス槽内で環流させ、上方より脱硫剤を吹き付け、脱硫する方法
(4)取鍋に保持した溶鋼をVOD真空脱ガス槽内にセットし、強撹拌して脱硫する方法
LF装置やVOD真空脱ガス槽を用いない方法としては、予め溶銑の予備処理段階で硫黄濃度を10〜35ppmに低下させた後、プリメルトフラックスの利用と溶鋼中Al濃度の制御により、2ppm以下の硫黄濃度を安定して溶製する方法も提案されている(特許文献1)。
また、簡便に極低硫鋼を製造する方法として、フリーボード内の酸素濃度を低く制御しつつCaO系フラックスとAlを添加する方法も提案されている(特許文献2)。
また、特許文献3には、平衡酸素分圧を0.2〜0.8気圧に制御したガスをスラグに吹き付けることで、溶鉄からスラグへの脱硫に併せてスラグからの気化脱硫を進行させる方法が提案されている。
なお、極低硫鋼を製造する場合には、スラグの脱硫能を高めるために、蛍石などのフッ素を含む脱硫剤を使用するのが一般的となっている。
特開平9−217110号公報 特開2004−107716号公報 特開平1−165709号公報
LF装置を用いる方法は、電力エネルギーで精錬用フラックスを溶かし、溶鋼浴面を覆い、保温に有効な技術である。また、溶融し難い精錬用フラックスでも利用でき、スラグの硫黄保持能力(サルファイドキャパシティ)を高めることができるので、脱硫反応効率が高いという利点がある。しかしながら、LF装置を用いる場合は、多大な電力エネルギーを使うために、製造コストが高くなるばかりでなく、溶製時間が長く、生産性も低いという問題点があった。
また、VOD真空脱ガス槽を用いる方法は、撹拌力が大きいので、脱硫反応効率は大きいが、溶製時間が長く、処理コストが高いという問題があった。また、溶鋼の強撹拌により、取鍋の内張り耐火物の溶損が著しく大きくなるという問題も生じていた。
特許文献1に記載の方法では、溶銑予備処理と二次精錬での二段精錬が必須となるため、溶銑予備処理に要する時間と費用が莫大になる。また、目標達成が不十分の時には、RH真空脱ガス槽を用いたさらなる脱硫処理、つまり二次精錬だけで2段階の脱硫処理が必要とされるという課題があった。
また、特許文献2に記載の方法では、硫黄濃度5ppm以下の極低硫鋼の溶製は不可能であり、またAlを使用するため、材質上Al濃度規制がある鋼種やアルミナ系介在物の存在が許されない鋼種には適用できないという課題もあった。
特許文献3に記載の方法では、脱硫と同時に脱珪や脱りん精錬も行うため、脱硫能力に限界があり、硫黄濃度30ppm未満の低硫鋼には適用できないという課題があった。
さらに、極低硫鋼製造時に一般的に使用されるフッ素を含有するフラックスで脱硫処理を行うと、処理後のスラグにもフッ素が残留する。そのため、スラグ中のフッ素が環境に及ぼす影響を考慮し、鋼の精錬においてもフッ素源の使用を抑えることが要請されている。
本発明は、設備費や処理コストの高いLF装置や真空脱ガス装置を使うことなく、また環境に悪影響を与えることなく、より簡便に、高効率でかつ安定して脱硫処理する精錬方法を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するため、本発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(1)溶鉄を脱硫精錬するに際し、脱炭精錬後の溶鋼に対して脱硫精錬を行い、第一工程として脱硫剤を添加して脱硫を施し、第二工程として溶鉄表面を覆った第一工程の脱硫スラグの一部あるいは全部を残し、該スラグ上部から酸素ガスまたは酸素ガスを81体積%以上含むガスを吹き付けて、第二工程後の溶鉄中S濃度を第一工程後のS濃度よりも低くした後、第三工程として脱酸剤により溶鉄とスラグを脱酸することを特徴とする溶鉄の脱硫精錬方法
(2)脱硫剤として実質的にフッ素を含まないフラックスを使用することを特徴とする上記(1)記載の溶鉄の脱硫精錬方法。
)上記(1)又は(2)に記載の溶鉄の脱硫精練方法で発生したスラグを、前記脱硫剤として用いることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の溶鉄の脱硫精練方法。
本発明により、設備費や処理コストの高いLF装置や真空脱ガス装置を使うことなく、また環境に悪影響を与えることなく、より簡便に、かつ高効率で、安定した極低硫鋼を製造することが可能となった。
通常の脱硫処理においては、CaO源を添加し、下記(A)式で脱硫反応を進行させる。
CaO+→CaS+ (A)
フラックスとの反応性を向上させるために、またスラグの脱硫能を高めるために、アルミナ源やフッ素源をCaOに混合したり、鉄中の酸素活量を下げるために金属Al等を添加して脱酸したり、雰囲気を減圧化、不活性ガス化したり、という工夫がなされている。溶銑段階では金属Mgを添加して脱酸しつつMgSの形で脱硫する場合もあるが、MgSは不安定であり、最終的にCaSの形でスラグ中に固定される。
いずれにしても、平衡硫黄濃度はスラグの硫黄保持能力(サルファイドキャパシティ)と鉄中の酸素活量に依存し、フラックス(スラグ)のみでの脱硫能力には限界があった。
これに対し、本発明者らは、種々の脱硫実験を行う中で、脱硫処理後の硫黄を含むスラグに高酸素濃度のガスを吹き付けると下記(B)式で示される反応により極めて高い気化脱硫能力を有することを知見した。
CaS+O2→CaO+SO2↑ (B)
本発明は、その酸素によるスラグからの気化脱硫反応を最も効率的に活用したものである。
以下、本発明の詳細と好ましい実施形態について説明する。
本発明では、脱硫処理を施していない、またはある程度事前脱硫処理を施した溶銑や溶鋼を精錬容器に装入する。精錬容器は、トーピードカーでも転炉でも取鍋でも良いが、本発明は転炉のように大きなフリーボードを必須としないことから、トーピードカーや取鍋で実施できる点が特徴である。更に、取鍋は、浸漬方式の円筒状の蓋(浸漬管)を溶湯表面に浸漬させ、浸漬管内部の溶湯表面を脱硫に有利なアルゴンや窒素といった不活性ガス雰囲気にし易い利点がある。取鍋内の溶湯表面全体を不活性ガス雰囲気とすることも可能である。
上記溶銑や溶鋼を精錬容器に装入した後、処理段階(溶銑もしくは溶鋼)や鋼種に応じて適宜選択した生石灰、生石灰とアルミナ源の混合物、生石灰と金属Mgの混合物、生石灰と蛍石の混合物等の脱硫剤を添加し、底吹きガスによる攪拌や機械式攪拌により脱硫剤と溶鉄を混合しつつ第一工程である脱硫処理を施す。なお第一工程の脱硫は、上記の通り脱硫処理によりSがCaSとして溶鉄上のスラグに含まれるものであれば特に脱硫方法や形態は問わない。
次に、第二工程として、精錬容器上に設置したランスより高酸素濃度のガスをスラグ上に吹き付ける。溶鉄中の硫黄は鉄との親和力が強いため、酸素ガスを吹き付けても気化脱硫が進行しないが、スラグ中の硫黄は上記(B)式の反応により迅速に気化する。本発明者らの実験から、酸素濃度が81体積%以上のガスを用いることで大幅に気化脱硫速度が向上することを知見した。この気化脱硫反応により、溶鉄中のS濃度は第一工程後よりも第二工程後で更に低減する。第二工程後の溶鉄中S濃度を第一工程後のS濃度の50%以下とすることが、本発明の効果が大きく発揮される好適な条件である。
上記第二工程において、高酸素濃度のガスをスラグ上に吹き付けることが重要である。スラグで覆われていない溶鉄表面が露出している場合、この露出している溶鉄に高酸素濃度のガスを吹き付けると、溶鉄が酸化され、生成した酸化鉄がスラグ中に移行してスラグ/メタル界面の酸素ポテンシャルを増加させ、メタルからスラグへの還元脱硫の進行が妨げられることとなる。ガスがスラグを突き破ってスラグ下の溶鉄に直接接触する場合も同様である。溶鉄攪拌にアルゴンガス吹き込みを用いる場合には、吹き込んだアルゴンガスが浮上する際に、溶湯表面にスラグで被覆されていない溶鉄露出面が形成されることがある。高酸素濃度のガス吹き付けに際しては、ガスを溶鉄露出面に吹き付けないことが重要である。また、高酸素濃度ガスの噴射圧力が高すぎると、ガスがスラグを突き抜けることとなるので、ガスの噴射圧力が高すぎないように配慮することが必要である。ガス吹き付け時の溶湯表面の状況を確認しながらガス圧力を調整することにより、ガスをスラグの上に吹き付けることが可能である。
また、第二工程処理は、溶鉄中のS量(質量%)が処理前S量(質量%)の20〜70%に低減した後に実施することが望ましい。この理由は以下の2点である。1点目は、溶鉄中のS量が処理前S量の70%超、すなわち脱硫率が30%未満の段階では、未だスラグ中のS濃度が低いために気化脱硫率が低く、十分な気化脱硫効果が得られない、ということである。2点目は、溶鉄中のS量が処理前S量の20%未満、すなわち脱硫率が80%超の段階まで第一工程を続けると、脱硫の進行が緩慢もしくは停滞しているために、処理時間がかかり過ぎる、ということである。
第二工程において、処理する溶鉄が溶銑を含む高炭素溶鉄の場合(溶鉄のC濃度が2.0質量%以上飽和濃度以下を指す)、酸素濃度が高いガスをスラグに吹き付けても、炭素濃度が高いために溶鉄−スラグ界面の酸素活量は低く維持され、スラグからの気化により硫黄が抜けた分、溶鉄からスラグへの脱硫は更に進行し、極低硫域まで硫黄濃度が低下する。スラグへ吹き付けるガスも、溶銑を脱硫処理する場合は純酸素ガスが最良の実施の形態である。
一方、処理する溶鉄が溶鋼を含む低炭素溶鉄の場合(溶鉄のC濃度が2.0質量%未満を指す)、酸素濃度が高いガスを吹き付けると酸素がスラグ内を透過し、溶鉄−スラグ界面の酸素活量が増加する。この場合、第二工程では、スラグからの気化脱硫は進行するが、溶鉄からスラグへの更なる脱硫が停滞し、場合によってはスラグから溶鉄への復硫も一部進行する。この場合は、第三工程として、高酸素濃度のガスのスラグへの吹き付けを止め、脱酸剤を添加して溶鉄とスラグの酸素活量を低下するのが望ましい実施の形態である。酸素活量の低下により、再びスラグの脱硫能が復帰し、第二工程でのスラグからの気化脱硫により系内の総硫黄量が低下するために、第一工程終了後よりも更に溶鉄中の硫黄濃度は低下する。ここで、溶鉄中S(質量%)が0.0030質量%(30ppm)以下を製造する場合に復硫が認められたことから、Sが30ppm以下を製造する場合に第三工程を施すことが好適である。
ここで脱酸剤としては、通常は強脱酸元素であるAlを使用するのが硫黄濃度低減の点では望ましいが、材質上Al濃度制約がある鋼種やアルミナ系介在物の存在に規制がある鋼種に関しては、SiやMn、Ti、Zr、Ca等を適宜選択可能である。また、この場合、第二工程で吹き付ける酸素濃度が低い方が、気化脱硫速度はやや低下するものの、第三工程での脱酸剤原単位の削減の観点からは、気化脱硫速度が大幅に低下しない81体積%以上の酸素濃度まで、吹き付けガスを不活性ガスで希釈する方が望ましい実施の形態である。
なお、第二工程での酸素ガスを希釈するガスは不活性ガスとする。不活性ガスは、溶銑を処理する場合には、後の脱炭精錬工程で脱窒が進行するため、安価な窒素ガスが望ましいが、溶鋼を処理する場合には吸窒を避けるためアルゴンガスが望ましい。
本発明ではまた、フッ素を実質的に添加しなくても十分に高い脱硫能が得られることを特徴としている。実質的に添加しないこととは、脱硫精錬後のスラグからフッ素(F)の溶出が顕著には認められないことを指すもので、本発明者らの知見では精錬後のスラグ組成においてFが1質量%以下となる場合を指す。Fが0.5質量%以下であれば更に好ましい。
さらに、本発明においては、大部分の硫黄は気化してスラグから抜けるため、脱硫精錬後のスラグは、次の脱硫精錬処理の脱硫剤として再利用することも可能となる。再利用が可能となることで、新しい脱硫剤を使用する量や、脱硫精練スラグの排出量を大幅に低減することができ、脱硫処理コストや脱硫精練スラグの処理コスト低減に顕著な効果が発揮できる。
(実施例1)
高炉から出銑した溶銑を溶銑鍋(350トン)に装入し、機械攪拌であるKR装置を用いて脱硫精錬処理を行った。脱硫精錬前の溶銑中S濃度は、0.020〜0.024質量%であった。第一工程において、脱硫精錬剤としては、粒径1mm以下の生石灰粉を溶銑1トン当り5kg使用した。生石灰粉の上方添加後7〜15分間のインペラーによる機械攪拌を行った。その後、インペラーを引き上げ、第二工程として、酸素ガス吹き付け用のランスを挿入して、スラグ上面に酸素濃度の異なる酸素、窒素混合ガスを30Nm3/時の供給速度で5分間吹き付けた。第二工程において、溶銑鍋底部に設置したポーラスプラグより100Nlのアルゴンガス攪拌を行った。アルゴンガスが溶湯表面に浮上する部分にはスラグで覆われない溶銑露出面が形成されるが、ガス吹き付けランスからの吹き付けガスがこの溶銑露出面に接触しないよう、吹き付け方向に配慮した。
各実施例の結果を、脱硫処理条件とともに表1に示す。なお、表1に示す各平均値は各条件での10〜20chの脱硫処理での値を平均したものである。いずれも本発明例である実施例では安定して処理後のS濃度0.003質量%未満となっており、処理後のスラグ中S濃度も再利用が可能な低濃度となっていることが確認された。
一方、比較例No.7、8は吹き付けガス中の酸素濃度が低すぎたため、No.9は第二工程のガス吹き付けを行わなかったため、処理後S濃度が十分に低減しなかった。
Figure 0005272480
(実施例2)
転炉から出鋼した溶鋼を溶鋼鍋(350トン)に装入し、浸漬管を有するCAS装置を用いて脱硫精錬処理を行った。CAS装置とは、溶鋼鍋内の溶鋼上部から円筒形状の浸漬管を挿入し、浸漬管を溶鋼表面に浸漬し、取鍋底からアルゴンガスを吹き込み、アルゴンガスが円筒状の浸漬管内部に浮上することで浸漬管内部をアルゴンガス雰囲気とした上で、浸漬管内部の溶湯に合金添加等の二次精錬を行う装置である。脱硫精錬前の溶鋼中S濃度は、0.005〜0.020質量%であった。第一工程において、脱硫精錬剤としては、粒径1mm以下の生石灰粉とアルミナ粉を質量比6:4で混合したものを溶鋼1トン当り5kg使用した浸漬管内の雰囲気をアルゴンガスで置換した後、精錬剤を上方から浸漬管内部の溶湯上に添加し、溶鋼鍋底部に設置したポーラスプラグより100Nl/分のアルゴンガスで7〜15分間攪拌した。その後、第二工程として、酸素ガス吹き付け用のランスを挿入して、浸漬管内部のスラグ上面に酸素濃度の異なる酸素、アルゴン混合ガスを15Nm3/時の供給速度で5分間吹き付けた。第二工程においてもアルゴンガス底吹きを継続した。浸漬管内部のアルゴンガス浮上部分には溶鋼が露出するので、吹き付けガスが露出した溶鋼に接触しないように配慮してガスを吹き付けた。その結果、吹き付けたガスはスラグ表面にのみ接触した。一部の水準では、ガス吹き付け終了後、金属Alを添加して脱酸を行い、100Nl/分の底吹きアルゴンガスによる3分間の攪拌を行った。
各実施例の結果を、脱硫処理条件とともに表2に示す。なお、表2に示す各平均値は各条件での10〜20chの脱硫処理での値を平均したものである。いずれも本発明例である実施例では安定して処理後のS濃度0.003質量%未満となっており、高酸素濃度ガスの吹き付け後に脱酸を行った水準では5ppm以下の極低硫鋼が製造可能なことが確認された。
一方、比較例No.11、12は吹き付けガス中の酸素濃度が低すぎたため、No.13、14は第二工程のガス吹き付けを行わなかったため、処理後S濃度が十分に低減しなかった。
Figure 0005272480

Claims (3)

  1. 溶鉄を脱硫精錬するに際し、脱炭精錬後の溶鋼に対して脱硫精錬を行い、第一工程として脱硫剤を添加して脱硫を施し、第二工程として溶鉄表面を覆った第一工程の脱硫スラグの一部あるいは全部を残し、該スラグ上部から酸素ガスまたは酸素ガスを81体積%以上含むガスを吹き付けて、第二工程後の溶鉄中S濃度を第一工程後のS濃度よりも低くした後、第三工程として脱酸剤により溶鉄とスラグを脱酸することを特徴とする溶鉄の脱硫精錬方法。
  2. 脱硫剤として実質的にフッ素を含まないフラックスを使用することを特徴とする請求項記載の溶鉄の脱硫精錬方法。
  3. 請求項1又は2に記載の溶鉄の脱硫精練方法で発生したスラグを、前記脱硫剤として用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶鉄の脱硫精練方法。
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