JP7268980B2 - パネル体 - Google Patents

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Description

本発明は、間仕切装置を構成するパネル体に関し、特に、パネル基材の端部に沿って形成された凹溝に笠木を取り付けたパネル体に関するものである。
オフィス等の空間において、空間利用の自由度を高めるために、パネル体を立設した間仕切装置を設けることが広く行われている。間仕切装置を設けることで、周囲からの視線や音をある程度遮ることができる。このような間仕切装置において、パネル体のパネル基材上端に笠木を取り付けた構成が知られている(例えば特許文献1を参照)。いわゆるローパーティションにおいては、笠木が設けられることが多い。また、このようなパネル体においては、パネル基材を張地で覆うことがよく行われている。
特許4957210号公報
パネル基材が張地で覆われているパネル体において、パネル基材の上端部に笠木を取り付けると、張地と笠木とで質感の統一性が得られず、美感を損なうという問題があった。特にローパーティションにおいては、笠木が視界に入りやすいので、パネル体の美感が損なわれやすい。また、パネル基材を袋状の張地で被覆した張りぐるみタイプのパネル体は、見栄えは向上するが、パネル体が張地で覆われているので複数のパネル体の連結が困難になるという問題があった。
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
本発明のパネル体は、パネル基材の端部に沿って形成された凹溝に笠木を取り付けたパネル体であって、前記パネル基材が基材張地で覆われている一方、前記笠木が笠木張地で覆われているものである。
本願発明のパネル体によれば、パネル基材と笠木とがそれぞれ張地で覆われているので、パネル基材と笠木との質感の統一性を得ることができ、パネル体の美感を向上できる。このような効果は、笠木が視界に入りやすいローパーティションとして使用されるパネル体において特に顕著に現れる。また、複数のパネル体を連結する際に、笠木を取り外して凹溝内に連結部材を取り付けることができるので、複数のパネル体の連結を容易に行える。
本発明のパネル体において、前記笠木が、略水平な上面を有するカバー天面部を備え、前記笠木張地が、前記カバー天面部の上面を覆うとともに、前記笠木張地の端部が、前記カバー天面部の下方に巻き込まれており、前記凹溝が、略水平な上面を有する側壁部を備え、前記基材張地が、前記側壁部の上面を覆うとともに、前記基材張地の端部が、前記側壁部の内側に巻き込まれており、前記カバー天面部の上面を覆う前記笠木張地の露出面前記側壁部の上面を覆う前記基材張地の縁部と略面一になっている。
このような態様によれば、パネル体の端部において、パネル基材端部の凹溝に笠木がぴったりと収まった外観を得ることができ、美感がさらに向上する。
また、本発明のパネル体において、前記笠木は、前記パネル基材の内方へ向けて開口する中空状の笠木基材を備え、前記笠木基材が前記笠木張地で覆われているようにしてもよい。
このような態様によれば、パネル基材の凹溝の底部と笠木基材とで囲まれた空間に通信ケーブルや電源ケーブルなどの各種ケーブルを引き回すことができ、ケーブルの露出に起因する外観の悪化やケーブルの損傷を防止できる。
また、本発明のパネル体において、前記笠木は、前記パネル基材の内方へ向けて開口する中空状の笠木スペーサと、前記笠木スペーサの天面部に取り付けられるとともに前記カバー天面部を有する笠木カバーとを備え、前記笠木カバーが前記笠木張地で覆われているとともに、前記笠木張地の外周端部が前記笠木スペーサと前記笠木カバーとの間に挟み込まれており、かつ、前記笠木スペーサ、前記笠木カバー及び前記笠木張地が一体的に前記凹溝に着脱可能に構成されているようにしてもよい。
このような態様によれば、上記凹溝の底部と笠木スペーサとで囲まれた空間に各種ケーブルを引き回すことができ、ケーブルの露出に起因する外観の悪化やケーブルの損傷を防止できる。また、笠木張地の外周端部を笠木スペーサと笠木カバーとの間に挟み込むようにすれば、笠木張地の外周端部が笠木の外周面に露出しないので、良好な笠木の見栄えが得られるとともに、笠木張地の外周端部の剥がれを防止できる。
本発明のパネル体は、着脱可能な笠木を有することで複数のパネル体の連結を容易に行える構成でありながら、パネル基材と笠木とがそれぞれ張地で覆われているので、パネル基材と笠木との質感の統一性を得ることができ、パネル体の美感を向上できる。
実施形態のパネル体を有する間仕切装置の設置状態を示す斜視図である。 パネル体の連結箇所上部を拡大して示す斜視図である。 パネル体の構成を示す展開斜視図である。 パネル体の一側端部の横断面図である。 パネル体と連結支柱との連結箇所上部の構造を説明するための斜視図である。 パネル基材の上端凹溝周辺及び笠木を示す縦断面図である。 笠木の変形例及びパネル基材の上端凹溝周辺を示す縦断面図である。 笠木及び上枠の変形例並びにパネル基材の上端凹溝周辺を示す縦断面図である。 笠木の変形例及びパネル基材の上端凹溝周辺を示す縦断面図である。 実施形態のパネル体とエンドパネル体を有する間仕切装置の終端部分の設置状態を示す斜視図である。 (A)は、エンドパネル体の枠体を示す側面図、(B)は(A)のB-B線位置に対応するエンドパネル体の横断面図である。
本願発明の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で、各方向を特定するため、前後・左右の文言を使用するが、パネル体の厚み方向を前後方向とし、これと直交した方向(パネル体の幅方向)を左右方向と定義している。
図1は、実施形態のパネル体2を有する間仕切装置1の設置状態を示す斜視図である。図2は、パネル体2の連結箇所上部を拡大して示す斜視図である。図3は、パネル体2の構成を示す展開斜視図である。図4は、パネル体2の一側端部の横断面図である。図5は、パネル体2と連結支柱3との連結箇所上部の構造を説明するための斜視図である。図6は、パネル基材4の上端凹溝41周辺及び笠木5を示す縦断面図である。
図1に示すように、間仕切装置1は、その大部分を構成するパネル体2と、パネル体2の側端部に連結される連結支柱3とを備えている。パネル体2は、パネル基材4と、パネル基材4を覆う基材張地8と、パネル基材4の上端部に沿って形成された上端凹溝41に装着した笠木5を備えている。パネル基材4の側端部には、上下方向に延びる側端凹溝42が形成されている。上端凹溝41は、パネル基材の端部に沿って形成されて笠木が取り付けられる凹溝の一例である。
連結支柱3は、上下方向に延びる角管の形態を有し、パネル基材4の側端凹溝42に嵌合係止されて、複数のパネル体2を連結可能に構成されている。隣り合うパネル体2の上端部同士は、上端凹溝41底部の左右端部(長さ方向端部)に取り付けられる上部連結プレート7によって連結される。連結支柱3の下端部には床面に設置されるアジャスター6が取り付けられている。
なお、図1の間仕切装置1では、便宜的にパネル体2を平面視で直線状に連結しているが、複数のパネル体2を十字状、T字状、Y字状に連結することもできる。
図3にも示すように、パネル体2は、芯材43、表面材44及び枠体45で構成されるパネル基材4と、パネル基材4の両面を覆うクロス等の基材張地8と、パネル基材4の上端部に取り付けられる笠木5とを備えている。パネル基材4は、ハニカム構造等の芯材43の表裏両面に厚紙等の表面材44を貼ったサンドイッチ構造を有する。芯材43の外周部は枠体45で囲まれており、表面材44は、芯材43及び枠体45の両面を覆うように設けられている。
パネル基材4の表面は、クロス等の基材張地8で覆われている。基材張地8の上端外周端部8aは上端凹溝41の内側に巻き込まれ(図6も参照)、側端外周端部8bは側端凹溝42の内側に巻き込まれ(図4も参照)、下端外周端部8cは後述する下枠48Lの内側に巻き込まれている。
四角枠状の枠体45は、パネル基材4の側端部を構成する一対の縦枠47,47と、縦枠47,47の上下端部同士を連結する上下の横枠を構成する上枠48U及び下枠48Lとを備えている。縦枠47の外側面に側端凹溝42が形成されており、上枠48Uの上面に上端凹溝41が形成されている。
縦枠47は、軽金属又は樹脂等を素材にした押出し加工品で中空状に形成されるとともに、パネル基材4の側端部を構成する外側面に、上下方向に延びる側端凹溝42を備えている。また、縦枠47は、側端凹溝42の底部の幅方向中央部に形成された連結部材当接部47aと、側端凹溝42の底部の幅方向両端部に連結部材当接部47aを挟んで形成された張地収納部47b,47bとを備えている。張地収納部47bには、側端凹溝42の内側に巻き込まれた基材張地8の側端外周端部8bが収納されている。
図4及び図5に示すように、縦枠47は、側端凹溝42の連結部材当接部47aにパネル基材4の内側へ向けて突設された第1ねじ取付部47cと、側端凹溝42から遠ざかる方向へ第1ねじ取付部47cとは離間して設けられた第2ねじ取付部47dとを備えている。第1ねじ取付部47cと第2ねじ取付部47dは、上下方向に延びる中空溝条の形態を有している。
上枠48U及び下枠48Lは、軽金属又は樹脂等を素材にした押出し加工品からなり、上枠48Uは上向き開口を有する断面略C字状の形態を有し、下枠48Lは下向き開口を有する断面略C字状の形態を有する。そして、第1ねじ取付部47cと第2ねじ取付部47dに上下方向からねじ込まれる第1ねじ61と第2ねじ62とで、縦枠47と上枠48U及び下枠48Lとが連結される。
なお、上枠48Uの長さ方向端部には、金属製又は樹脂製の前後一対の上コーナー部材49が連結されている。上コーナー部材49は、縦枠47と上枠48U及び下枠48Lとを連結して枠体45を組み上げた状態で、枠体45の上角部を形成する。
また、図1~図5に示すように、間仕切装置1では、パネル体2の側端凹溝42の内部に取り付けられる係合突起部材50が、連結支柱3に設けられた係合穴3aに係合することで、パネル体2と連結支柱3とが連結される。本実施形態では、係合突起部材50は、例えば樹脂製であり、側端凹溝42内の上下3箇所に設けられている。
各係合突起部材50は、側端凹溝42底部の連結部材当接部47aの幅方向中央部に形成されて上下方向に延びる係合突起部材取付溝47eに嵌め込まれた状態で、1本の突起部材固定用ねじ63でねじ止めされることで、回転不能に固着されている。
パネル体2と連結支柱3との連結時には、係合突起部材50を連結支柱3の係合穴3a内に嵌め込んだ後、パネル体2を下方へ移動させる。これにより、係合突起部材50の下部が連結支柱3の係合穴3aの下部に係合するとともに、連結支柱3の側面が側端凹溝42内の連結部材当接部47aに当接して、パネル体2が連結支柱3に支持される。
また、図5に示すように、パネル体2と連結支柱3とが連結された後、隣り合うパネル基材4の上部同士が、上部連結プレート7にて連結される。上部連結プレート7は、パネル基材4の上端凹溝41底部の左右端部(長さ方向端部)に取り付けられる。上部連結プレート7は、長さ方向中央寄り部位に設けられた左右の第1ねじ頭部収容穴7aと、長さ方向両端部に設けられた左右の第2ねじ挿通穴7bとを備えている。
上部連結プレート7をパネル基材4に取り付ける際には、まず、組み上げられたパネル体2のパネル基材4から笠木5を取り外し、さらに第2ねじ62を取り外す。このとき、縦枠47と上枠48Uは、上枠48Uに設けられた第1ねじ挿通穴48Uaに上方から挿通されて縦枠47の第1ねじ取付部47cに捩じ込まれた第1ねじ61で連結されている。
第2ねじ62を取り外した状態で、上部連結プレート7の一端部側を上枠48Uの上端凹溝41の長さ方向端部上に配置する。上部連結プレート7は、第1ねじ頭部収容穴7aと第1ねじ61頭部とが位置合わせされるとともに、第2ねじ挿通穴7bが上枠48Uの第2ねじ挿通穴48Ubに位置合わせされる。そして、先に取り外した第2ねじ62を第2ねじ挿通穴7bと第2ねじ挿通穴48Ubに上方から挿通して、縦枠47の第2ねじ取付部47dに捩じ込むことで、上部連結プレート7と上枠48Uとが縦枠47に共締めさる。これにより、上部連結プレート7の一端部がパネル基材4の上角部に固着される。
なお、図5では、便宜上、パネル基材4の縦枠47と上枠48U及び係合突起部材50とを分離して図示するとともに、芯材43、表面材44及び基材張地8の図示は省略されている。そして、パネル基材4に上部連結プレート7を連結する際には、パネル基材4は、図1及び図2に示すように、組み上げられた状態になっている。
次に、図6を参照しながら笠木5の構成について説明する。笠木5は、パネル基材4の幅方向に延びて配置され、パネル基材4の内方へ向けて開口する中空状の笠木スペーサ51と、笠木スペーサ51の上部に取り付けられる笠木カバー52と、笠木カバー52を覆うクロス等の笠木張地53とを備えている。
笠木スペーサ51は、樹脂製又は金属製であり、パネル基材4の厚み方向に離間して配置される前後のスペーサ側壁部51aと、前後のスペーサ側壁部51aの上端部同士を連結するスペーサ天面部51bを備えている。スペーサ側壁部51aの外側面下部には、笠木スペーサ51の長手方向に延びる凸条の笠木側係合突起部51cが形成されている。他方、上端凹溝41の内側面(上枠48Uの側壁部の内側面)の下部には、上端凹溝41の長手方向に延びる凸条の溝側係合突起部48Ucが形成されている。
そして、笠木5を上端凹溝41内に嵌め込んで笠木スペーサ51の弾性に抗して下向きに押し込むことで、笠木側係合突起部51cを溝側係合突起部48Ucの下方に位置させて溝側係合突起部48Ucに係合させることで、笠木5を上端凹溝41に取り付ける。
笠木スペーサ51のスペーサ天面部51bには、その下面から下向きに突出する凸条部51dが形成されている。凸条部51dは、笠木スペーサ51の長手方向に沿って設けられており、凸条部51dには、上向きに開口するカバー取付溝51eが笠木スペーサ51の長手方向に延びて設けられている。
笠木カバー52は、樹脂製又は金属製であり、断面略T字状の形態を有し、略水平に設けられたカバー天面部52aと、カバー天面部52aの下面中央部から下向きに延びるカバー凸条部52bとを有する。カバー凸条部52bの先端部(下端部)には楔形突起部52cが形成されている。
笠木カバー52のカバー天面部52aは、クロス等の笠木張地53で覆われている。笠木張地53はカバー天面部52aの上面を覆っており、笠木張地53の外周端部53aは、カバー天面部52aの下方に巻き込まれて、カバー天面部52aの下面に接着されている。
笠木張地53で覆われた状態の笠木カバー52は、楔形突起部52cが笠木スペーサ51のカバー取付溝51eに下向きに圧入されることで、笠木スペーサ51上部に抜け不能に取り付けられる。笠木張地53の外周端部53aは、笠木スペーサ51のスペーサ天面部51b上面と、笠木カバー52のカバー天面部52a下面との間に挟み込まれる。これにより、笠木張地53の外周端部53aは、笠木5の外周面に露出しないので、笠木5の見栄えが良いとともに、笠木張地53の外周端部の剥がれを防止できる。
本実施形態のパネル体2は、パネル基材4の上端部(端部)に沿って形成された凹溝としての上端凹溝41に笠木5を取り付けたものであって、パネル基材4が基材張地8で覆われている一方、笠木5が笠木張地53で覆われている。パネル体2では、パネル基材4と笠木5とがそれぞれ張地で覆われているので、パネル基材4と笠木5との質感の統一性を得ることができ、パネル体2の美感を向上できる。このような効果は、笠木5が視界に入りやすいローパーティションとして使用されるパネル体2において特に顕著に現れる。
また、パネル体2において、図6に示すように、笠木張地53の上面(露出面)は、基材張地8の上縁部8d(上枠48Uの側壁部上端を覆う部分)と水平方向で略面一になっている。これにより、パネル体2の上端部において、パネル基材4の上端凹溝41に笠木5がぴったりと収まった外観を得ることができ、美感がさらに向上する。
また、パネル体2において、笠木5は、パネル基材4の内方へ向けて開口する中空状の笠木スペーサ51と、笠木スペーサ51の上部に取り付けられる笠木カバー52とを備え、笠木カバー52が笠木張地53で覆われている。これにより、図6に示すように、パネル基材4の上端凹溝41の底部と笠木スペーサ51とで囲まれた空間に通信ケーブルや電源ケーブルなどの各種のケーブル100を引き回すことができ、ケーブル100の露出に起因する外観の悪化やケーブル100の損傷を防止できる。
次に、図7を参照しながら笠木5の変形例について説明する。図7は、笠木5の変形例及びパネル基材4の上端凹溝41周辺を示す縦断面図である。この変形例の笠木5の笠木カバー52のカバー天面部52aは、パネル基材4の上端凹溝41の溝幅よりも幅広に形成されており、カバー天面部52aの幅方向端部が上枠48Uの側壁部の上方に位置している。笠木スペーサ51のスペーサ側壁部51aは、図6に示したスペーサ側壁部51aよりも上下寸法が大きく形成されており、スペーサ天面部51bの上面の高さ位置は基材張地8の上縁部8dの高さ位置とおおむね一致している。
カバー天面部52aの幅方向端部を覆う笠木張地53の幅方向縁部53bは、基材張地8の側面部8eと上下方向で略面一になるように設けられている。これにより、パネル基材4の上端部に笠木5がぴったりと取り付けられた外観を得ることができ、美感が向上する。
次に、図8を参照しながら笠木5及び上枠48Uの変形例について説明する。図8は、笠木5及び上枠48Uの変形例並びにパネル基材4の上端凹溝41周辺を示す縦断面図である。この変形例の笠木5は、パネル基材4の上端凹溝41に着脱可能に取り付けられる。笠木5は、上端凹溝41の長手方向に沿って延びるとともにパネル基材4の内方へ向けて開口する中空状の笠木基材54と、笠木基材54を覆う笠木張地53とを備えている。
笠木基材54は、樹脂製又は金属製であり、下向きに開口する略C字形の断面形状を有し、パネル基材4の厚み方向に離間して配置される前後の笠木基材側壁部54aと、前後の笠木基材側壁部54aの上端部同士を連結する笠木基材天面部54bを備えている。笠木基材54は、クロス等の笠木張地53で覆われている。
笠木張地53は笠木基材天面部54bの上面及び笠木基材側壁部54aの外側面を覆っている。笠木張地53の外周端部53aは、笠木基材54の内側に巻き込まれて、笠木基材側壁部54aの内側面に接着されている。笠木張地53の外周端部53aは、笠木5の外周面に露出しないので、笠木5の見栄えが良いとともに、笠木張地53の外周端部の剥がれを防止できる。
この実施形態では、上端凹溝41の内側面(上枠48Uの側壁部の内側面)の中途部に、上端凹溝41の長手方向に延びる凸条の笠木規制部48Udが形成されている。そして、笠木5を上端凹溝41内に嵌め込み、笠木5の下端部(笠木基材側壁部54aの下端部を覆っている笠木張地53の下縁部分)が笠木規制部48Udの上面に当接するまで笠木5を下向きに押し込むことで、笠木5を上端凹溝41に取り付ける。
笠木基材天面部54bを覆う笠木張地53の上面(露出面)は、基材張地8の上縁部8dと水平方向で略面一になっている。これにより、パネル体2の上端部において、パネル基材4の上端凹溝41に笠木5がぴったりと収まった外観を得ることができ、美感がさらに向上する。
また、図9に示すように、笠木張地53の上面と基材張地8の上縁部8dとが略面一に配置されてはいるが、笠木張地53の上面の方が基材張地8の上縁部8dよりもわずかにパネル基材4の内方に位置するようにしてもよい。これにより、パネル基材4の上端部を構成する部材や笠木5を構成する部材に製造上の寸法誤差が生じた場合でも、笠木5を上端凹溝41に取り付けたときに、笠木5の上部(笠木張地53の上面)が基材張地8の上縁部8dよりも上方に位置して見栄えが低下するのを防止できる。なお、笠木張地53の上面の方が基材張地8の上縁部8dよりもわずかにパネル基材4の内方に位置する構成は、図6を参照して説明した実施形態にも適用可能である。
次に、間仕切装置1の終端部分(エンド部分)の構成例について説明する。図10は、実施形態のパネル体2とエンドパネル体2Eを有する間仕切装置1の終端部分の設置状態を示す斜視図である。図11の(A)は、エンドパネル体2Eのエンドパネル枠体45Eを示す側面図、(B)は(A)のB-B線位置に対応するエンドパネル体2Eの横断面図である。
図10に示すように、エンドパネル体2Eは、連結支柱3及び上部連結プレート7でパネル体2と連結される側端部とは反対側の終端側端部の上下角部がそれぞれ丸みを帯びている。図11にも示すように、エンドパネル体2Eは、芯材43、表面材44及びエンドパネル枠体45Eで構成されるエンドパネル基材4Eと、エンドパネル基材4Eの両面を覆うクロス等の基材張地8と、パネル基材4の上下端部及び終端側端部に取り付けられるエンド笠木5Eとを備えている。
エンドパネル基材4Eは、パネル体2のパネル基材4と同様に、ハニカム構造等の芯材43の表裏両面に厚紙等の表面材44を貼ったサンドイッチ構造を有する。芯材43の外周部は枠体45で囲まれており、表面材44は、芯材43及び枠体45の両面を覆うように設けられている。
図11(A)に示すように、枠状のエンドパネル枠体45Eは、パネル基材4の一側端部を構成して連結支柱3と連結される縦枠47と、パネル基材4の終端側端部を構成するエンド縦枠47Eと、縦枠47,47Eの上下端部同士を連結する上下の横枠を構成するエンド上枠48UE及びエンド下枠48LEとを備えている。エンドパネル体2Eの縦枠47は、パネル体2の縦枠47と同じ形状を有し、縦枠47の側端凹溝42(図4等参照)内の上下3箇所に係合突起部材50が設けられている。
エンド縦枠47Eは、軽金属又は樹脂等を素材にした押出し加工品からなり、エンドパネル基材4Eの終端側端部を構成する外側面に、上下方向に延びるエンド側端凹溝42Eを備えている断面略C字状の形態を有する。図11(B)に示すように、本実施形態では、エンド縦枠47Eは、パネル体2の上枠48U(図6等参照)と同様の断面形状を有し、外向き開口を有する略C字の形態を有する。また、エンド縦枠47Eの側壁部の内側面(エンド側端凹溝42Eの内側面)には、エンド側端凹溝42Eの長手方向(上下方向)に延びる凸条の溝側係合突起部47Ecが形成されている。図11(A)に示すように、エンド縦枠47Eの上下長さ寸法は、縦枠47の上下長さ寸法よりも短い。
エンド上枠48UE及びエンド下枠48LEは、軽金属製又は樹脂製であり、エンド上枠48UEは、縦枠47の上端部とエンド縦枠47Eの上端部とを連結し、エンド下枠48LEは、縦枠47の下端部とエンド縦枠47Eの下端部とを連結している。エンド上枠48UEは、縦枠47側からエンド縦枠47E側へ向けて下向きに湾曲している。エンド下枠48LEは、縦枠47側からエンド縦枠47E側へ向けて上向きに湾曲している。
エンド上枠48UE及びエンド下枠48LEは、断面略C字状の形態を有している。エンド上枠48UEは、エンドパネル基材4Eの外方へ向けて開口するエンド上端凹溝41Eを備え、エンド下枠48LEは、エンドパネル基材4Eの外方へ向けて開口するエンド下端凹溝46Eを備えている。
エンドパネル基材4Eにおいて、エンドパネル枠体45Eで囲まれた空間内に芯材43が配置され、表面材44は、芯材43及びエンドパネル枠体45Eの両面を覆うように設けられている。なお、図11(A)において、芯材43及び表面材44の図示は省略されている。
エンドパネル基材4Eの表面は、クロス等の基材張地8で覆われている。基材張地8の外周端部は、エンドパネル基材4Eの端部に形成されたエンド上端凹溝41E、側端凹溝42(図4も参照)、エンド側端凹溝42E及びエンド下端凹溝46Eの内側に巻き込まれている。
図10に示すように、エンド上端凹溝41E、エンド側端凹溝42E及びエンド下端凹溝46Eは、エンドパネル基材4の外周端部に沿って連続して設けられている。また、エンド笠木5Eは、エンド上端凹溝41E、エンド側端凹溝42E及びエンド下端凹溝46Eに渡って嵌め込まれている。図11(B)に示すように、エンド笠木5Eは、エンドパネル体2Eの笠木5と同様の構成を有する。すなわち、エンド笠木5Eは、パネル基材4の内方へ向けて開口する中空状の笠木スペーサ51と、笠木スペーサ51の上部に取り付けられる笠木カバー52と、笠木カバー52を覆う笠木張地53とを備えている。
図11(B)に示すように、笠木スペーサ51は、スペーサ天面部51bの前後両端部からエンドパネル体2Eの内方へ向けて延びる前後のスペーサ側壁部51aを備えている。スペーサ側壁部51aの先端部外側面には、笠木スペーサ51の長手方向に延びる凸条の笠木側係合突起部51cが形成されている。笠木カバー52は、カバー天面部52aの幅方向中央部からエンドパネル基材4E内方へ向けて延びるカバー凸条部52bを有する。カバー凸条部52bの先端部には楔形突起部52cが形成されており、カバー凸条部52bは、笠木スペーサ51の凸条部51dに設けられたカバー取付溝51e内に圧入されて、笠木スペーサ51と笠木カバー52とが連結される。
笠木カバー52のカバー天面部52aは、クロス等の笠木張地53で覆われている。笠木張地53はカバー天面部52aの外面を覆っており、笠木張地53の外周端部53aは、カバー天面部52aの内向き面側に巻き込まれて、カバー天面部52aの内向き面に接着されている。
エンド笠木5Eの両端部は、エンド上端凹溝41E内及びエンド下端凹溝46E内に嵌め込まれ、エンド笠木5Eの中途部は、エンド側端凹溝42E内に嵌め込まれる。本実施形態では、エンド笠木5Eの両端部において、エンド上端凹溝41E及びエンド下端凹溝46Eが湾曲している箇所に対応する部分には、笠木スペーサ51が設けられていない。また、笠木カバー52は撓み変形可能な材料で形成されている。
上述のように、エンド縦枠47Eの側壁部の内側面(エンド側端凹溝42Eの内側面)には、溝側係合突起部47Ecが形成されており、エンド笠木5Eの長手方向中途部をエンド側端凹溝42E内に嵌め込んで笠木スペーサ51の弾性に抗してエンドパネル基材4E内方へ向けて押し込むことで、笠木側係合突起部51cを溝側係合突起部47Ecに係合させることで、エンド笠木5Eの長手方向中途部をエンド側端凹溝42Eに取り付ける。図11(B)に示すように、エンド笠木5Eの中途部において笠木張地53の外側面(露出面)は、基材張地8の側縁部8f(エンド縦枠47Eの側壁先端部を覆う部分)と略面一になっている。
また、エンド笠木5Eの両端部は、エンド上端凹溝41E内とエンド下端凹溝46E内に嵌め込まれる。エンド笠木5Eの両端部において、平面視で縦枠47と重なる部分には笠木スペーサ51が設けられる一方、エンド上端凹溝41E及びエンド下端凹溝46Eが湾曲している箇所に対応する部分には笠木スペーサ51が設けられていない。他方、エンド上枠48UE及びエンド下枠48LEの内部には、エンド上端凹溝41E及びエンド下端凹溝46Eが湾曲している箇所に、笠木カバー52を支持する湾曲リブ又は湾曲スペーサが設けられており、エンド笠木5Eの両端部において笠木張地53の外側面(露出面)が基材張地8の縁部(エンド上枠48UE又はエンド下枠48LEの側壁先端部を覆う部分)と略面一になるように構成されている。また、エンド上端凹溝41Eの湾曲箇所に湾曲リブも設ける構成においては、エンド上枠48UE内に笠木カバー52を支持する前後一対の湾曲リブをエンド上端凹溝41Eの長手方向に沿って設ける。基材張地8の外周端部は、エンド上端凹溝41E内に巻き込まれ、エンド上枠48UEの側壁部と湾曲リブとの間に差し込まれて収納される。
本実施形態のエンドパネル体2Eは、エンドパネル基材4Eの端部に沿って形成された凹溝としての凹溝41E,42E,46Eにエンド笠木5Eを取り付けたものであって、エンドパネル基材4Eが基材張地8で覆われている一方、エンド笠木5Eが笠木張地53で覆われている。これにより、エンドパネル基材4Eとエンド笠木5Eとの質感の統一性を得ることができ、エンドパネル体2Eの美感を向上できる。さらに、エンド笠木5Eは、エンドパネル基材4Eの上端部からエンド側端部を介して下端部にまたがって連続しており、笠木張地53の露出面(外向き面)には切れ目や継ぎ目がないので、良好な外観が得られる。なお、エンド笠木5Eは、長手方向に分割された複数の笠木で構成されてもよい。例えば、エンド笠木5Eは、エンド上端凹溝41Eに嵌め込まれる笠木と、エンド側端凹溝42Eに嵌め込まれる笠木と、エンド下端凹溝46Eに嵌め込まれる笠木とに分割されてもよい。
また、エンドパネル体2Eのエンド側端部及び上下端部において、エンド笠木5Eの笠木張地53の露出面は、基材張地8の縁部と略面一になっているので、エンドパネル基材4Eの端部に沿って形成された凹溝41E,42E,46Eに笠木5がぴったりと収まった外観を得ることができ、美感がさらに向上する。なお、図8に示した実施形態と同様に、笠木張地53の上面の方が基材張地8の上縁部8dよりもわずかにエンドパネル基材4Eの内方に位置するようにして、製造上の寸法誤差を吸収可能な構成にしてもよい。
以上、本発明の具体例を説明したが、本発明は他にも様々に具体化できる。例えば、パネル基材が基材張地で覆われている一方、笠木が笠木張地で覆われている構成は、いわゆるローパーティションに限らず、様々な高さのパーティションのパネル体に適用できる。
2 パネル体
2E エンドパネル体
3 連結支柱
4 パネル基材
4E エンドパネル基材
5 笠木
5E エンド笠木
8 基材張地
8d 上縁部(基材張地の縁部)
8f 側縁部(基材張地の縁部)
41 上端凹溝(凹溝)
41E エンド上端凹溝(凹溝)
42 側端凹溝
42E エンド側端凹溝(凹溝)
46E エンド下端凹溝(凹溝)
51 笠木スペーサ
51b スペーサ天面部
52 笠木カバー
53 笠木張地
54 笠木基材
54b 笠木基材天面部

Claims (2)

  1. パネル基材の端部に沿って形成された凹溝に笠木を取り付けたパネル体であって、
    前記パネル基材が基材張地で覆われている一方、
    前記笠木が笠木張地で覆われており、
    前記笠木が、略水平な上面を有するカバー天面部を備え、
    前記笠木張地が、前記カバー天面部の上面を覆うとともに、前記笠木張地の端部が、前記カバー天面部の下方に巻き込まれており、
    前記凹溝が、略水平な上面を有する側壁部を備え、
    前記基材張地が、前記側壁部の上面を覆うとともに、前記基材張地の端部が、前記側壁部の内側に巻き込まれており、
    前記カバー天面部の上面を覆う前記笠木張地の露出面前記側壁部の上面を覆う前記基材張地の縁部と略面一になっている、
    パネル体。
  2. 前記笠木は、前記パネル基材の内方へ向けて開口する中空状の笠木スペーサと、前記笠木スペーサの天面部に取り付けられるとともに前記カバー天面部を有する笠木カバーとを備え、
    前記笠木カバーが前記笠木張地で覆われているとともに、前記笠木張地の外周端部が前記笠木スペーサと前記笠木カバーとの間に挟み込まれており、かつ、
    前記笠木スペーサ、前記笠木カバー及び前記笠木張地が一体的に前記凹溝に着脱可能に構成されている、請求項1に記載のパネル体。
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