JP7267981B2 - コク及び嗜好性が増強されたアルコールテイスト飲料 - Google Patents

コク及び嗜好性が増強されたアルコールテイスト飲料 Download PDF

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本発明はアルコールテイスト飲料に関し、特に、コク及び嗜好性が増強されたアルコールテイスト飲料に関する。
アルコールテイスト飲料は、アルコール飲料と同様のテイスト(即ち、風味)、又はアルコール飲料を模したテイストを示す飲料をいう。アルコールテイスト飲料の意味には、アルコール飲料及びノンアルコール飲料が含まれる。アルコール飲料は一般に酒類を意味し、その具体例には、ウォッカ、焼酎、ラム酒、ウイスキー、ブランデー、日本酒、果実酒、ワイン、カクテル、ビール、酎ハイ、サワー等が挙げられる。実質的にアルコールを含まないベース液にアルコールを調合した非発酵アルコール飲料も製造されている。
ノンアルコール飲料は、実質的にアルコールを含まないアルコールテイストの飲料である。ノンアルコール飲料には、ノンアルコールビール(ビールテイスト飲料)、ノンアルコールワイン、ノンアルコールカクテル、ノンアルコール酎ハイ(酎ハイテイスト飲料)、ノンアルコール日本酒及びノンアルコール焼酎(焼酎テイスト飲料)等が含まれる。ノンアルコール飲料のアルコール濃度は、酒税法上は温度15度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量が1%未満である。ノンアルコール飲料は原則として非発酵過程で製造される。
非発酵アルコールテイスト飲料は、製造過程で発酵を行わない場合は、製造するのに特別な発酵装置を必要としない。そのため、非発酵アルコールテイスト飲料は低コストで大量生産するのに適している。しかしながら、どのような成分をどれくらいの量で配合すればアルコール飲料らしい発酵感、コク感及び嗜好性を再現できるのかは未だ明確になっておらず、製造技術は研究開発の途上である。
また、近年の消費者の健康志向から、低糖質、低カロリーの飲料に対する需要が高まっている。例えば、低糖質低カロリーのアルコールテイスト飲料では、糖質及び高カロリー物質の含有量を低減する必要があり、アルコールテイスト飲料に求められる発酵感、コク及び嗜好性が不足するという問題がある。
本明細書でいう嗜好性とは、飲料の種類に応じて要求される特徴的なテイストをいう。例えば、ビールテイスト飲料における嗜好性とはビールらしさを意味する。また、例えば、果汁テイスト飲料における嗜好性とは果汁感をいう。
特許文献1には、特定の固有粘度を有するハイドロコロイドを特定量添加することにより、各種飲料の口あたりや風味を改善することが記載されている。しかしながら、アルコールテイスト飲料のコク及び嗜好性を増強することについて、特許文献1には記載されていない。
特許文献2には、苦味物質を含むpHが3.7以下である飲料において、微量の増粘剤を配合することによって、ビールテイスト飲料の苦味と酸味の不調和が解決でき、更に好ましいほろ苦さが付与され、香味の複雑さや深みが増すことが記載されている。
特許文献3には、苦味物質並びにクエン酸及び/又はリンゴ酸を含む飲料に少量の増粘剤を配合することによって、ビールテイスト飲料のビールテイスト飲料の苦味と酸味の不調和が解決でき、更に爽快な酸味を維持しつつ香味の複雑さや好ましいほろ苦さが飲料に付与されることが記載されている。
しかしながら、アルコールテイスト飲料のコク及び嗜好性を増強することについて、特許文献2及び3には記載されていない。
特表2012-508583号公報 特開2004-55号公報 特開2004-56号公報
本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、コク及び飲料の種類に応じて要求される特徴的なテイスト、即ち嗜好性が増強されたアルコールテイスト飲料を提供することにある。
本発明は、カリウムを30~1000ppm含有し、粘度が1.48~2.39cPである、アルコールテイスト飲料を提供する。
ある一形態においては、前記アルコールテイスト飲料は増粘多糖類を30~1000ppm含有する。
ある一形態においては、前記アルコールテイスト飲料はクエン酸カリウム及びグルコン酸カリウムから成る群から選択される少なくとも一つを含有する。
ある一形態においては、前記増粘多糖類が、タマリンドガム及びペクチンから成る群から選択される少なくとも一つである。
ある一形態においては、ナトリウム含有量が0~50ppmである。
ある一形態においては、糖質含有量が2w/v%以下である。
ある一形態においては、アルコール濃度が1%未満である。
また、本発明は、カリウムを30~1000ppm含有するアルコールテイスト飲料を提供する工程;及び
該アルコールテイスト飲料の粘度を1.48~2.39cPに調節する工程;
を包含するアルコールテイスト飲料のコク及び嗜好性を増強する方法を提供する。
また、本発明は、カリウムを30~1000ppm含有するアルコールテイスト飲料を提供する工程;及び
該アルコールテイスト飲料の粘度を0.03~0.94cP増大させる工程;
を包含するアルコールテイスト飲料のコク及び嗜好性を増強する方法を提供する。
また、本発明は、粘度が1.48~2.39cPであるアルコールテイスト飲料を提供する工程;及び
該アルコールテイスト飲料のカリウム含有量を30~1000ppmに調節する工程;
を包含するアルコールテイスト飲料のコク及び嗜好性を増強する方法を提供する。
また、本発明は、粘度が1.48~2.39cPであるアルコールテイスト飲料を提供する工程;及び
該アルコールテイスト飲料のカリウム含有量を30~1000ppm増大させる工程;
を包含するアルコールテイスト飲料のコク及び嗜好性を増強する方法を提供する。
本発明によれば、コク及び嗜好性が増強されたアルコールテイスト飲料が提供される。
実施例5のビールテイスト炭酸飲料の官能試験の結果を示すグラフである。
本発明のアルコールテイスト飲料は従来から知られているアルコール飲料及びノンアルコール飲料である。本発明のアルコールテイスト飲料は、より好ましくは、飲用する状態におけるアルコール濃度が40体積%以下、好ましくは20体積%以下、より好ましくは15体積%以下のアルコール飲料及びそれらに対応するノンアルコール飲料である。飲用する状態においてアルコール濃度が40体積%を超えるアルコール飲料はアルコール感が強く、対応するノンアルコール飲料においてアルコール感を再現することが困難である。
上記アルコール濃度が40体積%以下のアルコールテイスト飲料の具体例には、ビール、ワイン、カクテル、酎ハイ、日本酒、発泡酒、リキュール、スピリッツ等が含まれる。これらに対応するノンアルコール飲料には、ノンアルコールビール、ノンアルコールワイン、ノンアルコールカクテル、ノンアルコール酎ハイ及びノンアルコール日本酒等である。
本発明のアルコールテイスト飲料は、好ましくは、非発酵アルコールテイスト飲料である。本発明のアルコールテイスト飲料は、より好ましくは、飲用する状態におけるアルコール濃度が40体積%以下、好ましくは20体積%以下、より好ましくは15体積%以下の非発酵アルコールテイスト飲料である。本発明のアルコールテイスト飲料は、更に好ましくは、低糖質、低カロリーの非発酵アルコールテイスト飲料、中でも低糖質、低カロリーのノンアルコール飲料である。非発酵又は低糖質、低カロリーのアルコールテイスト飲料は、発酵感、コク及び嗜好性が不足するという問題が生じ易く、その問題は本発明によって解決される。
本発明のアルコールテイスト飲料はカリウムを含有する。本発明のアルコールテイスト飲料が含有するカリウムの原料は食品又は食品添加物である。カリウムを含む食品としては、パセリ、にんにく、カボチャ、アボカド等が挙げられる。カリウムを含む食品添加物としては、クエン酸カリウム、グルコン酸カリウム、アセスルファムカリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム等が挙げられる。
本発明のアルコールテイスト飲料のカリウムの含有量は、重量を基準にした濃度で、30~1000ppmである。カリウムの含有量が30ppm未満であるとアルコールテイスト飲料のコク及び嗜好性の増強が不十分になることがあり、1000ppmを超えると苦味が目立つようになる。カリウムの含有量は、好ましくは36~985ppmであり、より好ましくは67~985ppmである。
本発明のアルコールテイスト飲料のナトリウムの含有量は、好ましくは、重量を基準にした濃度で、50ppm以下である。ナトリウムの含有量が50ppmを超えるとぼやけた味になる。ナトリウムの含有量は、より好ましくは0~30ppmであり、更に好ましくは0~15ppmである。
本発明のアルコールテイスト飲料は増粘多糖類を含有する。本明細書でいう増粘多糖類は、従来から食品に粘性を与えたり、乳を安定化させたり、ゲル化させたりするのに使用される天然多糖類である。2種類以上の天然多糖類を増粘の目的で用いた場合には、略称として増粘多糖類と表示することができる。
増粘多糖類は食品添加物であるものを使用する。増粘多糖類の具体例には、タマリンドガム、ペクチン、アラビアガム、ローカストビーンガム、グアーガム、アルギン酸、カラギーナンなどが挙げられる。
本発明のアルコールテイスト飲料の増粘多糖類の含有量は、重量を基準にした濃度で、30~1000ppmである。増粘多糖類の含有量が30ppm未満であるとアルコールテイスト飲料のコク及び嗜好性の増強が不十分になることがあり、1000ppmを超えると粘性がつきすぎて飲みづらくなる。増粘多糖類の含有量は、好ましくは100~1000ppmであり、より好ましくは100~300ppmである。
本発明のアルコールテイスト飲料は1.48~2.39cPの粘度を示す。本発明のアルコールテイスト飲料の粘度が1.48cP未満であるとアルコールテイスト飲料のコク及び嗜好性の増強が不十分になることがあり、2.39cPを超えると口の中でねっとりとし飲みづらくなる。本発明のアルコールテイスト飲料の粘度は、好ましくは1.51~2.39cPであり、より好ましくは1.51~1.69cPである。
本発明のアルコールテイスト飲料は、増粘多糖類を含有させることで、粘度が0.03~0.94cP増大する。粘度の増大が0.03cP未満であるとアルコールテイスト飲料のコク及び嗜好性の増強が不十分になることがあり、0.94cPを超えると口の中でねっとりとし飲みづらくなる。増粘多糖類を含有させることによる粘度の増大は、好ましくは0.06~0.94cPであり、より好ましくは0.06~0.24cPである。
本発明のアルコールテイスト飲料は甘味物質を含有してよい。甘味物質とは、飲料に甘味を付与することができる物質をいう。例えば、高甘味度甘味料、糖類及び糖アルコールは甘味物質に該当する。ここでいう高甘味度甘味料とは、上記「指定添加物」及び「既存添加物」に「甘味料」と分類されている物質をいう。
高甘味度甘味料の具体例としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、キシリトール、グリチルリチン酸二ナトリウム、サッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ネオテーム、アラビノース、カンゾウ抽出物、キシロース、ステビア、タウマチン、ラカンカ抽出物、ラムノース及びリボースが挙げられる。
糖類の具体例としては、異性化糖、ブドウ糖、果糖、砂糖、麦芽糖及び乳糖が挙げられる。
糖アルコールの具体例としては、還元麦芽糖水飴、エリスリトール、キシリトール及びマルチトールが挙げられる。
甘味物質としては、一種類の物質が用いられてもよく、複数の種類の物質が用いられてもよい。好ましくは、甘味物質は高甘味度甘味料であり、中でも好ましい高甘味度甘味料はアセスルファムカリウム又はスクラロース、又はこれらの組み合わせである。
本発明のアルコールテイスト飲料は、好ましくは、エネルギー量が5kcal/100ml未満である。低カロリーアルコールテイスト飲料は、コク及び嗜好性が不足するという問題があり、その問題は本発明によって解決される。5kcal/100ml未満のエネルギー量は、高甘味度甘味料を使用する事で達成しやすく、香味における「バランスの良さ」も維持される。
本発明のアルコールテイスト飲料は、好ましくは、糖質の含有量は2w/v%以下である。ある好ましい一形態では、糖質の含有量は1w/v%以下、より好ましくは0.5w/v%未満である。低糖質アルコールテイスト飲料は、コク及び嗜好性が不足するという問題があり、その問題は本発明によって解決される。糖質とは、食物繊維ではない炭水化物をいう。糖質を低減することで、肥満、糖尿病等の糖質の摂取に起因した健康に対する悪影響が生じ難くなる。また、糖質を低減することで、アルコールテイスト飲料の清涼感やスッキリ感が実現できる。
本発明のアルコールテイスト飲料は、炭酸ガスを含有させて炭酸飲料とすることができる。炭酸ガスは、当業者に通常知られる方法を用いて飲料中に提供することができ、例えば、これらに限定されないが、二酸化炭素を加圧下で飲料に溶解させてもよいし、飲料と炭酸水とを混合してもよい。炭酸ガスの含有量は、ガス容量比で、一般に1.0~6.0V/L、好ましくは1.5~5.0V/L、より好ましくは2.0~4.0V/Lに調節される。
本発明のアルコールテイスト飲料では、更に必要に応じて、色素、香料、ビタミン類、アミノ酸、水溶性食物繊維、安定化剤、乳化剤等、アルコールテイスト飲料の分野で通常用いられている原料や食品添加物を用いてもよい。色素の具体例としては、カラメル、アントシアニン色素、フラボノイド色素、カロテノイド色素、キノン色素、ポリフィリン、ジケトン色素、ベタシアニン色素、アザフィロン色素、クチナシ色素等が挙げられる。
本発明のアルコールテイスト飲料の製造方法は、一例として次に説明するとおり、アルコールテイスト飲料を製造する際に通常行われる工程を包含する。飲用水、香料、柑橘類等のフレーバー、酸味物質、甘味物質、食品添加物を所定量、均一に混合する。次いで、得られた混合液を冷却し、必要に応じて、アルコールの添加、カーボネーションを行う。
本発明のアルコールテイスト飲料の製造方法は、原料としてカリウム及び増粘多糖類を混合する工程を包含する。カリウム、増粘多糖類の混合は同時に行っても別々に行ってもよい。カリウム、増粘多糖類の混合は、製造過程においてどの時点で行ってもよい。例えば、上記混合液に混合してよく、又はカーボネーション後に混合してもよい。
このようにして得られたアルコールテイスト飲料は、その後、容器に充填・密封することにより製品にすることができる。容器に充填する前に膜ろ過フィルターを用いてろ過してもよい。また、濃厚な状態で中間液を作成した後に、炭酸水を添加してアルコールテイスト飲料を調製してもよい。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
グレープフルーツテイスト酎ハイの製造
原料を表1の数値で示した配合量(g)秤量し、水に溶解して完成量1リットルに調製し、炭酸ガスを吹き込むことにより、グレープフルーツテイスト酎ハイを製造した。製造したグレープフルーツテイスト酎ハイのアルコール濃度は6体積%であり、炭酸ガス容量比は2.3V/Lである。
Figure 0007267981000001
ホリバ社製「F-72」(商品名)を使用して、得られた酎ハイのpHを測定したところ、3.4~3.5であった。また、ブルックフィールド社製「DV-I Prime」(商品名)を使用して、タマリンドガムを添加する前(粘度1)及び後(粘度2)に、酎ハイの粘度を測定した。結果を表2に示す。
得られた酎ハイの官能試験は次のようにして行った。即ち、スピリッツ・リキュール類専門パネル4名が上記酎ハイを試飲し、おいしさ、コク及び果汁感の程度について評価した。その際、試験対象の各飲料は、クエン酸ナトリウムを使用した試験区1の点数が3になり、これを対照として官能に劣るものの点数が1になるように、また、官能に優れるものの点数が5になるように、5段階に採点した。評価点は4人の採点の平均値を採用した。また、4人のコメントをまとめた。結果を表2に示す。
Figure 0007267981000002
粘度1:タマリンドガム添加前
粘度2:タマリンドガム添加後
表2の結果から、カリウムと増粘多糖類を併用することでグレープフルーツテイスト酎ハイのコク及び果汁感が増し、おいしくなることが判明した。
実施例2
グレープフルーツテイスト酎ハイの製造
原料を表3の数値で示した配合量(g)秤量し、水に溶解して完成量1リットルに調製し、炭酸ガスを吹き込むことにより、グレープフルーツテイスト酎ハイを製造した。製造したグレープフルーツテイスト酎ハイのアルコール濃度は6%であり、炭酸ガス容量比は3.0V/Lである。
Figure 0007267981000003
実施例1と同様にして得られた飲料のpH及び粘度を測定し、官能試験を行った。結果を表4に示す。尚、コメントに付された数値は、そのコメントを述べた人数を意味する。
Figure 0007267981000004
表4の結果から、濃度36.7~985ppmのカリウムと増粘多糖類を併用することでグレープフルーツテイスト酎ハイのコク及び果汁感が増し、おいしくなることが判明した。
実施例3
グレープフルーツテイスト酎ハイの製造
原料を表5の数値で示した配合量(g)秤量し、水に溶解して完成量1リットルに調製し、炭酸ガスを吹き込むことにより、グレープフルーツテイスト酎ハイを製造した。製造したグレープフルーツテイスト酎ハイのアルコール濃度は6%であり、炭酸ガス体積比は3.0V/Lである。
Figure 0007267981000005
実施例1と同様にして得られた飲料のpH及び粘度を測定し、官能試験を行った。結果を表6に示す。尚、コメントに付された数値は、そのコメントを述べた人数を意味する。
Figure 0007267981000006
粘度1:タマリンドガム添加前
粘度2:タマリンドガム添加後
表6の結果から、カリウムと濃度30~1000ppmの増粘剤を併用することでグレープフルーツテイスト酎ハイのコク、果汁感及びおいしさが増すことが判明した。
実施例4
ミカン酎ハイテイスト炭酸飲料の改良
市販のミカン酎ハイテイスト炭酸飲料を準備した。この飲料はカリウムを含有していない。上記飲料1リットルにクエン酸カリウム0.13g及びタマリンドガム0.3gを添加して(双方アセスルファムカリウムと合わせ、カリウム量として93ppmとなる)、試験区18の飲料を得た。別に上記飲料1リットルを準備し、それにグルコン酸カリウム0.13g及びタマリンドガム0.3gを添加して、試験区19の飲料を得た。
実施例1と同様にして得られた飲料のpH及び粘度を測定し、官能試験を行った。結果を表7に示す。
Figure 0007267981000007
粘度1:タマリンドガム添加前
粘度2:タマリンドガム添加後
表7の結果から、カリウムと増粘多糖類を併用することで、ミカン酎ハイテイスト炭酸飲料においてもコク及び果汁感が増すことが判明した。また、カリウム塩化合物の種類の相違はその効果に影響しなかった。
実施例5
ビールテイスト炭酸飲料の改良
市販のビールテイスト炭酸飲料を準備した。この飲料は濃度100ppmのカリウムを含有している。上記飲料1リットルにペクチンを添加して、試験区21の飲料を得た。別に上記飲料1リットルを準備し、それにタマリンドガムを添加して、試験区22の飲料を得た。試験区21、22ともに、対照として用いた市販のビールテイスト炭酸飲料に比べ、0.2cP粘度が上昇する量、ペクチンおよびタマリンドガムを添加した。
実施例1と同様にして得られた飲料の粘度を測定した。結果を表8に示す。また、ビール類専門パネル15人が上記飲料を試飲し、コク、酸味及び甘味について、対照飲料(試験区20)と増粘させた各飲料(試験区21又は試験区22)を対比してどちらが強いか判定した(2点試験法)。表8に、強いと判定した人数、及びコメントを示す。尚、コメントに付された数値は、そのコメントを述べた人数を意味する。
Figure 0007267981000008
粘度1:増粘前
粘度2:増粘後
※:有意水準5%で有意差有り
次に、ビール類専門パネル30人が対照飲料(試験区20)及び増粘飲料(試験区21又は試験区22)を試飲し、ビールらしさ等の味質を5段階評価した。その際、劣るものが0点、優れたものが50点になるように採点した。評価点は30人の採点の平均値を採用した。結果を表9及び図1に示す。
Figure 0007267981000009
※:のどに対する触感
表8、表9及び図1の結果から、カリウムを含むビールテイスト炭酸飲料に増粘多糖類を添加することで、コク及びビールらしさが増すことが判明した。また、増粘多糖類の種類の相違はその効果に影響しなかった。

Claims (6)

  1. カリウムを67~1000ppm含有し、粘度が1.48~2.39cPであり、糖質含有量が2w/v%以下であり、炭酸飲料である、アルコールテイスト飲料(但し、ビールテイスト飲料、レモンフレーバーを含有する飲料、麦芽アルコール飲料及びワインを除く)。
  2. 増粘多糖類を30~1000ppm含有する、請求項1に記載のアルコールテイスト飲料。
  3. 前記増粘多糖類が、タマリンドガム及びペクチンから成る群から選択される少なくとも一つである、請求項2に記載のアルコールテイスト飲料。
  4. クエン酸カリウム及びグルコン酸カリウムから成る群から選択される少なくとも一つを含有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のアルコールテイスト飲料。
  5. ナトリウム含有量が0~50ppmである、請求項1から4のいずれか一項に記載のアルコールテイスト飲料。
  6. アルコール濃度が1%未満である、請求項1から5のいずれか一項に記載のアルコールテイスト飲料。
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