JP7266766B1 - ポリエステル系樹脂組成物及びポリエステル系シュリンクフィルム - Google Patents

ポリエステル系樹脂組成物及びポリエステル系シュリンクフィルム Download PDF

Info

Publication number
JP7266766B1
JP7266766B1 JP2023509516A JP2023509516A JP7266766B1 JP 7266766 B1 JP7266766 B1 JP 7266766B1 JP 2023509516 A JP2023509516 A JP 2023509516A JP 2023509516 A JP2023509516 A JP 2023509516A JP 7266766 B1 JP7266766 B1 JP 7266766B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
value
shrink film
resin composition
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2023509516A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2023188471A5 (ja
JPWO2023188471A1 (ja
Inventor
琢磨 金子
裕一郎 勘坂
秀太 弓削
達也 入船
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bonset Latin America SA
Bonset America Corp
Original Assignee
Bonset Latin America SA
Bonset America Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=86144025&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP7266766(B1) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Bonset Latin America SA, Bonset America Corp filed Critical Bonset Latin America SA
Priority claimed from PCT/JP2022/037474 external-priority patent/WO2023188471A1/ja
Priority to JP2023067827A priority Critical patent/JP7310040B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7266766B1 publication Critical patent/JP7266766B1/ja
Publication of JPWO2023188471A1 publication Critical patent/JPWO2023188471A1/ja
Publication of JPWO2023188471A5 publication Critical patent/JPWO2023188471A5/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D23/00Details of bottles or jars not otherwise provided for
    • B65D23/08Coverings or external coatings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J3/00Processes of treating or compounding macromolecular substances
    • C08J3/20Compounding polymers with additives, e.g. colouring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)

Abstract

良好なリサイクル性を有するポリエステル系樹脂組成物及びポリエステル系シュリンクフィルムを提供する。再生PET樹脂を含むポリエステル系樹脂組成物及びそれに由来したシュリンクフィルムであって、下記構成(1)~(3)を満足する。(1)再生PET樹脂を全体量に対して、10重量%以上含有する。(2)~(3)所定厚さのフィルムとした場合に、ヘイズ値を20%未満とし、CIE色度座標におけるb*を0.15~0.3の範囲内の値とする。

Description

本発明は、ポリエステル系樹脂組成物及びポリエステル系シュリンクフィルム(以下、熱収縮性ポリエステル系フィルム、或いは、単に、シュリンクフィルムと称する場合がある。)に関する。
より詳しくは、所定形状に成形して、それをリサイクルした場合であっても、優れた透明性や無着色性が得られるポリエステル系樹脂組成物、及び、そのようなポリエステル系樹脂組成物に由来してなるポリエステル系シュリンクフィルムに関する。
に関する。
近年、プラスチックごみの環境への影響が問題視される傾向にあり、使用済みプラスチック成形品のリサイクルや、プラスチック製包装材料の簡略化・減容化、環境への負荷がより少ない素材への転換等が推進又は検討されている。
すなわち、使用済みプラスチック成形品を破砕、洗浄等して再利用するいわゆるマテリアルリサイクルは簡便でかつコストにおいても有利である。
しかしながら、主原料である熱可塑性樹脂だけでなく、配合剤や、成形品へ適用されている表面処理剤等が混入するため、バージン樹脂と比較すると透明性に劣り、着色しやすいという問題が見られた、
特に、繰り返しリサイクルするうちに、そのような着色度合いが増すため、用途が過度に制限されるという問題があった。
そこで、ジカルボン酸及びジオールを構成成分とするポリエステル樹脂に由来した熱収縮フィルムのリサイクルの課題を解決することを目的として、所定の共重合ポリエステル樹脂が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、ジカルボン酸成分の主成分をテレフタル酸とし、ジオ-ル成分の主成分をエチレングリコールとし、全てのジオール成分を100モル%とした場合、ジエチレングリコールの含有量(配合成分量)が7~30モル%の範囲であり、トリエチレングリコールの含有量が0.05~2モル%の範囲である共重合ポリエステル樹脂である。
そして、テレフタル酸とジエチレングリコールからなる環状2量体の含有量が7000ppm以下であり、かつ、テレフタル酸と、ジエチレングリコールと、トリエチレングリコールからなる環状2量体の含有量が200ppm以下である共重合ポリエステル樹脂である。
国際公開第2021/210488号(特許請求の範囲等)
しかしながら、特許文献1に開示されたリサイクル性を高めた共重合ポリエステル樹脂は、配合成分の種類が相当多い一方、その配合成分量を厳格に順守しなければならず、非結晶性の制御が困難であった。
すなわち、ジエチレングリコールとトリエチレングリコールの配合量が、所定範囲の下限未満では、得られる共重合ポリエステル樹脂が結晶性になるため、成形品やフィルムの透明性が悪くなり、十分な透明性が達成できず商品価値がなくなる旨も指摘されていた。
そこで、本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意努力した結果、所定量の再生PET樹脂を含有するポリエステル系樹脂組成物等であって、少なくとも所定構成(1)~(3)を満足することよって、従来の問題を解決するに至った。
すなわち、本発明は、原材料に、再生PET樹脂(PCR)を相当量含有したとしても、透明性や無着色性を維持するポリエステル系シュリンクフィルム、そのようなシュリンクフィルムに最適なポリエステル系樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明によれば、少なくとも再生PET樹脂を含有するポリエステル系樹脂組成物であって、下記の構成(1)~(3)を満足することを特徴とするポリエステル系樹脂組成物が提供され、上述した問題点を解決することができる。
(1)再生PET樹脂の配合量を、結晶性ポリエステル樹脂の一部又は全部として、ポリエステル系樹脂組成物の全体量に対して、10重量%以上の値とする。
(2)所定厚さ(例えば、30μm)のフィルムとした場合に、JIS K 7136:2000に準拠して測定されるヘイズ値を20%未満とする。
(3)所定厚さ(例えば、30μm)のフィルムとした場合に、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定されるCIE1976 L***色空間の色度座標(以下、単に、CIE色度座標と称する場合がある。)におけるb*を0.15~0.3の範囲内の値とする。
すなわち、少なくとも構成(1)~(3)を全て満足することによって、原材料に、結晶性ポリエステル樹脂である再生PET樹脂を相当量含有したとしても、所定形状に成形して、それをリサイクルした場合であっても、優れた透明性や無着色性(主として黄色系)を得ることができる。
なお、ヘイズ値や色度座標におけるb*を測定する、所定厚さ(例えば、30μm)のフィルムは、具体的には、後述する参考例1(以下、実施例1と称する場合もある。)等に記載したシュリンクフィルムが典型例であるが、それに限らない。
従って、所定厚さを有することを前提とし、シュリンクフィルムとして延伸処理を行う前の原反シートであっても良く、あるいは、ヘイズ値や色度座標におけるb*等を測定するための計測用の非収縮フィルムであっても良い。
又、本発明のポリエステル系樹脂組成物を構成するに当たり、構成(4)として、再生PET樹脂を配合せず、かつ、所定厚さのフィルムとして、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定されるCIE1976 L***色空間の色度座標におけるb*を、b* 0とした場合に、b*-b* 0で表される数値を、0.01以上の値とすることが好ましい。
このようにCIE色度座標におけるb*-b* 0で表される数値を制限することによって、所定形状に成形して、それを繰り返しリサイクルした場合に、優れた透明性や無着色性(主として黄色系)が得られるポリエステル系樹脂とすることができる。
又、本発明のポリエステル系樹脂組成物を構成するに当たり、構成(5)として、所定厚さのフィルムとした場合に、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定されるCIE1976 L***色空間の色度座標におけるa*を-0.15~-0.05の範囲内の値とすることが好ましい。
このようにCIE色度座標におけるa*を制限することによって、繰り返しリサイクルしても、所定形状に成形して、それを繰り返しリサイクルした場合に、より透明性や無着色性(主として緑色系)を維持しやすいポリエステル系樹脂とすることができる。
又、本発明のポリエステル系樹脂組成物を構成するに当たり、構成(6)として、所定厚さのフィルムとした場合に、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定されるCIE1976 L***色空間の色度座標におけるL*を90%以上の値とすることが好ましい。
このようにCIE色度座標における白色性の指標であるL*を制限することによって、繰り返しリサイクルしても、所定形状に成形して、それを繰り返しリサイクルした場合に、より透明性や無着色性(主として黄色系や緑色系)を維持しやすいポリエステル系樹脂とすることができる。
又、本発明のポリエステル系樹脂組成物を構成するに当たり、構成(7)として、非結晶性ポリエステル樹脂を含むと共に、当該非結晶性ポリエステル樹脂の配合量をポリエステル系樹脂組成物の全体量に対して、50~90重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することによって、ポリエステル系シュリンクフィルムを形成した場合に、主収縮方向であるTD方向や、それに直交するMD方向における、例えば、70~98℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率を、精度良く制御できる。
又、本発明の別の態様は、上述したいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物に由来してなるポリエステル系シュリンクフィルムであって、当該ポリエステル系シュリンクフィルムの主収縮方向をTD方向とし、当該TD方向における、80℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率をA1としたときに、当該A1を20%以上の値とすることを特徴とするポリエステル系シュリンクフィルムである。
このように構成することによって、再生PET樹脂を相当量配合してなるポリエステル系シュリンクフィルムとして、透明性や無着色性を維持しながら、基本的な熱収縮性(80℃の温水中、10秒)を発揮することができる。
又、本発明のポリエステル系シュリンクフィルムを構成するに当たり、TD方向における、98℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率をA2としたときに、当該A2を35%以上の値とすることが好ましい。
このように構成することによって、再生PET樹脂を相当量配合してなる利用したポリエステル系シュリンクフィルムとして、基本的に高温域における熱収縮性を発揮することができる。
又、本発明のポリエステル系シュリンクフィルムを構成するに当たり、TD方向における、70℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率をA3としたときに、当該A3を5%以上の値とすることが好ましい。
このように構成することによって、再生PET樹脂を利用したポリエステル系シュリンクフィルムとして、低温域においても、所定の熱収縮性を発揮することができる。
図1は、PCRの配合量と、CIE色度座標におけるb*の値と、の関係を説明するための図である。
図2は、PCRの配合量と、ポリエステル系シュリンクフィルムにおけるヘイズ値と、の関係を説明するための図である。
図3は、PCRの配合量と、CIE色度座標におけるb*-b* 0で表される数値と、の関係を説明するための図である。
図4は、PCRの配合量と、CIE色度座標におけるa*の値と、の関係を説明するための図である。
図5は、PCRの配合量と、CIE色度座標におけるL*の値と、の関係を説明するための図である。
図6(a)~(c)は、それぞれポリエステル系シュリンクフィルムの形態を説明するための図である。
図7(a)~(b)は、PCRの配合量と、TD方向における、80℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率(A1)と、の関係及び98℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率(A2)と、の関係をそれぞれ説明するための図である。
図8は、PCRの配合量と、TD方向における、70℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率(A3)と、の関係を説明するための図である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、少なくとも再生PET樹脂を含有するポリエステル系樹脂組成物であって、下記の構成(1)~(3)を満足することを特徴とするポリエステル系樹脂組成物である。
(1)再生PET樹脂の配合量を、結晶性ポリエステル樹脂の一部又は全部として、ポリエステル系樹脂組成物の全体量に対して、10重量%以上の値とする。
(2)所定厚さ(30μm)のフィルムとした場合に、JIS K7136:2000に準拠して測定されるヘイズ値を20%未満とする。
(3)所定厚さ(30μm)のフィルムとした場合に、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定されるCIE1976 L***色空間の色度座標におけるb*を0.15~0.3の範囲内の値とする。
以下、第1の実施形態のポリエステル系樹脂組成物につき、適宜、図面を参照しながら、具体的に説明する。
1.主成分
主成分であるポリエステル樹脂は、基本的に、上述した(1)~(3)の構成を満足しやすいポリエステル樹脂であれば、その種類は問わないが、通常、ジオール及びジカルボン酸からなるポリエステル樹脂、ジオール及びヒドロキシカルボン酸からなるポリエステル樹脂、ジオール、ジカルボン酸、及びヒドロキシカルボン酸からなるポリエステル樹脂、あるいは、これらのポリエステル樹脂の混合物であることが好ましい。
ここで、ポリエステル樹脂の原料成分としてのジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、1,4-ヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール、芳香族ジオール等の少なくとも一つが挙げられる。
そして、これらの中でも、特に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、及び1,4-ヘキサンジメタノールが好ましい。
又、同じくポリエステル樹脂の化合物成分としてのジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪酸ジカルボン酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、あるいは、これらのエステル形成性誘導体等の少なくとも一つが挙げられる。
そして、これらの中でも、特に、テレフタル酸が好ましい。
又、同じくポリエステル樹脂の化合物成分としてのヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、ヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン等の少なくとも一つが挙げられる。
又、非結晶性ポリエステル樹脂として、例えば、テレフタル酸を少なくとも80モル%含んでなるジカルボン酸と、エチレングリコール50~80モル%及び、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール及びジエチレングリコールから選ばれた1種以上のジオール20~50モル%からなるジオールよりなる非結晶性ポリエステル樹脂を好適に使用できる。
必要に応じ、フィルムの性質を変化させるために、他のジカルボン酸及びジオール、あるいはヒドロキシカルボン酸を使用してもよい。又、それぞれ単独でも、あるいは、混合物であっても良い。
一方、結晶性ポリエステル樹脂として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート等があるが、それぞれ単独であっても、あるいは混合物であっても良い。
又、ポリエステル樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂と、非結晶性ポリエステル樹脂と、の混合物である場合、良好かつ適当なリサイクル性、耐熱性、及び熱収縮率等を得るために、ポリエステル系シュリンクフィルムを構成する樹脂の全体量(100重量%)に対し、結晶性ポリエステル樹脂の配合量を、10~50重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、結晶性ポリエステル樹脂の配合量を、所定範囲内の値とすることによって、良好な熱収縮特性を発揮すると共に、高湿条件下であっても、物性としての、所定温度における熱収縮率等の変化が少ないポリエステル系シュリンクフィルムとすることができるためである。
従って、樹脂の全体量(100重量%)に対し、結晶性ポリエステル樹脂の配合量を、15~45重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、20~40重量%の範囲内の値とすることが更に好ましい。
逆に言えば、ポリエステル系樹脂組成物を構成するに当たり、構成(7)として、非結晶性ポリエステル樹脂を含むと共に、当該非結晶性ポリエステル樹脂の配合量をポリエステル系樹脂組成物の全体量に対して、50~90重量%の範囲内の値とすることが好ましく、55~85重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、60~80重量%の範囲内の値とすることが更に好ましい。
2.再生PET樹脂
再生PET樹脂の典型例は、PCR樹脂(以下、単に、PCRと称する場合がある)であって、ポストコンシューマーリサイクル(post-consumer recycled)樹脂の略語である。
そして、かかるPCRは、一般に、産業系廃プラスチックを主要材料とし、リサイクルされるPETボトル等に由来した原料等であって、単一又は複数のポリエステル素材が含まれてリサイクルされた「粉体、顆粒、フレーク、ペレットやフラフ等の形状の製品」の形態とした、結晶性ポリエステル樹脂としての再生ポリエステル樹脂(以下、リサイクル結晶性ポリエステル樹脂と称する場合がある。)と定義される。
すなわち、再生PET樹脂の全部又は一部として、PCRを用いることによって、透明性や無着色性を維持したシュリンクフィルムが、効率良く、かつ、経済的に形成され、それにより、PETボトル等のリサイクルが促進され、ひいては、環境負荷を著しく低減することができる。
又、かかるPCRの平均分子量(Mn)は、通常、5000~50000であって、HDPEやHDPP等の配合によって、2~3倍程度に、より高分子量化されたものも含むことができる。
すなわち、再生PET樹脂の全部又は一部として、平均分子量が制御されたPCRを用いることによって、更に透明性や無着色性を維持したシュリンクフィルムが、効率良く、かつ、経済的に形成することができる。
更に又、かかる再生PET樹脂におけるCIE色度座標に関し、通常、a*は、-2~0の範囲内である。
同様に、再生PET樹脂におけるCIE色度座標のb*は、通常、2.5~5の範囲内である。
更に同様に、再生PET樹脂におけるL*は、通常、50~65の範囲内である。
従って、再生PET樹脂として、PCRを用いる場合、それ自体のCIE色度座標のa*、及びL*の値を、それぞれ考慮して、PCRの種類を適宜選択することが好ましい。
例えば、ポリエステル系樹脂組成物に由来するシュリンクフィルムのCIE色度座標のb*を、所定範囲内の値(0.15~0.3)に制御するに当たり、PCRにおけるCIE色度座標のb*を、4.7以下の値とすることが好ましく、4.5以下の値とすることがより好ましく、4.3以下の値とすることが更に好ましい。
3.構成(1)
構成(1)は、再生PET樹脂の配合量を、結晶性ポリエステル樹脂の一部又は全部として、ポリエステル系樹脂組成物の全体量に対して、10重量%以上の値とする旨の必須構成要件である。
すなわち、原材料に、所定量以上の結晶性ポリエステル樹脂である再生PET樹脂を含有したとしても、透明性や無着色性を維持することができ、リサイクルに適したポリエステル系樹脂組成物とすることができる。
なお、再生PET樹脂を結晶性ポリエステル樹脂の一部として用いる場合は、当該結晶性ポリエステル樹脂の全体量に対して、10重量%以上の範囲で用いることが好ましく、20~90重量%の範囲で用いることがより好ましく、50~80重量%の範囲で用いることが更に好ましい。
ここで、図1に言及して、ポリエステル系樹脂組成物を、実施例1等に準じて、所定厚さ(例えば、30μm)のフィルムとした場合において、PCRの配合量と、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定されるCIE1976 L***色空間の色度座標(以下、単に、CIE色度座標と称する場合がある。)におけるb*との関係を説明する。
すなわち、図1の横軸に、PCRの配合量(重量%)が採って示してあり、縦軸に、CIE色度座標におけるb*の値(-)が採って示してある。
又、図中において、実施例1をEx.1とし、比較例1をCE.1と記載しているが、以下同様である。
そして、図1中の特性曲線から、一定条件下、PCRの配合量と、色度座標におけるb*の値との関係において、優れた相関関係(相関係数(R)が、0.99)があることが理解される。
従って、PCRの配合量を制限することよって、色度座標におけるb*の値につき、所定範囲内に制御しやすくなると言える。
逆に言えば、一定条件下、色度座標におけるb*を所定範囲内の値(0.15~0.3)に制限することによって、PCRの配合量を、間接的ではあるが、より精度良く制御できると言える。
4.構成(2)
又、構成(2)は、所定厚さ(例えば、30μm)のフィルムとした場合において、JIS K 7136:2000に準拠して測定されるヘイズ値を20%未満とする旨の必須構成要件である。
すなわち、所定量の再生PET樹脂を含有するポリエステル系樹脂組成物を、後述する実施例1等に準じて、所定厚さのポリエステル系シュリンクフィルム等とした場合に、ヘイズ値を比較的小さくすることによって、リサイクルした場合であっても、各種用途への汎用性を維持することができる。
但し、かかるヘイズ値が、過度に小さくなると、使用可能なポリエステル系樹脂の種類や、歩留まりが著しく低下する場合がある。
従って、JIS K 7136:2000に準拠して測定されるヘイズ値を20%未満とすることが必須構成要件であるが、より好ましくは、かかるヘイズ値を1.5~10%の範囲内の値とすることがより好ましく、1.6~5%の範囲内の値とすることが更に好ましい。
ここで、図2に言及して、ポリエステル系樹脂組成物を、実施例1等に準じて、所定厚さ(例えば、30μm)のフィルムとした場合において、PCRの配合量と、JIS K 7136:2000に準拠して測定されるヘイズ値との関係を説明する。
すなわち、図2の横軸に、PCRの配合量(重量%)をとり、縦軸に、ヘイズ値(%)を採って示してある。
かかる図2中の特性曲線から、一定条件下、PCRの配合量(重量%)と、ヘイズ値(%)との関係において、PCRの配合量にかかわらず、ほぼ一定のヘイズ値が得られることが理解される。
5.構成(3)
又、構成(3)は、所定厚さ(例えば、30μm)のフィルムとした場合において、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定されるCIE1976 L***色空間の色度座標におけるb*を0.15~0.3の範囲内の値とする旨の必須構成要件である。
すなわち、所定量の再生PET樹脂を含有するポリエステル系樹脂組成物を、後述する実施例1等に準じて、所定のポリエステル系シュリンクフィルム等とした場合に、色度座標におけるb*を所定範囲の値とすることによって、繰り返しリサイクルしても、更に透明性や、黄色系の無着色性を、精度良く維持するポリエステル系樹脂とすることができる。
従って、b*を0.17~0.28の範囲内の値とすることがより好ましく、0.19~0.26の範囲内の値とすることが更に好ましい。
なお、上述したように、図1中の特性曲線から、PCRの配合量と、色度座標におけるb*の値との関係において、優れた相関関係(相関係数(R)が、0.99)があることが判明している。
6.構成(4)
構成(4)は、所定量の再生PET樹脂を配合せず、かつ、所定厚さ(例えば、30μm)のフィルムとして、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定されるCIE1976 L***色空間の色度座標におけるb*を、b* 0とした場合に、b*-b* 0で表される数値を、0.01以上の値とする旨の任意的構成要件である。
すなわち、後述する実施例1等に準拠し、所定のポリエステル系シュリンクフィルム等とした場合に、このようにCIE色度座標におけるb*-b* 0で表される数値を、所定範囲に制御することによって、繰り返しリサイクルしても、更に透明性や無着色性を、精度良く維持するポリエステル系樹脂とすることができる。
但し、かかるb*-b* 0で表される数値が、過度に大きくなると、繰り返しリサイクルすることで、透明性や無着色性を、精度良く維持するポリエステル系樹脂とすることが困難となる場合がある。
従って、b*-b* 0で表される数値を、0.03~0.2の範囲内の値とすることがより好ましく、0.1~0.18の範囲内の値とすることが更に好ましい。
ここで、図3に言及して、PCRの配合量と、CIE色度座標におけるb*-b* 0で表される数値との関係を説明する。
すなわち、図3の横軸に、PCRの配合量(重量%)が採って示してあり、縦軸に、ポリエステル系樹脂組成物を、所定のポリエステル系シュリンクフィルムとした場合におけるCIE色度座標におけるb*-b* 0で表される数値(-)が採って示してある。
そして、図3中の特性曲線から、一定条件下、PCRの配合量と、CIE色度座標におけるb*-b* 0で表される数値との関係において、優れた相関関係(相関係数(R)が、0.99)があることが理解される。
従って、PCRの配合量を制限することよって、CIE色度座標におけるb*-b* 0で表される数値につき、所定範囲(0.01以上)に、極めて精度良く制御できると言える。
逆に言えば、一定条件下、CIE色度座標におけるb*-b* 0で表される数値を所定範囲(0.01以上)に制限することによって、PCRの配合量についても、間接的ではあるが、より精度良く制御できると言える。
7.構成(5)
構成(5)は、所定厚さ(例えば、30μm)のフィルムとした場合において、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定されるCIE1976 L***色空間の色度座標におけるa*を-0.15~-0.05の範囲内の値とする旨の任意的構成要件である。
すなわち、後述する実施例1等に準拠し、所定のポリエステル系シュリンクフィルム等とした場合における、CIE色度座標におけるa*を制限することによって、繰り返しリサイクルしても、より透明性や緑味系における無着色性を維持するポリエステル系樹脂とすることができる。
従って、CIE色度座標におけるa*を-0.14~-0.06の範囲内の値とすることがより好ましく、-0.13~-0.07の範囲内の値とすることが更に好ましい。
ここで、図4に言及して、再生PET樹脂であるPCRの配合量と、CIE色度座標におけるa*との関係を説明する。
すなわち、図4の横軸に、PCRの配合量(重量%)が採って示してあり、縦軸に、ポリエステル系樹脂組成物を、所定のポリエステル系シュリンクフィルムとした場合のCIE色度座標におけるa*が採って示してある。
そして、図4中の特性曲線から、一定条件下、PCRの配合量と、CIE色度座標におけるa*との関係において、良好な相関関係(相関係数(R)が、0.86)があることが理解される。
従って、PCRの配合量を制限することよって、CIE色度座標におけるa*につき、所定範囲内に制御しやすくなると言える。
逆に言えば、一定条件下、CIE色度座標におけるa*で表される数値を所定範囲内の値に制限することによって、PCRの配合量を、間接的ではあるが、より精度良く制御できると言える。
8.構成(6)
構成(6)は、所定厚さ(30μm)のフィルムとした場合において、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定されるCIE1976 L***色空間の色度座標におけるL*を90以上の値とする旨の任意的構成要件である。
すなわち、後述する実施例1等に準拠し、所定のポリエステル系シュリンクフィルム等とした場合のCIE色度座標におけるL*を制限することによって、繰り返しリサイクルしても、白色性も加味して、より透明性や無着色性を維持するポリエステル系樹脂とすることができる。
従って、CIE色度座標におけるL*を92~99の範囲内の値とすることがより好ましく、93~98の範囲内の値とすることが更に好ましい。
ここで、図5に言及して、再生PET樹脂であるPCRの配合量と、CIE色度座標におけるa*との関係を説明する。
すなわち、図5の横軸に、PCRの配合量(重量%)が採って示してあり、縦軸に、ポリエステル系樹脂組成物を、所定のポリエステル系シュリンクフィルムとした場合におけるCIE色度座標におけるL*が採って示してある。
そして、図5中の特性曲線から、一定条件下、PCRの配合量と、CIE色度座標におけるL*との関係において、PCRの配合量にかかわらず、ほぼ一定のL*が得られることが理解される。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、図6(a)~(c)に例示されるように、第1の実施形態ポリエステル系樹脂組成物に由来してなるポリエステル系シュリンクフィルム10であって、当該ポリエステル系シュリンクフィルムの主収縮方向をTD方向としたときに、TD方向における、80℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率を20%以上の値とすることを特徴とするポリエステル系シュリンクフィルムである。
以下、第2の実施形態のポリエステル系シュリンクフィルムにつき、適宜、図面を参照しながら、具体的に説明する。
1.ポリエステル系樹脂組成物
ポリエステル系樹脂組成物として、既に説明した第1の実施形態ポリエステル系樹脂組成物を用いることができることから、再度の説明は省略する。
2.ポリエステル系シュリンクフィルム
(1)厚さ
第1の実施形態のポリエステル系シュリンクフィルムの熱収縮前の厚さ(平均厚さ)に関する構成要件であって、通常、15~70μmの範囲内の値にする旨の任意的構成要件である。
すなわち、このようにポリエステル系シュリンクフィルムの熱収縮前の厚さを所定範囲内の値に具体的に制限することにより、熱収縮率A1、A2、A3や、ヘイズ等を、それぞれ所定範囲内の値に、更に容易に制御しやすくなる。
従って、所定因子の影響を低下させて、熱収縮時のポリエステル系シュリンクフィルムにおいて、急激な熱応答による不均一な収縮を抑制することができ、結果として、リサイクル性についても制御できる。
より具体的には、ポリエステル系シュリンクフィルムの熱収縮前の厚さが、15μm未満になったり、あるいは70μmを超えたりすると、熱収縮時のポリエステル系シュリンクフィルムにおいて、急激な熱応答による不均一な収縮を抑制できず、着色したり、透明性等が低下したりする場合があるためである。
従って、構成(e)として、ポリエステル系シュリンクフィルムの熱収縮前の厚さを、20~50μmの範囲内の値とすることがより好ましく、25~40μmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
(2)CIE色度座標
ポリエステル系樹脂組成物(所定厚さのシュリンクフィルムとして測定)におけるCIE色度座標のb*、b*-b* 0で表される数値、a*は、それぞれ、図1等に示すように、PCRの配合量と、良好な相関関係が得られている。
更に、CIE色度座標のLについても、図5等に示すように、一定の条件下、PCRの配合量にかかわらず、ほぼ一定の値を得ることができる。
従って、ポリエステル系シュリンクフィルムにおけるCIE色度座標のb*、b*-b* 0で表される数値、a*、及びL*においても、既に説明した第1の実施形態のポリエステル系樹脂組成物での内容と実質的に同様であることから、再度の説明は省略する。
(3)ヘイズ値
ポリエステル系樹脂組成物(所定厚さのシュリンクフィルムとして測定)におけるヘイズ値については、図2等に示すように、一定の条件下、PCRの配合量にかかわらず、ほぼ一定のヘイズ値を得ることができる。
従って、ポリエステル系シュリンクフィルムにおけるヘイズについても、既に説明した第1の実施形態のポリエステル系樹脂組成物での内容と実質的に同様であることから、再度の説明は省略する。
(4)熱収縮率1
熱収縮率1として、ポリエステル系シュリンクフィルムの主収縮方向をTD方向とし、当該TD方向における、80℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率をA1としたときに、当該A1を、20%以上の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる熱収縮率A1を所定値以上に具体的に制限することによって、再生PET樹脂を利用したポリエステル系シュリンクフィルムとして、各種用途において発揮する、TD方向における基本的な熱収縮性(80℃の温水中、10秒)を維持できるためである。
より具体的には、かかる熱収縮率A1が20%未満の値になると、熱収縮性が低下し、各種用途に適用できない場合が生じる。
従って、かかる熱収縮率A1を、25~55%の範囲内の値とすることがより好ましく、30~50%の範囲内の値とすることが更に好ましい。
なお、ポリエステル系シュリンクフィルムにおける熱収縮率(A1~A3等)は、下記式で定義される。
熱収縮率(%)=(L0-L1)/L0×100
0:所定温度、所定時間で熱処理する前のサンプルの寸法(長手方向又は幅方向)
1:所定温度、所定時間で熱処理した後のサンプルの寸法(L0と同じ方向)
ここで、図7(a)~(b)に言及して、再生PET樹脂としてのPCRの配合量と、TD方向における、80℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率(A1)との関係及び98℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率(A2)との関係を説明する。
すなわち、図7(a)~(b)の横軸に、PCRの配合量(重量%)が採って示してあり、縦軸に、TD方向における、80℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率であるA1(%)及び98℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率であるA2(%)が採って示してある。
そして、図7(a)~(b)中の特性曲線から、それぞれ、一定条件下、PCRの配合量と、熱収縮率A1及び熱収縮率A2との関係において、良好な相関関係(相関係数(R)が、それぞれ0.99及び0.98)が、それぞれあることが理解される。
従って、一定条件下、PCRの配合量を制限することよって、熱収縮率A1及び熱収縮率A2につき、それぞれ所定範囲内に制御しやすくなると言える。
(5)熱収縮率2
熱収縮率2として、ポリエステル系シュリンクフィルムの主収縮方向をTD方向とし、当該TD方向における、98℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率をA2としたときに、当該A2を、30%以上の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる熱収縮率A2を所定値以上に制限することによって、再生PET樹脂を利用したポリエステル系シュリンクフィルムとして、各種用途において発揮する、TD方向における基本的な熱収縮性(98℃の温水中、10秒)を維持できるためである。
より具体的には、熱収縮率A2が30%未満の値になると、熱収縮性が低下し、使用できる用途が過度に制限される場合が生じるためである。
従って、熱収縮率A2を、35~75%の範囲内の値とすることがより好ましく、40~70%の範囲内の値とすることが更に好ましい。
(6)熱収縮率3
熱収縮率3として、ポリエステル系シュリンクフィルムにおける主収縮方向であるTD方向とし、当該TD方向における、70℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率をA3としたときに、当該A3を、5%以上の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる熱収縮率A3を所定値以上に制限することによって、再生PET樹脂を利用したポリエステル系シュリンクフィルムとして、各種用途において発揮する、TD方向における基本的な熱収縮性(70℃の温水中、10秒)を維持できるためである。
より具体的には、熱収縮率A3が5%未満の値になると、熱収縮性が低下し、使用可能な用途が過度に制限される場合が生じる。
従って、かかる熱収縮率A3を、6~18%の範囲内の値とすることがより好ましく、7~16%の範囲内の値とすることが更に好ましい。
ここで、図8に言及して、再生PET樹脂としてのPCRの配合量と、TD方向における、70℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率(A3)との関係を説明する。
すなわち、図8の横軸に、PCRの配合量(重量%)が採って示してあり、縦軸に、TD方向における、70℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率であるA3(%)が採って示してある。
そして、図8中の特性曲線から、一定条件下、PCRの配合量と、熱収縮率A3との関係において、良好な相関関係が、あることが理解される。
従って、一定条件下、PCRの配合量を制限することよって、熱収縮率A3についても、所定範囲内に制御しやすくなると言える。
(7)その他1
第2の実施形態のポリエステル系シュリンクフィルムは、図6(a)に示すように単層であっても良く、又は、その片面、あるいは両面に、各種添加剤を配合したり、それらを付着させたりすることが好ましい。
より具体的には、加水分解防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、着色剤、有機フィラー、無機フィラー、有機繊維、無機繊維等の少なくとも一つを、ポリエステル系シュリンクフィルムの全体量に対して、通常、0.01~10重量%の範囲で配合することが好ましく、0.1~1重量%の範囲で配合等することがより好ましい。
又、図6(b)に示すように、これらの各種添加剤の少なくとも一つを含む他の樹脂層10a、10bを、ポリエステル系シュリンクフィルム10の片面、又は両面に、積層することも好ましい。
その場合、ポリエステル系シュリンクフィルムの厚さを100%としたとときに、追加で積層する他の樹脂層の単層厚さ又は合計厚さを、通常、0.1~10%の範囲内の値とすることが好ましい。
そして、他の樹脂層を構成する主成分としての樹脂は、ポリエステル系シュリンクフィルムと同様のポリエステル樹脂であっても良く、あるいは、それとは異なるアクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂等の少なくとも一つであることが好ましい。
(8)その他2
更に、ポリエステル系シュリンクフィルムを多層構造にして、加水分解防止効果や機械的保護を更に図ったり、あるいは、図6(c)に示すように、ポリエステル系シュリンクフィルムの収縮率が、面内で均一になったりするように、ポリエステル系シュリンクフィルム10の表面に、収縮率調整層10cを設けることも好ましい。
かかる収縮率調整層は、ポリエステル系シュリンクフィルムの収縮特性に応じて、接着剤、塗布方式、あるいは加熱処理等によって、積層することができる。
より具体的には、収縮率調整層の厚さは、0.1~3μmの範囲であって、所定温度におけるポリエステル系シュリンクフィルムの収縮率が過度に大きい場合には、それを抑制するタイプの収縮率調整層を積層することが好ましい。
又、所定温度におけるポリエステル系シュリンクフィルムの収縮率が過度に小さい場合には、それを拡大するタイプの収縮率調整層を積層することが好ましい。
よって、ポリエステル系シュリンクフィルムとして、収縮率が異なる各種シュリンクフィルムを作成することなく、収縮率調整層によって、所望の収縮率を得ようとするものである。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、第2の実施形態のポリエステル系シュリンクフィルムの製造方法に関する実施形態である。
1.原材料の準備及び混合工程
まずは、原材料として、結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂、ゴム系樹脂、帯電防止剤、加水分解防止剤等の、主剤や添加剤を準備することが好ましい。
次いで、攪拌容器内に、秤量しながら、準備した結晶性ポリエステル樹脂や非結晶性ポリエステル樹脂等を投入し、攪拌装置を用いて、均一になるまで、混合攪拌することが好ましい。
2.原反シートの作成工程
次いで、均一に混合した原材料を、絶乾状態に乾燥することが好ましい。
次いで、典型的には、押し出し成形を行い、所定厚さの原反シートを作成することが好ましい。
より具体的には、例えば、押出温度245℃の条件で、L/D24、押出スクリュー径50mmの押出機(田辺プラスチック機械株式会社製)により、押し出し成形を行い、所定厚さ(通常、30~1000μm)の原反シートを得ることができる。
3.ポリエステル系シュリンクフィルムの作成
次いで、得られた原反シートにつき、シュリンクフィルム製造装置を用い、ロール上やロール間を移動させながら、加熱押圧して、ポリエステル系シュリンクフィルムを作成する。
すなわち、所定の予備加熱温度、延伸温度、熱固定温度、及び後述の延伸倍率で、フィルム幅を基本的に拡大させながら、加熱押圧しながら、所定方向に延伸することにより、ポリエステル系シュリンクフィルムを構成するポリエステル分子を所定形状に結晶化させることが好ましい。
そして、その状態で固化させることによって、装飾やラベル等として用いられる熱収縮性のポリエステル系シュリンクフィルムを作成することができる。
(1)MD方向の延伸倍率
又、熱収縮前のポリエステル系シュリンクフィルムのMD方向における延伸倍率(平均MD方向延伸倍率、単に、MD方向延伸倍率と称する場合がある。)を100~200%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このようにMD方向延伸倍率を所定範囲内の値に具体的に制限し、かつ、熱収縮率A1、A2、A3で表される数値、CIE色度座標の値、及びヘイズ等を、それぞれ所定範囲内の値に具体的に制限することで、良好なリサイクル性が得られるポリエステル系シュリンクフィルムとすることができるためである。
より具体的には、MD方向延伸倍率が、100%未満の値になると、製造上の歩留まりが著しく低下する場合があるためである。
一方、MD方向延伸倍率が200%を超えると、TD方向における収縮率に影響し、その収縮率の調整自体が困難となる場合があるためである。
従って、MD方向延伸倍率を100~150%の範囲内の値とすることがより好ましく、100~120%の範囲内の値とすることが更に好ましい。
(2)TD方向の延伸倍率
又、熱収縮前のポリエステル系シュリンクフィルムのTD方向における延伸倍率(平均TD方向延伸倍率、単に、TD方向延伸倍率と称する場合がある。)を300~600%の範囲内の値とすることを好適態様とする。
この理由は、上述のMD方向延伸倍率のみならず、TD方向延伸倍率も所定範囲内の値に具体的に制限し、熱収縮率A1、A2、A3で表される数値、CIE色度座標の値、及びヘイズ等を、それぞれ所定範囲内の値に具体的に制限することで、より一層、リサイクル性が得られるポリエステル系シュリンクフィルムとすることができるためである。
より具体的には、TD方向延伸倍率が、300%未満の値になると、TD方向における収縮率が著しく低下し、使用可能なポリエステル系シュリンクフィルムの用途が過度に制限される場合があるためである。
一方、TD方向延伸倍率が、600%を超えた値になると、熱収縮率が著しく大きくなって、使用可能なポリエステル系シュリンクフィルムの用途が過度に制限されたり、あるいは、その延伸倍率自体を一定に制御することが困難となったりする場合があるためである。
従って、TD方向延伸倍率を350~550%の範囲内の値とすることがより好ましく、400~500%の範囲内の値とすることが更に好ましい。
4.ポリエステル系シュリンクフィルムの検査工程
作成したポリエステル系シュリンクフィルムにつき、連続的又は間断的に、下記特性等を測定し、所定の検査工程を設けることが好ましい。
すなわち、所定の検査工程によって、下記特性等を測定し、所定範囲内の値に入ることを確認することによって、より均一な収縮特性等を有するポリエステル系シュリンクフィルムとすることができる。
(1)ポリエステル系シュリンクフィルムの外観についての目視検査
(2)厚さのばらつき測定
(3)引張弾性率測定
(4)引裂強度測定
(5)SS曲線による粘弾性特性測定
[第4の実施形態]
第4の実施形態は、第2の実施形態のポリエステル系シュリンクフィルムの使用方法に関する実施形態である。
従って、公知のシュリンクフィルムの使用方法であれば、いずれも好適に適用することができる。
例えば、ポリエステル系シュリンクフィルムの使用方法を実施するに際して、まずは、ポリエステル系シュリンクフィルムを、適当な長さや幅に切断すると共に、長尺筒状物を形成する。
次いで、当該長尺筒状物を、自動ラベル装着装置(シュリンクラベラー)に供給し、更に必要な長さに切断する。
次いで、内容物を充填したPETボトル等に外嵌する。
次いで、PETボトル等に外嵌したポリエステル系シュリンクフィルムの加熱処理として、所定温度の熱風トンネルやスチームトンネルの内部を通過させる。
そして、これらのトンネルに備えてなる赤外線等の輻射熱や、90℃程度の加熱蒸気を周囲から吹き付けることにより、ポリエステル系シュリンクフィルムを均一に加熱して熱収縮させる。
よって、PETボトル等の外表面に密着させて、ラベル付き容器を迅速に得ることができる。
ここで、本発明のポリエステル系シュリンクフィルムによれば、第1の実施形態で詳述したように、少なくとも構成(1)~(3)を満足するポリエステル系樹脂組成物に由来することを特徴とする。
そうすることで、高湿条件下に、長期間放置したような場合であっても、吸湿に伴う物性変化を防止し、透明性や着色性を維持し、かつ、各熱処理温度で、再現性良く、所定の熱収縮率を得ることができる。
よって、所定のポリエステル系樹脂組成物に由来したポリエステル系シュリンクフィルムによれば、下記の構成(1)~(3)を満足することにより、リサイクルすることが容易となる。
(1)再生PET樹脂を、結晶性ポリエステル樹脂の一部又は全部として、ポリエステル系樹脂組成物の全体量に対して、10重量%以上含有する。
(2)所定厚さ(例えば、30μm)のフィルムとした場合に、JIS K 7136:2000に準拠して測定されるヘイズ値を20%未満とする。
(3)所定厚さ(例えば、30μm)のフィルムとした場合に、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定されるCIE1976 L***色空間の色度座標におけるb*を0.15~0.3の範囲内の値とする。
以下、本発明を実施例に基づき、詳細に説明する。但し、特に理由なく、本発明の権利範囲が、実施例等の記載によって制限されることはない。
なお、実施例等において用いたポリエステル樹脂等は、以下の通りである。
(PETG1)
ジカルボン酸:テレフタル酸100モル%、ジオール:エチレングリコール63モル%、ジエチレングリコール13モル%、1,4-シクロヘキサンジメタノール24モル%からなる非結晶性ポリエステル樹脂
(PCR)
ジカルボン酸:テレフタル酸98.6モル%、イソフタル酸1.4%、ジオール:エチレングリコール97.3モル%、ジエチレングリコール2.7モル%からなる、リサイクル結晶性ポリエステル樹脂
(添加剤(アンチブロッキング剤))
マトリクス樹脂:PET、シリカ含有量:5質量%、シリカの平均粒径:2.7μmからなるシリカマスターバッチ
[実施例1]
1.ポリエステル系樹脂組成物の評価
(1)ポリエステル系シュリンクフィルムの作成
ポリエステル系樹脂組成物の評価に際して、基本的にポリエステル系シュリンクフィルムの形態として評価した。
すなわち、攪拌容器内に、非結晶性ポリエステル樹脂(PETG1)を90重量部と、リサイクル結晶性ポリエステル樹脂(PCR)を10重量部と、所定添加剤(アンチブロッキング剤)を1重量部と、を収容した。
次いで、これらの原料を絶乾状態にしたのち、押出温度245℃の条件で、L/D24、押出スクリュー径50mmの押出機(田辺プラスチック機械株式会社製)により、押し出し成形を行い、厚さ150μmの原反シートを得た。
次いで、シュリンクフィルム製造装置を用い、かかる原反シートから、予備加熱温度80℃、延伸温度80℃、熱固定温度75℃、延伸倍率(MD方向:100%、TD方向:500%)で、厚さ30μmのポリエステル系シュリンクフィルムを作成した。
2.ポリエステル系シュリンクフィルムの評価
(1)評価1:厚さのばらつき
得られたポリエステル系シュリンクフィルムの厚さ(所望値である30μmを基準値として)を、マイクロメータを用いて測定し、以下の基準に準じて評価した。得られた評価結果を表1に示す。
◎:厚さのばらつきが、基準値±0.1μmの範囲内の値である。
〇:厚さのばらつきが、基準値±0.5μmの範囲内の値である。
△:厚さのばらつきが、基準値±1.0μmの範囲内の値である。
×:厚さのばらつきが、基準値±3.0μmの範囲内の値である。
(2)評価2~4:熱収縮率1~3(A1~A3)
得られたポリエステル系シュリンクフィルムを、20℃、90%RHの高湿条件下に、24時間放置した後において、70℃、80℃、98℃の温水中で、それぞれ10秒の条件で熱収縮させた場合の、TD方向における熱収縮率(A3、A1、A2)として測定した。得られた評価結果を表1に示す。
(3)評価5:ヘイズ値
得られたポリエステル系シュリンクフィルムにつき、JIS K 7136:2000に準拠してヘイズ値を、ヘイズ測定装置(スガ試験機社製、商品名:ヘーズメーターHZ-V3)を用いて測定した。得られた評価結果を表1に示す。
(4)評価6~9:CIE色度座標
得られたポリエステル系シュリンクフィルムにつき、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定されるCIE1976 L***色空間の色度座標におけるa*、b*、b*-b* 0で表される数値、及びL*を、それぞれ分光光度計(株式会社島津製作所製、製品名「UV-3600」)を用いて測定した。得られた評価結果を表1に示す。
なお、得られたポリエステル系シュリンクフィルムの延伸前の原反シート(厚さ150μm)につき、JIS Z 8781-4:2013に準拠して、CIE色度座標におけるL*、a*、及びb*を測定したところ、得られたポリエステル系シュリンクフィルムと、ほぼ同等の値が得られることを確認した。
更に、参考として、ポリエステル系シュリンクフィルムの原料である非結晶性ポリエステル樹脂(PETG1)のペレットの状態で、CIE色度座標におけるL*、a*、及びb*を測定したところ、63.77、-1.76、及び0.00であった。
同様に、リサイクル結晶性ポリエステル樹脂(PCR)のペレットの状態で、CIE色度座標におけるL*、a*、及びb*を測定したところ、60.97、-1.10、及び4.19であった。
[実施例2]
実施例2において、表1に示すように、非結晶性ポリエステル樹脂(PETG1)を70重量部と、リサイクル結晶性ポリエステル樹脂(PCR)を30重量部と、所定添加剤(アンチブロッキング剤)を1重量部と、を用いた。
それと共に、実施例1と同様に、原反シートから、予備加熱温度80℃、延伸温度80℃、熱固定温度75℃とし、延伸倍率(MD方向:100%、TD方向:500%)で、厚さ30μmのポリエステル系シュリンクフィルムを作成した。
そして、作成したポリエステル系シュリンクフィルムにつき、実施例1と同様に、CIE色度座標等につき、評価した。得られた評価結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例3において、表1に示すように、非結晶性ポリエステル樹脂(PETG1)を50重量部と、リサイクル結晶性ポリエステル樹脂(PCR)を50重量部と、所定添加剤(アンチブロッキング剤)を1重量部と、を用いた。
それと共に、実施例1と同様に、原反シートから、予備加熱温度80℃、延伸温度80℃、熱固定温度75℃とし、延伸倍率(MD方向:100%、TD方向:500%)で、厚さ30μmのポリエステル系シュリンクフィルムを作成した。
そして、作成したポリエステル系シュリンクフィルムにつき、実施例1と同様に、CIE色度座標等につき、評価した。得られた評価結果を表1に示す。
[比較例1]
比較例1において、表1に示すような配合組成で、ポリエステル系シュリンクフィルムを作成し、実施例1と同様に、評価した。
すなわち、非結晶性ポリエステル樹脂(PETG1)を100重量部と、所定添加剤(アンチブロッキング剤)を1重量部と、を用いた。
それと共に、原反シートから、予備加熱温度80℃、延伸温度80℃、熱固定温度75℃とし、延伸倍率(MD方向:100%、TD方向:500%)で、厚さ30μmのポリエステル系シュリンクフィルムを作成した。
そして、作成したポリエステル系シュリンクフィルムにつき、実施例1と同様に、CIE色度座標等につき、評価した。得られた評価結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例2において、表1に示すような配合組成で、ポリエステル系シュリンクフィルムを作成し、実施例1と同様に、評価した。
すなわち、非結晶性ポリエステル樹脂(PETG1)を30重量部と、リサイクル結晶性ポリエステル樹脂(PCR)を70重量部と、所定添加剤(アンチブロッキング剤)を1重量部と、を用いた。
それと共に、原反シートから、予備加熱温度80℃、延伸温度80℃、熱固定温度75℃とし、延伸倍率(MD方向:100%、TD方向:500%)で、厚さ30μmのポリエステル系シュリンクフィルムを作成した。
そして、作成したポリエステル系シュリンクフィルムにつき、実施例1と同様に、CIE色度座標等につき、評価した。得られた評価結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例3において、表1に示すような配合組成で、ポリエステル系シュリンクフィルムを作成し、実施例1と同様に、評価した。
すなわち、リサイクル結晶性ポリエステル樹脂(PCR)を100重量部と、所定添加剤(アンチブロッキング剤)を1重量部と、を用いた。
それと共に、原反シートから、予備加熱温度80℃、延伸温度80℃、熱固定温度75℃とし、延伸倍率(MD方向:100%、TD方向:500%)で、厚さ30μmのポリエステル系シュリンクフィルムを作成した。
そして、作成したポリエステル系シュリンクフィルムにつき、実施例1と同様に、CIE色度座標等につき、評価した。得られた評価結果を表1に示す。
Figure 0007266766000001
本発明によれば、少なくとも構成(1)~(3)を満足することにより、繰り返しリサイクルしても、優れた透明性や無着色性を維持する所定のポリエステル系樹脂組成物及びそれに由来したポリエステル系シュリンクフィルムが得られるようになった。
より具体的には、少なくとも10回以上、リサイクルを繰り返しても、優れた透明性や無着色性を維持する所定のポリエステル系樹脂組成物及びそれに由来したポリエステル系シュリンクフィルムが得られるようになった。
又、本発明のポリエステル系樹脂組成物によれば、ポリエステル系シュリンクフィルムも含め、各種成形品を得ることができるようになった。
例えば、本発明のポリエステル系樹脂組成物を用いて、優れた透明性や無着色性を有するPETボトルを成形することができるようになった。
従って、成形したPETボトルをリサイクルしたような場合であっても、良好な透明性や無着色性を維持することができるようになった。
しかも、そのようなPETボトルにおいて、本発明のポリエステル系シュリンクフィルムを用いた場合、PETボトルをリサイクルする際に、ポリエステル系シュリンクフィルムを予め分離除去することなく、リサイクルできると言う利点も得られるようになった。
よって、本発明の所定のポリエステル系樹脂組成物及びそれに由来したポリエステル系シュリンクフィルムによれば、各種PETボトル、各種PETボトル用熱収縮ラベル、弁当容器の外周被覆材等に好適に適用して、汎用性や環境特性を著しく広げることができることから、その産業上の利用可能性は極めて高いと言える。

Claims (8)

  1. 少なくとも再生PET樹脂を含有するポリエステル系樹脂組成物であって、下記の構成(1)~(3)及び(7)を満足することを特徴とするポリエステル系樹脂組成物。
    構成(1):再生PET樹脂の配合量を、結晶性ポリエステル樹脂の一部又は全部として、ポリエステル系樹脂組成物の全体量に対して、20~50重量%の範囲内の値とする。
    構成(2):所定厚さのフィルムとした場合に、JIS K 7136:2000に準拠して測定されるヘイズ値を20%未満の値とする。
    構成(3):所定厚さのフィルムとした場合に、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定されるCIE1976 L色空間の色度座標におけるb0.19~0.26の範囲内の値とする。
    構成(7):非結晶性ポリエステル樹脂(但し、多価アルコール100モル%中、ネオペンチルグリコールを40~60モル%共重合した共重合ポリエステルを30~60重量%で含有した場合を除く。を含むと共に、当該非結晶性ポリエステル樹脂の配合量をポリエステル系樹脂組成物の全体量に対して、50~80重量%の範囲内の値とする。
  2. 構成(4)として、再生PET樹脂を配合せず、かつ、所定厚さのフィルムとして、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定されるCIE1976 L色空間の色度座標におけるbを、b とした場合に、b-b で表される数値を、0.01以上の値とすることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
  3. 構成(5)として、所定厚さのフィルムとした場合に、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定されるCIE1976 L色空間の色度座標におけるaを-0.15~-0.05の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステル系樹脂組成物。
  4. 構成(6)として、所定厚さのフィルムとした場合に、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定されるCIE1976 L色空間の色度座標におけるLを90以上の値とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステル系樹脂組成物。
  5. 請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物に由来してなるポリエステル系シュリンクフィルムであって、当該ポリエステル系シュリンクフィルムの主収縮方向をTD方向とし、当該TD方向における、80℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率をA1としたときに、当該A1を20%以上、49%以下の値とすることを特徴とするポリエステル系シュリンクフィルム。
  6. 前記TD方向における、98℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率をA2としたときに、当該A2を35%以上の値とすることを特徴とする請求項5に記載のポリエステル系シュリンクフィルム。
  7. 前記TD方向における、70℃の温水中で、10秒の条件で収縮させた場合の熱収縮率をA3としたときに、当該A3を5%以上の値とすることを特徴とする請求項5又は6に記載のポリエステル系シュリンクフィルム。
  8. 厚さを15~70μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項5又は6に記載のポリエステル系シュリンクフィルム。



JP2023509516A 2022-04-01 2022-10-06 ポリエステル系樹脂組成物及びポリエステル系シュリンクフィルム Active JP7266766B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023067827A JP7310040B1 (ja) 2022-04-01 2023-04-18 Petボトル及びpetボトルの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022061626 2022-04-01
JP2022061626 2022-04-01
PCT/JP2022/037474 WO2023188471A1 (ja) 2022-04-01 2022-10-06 ポリエステル系樹脂組成物及びポリエステル系シュリンクフィルム

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023067827A Division JP7310040B1 (ja) 2022-04-01 2023-04-18 Petボトル及びpetボトルの製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP7266766B1 true JP7266766B1 (ja) 2023-04-28
JPWO2023188471A1 JPWO2023188471A1 (ja) 2023-10-05
JPWO2023188471A5 JPWO2023188471A5 (ja) 2024-03-08

Family

ID=86144025

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023509516A Active JP7266766B1 (ja) 2022-04-01 2022-10-06 ポリエステル系樹脂組成物及びポリエステル系シュリンクフィルム
JP2023067827A Active JP7310040B1 (ja) 2022-04-01 2023-04-18 Petボトル及びpetボトルの製造方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023067827A Active JP7310040B1 (ja) 2022-04-01 2023-04-18 Petボトル及びpetボトルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP7266766B1 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001122988A (ja) * 1999-10-26 2001-05-08 Toray Ind Inc 貼合せ用ポリエステルフィルム
JP2009161625A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよび熱収縮性ラベル
JP2011256328A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Toyo Seikan Kaisha Ltd リサイクルポリエステル含有ポリエステル構造体及びその製造方法
JP2012166354A (ja) * 2011-02-09 2012-09-06 Fujifilm Corp ポリエステルフィルム及びその製造方法、太陽電池用バックシート、並びに太陽電池モジュール
JP2017197759A (ja) * 2012-08-03 2017-11-02 東洋紡株式会社 ポリエステルフィルム
JP2017203116A (ja) * 2016-05-12 2017-11-16 北海製罐株式会社 ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物、ポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトル及びその製造方法
WO2019188922A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 東洋紡株式会社 熱収縮性ポリエステル系フィルム
WO2021200754A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 ユニチカ株式会社 二軸延伸ポリエステル樹脂系フィルム及びその製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220111612A1 (en) 2018-12-28 2022-04-14 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Multilayered container and method for producing same

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001122988A (ja) * 1999-10-26 2001-05-08 Toray Ind Inc 貼合せ用ポリエステルフィルム
JP2009161625A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよび熱収縮性ラベル
JP2011256328A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Toyo Seikan Kaisha Ltd リサイクルポリエステル含有ポリエステル構造体及びその製造方法
JP2012166354A (ja) * 2011-02-09 2012-09-06 Fujifilm Corp ポリエステルフィルム及びその製造方法、太陽電池用バックシート、並びに太陽電池モジュール
JP2017197759A (ja) * 2012-08-03 2017-11-02 東洋紡株式会社 ポリエステルフィルム
JP2017203116A (ja) * 2016-05-12 2017-11-16 北海製罐株式会社 ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物、ポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトル及びその製造方法
WO2019188922A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 東洋紡株式会社 熱収縮性ポリエステル系フィルム
WO2021200754A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 ユニチカ株式会社 二軸延伸ポリエステル樹脂系フィルム及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023153112A (ja) 2023-10-17
JP7310040B1 (ja) 2023-07-18
JPWO2023188471A1 (ja) 2023-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7266766B1 (ja) ポリエステル系樹脂組成物及びポリエステル系シュリンクフィルム
JP7029021B1 (ja) ポリエステル系シュリンクフィルム
JP6999863B1 (ja) ポリエステル系シュリンクフィルム
TWI829448B (zh) 聚酯系樹脂組合物和聚酯系收縮膜
JP7324961B1 (ja) ポリエステル系シュリンクフィルム
JP6909936B1 (ja) ポリエステル系シュリンクフィルム及びポリエステル系シュリンクフィルム成形品
JP6992211B1 (ja) ポリエステル系シュリンクフィルム
JP7039154B1 (ja) ラベル付き容器及びラベル付き容器の製造方法
TWI839973B (zh) 聚酯系收縮膜
WO2023188467A1 (ja) ポリエステル系シュリンクフィルム
JP7072127B1 (ja) ラベル付き容器及びラベル付き容器の製造方法
JP7324962B1 (ja) ポリエステル系シュリンクフィルム
JP6837188B1 (ja) ポリエステル系シュリンクフィルム
TWI830514B (zh) 聚酯系收縮膜
JP6862079B1 (ja) ポリエステル系シュリンクフィルムの製造方法及びポリエステル系シュリンクフィルムの使用方法
JP6999856B1 (ja) ポリエステル系シュリンクフィルム及びポリエステル系シュリンクフィルムの製造方法
WO2023188469A1 (ja) ポリエステル系シュリンクフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230209

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230209

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20230209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7266766

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150