JP7264129B2 - 乗員保護装置及び車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートに搭載される乗員保護装置、及び乗員保護装置が搭載された車両用シートに関する。
下記特許文献1に開示された乗物用シートでは、シートバックフレームの上半部に、エアバッグを後方へ膨張展開させて後席の乗員を保護する後席用エアバッグモジュールが搭載されている。
下記特許文献2に開示された車両用シートでは、当該車両用シートに着座した乗員を拘束するシートベルトのリトラクタと、このリトラクタにシートベルトを強制的に巻き取らせるプリテンショナ機構とが、シートバックフレームの上部に搭載されている。
特開2019-031151号公報 特開2019-111992号公報
ところで、自動運転が可能な車両では、運転席を含む前席のシートアレンジを多様にするために、前席用のシートベルト部品であるリトラクタやプリテンショナ機構などを、前席のシートバック内に搭載することが好ましい。また、前席のシートバック内には、後席の乗員を保護するための後席用エアバッグモジュールを搭載することが好ましい。しかしながら、例えば小型の車両において、後席乗員の居住スペースを確保するためには、前席のシートバックを車両前後方向に薄型化する必要がある。その結果、前席のシートバック内において、リトラクタ、プリテンショナ機構及び後席用エアバッグモジュールの搭載スペースの確保が困難になる。
本発明は上記事実を考慮し、シートベルトのリトラクタと後席用のエアバッグモジュールとがシートバック内に搭載される構成において、プリテンショナの機能によりシートベルトの初期拘束性能を確保しつつ、シートバックを薄型化することができる乗員保護装置及び車両用シートを得ることを目的とする。
本発明の第1の態様の乗員保護装置は、車両用シートに着座した乗員を拘束するシートベルトと、前記車両用シートのシートバック内に搭載され、前記シートバック内に挿入された前記シートベルトの一端側を引き出し可能に巻き取るリトラクタと、前記シートバック内で前記シートベルトに対するシート後方側に搭載され、前記シートバックのシート後方へ向けてエアバッグを膨張展開させると共に、当該エアバッグの一部をシート前方側へ膨張させることで前記シートベルトをシート前方側へ押圧する後席用エアバッグモジュールと、を備えている。
第1の態様では、車両用シートに着座した乗員がシートベルトによって拘束される。このシートベルトの一端側は、シートバック内に挿入されており、シートバック内に搭載されたリトラクタによって引き出し可能に巻き取られる。また、上記のシートバック内でシートベルトに対するシート後方側には、後席用エアバッグモジュールが搭載される。この後席用エアバッグモジュールは、シートバックのシート後方へ向けてエアバッグを膨張展開させる。この場合、エアバッグの一部がシート前方側へ膨張し、シートベルトをシート前方側へ押圧する。これにより、シートベルトの弛みを取り除くプリテンショナの機能が発揮されるので、シートベルトによる初期拘束性能を確保することができる。しかも、専用のプリテンショナ機構をシートバック内に搭載する必要がなくなるため、シートバックを薄型化することができる。
本発明の第2の態様の乗員保護装置は、第1の態様において、前記シートバックのフレームに対してシート前後方向に変位可能に支持され、前記エアバッグの前記一部の膨張圧を受けてシート前方側へ変位し、前記シートベルトをシート前方側へ押圧する押圧部材を備えている。
第2の態様では、後席用エアバッグモジュールのエアバッグが膨張展開すると、シートバックのフレームに対してシート前後方向に変位可能に支持された押圧部材が、エアバッグの一部の膨張圧を受けてシート前方側へ変位する。この押圧部材によりシートベルトがシート前方側へ押圧されるので、シートベルトを効果的にシート前方側へ押圧することができる。その結果、プリテンショナの機能によるシートベルトの初期拘束性能を向上させることができる。
本発明の第3の態様の乗員保護装置は、第2の態様において、前記押圧部材は、前記フレームに対して回動可能に支持されている。
第3の態様では、押圧部材は、シートバックのフレームに対してシート前後方向に回動可能に支持されている。これにより、例えば押圧部材がシートバックのフレームに対してシート前後方向にスライド可能に支持される構成と比較して、押圧部材の支持構造を簡素化することができる。
本発明の第4の態様の乗員保護装置は、第2の態様又は第3の態様において、前記後席用エアバッグモジュールは、前記エアバッグが収納されて前記フレームに取り付けられるエアバッグケースを有しており、前記押圧部材は、前記エアバッグケースに対して変位可能に取り付けられている。
第4の態様では、エアバッグが収納されてシートバックのフレームに取り付けられるエアバッグケースに対して、押圧部材が変位可能に取り付けられている。これにより、エアバッグケースと押圧部材とをシートバックのフレームに対して別々に取り付ける必要がなくなるため、シートバックのフレームへの部品の組付作業が容易になる。
本発明の第5の態様の乗員保護装置は、第1の態様において、前記後席用エアバッグモジュールは、前記エアバッグが収納されて前記シートバックのフレームに取り付けられるエアバッグケースを有しており、前記エアバッグケースには、膨張展開する前記エアバッグの前記一部をシート前方側へ膨出させるための開口部が形成されており、前記一部によって前記シートベルトがシート前方側へ押圧される。
第5の態様では、エアバッグが収納されてシートバックのフレームに取り付けられるエアバッグケースには、膨張展開するエアバッグの一部をシート前方側へ膨出させるための開口部が形成されている。そして、上記のように膨出するエアバッグの一部によって、シートベルトがシート前方側へ押圧される。これにより、前述の押圧部材を備える構成と比較して、構成が簡素になる。
本発明の第6の態様の乗員保護装置は、第5の態様において、前記後席用エアバッグモジュールは、前記開口部の縁部と前記エアバッグとの間に介在される布部材を有する。
第6の態様では、エアバッグケースの開口部の縁部とエアバッグとの間に布部材が介在される。このため、例えば滑り易い布を用いて布部材を製造することにより、エアバッグの一部が開口部から膨出し易くなる。
本発明の第7の態様の乗員保護装置は、第2の態様~第4の態様の何れか1つの態様において、前記シートバックのフレームに支持されたエネルギ吸収部材を有し、前記押圧部材のシート前方側への変位に伴い前記押圧部材のシート後方側に前記エネルギ吸収部材を変位させるフォースリミッタ機構を備え、前記エネルギ吸収部材は、前記シートベルトによる前記乗員の拘束荷重が前記押圧部材を介して加わることで変形する。
第7の態様では、シートバックのフレームに支持されたフォースリミッタ機構は、押圧部材のシート前方側への変位に伴い、押圧部材のシート後方側にエネルギ吸収部材を変位させる。このエネルギ吸収部材には、シートベルトによる乗員の拘束荷重が押圧部材を介して加えられる。これにより、エネルギ吸収部材が変形し、フォースリミッタの機能が発揮される。その結果、シートベルトから乗員の胸部等に過大な荷重が作用することを抑制できる。
本発明の第8の態様の乗員保護装置は、第7の態様において、前記フォースリミッタ機構は、シート前方側へ変位する前の前記押圧部材に対して前記エネルギ吸収部材を押し当てる付勢部材を有し、前記押圧部材がシート前方側へ変位することで前記エネルギ吸収部材が前記付勢部材の付勢力により前記押圧部材のシート後方側へ変位する。
第8の態様では、フォースリミッタ機構の押圧部材は、シート前方側へ変位する前の押圧部材に対して付勢部材により押し当てられている。そして、押圧部材がシート前方側へ変位すると、エネルギ吸収部材が付勢部材の付勢力により押圧部材のシート後方側へ変位する。このように、付勢部材を用いることにより、エネルギ吸収部材を変位させるための構成が簡素になる。
本発明の第9の態様の車両用シートは、シートクッション及びシートバックと、前記シートバック内に前記リトラクタ及び前記後席用エアバッグモジュールが搭載された第1の態様~第8の態様の何れか1つの態様に記載の乗員保護装置と、を備えている。
第9の態様では、車両用シートがシートクッション及びシートバックを有している。シートバック内には、乗員保護装置の構成要素であるリトラクタ及び後席用エアバッグモジュールが搭載されている。この乗員保護装置は、第1の態様~第8の態様の何れか1つの態様に記載されたものであるため、前述した作用及び効果が得られる。
以上説明したように、本発明に係る乗員保護装置及び車両用シートでは、シートベルトのリトラクタと後席用のエアバッグモジュールとがシートバック内に搭載される構成において、プリテンショナの機能によりシートベルトの初期拘束性能を確保しつつ、シートバックを薄型化することができる。
第1実施形態に係る車両用シートが搭載された車両の車室内を車両左方側から見た状態で示す側面図である。 第1実施形態に係る車両用シートにおける後席用エアバッグモジュール周辺の構成を車両前方側から見た状態で示す正面図である。 第1実施形態に係る車両用シートにおける後席用エアバッグモジュール周辺の構成を車両左方側から見た状態で示す断面図である。 第1実施形態に係る車両用シートにおいて、後席用エアバッグモジュールのエアバッグが膨張展開した状態を示す図3に対応した断面図である。 第2実施形態に係る車両用シートにおける後席用エアバッグモジュール周辺の構成を車両左方側から見た状態で示す断面図である。 第2実施形態の第1変形例を示す図5の一部に対応した断面図である。 第2実施形態の第2変形例を示す図5の一部に対応した断面図である。 第3実施形態に係る車両用シートにおける後席用エアバッグモジュール周辺の構成を車両前方側から見た状態で示す正面図である。 第3実施形態に係る車両用シートにおける後席用エアバッグモジュール周辺の構成を車両左方側から見た状態で示す断面図である。 図9のF10A-F10A線に沿った切断面を示す断面図である。 図9のF10B-F10B線に沿った切断面を示す断面図である。 図9のF10C-F10C線に沿った切断面を示す断面図である。 第4実施形態に係る車両用シートにおける後席用エアバッグモジュール周辺の構成を車両前方側から見た状態で示す正面図である。 第4実施形態に係る車両用シートにおける後席用エアバッグモジュール周辺の構成を車両左方側から見た状態で示す断面図である。 図12のF13-F13線に沿った切断面を示す断面図である。 押圧部材がシート前方側へ変位した状態を示す図13に対応した断面図である。
<第1の実施形態>
以下、図1~図4を用いて、本発明の第1実施形態に係る車両用シートとしてのフロントシート10について説明する。なお、各図においては図面を見易くする関係から一部の符号や一部の部材の図示を省略している場合がある。また、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印RHは、フロントシート10が搭載された車両の前方、上方、右方を示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両左右方向(車両幅方向)の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
(構成)
図1には、本実施形態に係るフロントシート10が搭載された車両の車室C内が側面図にて示されている。この車両は、例えばセダンタイプの自動車であり、フロントシート10の後方にはリヤシート12が配置されている。フロントシート10及びリヤシート12における前後左右上下の方向は、車両の前後左右上下の方向と一致している。フロントシート10及びリヤシート12はそれぞれ、シートクッション10A、12Aと、シートバック10B、12Bと、ヘッドレスト10C、12Cとを有している。
なお、本実施形態では、車両の最前席であるフロントシート10に対して本発明が適用されているが、これに限るものではない。本発明に係る車両用シートが車両の2列目以降のシートとされた構成にしてもよい。但しその場合でも、本発明に係る車両用シートの後方には、別の車両用シートが配設される構成となる。また図1において、フロントシート10及びリヤシート12に着座した乗員P1、P2は、例えばAM50(米国人成人男性の50パーセンタイル)のダミー人形とされている。以下、フロントシート10に着座した乗員P1を「前席乗員P1」と称し、リヤシート12に着座した乗員P2を「後席乗員P2」と称する。
図2に示されるように、フロントシート10のシートバック10Bは、骨格部材であるフレーム14を備えている。このフレーム14は、左右一対のサイドフレーム部16と、アッパフレーム部18と、中間フレーム部20とを有している。左右のサイドフレーム部16は、シートバック10Bの左右の側部内でシートバック10Bの上下方向に延在しており、各下端部がシートクッション10Aのフレーム(図示省略)に連結されている。アッパフレーム部18は、左右のサイドフレーム部16の上端部間に架け渡されており、左右方向に延在している。中間フレーム部20は、アッパフレーム部18よりもシートバック10Bの下方側に配置され、左右のサイドフレーム部16の上部間に架け渡されており、左右方向に延在している。
左右のサイドフレーム部16、アッパフレーム部18及び中間フレーム部20は、例えば板金によって構成されている。左右のサイドフレーム部16は、一例として、上下方向視で左右方向の内側が開放された開断面形状をなしている。アッパフレーム部18は、一例として左右方向視で矩形の閉断面形状をなしている。中間フレーム部20は、一例として左右方向視で前方側が開放された開断面形状をなしている。上記構成のフレーム14には、シートバック10Bのクッション材を構成する図示しないバックパッドが被せられている。このバックパッドは、シートバック10Bの表皮22によって覆われている。
図1~図3に示されるように、上記のフロントシート10には、前席乗員P1を拘束するためのシートベルト装置32と、後席乗員P2を保護するための後席用エアバッグモジュール48とが設けられている。シートベルト装置32及び後席用エアバッグモジュール48は、本実施形態に係る乗員保護装置30を構成している。なお図示は省略するが、リヤシート12には、後席乗員を拘束するためのシートベルト装置が設けられている。
上記のシートベルト装置32は、長尺帯状のシートベルト(ウエビング)34と、リトラクタ(ウエビング巻取装置)36と、タング38と、バックル40とを備えている。シートベルト34は、図3に示されるように、シートバック10Bの上端部における左右方向一方の端部(ここでは左端部)に取り付けられたベルトガイド42に巻き掛けられている。このベルトガイド42は、一例として左右方向を軸方向とする円柱状をなしている。このベルトガイド42の下方でシートバック10Bの上端面には、図示しない長孔が形成されており、当該長孔からシートベルト34の一端側34Aがシートバック10B内に挿入されている。
シートバック10B内に挿入されたシートベルト34の一端側34Aは、フレーム14に対して前方側に配置されている。図2に示されるように、シートベルト34の一端側34Aは、シートバック10B内で右下がりに傾斜する方向に延在している。なお、上記のベルトガイド42及び長孔が、シートバック10Bの上端部における右端部に設けられる場合、シートベルト34の一端側34Aは、シートバック10B内で左下がりに傾斜する方向に延在する構成となる。
シートバック10B内の上下方向中間部には、リトラクタ36が配設されており、リトラクタ36の図示しない巻取軸には、シートベルト34の一端部が係止されている。このリトラクタ36は、シートベルト34の一端側34Aを引き出し可能に巻き取るように構成されている。このリトラクタ36は、ELR(Emergency Locking Retractor)であり、車両の前面衝突時にはシートベルト34の引き出しをロックする。
シートベルト34の図示しない他端部は、フロントシート10の側方(ここでは右方)でシートクッション12等に固定された図示しないアンカプレートに係止されている。シートベルト34の中間部は、タング38に形成された長孔(符号省略)に挿通されている。これにより、タング38がシートベルト34の中間部に摺動可能に取り付けられている。バックル40は、シートクッション12の側方(ここでは左方)に配置されており、ブラケット41を介してシートクッション12に連結されている。このバックル40にタング38が連結されると、前席乗員P1がシートベルト34を装着した状態となる。
後席用エアバッグモジュール48は、シートバック10B内の上部に搭載されている。この後席用エアバッグモジュール48は、車両の前面衝突時に後席乗員P2を保護(拘束)する後席用エアバッグ装置46の主要部を構成している。この後席用エアバッグモジュール48は、シートベルト34の一端側34Aに対して後方から対向する位置に配置されており、フレーム14の上部に固定されている。この後席用エアバッグモジュール48は、モジュールケース50と、モジュールケース50内に収納されたエアバッグ52及びインフレータ54とを備えている。
モジュールケース50は、例えば金属製とされている。このモジュールケース50は、後方側が開放された箱状をなすケース本体部50Aと、ケース本体部50Aの後端部の上縁部からシート上方側へ延びる上フランジ部50Bと、ケース本体部50Aの後端部の下縁部からシート下方側へ延びる下フランジ部50Cとを備えている。このモジュールケース50は、左右方向から見た断面形状が、後方側が開放されたハット形状とされている。ケース本体部50Aは、アッパフレーム部18と中間フレーム部20との間に配置されている。上フランジ部50Bは、アッパフレーム部18の後方に配置されており、下フランジ部50Cは、中間フレーム部20の後方に配置されている。これら上下のフランジ部50B、50Cは、ボルト締結等の手段でアッパフレーム部18及び中間フレーム部20にそれぞれ固定されている。
エアバッグ52は、例えば複数枚の基布が縫製されて袋状に形成されており、所定の折り畳み方で折り畳まれた状態でモジュールケース50内に収納されている。インフレータ54は、例えば円柱状のシリンダータイプとされており、軸線方向が左右方向に沿う姿勢でエアバッグ52内に収容されている。なおインフレータ54は、円盤状のディスクタイプであってもよい。
上記のインフレータ54は、一例として、モジュールケース50内において上端側かつ後端側に配置されている。このインフレータ54は、例えば略円筒状のリテーナに保持されており、当該リテーナには、例えばシート上方側へ突出した図示しない一対のスタッドボルトが左右方向に並んで設けられている。これらのスタッドボルトは、例えばケース本体部50Aの上壁を貫通して図示しないナットに螺合している。これにより、インフレータ54がモジュールケース50に固定されている。
上記のインフレータ54には、図1に示されるように、車両に搭載されたエアバッグECU56が電気的に接続されている。エアバッグECU56は、インフレータ54の作動を制御する制御装置であり、例えば車両の図示しないセンターコンソールの下方に配置されている。このエアバッグECU56には、車両に搭載された衝突センサ60が電気的に接続されている。衝突センサ60は、例えば加速度センサであり、車両の前端部に搭載されている。この衝突センサ60は、車両に生じる加速度に基づいて前面衝突を検知する構成とされている。なお、上記の衝突センサ60の代わりに、車両の前面衝突を予知する衝突予知センサ(例えば車外カメラ、レーダー等)がエアバッグECU56に電気的に接続された構成にしてもよい。
上記のエアバッグECU56は、衝突センサ60から出力される電気信号に基づいて車両の前面衝突を検知すると、インフレータ54に作動信号を出力する。これにより、インフレータ54が作動すると、インフレータ54から発生する膨張展開用のガスの圧力でエアバッグ52が膨張展開し始める。この際、エアバッグ52は、モジュールケース50によって前方側から反力を受けつつ、後方側へ膨張する。これにより、モジュールケース50の後方側でシートバック10Bの表皮22に設けられた破断予定部がエアバッグ52の膨張圧を受けて破断する。この破断によって表皮22の背面に図示しない開口が形成され、当該開口からエアバッグ52が後方側へ膨張展開する(図4図示状態)。膨張展開したエアバッグ52は、後席乗員P2の上半身の前方に配置される。これにより、前面衝突の衝撃によって前方に慣性移動する後席乗員P2の上半身が、エアバッグ52によって保護(拘束)される構成になっている。
(本実施形態の要部)
次に、本実施形態の要部について説明する。本実施形態では、モジュールケース50のケース本体部50Aにおいて前方側を向いた壁部である前壁部には、例えば前後方向視で矩形の開口部62が形成されている。これにより、膨張するエアバッグ52の一部52Aが開口部62を通じて前方側へ膨出するように構成されている。この開口部62は、シートベルト34の一端側34Aに対して後方から対向する位置に配置されている。この開口部62とシートベルト34の一端側34Aとの間には、押圧部材64が配置されている。
押圧部材64は、一例として前後方向を板厚方向とする板状をなしている。押圧部材64の上端部は、モジュールケース50における開口部62の上縁部に対して左右方向に延在する軸線回りに回動可能に連結されている。これにより、押圧部材64は、シートバック10Bのフレーム14に対して前後方向に変位可能(ここでは回動可能)に支持されている。押圧部材64の下端部には、左右方向を軸線方向とする略円柱状の円柱状部64Aが形成されている。これにより、押圧部材64の下端面は、曲面状に形成されている。
図3に示されるように、押圧部材64に対する上下方向の両側には、それぞれシートベルト34を上下方向に摺動可能に保持する上下一対の保持部材66、68(図2では図示省略)が設けられている。上下の保持部材66、68は、左右方向を軸線方向とする円柱状の本体部66A、68Aと、本体部66A、68Aの左右方向両端部から後方側へ延びる左右の脚部(図示省略)とを有している。上側の保持部材66の左右の脚部は、アッパフレーム部18に固定されており、下側の保持部材68の左右の脚部は、中間フレーム部20に固定されている。上下の保持部材66、68の本体部66A、68Aは、シートベルト34の一端側34Aに対して前方から接触又は近接して対向している。これらの保持部材66、68は、モジュールケース50の開口部62から前方側へ膨出するエアバッグ52の一部52Aに対して上下方向の両側において、シートベルト34一端側34Aが前方側へ変位することを規制する構成になっている。
上記の押圧部材64は、通常時には図3に示される後退位置に配置されている。この状態では、押圧部材64がシートベルト34の一端側34Aに対して平行又は略平行に延在し、押圧部材64の下端部に形成された円柱状部64Aがシートベルト34の一端側34Aに対して後方から接触又は近接して対向する。一方、図4に示されるようにエアバッグ52が膨張展開すると、モジュールケース50の開口部62からエアバッグ52の一部52Aが前方側へ膨出し、当該一部52Aの膨張圧を受けて押圧部材64が図4に示される前進位置へと回動(変位)する。これにより、押圧部材64の下端部に形成された円柱状部64Aよってシートベルト34の一端側34Aが前方側へ押圧される。これにより、シートベルト34の弛みが取り除かれ、シートベルト34の張力が増加するように構成されている。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態では、フロントシート10に着座した乗員P1がシートベルト34によって拘束される。このシートベルト34の一端側34Aは、シートバック10B内に挿入されており、シートバック10B内に搭載されたリトラクタ36によって引き出し可能に巻き取られる。また、上記のシートバック10B内でシートベルト34の一端側34Aに対する後方側には、後席用エアバッグモジュール48が搭載される。この後席用エアバッグモジュール48は、車両の前面衝突時に、シートバック10Bの後方へ向けてエアバッグ52を膨張展開させる。この場合、エアバッグ52の一部52Aが前方側へ膨張し、押圧部材64を介してシートベルト34を前方側へ押圧する。これにより、シートベルト34の弛みが取り除かれて、プリテンショナの機能が発揮されるので、シートベルト34による初期拘束性能を確保することができる。しかも、専用のプリテンショナ機構をシートバック10B内に搭載する必要がなくなる。これにより、専用のプリテンショナ機構を上記のリトラクタ36及び後席用エアバッグモジュール48に加えてシートバック10B内に配設する場合と比較して、シートバック10Bを前後方向に薄型化することが可能となる。
また、本実施形態では、後席用エアバッグモジュール48のエアバッグ52が膨張展開すると、シートバック10Bのフレーム14に対して前後方向に変位可能に支持された押圧部材64が、エアバッグ52の一部52Aの膨張圧を受けて前方側へ変位する。この押圧部材64によりシートベルト34の一端側34Aが前方側へ押圧されるので、シートベルト34の一端側34Aを効果的に前方側へ押圧することができる。その結果、プリテンショナの機能によるシートベルト34の初期拘束性能を向上させることができる。
しかも、上記の押圧部材64は、シートバック10Bのフレーム14に対して前後方向に回動可能に支持されている。これにより、例えば押圧部材64がシートバック10Bのフレーム14に対して前後方向にスライド可能に支持される構成と比較して、押圧部材64の支持構造を簡素化することができる。
さらに、本実施形態では、エアバッグ52が収納されてシートバック10Bのフレーム14に取り付けられるモジュールケース50に対して押圧部材64が回動可能に取り付けられており、モジュールケース50を介して押圧部材64がフレーム14に支持されている。これにより、モジュールケース50と押圧部材64とをシートバック10Bのフレーム14に対して別々に取り付ける必要がなくなるため、シートバック10Bのフレーム14への部品の組付作業が容易になる。
なお、上記第1実施形態では、押圧部材64がモジュールケース50に対して回動可能に取り付けられた構成にしたが、これに限るものではない。モジュールケース50に対してスライド可能に取り付けられた押圧部材がエアバッグ52の一部52Aの膨張圧を受けて前方側にスライドし、シートベルト34の一端側34Aを前方側へ押圧する構成にしてもよい。また例えば、モジュールケース50の前壁部を弾性材料によってダイヤフラム状に構成し、当該エアバッグ52の一部52Aの膨張圧により前方側へ弾性変形させる構成にしてもよい。その場合、上記ダイヤフラム状の前壁部が押圧部材となる。また例えば、モジュールケース50の前壁部にティアラインを設定し、当該ティアラインをエアバッグ52の一部52Aの膨張圧で破断させ、モジュールケース50の前壁部を扉状に前方側へ回動させてもよい。その場合、扉状に回動する前壁部が押圧部材となる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、第1実施形態と基本的に同様の構成及び作用については、第1実施形態と同符号を付与しその説明を省略する。
<第2の実施形態>
図5には、本発明の第2実施形態に係る車両用シートとしてのフロントシート10における後席用エアバッグモジュール48の周辺の構成が車両左方側から見た状態の断面図にて示されている。この実施形態は、第1実施形態に係る押圧部材64を備えておらず、モジュールケース50の開口部62が第1実施形態よりも小さく形成されている。この開口部62は、一例としてモジュールケース50の下部に形成されており、シートベルト34の一端側34Aに対して後方から対向する位置に配置されている。この実施形態では、エアバッグ52の膨張展開時に、エアバッグ52の一部52Aが開口部62から前方側へ膨出し、シートベルト34の一端側34Aを直接前方側へ押圧する。これにより、シートベルト34の弛みが除去される構成になっている。
この実施形態では、上記以外の構成は第1実施形態と同様とされている。この実施形態においても、第1実施形態と同様に、プリテンショナの機能によりシートベルトの初期拘束性能を確保しつつ、シートバックを薄型化することができる。しかも、この実施形態では、押圧部材64を備える第1実施形態と比較して、構成が簡素になる。
なお、上記の第2実施形態において、モジュールケース50の開口部62の縁部とエアバッグ52との間に別の布部材を介在させてもよい。すなわち、例えば図6に示される第1変形例では、エアバッグ52に対して縫製部Sにおいて縫い付けられた布部材70が、エアバッグ52の膨張展開時に開口部62の縁部とエアバッグ52との間に介在するように構成されている。また、例えば図7に示される第2変形例では、モジュールケース50の前壁部には、開口部62を塞ぐように布部材72が取り付けられている。これらの変形例では、開口部62から前方側へ膨出するエアバッグ52の一部52Aが布部材70、72を介してシートベルト34の一端側34Aを押圧する。これらの布部材70、72は、例えばエアバッグ52の基布よりも滑りやすい布よって構成されている。これにより、エアバッグ52の一部52Aが開口部62から前方側へ膨出し易くなる。また、布部材70、72によって、エアバッグ52の基布を保護することができるので、エアバッグ52の損傷を防止することができる。
<第3の実施形態>
図8には、本発明の第3実施形態に係る車両用シートとしてのフロントシート10における後席用エアバッグモジュール48の周辺の構成が車両前方側から見た状態の正面図にて示されている。また、図9には、第3実施形態に係る車両用シート10における後席用エアバッグモジュール48の周辺の構成が車両左方側から見た状態の断面図にて示されている。さらに、図10Aには、図9のF10A-F10A線に沿った切断面が断面図にて示されており、図10Bには、図9のF10B-F10B線に沿った切断面が断面図にて示されており、図10Cには、図9のF10C-F10C線に沿った切断面が断面図にて示されている。
この実施形態では、押圧部材64がモジュールケース50ではなくフレーム14に取り付けられている。押圧部材64は第1実施形態と基本的に同様の構成とされているが、この押圧部材64の左右両側部には、図9及び図10Bに示されるように、前方側へ突出した左右一対のフランジ部64Bが形成されている。なお、図8では押圧部材64を概略的に記載している。またこの実施形態では、図10Bに示されるように、フレーム14のアッパフレーム部18の一部が、平面視で前方側が開放された略U字状に形成されている。これにより、アッパフレーム部18には、互いに左右方向に対向する左右一対の突片18Aが形成されている。これらの突片18Aの間には、押圧部材64の上端部が配置されており、各突片18Aを左右方向の外側から貫通した左右一対の支軸80が、左右のフランジ部64Bの上端部を左右方向外側から貫通している。各支軸80は、左右方向を軸線方向とし、互いに同軸上に配置されている。これらの支軸80を介して押圧部材64がアッパフレーム部18に回動可能に支持されている。
上記の押圧部材64は、モジュールケース50の前壁部に形成された開口部62に対して前方から対向する位置に配置されている。この開口部62は、ここでは第1実施形態よりも小さく形成されており、モジュールケース50の下部に形成されている。この実施形態においても、図9、図10A、図10Cに示されるように、押圧部材64に対する上下方向の両側では、シートベルト34の一端側34Aが保持部材66、68によって上下方向に摺動可能に保持されている。
この実施形態では、上記以外の構成は第1実施形態と同様とされている。この実施形態においても、エアバッグ52の膨張展開時すなわち車両の前面衝突時には、エアバッグ52の一部52Aが開口部62から前方側へ膨張し、押圧部材64を介してシートベルト34を前方側へ押圧する。これにより、プリテンショナの機能が発揮されるので、第1実施形態と基本的に同様の効果が得られる。
<第4の実施形態>
図11には、本発明の第4実施形態に係る車両用シートとしてのフロントシート10における後席用エアバッグモジュール48の周辺の構成が車両前方側から見た状態の正面図にて示されている。また、図12には、第4実施形態に係る車両用シート10における後席用エアバッグモジュール48の周辺の構成が車両左方側から見た状態の断面図にて示されている。さらに、図13には、図12のF13-F13線に沿った切断面が断面図にて示されている。
この実施形態では、第3実施形態と同様に、押圧部材64がモジュールケース50ではなくフレーム14に取り付けられている。またこの実施形態では、フレーム14にフォースリミッタ機構90が支持されている。このフォースリミッタ機構90は、後退位置に位置する押圧部材64に対して左右方向の両外側にそれぞれ配置された左右一対のエネルギ吸収部材92を有している。左右のエネルギ吸収部材92は、例えば樹脂の発泡体によってブロック状に構成されている。左右のエネルギ吸収部材92は、一例として中間フレーム部20の前方に配置されており、中間フレーム部20に対して左右方向にスライド可能に支持されている。
左右のエネルギ吸収部材92に対する左右方向の両外側には、それぞれ付勢部材の一例として左右一対の圧縮コイルスプリング94が配置されている。左右の圧縮コイルスプリング94は、左右のエネルギ吸収部材92を押圧部材64側に付勢しており、左右のエネルギ吸収部材92は、それぞれ押圧部材64の左右の側面に押し当てられている。この押圧部材64がエアバッグ52の一部52Aの膨張圧を受けて前方側へ回動すると、左右のエネルギ吸収部材92が押圧部材64の後方側に変位される(図14参照)。これらのエネルギ吸収部材92には、シートベルト34による前席乗員P1の拘束荷重が押圧部材64を介して加わる(図14の矢印F参照)。
つまり、車両の前面衝突の衝撃により前方側へ慣性移動しようとする前席乗員P1からの荷重がシートベルト34に加わることにより、シートベルト34に対して引張力が作用する。これにより、前進位置へと変位された押圧部材64に対して、シートベルト34の一端側34Aから後方側への押圧力が加わる。これにより、左右のエネルギ吸収部材92が押圧部材64と中間フレーム部20との間で前後方向に圧縮される。その結果、左右のエネルギ吸収部材92が塑性変形し、前席乗員P1の慣性エネルギが吸収されるように構成されている。
この実施形態では、上記以外の構成は第1実施形態と同様とされている。この実施形態においても、エアバッグ52の膨張展開時すなわち車両の前面衝突時には、エアバッグ52の一部52Aが開口部62から前方側へ膨張し、押圧部材64を介してシートベルト34を前方側へ押圧する。これにより、プリテンショナの機能が発揮されるので、第1実施形態と基本的に同様の効果が得られる。しかも、この実施形態では、シートベルト34による前席乗員P1の拘束荷重が押圧部材64を介して左右のエネルギ吸収部材92に加えられ、左右のエネルギ吸収部材92が塑性変形する。これにより、フォースリミッタの機能が発揮されるので、シートベルト34から前席乗員P1の胸部等に加わる荷重を緩和することができ、前席乗員P1が受ける負荷を軽減することができる。
また、本実施形態では、フォースリミッタ機構90の左右の押圧部材64が、シート前方側へ変位する前の押圧部材64に対して左右の圧縮コイルスプリング94により押し当てられている。そして、押圧部材64が前方側へ変位すると、左右のエネルギ吸収部材92が左右の圧縮コイルスプリング94の付勢力により押圧部材64の後方側へ変位する。このように、左右の圧縮コイルスプリング94(付勢部材)を用いることにより、左右のエネルギ吸収部材92を変位させるための構成が簡素になる。
なお、上記第4実施形態では、左右のエネルギ吸収部材92が左右の圧縮コイルスプリング94によって付勢される構成にしたが、これに限らず、付勢部材は別の種類の弾性部材であってもよい。また、付勢部材の代わりに、ソレノイド等のアクチュエータを用いてエネルギ吸収部材を変位させる構成にしてもよい。
以上、幾つかの実施形態を挙げて本発明について説明したが、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の技術的範囲が上記各実施形態に限定されないことは勿論である。
10 フロントシート(車両用シート)
10A シートクッション
10B シートバック
14 シートバックのフレーム
30 乗員保護装置
34 シートベルト
34A 一端側
36 リトラクタ
48 後席用エアバッグモジュール
50 モジュールケース
52 エアバッグ
52A 一部
62 開口部
64 押圧部材
70 布部材
72 布部材
90 フォースリミッタ機構
92 エネルギ吸収部材
94 圧縮コイルスプリング(付勢部材)
P1 前席乗員(乗員)

Claims (9)

  1. 車両用シートに着座した乗員を拘束するシートベルトと、
    前記車両用シートのシートバック内に搭載され、前記シートバック内に挿入された前記シートベルトの一端側を引き出し可能に巻き取るリトラクタと、
    前記シートバック内で前記シートベルトに対するシート後方側に搭載され、前記シートバックのシート後方へ向けてエアバッグを膨張展開させると共に、当該エアバッグの一部をシート前方側へ膨張させることで前記シートベルトをシート前方側へ押圧する後席用エアバッグモジュールと、
    を備えた乗員保護装置。
  2. 前記シートバックのフレームに対してシート前後方向に変位可能に支持され、前記エアバッグの前記一部の膨張圧を受けてシート前方側へ変位し、前記シートベルトをシート前方側へ押圧する押圧部材を備えた請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記押圧部材は、前記フレームに対して回動可能に支持されている請求項2に記載の乗員保護装置。
  4. 前記後席用エアバッグモジュールは、前記エアバッグが収納されて前記フレームに取り付けられるモジュールケースを有しており、
    前記押圧部材は、前記モジュールケースに対して変位可能に取り付けられている請求項2又は請求項3に記載の乗員保護装置。
  5. 前記後席用エアバッグモジュールは、前記エアバッグが収納されて前記シートバックのフレームに取り付けられるモジュールケースを有しており、
    前記モジュールケースには、膨張展開する前記エアバッグの前記一部をシート前方側へ膨出させるための開口部が形成されており、前記一部によって前記シートベルトがシート前方側へ押圧される請求項1に記載の乗員保護装置。
  6. 前記後席用エアバッグモジュールは、前記開口部の縁部と前記エアバッグとの間に介在される布部材を有する請求項5に記載の乗員保護装置。
  7. 前記シートバックのフレームに支持されたエネルギ吸収部材を有し、前記押圧部材のシート前方側への変位に伴い前記押圧部材のシート後方側に前記エネルギ吸収部材を変位させるフォースリミッタ機構を備え、
    前記エネルギ吸収部材は、前記シートベルトによる前記乗員の拘束荷重が前記押圧部材を介して加わることで変形する請求項2~請求項4の何れか1項に記載の乗員保護装置。
  8. 前記フォースリミッタ機構は、シート前方側へ変位する前の前記押圧部材に対して前記エネルギ吸収部材を押し当てる付勢部材を有し、
    前記押圧部材がシート前方側へ変位することで前記エネルギ吸収部材が前記付勢部材の付勢力により前記押圧部材のシート後方側へ変位する請求項7に記載の乗員保護装置。
  9. シートクッション及びシートバックを有するシート本体と、
    前記シートバック内に前記リトラクタ及び前記後席用エアバッグモジュールが搭載された請求項1~請求項8の何れか1項に記載の乗員保護装置と、
    を備えた車両用シート。
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