JP7263804B2 - 積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、積層フィルムに関し、詳しくは基材フィルム上に位相差層を有する位相差フィルムと、この位相差層上に剥離可能に貼合された保護フィルムとを備えた積層フィルムに関する。
1/4位相差層等の位相差層を有する位相差フィルムとして、例えば特許文献1〔特開2016-40603の特に段落0163等〕には、基材上に重合性液晶化合物を重合硬化させて得られる液晶位相差層を有するものが開示されており、この位相差フィルムの搬送時におけるシワやカールを抑制するために、保護フィルムを剥離可能に貼合することも開示されている。
特開2016-40603(特に段落0163等)
しかし、基材フィルム上に液晶位相差層を有する位相差フィルムの液晶位相差層上に保護フィルムを貼合した積層フィルムは、保護フィルムを剥離した後の位相差フィルムに位相差ムラが生じ易いことが分かった。
そこで、本発明者は、保護フィルムの剥離後に位相差ムラを生じにくい積層フィルムを開発するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、基材フィルム上に液晶位相差層を有する位相差フィルムと、
前記液晶位相差層上に剥離可能に貼合された保護フィルムと
を備えた積層フィルムであって、
前記液晶位相差層は、前記保護フィルムに接する面の算術平均うねり値Waが70nm以下であることを特徴とする積層フィルムを提供するものである。
本発明の積層フィルムによれば、保護フィルムを剥離した後の位相差フィルムに位相差ムラが生じにくい。
本発明の積層フィルムの一例の断面構成を模式的に示す断面図である。 本発明の積層フィルムから保護フィルムを剥離して得られる位相差フィルムの一例の断面構成を模式的に示す断面図である。 本発明の積層フィルムから得られる偏光板の一例の断面構成を模式的に示す断面図である。
図1の断面図に示すように、本発明の積層フィルム(1)は、位相差フィルム(20)を備える。この位相差フィルム(20)は基材フィルム(5)上に液晶位相差層(3)を有する。
〔基材フィルム〕
基材フィルム(5)としては通常、樹脂から形成された樹脂フィルムが用いられる。基材フィルムを形成する樹脂としては、例えばメタクリル酸メチル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂、アクリロニトリル・スチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリエチレンテフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、およびポリイミド系樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの樹脂は、任意の適切なポリマー変性を行ってから用いることもでき、このポリマー変性としては、例えば、共重合、架橋、分子末端変性、立体規則性制御、および異種ポリマー同士の反応を伴う場合を含む混合等の変性が挙げられる。
これらの中でも、樹脂としては、メタクリル酸メチル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、またはセルロース系樹脂を用いることが好ましい。ここでいうポリオレフィン系樹脂は、鎖状ポリオレフィン系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂を包含する。
また、樹脂は、必要に応じて添加剤を含有することもできる。添加剤としては、例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤などを挙げることができる。
これらの樹脂から形成された樹脂フィルムは、原料となる樹脂を製膜して得られる無延伸フィルムや、製膜後に横延伸、縦延伸などの一軸延伸処理を施して得られる一軸延伸フィルム、製膜後に縦延伸し、次いで横延伸するか、または横延伸し次いで縦延伸する逐次二軸延伸処理、縦延伸および横延伸を同時に行う同時二軸延伸処理などの二軸延伸処理を施して得られる二軸延伸フィルムなどであることができる。
基材フィルムとして用いられるフィルムは、市販品を容易に入手することが可能であり、メタクリル酸メチル系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、スミペックス(住友化学株式会社製)、アクリライト(登録商標)、アクリプレン(登録商標)(以上、三菱レイヨン株式会社製)、デラグラス(登録商標)(旭化成株式会社製)、パラグラス(登録商標)、コモグラス(登録商標)(以上、株式会社クラレ製)、およびアクリビュア(登録商標)(株式会社日本触媒製)等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン株式会社)、アートン(登録商標)(JSR株式会社)等が挙げられる。ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、ノバクリアー(登録商標)(三菱化学株式会社製)および帝人A-PETシート(帝人化成株式会社製)等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、FILMAX CPPフィルム(FILMAX社製)、サントックス(登録商標)(サン・トックス株式会社製)、トーセロ(登録商標)(東セロ株式会社製)、東洋紡パイレンフィルム(登録商標)(東洋紡績株式会社製)、トレファン(登録商標)(東レフィルム加工株式会社製)、ニホンポリエース(日本ポリエース株式会社製)、および太閤(登録商標)FC(フタムラ化学株式会社製)等を挙げられる。また、セルロース系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、フジタック(登録商標)TD(富士フイルム株式会社製)、並びにKC2UAおよびコニカミノルタTACフィルムKC(コニカミノルタ株式会社製)等が挙げられる。
基材フィルム(5)は、位相差を示してもよい。基材フィルム(5)は、λ/4板、λ/2板として機能するための位相差値を有していてもよい。本発明では、波長550nmにおける面内位相差値が100nm以上150nm以下であれば、λ/4の位相差値を示すということができ、波長550nmにおける面内位相差値が200nm以上300nm以下であれば、λ/2の位相差値を示すということができる。
〔液晶位相差層〕
本発明の積層フィルム(1)を構成する位相差フィルム(20)は、かかる基材フィルム(5)上に液晶位相差層(3)を有する。
液晶位相差層(3)は、液晶化合物が重合して硬化した層を含む層である。液晶化合物の種類については、特に限定されないものの、その形状から、棒状タイプ(棒状液晶化合物)と円盤状タイプ(円盤状液晶化合物、ディスコティック液晶化合物)とに分類できる。さらに、それぞれ低分子タイプと高分子タイプとがある。なお、高分子とは、一般に重合度が100以上のものを言う(高分子物理・相転移ダイナミクス、土井 正男著、2頁、岩波書店、1992)。本実施形態では、何れの液晶化合物を用いることもできる。さらに、2種以上の棒状液晶化合物や、2種以上の円盤状液晶化合物、又は、棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。
なお、棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11-513019号公報の請求項1、特開2005-289980号公報の段落[0026]~[0098]に記載のものなどを好適に用いることができる。円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007-108732号公報の段落[0020]~[0067]、特開2010-244038号公報の段落[0013]~[0108]に記載のものなどを好適に用いることができる。
液晶位相差層は、重合性基を有する液晶化合物(棒状液晶化合物又は円盤状液晶化合物)を用いて形成することがより好ましい。これにより、光学特性の温度変化や湿度変化を小さくすることができる。
液晶化合物は、2種類以上の混合物であってもよい。その場合、少なくとも1つが2以上の重合性基を有していることが好ましい。すなわち、液晶層は、重合性基を有する棒状液晶化合物又は重合性基を有する円盤状液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることが好ましい。この場合、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。
棒状液晶化合物又は円盤状液晶化合物に含まれる重合性基の種類は、特に制限されるものではなく、例えば、重合性エチレン性不飽和基や環重合性基などの付加重合反応が可能な官能基が好ましい。より具体的には、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基などを挙げることができる。その中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。なお、(メタ)アクリロイル基とは、メタアクリロイル基及びアクリロイル基の両者を包含する概念である。
液晶位相差層の形成方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法が挙げられる。例えば、基材フィルム上に、重合性基を有する液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物(以下、単に「組成物」という。)を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜に対して硬化処理(紫外線の照射(光照射処理)又は加熱処理)を施すことにより、液晶位相差層を形成して、位相差フィルムを製造することができる。
組成物の塗布は、公知の方法、例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、および、ダイコーティング法により実施できる。
組成物には、上述した液晶化合物以外の成分が含まれていてもよい。例えば、組成物には、重合開始剤が含まれていてもよい。使用される重合開始剤は、重合反応の形式に応じて、例えば、熱重合開始剤や光重合開始剤が選択される。例えば、光重合開始剤としては、α-カルボニル化合物、アシロインエーテル、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物、多核キノン化合物、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせなどが挙げられる。重合開始剤の使用量は、組成物の全固形分に対して、0.01~20質量%であることが好ましく、0.5~5質量%であることがより好ましい。
また、組成物には、塗工膜の均一性及び膜の強度の点から、重合性モノマーが含まれていてもよい。重合性モノマーとしては、ラジカル重合性又はカチオン重合性の化合物が挙げられる。その中でも、多官能性ラジカル重合性モノマーが好ましい。
なお、重合性モノマーとしては、上述した重合性基含有の液晶化合物と共重合性のものが好ましい。具体的な重合性モノマーとしては、例えば、特開2002-296423号公報中の段落[0018]~[0020]に記載のものが挙げられる。重合性モノマーの使用量は、液晶化合物の全質量に対して、1~50質量%であることが好ましく、2~30質量%であることがより好ましい。
また、組成物には、塗工膜の均一性及び膜の強度の点から、界面活性剤が含まれていてもよい。界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられる。その中でも特に、フッ素系化合物が好ましい。
また、組成物には、溶媒が含まれていてもよく、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、アミド(例、N,N-ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン)が挙げられる。その中でも、アルキルハライド、ケトンが好ましい。また、2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
また、組成物には、偏光子界面側垂直配向剤、空気界面側垂直配向剤などの垂直配向促進剤、並びに、偏光子界面側水平配向剤、空気界面側水平配向剤などの水平配向促進剤といった各種配向剤が含まれていてもよい。さらに、組成物には、上記成分以外にも、密着改良剤、可塑剤、ポリマーなどが含まれていてもよい。
液晶層には、液晶化合物の配向方向を規定する機能を有する配向膜が含まれていてもよい。配向膜は、一般的にはポリマーを主成分とする。配向膜用ポリマー材料としては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。
なお、配向膜には、通常公知の配向処理が施される。例えば、ラビング処理、偏光を当てる光配向処理などが挙げられるが、配向膜の表面粗さの観点から、光配向処理が好ましい。
液晶位相差層(3)は、nx≒ny<nzの関係を有するポジティブCプレートであることができる。また、液晶位相差層(3)は、nx>ny≒nzの関係を有するポジティブAプレートであってもよい。液晶位相差層(3)がポジティブAプレートである場合、液晶位相差層(3)は、上述のλ/4板やλ/2板であることができる。なお、nxは、フィルム面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは、フィルム面内であって遅相軸に直交する方向の屈折率を表し、nzは、フィルムの厚み方向の屈折率を表す。
〔保護フィルム〕
本発明の積層フィルム(1)は、かかる位相差フィルム(20)を構成する液晶位相差層(3)の上に保護フィルム(7)が貼合されている。
保護フィルム(7)は、単層から形成されてもよいし、複数の層から形成されてもよい。粘着剤層を含んでいてもよいし、粘着剤層を有さなくてもよいが、保護フィルムを剥離した後の液晶位相差層における糊残り等の不良が低減できる点で、自己粘着性の層を有する保護フィルムが好ましい。保護フィルムを形成する材料としては、上記基材フィルムを形成する材料と同様の樹脂が挙げられ、中でもポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテフタレート系樹脂が好ましい。
保護フィルムとして、市販品として入手しうるものを用いることができる。ポリエチレンテレフタレート系樹脂のフィルムを有する市販品の例としては、東洋紡株式会社製「コスモシャイン(登録商標)A4100」が挙げられる。ポリエチレン系樹脂のフィルムを有する市販品の例としては、Tredegar Film Products Corporation製「Force Field(登録商標) 1035」、東レフィルム加工株式会社製「トレテック(登録商標)」が挙げられる。
保護フィルム(7)は、液晶位相差層(3)の上に剥離可能に貼合される。
剥離可能に貼合するには、保護フィルムが粘着剤層を含む場合には、その粘着力を、保護フィルムが自己粘着性の層を有する場合は、その粘着力をそれぞれ適宜選択すればよい。
粘着力の比較的低い保護フィルムを選択して使用することにより、剥離可能に貼合することができる。
〔液晶位相差層の算術平均うねり値Wa〕
本発明の積層フィルム(1)は、液晶位相差層(3)が保護フィルム(7)と接している。液晶位相差層(3)は、保護フィルム(7)に接する面は、基材フィルム側と反対側の面であり、その算術平均うねり値Waが70nm以下、好ましくは50nm以下、通常は0nm以上である。
液晶位相差層(3)の算術平均うねり値Waは、日立ハイテクサイエンス製走査型白色干渉顕微鏡(VS1000)を用いて、測定範囲をX=4000μm以上、Y=2000μm以上の範囲とし、カットオフ値100μmの条件で測定する方法により測定することができる。
液晶位相差層(3)の保護フィルムと接する面の算術平均うねり値Waを上記範囲とするには、例えば保護フィルム(7)の位相差フィルム(20)が積層される側の面は、表面凹凸の周期f(μm)に対する一次元パワースペクトルをH(f)としたときに下記式(1)を満たすことが好ましい。パワースペクトルは、後述の実施例に記載された方法で測定をすることができる。H(425)/H(212)の下限値は、特に限定されないが、2以上とすることができる。
(425)/H(212)<10 (1)
液晶位相差層(3)の保護フィルムと接する面の算術平均うねり値Waを上記範囲とするには、例えば保護フィルム(7)として、液晶位相差層に貼合される側の表面の算術平均うねり値Waが200nm以下のものを選択し、これを液晶位相差層(3)上に貼合することも好ましい。保護フィルム(7)の液晶位相差層に貼合される側の表面の算術平均うねり値Waは150nm以下であることが好ましく、100nm以下であってもよく、理想的には0(ゼロ)nmであるが、通常50nm以上である。保護フィルムの算術平均うねり値Waは、上記した液晶位相差層と同様にして測定することができる。
保護フィルム(7)として、上記市販の保護フィルムを使用した場合は、グレードやロットごとに表面形状が異なることがあるため、上記算術平均うねり値Waを満足する保護フィルムを選択して使用する。また、保護フィルム(7)の一方の表面と他方の表面とで、表面形状が異なる場合は、上記算術平均うねり値Waを満足する側の表面を位相差フィルム(20)側として貼合すればよい。
このような表面形状の保護フィルム(7)を位相差フィルム(20)に重ね合せ、次いで好ましくは押圧することにより、上記算術平均うねりWaを満たす所望の表面形状を位相差フィルムに転写させることができる。押圧する際の押圧圧力は通常0.01MPa~0.02MPaであり、押圧温度は通常50℃~70℃であり、押圧時間は通常1時間以上4時間以下である。
また、保護フィルム(7)および位相差フィルム(20)が長尺状である場合には、両フィルム(7、20)を長尺状で重ね合せ、ロールに巻き取り、上記押圧温度で保持してもよい。ロールに巻き取る際の張力を強くすることにより、ロールに巻き取られた保護フィルム(7)および位相差フィルム(20)が互いに押圧する押圧圧力を上記圧力とすることができて、所望の表面形状を位相差フィルムに転写させることができる。
〔積層フィルムの製造方法〕
本発明の積層フィルム(1)は、例えば以下の工程(1)〔液晶位相差層形成工程〕および工程(2)〔保護フィルム貼合工程〕を含む方法により製造することができる。
工程(1):基材フィルム上に液晶化合物を含む組成物を塗布し、重合させることにより液晶位相差層を形成して、位相差フィルムを得る工程
工程(2):位相差フィルム上に、保護フィルムを貼合して、積層フィルムを得る工程
以下、各工程について説明する。
工程(1)〔液晶位相差層形成工程〕
工程(1)は、基材フィルム(5)上に液晶位相差層(3)を形成して位相差フィルム(20)を製造する液晶位相差層形成工程である。
通常はまず、基材フィルム(5)上に液晶化合物を配向させるための配向膜(図示せず)を形成する。配向膜としては、配向性ポリマーを含む配向膜、光配向膜及び表面に凹凸パターンや複数の溝を形成し配向させるグルブ配向膜等が挙げられ、従来公知の方法により形成することができる。
次いで、配向膜上に液晶化合物を含む組成物を塗布し、必要により溶剤を乾燥させた後、液晶化合物を重合させる。液晶化合物の重合は、重合性官能基を有する化合物を重合させる公知の方法により行うことができる。具体的には、熱重合および光重合が挙げられ、重合の容易さの観点から、光重合が好ましい。光重合は、液晶化合物に紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより行うことができる。活性エネルギー線は、基材フィルム側から照射してもよいし、液晶化合物側から照射してもよいし、基材フィルム側と液晶化合物側との両方から照射してもよい。
工程(2)〔保護フィルム貼合工程〕
工程(2)は、工程(1)で得た位相差フィルム(20)上に保護フィルム(7)を貼合して、積層フィルム(1)を得る保護フィルム貼合工程である。保護フィルム(7)を位相差フィルム(20)上に貼合することで、位相差フィルム(20)の保存や運搬の際の取り扱いを容易にしたり、位相差フィルム(20)を重ね合せたりロール状に巻いたりして保存する際に位相差フィルム(20)同士のブロッキングを防止したり、位相差フィルム(20)上にほこり等が付着し欠陥となるのを防止したりすることができる。保護フィルム(7)は、位相差フィルムにおける液晶位相差層(3)上に貼合する。保護フィルム(7)および位相差フィルム(20)として長尺状のものを用いた場合には、両フィルム(7,20)を一対の貼合ロール間に挟み込むことにより、長尺状のままで貼合することができる。貼合後の積層フィルム(1)はロール状に巻き取ってもよい。
得られた積層フィルムから、保護フィルム(7)を剥離して、位相差フィルム(20)を得ることができる。剥離方法は、特に制限されないが、例えば保護フィルム(7)と位相差フィルム(20)とを長尺状のままで貼合した場合には、ロールから巻き出し、保護フィルム(7)または位相差フィルム(20)をロールに抱かせながら剥離してもよい。また、剥離した保護フィルム(7)は、ロールに巻き取ってもよい。図3に示すように、このようにして得られる位相差フィルム(20)は、基材フィルム(5)上に液晶位相差層(3)を有するものであり、この液晶位相差層(3)は、基材フィルム(5)側とは反対側の表面の算術平均うねり値Waが70nm以下、好ましくは50nm以下、通常は0nm以上である。
保護フィルム(7)を剥離した後の位相差フィルム(20)は、基材フィルム(3)側に保護フィルムを剥離可能に貼合してもよい。基材フィルム(3)側に保護フィルムを貼合することにより、基材フィルム(3)を保護して傷付などを防止することができる。
保護フィルム(7)を剥離した後の液晶位相差層(3)の表面には、保護フィルム(7)を貼合するための粘着剤、保護フィルム(7)に含有されていた酸化防止剤などが残っていてもよい。
〔偏光板〕
図3に示すように、本発明の積層フィルム(1)は、例えば位相差フィルム(20)の基材フィルム(5)側に偏光子(4)を積層して偏光板(100)とすることができる。図3には、このようにして得られる偏光板(100)の断面を模式的に示す。この偏光板(100)は、位相差フィルム(20)と偏光子(4)とが接着剤層(10)を介して積層された構成である。位相差フィルム(20)は、基材フィルム(5)上に液晶位相差層(3)を有する構成である。偏光子(4)は、この位相差フィルム(20)の基材フィルム(5)側に積層されている。偏光板(100)の液晶位相差層(3)上には、保護フィルム(7)が剥離可能に貼合されていてもよい。
〔偏光子〕
偏光子(4)は、例えばポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、およびホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造されるものである。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他に、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、およびアンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常、85~100mol%程度であり、98mol%以上が好ましい。このポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタール等も用いることができる。またポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常、1,000~10,000程度であり、1,500~5,000程度が好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光子の原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、公知の方法で製膜することができる。
ポリビニルアルコール系原反フィルムの膜厚は、得られる偏光子の厚みを15μm以下とすることを考慮すると、5~35μm程度であるのが好ましく、5~20μmであるのがより好ましい。原反フィルムの膜厚が35μm以上であると、偏光子を製造する際の延伸倍率を高くする必要があり、また得られる偏光子の寸法収縮が大きくなる傾向にある。一方、原反フィルムの膜厚が5μm以下であると、延伸を施す際のハンドリング性が低下し、製造中に切断などの不具合が発生しやすくなる傾向にある。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素の染色前、染色と同時、または染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合には、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前またはホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行ってもよい。
一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤を用い、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常、3~8倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する方法としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素が含有された水溶液に浸漬する方法が採用される。二色性色素として、具体的には、ヨウ素や二色性染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常、ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。
この水溶液におけるヨウ素の含有量は、通常、水100重量部あたり0.01~1重量部程度である。また、ヨウ化カリウムの含有量は、通常、水100重量部あたり0.5~20重量部程度である。染色に用いる水溶液の温度は、通常、20~40℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常、20~1,800秒程度である。
一方、二色性色素として二色性染料を用いる場合は、通常、水溶性二色性染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性染料の含有量は、通常、水100重量部あたり1×10-4~10重量部程度であり、1×10-3~1重量部程度が好ましい。この水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含有していてもよい。染色に用いる二色性染料水溶液の温度は、通常、20~80℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常、10~1,800秒程度である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、通常、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬することにより行うことができる。
ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、通常、水100重量部あたり、2~15重量部程度であり、5~12重量部が好ましい。二色性色素としてヨウ素を用いる場合には、このホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、通常、水100重量部あたり、0.1~15重量部程度であり、5~12重量部程度が好ましい。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常、60~1,200秒程度であり、150~600秒程度が好ましく、200~400秒程度がより好ましい。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常、50℃以上であり、50~85℃が好ましく、60~80℃がより好ましい。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行うことができる。水洗処理における水の温度は、通常、5~40℃程度である。また、浸漬時間は、通常、1~120秒程度である。
水洗後は乾燥処理が施されて、偏光子が得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。乾燥処理の温度は、通常、30~100℃程度であり、50~80℃が好ましい。乾燥処理の時間は、通常、60~600秒程度であり、120~600秒が好ましい。
乾燥処理によって、偏光子の水分率は実用程度にまで低減される。その水分率は、通常、5~20重量%であり、8~15重量%が好ましい。水分率が5重量%を下回ると、偏光子の可撓性が失われ、偏光子がその乾燥後に損傷したり、破断したりする場合がある。また、水分率が20重量%を上回ると、偏光子の熱安定性に劣る場合がある。
また、偏光子の製造工程におけるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの延伸、染色、ホウ酸処理、水洗工程、乾燥工程は、例えば、特開2012-159778号に記載されている方法に準じて行ってもよい。この文献記載の方法では、基材フィルムへのポリビニルアルコール系樹脂のコーティングにより、偏光子となるポリビニルアルコール系樹脂層を形成する。
〔偏光子保護フィルム〕
偏光子(4)は、そのまま単層で基材フィルム(5)に積層されてもよいが、通常は偏光子保護フィルム(図示せず)と積層したうえで基材フィルム(5)に積層される。
偏光子保護フィルムは、樹脂フィルムから構成され、さらに透明な樹脂フィルムで構成することができる。特に、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などに優れる材料で構成することが好ましい。本明細書において、透明な樹脂フィルムとは可視光域において単体透過率が80%以上である樹脂フィルムのことをいう。
偏光子保護フィルムを形成する樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、メタクリル酸メチル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂、アクリロニトリル・スチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリエチレンテフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、およびポリイミド系樹脂等からなるフィルムが挙げられる。これらの樹脂フィルムは、原料樹脂によって製膜されるフィルムや、製膜後に横延伸して得られる一軸延伸フィルム、製膜後に縦延伸し、次いで横延伸して得られる二軸延伸フィルムなどであることができる。
これらの樹脂は、単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの樹脂は、任意の適切なポリマー変性を行ってから用いることもでき、このポリマー変性としては、例えば、共重合、架橋、分子末端変性、立体規則性制御、および異種ポリマー同士の反応を伴う場合を含む混合等の変性が挙げられる。
これらの中でも、偏光子保護フィルムの材料としては、メタクリル酸メチル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、またはセルロース系樹脂を用いることが好ましい。ここでいうポリオレフィン系樹脂は、鎖状ポリオレフィン系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂を包含する。
偏光子保護フィルムとして用いられるフィルムは、市販品を容易に入手することが可能であり、メタクリル酸メチル系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、スミペックス(住友化学株式会社製)、アクリライト(登録商標)、アクリプレン(登録商標)(以上、三菱レイヨン株式会社製)、デラグラス(登録商標)(旭化成株式会社製)、パラグラス(登録商標)、コモグラス(登録商標)(以上、株式会社クラレ製)、およびアクリビュア(登録商標)(株式会社日本触媒製)等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン株式会社)、アートン(登録商標)(JSR株式会社)等が挙げられる。ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、ノバクリアー(登録商標)(三菱化学株式会社製)および帝人A-PETシート(帝人化成株式会社製)等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、FILMAX CPPフィルム(FILMAX社製)、サントックス(登録商標)(サン・トックス株式会社製)、トーセロ(登録商標)(東セロ株式会社製)、東洋紡パイレンフィルム(登録商標)(東洋紡績株式会社製)、トレファン(登録商標)(東レフィルム加工株式会社製)、ニホンポリエース(日本ポリエース株式会社製)、および太閤(登録商標)FC(フタムラ化学株式会社製)等を挙げられる。また、セルロース系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、フジタック(登録商標)TD(富士フイルム株式会社製)、並びにKC2UAおよびコニカミノルタTACフィルムKC(コニカミノルタ株式会社製)等が挙げられる。
また、偏光子保護フィルムは、必要に応じて添加剤を含有することもできる。添加剤としては、例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤などを挙げることができる。
偏光子保護フィルムの厚みは、1~50μmであってもよいし、10~40μmであってもよいし、10~35μmであってもよい。
偏光子保護フィルムは、偏光子との貼合に先立って、ケン化処理、コロナ処理、又はプラズマ処理等を施しておいてもよい。偏光子保護フィルムには、さらに、導電層、ハードコート層、防眩層および低反射層等の機能層を設けることができる。
偏光子保護フィルムは通常、偏光子接着剤層(図示せず)を介して偏光子(4)と積層される。偏光子接着剤層は偏光子保護フィルムと偏光子とを接着するための層であって、接着剤が硬化した層である。接着剤は活性エネルギー線硬化型接着剤であってもよいし、水系接着剤であってもよい。偏光子保護フィルムは偏光子(4)の両面にそれぞれ積層されてもよいし、片面にだけ積層されてもよい。
〔接着剤層〕
図2に示す偏光板(100)において、基材フィルム(5)と偏光子(4)とは、接着剤層(10)を介して積層されている。この接着剤層(10)は、接着剤が硬化した層である。接着剤は、活性エネルギー線硬化型接着剤であってもよいし、水系接着剤であってもよい。なお、接着剤層(10)は、上記の偏光子保護フィルムや、これを偏光子と積層するための偏光子接着層を更に介して偏光子(4)と積層されてもよい。
活性エネルギー線硬化型接着剤とは、電子線、紫外線のような活性エネルギー線を照射することにより硬化する接着剤をいい、例えば重合性化合物及び光重合開始剤を含むもの、光反応性樹脂を含むもの、バインダー樹脂及び光反応性架橋剤を含むものなどを挙げることができる。重合性化合物としては、光硬化性エポキシ系化合物;光硬化性アクリル系化合物等の光硬化性ビニル化合物;光硬化性ウレタン系化合物を挙げることができる。光重合開始剤としては、光カチオン重合開始剤(例えば、光硬化性エポキシ系化合物を用いる場合)や、光ラジカル重合開始剤(例えば、光硬化性アクリル系化合物を用いる場合)を挙げることができる。
水系接着剤は、これに含まれる水分を乾燥することにより硬化する接着剤層であり、例えばポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤などが挙げられる。中でもポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる水系接着剤が好適に用いられる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体、又はそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体などを用いることができる。水系接着剤は、多価アルデヒド、水溶性エポキシ化合物、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物などの添加剤を含むことができる。
上記接着剤は、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、増感剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。
接着剤層(10)の厚みは、接着剤を硬化させるときや乾燥させるときの収縮を小さくし、偏光板の凹凸を低減し易い観点から、例えば5μm以下であり、2μm以下であることが好ましく、1μm以下であってもよい。また、十分な接着力を発現させる観点から、通常接着剤層の厚みは、0.01μm以上である。
〔偏光板の製造方法〕
このような偏光板は、例えば以下の工程(3)〔保護フィルム剥離工程〕および工程(4)〔位相差フィルム積層工程〕を含む方法により製造することができる。
工程(3)〔保護フィルム剥離工程〕
工程(3)は、積層フィルムから、保護フィルムを剥離し、位相差フィルムを得る工程である。
剥離方法は、特に制限されないが、例えば積層フィルムが長尺状である場合には、保護フィルムまたは位相差フィルムをロールに抱かせながら剥離してもよい。また、剥離した保護フィルムは、巻き取ってもよい。
工程(4)〔偏光子貼合工程〕
工程(4)は、接着剤を介して位相差フィルム上に偏光子を貼合して、偏光板を得る工程である。
接着剤は、位相差フィルムに塗布してもよいし、偏光子に塗布してもよいし、位相差フィルム及び偏光子の両方に塗布してもよい。また、位相差フィルムにおける偏光子への貼合面は、基材フィルム側の面であってもよいし、液晶位相差層側の面であってもよい。接着剤として水系接着剤を使用した場合は、乾燥することにより位相差フィルムと偏光子とを接着することができる。接着剤として活性エネルギー線硬化型接着剤を使用した場合は、紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより位相差フィルムと偏光子とを接着することができる。
水系接着剤を使用する場合、乾燥は例えば貼合後のフィルムを乾燥炉に導入することによって行うことができる。乾燥温度(乾燥炉の温度)は、好ましくは30~90℃である。
30℃未満であると、位相差フィルムと偏光子とが剥離しやすくなる傾向がある。また乾燥温度が90℃を超えると、熱によって偏光子の偏光性能が劣化するおそれがある。乾燥時間は10~1000秒程度とすることができる。
乾燥工程後、室温又はそれよりやや高い温度、例えば20~45℃程度の温度で12~600時間程度養生する養生工程を設けてもよい。養生温度は、乾燥温度よりも低く設定されるのが一般的である。
活性エネルギー線は、位相差フィルム側から照射してもよいし、偏光子側から照射してもよいし、位相差フィルム側と偏光子側との両方から照射してもよい。
活性エネルギー線硬化型接着剤への活性エネルギー線の照射強度は、活性エネルギー線硬化型接着剤の組成によって適宜決定されるが、重合開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が0.1~6000mW/cmとなるように設定されることが好ましい。照射強度が0.1mW/cm以上である場合、反応時間が長くなりすぎず、6000mW/cm以下である場合、線源から輻射される熱及び活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化時の発熱による活性エネルギー線硬化型接着剤の黄変や偏光子の劣化を生じるおそれが少ない。
活性エネルギー線硬化型接着剤への光照射時間についても、活性エネルギー線硬化型接着剤の組成によって適宜決定されるが、上記照射強度と照射時間との積として表される積算光量が10~10000mJ/cmとなるように設定されることが好ましい。積算光量が10mJ/cm以上である場合、重合開始剤由来の活性種を十分量発生させて硬化反応をより確実に進行させることができ、10000mJ/cm以下である場合、照射時間が長くなりすぎず、良好な生産性を維持できる。
位相差フィルム上に偏光子を貼合するにあたり、位相差フィルム表面には、偏光子との接着性を向上させるために、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理(易接着処理)を行うことができる。例えば位相差フィルムが環状ポリオレフィン系樹脂を含む場合、プラズマ処理やコロナ処理を行うことが好ましい。また、位相差フィルムが、セルロースエステル系樹脂からなる場合には、ケン化処理を行うことが好ましい。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリ水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
工程(4)では、偏光子を単層で位相差フィルムに貼合してもよい。また、予め偏光子保護フィルムを偏光子に積層しておき、これを位相差フィルムに貼合して、偏光板を得ることもできる。保護フィルムと偏光子とを貼合する方法としては、上記位相差フィルムと偏光子を貼合する方法と同様の方法が挙げられる。また、保護フィルム、偏光子、及び位相差フィルムを3枚同時に貼合して、偏光板を得ることができる。
工程(3)〔保護フィルム剥離工程〕と工程(4)〔偏光子貼合工程〕とは、この順番で行うことにより、保護フィルムを剥離してから〔工程(3)〕、位相差フィルムと偏光子とを貼合してもよいし〔工程(4)〕、逆の順番、すなわち工程(4)により位相差フィルムと偏光子とを貼合してから、工程(3)により保護フィルムを剥離してもよい。すなわち、工程(3)と工程(4)との順番は任意である。
〔粘着剤層〕
図2に示す偏光板(100)は、位相差フィルム(20)側にさらに粘着剤層(6)を備えていてもよい。粘着剤層(6)は粘着剤からなる層であり、この粘着剤層(6)を介して偏光板(100)を液晶セル等の画像表示素子に貼合することができる。粘着剤層の厚みは通常5μm~25μm、好ましくは10μm~25μmである。
粘着剤層(6)を形成する粘着剤としては、例えば、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。粘着剤としては、特に、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示し、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましい。
粘着剤にはこの他、各種の添加剤が配合されていてもよい。添加剤として、シランカップリング剤や帯電防止剤が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって規定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%および部は、特記ないかぎり重量基準である。なお、実施例で用いた評価方法は、以下のとおりである。
(1)厚み:
株式会社ニコン製のデジタルマイクロメーターMH-15Mを用いて測定した。
(2)面内レターデーションReおよび厚み方向レターデーションRth:
平行ニコル回転法を原理とする位相差計、王子計測機器株式会社製のKOBRA-WPRを用いて、23℃における波長590nmの光で測定した。
(3)保護フィルムの表面の周期f(μm)に対する一次元パワースペクトル:H(f)
共焦点干渉顕微鏡であるPLμNEOX(センソファー・ジャパン製)を使用して、表面の凹凸を走査した。得られた凹凸のデータを解析し、周期212μmおよび周期425μmにおけるH(212)およびH(425)を算出した。
(4)算術平均うねり値:WaおよびWa
走査型白色干渉顕微鏡であるVS1000(株式会社日立ハイテクサイエンス製)を使用して、各実施例で用いた保護フィルムについて、液晶位相差層と貼合する側の面の算術平均うねり値Waを測定した。同様にして、各実施例で得た積層フィルムについて、保護フィルムを剥離し、露出した液晶位相差層の算術平均うねり値Waを測定した。なお、測定範囲はX=4000μm以上、Y=2000μm以上の範囲とし、カットオフ値は、100μmとした。
(5)位相差ムラの評価
バックライト上に、2枚の偏光板を、互いに平行に、また互いの吸収軸が直交するクロスニコルの関係となるように配置する。この2枚の偏光板の間に、保護フィルムを剥離した状態で実施例で得た位相差フィルムを2枚の偏光板と平行になるように置き、次いで、バックライトを点灯させた状態で、バックライトから偏光板、位相差フィルムおよび偏光板を透過する光を肉眼で正面から観察しながら、位相差フィルムを面内で回転させ、透過する光が最も暗くなる位置に固定する。その後、バックライトから遠い方の偏光板に対して、正面から斜め30~60度の方向から目視検査を行い、位相差ムラ(濃淡ムラ)が視認できるか否か判断する。
参考例1
以下の各部材を準備した。
〔偏光子〕
(1)プライマー層形成工程
ポリビニルアルコール粉末(日本合成化学工業株式会社製の「Z-200」、平均重合度1100、ケン化度99.5モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(田岡化学工業株式会社製の「スミレーズレジン650」)をポリビニルアルコール粉末6重量部に対して5重量部の割合で混合して、プライマー層形成用塗工液を得た。
厚み90μmの未延伸のポリプロピレン(PP)フィルム(融点:163℃)を用意し、その片面にコロナ処理を施した後、そのコロナ処理面に小径グラビアコーターを用いて上記プライマー層形成用塗工液を塗工し、80℃で10分間乾燥させることにより、厚み0.2μmのプライマー層を形成して、プライマー層付きPPフィルムを得た。
(2)積層フィルムの作製
ポリビニルアルコール粉末(株式会社クラレ製の「PVA124」、平均重合度2400、ケン化度98.0~99.0モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度8重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製し、これをポリビニルアルコール系樹脂層形成用塗工液とした。
上記(1)で作製したプライマー付きPPフィルムのプライマー層表面にリップコーターを用いて上記ポリビニルアルコール系樹脂層形成用塗工液を塗工し、その後、80℃で20分間乾燥させることにより、プライマー層上にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して、PPフィルム/プライマー層/ポリビニルアルコール系樹脂層からなる積層PPフィルムを得た。
(3)延伸フィルムの作製
上記(2)で作製した積層PPフィルムに対して、フローティングの縦一軸延伸装置を用いて160℃で5.8倍の自由端一軸延伸を実施し、延伸PPフィルムを得た。延伸後のポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは6.1μmであった。
(4)偏光性積層PPフィルムの作製
上記(3)で作製した延伸PPフィルムを、ヨウ素とヨウ化カリウムとを含む30℃の染色水溶液(水100重量部あたりヨウ素を0.6重量部、ヨウ化カリウムを10重量部含む。)に約180秒間浸漬してポリビニルアルコール系樹脂層の染色処理を行った後、10℃の純水で余分な染色水溶液を洗い流した。
ホウ酸を含む78℃の第1架橋水溶液(水100重量部あたりホウ酸を9.5重量部含む。)に120秒間浸漬し、次いで、ホウ酸及びヨウ化カリウムを含む70℃の第2架橋水溶液(水100重量部あたりホウ酸を9.5重量部、ヨウ化カリウムを4重量部含む。)に60秒間浸漬して架橋処理を行った。その後、10℃の純水で10秒間洗浄し、最後に40℃で300秒間乾燥させることにより、PPフィルム/プライマー層/偏光子(4)からなる偏光性積層PPフィルムを得た。
〔偏光子保護フィルム〕
日本ゼオン株式会社の環状オレフィン系樹脂フィルムの片面にハードコート層を設けたハードコート層付環状オレフィン系樹脂フィルムを準備した。厚みは50μmであった。
〔保護フィルム〕
以下の3種類の保護フィルム(7)を用意した。いずれもポリエチレン樹脂を含み、自己粘着性の層を表層に有する保護フィルムである。
保護フィルムA:トレデガー社製「Force Field 1035」
保護フィルムB:東レフィルム加工株式会社製「トレテック(登録商標)7332K」
保護フィルムC:東レフィルム加工株式会社製「トレテック(登録商標)7832C」
Figure 0007263804000001

〔位相差フィルム〕
基材フィルム(5)として、日本ゼオン株式会社製の環状オレフィン系樹脂フィルムを準備した。この基材フィルム(5)は長尺状であり、その厚みは20μmであった。この基材フィルム(5)は、λ/4板であった。この基材フィルム(5)の片面にコロナ処理をした。コロナ処理を施した面に、膜厚が1μmとなるように垂直配向膜用の組成物を塗工した。塗工膜に対して温度100℃で120秒間の熱処理を施し配向膜を形成した。垂直配向膜用の組成物は日産化学社製、サンエバーSE610を使用した。
上記で形成した配向膜の上に、調製した光重合性ネマチック液晶化合物(メルク社製、RMM28B)を含有する組成物を塗布した。組成物は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を溶媒として含み、光重合開始剤としてイルガキュア(Irg-907)を含む。この組成物の組成は以下のとおりである。
光重合性ネマチック液晶化合物〔RMM28B〕 :20重量部
光重合開始剤〔イルガキュア(Irg-907)〕 : 1重量部
溶媒〔プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート〕:80重量部
塗布後の塗布層に温度90℃で120秒間乾燥処理を施した。その後、紫外線(UV)照射により液晶化合物を重合させて、厚さ1μmの液晶化合物が硬化した液晶位相差層(3)を形成した(液晶位相差層全体の厚みは2μm)。液晶位相差層(3)は、ポジティブCプレートであった。このようにして、基材フィルム(5)と液晶位相差層(3)とからなる位相差フィルム(20)を得た。位相差フィルムの弾性率は23℃において、MD方向、TD方向それぞれ1900MPa、2300MPaであった。この位相差フィルム(20)は、可視光の波長領域において、λ/4波長板として機能し得るものであり、厚み方向にも位相差を示した。
〔実施例1〕
(積層フィルムの製造)
上記で準備した保護フィルムA(7)を、表1に示す表面形状を測定した面が液晶位相差層(3)との貼合面となるように、上記で得た位相差フィルム(20)の液晶位相差層(3)上に貼合して、図1に示す構成の積層フィルム(1)〔保護フィルムA(7)/液晶位相差層(3)/基材フィルム(5)〕を得た。
上記で得た積層フィルム(1)〔保護フィルムA(7)/液晶位相差層(3)/基材フィルム(5)〕を30枚準備し、これらを重ね合せ、押圧圧力0.017MPa、押圧温度60℃、押圧時間3時間で押圧し、次いで保護フィルムA(7)を剥離して現れた液晶位相差層(3)の表面の算術平均うねり値Waを測定したところ、55nmであった。
この偏光板(100)を構成する位相差フィルム(20)の位相差ムラを評価したところ、目視で位相差ムラは確認できなかった。
(偏光板の製造)
上記で準備した偏光子保護フィルム〔ハードコート層付環状オレフィン系樹脂フィルム〕のハードコート層とは反対側の面にコロナ処理を施した。コロナ処理を施した面に、小径グラビアコーターを用いて紫外線硬化性接着剤を塗工した。この紫外線硬化型接着剤の組成は以下のとおりである。
3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート〔商品名「CEL2021P」、株式会社ダイセル製):70重量部、
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル〔商品名「EX-211」、ナガセケムテックス株式会社製〕:20重量部、
2-エチルヘキシルグリシジルエーテル〔商品名「EX-121」、ナガセケムテックス株式会社製〕:10重量部、
光カチオン重合開始剤〔商品名「CPI-100P」、サンアプロ株式会社製〕:2.25重量部
塗工後、貼合ロールを用いて、紫外線硬化性接着剤を介して、上記で得た偏光性積層PPフィルムの偏光子(4)上に偏光子保護フィルムを貼合した。次いで紫外線照射により紫外線硬化性接着剤を硬化させて偏光子接着剤層を形成して、偏光子保護フィルム/偏光子接着剤層/偏光子(4)/プライマー層/PPフィルムの層構成からなる貼合フィルムを得た。この貼合フィルムの偏光子接着剤層の厚みは、0.8μmであった。
得られた貼合フィルムからPPフィルムを剥離除去した。PPフィルムは容易に剥離され、偏光子保護フィルム/偏光子接着剤層/偏光子(4)/プライマー層の層構成からなる片面偏光子保護フィルム付偏光板を得た。
上記で得た積層フィルム(1)における基材フィルム(5)〔環状オレフィン系樹脂フィルム〕上に、コロナ処理を施す。コロナ処理を施した面に、小径グラビアコーターを用いて上記と同じ紫外線硬化性接着剤を塗工する。塗工後、貼合ロールを用いて、紫外線硬化性接着剤を介して、上記片面偏光子保護フィルム付偏光板のプライマー層上に積層フィルム(1)を貼合し、紫外線照射により紫外線硬化性接着剤を硬化させて接着剤層(10)を形成する。
その後、保護フィルムA(7)を剥離すると、偏光子保護フィルム/偏光子接着剤層/偏光子(4)/プライマー層/接着剤層(10)/基材フィルム(5)/液晶位相差層(3)からなる偏光板(100)を得ることができる(図2)。この偏光板(100)は、位相差フィルムの位相差ムラに起因するムラがなく、全面に亙って均一な偏光性能を示す。
〔実施例2〕
保護フィルムAに代えて保護フィルムCを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム(1)を作製し、得られた積層フィルム(1)を30枚重ね合せ、実施例1と同様にして押圧し、次いで保護フィルムA(7)を剥離して現れた液晶位相差層(3)の表面の算術平均うねり値Waを測定したところ、65nmであった。
この偏光板(100)を構成する位相差フィルム(20)の位相差ムラを評価したところ、目視で位相差ムラは確認できなかった。
〔比較例1〕
保護フィルムAに代えて保護フィルムBを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム(1)を作製し、得られた積層フィルム(1)を30枚重ね合せ、実施例1と同様にして押圧し、次いで保護フィルムA(7)を剥離して現れた液晶位相差層(3)の表面の算術平均うねり値Waを測定したところ、84nmであった。
この位相差フィルム(20)の位相差ムラを評価したところ、目視で位相差ムラが確認された。
実施例1で得た積層フィルムに代えて上記で得た積層フィルムを用いる以外は実施例1と同様に操作して得られる偏光板(100)は、位相差フィルム(20)の位相差に起因する偏光性能のムラを生ずる。
1:積層フィルム
3:液晶位相差層
4:偏光子
6:粘着剤層
5:基材フィルム
7:保護フィルム
10:接着剤層
20:位相差フィルム

Claims (5)

  1. 基材フィルム上に液晶位相差層を有する位相差フィルムと、
    前記液晶位相差層上に剥離可能に貼合された保護フィルムと
    を備えた積層フィルムであって、
    前記基材フィルムは、樹脂フィルムであり、λ/4板として機能し、
    前記液晶位相差層は、ポジティブCプレートであり、前記保護フィルムに接する面の算術平均うねり値Waが70nm以下であることを特徴とする積層フィルム。
  2. 基材フィルム上に液晶位相差層を有する位相差フィルムの前記液晶位相差層上に保護フィルムを剥離可能に貼合して請求項1に記載の積層フィルムを製造する方法であり、
    前記保護フィルムの前記位相差フィルムが積層される側の面は、表面凹凸の周期f(μm)に対する一次元パワースペクトルをH(f)としたときに式(1)
    (425)/H(212)<10 (1)
    を満たすことを特徴とする前記積層フィルムの製造方法。
  3. 基材フィルム上に液晶位相差層を有する位相差フィルムと偏光子とが接着剤層を介して積層された偏光板を製造する方法であり、
    請求項1に記載の積層フィルムから保護フィルムを剥離する保護フィルム剥離工程と、
    接着剤を介して前記位相差フィルム上に偏光子を貼合する偏光子貼合工程と
    を含むことを特徴とする前記偏光板の製造方法。
  4. 基材フィルム上に液晶位相差層を有する位相差フィルムと、偏光子とが接着剤層を介して積層され、
    前記基材フィルムは、樹脂フィルムであり、λ/4板として機能し、
    前記液晶位相差層は、ポジティブCプレートであり、前記基材フィルム側と反対側の面の算術平均粗さWaが70nm以下であることを特徴とする偏光板。
  5. 基材フィルム上に液晶位相差層を有する位相差フィルムであって、
    前記基材フィルムは、樹脂フィルムであり、λ/4板として機能し、
    前記液晶位相差層は、ポジティブCプレートであり、前記基材フィルム側とは反対側の表面の算術平均うねり値Waが70nm以下であることを特徴とする位相差フィルム。
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