JP7263691B2 - 評価方法、単結晶の製造方法、評価装置、評価プログラム、及び単結晶製造装置 - Google Patents

評価方法、単結晶の製造方法、評価装置、評価プログラム、及び単結晶製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、評価方法、単結晶の製造方法、評価装置、評価プログラム、及び単結晶製造装置に関するものである。
単結晶の製造方法として、原料を充填したルツボを加熱し、原料を溶融した後に、原料融液の表面に種結晶を接触させ、種結晶を回転させながら上昇させて単結晶の育成を行うチョクラルスキー法が広く普及している。
単結晶の育成では、投入した原料からできるだけ長尺の単結晶を育成して固化率(投入した原料重量に対する育成された単結晶の重量比)を大きくした方が経済的である。しかし、長尺の単結晶を育成する際、単結晶の育成中における急激な原料融液面の低下の現象、あるいは育成中の単結晶の重量(計測重量)が急激に軽くなる現象が見られることがある。これらの現象が見られた場合に、そのまま単結晶の育成を継続すると、育成した単結晶とルツボの底とが結合してしまうことがあり、最悪の場合、育成した単結晶が落下することもある。すなわち、上記の現象は、単結晶の形状(形状制御性)の悪化を招き、また、単結晶が落下した場合、単結晶の育成の中止が発生するため、歩留まりを低下させる。また、上記の現象により、ルツボが破損するおそれもある。
上記の現象は、原料融液中で発生する異常な固化現象(以下、「融液固化現象」と称す)が原因と考えられる。上記の急激な原料融液面の低下の現象は、ルツボの底部の原料融液が固化することで固体と液体との密度差が生じることにより発生する。また、上記の単結晶の重量が急激に軽くなる現象は、単結晶に対して上向きの力が作用することにより生じる。
このため、特許文献1には、この「融解固化現象」を早期に検出して適切な処置を施すことにより、上記のような不具合の発生を未然に防止することが記載されている。
チョクラルスキー法を実施する一般的な単結晶製造装置(単結晶育成装置)においては、単結晶の引き上げ軸の上端にロードセルなどの重量センサー(重量測定装置)を取り付け、育成中の単結晶の重量(計測重量)の時間的変化(重量変化率)から単結晶の直径の大きさを推定し、その推定に基づき原料融液を加熱するヒーター(加熱装置)への供給電力を自動調整することで、育成される単結晶の直径を目標値に近づけるように制御する方法が知られている。
特許文献1では、育成中の単結晶の重量の時間的変化(重量変化率ΔW)に着目し、重量変化率ΔWから育成中の単結晶の径の大きさを推定し、その推定値に基づき実際に育成される結晶の径の大きさが一定になるように制御して単結晶を育成するにあたり、重量変化率ΔWが正常な単結晶育成において許容される範囲を超えて小さくなったことを検知し、この検知結果に基づいて所定の制御を行うものである。上述のように、「融解固化現象」が発生した場合、単結晶の重量が急激に軽くなる。特許文献1では、この部分を検出し制御することで、「融解固化現象」を早期に検出し、不具合を未然に防止するとしている。
特開平6-271390号公報
しかしながら、特許文献1では、「融液固化現象」が発生したか否かを、単結晶の重量変化率ΔWに基づいて判断しており、その判断基準を、正常な単結晶の育成において、単結晶の直径に生じる誤差を考慮して許容される重量変化率ΔWの範囲を基にして、これと混同しないように決定している。例えば、特許文献1では、単結晶の直径に生じる誤差を考慮して許容される重量変化率ΔWの範囲を、重量変化率の目標値ΔW0に対して±10%とし、そして、「融液固化現象」が発生したと判定する重量変化率ΔWの範囲を、重量変化率の目標値ΔW0の15%を越えて変動した場合のように設定することになる。このような特許文献1の方法は、「融液固化現象」の後期の段階を検出し、「融液固化現象」が発生してから数分後には、最悪の場合、単結晶の落下現象が起こると推定され、その間に対策を講じるものである。
このため、「融液固化現象」は、より早い時点で検出することが求められている。近年、酸化物単結晶は、単結晶の引き上げ長さが次第に長くなってきている。特にタンタル酸リチウムの単結晶は、表面弾性波デバイス材料として市場が拡大しており、生産量の確保のために、単結晶の引き上げ長さが長くなってきている。単結晶の引き上げ長さが長い場合、「融液固化現象」が発生しやすい状況にあり、上記した単結晶の落下等の不具合が発生するリスクが高くなるので、「融液固化現象」の発生の早期検出は、極めて重要となっている。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、チョクラルスキー法による単結晶の育成における融液固化現象の発生を、より早い時点で、正確に検出することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために、「融液固化現象」に関する研究を行い、「融液固化現象」の発生初期に生じる単結晶の計測重量の変動パターンを見出し、さらに、この変動パターンを検出することにより、上記目的を達成できることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の態様によれば、ルツボ内の原料を溶融した原料融液に、種結晶を接触させつつ、種結晶を回転させながら上昇させて単結晶を育成する際における、原料融液の固化に関する状態を評価する方法であって、育成中の単結晶における経時的かつ連続的に測定された1回転中の重量に基づいて、1回転中の重量の変化のばらつきの程度を示すばらつき量を算出することと、算出したばらつき量に基づいて、原料融液の固化に関する状態を評価することと、を備え、ばらつき量は、測定された1回転中の重量における最小値に基づいて設定される、評価方法が提供される。
また、本発明の第2の態様によれば、第1の態様において、育成中の単結晶の1回転中の重量を経時的に測定することを含む、評価方法が提供される。
また、本発明の第の態様によれば、第1又は第2の態様において、ばらつき量を下記式(1)に基づいて算出することを含む、評価方法が提供される。
式(1):ばらつき量=1回転当たりの平均重量増分-(1回転中の最大重量値-1回転中の最小重量値)
また、本発明の第の態様によれば、第1から第3のいずれかの態様において、算出したばらつき量と、予め設定された所定の閾値とを比較し、比較した結果に応じて、評価することを含む、評価方法が提供される。
また、本発明の第の態様によれば、ルツボ内の原料を溶融した原料融液に種結晶を接触させつつ、種結晶を回転させながら上昇させて単結晶を育成することと、第2から第のいずれかの態様の評価方法により、評価することと、評価の結果に応じて、予め設定された育成中の単結晶に対する所定の処理を行うことと、を備える単結晶の製造方法が提供される。
また、本発明の第の態様によれば、第の態様において、育成中の単結晶に対する所定の処理を、自動的に行うことを含む、単結晶の製造方法が提供される。
また、本発明の第の態様によれば、第または第の態様において、育成中の単結晶に対する所定の処理は、育成中の単結晶を原料融液から切り離す処理を含む、単結晶の製造方法が提供される。
また、本発明の第の態様によれば、ルツボ内の原料を溶融した原料融液に種結晶を接触させつつ、種結晶を回転させながら上昇させて単結晶を育成する際における、原料融液の固化に関する状態を評価する装置であって、育成中の単結晶における経時的かつ連続的に測定された1回転中の重量に基づいて、1回転中の重量の変化のばらつきの程度を示すばらつき量を算出し、算出したばらつき量に基づいて、原料融液の固化に関する状態を評価する評価部を備え、ばらつき量は、測定された1回転中の重量における最小値に基づいて設定される、評価装置が提供される。
また、本発明の第の態様によれば、ルツボ内の原料を溶融した原料融液に種結晶を接触させつつ、種結晶を回転させながら上昇させて単結晶を育成する際における、原料融液の固化に関する状態の評価をコンピュータに実行させるプログラムであって、コンピュータに、育成中の単結晶における経時的かつ連続的に測定された1回転中の重量に基づいて、1回転中の重量の変化のばらつきの程度を示すばらつき量を算出することと、算出したばらつき量に基づいて、原料融液の固化に関する状態を評価することを実行させ、ばらつき量は、測定された1回転中の重量における最小値に基づいて設定される、評価プログラムが提供される。
また、本発明の第10の態様によれば、ルツボ内の原料を溶融した原料融液に種結晶を接触させつつ、種結晶を回転させながら上昇させて単結晶を育成する装置であって、ルツボと、ルツボを加熱し原料を溶融する加熱部と、種結晶を保持しかつ種結晶を回転させながら昇降させる回転引上げ軸と、育成中の単結晶における1回転中の重量を経時的に測定する重量測定部と、加熱部の温度を制御する加熱制御部と、回転引き上げの回転及び昇降を制御する駆動制御部と、重量測定部の測定結果を使って原料融液の固化に関する状態を評価する第の態様の評価装置と、評価装置の評価結果に応じて予め設定された育成中の単結晶に対する所定の処理を実行する特定処理部と、を備える単結晶製造装置が提供される。
本発明の評価方法、評価装置、及び評価プログラムは、チョクラルスキー法による単結晶の育成における融液固化現象の発生を、より早い時点で正確に検出することができる。これにより、融液固化現象の結果として生じる単結晶の落下等の不具合の発生を抑制することができるため、単結晶の育成に好適に用いることができる。
また、本発明の単結晶の製造方法及び単結晶製造装置は、チョクラルスキー法による単結晶の育成における融液固化現象の発生を、より早い時点で正確に検出するので、融液固化現象の結果として生じる単結晶の落下等の不具合の発生を抑制することができる。
(A)から(C)は、本実施形態に係る評価方法を示すフローチャートである。 単結晶育成時の単結晶の実測重量の一例を示すグラフである。 (A)及び(B)は、「融液固化現象」の初期段階の模式図である。 本実施形態のばらつき量の例を示す図である。 本実施形態のばらつき量と従来の方法との比較を示す図である。 本実施形態の評価方法の他の例を示す図である。 本実施形態の評価装置を概念的に示す図である。 本実施形態の単結晶の製造方法のフローチャートである 本実施形態の単結晶製造装置を概念的に示す図である。
以下、本発明について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。また、以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、鉛直方向をZ方向とし、水平方向をX方向、Y方向とする。また、X方向、Y方向、及びZ方向のそれぞれについて、適宜、矢印の先の側を+側(例、+X側)と称し、その反対側を-側(例、-X側)と称す。
[評価方法]
本実施形態の評価方法について説明する。図1(A)から(C)は、本実施形態の評価方法を示すフローチャートである。図1(A)から(C)に示す本実施形態の評価方法は、ルツボ内の原料を溶融した原料融液に、種結晶を接触させつつ、種結晶を回転させながら上昇させて単結晶を育成するチョクラルスキー法を行う際における、原料融液の固化に関する状態を評価する方法である。この単結晶の育成方法(製造方法)では、単結晶の育成中の終盤において、急激に原料融液面が低下する現象、あるいは、育成中の単結晶の計測重量(以下、単に「単結晶の重量」と称すこともある)が急激に軽くなる現象が見られる。上記の現象は、「融液固化現象」と呼ばれる。「融液固化現象」は、原料融液中で発生する原料融液の異常な固化現象が原因と考えられている。
上記の急激に原料融液面が低下する現象は、ルツボの底部の原料融液が固化することで、固体と液体との密度差が生じることにより発生する。また、上記の育成中の単結晶の計測重量が急激に軽くなる現象は、単結晶に上向きの力が作用することにより発生する。
上記の「融液固化現象」は、単結晶の形状(形状制御性)の悪化を招き、また、単結晶が落下した場合、単結晶の育成の中止が発生するため、歩留まりを低下させる。また、上記の現象により、ルツボが破損するおそれもある。
上記のチョクラルスキー法を実施する一般的な単結晶製造装置においては、単結晶の引き上げ軸の上端にロードセルなどの重量センサー(重量測定装置)を取り付け、育成中の単結晶の重量の時間的変化(重量変化率)から単結晶の直径の大きさを推定し、その推定に基づき原料融液を加熱するヒーター(加熱装置)への供給電力を自動調整することで、育成される単結晶の直径を、目標値に近づけるように制御する方法が知られている。
そこで、本発明者らは、育成中の単結晶の計測重量に着目し、育成終盤の単結晶の計測重量の変化と「融解固化現象」との関係について詳細に調査した。図2は、単結晶育成時の単結晶の実測重量の一例を示すグラフ(データ)である。図2では、縦軸は単結晶の実測重量を表し、横軸は時間を表している。なお、図2のデータD1は、0.5秒間に1回、育成中の単結晶の重量を測定(サンプリング)したデータである。また、図2に示すデータD1における、単結晶の引き上げの回転速度(回転数)は、3.0rpmである。また、図2のグラフの各縦線は、単結晶の引き上げ時における回転の周期を表している。すなわち、図2において、2つの縦線の間は単結晶の引き上げ時における1回転の周期(1回転の期間)を示し、2つの縦線の間の期間(時間)は、20秒を示している。
図2のデータに示されるように、単結晶の計測重量は、時間の経過とともに、緩やかに上昇している。また、図2のデータD1に示されるように、単結晶の計測重量のデータには、周期的な凹凸が存在することが判る。この周期的な凹凸の周期は、ほぼ、回転周期に一致している。また、図2のデータD1では、記号「*」で示すように、データの終盤に1回転中の周期内における単結晶の計測重量の最小値が急に大きく変化していることが判る。図2における単結晶の育成では、その後(記号「*」の後)「融解固化現象」が確認されたため、結晶の育成を中止している。
従来の「融解固化現象」の発生の検出は、ルツボの底の中央部と育成した単結晶の底部の中央部とが接触して融着することで単結晶の計測重量の変化が生じ、この計測重量の変化を捉えることにより行っていた。例えば、従来は、上記特許文献1の図2に示される単結晶の計測重量の増加(変化)が鈍化した位置(時)を、「融解固化現象」が発生した位置(時)と捉えていた。
しかし、本発明者らは、上記した図2に示すような1回転中の周期内における単結晶の計測重量の最小値が急に大きく変化する現象を、「融解固化現象」の発生の初期段階として捉えることが可能であることを見出した。以下、詳細に説明する。
図3(A)及び(B)は、「融液固化現象」の初期段階の模式図である。図中の符号「M」は原料融液を示し、符号「SC」は種結晶を示し、符号「28」は回転引き上げ軸を示す。「融液固化現象」は、例えば、上記したように、ルツボ10の底の中央部と育成した単結晶Cの底部の中央部が接触し、融着することで発生する。しかし、この「融液固化現象」の初期段階では、図3(A)に示すように、まず、ルツボ10の底の中央部の近傍、及び育成された単結晶Cの底部の中央部の近傍に、それぞれ、突起11、12が発生する。育成中の単結晶Cは、回転しており、図3(B)に示すように、ルツボ10の底の中央部近傍の突起11と育成された単結晶Cの底部の中央部近傍の突起12とが衝突した時、単結晶Cに上向きの力がかかり、図2のデータの終盤に示されるように1回転中の周期内における単結晶Cの計測重量の最小値が急に大きく変化(一時的に急に軽くなる)する。この単結晶Cの計測重量の減少は、データの終盤(単結晶の育成期間のうちの一部の育成期間)において、1回転毎に周期的に発生する。単結晶Cの計測重量の最小値が急に大きく変化した状態のときは、突起11と突起12とが融着していないため、上記単結晶Cの計測重量の最小値の変化は、上記突起11と突起12との衝突後、直ぐに元に戻ると考えられる。したがって、上記単結晶Cの計測重量の最小値の変化は、図2に示すように、1回転毎に周期的に発生すると考えられる。上記の突起11と突起12との衝突が複数回行われ、この間に、突起11と突起12とが成長し、最終的に突起11と突起12とが融着して、特許文献1の図2に示されるような全体的な計測重量の増加の鈍化が現れると推測される。本実施形態の評価方法は、「融液固化現象」の初期段階で発生する1回転中の周期内の単結晶の計測重量の最小値が急に大きく変化する現象を捉えるものである。
本実施形態の評価方法は、図1(A)に示すように、ルツボ内の原料を溶融した原料融液に、種結晶を接触させつつ、種結晶を回転させながら上昇させて単結晶を育成する際における、原料融液の固化に関する状態を評価する方法であって、育成中の単結晶における経時的に測定された1回転中の重量に基づいて、原料融液の固化に関する状態を評価すること(ステップS1、以下、「評価工程」と称す)、を備える。
本実施形態の評価方法では、例えば、まず、図1(B)のステップS2に示すように、育成中の単結晶における1回転中の重量を経時的に測定する(以下、「重量測定工程」と称す)。重量測定工程は、種結晶を引き上げる引き上げ軸の上方に設置した重量センサー(ロードセル等)により、単結晶の重量を、経時的に計測することにより行う。例えば、重量測定工程は、後に説明する本実施形態の単結晶製造装置20の重量測定部30により行うことができる。重量センターは、特に限定はないが、引き上げる単結晶の重量に合わせて選定する。単結晶の重量の測定頻度(サンプリングの頻度)は、特に限定はないが、少なくとも単結晶を引き上げ時の1回転中(1回転内)の単結晶の重量を経時的に把握できるように設定される。例えば、単結晶の重量の測定頻度は、単結晶を引き上げ時の1回転(以下、単に「1回転」と称す)あたり、10回以上であるのが好ましい。これにより、1回転中の単結晶の重量の変化を確実に把握することができる。例えば、単結晶の重量の測定頻度は、引き上げ軸の回転速度(回転数)が1~10rpmであれば、0.1秒~1秒に1回の頻度で単結晶の重量の測定を行う。図2に示す例では、1回転あたり40回(0.5秒に1回)の頻度で、単結晶の重量の測定を行っている。なお、単結晶の重量の測定頻度の上限は、特に限定されない。
なお、本実施形態の評価方法は、上記重量測定工程(ステップS2)を備えてもよいし、備えなくてもよい。例えば、本実施形態の評価方法は、上記重量測定工程(ステップS2)を行わずに、上記のような育成中の単結晶における経時的に測定された1回転中の計測重量の情報(データ)を用いて、ステップS1(ステップS4、ステップS5)を行ってもよい。
次に、本実施形態の評価方法では、図1(B)に示すように、上記ステップS1において、ステップS2により経時的に測定された1回転中の単結晶の計測重量に基づいて、原料融液の固化に関する状態を評価する。
例えば、評価工程は、まず、図1(C)に示すように、経時的に測定された1回転中の単結晶の計測重量の変化のばらつきを示す「ばらつき量」を算出する(ステップS4、以下、「ばらつき量算出工程」と称す)。ばらつき量算出工程は、ステップS2で測定した単結晶の計測重量(例、データD1)から、ばらつき量を算出する工程である。ばらつき量は、回転数あたりの単結晶の計測重量の変化のばらつきを示す量である。ばらつき量は、1回転中の単結晶の計測重量の変化のばらつきを示す量であれば、特に限定されない。また、ばらつき量の算出方法も、特に限定されない。
例えば、ばらつき量は、1回転当たりの単結晶の重量の目標変化量が一定である場合(例、1回転あたりの重量の増加を所定の値(目標値)に設定して、単結晶を育成している場合)は、1回転中の最大重量値-1回転中の最小重量値としてもよい。この場合、ばらつき量は、経時的に測定された1回転中の単結晶の計測重量における最大値及び最小値に基づいて設定され、後に説明するばらつき量評価工程の評価に用いられる。
また、ばらつき量は、下記の式(1)で算出される値であるのが好ましい。
式(1):ばらつき量ΔW=1回転あたりの平均重量増分ΔWave-(1回転中の最大重量値Wmax-1回転中の最小重量値Wmin
上記の式(1)により、1回転あたりの平均重量増分ΔWaveから、重量変化のばらつきを含んだ1回転当たりの重量増分ΔW(1回転中の最大重量値Wmax-1回転中の最小重量値Wmin)(図4参照)を減ずることで、単結晶育成時の増加分の重量を除いた1回転あたりのばらつきの量を算出することができる。これにより、ばらつき量ΔWにおける結晶育成時の増加分の重量の影響を抑えることができる。
以下、詳細に説明する。1回転あたりの平均重量増分ΔWaveは、極力単結晶育成時の増加分のみを算出するため、最小二乗法、あるいは加重平均等の統計処理を用いて算出することが好ましい。これにより、精度のよい平均重量増分ΔWaveを算出できる。
図4は、ばらつき量の例を示す図である。ばらつき量は1回転毎に算出する。例えば、1回転あたりの平均重量増分ΔWaveは、1回転の終了時あるいは終了後直ちに算出する。1回転あたりの平均重量増分ΔWaveは、1回転中で測定した複数の計測重量値を、最小二乗法、あるいは加重平均等の統計処理を用いて算出した値であるのが好ましい。図4に示すように、1回転あたりの平均重量増分ΔWaveは、1回転中で測定した複数の計測重量値V1を、最小二乗法により1次式(F1)に近似して算出するのが好ましい。また、1回転あたりの平均重量増分ΔWaveは、上記のようにして既に算出した平均重量増分ΔWaveの1から10回転前のデータを使って、再度最小二乗法により算出してもよい。この場合、より安定した平均重量増分ΔWaveを求めることができる。
ところで、上記のように育成される単結晶は、その断面が完全な真円ではなく、若干歪んでいる。このため、引き上げ軸を介して測定される単結晶の重量は、単結晶がある一定方向に偏心することにより、数値(測定値)が偏ることがある。この現象は、ほぼ回転周期毎(1回転毎)に発生するため、本実施形態のように1回転毎に(1回転中の)上記のばらつき量を算出する等により、経時的に測定された1回転中の単結晶の計測重量に基づいて原料融液の固化に関する状態を評価することで、上記現象の影響を抑えることが可能となる。
図5は、本実施形態のばらつき量と従来の方法との比較を示す図である。図5の符号D2は、平均重量増分ΔWaveのデータを示す。なお、図5の符号D1は、図2のデータD1と同一である。
図5のデータD2は、図2に示した3.0rpmの回転速度(回転数)において、0.5秒/回の頻度で単結晶の重量を測定した実測データD1より、図4で説明したように1回転毎に最小二乗法により平均重量増分ΔWaveを算出したものである。このデータD2は、上記特許文献1の重量変化率ΔWに相当する。図5から判るように、データD2は、安定した数値を示している。しかし、データD2のように平均重量増分ΔWaveだけでは、上述の図3(B)のように、ルツボ10の底部の中央部近傍と育成した単結晶Cの底部の中央部近傍の突起11、12が衝突した時、図2のデータD1の終盤に示されるように1回転の周期内の計測重量の最小値が急に大きく変化(一時的に急に軽くなる)する時(現象)(図2、図5の記号「*」参照)を検出することはできない。上記重量変化のばらつきを含んだ1回転当たりの重量増分ΔW(1回転中最大重量値Wmax-1回転中最小重量値Wmin)は、図4に示すように、回転毎の実測データにおける最大値と最小値である。このΔW(1回転中最大重量Wmax-1回転中最小重量Wmin)は、上記した単結晶の偏心等による計測重量のばらつき等も含んだデータであり、一般的に平均重量増分ΔWaveより大きな値となる。ルツボ10の底部の中央部近傍と育成した単結晶Cの底部中央部近傍の突起11、12が衝突した時、図2のデータD1の終盤に示されるように1回転の周期内の計測重量の最小値が急に大きく変化(一時的に急に軽くなる)する場合、このΔW(1回転中最大重量Wmax-1回転中最小重量Wmin)の値は、急に大きくなる。
図5のデータD3は、図2の実測データD1から、上記式(1)によりばらつき量ΔWを算出したデータである。データD3は、単結晶育成前半は、ばらつき量ΔWが±3g以内で安定している。この中には、育成される単結晶は完全な真円ではなく、若干歪んでいためにある一定方向に偏心して数値が偏る等のばらつきを含んでいる。データD3(ばらつき量ΔW)は、単結晶育成終盤において、ルツボ10の底部の中央部近傍と育成した単結晶Cの底部の中央部近傍の突起11、12が衝突した時(図3(B)参照)、図2のデータD1の終盤に示されるように1回転の周期内の単結晶の計測重量の最小値が急に大きく変化(一時的に急に軽くなる)する時(図2、図5の記号「*」参照)、値が大きく変化している。すなわち、本実施形態の評価方法は、上記の計測重量の最小値が急に大きく変化する現象を、ばらつき量ΔWに基づいて、評価(検出)することが可能である。例えば、データD3には、-10g超える所箇所があり、これを原料融液の固化に関する状態が「異常」であるとして評価する(検出する)ことが可能である。この評価(検出)は、上記「融液固化現象」の初期段階の現象を検出することを意味している。
原料融液の固化に関する状態は、図1(C)のステップS5において、ステップS4で算出したばらつき量と、予め設定された所定の閾値とを比較し、比較した結果に応じて、評価する(以下、「ばらつき量評価工程」と称す)。
ばらつき量評価工程は、例えば、前記算出した1回転当たりのばらつき量ΔWと所定の閾値とを比較して、原料融液の固化に関する状態を判定する工程である。なお、原料融液の固化に関する状態は、例えば、上記した「融液固化現象」の初期段階から最終段階を含み、本実施形態では、上記した「融液固化現象」の初期段階から最終段階の場合、原料融液の固化に関する状態を「異常」と評価する。ここで用いる閾値は、育成する単結晶の大きさ等により個別に定めることができる。この閾値は、例えば、予備実験のデータ、あるいは過去の測定データなどに基づいて、定めることができる。
本実施形態のばらつき量評価工程では、例えば、図5のデータD3を評価する場合、閾値を-10g以下に設定し、ばらつき量ΔWが閾値未満である場合、原料融液の固化に関する状態が「異常」であると評価し、ばらつき量ΔWが閾値未満である場合、原料融液の固化に関する状態が「正常」であると評価することが可能である。なお、原料融液の固化に関する状態の評価は、上記の「正常」と「異常」に評価することに限定されず、例えば、上記の閾値を複数設定し、「正常」あるいは「異常」を複数の段階(レベル)で評価してもよい。なお、評価工程(ばらつき量算出工程、ばらつき量評価工程)は、単結晶の育成工程のすべてにおいて1回転毎に実施しなくてもよく、例えば、「融液固化現象」の発生が多い単結晶(直胴部)の育成の終盤にのみ行ってもよい。
このように、本実施形態の評価方法は、単結晶育成中における上記「融液固化現象」の初期段階の現象を評価(検出)することができる。この融液固化現象の初期段階で検出することで、その後、単結晶の育成を終了し、単結晶を融液と切り離すことで、単結晶の落下等の不具合を未然に防ぐことが可能となる。この詳細については、後に単結晶の製造方法の部分で説明する。
なお、本実施形態の評価方法は、原料融液の固化に関する状態として、上記の例以外に、特許文献1に記載されるような、育成中の単結晶の成長面の中央部が下方向に肥大化したパターン、及び育成中の単結晶Cの下端部が径方向に肥大化したパターン)も評価(検出)することができる。
なお、本実施形態の評価方法は、上記の例は一例であって、他の態様でもよい。図6は、本実施形態の評価方法の他の例を示す図である。例えば、図6の評価方法の例では、経時的に測定された1回転中の単結晶の計測重量において、所定時間当たりの重量の減少量ΔW(絶対値)を算出し、ΔW(絶対値)が、予め設定された閾値を超えた場合に、原料融液の固化に関する状態が「異常」であると評価し、ΔW(絶対値)が、閾値以下である場合、原料融液の固化に関する状態が「正常」であると評価する。このように、本実施形態の評価方法は、ステップS1の評価工程の他の例として、経時的に測定された1回転中の単結晶の計測重量における、予め設定された所定の閾値を超える重量の減少に基づいて、原料融液の固化に関する状態を評価してもよい。
なお、上記した本実施形態の評価方法は、例えば、次に説明する本実施形態の評価プログラムあるいは、本実施形態の評価装置により実施可能である。
[評価装置・評価プログラム]
次に、本実施形態の評価装置及び評価プログラムについて説明する。図7は、本実施形態の評価装置を概念的に示す図である。本実施形態の評価装置1は、上記した本実施形態の評価方法を行う装置である。すなわち、本実施形態の評価装置1は、ルツボ内の原料を溶融した原料融液に種結晶を接触させつつ、種結晶を回転させながら上昇させて単結晶を育成する際における、原料融液の固化に関する状態を評価する装置である。
評価装置1は、例えば、CPU、メインメモリ、ハードディスクなどの記憶装置、有線あるいは無線により通信を行う通信装置、キーボード、タッチパネルあるいはマウスなどの入力装置、ディスプレイなどの表示装置、シーケンサ等を備えるコンピュータにより構成される。評価装置1は、記憶部2に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。このプログラムは、例えば、本実施形態の評価プログラムPを含む。
本実施形態の評価プログラムPは、ルツボ内の原料を溶融した原料融液に種結晶を接触させつつ、種結晶を回転させながら上昇させて単結晶を育成する際における、原料融液の固化に関する状態の評価をコンピュータに実行させるプログラムであって、コンピュータに、育成中の単結晶における経時的に測定された1回転中の重量に基づいて、原料融液の固化に関する状態を評価すること(図1(A)のステップS1)を実行させる。本実施形態の評価プログラムPは、上記ステップS1、ステップS4からステップS5の処理を、コンピュータに実行させることにより、原料融液の固化に関する状態を評価する。
評価装置1は、上記評価プログラムを実行することにより、上記ステップS1、ステップS4からステップS5の処理を実行し、上記原料融液の固化に関する状態を評価する評価部3を備える。
本実施形態の評価装置1は、例えば、上記重量測定工程(ステップS2、図1(B)参照)により経時的に測定された1回転中の単結晶の計測重量に関する情報(例、図2に示すデータD1)が入力され、評価部3によりリアルタイムでステップS1(ステップS4、ステップS5)の処理を行ってもよいし、また、予め上記のように育成中の単結晶における経時的に測定された1回転中の計測重量の情報(データ)により上記したステップS1(ステップS4、ステップS5)の処理を行ってもよい。また、上記したステップS1(ステップS4、ステップS5)等において、上記の評価に用いる閾値は、記憶部2に予め記憶される。なお、本実施形態の評価プログラムPは、本実施形態の評価装置1とは、別個に用いられてもよい。例えば、本実施形態の評価プログラムPは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体(記録媒体)に記憶(記録)されて提供されてもよい。
以上説明したように、本実施形態の評価方法、評価装置、及び評価プログラムは、チョクラルスキー法による単結晶の育成における融液固化現象の発生を、より早い時点で正確に検出することができる。これにより、融液固化現象の結果として生じる単結晶の落下等の不具合の発生を抑制することができるため、単結晶の育成に好適に用いることができる。また、本実施形態の評価装置1及び評価プログラムPは、それぞれ、既存の一般的な単結晶製造装置に、後付けで適用させることができ、汎用性が高いものである。
[単結晶の製造方法]
次に、本実施形態の単結晶の製造方法について説明する。図8は、本実施形態の単結晶の製造方法のフローチャートである。本実施形態の単結晶の製造方法は、ルツボ内の原料を溶融した原料融液に種結晶を接触させつつ、種結晶を回転させながら上昇させて単結晶を育成することと(ステップS10、以下「育成工程」と称す)、上記した本実施形態の評価方法により、原料融液の固化に関する状態を評価することと(ステップS2、ステップS1(ステップS4、ステップS5))、評価の結果に応じて、予め設定された育成中の単結晶に対する所定の処理を行うことと(ステップS11)、を備える。
ステップS10の育成工程は、ルツボ内の原料を溶融した原料融液に種結晶を接触させつつ、種結晶を回転させながら上昇させて単結晶を育成する公知のチョクラルスキー法により実施する。育成する単結晶の種類及び大きさは、それぞれ、特に限定されず、任意である。本育成工程では、単結晶における肩部及び直胴部を育成する。
ステップS10の育成工程の際、上記した本実施形態の評価方法により、原料融液の固化に関する状態を評価する。この際、本実施形態の評価方法では、ステップS10の育成工程の際、ステップS2の重量測定工程、ステップS1の評価工程(ステップS4のばらつき量算出工程、及びステップS5のばらつき量評価工程)を行い、原料融液の固化に関する状態を評価する。この評価は、例えば、上記したように、上記育成工程において1回転毎に実施する。なお、本実施形態の単結晶の製造方法では、上記したすべての本実施形態の評価方法を適用することができる。
続いて、ステップS11において、上記育成工程において1回転毎に実施する評価の結果に応じて、予め設定された育成中の単結晶に対する所定の処理を行う。ステップS11は、自動的に行われる。ステップS11は、例えば、後に説明する単結晶製造装置20により、自動的に行われる。ステップS11は、例えば、ステップS12において、上記したように原料融液の固化に関する状態が「異常」であると評価されたか否かを判定する。
例えば、原料融液の固化に関する状態が「異常」であると評価されたと判定された場合(ステップS12のYES)、ステップS13において、原料融液の固化に関する状態を報知する。この報知は、コンピュータ装置等の制御により、自動的に行われる。なお、この報知の方法は、特に限定されず任意である。例えば、原料融液の固化に関する状態の報知は、原料融液の固化に関する状態が異常である旨を示す所定のメッセージのディスプレイ等の表示装置への出力、所定のメッセージの所定のメールアドレスへの電子メールの送信、所定のメッセージの所定の電話(携帯電話)への出力、所定の音声の出力などにより、報知することにより行う。なお、原料融液の固化に関する状態の報知は、予め原料融液の固化に関する状態と関連付けられた報知の手段により行ってもよく、例えば、原料融液の固化に関する状態が異常の場合に、予め原料融液の固化に関する異常と関連付けられたランプ(非常灯)などの照明装置(警報装置)の駆動パターン(点灯、点滅)、あるいは所定の音(例、警報)の出力することにより、行ってもよい。例えば、上記報知を認識した作業者により、手動で、単結晶と原料融液との切り離し作業等の単結晶の落下等の不具合を未然に防ぐ処理を行ってもよい。なお、本実施形態の単結晶の製造方法は、ステップS13を備えなくてもよい。例えば、本実施形態の単結晶の製造方法が、次に説明するステップS14を備える場合、本実施形態の単結晶の製造方法は、ステップS13を備えなくてもよい。
続いて、ステップS14において、育成中の単結晶を原料融液から切り離す処理を自動的に行う。ステップS14は、ステップS5の評価の結果が出てから数分で単結晶の落下等の不具合が発生することから、数分以内に行う。これにより、上記単結晶の落下等の不具合をより確実に防ぐことができる。ステップS14では、例えば、後に説明する本実施形態の単結晶製造装置20の回転引き上げ軸28を、回転速度を早くし、かつ回転引き上げ軸28を上昇させるように制御することにより、育成中の単結晶を原料融液から切り離すことができる。
このように、本実施形態の単結晶の製造方法は、本実施形態の評価方法の結果に応じて、上記した報知、あるいは、上記した育成中の単結晶を原料融液から切り離す処理等の所定の処理を自動的に行うので、原料融液の固化に関する異常に対して、迅速に対処することができ、その結果、単結晶の落下等の不具合を未然に防ぐことができる。なお、本実施形態の単結晶の製造方法は、ステップS14を備えなくてもよい。例えば、本実施形態の単結晶の製造方法が、上記ステップS13を備える場合、本実施形態の単結晶の製造方法は、ステップS14を備えなくてもよい。
なお、原料融液の固化に関する状態が「異常」でないと評価されたと、判定された場合(ステップS12のNO)、ステップS10に戻り、続く育成工程を継続する。
なお、上記した本実施形態の単結晶の製造方法は、例えば、次に説明する本実施形態の単結晶製造装置により実施可能である。
[単結晶製造装置]
次に、本実施形態の単結晶製造装置について説明する。図9は、本実施形態の単結晶製造装置を概念的に示す図である。本実施形態の単結晶製造装置20は、ルツボ10内の原料を溶融した原料融液Mに種結晶SCを接触させつつ、種結晶SCを回転させながら上昇させて単結晶Cを育成する装置であり、上記した本実施形態の評価装置1を含み、上記した本実施形態の単結晶の製造方法を実施することができる。
単結晶製造装置20は、例えば、ルツボ10と、ルツボ台21と、断熱材22と、耐火物23と、加熱部24と、電源25と、支持台26と、チャンバ27と、回転引き上げ軸28と、回転引き上げ軸駆動部29と、重量測定部30と、制御部31と、報知部32と、を備える。
ルツボ10は、原料Mを貯留保持し、単結晶Cを育成するための金属製の容器である。加熱部24は、ルツボ10を加熱し、原料Mを溶融する。原料Mは、予めルツボ10に充填されている。加熱部24は、ルツボ10とアフター・ヒーター34とを加熱する誘導コイル35である。電源25は、誘導コイル35に高周波電力を供給する。電源25は、制御部31に接続され、制御部31により、誘導コイル35に供給する高周波電力が制御される。これにより、加熱部24は、所定の温度で、ルツボ10を加熱し原料を溶融することができる。なお、上記単結晶製造装置20は、誘導コイルを用いた高周波加熱方式の例を示したが、高周波加熱方式に変えて抵抗ヒーターを用いた加熱方式でもよい。
ルツボ10は、ルツボ台21の上に載置される。ルツボ10及びルツボ台21を取り囲むように断熱材22が設置されている。また、断熱材22の外側には耐火物23が設けられ、断熱材22及びルツボ10の周囲全体を覆っている。耐火物23の側面の外側には、誘導コイル35が配置されている。なお、図1において、ルツボ10周辺の内部構造が見えるように、誘導コイル35の中央部分35aは破線で示している。誘導コイル35が外側に設けられた耐火物23は、支持台26の上に載置されている。また、誘導コイル35の周囲をチャンバ27が覆っている。また、ルツボ10の上方には、回転引き上げ軸28が設けられている。回転引き上げ軸28は、種結晶SCを保持し、かつ、種結晶SCを回転させながら昇降させる。回転引き上げ軸28は、鉛直方向(Z方向)に延びる棒状である。回転引き上げ軸28は、その下端に種結晶SCを保持する種結晶保持部38を有する。回転引き上げ軸28は、回転引き上げ軸駆動部29の駆動により、鉛直軸(Z軸)周りに回転し、且つ+Z方向及び-Z方向に昇降可能である。回転引き上げ軸駆動部29は、制御部31に接続され、制御部31により、その駆動(動作)が制御される。回転引き上げ軸28の上方(+Z方向)には、重量測定部30が設けられる。重量測定部30は、例えば、ロードセル等の重量センサである。重量測定部30は、育成中の単結晶Cの重量を測定する。重量測定部30は、育成中の単結晶Cにおける1回転中の重量を経時的に測定する。重量測定部30は、制御部31に接続され、測定した育成中の単結晶Cの重量の測定結果(測定結果を示す信号、例、図2のデータD1)を制御部31に出力する。チャンバ27の周辺の外部には、電源25及び制御部31が設けられる。また、図9において、関連構成要素として、種結晶SCと、単結晶Cと、結晶原料(原料融液M)とが示されている。
報知部32は、原料融液Mの固化に関する状態を報知する。報知部32は、制御部31の報知指示部43の指令に基づいて、原料融液Mの固化に関する状態を報知する。報知部32は、報知指示部43の指令に基づいて、上記したステップS13を実行する。例えば、報知部32は、原料融液Mの固化に関する状態が異常である旨を示す所定のメッセージのディスプレイ等の表示装置への出力、所定のメッセージの所定のメールアドレスへの電子メールの送信、所定のメッセージの所定の電話(携帯電話)への出力、所定の音声の出力などにより、上記報知を行う。なお、報知部32は、上記の報知を、予め原料融液Mの固化に関する状態と関連付けられた報知の手段により行ってもよく、例えば、原料融液Mの固化に関する状態が異常の場合に、予め原料融液Mの固化に関する異常と関連付けられたランプ(非常灯)などの照明装置(警報装置)の駆動パターン(点灯、点滅)、あるいは所定の音(例、警報)の出力することにより、行ってもよい。
制御部31は、単結晶製造装置20の各部を制御する。制御部31は、上記本実施形態の評価装置1を含み、上記本実施形態の評価装置1の評価結果に基づいて、単結晶製造装置20の各部を制御する。制御部31は、例えば、記憶部2と、加熱制御部41と、駆動制御部42と、上記した本実施形態の評価装置1と、報知指示部43と、特定処理部44と、を備える。制御部31は、例えば、CPU、メインメモリ、ハードディスクなどの記憶装置(記憶部2)、有線あるいは無線により通信を行う通信装置、キーボード、タッチパネルあるいはマウスなどの入力装置、ディスプレイなどの表示装置を備えるコンピュータ、シーケンサ等により構成される。制御部31は、記憶部2に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。このプログラムは、上記した本実施形態の評価プログラムP(図7参照)を含む。なお、評価装置1は、制御部31と別のコンピュータ装置により構成されてもよい。また、制御部31は、回転引き上げ法により単結晶を育成する育成装置を制御する制御装置として、単体で用いてもよい。
加熱制御部41は、加熱部24の温度を制御する。加熱制御部41は、電源25を制御して、誘導コイル35に供給する高周波電力を制御することにより、加熱部24がルツボ10を加熱する温度を制御する。駆動制御部42は、回転引き上げ軸駆動部29の駆動(動作、例、回転速度、昇降速度)等を制御することにより、回転引き上げ軸28の回転及び昇降を制御する。
評価装置1は、上記したように、評価部3が、本実施形態の評価プログラムPに基づいて、重量測定部30により経時的に測定された1回転中の単結晶Cの計測重量に関する情報(例、図2に示すデータD1)に基づき、原料融液Mの固化に関する状態をリアルタイムで評価する。評価装置1は、例えば、上記したステップS1、ステップS4からステップS5を実行する。
報知指示部43は、評価装置1の評価結果に応じて、報知部32に報知を実行させる。報知指示部43は、自動的に、上記した図8のステップS11及びS12の処理を行い、評価装置1の評価結果に応じて、ステップS13の処理を報知部32に実行させる。例えば、報知指示部43は、報知部32の構成(態様)に応じて、原料融液の固化に関する状態が異常である旨を示す所定のメッセージのディスプレイ等の表示装置への出力、所定のメッセージの所定のメールアドレスへの電子メールの送信、所定のメッセージの所定の電話(携帯電話)への出力、所定の音声の出力、原料融液の固化に関する状態が異常の場合に、予め原料融液の固化に関する異常と関連付けられたランプ(非常灯)などの照明装置(警報装置)の駆動パターン(点灯、点滅)、あるいは所定の音(例、警報)の出力することを、報知部32に実行させる。
特定処理部44は、評価装置1の評価結果に応じて、予め設定された育成中の単結晶Cに対する所定の処理を実行する。特定処理部44は、例えば、上記した図8のステップS11、S12及びS14の処理を実行することにより、予め設定された育成中の単結晶に対する所定の処理を自動的に行う。特定処理部44は、例えば、上記したステップS12と同様に、上記したように原料融液の固化に関する状態が「異常」であると評価された場合、育成中の単結晶を原料融液から切り離す処理を自動的に行う。例えば、特定処理部44は、回転引き上げ軸28の回転速度を早くし、かつ回転引き上げ軸28を上昇させるように、駆動制御部42を制御する。これにより、育成中の単結晶Cを原料融液から切り離すことができる。
上記のように、単結晶製造装置20は、図8のステップS10、ステップS2、ステップS1(ステップS4からステップS5)、及びステップS11からステップS14を実行することにより、上記した本実施形態の単結晶の製造方法を実施する。
以上説明したように、本実施形態の単結晶の製造方法及び単結晶製造装置は、チョクラルスキー法による単結晶の育成における融液固化現象の発生を、より早い時点で正確に検出するので、融液固化現象の結果として生じる単結晶の落下等の不具合の発生を抑制することができる。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
1・・・評価装置
2・・・記憶部
3・・・評価部
10・・・ルツボ
20・・・単結晶製造装置
21・・・ルツボ台
22・・・断熱材
23・・・耐火物
24・・・加熱部
25・・・電源
26・・・支持台
27・・・チャンバ
28・・・回転引き上げ軸
29・・・回転引き上げ軸駆動部
30・・・重量測定部
31・・・制御部
32・・・報知部
35・・・誘導コイル
41・・・加熱制御部
42・・・駆動制御部
43・・・報知指示部
44・・・特定処理部
C・・・単結晶
SC・・・種結晶

Claims (10)

  1. ルツボ内の原料を溶融した原料融液に、種結晶を接触させつつ、前記種結晶を回転させながら上昇させて単結晶を育成する際における、前記原料融液の固化に関する状態を評価する方法であって、
    育成中の前記単結晶における経時的かつ連続的に測定された1回転中の重量に基づいて、前記1回転中の重量の変化のばらつきの程度を示すばらつき量を算出することと、
    前記算出した前記ばらつき量に基づいて、前記原料融液の固化に関する状態を評価すること、を備え、
    前記ばらつき量は、前記測定された1回転中の重量における最小値に基づいて算出される、評価方法。
  2. 育成中の前記単結晶の1回転中の重量を経時的かつ連続的に測定することを含む、請求項1に記載の評価方法。
  3. 前記ばらつき量を下記式(1)に基づいて算出することを含む、請求項1又は請求項2に記載の評価方法。
    式(1):ばらつき量=1回転当たりの平均重量の増分-(1回転中の最大重量値-1回転中の最小重量値)
  4. 前記算出した前記ばらつき量と、予め設定された所定の閾値とを比較し、前記比較した結果に応じて、前記評価することを含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の評価方法。
  5. ルツボ内の原料を溶融した原料融液に種結晶を接触させつつ、前記種結晶を回転させながら上昇させて単結晶を育成することと、
    請求項2から請求項のいずれかに記載の評価方法により、前記評価することと、
    前記評価の結果に応じて、予め設定された育成中の前記単結晶に対する所定の処理を行うことと、を備える単結晶の製造方法。
  6. 前記育成中の単結晶に対する所定の処理を、自動的に行うことを含む、請求項に記載の単結晶の製造方法。
  7. 前記育成中の単結晶に対する所定の処理は、前記育成中の単結晶を前記原料融液から切り離す処理を含む、請求項または請求項に記載の単結晶の製造方法。
  8. ルツボ内の原料を溶融した原料融液に種結晶を接触させつつ、前記種結晶を回転させながら上昇させて単結晶を育成する際における、前記原料融液の固化に関する状態を評価する装置であって、
    育成中の前記単結晶における経時的かつ連続的に測定された1回転中の重量に基づいて、前記1回転中の重量の変化のばらつきの程度を示すばらつき量を算出し、前記算出した前記ばらつき量に基づいて、前記原料融液の固化に関する状態を評価する評価部を備え、
    前記ばらつき量は、前記測定された1回転中の重量における最小値に基づいて算出される、評価装置。
  9. ルツボ内の原料を溶融した原料融液に種結晶を接触させつつ、前記種結晶を回転させながら上昇させて単結晶を育成する際における、前記原料融液の固化に関する状態の評価をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    コンピュータに、
    育成中の前記単結晶における経時的かつ連続的に測定された1回転中の重量に基づいて、前記1回転中の重量の変化のばらつきの程度を示すばらつき量を算出することと、
    前記算出した前記ばらつき量に基づいて、前記原料融液の固化に関する状態を評価することと、を実行させ、
    前記ばらつき量は、前記測定された1回転中の重量における最小値に基づいて算出される、評価プログラム。
  10. ルツボ内の原料を溶融した原料融液に種結晶を接触させつつ、前記種結晶を回転させながら上昇させて単結晶を育成する装置であって、
    前記ルツボと、
    前記ルツボを加熱し前記原料を溶融する加熱部と、
    前記種結晶を保持しかつ前記種結晶を回転させながら昇降させる回転引上げ軸と、
    育成中の単結晶における1回転中の重量を経時的かつ連続的に測定する重量測定部と、
    前記加熱部の温度を制御する加熱制御部と、
    前記回転引き上げの回転及び昇降を制御する駆動制御部と、
    前記重量測定部の測定結果を使って前記原料融液の固化に関する状態を評価する請求項に記載の評価装置と、
    前記評価装置の評価結果に応じて予め設定された育成中の単結晶に対する所定の処理を実行する特定処理部と、を備える、単結晶製造装置。
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