JP7262336B2 - イカスミソースの製造方法 - Google Patents

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本発明は、イカスミソースの製造方法に関する。
イカ墨汁(以下、「イカスミ」ともいう。)は、イカの体内に備わる墨汁嚢(墨袋)に蓄えられている黒褐色の液体であり、イカが外敵から逃走する際に必要に応じて体外に排出される。イカスミは、ユーメラニンを含む黒色の顔料として可食性のインク等に利用されるほか、アミノ酸などの旨味成分を豊富に含んでいるので食材としても利用されている。イカスミを用いた食品としては、イカスミ含有ソースを用いたイカスミスパゲティ、パエリヤ、焼きそば、カレー、パンなどが挙げられる。
イカスミ含有ソースは、典型的には、イカ体内から取り出したイカスミを用いて調製されるが、イカスミは粘性が高いので、スパゲティ等の食品に付着させて食する際には均一に溶解及び分散させる必要がある。またソースに含まれる原料によっては、イカスミ成分が凝集して凝集体を形成してしまい、該凝集体が斑点状となって食品の外観が悪くなったり、ざらざらとした食感を有し、舌触りが悪くなったりすることがある。
このような問題を解決する技術として、例えば特許文献1には、イカスミとともに、ワキシーコーンスターチ、キサンタンガムおよびタマリンドガムから選択される1種を用いると、イカスミを含む食品をレトルト殺菌しても、滑らかな食感を有することが記載されている。また特許文献2には、イカスミの水希釈液として、色濃度(550nm)が、400以上2000以下であり、粘度が50.0mPa・s以上2000mPa・s以下とすると、食品や飲料に好適なイカスミ色素水性分散体が得られることが記載されている。
特開平9-285275号公報 特開2012-207140号公報
ところで、イカスミを含有するソース等の製品は、イカスミ成分に起因するガスが製品の製造中及び保存中に発生することがある。特に、このような製品を密封容器等に保存した場合には、発生したガスによって、容器の膨張等の不具合が生じやすくなったり、また、発生したガスによってイカスミ成分が凝集したり、ソース成分の分散が不均一になったりして、ソースの外観や食感が悪化することがあった。このような点に関して、特許文献1及び2では何ら検討されていない。
したがって、本発明の課題は、製造後にガスの発生がほとんどなく、しかもイカスミがよく溶解及び分散していて、外観及び食感が良好なイカスミソースの製造方法を提供することにある。
本発明者は、意外にも、イカスミを含む水性液を酸性条件下で加熱することによって、イカスミ成分に起因するガスの発生を促進させ、イカスミソース製造後のガス発生量を大幅に低減させることができ、前記課題の解決に有効であるとの知見を得た。
すなわち本発明は、イカスミを含む水性液を酸性条件下で加熱する工程を備えるイカスミソースの製造方法であって、
(1)イカスミを0.1~10質量%含む水性液を調製する工程と、
(2)前記水性液のpHを5.5以下に調整する工程と、
(3)前記水性液を75℃以上で加熱処理する工程とを有する、イカスミソースの製造方法を提供するものである。
また本発明は、前記製造方法によって得られたイカスミソースを密封容器に収容する、容器詰イカスミソースの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、長期保存が可能であり、且つ保存中にガスが発生しづらくなっていながらも、イカスミがよく溶解及び分散して、ざらつきのない良好な舌触りのイカスミソースを、格別特殊な工程を要せずに簡単に製造することができる。
以下に本発明の製造方法を、その好ましい実施形態に基づいて説明する。本発明によって製造されるイカスミソースは、イカスミを所定の割合で含む水性液を酸性条件下で加熱処理して得られるものである。このイカスミソースは、他の食材又は料理とともに喫食されるものであり、常温(25℃)において、後述する固形食材を含有し得る液状物又は流動物である。以下の説明では、「X~Y[Z]」(X及びYは任意の数字、[Z]は任意の単位)と記載した場合、特に断らない限り「X[Z]以上Y[Z]以下」を意味する。
イカスミソースの製造方法は、以下の工程(1)~(3)に大別される。これらの工程は同時に行ってもよく、各工程を順不同で行ってもよい。
(1)イカスミを0.1~10質量%含む水性液を調製する工程。
(2)前記水性液のpHを5.5以下に調整する工程。
(3)前記水性液を75℃以上で加熱処理する工程。
本発明で用いられるイカスミは、イカの体内に備わる墨汁嚢(墨袋)に蓄えられている黒褐色の液体であり、粘性を有している。イカスミは、墨袋から取り出したものをそのまま利用してもよく、墨袋から取り出した液体を網で濾す等して、異物等の固形分を除く処理を行ったものを用いてもよく、墨袋から取り出した液体と、酒、醤油、味醂等の液体調味料及び水の少なくとも一種と混和したものを用いてもよく、墨袋から取り出した液体を乾燥させて、粉末状のものを用いてもよい。このようなイカスミは、市販品を用いてもよい。本発明に用いられるイカスミを産生するイカの種類に特に制限はなく、コウイカ等のコウイカ目、ヒメイカ等のダンゴイカ目、ヤリイカ、アオリイカ等の閉眼目、スルメイカ等のツツイカ目、トグロコウイカ目を例示することができる。
工程(1)では、イカスミを0.1~10質量%含む水性液を調製する。本明細書における「水性液」とは、水を50質量%以上含む水性液媒に、イカスミの水溶性成分を溶解、且つ固形成分等の水不溶性成分を懸濁させた液であり、イカスミの水溶液及び水分散液の双方の態様を含むものを指す。水性液中の水の含有量は、好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上である。本工程において、イカスミを水性液媒に混合させる方法は特に制限はなく、例えば一方に他方を添加してもよく、同時に混合してもよい。
水性液中のイカスミの含有量は、製品となるイカスミソースに求められるイカスミの風味に応じて適宜調整すればよいが、イカスミの固形分質量基準で、好ましくは、0.1~10質量%、より好ましくは1~8質量%、更に好ましくは2~6質量%である。このような範囲であれば、水性液中のイカスミの溶解性・分散性が高く維持されるので、イカスミ成分が凝集しづらくなり、黒色が均一で良好な外観を有するイカスミソースを得ることができる。
上述した水性液は、水性液媒として水のみを用いてもよく、水に加えて、ソースの製造に用いられる他の原材料を含む水性液媒を用いてもよい。そのような原材料としては、イカスミソースの製造において通常用いられる原材料を特に制限なく用いることができ、例えば、植物油、動物油、硬化油等の各種油脂;糖、食塩、醤油、食酢、酒、味醂等の各種調味料;各種香辛料;小麦粉、ゼラチン等の各種増粘剤;各種乳化剤;牛乳、卵液等の乳化液体;畜肉類、魚介類(魚卵を除く)、野菜類、キノコ類、麩などの固形具材等が例示でき、これらの一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。固形具材を含む場合、目的とするイカスミソースの全質量に対して、30質量%以下となるように添加することが好ましい。この場合、水性液中のイカスミの含有量は、固形具材の質量を除いた水性液の全質量に基づいて算出する。
水に加えて他の原材料を含む水性液媒を用いて水性液とする場合、添加するイカスミは、油脂と接触させる前に水性液体に接触させることが好ましい。すなわち、イカスミを接触させる水性液媒としては、油脂を含まない水性液体を用いるか、又は乳化した水性液体(エマルション)を用いることが好ましい。本明細書における油脂とは、水と油脂との混和物を静置すると容易に層分離する、常温(25℃)において液体又は固体の疎水性物質を指し、油脂のみからなる液体は本明細書における水性液媒には含まれない。水と層分離する油脂を乳化していない状態で含む水性液媒を用いる場合には、例えば水相とイカスミとが直接接触するように、且つ油相と直接接触しないように添加して、その後、水性液媒全体に混合させればよい。このような方法でイカスミを溶解・分散させることによって、イカスミ成分の凝集を一層効果的に抑制することができ、黒色が均一で良好な外観を有するイカスミソースを簡便に得ることができる。
工程(2)では、水性液のpHを、好ましくは5.5以下、より好ましくは4~5.5、更に好ましくは4~5に調整する。水性液のpHをこのような範囲に調整することによって、イカスミソースの製造時に、イカスミ成分に起因するガスの放出を促進させることができ、この促進効果は後述する工程(3)を行うことによって更に顕著となる。これに加えて、製造されたソースを喫食したときに、意図しない酸味の知覚と、イカスミの独特な臭みの知覚とを両立して低減することができる。
pHの調整は、例えばクエン酸、グルコン酸、コハク酸、乳酸、酢酸、アスコルビン酸等の酸類;炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の塩類等といった、食用に用いることができるpH調整剤を用いたり、これらの酸類及び塩類を含む食材を添加したりすることで調整することができる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。上述したpHの測定は、少なくとも酸性領域のpH検出が可能な方法であれば特に制限はなく、例えばリトマス試験紙等のpH試験紙を用いて測定することができる。
工程(3)では、イカスミ含有水性液を所定の温度以上で加熱処理する。加熱処理における水性液の加熱温度は、好ましくは75℃以上、より好ましくは75~100℃、更に好ましくは80~99℃、特に好ましくは90~98℃である。このような温度で加熱処理することによって、イカスミソースの製造時に、イカスミ成分の均一性を維持した状態で、外観及び食感が良好なソースを得ることができる。これに加えて、イカスミ成分に起因するガスの放出を促進させることができるので、ソースを容器に収容して保存したときに、発生したガスによる容器の膨張を防ぐことができ、外観及び食感が維持されたものとなる。更に、製造されたソースを喫食したときに、イカスミの独特な臭みの知覚を低減させることができる。
加熱時間は、加熱温度が上述した範囲にあることを条件として、好ましくは1~60分、より好ましくは2~40分、更に好ましくは3~30分である。このような時間で加熱処理することによって、イカスミ成分に起因するガスを十分に放出させることができ、その結果、イカスミ成分の均一性を維持した状態で、外観及び食感が良好なソースを効率良く製造することができる。
上述した工程(1)~(3)は、これらを同時に行ってもよく、順不同で行ってもよい。具体的には、水性液媒に対して、イカスミの溶解・分散及びpH調整を行いながら加熱処理を行ってもよく、イカスミの溶解・分散及びpH調整を任意の順序又は同時に行って水性液とした後、該水性液を加熱処理してもよく、イカスミの水性液を加熱しながらpH調整を行ってもよい。これらのうち、イカスミ成分からのガスの放出を十分に行って、ソースの品質及び外観を長期間維持させる観点から、工程(1)及び工程(2)を任意の順序で又は同時に行った後、工程(3)を行うことが好ましい。すなわち、イカスミの溶解・分散及びpH調整を任意の順序又は同時に行って水性液とした後、該水性液を加熱処理することが好ましい。
本発明の製造方法においては、必要に応じて、各工程(1)~(3)の前後、あるいは途中で、前記の各種原材料を添加して、目的とするイカスミソースを製造することができる。具体的には、目的とするイカスミソースの成分割合となるように、イカスミを除く原材料を予め混和させた水性液媒を用いて工程(1)~(3)を行ってもよく、工程(1)を経た水性液に対して各種原材料を添加し、その後工程(2)及び(3)を行ってもよく、工程(1)及び(2)を経た水性液に対して各種原材料を添加し、その後工程(3)を行ってもよく、工程(1)~(3)を経た後に各種原材料を添加してもよく、各工程(1)~(3)を行っている途中に各種原材料を添加してもよい。いずれの方法であっても、製造されるイカスミソース中のイカスミの含有量は、該ソースの全質量に対して、イカスミの固形分質量基準で、好ましくは0.08~8質量%、さらに好ましくは0.1~5質量%である。この含有量は、工程(1)におけるイカスミの含有量を変更することによって適宜調整することができる。
以上の工程を経て製造されたイカスミソースは、これをそのまま喫食に供してもよく、該ソースを容器に収容し密封して、容器詰イカスミソースとすることができる。容器詰イカスミソースは、常温、冷蔵又は冷凍条件下で保存してもよい。イカスミソースを密封容器に収容する工程を更に備えることによって、製造されるイカスミソースの取り扱い性、運搬性及び保存性等を向上させて市場流通に適したものとなる。なお密封とは、収容物に対して、固体、液体及び気体のすべてが混入及び流出しない状態で包装された形態を指す。
イカスミソースを密封するために用いられる容器は、密封可能な形態であれば特に制限はなく、プラスチック、ガラス、金属若しくはこれらの組み合わせからなる袋体又は成形体等を用いることができ、より具体的には、プラスチック容器、瓶、缶、パウチ容器等が挙げられる。イカスミソースを密封包装する際には、その内部に気体が封入されないように脱気状態で包装してもよく、あるいは不活性ガス置換充填等のガス置換処理が施されてもよい。
容器詰イカスミソースは、レトルト殺菌処理を更に行って、レトルトソースとしてもよい。このレトルトソースは、イカスミソースを密封包装した後で殺菌処理されたものであるので、イカスミソースとレトルトソースとは、具材及び構成成分並びにこれらの含有量は実質的に同一のものである。
レトルト殺菌処理における加熱条件は、本技術分野で通常行われる条件とすることができ、好ましくは100~140℃の温度で、好ましくは5~60分の時間とすることができる。このような範囲で殺菌処理することによって、イカスミソースの外観及び食感を良好に保ちつつ、食品の腐敗及び変敗の原因となる微生物を効果的に殺菌し、長期保存が可能となる。
以上の工程を経て製造されたイカスミソースは、酸性条件下で加熱処理されたものであるので、イカスミ成分に起因するガスの発生が製造後も低減されたものとなる。また、イカスミ成分の凝集を発生しにくくして、イカスミがソース中によく溶解・分散された、均一な黒味を有する良好な外観と、ざらつきのない良好な舌触りとを高いレベルで両立したイカスミソースを格別特殊な工程を要せずに簡便に得ることができる。
市場に流通されるソースは、典型的には、容器に収容された状態となっているところ、イカスミを含有した容器詰ソースは、イカスミ成分に起因するガスが容器内に放出され、蓄積してしまうので、発生したガスによって、ソース成分の溶解性及び分散性が悪化したり、容器が膨張したりしてしまう。その結果、流通過程や小売店での保存中に、ソースの外観や食感が製造直後と比較して劣ってしまったり、容器詰されているソースの外観が悪化したり、あるいは容器の不具合が生じ、市場流通に適さない商品となるおそれがあった。このような問題点について、本発明によれば、イカスミ成分に起因するガスを、イカスミソースの製造中に十分に放出させることができるので、イカスミソースの製造後及び保存中に発生するガスを大幅に低減させることができる。その結果、本発明のイカスミソースを容器詰とした場合であっても、イカスミがソース中に溶解・分散され、良好な外観と、ざらつきのない良好な舌触りとを高いレベルで両立した状態を維持しつつ、容器詰めされた商品の外観の悪化や不具合が生じづらいものとなる。
本発明の製造方法が適用できるソースの種類としては、イカスミを原料として製造可能なソースいずれも挙げることができ、例えば、ミートソース、ホワイトソース、クリームソース、カルボナーラソース、オイルソース、トマトソース、バターソース、醤油ソース等の和風ソース等を例示できる。本発明のイカスミソースは、例えば、パスタ料理、米飯類、フィリング材、付合せ用ソース等に好適であり、特にパスタソースやリゾットソースとして好適である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1~6、8~13、並びに比較例1及び3〕
イカスミの原材料として、コウイカの墨袋より取り出したイカスミ(水分量:92質量%)を用いた。
工程(1)~(3)を、以下に示す手順で順次行った。
工程(1):イカスミ原材料を少量の酒でのばし、これを網で濾して、残存した異物や凝集物等の固形物を除去したものを、イカスミとして用いた。次いで、コンソメスープとトマトピューレ(固形分を除いたもの)とを3:1(質量割合)で混合し、塩、味醂、醤油で調味した調味液媒(pH5.8)と、前記イカスミとを、以下の表1及び表2に示す分量で溶解・分散させ、イカスミ水性液とした。
工程(2):工程(1)で得られたイカスミ水性液にアスコルビン酸を加えて、該水性液のpHを以下の表1及び表2に示す値となるように調整し、pH調整水性液を得た。
工程(3):工程(2)で得られたpH調整水性液を鍋に入れて加熱し、該水性液の品温が以下の表1及び表2に示す加熱温度に達した後、10分間加熱し、火を止めた。その後、鍋及び内容物を氷水で冷却し、目的とするイカスミ含有トマトソースを得た。
〔実施例7及び比較例2〕
工程(1)において、イカスミ原材料を少量の油脂(大豆油)でのばしたイカスミを用いた以外は、実施例1と同様にしてイカスミ含有トマトソースを製造した。
<ガス発生の評価>
各実施例及び比較例のイカスミ含有トマトソースを100gずつ、パウチ容器に脱気密封して容器詰ソースとし、これを120℃で30分間レトルト殺菌処理した。室温に冷却後、室温のまま10日間保存した。保存後の各パウチ容器を水中で開封し、起泡の有無、即ちガス発生の有無を、以下の基準で目視にて確認した。結果を以下の表1及び表2に示す。
・「有」:パウチ容器を水中で開封すると泡が観察され、保存後のソースからガスが発生している。
・「無」:パウチ容器を水中で開封しても泡は観察されず、保存後のソースからガスが発生していない。
<ソース舌触りの評価>
各実施例及び比較例のイカスミ含有トマトソースを、10名の専門パネラーに喫食してもらい、以下の評価基準に従って、ソースの舌触りを評価してもらった。その結果を10名の評価点の算術平均値として、以下の表1及び表2に示す。なお表2には、比較のために、表1に示す実施例4を再掲している。
実施例及び比較例とは別に、参考例として、従来から行われている舌触りが極めて良好なソースの製造方法でイカスミ含有トマトソースを製造した。すなわち、前記調味液媒を鍋に入れて加熱し、品温が90℃に達した後、10分間加熱し、その後、実施例1と同様に調製したイカスミ混和液を添加して混合し、イカスミ含有トマトソースを製造した。本参考例は、ざらつきが全く感じられず、ソースの舌触りが極めて良好であるので、「5点」として評価した。
<ソース舌触りの評価基準>
5点:ざらつきが全く感じられず、ソースの舌触りが極めて良好。
4点:ざらつきがわずかに感じられるが、ソースの舌触りが良好。
3点:ざらつきがやや感じられ、ソースの舌触りはやや不良。
2点:ざらつきが強く感じられ、ソースの舌触りは不良。
1点:ざらつきが非常に強く感じられ、ソースの舌触りは極めて不良。
Figure 0007262336000001
Figure 0007262336000002
表1及び表2に示すように、各実施例のイカスミソースは、比較例と比較して、ガスの発生もなく、ソースの黒味が均一で良好な外観を有し、且つ舌触りが滑らかで良好な食感を有するものであることが判る。特に、本発明の好適な態様である実施例3~6及び実施例9~13によれば、強い酸味を感じず、イカスミ成分が凝集せず、且つ参考例と同等のレベルの舌触りが滑らかで良好な食感を有するソースが簡便に製造できることが判る。

Claims (3)

  1. イカスミを含む水性液を酸性条件下で加熱する工程を備えるイカスミソースの製造方法であって、
    (1)イカスミを0.1~10質量%含む水性液を調製する工程と、
    (2)前記水性液のpHを5.5以下に調整する工程と、
    (3)前記水性液を75℃以上で加熱処理する工程とをこの順でし、
    前記(1)の工程において、前記イカスミ、水性液体及び油脂を用い、且つ
    前記イカスミを、前記油脂と接触させる前に前記水性液体に接触させて前記水性液とする、イカスミソースの製造方法。
  2. 前記(2)の工程において、前記水性液のpHを4~5に調整する、請求項に記載の製造方法。
  3. 容器詰イカスミソースの製造方法であって、
    (1)イカスミを0.1~10質量%含む水性液を調製する工程と、
    (2)前記水性液のpHを4~5.5に調整する工程と、
    (3)前記水性液を80~99℃で加熱処理してイカスミソースを得る工程と、
    (4)前記イカスミソースを、密閉容器に収容して密閉する工程と、をこの順で有する容器詰イカスミソースの製造方法。
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[釣食]イカ墨パスタ,クックパッド,2017年03月19日,https://cookpad.com/recipe/3237333
イカスミパスタ ペーストにひと工夫,クックパッド,2015年10月01日,https://cookpad.com/recipe/2742656

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