JP2013247869A - 卵加工食品の変色防止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
卵本来の鮮やかな色調を有する卵加工食品を提供する。
【解決手段】
卵加工食品に、発酵セルロースを添加することにより、硫化黒変による変色を抑制する。
【選択図】なし
卵本来の鮮やかな色調を有する卵加工食品を提供する。
【解決手段】
卵加工食品に、発酵セルロースを添加することにより、硫化黒変による変色を抑制する。
【選択図】なし
Description
本発明は、卵加工食品の変色防止方法に関する。具体的には、サンドイッチなどに使用されるフィリング用のゆで卵や、卵焼き、薄焼き卵、オムレツ、スクランブルエッグ等の液卵を主原料とする卵加工食品の加熱加工時に生じる、黒変(硫化黒変)や緑変と呼ばれる変色を防止する方法に関する。さらに、卵加工食品がカルボナーラやカスタードソース等に利用されるタマゴソースである場合に、これらの凝集抑制効果も有する卵加工食品の変色防止方法に関する。
卵を原料とする加工食品としては、サンドイッチなどに使用されるフィリング用ゆで卵や、卵焼き、薄焼き卵、オムレツやスクランブルエッグ、カルボナーラやカスタードソース等に利用されるタマゴソース等の各種食品が知られている。これら卵加工食品は、家庭や店舗で直接調理された際、その加熱により卵黄の表面に硫化黒変、緑変と呼ばれる変色が生じることが問題となっている。この変色は、卵白中のシスチン、メチオニンといったアミノ酸に含まれる硫黄から加熱によって発生する硫化水素と、卵黄中の鉄分が反応して硫化鉄となることで生じるものであることが知られている。
このような変色は、卵黄の鮮やかな黄色の色調を失わせ、食品の外観を損なうものとして問題視されている。この変色を防止するために、様々な検討がなされている。具体的には、平均粒径0.01〜1μmの卵殻を含有させて加熱凝固卵加工食品を製造する方法(特許文献1)、全卵、卵黄、卵白といった卵原料に酸性可溶大豆たん白を加配することによる加熱後の変色防止方法(特許文献2)、有機酸及びメチオニン、並びにグルタミン酸ナトリウム、プロリン、アラニン、セリン、トレオニン、及びバリンから選ばれる一種又は二種以上を添加してなる卵製品(特許文献3)、茹で卵の製造方法において、特定の加熱条件によるもの(特許文献4)、卵の凝固物を具として含有し、クエン酸ナトリウム等のクエン酸塩等の有機酸塩を添加し、加圧加熱殺菌してなる密封容器詰である卵含有加圧加熱食品(特許文献5)、加熱凝固卵がそのまま、または溶液と共に酸素非透過性容器に充填され、容器内を酸素を補強した雰囲気にして、特定の空気圧で密封されることにより得られる卵加工品(特許文献6、特許公報7)、殻付生卵を少なくとも70℃以上の蒸気または熱水シャワーの雰囲気下で曝した後、インバーター電源の出力300〜400Wのマイクロ波で加熱処理して得る茹で卵(特許文献8)、クエン酸及び/又はその塩を含有させることにより卵加工品の黄色を鮮やかに保つことができる色調改良剤(特許文献9)、加熱加工された卵製品を気密性包装容器に収容し、この包装容器にエチルアルコールと二酸化炭素と窒素ガスとの混合ガスを充填し、次いで包装容器を密封して加圧状態で過熱殺菌処理した卵製品(特許文献10)、卵白にシスチンを添加することにより、加熱時に硫化水素の生成を抑え、硫化水素臭を低減した卵白組成物(特許文献11)、寒天やジェランガム等の冷却凝固材に油脂と乳化材を加え、水中油型の状態で凝固させた、酸性条件下でもゴム質化や褐変現象を生じることがなく、タルタルソース等の具材等に有用な卵白様凝固物(特許文献12)、新鮮で、大きさの揃った殻付きの卵を、特定の温度、時間で加熱し、次いで速やかに冷却した後、殻をむき、ゆでたまご表面を加熱殺菌する業務用ゆでたまご商品の製造方法(特許文献13)、袋内の茹で卵と空気の容積比を特定の範囲とし、かつ、袋表面に張りがある袋入り茹で卵(特許文献14)、卵蛋白にトランスグルタミナーゼを添加して処理してなり、かき卵ベースが特定の粘度のものである食品(特許文献15)、玉子焼きを缶詰あるいはレトルトパウチ詰めにした常温保存性玉子焼き食品包装体(特許文献16)、小麦粉由来の水不溶性繊維質を含有する卵焼き(特許文献17)、液卵を含む原料を濾過し、高温の油中にシャワー状に入浴させ、油槽より取り出し、脱油及び冷却することによる粒状乾燥卵(特許文献18)、卵黄を油脂中に加え、これを攪拌して減圧下で加熱脱水し、その脱水の最終段階において、油温を特定温度に上昇させた後、遠心分離にかけて脱油して粉末卵黄を得る方法(特許文献19)、生卵を無害な弱酸性処理液につけこんだ後取り出してゆで、大気中に放置し、その後食塩等の調味料を含有するつけこみ液につけることにより、ゆで卵の卵黄の黒色化を防止する方法(特許文献20)、熱可塑性樹脂中に有機酸を含有せしめて製膜化して湯煮卵包装用フィルムとすることにより、金属封鎖剤等の化学薬品を使用することなく、湯煮卵の黒化を防止する(特許文献21)、特定の分子量のキトサン分解物を添加することによる、色調劣化の改善された卵加工品の製造方法(特許文献22)、鶏卵を加熱して半熟にした後に熟成し、食塩水中に漬すことにより、卵に適当な塩味を浸透させると同時に卵黄表面が黒変するのを防止する方法(特許文献23)、ピータンを容器に収納後密封する時、該容器内に脱酸素剤を共存させて得られる、特に脱殻したピータンの変色、褪色を防止させたピータン包装体(特許文献24)、茹で卵をクエン酸の希薄溶液に浸漬することにより、卵黄表面と卵殻膜の黄変、卵黄表層の濃緑色〜黒色化を防止させる方法(特許文献25)等が開示されている。
しかし、これらの技術では、卵の変色の防止効果は見込めるものの、そのために添加する成分(pH調整剤やキレート剤)の風味が食品に影響を及ぼしたり、変色防止のために工程を追加する必要があるなど、不利不便が生じていた。
一方では、加熱による凝集物の発生をも改善できる技術が求められており、平均粒子径が15μm以下であるセルロース類を配合することを特徴とする卵黄組成物(特許文献26)、卵黄、増粘多糖類、デキストリン及び水を含有する懸濁液を加熱、凝固させた後、微細化処理する卵黄含有食品用原料の製造方法(特許文献27)、液卵とセルロースとを含有する液卵組成物(特許文献28)等が開示されているが、いずれも十分な解決方法を提示するものではなかった。
一方では、加熱による凝集物の発生をも改善できる技術が求められており、平均粒子径が15μm以下であるセルロース類を配合することを特徴とする卵黄組成物(特許文献26)、卵黄、増粘多糖類、デキストリン及び水を含有する懸濁液を加熱、凝固させた後、微細化処理する卵黄含有食品用原料の製造方法(特許文献27)、液卵とセルロースとを含有する液卵組成物(特許文献28)等が開示されているが、いずれも十分な解決方法を提示するものではなかった。
本発明では、家庭や店舗で直接調理される場合と遜色ない、卵本来の鮮やかな黄身の色調を維持した卵加工食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、卵加工食品について鋭意研究した結果、発酵セルロースを卵加工食品に添加することにより、卵の硫化黒変として知られている色調の変化を防止できること見出し、本発明を完成するに至った。さらには、卵加工食品がタマゴソースの場合にあっては、変色防止とともにタマゴソースの凝集を抑制するとの知見も得た。このようなタマゴソースの凝集を抑制する技術に関しては、上記特許文献26等に開示されているが、発酵セルロースを使用すること、タマゴソースの変色を防止するとともに凝集抑制をも提供する方法は、未だに開示されていない新規な技術である。
即ち、本発明は以下の態様を有する卵加工食品に関する;
項1
発酵セルロースを添加することを特徴とする卵加工食品の変色防止方法。
項2
発酵セルロースの添加量が、発酵セルロースとして0.006〜0.6質量%である項1に記載の卵加工食品の変色防止方法。
項3
卵加工食品が、タマゴソース、タマゴ焼き、タマゴサラダ、茶碗蒸し、オムレツ又はスクランブルエッグである、項1又は2に記載の卵加工食品の変色防止方法。
項1
発酵セルロースを添加することを特徴とする卵加工食品の変色防止方法。
項2
発酵セルロースの添加量が、発酵セルロースとして0.006〜0.6質量%である項1に記載の卵加工食品の変色防止方法。
項3
卵加工食品が、タマゴソース、タマゴ焼き、タマゴサラダ、茶碗蒸し、オムレツ又はスクランブルエッグである、項1又は2に記載の卵加工食品の変色防止方法。
さらに、本発明に係る卵加工食品がカルボナーラやカスタードソース等に用いられるタマゴソースである場合に、該タマゴソースの凝集を抑制するとの知見に基づく、下記発明に関する;
項4
卵加工食品がタマゴソースである場合に、凝集抑制効果を奏するものである項1〜3に記載の卵加工食品の変色防止方法。
項4
卵加工食品がタマゴソースである場合に、凝集抑制効果を奏するものである項1〜3に記載の卵加工食品の変色防止方法。
本発明により、卵加工食品に対し硫化黒変の発生を、さらにタマゴソースにあっては変色防止とともに凝集抑制方法を提供することが可能となった。具体的には、サンドイッチなどに使用されるフィリング用のゆで卵や、タマゴ焼き、薄焼き卵、タマゴサラダ、茶碗蒸し、オムレツ、スクランブルエッグ等の卵黄を含む液卵を主原料とする卵加工食品の加熱加工時に生じる、黒変(硫化黒変)や緑変と呼ばれる変色を防止し、卵黄の鮮やかな色調を維持した卵加工食品を提供することが可能となった。また、卵加工食品がカルボナーラやカスタードソース等に用いられるタマゴソースである場合には、タマゴソースの凝集を抑制する方法を提供することが可能となった。
本発明の卵加工食品は、発酵セルロースを添加し調製することを特徴とする。
本発明で用いられる発酵セルロースは、セルロース生産菌が生産するセルロースであれば特に限定されない。通常、セルロース生産菌を既知の方法、例えば特開昭61−212295号公報、特開平3−157402号公報、特開平9−121787号公報に記載される方法に従って培養し、得られる発酵セルロースを所望に応じて適宜精製することによって製造することができる。
本発明で用いられる発酵セルロースは、セルロース生産菌が生産するセルロースであれば特に限定されない。通常、セルロース生産菌を既知の方法、例えば特開昭61−212295号公報、特開平3−157402号公報、特開平9−121787号公報に記載される方法に従って培養し、得られる発酵セルロースを所望に応じて適宜精製することによって製造することができる。
また、本発明の発酵セルロースは、特開平9−121787号公報に記載される方法に従い、キサンタンガム、グァーガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、カラギナン、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カードラン、アラビアガム、カラヤガム、ガティガム、サイリウムシードガム、ネイティブ型ジェランガム、タラガム、プルラン、ラムザンガム、マクロホモプシスガム、スクシノグリカン、大豆多糖類(水溶性ヘミセルロース)、HPMCやHPC以外の水溶性セルロースエーテル(メチルセルロースなど)やゼラチンといった増粘多糖類の一種以上と複合化していることが好ましい。好ましくは、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、キサンタンガム、グァーガムとの複合体であり、簡便には、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社のサンアーティスト(商標)PXシリーズ、同PGシリーズを利用することができる。
発酵セルロースは、卵加工食品に添加する前に、事前に水溶液の状態としておくことで、用意に卵加工食品へ添加することができる。具体的には、発酵セルロース又は発酵セルロースを含有する製剤(例:三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製 サンアーティスト(商標)PXシリーズ等)を水に溶解して液卵と混合するか、或いは直接液卵に発酵セルロースを添加して撹拌混合して発酵セルロース含有液卵としてもよい。
本発明の効果を享受できる卵加工食品は、卵黄を原料として使用するものであれば制限無くあげることができる。特に卵を一旦液卵として使用するものが好ましい。具体的には、だし巻き卵、厚焼き卵、薄焼き卵(オムライスシート、錦糸卵)、スクランブルエッグ、オムレツ、茶碗蒸し、芙蓉蟹等の加熱調理によって得られるもの;カルボナーラやカスタードソース等に使用するタマゴソースのような液状のものが挙げられる。
また、スクランブルエッグやオムレツなどは、炒り卵部とタマゴソース部を別途調製し混合することで、特有の半熟食感を再現する場合があるが、本発明の卵加工食品であっても同様の調製方法を採ることができる。
卵加工食品に対する発酵セルロースの添加量は、卵加工食品の種類や求められる食感によって適宜調整することが可能である。
例えば、スクランブルエッグのような加熱調理を行う場合は0.006〜0.6質量%の範囲が例示できる。上記記載の下限添加量を下回ると本発明の卵加工食品の変色抑制効果を十分に得られず、一方で上記記載の上限添加量を上回った場合でも、変色抑制効果は得られるものの、加熱処理をしても卵が固まりにくいため、長時間の加熱が必要となり、焦げが生じ、見栄えの良いスクランブルエッグを調製することが困難となる。
例えば、スクランブルエッグのような加熱調理を行う場合は0.006〜0.6質量%の範囲が例示できる。上記記載の下限添加量を下回ると本発明の卵加工食品の変色抑制効果を十分に得られず、一方で上記記載の上限添加量を上回った場合でも、変色抑制効果は得られるものの、加熱処理をしても卵が固まりにくいため、長時間の加熱が必要となり、焦げが生じ、見栄えの良いスクランブルエッグを調製することが困難となる。
また、卵焼き、薄焼き卵、オムレツ、スクランブルエッグ、及びこれらの原料に使用されるタマゴソース等の食品に対しては、卵加工食品中、発酵セルロースを0.006〜0.6質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%添加することが望ましい。添加量が0.006質量%を下回ると本発明の効果が十分に得られない場合があり、一方で添加量が0.6質量%を上回ると、粘度が高くゲルに近い物性となり、滑らかな食感を損なう場合がある。
これら卵加工食品の製造は、製造原料の一つに発酵セルロースを追加するだけでよく、特に製造条件に変更を加える必要はなく各々の製造方法に準じて行うことができる。そのため、新たな製造装置の追加を必要とせず、既存の工場設備を利用できるメリットがある。
卵加工食品に対する発酵セルロースの添加時期は特に限定されず、最終食品である卵加工食品に発酵セルロースが含有されていればよい。具体的には、発酵セルロース溶液を卵加工食品の原材料を混合する際に添加する方法等を用いることにより、家庭や店舗で調理した直後と遜色ない、鮮やかな卵本来の色調を有する卵加工食品を提供することが可能となる。
その他、本発明の効果を妨げない範囲において、上述の各卵加工食品に添加することが知られている各種原料、例えばニンジンやトマト、グリーンピース等の野菜片やベーコン、かまぼこ等の畜肉水産加工品;マーガリンやバター等の食用油脂;生クリーム、牛乳等の乳及びその加工品;ホエイ、濃縮乳、ヨーグルト等の乳製品;砂糖、トレハロース、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、ステビア抽出物、サッカリン、アリテーム、ネオテーム等の甘味料をはじめ、塩やコショウ、ケチャップ、マヨネーズ、ソース等の調味料;その他香料、着色料、酸化防止剤、日持ち向上剤、保存料、有機酸等の酸味料などの食品添加物を制限無く利用できる。
また、発酵セルロース及びその製剤に使用する以外にも、卵加工食品の増粘や安定化目的のためにローカストビーンガム、カラギナン、ジェランガム、タマリンドシードガム、アラビアガム、ペクチン、ゼラチン、タラガム、セルロース類、大豆多糖類などを添加することもできる。
上記の通り、本発明によって卵加工食品の硫化黒変として知られる変色を効果的に抑制することが可能となる。また、本発明を利用することによって、従来変色抑制のために使用されていたpH調整やキレート剤添加の必要がないため、卵本来の風味を損なわず、硫化黒変の原因となる硫黄を生じないため、食品の硫黄臭も生じないというメリットもある。さらに、カルボナーラに使用するタマゴソースについては、硫化黒変による変色に加え、タマゴソースの凝集を抑制するため見栄えがよく、パスタにタマゴソースが均一にからまるため、濃厚な風味を楽しむことが可能となる。また、カスタードソースについては、硫化黒変を抑制するため、変色の抑制とともに硫黄臭の低減につながり、タマゴ風味を損なうことなく、デザートやパンにトッピングすることが可能となる。
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「質量部」「質量%」、文中「*」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。尚、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の発酵セルロース製剤「サンアーティスト(商標)PX」には、発酵セルロースは20%含まれている。
次の処方に基づき、タマゴソースを調製した。
<調製方法>
1)水に処方中2〜10を入れて、10分間攪拌した。
2)1を加えて、さらに5分間攪拌した。
3)容器に充填後、85℃で60分間加熱した。
4)粗熱を除去した後、タマゴソースの硫化黒変の状態を、目視にて確認した。
1)水に処方中2〜10を入れて、10分間攪拌した。
2)1を加えて、さらに5分間攪拌した。
3)容器に充填後、85℃で60分間加熱した。
4)粗熱を除去した後、タマゴソースの硫化黒変の状態を、目視にて確認した。
<評価結果>
本発明にかかるタマゴソース(実施例1〜3)は、ほとんど変色は認められず、鮮やかな黄色を呈していた(図1)。また、硫黄臭が少なく、凝集のない滑らかな食感を有していた。
一方、発酵セルロース等の多糖類を含まない比較例1で得られたタマゴソースは、全体的に黒味がかかった色調に変色しており(図2)、硫黄臭が強く感じられた。また、部分的に凝集が生じており、全体的に滑らかな状態を維持できていなかった。さらに、発酵セルロース製剤の添加量が少ない比較例2のタマゴソースは、やや黒色に変色し硫黄臭も感じられ、本発明の効果が得られていないことが明らかであった。また、発酵セルロース製剤の添加量が多い比較例3のタマゴソースは、粘度が高くなり、部分的にゲルっぽい物性となり、滑らかな食感を有していなかった。セルロースの一種である微結晶セルロース(比較例4)、メチルセルロース(比較例5)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na、比較例6))を使用したタマゴソースでは、卵の変色の抑制も凝集の抑制も不十分だった。
本発明にかかるタマゴソース(実施例1〜3)は、ほとんど変色は認められず、鮮やかな黄色を呈していた(図1)。また、硫黄臭が少なく、凝集のない滑らかな食感を有していた。
一方、発酵セルロース等の多糖類を含まない比較例1で得られたタマゴソースは、全体的に黒味がかかった色調に変色しており(図2)、硫黄臭が強く感じられた。また、部分的に凝集が生じており、全体的に滑らかな状態を維持できていなかった。さらに、発酵セルロース製剤の添加量が少ない比較例2のタマゴソースは、やや黒色に変色し硫黄臭も感じられ、本発明の効果が得られていないことが明らかであった。また、発酵セルロース製剤の添加量が多い比較例3のタマゴソースは、粘度が高くなり、部分的にゲルっぽい物性となり、滑らかな食感を有していなかった。セルロースの一種である微結晶セルロース(比較例4)、メチルセルロース(比較例5)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na、比較例6))を使用したタマゴソースでは、卵の変色の抑制も凝集の抑制も不十分だった。
次の処方に基づき、タマゴ焼きを調製した。
<調製方法>
1)水に1〜6を入れて、10分間攪拌した。
2)170℃で焼成した。
3)焼成後、硫化黒変の状態を目視にて確認した。
1)水に1〜6を入れて、10分間攪拌した。
2)170℃で焼成した。
3)焼成後、硫化黒変の状態を目視にて確認した。
<評価結果>
本発明にかかるタマゴ焼き(実施例4)は、ほとんど硫化黒変が起こっておらず、鮮やかな黄色を呈していた。一方、安定剤を使用してない比較例7は、暗い緑色に変色していた。また、微結晶セルロースを使用した比較例8や、メチルセルロースを使用した比較例9も暗緑色に変色し、鮮やかな黄色を有するタマゴ焼きとはならなかった。
本発明にかかるタマゴ焼き(実施例4)は、ほとんど硫化黒変が起こっておらず、鮮やかな黄色を呈していた。一方、安定剤を使用してない比較例7は、暗い緑色に変色していた。また、微結晶セルロースを使用した比較例8や、メチルセルロースを使用した比較例9も暗緑色に変色し、鮮やかな黄色を有するタマゴ焼きとはならなかった。
Claims (4)
- 発酵セルロースを添加することを特徴とする卵加工食品の変色防止方法。
- 発酵セルロースの添加量が、発酵セルロースとして0.006〜0.6質量%である請求項1に記載の卵加工食品の変色防止方法。
- 卵加工食品が、タマゴソース、タマゴ焼き、タマゴサラダ、茶碗蒸し、オムレツ又はスクランブルエッグである、請求項1又は2に記載の卵加工食品の変色防止方法。
- さらに、卵加工食品がタマゴソースである場合に、凝集抑制効果を奏するものである請求項1〜3に記載の卵加工食品の変色防止方法。
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