JP7255999B2 - 乾燥食肉製品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)以下のステップを順次備えることを特徴とする乾燥食肉製品の製造方法。
(A)食肉原料をケーシングに充填してなる食肉充填ケーシングを、温度60℃以上かつ相対湿度80%以上で0.5~8時間乾燥するステップ;
(B)前記食肉充填ケーシングを、温度25℃以下かつ相対湿度75%以下で引き続き乾燥するステップ;
(2)食肉原料が、練り肉であることを特徴とする上記(1)に記載の乾燥食肉製品の製造方法。
(3)食肉充填ケーシングが、ステップ(A)の前に50~90℃で1~6時間加熱処理されることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の乾燥食肉製品の製造方法。
(4)乾燥食肉製品の水分量が5~55質量%であることを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の乾燥食肉製品の製造方法。
(5)乾燥食肉製品が、ドライソーセージ又はセミドライソーセージであることを特徴とする上記(1)~(4)のいずれかに記載の乾燥食肉製品の製造方法。
(6)ケーシングを有する乾燥食肉製品であって、表面と中心との水分活性差が0.05以上であり、かつ水分量が5~55質量%であることを特徴とする前記乾燥食肉製品。
(7)練り肉を含むことを特徴とする上記(6)に記載の乾燥食肉製品。
(8)ドライソーセージ又はセミドライソーセージであることを特徴とする上記(6)又は(7)に記載の乾燥食肉製品。
本実施例では、ドライソーセージの製造において、低温乾燥に先立って高温乾燥を行うことにより乾燥時間が短縮されるかどうかを検証した。
原料肉(豚肉、馬肉、マトンミンチ80質量部等)を、食塩、糖類(還元水あめ、砂糖、ぶどう糖)、香辛料、発色製剤、酸化防止剤(アスコルビン酸Na等)、リン酸塩製剤、調味料(アミノ酸等)等を含む塩漬剤、並びに調味料とともに高速で混合し、以下の表1に記載の組成の練り肉を得た。
(1)18℃/RH75%
(2)18℃/RH60%
(3)70℃/RH5%で4時間乾燥後、18℃/RH60%
(4)70℃/RH95%で4時間乾燥後、18℃/RH60%
結果を図1及び表2に示す。高温高湿乾燥を行わない条件(1)、(2)と比較すると、高温高湿乾燥を低温乾燥前に加えた条件(4)で乾燥時間を220時間に短縮することができた。一方で、低湿度(RH5%)で高温乾燥を行った場合、低温乾燥期における乾燥効率が悪くなり、乾燥時間が十分に短縮されないことがわかった(図1参照)。また、高温高湿乾燥を低温乾燥前に加えた条件(4)では、条件(1)~(3)で乾燥した製品と比較してやや柔らかいドライソーセージが製造できた。いずれの条件でも、目視での色調に差は見られず、色差計測定でも顕著な差は見られなかった。
本実施例では、本発明の製造方法で得られたドライソーセージの食感を、ドライソーセージの水分活性を指標として検証した。
実施例1と同様の方法で製造した食肉充填ケーシングを、実施例1における条件(2)(高温乾燥処理なし)及び(4)(高温乾燥処理あり)で水分活性が0.870未満になるまで乾燥して、ケーシングありのドライソーセージを製造した。また、実施例1と同様の方法で製造した練り肉を、ケーシングに充填せずに直径約30mm、長さ約160mmの棒状に成型した食肉原料を、実施例1における条件(2)(高温乾燥処理なし)及び(4)(高温乾燥処理あり)で水分活性が0.870未満になるまで乾燥して、ケーシングなしのドライソーセージを製造した。
水分活性値を、表3に示す。本発明の製造方法による、ケーシングあり、高温乾燥処理ありのドライソーセージで、他の製品より表面部と中心部との水分活性の幅が大きくなった。水分活性は、低いほど食感が硬く、高いほど食感が柔らかいため、本発明の製造方法で得られたドライソーセージの表面は硬く、中心は柔らかな食感の製品であることがわかった。
本実施例では、ドライソーセージの製造において、低温乾燥中に相対湿度60%及び75%の間で相対湿度を変動させることにより、乾燥時間が短縮されるかどうかを検証した。
実施例1と同様の方法で製造した食肉充填ケーシングを、以下に示す条件で乾燥処理に供し、水分活性が0.870未満になった時点で乾燥終了とし(乾燥開始時からの歩留まり目安:65質量%以下)、乾燥開始からの時間を比較した。ここで、「⇔」は、乾燥期間中に相対湿度を交互に変更することを意味し、インターバルとは、低湿度状態(相対湿度60%)と高湿度状態(相対湿度75%)それぞれの保持時間を意味する。
(1)18℃/RH75%
(2)18℃/RH60%
(3)18℃/RH75%⇔60%/インターバル16時間
(4)18℃/RH75%⇔60%/インターバル6時間
(5)18℃/RH75%⇔60%/インターバル3時間
結果を図2及び表4に示す。インターバル6時間で相対湿度を変動させた条件(4)で、乾燥時間を222時間に短縮することができた。また、条件(4)で得られたドライソーセージは、硬さ、色調とも、他の乾燥条件で乾燥させたドライソーセージと同等の品質であった。ここでの結果より、本発明の製造方法におけるステップ(B)において、相対湿度を低湿度状態と高湿度状態の間で交互に変動させることにより、乾燥時間を短縮し得ることがわかった。
Claims (8)
- 以下のステップを順次備えることを特徴とする乾燥食肉製品の製造方法。
(A)食肉原料をケーシングに充填してなる食肉充填ケーシングを、温度60℃以上かつ相対湿度80%~95%で0.5~8時間乾燥するステップ;
(B)前記食肉充填ケーシングを、温度25℃以下かつ相対湿度75%以下で引き続き乾燥するステップ; - 食肉原料が、練り肉であることを特徴とする請求項1に記載の乾燥食肉製品の製造方法。
- 食肉充填ケーシングが、ステップ(A)の前に50~90℃で1~6時間加熱処理されることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥食肉製品の製造方法。
- 乾燥食肉製品の水分量が5~55質量%であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の乾燥食肉製品の製造方法。
- 乾燥食肉製品が、ドライソーセージ又はセミドライソーセージであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の乾燥食肉製品の製造方法。
- ケーシングを有する乾燥食肉製品であって、表面と中心との水分活性差が0.05以上であり、かつ水分量が5~55質量%であることを特徴とする前記乾燥食肉製品。
- 練り肉を含むことを特徴とする請求項6に記載の乾燥食肉製品。
- ドライソーセージ又はセミドライソーセージであることを特徴とする請求項6又は7に記載の乾燥食肉製品。
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JP2013021933A (ja) | 2011-07-15 | 2013-02-04 | Tokyo Univ Of Marine Science & Technology | 挽肉充填乾燥物の製造方法とその方法に使用する減圧乾燥装置 |
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