JP7253081B2 - 焼成治具 - Google Patents

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    • F27D3/00Charging; Discharging; Manipulation of charge
    • F27D3/12Travelling or movable supports or containers for the charge

Description

本発明は、セラミックス製品などの焼成の際、それらを載置する、焼成治具に関する。
従来、セラミックス製品などを製造する過程には、焼成炉内で被焼成物を焼成する焼成工程が含まれる。当該焼成工程では、被焼成物が焼成炉内の焼成治具に載置されて焼成される。
そして、特許文献1に開示されるような中空部が形成された枠体を有する焼成治具を用いることにより、焼成治具の通気性、軽量化、又は熱容量の低減を図っている。
特許第6274454号公報
しかしながら、焼成治具は、焼成工程において、焼成炉内へ搬送されて焼成され、また焼成後、焼成炉外へ搬出されることから、温度差が激しい環境におかれることになり、その構造の内外で、熱膨張の差が生じ易く、ひび割れや、変形(クリープ)が発生しやすい状態となっていた。
本発明は、上記課題に鑑みて、温度差が激しい使用状況下であっても、ひび割れや、変形(クリープ)が発生しにくい、焼成治具を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の焼成治具は複数の中空部と、前記中空部に架け渡された架橋部とが設けられた矩形状の枠体を有し、前記架橋部を前記枠体の外周縁に向かって延長し、交わった前記枠体の外周縁の一部に切欠部が形成され、前記枠体の外周縁の前記切欠部の長さ寸法は、前記複数の中空部に挟まれた前記架橋部の最小幅寸法の1.0~5.0倍であり、前記切欠部の前記枠体の外周縁からの最大切欠寸法は、前記枠体の外周縁の前記切欠部の長さ寸法の0.04~2.0倍(0.05~0.25倍は除く)であることを特徴とする。
この構成により、温度差が激しい状況下での使用であっても、焼成治具の構造の内外における熱膨張の差が生じにくく、ひび割れや、変形を防止することができ、スポーリング耐性を向上させることができる。

本発明の焼成治具は、温度差が激しい状況下での使用であっても、焼成治具の構造の内外における熱膨張の差が生じにくく、ひび割れや、変形を防止することができ、スポーリング耐性を向上させることができる。
本発明に係る実施形態の焼成治具の平面図である。 本発明に係る実施形態の焼成治具の正面図である。 本発明に係る実施形態の焼成治具の右側面図である。 図1に示す本発明に係る実施形態の焼成治具のA-A線断面図である。 図1に示す本発明に係る実施形態の焼成治具の部分拡大図である。 (a)は、本発明に係る実施形態の焼成治具の実施例1の平面図であり、(b)は、本発明に係る実施形態の焼成治具の実施例2の平面図である。 (a)は、本発明に係る実施形態の焼成治具の実施例3の平面図であり、(b)は、本発明に係る実施形態の焼成治具の実施例4の平面図である。 本発明に係る実施形態の焼成治具の実施例5の平面図である。 (a)は、本発明に係る実施形態の焼成治具の比較例1の平面図であり、(b)は、本発明に係る実施形態の焼成治具の比較例2の平面図である。 本発明に係る実施形態の焼成治具に被焼成物を載置した状態を示す正面図である。 本発明に係る実施形態の焼成治具が積層された状態を示す正面図である。
以下、本発明に係る実施形態の焼成治具を、添付図面に基づいて説明する。
先ず、本発明に係る実施形態の焼成治具を、添付図面に基づいて、以下説明する。図1は、本発明に係る実施形態の焼成治具の平面図である。また、図2は、本発明に係る実施形態の焼成治具の正面図である。さらに、図3は、本発明に係る実施形態の焼成治具の右側面図である。
図1に示す通り、本実施形態の焼成治具10は、枠体11と、複数の架橋部12(図1では、2つ)と、及び複数の中空部13(図1では、4つ)とを有している。また、架橋部12が枠体11の外周縁に向かって延長されて、交わった枠体11の外周縁の少なくとも一部に切欠部14が形成されている。
枠体11は、平面視において矩形状に形成されている。また、枠体11は、正面視、及び右側面視において、薄板状に形成されている。ここで、枠体11の平面視における各辺について、枠体11の外周縁の内、その上端の辺を11Aとし、その下端の辺を11Bとし、その右端の辺を11Cとし、その左端の辺を11Dとする。なお、枠体11は、図1に示したような横長の矩形状に限定されるものではなく、例えば正方形、三角形などの多角形、または円形、楕円形などのその他の形状であってもよい。
図2に示すように、枠体11は、枠体11の第1面15に形成された枠体11を支持する支持部16と、枠体11の第2面17に形成された別体の枠体11が積層される場合に鉛直方向に載置された枠体11の支持部16を受けることが可能な受け部18とが設けられてもよい。例えば、図1に示すように、支持部16、及び受け部18は、それぞれ6つ設けられている。
架橋部12は、枠体11から連続して形成されるとともに、枠体11に形成された中空部13に架け渡されるようにして配置される。本実施形態の焼成治具10では、架橋部12は、枠体11の辺11Aから辺11Bに向かって、枠体11と連続して複数設けられている。具体的には、左側に位置した架橋部12を、架橋部12Aとし、右側に位置した架橋部12を架橋部12Bとする。
ここで、図1、4に示す通り、架橋部12の複数の中空部13に挟まれた架橋部12の最小幅寸法Wは、架橋部12の厚さ寸法Tに対して、2~15倍であると好ましい。本実施形態では、後述する中空部13Aと中空部13Bとに挟まれた架橋部12Aの最小幅寸法Wは、架橋部12Aの厚さ寸法Tに対して、2~15倍であると好ましい。ここで、架橋部12Aの最小幅寸法Wが、架橋部12Aの厚さ寸法Tに対して、2倍以上である場合、架橋部12A上に載置されたセッター、及び被焼成物により、架橋部12Aに生じる単位面積当たりの荷重が分散される点で有利である。また、架橋部12Aの最小幅寸法Wが、架橋部12Aの厚さ寸法Tに対して、15倍以下である場合、焼成炉内における温度変化によって架橋部12Aに発生する温度分布幅を低減できる点で好ましい。同様に、後述する中空部13Cと中空部13Dとに挟まれた架橋部12Bの最小幅寸法Wは、架橋部12Bの厚さ寸法Tに対して、2~15倍であると好ましい。
図1に示すように、中空部13は、架橋部12Aにより区画された中空部13A、13Bと、架橋部12Bにより区画された中空部13C、13Dとから構成される。また、中空部13A、13B、13C、及び13Dは、半円形状であり、円弧部と直線部とからなる角部に、角Rが形成されていると好ましい。このように、角部が角Rに形成されていることから、角部に負荷が集中することを回避し、ひび割れが生じにくい形状となっている。
切欠部14は、架橋部12A、12Bが延長されて交わった枠体11の辺11A、又は辺11Bとの交点に、一対となるように設けられていると好ましい。本実施形態では、切欠部14Aと切欠部14Bとが、架橋部12Aが延長されて交わった枠体11の辺11A、又は辺11Bとの交点に、一対となるように設けられている。また、切欠部14Cと切欠部14Dとが、架橋部12Bが延長されて交わった枠体11の辺11A、又は辺11Bとの交点に、一対となるように設けられている。
このように、切欠部14が一対となるように設けられているため、焼成炉内の熱気を滞りなく移動させることができ、焼成治具10、及び焼成治具10上に載置されたセッターや、被焼成物の温度を均一化することができるため、焼成治具10の構造内における熱膨張の差を小さくすることができる。なお、切欠部14は、辺11C、又は辺11Dに、一対となるように設けてもよい。
図5に示すように、切欠部14と中空部13との間に形成された架橋部12の最短距離が、複数の中空部13に挟まれた架橋部12の最小幅寸法の0.5~1.2倍であると好ましい。本実施形態では、切欠部14Aと中空部13Aとの間に形成された架橋部12Aの最短距離Dが、中空部13Aと中空部13Bに挟まれた架橋部12Aの最小幅寸法Wの0.5~1.2倍である。ここで、切欠部14Aと中空部13Aとの間に形成された架橋部12Aの最短距離Dが、中空部13Aと中空部13Bに挟まれた架橋部12Aの最小幅寸法Wの0.5倍以上であれば、切欠部14Aと中空部13Aとの間に形成された架橋部12Aの領域が、中空部13Aと中空部13Bに挟まれた架橋部12Aの領域に対して、1/2程度以上の荷重耐性を得られる点で好ましい。また、切欠部14Aと中空部13Aとの間に形成された架橋部12Aの最短距離Dが、中空部13Aと中空部13Bに挟まれた架橋部12Aの最小幅寸法Wの1.2倍以下であれば、切欠部14Aと中空部13Aとの間に形成された架橋部12Aの領域が、中空部13Aと中空部13Bに挟まれた架橋部12Aの領域に対して、同等程度の温度分布幅を得られる点で好ましい。
また、切欠部14Aと中空部13Bとの間に形成された架橋部12Aの最短距離、切欠部14Bと中空部13Aとの間に形成された架橋部12Aの最短距離、及び切欠部14Bと中空部11Bとの間に形成された架橋部12Aの最短距離も、同様に、中空部13Aと中空部13Bに挟まれた架橋部12Aの最小幅寸法Wの0.5~1.2倍である。さらに、切欠部14Cと中空部13Cとの間に形成された架橋部12Bの最短距離、切欠部14Cと中空部13Dとの間に形成された架橋部12Bの最短距離、切欠部14Dと中空部13Cとの間に形成された架橋部12Bの最短距離、及び切欠部14Dと中空部13Dとの間に形成された架橋部12Bの最短距離は、中空部13Cと中空部13Dに挟まれた架橋部12Bの最小幅寸法の0.5~1.2倍である。
切欠部14Aの最大切欠寸法C、すなわち、枠体11の辺11Aからの凹量は、複数の中空部13Aと中空部13Bに挟まれた架橋部12Aの最小幅寸法Wの0.2~2.0倍である。ここで、切欠部14Aの最大切欠寸法Cが、中空部13Aと中空部13Bに挟まれた架橋部12Aの最小幅寸法Wの0.2倍以上であれば、枠体11の辺11Aに発生する熱歪みが緩和される観点で有利となる。また、切欠部14Aの最大切欠寸法Cが、中空部13Aと中空部13Bとに挟まれた架橋部12Aの最小幅寸法Wの2.0倍以下であれば、中空部13Aと中空部13Bとに挟まれた架橋部12Aに対する機械的、及び熱的な応力の集中が分散されるという点で有利である。
同様に、切欠部14Bの最大切欠寸法は、中空部13Aと中空部13Bに挟まれた架橋部12Aの最小幅寸法Wの0.2~2.0倍であるとよい。また、切欠部14Cの最大切欠寸法、及び切欠部14Dの最大切欠寸法は、中空部13Cと中空部13Dに挟まれた架橋部12Bの最小幅寸法の0.2~2.0倍であるとよい。
切欠部14Aの長さ寸法L、すなわち枠体11の辺11A上の切欠部14Aの長さ寸法Lは、架橋部12Aの最小幅寸法Wの1.0~5.0倍が好ましい。ここで、切欠部14Aの長さ寸法Lが架橋部12Aの最小幅寸法Wの1.0倍以上であれば、切欠14Aに対する機械的、及び熱的な応力の集中が分散されるという点で有利である。また、切欠部14Aの長さ寸法Lが架橋部12Aの最小幅寸法Wの5.0倍以下であれば、枠体11の辺11Aに発生する熱歪みを緩和するのに有利である。また、切欠部14Bの長さ寸法は、架橋部12Aの最小幅寸法Wの1.0~5.0倍が好ましい。ここで、切欠部14Aに対向する中空部13Aの外周部は、互いに凸状の曲線で対向する構成により、応力の分散と温度分布幅の低減とする2つの相反する特性を両立される効果がより一層発揮されることになる。なお、切欠部14C、及び14Dの長さ寸法も、それぞれ架橋部12Bの最小幅寸法Wの1.0~5.0倍が好ましい。
さらに、切欠部14は、円弧状の部位を有している。ここで、切欠部14Aが円弧状である場合、切欠部14Aの半径は、架橋部12Aの最小幅寸法Wの0.5~2.50倍であるとよい。切欠部14Aの半径が架橋部12Aの最小幅寸法Wの0.5倍以上であれば、切欠部14Aに生じる熱歪みが分散され、スポーリング耐性を向上させる点で有利である。また、切欠部14Aの半径が架橋部12Aの最小幅寸法Wの2.5倍以下であれば、枠体11の辺11Aに生じる機械的、及び熱的な応力が分散される点で有利である。また、切欠部14Bの半径は、架橋部12Aの最小幅寸法Wの0.5~2.50倍であるとよい。さらに、切欠部14C、及び14Dの半径は、架橋部12Bの最小幅寸法Wの0.75~2.50倍、より好ましくは、0.8~2.40倍であるとよい。
なお、切欠部14の形状は、図1に示された円弧状に限定されるものではなく、曲線を組み合わせた形状であればよく、例えば複数の楕円形状を組み合わせた形状であってもよい。
上述した構成を有する焼成治具10は、粉状、または粘土状の耐火物を図示しない金型に流し込んで加圧する、いわゆるプレス成形、又は石膏型に流し込んで固化させる、いわゆる鋳込み成形などを用いて形成される。耐火物は、例えばアルミナ、ムライト、ジルコニア、マグネシア、コージライト、スピネル、炭化ケイ素、窒素ケイ素、窒化アルミ、炭化ホウ素及びそれらの混合物等を主とするものがあげられ、例えば1,200℃以上、好ましくは1,300℃以上、より好ましくは1,500℃以上の高温に耐えることが可能な素材であればよい。
上述した本実施形態の焼成治具10に関し、実施例1~6に係る焼成治具、比較例1、2に係る焼成治具について、炉内放置試験と、スポーリング耐性評価試験とを行った。実施例1~5の構成は、図6~図8に示された通りである。なお、実施例6に係る焼成治具の構成は、材質と、架橋部12Aの厚さ寸法T以外、実施例1に係る焼成治具と同一形状であるから、図面は省略する。また、比較例1、2に係る焼成治具の構成は、図9に示された通りである。実施例1~6、及び比較例1、2に係る焼成治具の構成については、上述した本実施形態の焼成治具10における構成と同一の符号を付し、説明は省略する。
具体的には、実施例1~5、比較例1、2は、粗粒ムライト(平均粒径:約70μm)、微粒アルミナ(平均粒径D50:3μm)、微粒シリカ(平均粒径D50:5μm)の原料粉末と有機バインダー(ポリビニルアルコール、メチルセルロース、デキストリン等)を、AlO:78質量%、SiO:22質量%となるように、高速ミキサーを用いて撹拌混合し、撹拌混合物を生成した。このようにして得られた撹拌混合物を、一軸加圧プレス成形することにより、それぞれ図6~図8、9に示された形状に成形した、成形体を得た。そして、これらの成形体を、大気雰囲気下で焼成し(到達温度:1700℃、キープ時間:8時間)、焼結体を得ることによって、実施例1~5、比較例1,2に係る焼成治具を作製した。同様に、実施例6は、粗粒アルミナ(平均粒径:約70μm)、微粒アルミナ(平均粒径D50:3μm)、微粒シリカ(平均粒径D50:5μm)の原料粉末と有機バインダー(ポリビニルアルコール、メチルセルロース、デキストリン等)を、AlO:95質量%、SiO:5質量%となるように、高速ミキサーを用いて撹拌混合し、一軸加圧プレス成形(図6(a)を参照)、及び大気雰囲気下で焼成を行うことにより、実施例6に係る焼成治具を作製した。ここで、上述した焼結体の見掛け気孔率(JISR2205:1902に準拠)は、実施例1~5及び比較例1、2は21%、実施例6は20%であった。
〈炉内放置試験〉
炉内放置試験は、次のように試験を行った。横長(290mm×120mm)形状の焼成治具上の全面に、600g/焼成治具の均等荷重となるように、115mm×115mmサイズの疑似ワーク(セラミック板材)2枚を並べて載置した焼成治具を3段積層した状態で、電気炉内に載置する。そして、電気炉内を最高温度1,400℃まで加熱したまま、3時間保持した後、常温まで冷却する熱処理を実施し、焼成治具のひび割れや、変形の有無を調べた試験結果を表1に示す。ここで、ひび割れは、試験者の目視で行った。一方、変形は、焼成治具の枠体の対角線上に位置する角部同士を結んだ仮想線間の差をたわみ量として算出する。そして、たわみ量が0.3mm以上の場合、「変形あり」と定義する。なお、焼成治具の枠体の対角線上に位置する角部と中央部とを結んだ仮想線間の差をたわみ量として算出してもよい。
Figure 0007253081000001
ここで、表1中の「D/W」は、切欠部14と中空部13との間に形成された架橋部12の最短距離Dの、複数の中空部13に挟まれた架橋部12の最小幅寸法Wに対する倍率を示す。「C/W」は、切欠部14Aの最大切欠寸法Cの、複数の中空部13Aと中空部13Bに挟まれた架橋部12Aの最小幅寸法Wに対する倍率を示す。「W/T」は、架橋部12の複数の中空部13に挟まれた架橋部12の最小幅寸法Wの、架橋部12の厚さ寸法Tに対する倍率を示す。「L/W」は、切欠部14Aの長さ寸法Lの、架橋部12Aの最小幅寸法Wに対する倍率を示す。なお、比較例1、2は、図11に示す通り、切欠部14が形成されていないため、「D/W」、「C/W」、及び「L/W」は空欄とした。
表1に示された炉内放置試験の結果より、実施例1~6に係る焼成治具は、切欠部14が設けられていることにより、ひび割れや、変形は見られなかった。一方、比較例1、2に係る焼成治具は、ひび割れを確認した。
〈スポーリング耐性評価試験〉
横長(290mm×120mm)形状の焼成治具上の全面に、600g/焼成治具の均等荷重となるように、115mm×115mmサイズの疑似ワーク(セラミック板材)2枚を並べて載置した焼成治具(以下、焼成セットという)を3段積層した状態で、室温状態(T=25℃)から、所定温度(T)に保持した電気炉内に搬送し、1時間保持する。焼成セットを、当該電気炉内で1時間保持した後、更に電気炉の外へ取り出して、再度室温(T=25℃)まで冷却する冷却工程により、冷却工程で生じる急激な温度変化による焼成治具のひび割れの有無を調べた。ひび割れの有無は、試験者による目視で行った。ここで、電気炉の所定温度(T)は、275℃を開始温度とし、焼成治具にひび割れが発生しなければ、電気炉内の温度を25℃刻みで上昇させ、上述した冷却工程を行った際の電気炉内の温度をいう。そして、焼成治具にひび割れが生じた時点でスポーリング耐性評価試験を終了した。
ひび割れの評価は、以下の通りである。ここで、ΔTは、上述した急加熱+急冷却処理を実施した場合に、焼成治具にひび割れが発生しない電気炉の所定温度(T)と室温(T)との温度差(ΔT=T-T)の上限のことである。
◎(最良):ΔT≧475[℃]
○(良):425<ΔT≦475[℃]
△(可):400<ΔT≦425[℃]
×(不良):ΔT<400[℃]
Figure 0007253081000002
表2に示されたスポーリング耐性評価試験の結果より、実施例1~6に係る焼成治具は、全てΔT=400℃までひび割れが確認されず、スポーリング耐性評価は良好であった。実施例1~6に係る焼成治具は、上述したように優れたスポーリング耐性を有することから、電気炉から取り出した後、急速に冷却させることが可能となり、短時間での製品取り出しを可能とする。これにより、焼成治具の組み上げ作業、及び組み外し作業のスピードアップを図ることができることから、焼成工程の高速化を可能とする。一方、比較例1、2に係る焼成治具は、かなり低い温度であっても、ひび割れを確認し、スポーリング耐性評価は不良であった。
上述した本実施形態の焼成治具10は、以下のように被焼成物Xが載置されて、焼成工程が実施される。
図10に示すように、本実施形態の焼成治具10の表面にセッター20が載置され、そのセッター20の上面21に被焼成物Xが載置された状態で、図示しない焼成炉内に配置されて、被焼成物Xが焼成される。
また、セッター20は、通気性が高い耐火物から形成される。セッター20が高い通気性を有することにより、焼成炉内の熱風が、セッター20を通過して被焼成物Xの下面側に到達しやすくなり、被焼成物Xの焼成を効率よく実施することができる。通気性が高い耐火物としては、多くの気孔が形成された多孔質板状がある。
ここで、本実施形態の焼成治具10は、複数の中空部13が形成されていることにより、焼成炉内の熱風が、セッター20を通過して被焼成物Xの下面側により到達しやすくなることから、被焼成物Xの焼成がより一層効率よく実施することができる。
また、図11に示すように、被焼成物Xが載置された、複数の焼成治具10は、積層させた状態とすることができる。図11では、焼成治具10を3段積みとしたが、これに限定されるものではなく、2段、又4段以上であってもよい。このように、焼成治具10を複数段積層させた状態とすることにより、1段の場合より、多くの被焼成物Xを一度に焼成させることができる。
本明細書開示の発明は、各発明や実施形態の構成の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものを含む。
本実施形態の焼成治具10の架橋部12は、枠体11の辺11Aから辺11Bに向かって、枠体11と連続して設けられているが、これに限定されず、枠体11の辺11Cから辺11Dに向かって、枠体11と連続して設けられてもよい。すなわち、架橋部12を十字状となるように設けてもよく、中空部13において互いに交差する形状としてもよい。架橋部12が十字状に形成することにより、焼成治具10上にセッター20を載置した場合、セッター20をより安定した状態で支持することができる。
10…焼成治具
11…枠体
11A、11B、11C、11D…辺
12、12A、12B…架橋部
13、13A、13B、13C、13D…中空部
14、14A、14B、14C、14D…切欠部
15…第1面
16…支持部
17…第2面
18…受け部
20…セッター
X…被焼成物

Claims (7)

  1. 複数の中空部と、前記中空部に架け渡された架橋部とが設けられた矩形状の枠体を有し、
    前記架橋部を前記枠体の外周縁に向かって延長し、交わった前記枠体の外周縁の一部に切欠部が形成され、
    前記枠体の外周縁の前記切欠部の長さ寸法は、前記複数の中空部に挟まれた前記架橋部の最小幅寸法の1.0~5.0倍であり、
    前記切欠部の前記枠体の外周縁からの最大切欠寸法は、前記枠体の外周縁の前記切欠部の長さ寸法の0.04~2.0倍(0.05~0.25倍は除く)であることを特徴とする焼成治具。
  2. 前記切欠部は、一対として設けられていることを特徴とする請求項1に記載の焼成治具。
  3. 前記切欠部と前記中空部との間に形成された前記架橋部の最短距離が、前記複数の中空部に挟まれた前記架橋部の最小幅寸法の0.5~1.2倍であることを特徴とする請求項1、又は2に記載の焼成治具。
  4. 前記中空部は、前記架橋部の最短距離を確保した形状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の焼成治具。
  5. 前記切欠部の前記枠体の外周縁からの最大切欠寸法は、前記複数の中空部に挟まれた前記架橋部の最小幅寸法の0.2~2.0倍であることを特徴とする請求項1~4の何れか一つに記載の焼成治具。
  6. 前記切欠部は、円弧状の部位を有していることを特徴とする請求項1~5の何れか一つに記載の焼成治具。
  7. 前記枠体の第1面に形成され、前記枠体を支持する支持部と、
    前記枠体の第2面に形成され、別体の前記枠体が積層される場合に鉛直方向に載置された前記枠体の前記支持部を受ける受け部と、
    を有することを特徴とする請求項1~6の何れか一つに記載の焼成治具。
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