JP4542378B2 - セッター用セラミックス板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックス板の製造方法、セラミックス板及びこれを利用したセラミックス製セッターに関する。
近年、様々な特性を持つセラミックスの薄膜が開発され、多種多様のセラミックス系電子デバイスへの展開がなされているが、その製造にあたっては、加工性を高めるために、所望の材料組成に有機系結合材(以下「バインダー」という)を添加し、成形することが一般に行われており、このバインダーを熱処理によって除去する必要がある。また、主成分に対して副成分を所望する状態で添加するために、前もって仮焼処理を行う場合もある。かかる目的で行われる電子デバイス部品等を被焼成物とする場合の熱処理または焼成(以下「熱処理または焼成」を「焼成等」という)の際には、従来より、多くの被焼成物を効率よく同時に処理して生産性を向上させるために、複数個の被焼成物を載積して焼成炉内に収納し、この状態で焼成等を行うためのセラミックス板からなるセラミックス製セッター(以下単に「セッター」という)が用いられている。
ところで、近年における電子デバイス部品の生産性の向上、及び製品の品質の向上に対する要求は厳しさを増しており、電子デバイス部品の焼成過程に対しても更なる改善が求められており、焼成過程に用いられるセッターについても例外ではない。即ち、焼成工程等に、セッターを使用することによって電子デバイス部品に対して生じる恐れのある、焼きムラの発生、セッターからの不純物の混入、セッター材料との反応等の悪影響を防止することが求められる。
更に、電子デバイス部品の種類によっては、焼成工程後に得られる焼成体が反りを生じることなく、平坦に焼成できることが求められる場合があり、かかる目的のために、平滑な平坦面(平滑面)を有するセラミックス板を容易し、この間に被焼成物を挟持して焼成を行うことがある。この場合に使用することができる、安価で良好な平滑面を有するセラミックス板があれば非常に有効である。
ここで、上記したようにして製造される電子デバイス部品を用いる各種分野においては、電子デバイス部品を用いた製品の生産性の向上、即ち、製造にかかるコストの削減を達成し、より経済性に優れる製品を得ることが急務となっており、製造に使用されるセッター等の各種部材に対してもコストの削減が求められている。このため、上記したセッター等に用いられるセラミックス板に要求される品質や機能を低減することなく、安価で、耐久性に優れ、良好な平滑面を有するセラミックス板の開発が待望されている。また、焼成炉内に、より多くの被焼成物を収納して一時に集約的に処理することができ、しかも、セッターからの汚染を生じることがないのは勿論、セッターに収納した状態で多数の被焼成物に対して均一な熱処理等を行うことが可能な、安価で機能性に優れたセラミックス製セッターが求められている。
これに対して、出願人らは、既に、電子デバイス部品の成形工程で添加される多量のバインダーをより効率よく除去でき、しかも共存する電極材料を安定に保った状態で焼成等を行うことのできる平板状のセッターとして、直線状の複数の微細な貫通孔を有するアルミナ製のセラミックス板からなるセッターを提案している。かかるセッターを用いれば、被焼成物の載積量を増やした場合にも、焼成等に際しての高い均一な通気性が実現されて、均一な温度分布、雰囲気ガスの均一性の維持を達成でき、更に、製造された電子デバイス部品の品質が均質に維持され、高度な機能性材料である電子デバイス部品が得られる(特許文献1参照)。
また、電子材料部品の小型化に対処したセッターとして、厚みを0.2〜2mmと薄くし、表面に独立した貫通孔を形成させ、形成材料の理論密度を95%以上とした焼成用セッターが提案されており、かかるセッターを製造する方法として、泥漿鋳込成形法或いはドクターブレード法によってシート状の成形体を成形し、その後に該成形体を打抜加工し、更に、その後に焼成してセッターを得ることが開示されている(特許文献2参照)。
更に、下記に述べるように、電子デバイス部品とは別の分野においても、上記したと同様のセラミックス板からなるセッターに対する要望がある。従来、プレスによる加圧成形法によって製造されてきた高精度な金属系並びにセラミックス部品は、近年、複雑な形状等を有する精密な部品が各方面で要求されるようになり、射出成形方法を用いてこれらの部品を製造することが行われ始めている。かかる方法では、金属系粉末材料やセラミックス材料にバインダーを混入させた可塑性材料を用いることで射出成形を可能とし、この結果得られる所望形状の射出成形物を加熱処理してバインダーを除去することで、複雑な形状を有する精密な金属系並びにセラミックス部品を得ている。更に、この場合にも、反りがなく、平坦に焼成を行うことができる平滑面を有するセラミックス板が要望されることがある。
従って、これらの部品の製造の際においても、加熱処理工程においてセラミックス板からなるセッター等が用いられており、この場合にも、前記した電子デバイス部品の製造の場合と同様に、安価で、その機能性や、使い勝手にも優れ、載積した部品に対して効率的で均質な加熱や焼成等が可能な、更には、平坦な焼成を行うことができる平滑面を有するセラミックス板の開発が待望されている。
特開2002−145672公報 特開平11−79853号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記した特許文献2に記載されている製造方法は非常に煩雑であり、しかも、該方法では、2mmよりも厚い成形体を得ることはできず、一方、0.2mmよりも薄くすると打抜加工の際、或いはその後に成形体が壊れ易く、これよりも薄いセラミックス板を形成することはできなかった。特に、貫通孔の開孔率が高いものは、この傾向が強く、0.2mmよりも厚いものでも機械的強度が充分でなく、更に、成形体を打抜加工後に焼成しているため、セラミックス板の焼成時に反りが発生するという問題もあり、上記した方法では歩留りよくセッターを得ることができなかった。更に、上記で得られるセッターは、厚みが限定されたものとなるため用途が限られ、載積される被焼成物の多様性に充分に対処し得るセッターを得ることができなかった。
これに対して、上記した特許文献1に記載されているセッターの製造方法は簡易であるが、基本的には、可塑性(保形性)を与えた粉末原料によってセッターを成形後に焼成処理しており、特許文献2に記載の方法と同様に、焼成時に反りが発生しており、その後に研磨処理等を行わないと平坦な面が得られず、反りのない平坦な焼成を安価に行うという目的に対しては改善すべき余地があった。更に、特許文献1には、焼成処理した成形物を、その後に切削加工してセッターを形成することが記載されているが、特許文献1は、微細な直線状の複数の貫通孔を有するセッターを得ることを目的としており、被焼成物の焼成を、反りのない平滑な状態で行うことが可能となる高い平滑性を有するセラミックス板からなるセッターを得るためのものではない。
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、充分な強度を有し、しかも多様な被焼成物に対して良好で経済的な焼成等の処理を可能とするセッターを、簡易に且つ歩留りよく経済的に提供することのできるセラミックス板の製造方法を提供することにある。即ち、焼成前の、電子デバイス部品や金属系並びにセラミックス部品(以下、本明細書においては、これらのことを「部品等」という)を多数載積した状態で焼成等を行った場合に、多数の被焼成物に対して均一な焼成等の処理を行うことが可能であり、更に、セラミックス板の間に被焼成物を挟持させて焼成に使用した場合には、反りのない平滑な状態に焼成することが可能な、セッターとして非常に有用なセラミックス板が提供される。また、本発明の別の目的は、より多くの被焼成物に対して、より集約的に、しかも均一な焼成等の処理を可能とできる、実用価値の高いセッターを提供することにある。更に、本発明の目的は、上記したような優れた性能を有するセラミックス板を簡易且つ経済的に得ることのできる製造方法を提供することで、当該セラミックス板を利用して製造される部品等の品質の向上、及び生産性の向上を達成し、ひいては、これらの部品が使用される各種製品の品質向上、及び経済性の達成に寄与することにある。
上記の目的は下記の本発明によって達成される。即ち、本発明は、[1]セラミックス粉末と、該粉末に保形性を付与するための有機化合物及び/または粘土とを少なくとも含有する原料を用いて成形物を形成する成形工程と、該成形物を乾燥後、該乾燥した成形物を1,300〜1,800℃の温度で焼成する乾燥・焼成工程と、乾燥・焼成工程で得られた焼成物を均一な厚みを有する平板状に切断して複数枚のセラミックス板を得る切断工程とを有し、該切断工程で、内周スライサー、ワイヤーソー、バンドソーのいずれかを用い、それぞれのセラミックス板が、厚みが3mm以下であって、その切断面が、120mm角あたりの平面度が90μm以下で、且つ、中心線平均粗さRaが1.0μm以下の平滑な面をもつように切断することを特徴とするセッター用セラミックス板の製造方法である。
本発明の好ましい実施形態としては、下記の[2]〜[]が挙げられる。[2]成形工程において、押出し成形法によって、1つの孔の開口の大きさが0.07〜4mm2である直線状の複数の貫通孔を有する成形物を形成する上記[1]に記載のセッター用セラミックス板の製造方法。
[3]切断工程後に、更に、セラミックス板表面の少なくとも一部を研磨する研磨工程を有する上記[1]又は]に記載のセッター用セラミックス板の製造方法。
上記平面度は、NIST(米国計量機関)で保証された方法の斜入射レーザー干渉方式で測定した値である。具体的には、TROPEL FlatRuler 200(TROPEL社製)を用いて、測定試料に対して非接触に測定した。また、中心線平均粗さは、具体的には、テイラーホブソン(TAYLOR HOBSON)社製の、JIS法で保証された接触式の面粗さ計フォームタリサーフS3Fを用いて測定した値である。
本発明によれば、それ自体が充分な強度を有し、製造段階で反りが発生することがなく、良好な平滑面を有するセラミックス板を、簡易に且つ歩留りよく経済的に得ることができ、更には、種々の被焼成物に適した多様な形状のセッターの形成が簡易にできる、セラミックス板の製造方法が提供される。即ち、本発明にかかる方法によって得られたセラミックス板をセッターとして使用した場合には、載積させた多数の被焼成物に対して、焼きムラのない、均一な焼成等の処理が可能であり、また、セラミックス板の間に被焼成物を挟持させて焼成に使用した場合には、平坦に焼成を施すことが可能となる。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。上記した構成の、本発明にかかる製造方法によって得られるセラミックス板をセッターとして利用した場合に、該セッターに被焼成物として載積する電子デバイス部品としては、コンデンサー、圧電素子、フェライト素子、高周波セラミックス基板等の各種のセラミックス系電子デバイスの形成に用いられる、様々な特性を有するセラミックス製の薄膜(テープ或いはシート)、バルク(一定の大きさを有したもの)等の、セラミックス製の部品が挙げられる。また、被焼成物として載積する射出成形によって得られる精密な金属系並びにセラミックス部品としては、ステンレスやチタニウム等の金属材料、或いはセラミックス材料にバインダーを添加した材料を用いて射出成形後、焼成して得られる金属製並びにセラミックス製の部品が挙げられる。
上記に挙げたような部品等は、いずれも微細な形状を有し、極めて高い品質を保持する必要がある精密な機能性材料であるため、製造過程において、不純物の混入や汚染等を厳重に回避し、各部品に対して均一な処理が行われ、信頼性のある、均質で高い品質の製品が安定して供給されることが求められる。このため、これらの被焼成物の焼成工程においては、セラミックス板からなるセッター等を用いることで生産性を高めると同時に、該セッターを使用することによって製品へ及ぼす恐れのある悪影響を回避し、均一で且つ十分な焼成処理等が行われることが要求される。従って、多種多様な被焼成物を焼成するのに最適な、材質及び形状を有する多様なセッター等を、簡易に且つ経済的に提供できる優れたセラミックス板の製造方法の開発が望まれる。
本発明にかかるセラミックス板は、上記に挙げたような精密な機能性部品を製造する際に行われる焼成等の工程で使用されるセッターとして、特に有効に利用できる。本発明にかかるセラミックス板は、平坦面を有する微細な部品の製造に好適な、均一な厚みを有する平板状のセッターや、微細な貫通孔を複数有する均一な厚みを有する平板状のセッターとした場合に、特に有用である。更には、平板状のセラミックス板の平坦面上の外周近傍に、平坦面に対して凸状の連続した縁があり、且つ該縁の少なくとも3箇所に実質的に同一な高さの凸部を有するセッターとすれば、例えば、転がり易い形状の被焼成物等に対しても、より集約的に、且つ均一に、被焼成物の焼成等の処理を行うことが可能となる。しかし、本発明にかかるセラミックス板は、これらの用途に限定されるものではなく、特定の形状や材質の部品に対するものでもなく、広く、焼成等が必要となるセラミックス製や金属製の材料全般に渡って使用可能なものである。
本発明者は、上記した従来技術の課題に対し鋭意検討した結果、セラミックス板の製造において、(1)の成形工程で、セラミックス粉末と、該粉末に保形性を付与するための有機化合物及び/または粘土とを少なくとも含有する原料を用いて成形物を形成し、その後、(2)の乾燥・焼成工程で、該成形物を乾燥し、該乾燥した成形物を、1,300〜1,800℃の温度で焼成して焼成物を得、その後、(3)の切断工程で、得られた焼成物を均一な厚みを有する平板状に切断すれば、その切断面を、例えば、セラミックス板の120mm角あたりの平面度が90μm以下で、且つ、中心線平均粗さRaが1.0μm以下の平滑な面とすることができ、この結果、平滑面を有する厚みの薄いセラミックス板が、簡易に歩留りよく得られ、上記した本発明の所期の目的を達成できることを見いだして本発明に至った。更には、上記した(1)の成形工程において、押出し成形法によって、1つの孔の大きさが0.07〜4mm2である直線状の複数の貫通孔を有する成形物を形成すれば、微細な貫通孔を複数有する、通気性に優れ、しかも被焼成物が熱をより均一に受けることが可能な、均一な厚みを有する平板状のセラミックス板を容易に得ることができ、これによって、被焼成物に対してより均一な焼成が可能となるセッターが得られることを見いだした。
即ち、本発明者らの検討によれば、従来の方法に対し、予め所望の形状に形成して得た成形物を焼成してセラミックス板を作製する場合と異なり、上記した本発明の構成のように、成形工程及び乾燥・焼成工程を経て得られた焼成物を、均一な厚みを有する平板状に切断してセラミックス板を作製する構成とした場合は、反りを生じることがなく、平坦なセラミックス板が簡易に歩留りよく作製できることがわかった。本発明にかかる製造方法によれば、所望の均一な厚みを有する平板状のセラミックス板を簡易に歩留りよく得ることができるが、特に、5mm以下、更には2mm以下の均一な厚みを有する、厚みの薄い平滑面を有する平板状のセラミックス板を得る方法として優れる。更に、成形工程において、1つの孔の大きさが0.07〜4mm2の微細な直線状の複数の貫通孔を有する成形物を得る本発明にかかる製造方法によれば、貫通孔が複数設けられているにもかかわらず、貫通孔を有さない成形物を使用した場合と同様に、5mm以下、更には2mm以下の厚みの薄い、均一な厚みの平坦な平板状のセラミックス板(図3参照)が容易に得られる。
上記したような、厚さが薄く、しかも平面度と表面粗さとを満足する平滑面を有する平板状のセラミックス板や、上記に加えて微細な貫通孔が複数設けられてなる均一な厚みを有する平板状のセラミックス板を、被焼成物を焼成する際に用いる焼成炉内に被焼成物を保持するためのセッターとすれば、被焼成物の材質や形状にかかわらず、この上に載積された被焼成物は、焼成等の際に均一に熱を受け、焼きムラを生じることがない。
特に、微細な貫通孔が複数設けられた厚みが薄い、均一な厚みの平板状のセラミックス板をセッターに用いた場合には、貫通孔が設けられていないものに比べて通気性に優れたものとなるが、本発明者らの検討によれば、これに加えて、より均一な熱処理が可能となることがわかった。この理由は定かではないが、本発明者らは、貫通孔が複数設けられた均一な厚みの平板状のセラミックス板は、焼成炉内における熱の対流が良好な状態となることに加えて、該セラミックス板の熱輻射によって、被焼成物がより均一な熱を受けるようになるため、焼きムラを生じることのない、より良好な焼成体が得られたものと考えている。
一方、本発明にかかる方法によって得られる貫通孔を有さないセラミックス板は、前記したような平面度と表面粗さとを満足する平滑面を有するため、かかるセラミックス板の平滑面の間に被焼成物を挟持して焼成すれば、被焼成物を平坦に焼成することが可能となる。
更に、上記したような精密な、しかも種々の形態からなる被焼成物に対して、集約的で均一な焼成等を行うことができる多様なセッターの形成を可能とするセラミックス板を、経済的に提供できれば、これらを利用して製造される多様な部品を用いる各種分野において、得られる製品の生産性が向上し、製造にかかるコストの削減を達成でき、より経済性に優れる製品の製造が可能となる。
以下、本発明にかかる方法の各工程について詳細に説明する。先ず、(1)セラミックス粉末と該粉末に保形性を付与するための有機化合物及び/または粘土とを少なくとも含有する原料を用いて成形物を形成する成形工程について説明する。本発明で原料として使用するセラミックス粉末としては、特に限定されないが、例えば、アルミナ、ジルコニア、シリカ、マグネシア、ムライト、コージェライト、窒化ケイ素、炭化ケイ素等、またはこれらを主成分とする複合材料等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、2種以上の材料を適宜な組成で混合して使用してもよいが、その際に、セラミックス板をセッターとして用いたような場合に、載積する被焼成物の材料や形状に応じて、被焼成物がセラミックス板材料と反応を生じることがないように、或いは、被焼成物に対して均一な焼成等ができ、且つ部品を担持したり挟持したりした場合に十分な強度を有する材料となるように、上記した材料から適宜に選択して使用すればよい。
上記した中でも、ジルコニアは、他の材料と比べて、載積される電子デバイス部品と反応することが少なく、厚みを薄くしても強度に優れたものが得られるため、特に有用である。純粋なジルコニアには、単斜晶系、正方晶系、立方晶系の3種があるが、1,100℃付近、2,370℃付近に相転移点があり、純粋なジルコニアを用いた場合には、焼成時に生じる上記体積膨張によって亀裂を生じることがある。従って、ジルコニアとしては、CaO、MgO、Y23等の添加物を添加した部分安定化ジルコニア或いは安定化ジルコニアを使用することが好ましい。一方、アルミナやシリカは、上記したジルコニアに比べて低廉であり、安価なセラミックス板を得るための材料として特に有効である。
本発明では、上記したようなセラミックス粉末に少なくとも有機化合物及び/または粘土を添加し、セラミックス粉末に保形性を付与する材料を混合して成形物を成形する。この際に使用する有機化合物としては、上記に挙げたような粉末材料に適度な保形性を付与することで、(1)の工程で行うセラミックス粉末から所望の形状を有する成形物を形成することが可能となり、更に、その後に該成形物を乾燥させる乾燥工程で、成形物が割れ等を生じることなく、その形状を保持できるものであればいずれのものでもよい。更には、その後に該成形物を焼成する焼成工程で、該成形物から除去することが容易にできるものを使用することが好ましい。その添加割合は、セラミックス粉末材料に対して、2〜10質量%程度とすることが好ましい。
本発明で使用することができる有機化合物としては、具体的には、重量平均分子量が400〜6,000の範囲で、加熱時に溶融して適度な粘性を示し、加熱・焼成して焼成物とした後に残留しないような特性を有する有機化合物を使用することが好ましい。このようなものとしては、分子中に酸素原子が多く含まれているポリエステルやセルロースの誘導体、更には、適宜な重合度のポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド、プロピレンオキシドに任意の量のエチレンオキシドを共重合させたポリエーテルを用いることが好ましい。特に、セルロースの誘導体である水溶性セルロースエーテルを用いることが好ましいが、その中でも、メチルセルロースを用いることが好ましい。メチルセルロースは、従来よりファインセラミックス製品の押出し成形時にバインダーとして用いられており、本発明で用いる原料粉末に保形性を付与するための有機化合物としても好適に用いることができる。
本発明においては、上記したような有機化合物とともに、或いは単独で、粘土を使用することでセラミックス粉末に保形性を付与することができる。粘土とは、粘着性を有する微粒子の集合体であって、主として、ケイ素、アルミニウム、鉄、マグネシウム、アルカリ金属からなる含水ケイ酸塩鉱物のことであり、親水性が強く、水を加えると可塑性を生じるものである。具体的には、NZカオリン(ニュージーランド製)等を使用することができる。粘土を用いた場合には、焼成後に粘土を構成している無機成分が残るため、得られるセラミックス板の材料純度は劣るものとなる。しかし、例えば、精密部品を対象としない一般的な焼成道具等に用いるセラミックス板を製造する場合には、経済性等の点から粘土を使用することが好ましい。粘土の使用量としては、用いる粘土の種類にもよるが、例えば、5〜20質量%の割合とすることが好ましい。
上記のような材料からなる成形物の形状は、特に限定されないが、最終的にセラミックス板とする切断工程で、均一な厚みを有する平板状に切断した場合に、簡易な切断操作で同一の形状のセラミックス板を複数形成できるようにするためには、例えば、図4及び5に示したような、断面形状が同一となる柱状の成形物とすることが好ましい。更に、その断面形状が、セラミックス板を形成した場合に、被焼成物を載積するのに充分な載積部分が形成されるものであれば、いずれの形状のものであってもよい。更に、セラミックス板からなるセッターを載積するための専用台を別に用いる場合には、その専用台の形状に合わせて決定すればよい。その断面形状が、例えば、円や楕円、三角、四角、五角等の多角形等、いずれのものであってもよい。また、このような断面形状を有する柱状成形物は、中実であっても(図4参照)、孔を有するもの(図5参照)であってもよい。更に、孔は、貫通した連続孔であることが好ましいが、不連続孔であってもよい。
セラミックス粉末に保形性を付与した可塑性を有する材料を用いて、上記したような形状を有する成形物を得るための成形方法も特に限定されないが、内部にセラミックス材料の充填不足等を生じて空洞を生じ、切断して平板状のセラミックス板を形成した場合に不良品が発生することのないように、材料が、空洞を生じることなく充分に充填された状態の成形物とすることが好ましい。このためには、例えば、押出し成形、射出成形またはプレス成形によって柱状の成形物を形成することが好ましい。これらの中でも特に、押出し成形によって成形物を形成することが好ましい。
押出し成形による柱状の成形物は、例えば、下記の手順で簡便に得ることができる。先ず、セラミックス粉末に、前記したようなメチルセルロース等の有機化合物や粘土等の物質や、必要に応じて水を加え、押出し成形機で、これらの成分を充分に混合・混練してセラミックス粉末に保形性を付与する。このようにして得られた混練物を押出し成形機で、ダイを介して押し出すことで、容易に柱状の成形物が得られる。また、使用するダイの形状を適宜に選択すれば、円、楕円、各種の角形等、所望の断面形状を有する成形物を容易に得ることができる。押出し成形には、例えば、高浜工業(株)製の真空押出し成形機を用いることができる。図4は、上記のようにして得られた柱状の成形物の一例を示す斜視図である。
更に、例えば、セッターとして、通気性等の特性に優れた、所望形状の貫通孔が複数設けられている均一な厚みを有する平板状のセラミックス板は、所望形状の開孔を有する直線状の貫通孔が複数設けられている成形物から得ることができる。上記した目的のためには、特に、1つの孔の開口の大きさが0.07〜4mm2である直線状の複数の貫通孔を有する成形物とすることが好ましい(図5参照)。かかる成形物は、ダイを用いた押出し成形によって容易に得られる。この際、1つの孔の開口の大きさや、設ける場所については、載積する被焼成物の形状に応じて決定すればよい。被焼成物が微小なものである場合には、例えば、1つの孔の開口の大きさを1mm2以下となるようにすればよい。微小な被焼成物にも適用可能なセラミックス板を得るためには、より微小な貫通孔が、断面方向の全面に渡って設けられた成形物を得ることが必要となるが、押出し成形法を利用して直線状の貫通孔が設けられた成形物を形成する本発明にかかる方法によれば、例えば、1つの孔の開口が0.25mm角である微小な孔が全面に渡って設けられた、通気性に優れ、且つ充分な強度を有するセラミックス板の形成が可能である。勿論、貫通孔の形状も限定されず、例えば、円形、楕円形や、正方形等の多角形等、所望の形状の開口を有するものとすることができる。また、複数の貫通孔の開口形状を図5に示したように同一としてもよいし、切断してセラミックス板とした場合に、例えば、中心部の孔の開口径と周辺部の開口径を異ならせる等、不均一なものとしてもよい。図5(a)はブロック状の成形物の斜視図であり、図5(b)は、図5(a)の丸で囲った部分の拡大した平面図である。図5中の3は、直線状の貫通孔を示す。
上記したように、押出し成形の際に使用するダイを適宜に選択すれば、例えば、中実の成形物は勿論のこと、略同一の開孔形状を有する直線状の貫通孔が、全体に或いは部分的に、規則的に或いは不規則に並んだ成形物や、2種類以上の異なる開孔形状を有する直線状の貫通孔が、全体に或いは部分的に、規則的に或いは不規則に並んだ成形物を容易に得ることができる。このため、本発明の製造方法によれば、多種多様な被焼成物の形状に最適な形状を有するセッターとして有用な、種々の平板状のセラミックス板を簡易に得ることが可能となる。成形物の形状を、セッターとした場合に被焼成物が載積される部分の略全面に、または部分的に孔が設けられるようにすることができるが、特に、略全面に渡ったものは、通気性に優れ、焼成した場合に、被焼成物中に含有されているバインダー等の有機物を高い除去率で排除できる。更に、これに加えて、先に述べたように、被焼成物に対して、より均一な熱処理を可能とする。
次に、上記のようにして得た成形物を乾燥後、該乾燥した成形物を1,300〜1,800℃の温度で焼成して、焼成物を得る(2)の乾燥・焼成工程について説明する。かかる工程では、上記のようにして得た成形物を乾燥させるが、乾燥温度を、例えば、30〜120℃、より好ましくは、50〜100℃程度の温度とすることが好ましい。このため、先に説明した(1)の成形工程において得る成形物は、良好な乾燥ができる形状のものとすることが好ましい。先に説明した複数の貫通孔を有する成形物は、乾燥工程において、中実のものよりも迅速に乾燥することができるため、この点でも有利である。次に、本発明では、このようにして乾燥した成形物を、1,300〜1,800℃で焼成する。乾燥及び焼成する時間は、成形物の材料として使用した、各種セラミックス材料や、有機化合物や粘土等の添加剤、及び成形物の大きさ等によって適宜に選択すればよい。本発明においては、例えば、乾燥時間は5〜12時間程度とすればく、また、焼成時間は60時間程度とすればよい。
次に、上記で得られた焼成物を、均一な厚みを有する平板状に切断する(3)の切断工程について説明する。本発明者らの検討によれば、上記で得られた焼成物を、例えば、内周スライサー、マルチワイヤーソー、バンドソー等の切断機を用いて、図4及び5に示したように切断すれば、均一な厚みを有する多数の平板状のセラミックス板を容易に得ることができる。また、上記に挙げたような切断装置を用いて切断することで、その切断面を、例えば、セラミックス板120mm角あたりの平面度が90μm以下で、且つ中心線平均粗さRaが1.0μm以下の平滑なものとできる。上記した中でも、例えば、内周スライサーやマルチワイヤーソーは、インゴットからシリコンウェーハを切り出す際の精密切断に使用されており、本発明に適用すれば、特に、精密な被焼成物を焼成等するためのセッターとして有用な、厚みの薄い、平滑な平板状のセラミックス板を容易に作製することができる。
即ち、図4及び5に示したように、上記したような切断機を使用して、ブロック状の焼成物2を、5で示した破線の位置で、均一な厚みを有するように切断すれば、任意の厚みを有する多数の平板状のセラミックス板1を、容易に、且つ、歩留りよく作製することができる。図4に示したように、1つの焼成物2に対して切断する位置5を適宜に変えることで、厚みの異なるセラミックス板1を同時に製造することも可能である。
切断工程において、焼成物を切断する際の厚みは、セラミックス板に載積或いは挟持させる被焼成物に応じて適宜なものとすることができるが、特に、本発明にかかる方法によれば、厚みが5mm以下の、均一な厚みを有する薄板状のセラミックス板を容易に作製することができる。本発明によれば、例えば、2mm以下、更には、0.2mm以下の均一な厚みを有する極めて薄い薄板状のセラミックス板であっても、容易に、且つ、歩留りよく作製することができる。これらの薄板状のセラミックス板は、非常に薄いものであるにもかかわらず、セッターや挟持部材としての十分な強度を満足し、しかも良好な平滑面や、複数の貫通孔を有する平坦面を有する平板状のセラミックス板を容易に作製できる。
上記のようにして焼成物を平板状に切断して得られる均一な厚みを有するセラミックス板は、平板状の成形物を焼成して得た従来のセラミックス板と異なり、反りを生じることがなく、平坦面を有するものとなる。また、中実な成形物を用いれば、凹凸のない良好な平滑面を有するセラミックス板となる。
更に、本発明にかかる製造方法では、切断工程で切断して得たセラミックス板をそのままセッター等に用いることができるが、更に研磨工程を設けてセラミックス板の所望の部分を研磨してもよい。
上記した本発明にかかる方法で得られるセラミックス板は、均一な厚みを有する平板状のものとなるが、セッターとして使用する場合には、図1に示したように、そのまま平板状で使用してもよいし、平板状に形成されたものの少なくとも一方の面に、スペーサーとして機能する任意の形状の凸部材を接着等して設けた凸部付きの平板状のものでもよい(図2参照)。このようにすれば、セッターを段組みして使用できるため、電子デバイス部品の焼成等を集約的に行うことができる。
本発明にかかる製造方法によって得られるセラミックス板は、均一な厚みを有する平板であって、平滑面を有するものであり、また、その状態で、更に複数の貫通孔を有する通気性のよいものであるので、上記したように、そのままセッターとして用いることができるが、更に、これに下記に述べるような若干の加工を施すことで、非常に有用なセッターとできる。例えば、図6に示したようなセッターが挙げられる。即ち、かかるセッターは、均一な厚みを有する、直線状の複数の貫通孔を有してもよい平板からなるセラミックス板1の平坦面の外周近傍に、該平坦面に対して垂直方向に凸状に形成された連続した縁6が設けられ、該縁の少なくとも3箇所に、縁の他の部分の高さよりも高い凸部7が設けられており、且つ少なくとも3箇所の凸部の最高位置が、実質的に同じ高さを有する構造をしている。
セッターの形状をこのようにすれば、平坦面の部分に被焼成物を載せた場合に、当該被焼成物が、例えば、円筒状や球状のものであったとしても、平坦面の外周部分に連続して設けられた凸状の縁6があるため、これら安定性のない被焼成物が、焼成等の工程においてセッター上から落下することを有効に防止できる。また、図示した例では、縁6の4箇所に、縁の他の部分の高さよりも高い凸部7が設けられているので、図6(C)に示したように、複数のセッターを重ねることができる。更に、特に、重ねて使用する形態の場合は、図6(A)及び(C)に示したように、セラミックス板1には、先に述べた平坦面に貫通孔が複数設けられたものを使用することが好ましい。このようにすれば、図6(C)に示したように重ねて使用した場合にも、優れた通気性が確保できるため、この状態であっても、均一な焼成等ができる。
また、本発明にかかる別の形態のセッターとしては、図8に示したような、均一な厚みを有する、直線状の複数の貫通孔を有してもよい平板からなるセラミックス板の平坦面の外周近傍に、該平坦面に対して垂直方向に凸状に形成された実質的に同じ高さの連続した縁が設けられているセッターが、挙げられる。かかる形態のセッターも、上記したと同様に、被焼成物が、円筒状や球状のものであったとしても、平坦面の外周部分に連続して設けられた実質的に同じ高さの凸状の縁9があるため、これら安定性のない被焼成物が、焼成等の工程においてセッター上から落下することを有効に防止できる。更に、後述するように、上記した縁6の一部に凸部7が形成されているものよりも、成形がより簡単であるという利点もある。
図6(A)に示した、平坦面に貫通孔が複数設けられた形態のセッターは、下記のようにすれば、容易に形成することができる。図7を参照しながら説明する。本発明にかかるセラミックス板の製造方法によれば、容易に平滑面を有するセラミックス板が得られる。そこで、図7(C)に示したように、凸部7を有する縁6を予め形成しておき、これに、本発明にかかる方法で得られたセラミックス板1を常法によって接着することで、容易に得られる。
凸部7を有する縁6の形成は、型枠にセラミックス材料を流し込んで成形後、焼成する公知の方法によって、図7(B)及び(C)に示したような、凸部7を有する縁6からなる枠状部分8(以下、枠状部分8という)を得ることができる。しかし、この方法は、枠状部分8の形態によっては、型抜が難しい場合もある。これに対して、図7に示した方法によれば、このような場合においても歩留りよくセッターを得ることができる。先ず、上記したような公知の方法によって、平坦面と枠状部分8が設けられたものを形成する(図7(A)参照)。次に、平面研削盤等の装置で、平坦面の部分を切り落とす(図7(B)参照)。このようにして得られる枠状部分8は、切断された部分が平滑な面となる。最後に、本発明にかかる方法によって得られた貫通孔が全面に渡って設けられているセラミックス板1の上面となる位置に、枠状部分8の平滑な面を公知の方法によって接着する(図7(C)及び(D)参照)。この際、セラミックス板1と枠状部分8の切断面は、いずれも平滑な面であるので、接着を容易に行うことができ、且つ、接着した状態で凸部7の高さは容易に実質的に同一となる。この結果、セッターを重ねて、図6(C)に示したような状態として使用する場合に、各セッターを安定して重ねることができる。
先に述べた図8に示したような、本発明にかかる方法によって得られるセラミックス板の平坦面の外周近傍に、該平坦面に対して垂直方向に凸状に形成された実質的に同じ高さの連続した縁9が設けられているセッターは、下記のような方法で、容易に得ることができる。図8を参照して、正方形状のセラミックス板を使用した場合の例で説明する。先ず、縁9となる4本のセラミックスの角柱を形成する(図8(A)参照)。次に、本発明にかかる方法によって得られた貫通孔が全面に設けられたセラミックス板1の上面に、角柱を無機スラリーを用いて順次接着する(図8(B)及び(C)参照)。その後、これを焼成することで図8(D)に示したような、平坦面に対して垂直方向に凸状に形成された実質的に同じ高さの連続した縁9が設けられたセッターが得られる。この際に設ける縁9の高さ或いは幅は、被焼成物に応じて適宜に決定すればよく、図8(D’)のようにすることもできる。図8に示す上記で説明した方法によれば、平坦面に対して垂直方向に凸状に形成された縁を有するセッターを、図7に示した枠状部分8を形成する方法よりも簡易に得ることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。
<実施例1>
本実施例では、形成材料に、平均粒径が0.5μmの純度99質量%のアルミナ粉末を用いた。また、該アルミナ粉末に保形性を付与するために、メチルセルロースをアルミナ粉体に5質量%の割合で含有させて、押出し成形機(高浜工業(株)社製)で、混合・混練して保形性を有する混練物を得た。これに引き続いて、上記の押出し成形機で、上記した混練物からなる133×133×100mmの大きさの、中実の角柱状の成形物を形成した。
次に、得られた成形物を100℃で10時間乾燥した後、60℃/時間の条件で1,550℃まで昇温し、その温度で120分間焼成した。上記で得られたアルミナ焼成物は、120×120×90mmの中実の角柱状であった。次に、上記で得たアルミナ焼成物を、内周スライサー((株)東京精密社製)で、それぞれの厚みが均一に3mmとなるように水平に切断した。この結果、120×120×3mmの、同一形状の均一な厚みを有する角板状の、アルミナ製のセラミックス板を25枚得ることができた。
上記で得た角板状のセラミックス板の切断面は、目視及び触感によれば、いずれも非常に平坦で、且つ平滑であった。そこで、得られた平板状のセラミックス板の中から5枚をサンプリングして、各セラミックス板の切断面について平面度はNIST(米国計量機関)で保証された方法、表面粗さはJIS法に基づいた方法で測定した。具体的には、平面度は、TROPEL FlatRuler 200(TROPEL社製)を用い、切断面である120×120mmの面について測定した。その結果、いずれのセラミックス板についても、平面度は、40〜64μmであった。また、この平面度を測定した同様の切断面について、テイラーホブソン(TAYLOR HOBSON)社製の接触式の面粗さ計を用いて、中心線平均粗さRaを測定した。その結果、Raは、0.63〜0.65μmであった。測定結果からも、焼成物を、均一な厚みで薄く切断することによって得られた平板状のセラミックス板は、その切断面が、平坦で、且つ凹凸の抑制された均一な平滑面となっていることが確認できた。
上記のようにして作製したセラミックス板をセッターとして用い、これに、10mmφ程度の大きさのチタン酸バリウム系セラミックス成形体(以下、チタン酸バリウム系部品という)を25個載積させて、室温から600℃まで昇温して加熱処理を行った。加熱処理の昇温条件は30℃/時間とした。処理後のチタン酸バリウム系部品について調べたところ、全てにおいて焼きムラはみられなかった。
<実施例2>
実施例1で使用した成形物の材料に、更に、酸化チタンを焼結助剤として0.5質量%添加し、且つ成形物の大きさを変えた以外は実施例1と同様の手順で、30×30×50mmの、実施例1の場合よりも面積が小さい焼成物を得た。そして、切断工程において、得られた焼成物を、それぞれが0.2mmの均一な厚みを有するものとなるように、内周スライサー((株)東京精密社製)で切断し、30×30×0.2mmの非常に薄い、実施例1で得られたものよりも強靭な角板状のアルミナ製のセラミックス板を70枚得た。得られたセラミックス板について、実施例1と同様にしてセラミックス板の切断面について平面度及び表面粗さを測定した。その結果、平面度は、セラミックス板の面積に相当した分、良好な値を示した。表面粗さには差は見られなかった。また、セッターとして用いたところ、実施例1と同様に良好であった。
<実施例3>
実施例1で使用したアルミナ粉末の代わりに、平均粒径が0.5μmの8モルY23安定化ジルコニア粉末を用い、且つ成形物の大きさを変えた以外は実施例1と同様の手順で、30×30×50mmの、実施例1の場合よりも面積が小さい焼成物を得た。そして、切断工程において、得られた焼成物を、それぞれが0.2mmの均一な厚みを有するものとなるように、内周スライサー((株)東京精密社製)で切断し、30×30×0.2mmの非常に薄い、実施例1で得られたものよりも強靭な角板状のジルコニア製のセラミックス板を70枚得た。得られたセラミックス板について、実施例1と同様にしてセラミックス板の切断面について平面度及び表面粗さを測定した。その結果、平面度及び表面粗さは、実施例2と同様であった。また、セッターとして用いたところ、実施例1と同様に良好であった。
<実施例4>
実施例1で得られたセラミックス板のうちの平面度を測定した5枚のセラミックス板について、更に、4way式両面ラップ式研磨機を用いて、切断して得た平滑面を研磨して本実施例のセラミックス板を得た。得られたセラミックス板について、実施例1と同様にして、セラミックス板の切断面(研磨面)の平面度及び表面粗さを測定した。その結果、いずれのセラミックス板についても、その平面度は3.0〜4.5μmであり、表面を研磨することで、切断面をより平坦にできることが確認された。一方、中心線平均粗さRaは、0.90〜0.95μmであり、本実施例のセラミックス板は、研磨せずに切断したままの状態の実施例1のセラミックス板よりも凹凸の点では若干劣るものとなった。
本実施例で得たセラミックス板を複数用いて、各セラミックス板の間に被焼成物を挟み、従来と同一の条件で焼成処理を行った。焼成後に得た複数の製品の表面には、それぞれ平滑面が形成されたことが確認できた。各製品の平滑面について平面度を測定したところ、使用したセラミックス板と同程度の平面度を有するものとなっていることが確認できた。
<実施例5>
実施例1で使用した材料からなる混練物を用い、実施例1で使用したと同様の押出し成形機において、使用するダイを変えることによって、実施例1とは形状の異なる成形物を得た。即ち、該成形物は、実施例1と同様に、133×133×100mmの大きさの角柱状であるが、図5(b)に示したような、その開口が0.55×0.55mmの正方形である、直線状の貫通孔が全面に渡って複数設けられているブロック状のものである(図5(a)参照)。得られた成形物を、乾燥・焼成して焼成物を得た。その後、この焼成物を3mmの均一な厚さとなるように内周スライサー((株)東京精密社製)で切断し、複数の同一形状からなるセラミックス板を得た。得られたセラミックス板には、図5(b)に示したような、その開口形状が、それぞれ0.5×0.5mmの正方形である貫通孔が、全面に渡って規則正しく設けられたものである。
以上のようにして得られたセラミックス板は、複数の貫通孔を有しているものの、目視及び触感によれば、いずれも非常に平坦であった。そこで、切断面の、貫通孔が形成されていない部分について、実施例1と同様の装置を用いて平面度及び表面粗さを測定したところ、これらの部分は、平坦で凹凸のない良好な平滑面となっていることが確認できた。
また、本実施例で得られた複数の貫通孔を有するセラミックス板をセッターとして用いる以外は実施例1と同様にして、チタン酸バリウム系部品を加熱処理した。処理後の部品について調べたところ、全てにおいて焼きムラはみられなかった。更に、加熱処理後の各部品からサンプリングして、該部品からの含有有機物の除去率を調べたところ、いずれにおいても高い除去率が達成されていることが確認できた。
<実施例6>
実施例1で使用したメチルセルロースの代わりに、NZカオリン(ニュージーランド製)をアルミナ粉体に10質量%の割合で含有させてた以外は実施例1と同様の手順で、実施例1と同じ形状のセラミクッス板を得た。得られたセラミックス板について、実施例1と同様にしてセラミックス板の切断面について平面度及び表面粗さを測定したところ、平面度及び表面粗さは実施例1と同等の良好な結果が得られた。また、セッターとして用いたところ、実施例1と同様に良好であった。
<比較例1>
実施例1で使用した材料からなる可塑性を有する混練物を用い、133×133×3.3mmの大きさの角板状の成形物を得た。次に、得られた成形物を100℃で10時間乾燥後、60℃/時間の条件で1,550℃まで昇温し、その温度で120分間焼成して、120×120×3mmの大きさの角板状のアルミナ製のセラミックス板を得た。
上記で得たセラミックス板を目視及び触感により観察したところ、明らかな反りが認められ、その表面は平坦なものではなかった。そこで、実施例1と同様にしてセラミックス板の表面について平面度を測定したところ、平面度は、640〜680μmであり、実施例のセラミックス板と比べてその値は大きく、平面度が大きく劣るものであった。また、平坦化するためには研磨処理する必要があった。
上記のようにして作製した比較例1のセラミックス板を複数用いて、実施例4の場合と同様にして各セラミックス板の間に被焼成物を挟み焼成処理を行った。焼成後に得た複数の製品の表面の平面度は、使用したセラミックス板と同程度であり、良好な製品を得ることはできなかった。
<実施例7>
実施例5で得られた微小な貫通孔が全面に渡って規則正しく設けられているセラミックス板を用いて、下記のようにしてセッターを形成した。先ず、公知の方法によって、平坦面と枠状部分8が設けられたものを形成する(図7(A)参照)。次に、平面研削盤(日興機械(株)製)で、平坦面の部分を切り落とす(図7(B)参照)。得られる枠状部分8は、切断された部分は平坦な平滑面となった。最後に、貫通孔を有するセラミックス板1と、上記で得た枠状部分8の平滑面とを下記の方法で接着した(図7(C)及び(D)参照)。
セラミックス板1と枠状部分8とを下記の組成からなる無機スラリーを用いて接着し、これを1,500℃まで昇温して加熱処理して、セラミックス板1と枠状部分8が一体的に設けられてなる本実施例のセッターを得た。
・アルミナ 60%
・メチルセルロース(バインダー) 8%
・樹脂分散剤 1%
・水 31%
この際、セラミックス板1と枠状部分8の切断面は、いずれも平坦面であるので、接着を容易に行うことができた。また、得られたセッターの4箇所の凸部7の高さは、接着を完了した状態で同一であることが確認できた。更に、得られたセッターを図6(C)に示した状態に8段に重ねたところ、いずれのセッターも、ガタつくことなく、各セッターは安定した状態に重なることが確認された。また、円筒状の被焼成物の焼成に使用したところ、被焼成物が落下することなく、処理後の焼成体について調べたところ、全てにおいて焼きムラはみられなかった。
<実施例8>
実施例6において、枠状部分8の代わりに、10×5×120mmの同一形状のセラミックス製の4本の角柱を用い、実施例6で使用したと同様の無機スラリーで、これら4本の角柱をセラミックス板1の外周に図8に示したようにして接着した。これを1,500℃まで昇温して加熱処理して、セラミックス板1と角柱が一体的に設けられて、平坦面に対して垂直方向に凸状に形成された実質的に同じ高さの連続した縁9が形成してなる本実施例のセッターを得た。本実施例のセッターも、安定した状態に重なることが確認された。また、円筒状の被焼成物の焼成に使用したところ、被焼成物が落下することなく、処理後の焼成体について調べたところ、全てにおいて焼きムラはみられなかった。
以上、説明したように、本発明によれば、セラミックス板をセッターとして使用した場合に、載積させた被焼成物に対して、焼きムラのない、均一な焼成処理が可能であり、また、セラミックス板の間に被焼成物を挟持させて焼成に使用した場合には、平坦な焼成を施すことが可能な、充分な強度を有し、製造段階で反りが発生することがなく、良好な平滑面を有し、しかも各種の被焼成物に適した多様な形状のセッターを、簡易に且つ歩留りよく経済的に得ることができるセラミックス板の製造方法が提供される。
本発明にかかる方法によって得られるセラミックス板の一例の模式的な斜視図である。 本発明にかかる方法によって得られるセラミックス板の別の一例の模式的な斜視図である。 本発明にかかる方法によって得られるセラミックス板の別の一例の模式的な斜視図である。 本発明で用いる焼成物を説明するための図である。 本発明で用いる別の焼成物を説明するための図である。 本発明にかかるセッターの一例である。 図6に示したセッターを製造する方法の説明図である。 本発明にかかる別の形態のセッター、及び該セッターを製造する方法の説明図である。
符号の説明
1:セラミックス板
2:焼成物
3:貫通孔
4:凸部材
5:切断予定の線
6、9:縁
7:凸部
8:枠状部分

Claims (3)

  1. セラミックス粉末と、該粉末に保形性を付与するための有機化合物及び/または粘土とを少なくとも含有する原料を用いて成形物を形成する成形工程と、該成形物を乾燥後、該乾燥した成形物を1,300〜1,800℃の温度で焼成する乾燥・焼成工程と、乾燥・焼成工程で得られた焼成物を均一な厚みを有する平板状に切断して複数枚のセラミックス板を得る切断工程とを有し、
    該切断工程で、内周スライサー、ワイヤーソー、バンドソーのいずれかを用い、それぞれのセラミックス板が、厚みが3mm以下であって、その切断面が、120mm角あたりの平面度が90μm以下で、且つ、中心線平均粗さRaが1.0μm以下の平滑な面をもつように切断することを特徴とするセッター用セラミックス板の製造方法。
  2. 成形工程において、押出し成形法によって、1つの孔の開口の大きさが0.07〜4mm2である直線状の複数の貫通孔を有する成形物を形成する請求項1に記載のセッター用セラミックス板の製造方法。
  3. 切断工程後に、更に、セラミックス板表面の少なくとも一部を研磨する研磨工程を有する請求項1又は2に記載のセッター用セラミックス板の製造方法。
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