JP4509541B2 - セラミックス板の製造方法、及びセラミックス板 - Google Patents

セラミックス板の製造方法、及びセラミックス板 Download PDF

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Description

本発明は、セラミックス板の製造方法、及び該方法によって得られるセラミックス板に関する。
近年、様々な特性を持つセラミックスの薄膜が開発され、多種多様のセラミックス系電子デバイスへの展開がなされているが、その製造にあたっては、加工性を高めるために、所望の材料組成に有機系結合材(以下「バインダー」という)を添加し、成形することが一般に行われており、このバインダーを熱処理によって除去する必要がある。また、主成分に対して副成分を所望する状態で添加するために、前もって仮焼処理を行う場合もある。かかる目的で行われる電子デバイス部品の熱処理または焼成(以下「熱処理または焼成」を「焼成等」という)の際には、従来より、多くの電子デバイス部品を効率よく同時に処理し、生産性を向上させるために、複数個の電子デバイス部品を載積するためのセラミックス板からなるセラミックスセッター(以下単に「セッター」という)が用いられている。
ところで、近年における電子デバイス部品の生産性の向上、及び製品の品質の向上に対する要求は厳しさを増しており、電子デバイス部品の焼成過程に対しても更なる改善が求められており、焼成過程に用いられるセッターについても例外ではない。即ち、焼成工程等でセッターを使用することによって電子デバイス部品に対して生じる恐れのある、焼きムラの発生、セッターからの不純物の混入、セッター材料との反応等の悪影響を防止することが求められている。
更に、より経済性に優れる電子デバイス部品を得、これを用いた製品の生産性を向上し、より経済性に優れる製品を得ることが急務となっている。これに対して、電子デバイス部品の製造にかかるコストの削減を達成するためには、焼成過程に用いられるセッターを上記した性能を損なうことなく大型にできれば、一度に大量の部品について、均一な焼成処理等が可能となる。また、特に、部品によっては大型のものがあり、大型部品に対して均一な焼成処理等を可能とする大型のセッターとして利用できるセラミックス板が要望されている。
また、下記に述べるように、電子デバイス部品とは別の分野においても、上記したと同様の大型のセラミックス板からなるセッターに対する要望がある。従来、プレスによる加圧成形法によって製造されてきた高精度な金属系並びにセラミックス部品は、近年、複雑な形状等を有する精密な部品が各方面で要求されるようになり、射出成形方法を用いてこれらの部品を製造することが行われ始めている。かかる方法では、金属系粉末材料やセラミックス材料にバインダーを混入させた可塑性材料を用いることで射出成形し、その後、所望形状の射出成形物を加熱処理してバインダーを除去することで、複雑な形状を有する精密な金属系並びにセラミックス部品を得ている。特に、この場合には、大きな部品も多く、大量の部品や、大型の部品を積載して、加熱や焼成等の処理を均一にすることができる大型のセッターとして利用できるセラミックス板が要望されている。
上記した大型のセッター等に用いられるセラミックス板に対しては、焼成工程等でセッターを使用することによって電子デバイス部品に対して生じる恐れのある、焼きムラの発生、セッターからの不純物の混入、セッター材料との反応等の悪影響の防止が達成され、しかも、経済的に製造でき、耐久性に優れるものであることが求められる。これに対して、本発明者らの検討によれば、特に、複数の貫通孔を有する薄い平板状のセッターが有効である。
出願人らは、既に、電子デバイス部品の成形工程で添加される多量のバインダーをより効率よく除去でき、しかも共存する電極材料を安定に保った状態で焼成等を行うことのできる平板状のセッターとして、直線状の複数の微細な貫通孔を有するアルミナ製のセラミックス板からなるセッターを提案している(特許文献1参照)。かかるセッターを用いれば、電子デバイス部品の載積量を増やした場合にも、焼成等に際しての高い均一な通気性が実現されて、均一な温度分布、雰囲気ガスの均一性の維持を達成でき、更に、製造された電子デバイス部品の品質が均質に維持され、高度な機能性材料である電子デバイス部品が得られる。
また、電子材料部品の小型化に対処したセッターとして、厚みを0.2〜2mmと薄くし、表面に独立した貫通孔を形成させ、形成材料の理論密度を95%以上とした焼成用セッターが提案されており、かかるセッターを製造する方法として、泥漿鋳込成形法或いはドクターブレード法によってシート状の成形体を成形し、その後に該成形体を打抜加工し、更に、その後に焼成してセッターを得ることが開示されている(特許文献2参照)。
特開2002−145672公報 特開平11−79853号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記した特許文献2に記載されている製造方法は非常に煩雑であり、しかも、該方法では、2mmよりも厚い成形体を得ることはできず、特に大型のセッターを得るための方法としては利用できない。また、0.2mmよりも薄くすると打抜加工の際、或いはその後に成形体が壊れ易く、これよりも薄いセラミックス板を形成することはできず、特に、貫通孔の開孔率が高いものは、この傾向が強く、0.2mmよりも厚いものでも機械的強度が充分ではないという問題もあった。更に、上記した方法では、成形体を打抜加工後に焼成しているため、セラミックス板の焼成時に反りが発生するという問題もあり、上記した方法では歩留りよく、反りのない大型の平板状のセッターを得ることができなかった。
これに対して、上記した特許文献1に記載されているセッターの製造方法は簡易であり、複数の貫通孔を有し、且つ平板状のセッターを簡易に得ることができる。しかしながら、基本的には、可塑性(保形性)を与えた粉末原料によって所望の形状のセッターを成形し、その後に焼成処理しており、特許文献2に記載の方法の場合と同様に、焼成時に反りが発生し、特に大面積とした場合には反りが大きく、その後に研磨処理等を行わないと平坦な面が得られず、反りのない平板を経済的に得るという目的に対しては改善すべき余地があった。
また、上記した従来例では、いずれも貫通孔を設けたセッターを目的としているが、貫通孔を有さない平板状のセッターが求められる場合もある。即ち、上記した大型の電子デバイス部品や、金属系並びにセラミックス部品(以下、本明細書においては、これらのことを「被焼成部品」という)をセラミックス板の間に挟持させた状態で焼成し、反りのない平滑な状態に焼成された製品を得るといった要望もあり、この場合には、大面積の反りのない平坦面を有するセラミックス板が必要となる。
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、セラミックス板を、特に、大型の被焼成部品を載積して焼成等に使用するセッターとした場合に、これらの大型の被焼成部品に対して均一な焼成処理を行うことが可能であり、更に、セラミックス板の間に被焼成体を挟持させて焼成した場合には、反りのない平滑な状態に焼成することが可能な、セッターとして充分な強度を有し、しかも各種の被焼成部品に適した良好な平滑面を有するものを、簡易に且つ歩留りよく経済的に提供することのできるセラミックス板の製造方法を提供することにある。更に、本発明の目的は、上記したような優れた性能を有するセラミックス板を簡易且つ経済的に得ることのできる製造方法を提供することで、当該セラミックス板を利用して製造される被焼成部品等の品質の向上、及び生産性の向上を達成し、ひいては、これらの部品が使用される各種製品の品質向上、及び経済性の達成に寄与することにある。
上記の目的は下記の本発明によって達成される。即ち、本発明は、[1]セラミックス粉末と、該粉末に保形性を付与するための有機化合物及び/または粘土とを少なくとも含有する原料を用い、押出し成形法で端部に平面を有する柱状の成形物を形成する成形工程と、該成形工程で得られた柱状の成形物を上記平面に対して垂直方向に切断して、柱状成形物の少なくとも一箇所に垂直な平坦面を形成する第1の切断工程と、該切断工程後に、垂直な平坦面を有する2個の成形物をそれぞれの平坦面同士で接着する第1の接着工程と、該接着工程後に、得られた接着成形物を乾燥後、該乾燥した接着成形物を1,300〜1,800℃の温度で加熱して、接着された成形物同士を接合して焼成体を得る乾燥・接合・焼成工程と、その後、得られた焼成体を上記平面に対して水平方向に平板状に切断して、均一な厚みを有する平板を作製する最終の切断工程とを有することを特徴とするセラミックス板の製造方法である。
本発明の好ましい実施形態としては、下記の[2]〜[7]が挙げられる。[2]前記柱状の成形物が、直線状の複数の貫通孔を有し、且つ焼成体の1つの孔の大きさが0.07〜4mm2である上記[1]に記載のセラミックス板の製造方法。[3]更に、上記した第1の接着工程の後に得られた接着成形物の少なくとも一箇所に垂直な平坦面を形成する第2の切断工程と、該切断工程後に、垂直な平坦面を有する2個の接着成形物をそれぞれの平坦面で接着する第2の接着工程とを設け、これらの工程を1回以上繰り返して4個以上の成形物同士を接着する上記[1]または[2]に記載のセラミックス板の製造方法。[4]第2の接着工程において、成形物同士を接着させた部分が、いずれの箇所においても4個の成形物の接着面が一箇所で接した状態とならないように接着する上記[3]に記載のセラミックス板の製造方法。[5]最終の切断工程において、焼成体の切断面が、セラミックス板120mm角あたりの平面度が90μm以下で、且つ、中心線平均粗さRaが1.0μm以下の平滑な面となるように切断する上記[1]〜[4]のいずれかに記載のセラミックス板の製造方法。[6]最終の切断工程において、厚みが5mm以下となるように切断する上記[1]〜[5]のいずれかに記載のセラミックス板の製造方法。[7]少なくとも第1の切断工程において、内周スライサー、ワイヤーソー、バンドソーのいずれかを用いて切断する上記[1]〜[6]のいずれかに記載のセラミックス板の製造方法。
また、本発明の別の形態は、上記[1]〜[7]のいずれかの構成を有する製造方法で得られたことを特徴とするセラミックス板である。特に、該セラミックス板が、被焼成部品を焼成する際に焼成炉内に被焼成部品を保持するためのセッターであることが好ましい。
上記平面度は、NIST(米国計量機関)で保証された方法の斜入射レーザー干渉方式で測定した値である。具体的には、TROPEL FlatRuler 200(TROPEL社製)を用いて、測定試料に対して非接触に測定した。また、中心線平均粗さは、具体的には、テイラーホブソン(TAYLOR HOBSON)社製の、JIS法で保証された接触式の面粗さ計フォームタリサーフS3Fを用いて測定した値である。
本発明によれば、セラミックス板を、特に、大型の被焼成部品を載積して焼成等に使用するセッターとした場合に、これらの大型の被焼成部品に対して均一な焼成処理を行うことが可能であり、更に、セラミックス板の間に被焼成体を挟持させて焼成した場合には、反りのない平滑な状態に焼成することが可能な、セッターとして充分な強度を有し、しかも各種の被焼成部品に適した良好な平滑面を有するものを、簡易に且つ歩留りよく経済的に得られるセラミックス板の製造方法が提供される。更に、本発明によれば、上記したような優れた性能を有するセラミックス板を簡易且つ経済的に得ることのできる製造方法を提供することで、当該セラミックス板を利用して製造される被焼成部品等の品質の向上、及び生産性の向上を達成し、ひいては、これらの部品が使用される各種製品の品質向上、及び経済性の達成に寄与できる。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。上記した構成の、本発明にかかる製造方法によって得られるセラミックス板をセッターとして利用した場合には、該セッターに、例えば、数十〜百mm以上といった大型の各種のセラミックス系電子デバイスや、金属系並びにセラミックス部品を載積することができる。
上記に挙げたような被焼成部品は、いずれも、極めて高い品質を保持する必要がある精密な機能性材料であるため、製造過程において、不純物の混入や汚染等を厳重に回避し、各部品に対して均一な処理が行われ、信頼性のある、均質で高い品質の製品が安定して供給されることが求められる。このため、これらの被焼成部品の焼成工程においては、セラミックス板からなるセッター等を用いることで生産性を高めると同時に、該セッターを使用することによって製品へ及ぼす恐れのある悪影響を回避し、均一で且つ十分な焼成処理等が行われることが要求される。しかしながら、上記したような大型の被焼成部品に対して精密な焼成処理を可能とする、機能性に優れる大型のセッター等に利用できるセラミックス板を、簡易に且つ経済的に得ることは難しく、その開発が望まれていた。
本発明にかかるセラミックス板は、部品を挟持して焼成する場合に好適な、反りのない平坦面を有する均一な薄い厚みの平板状のセッターとして、或いは、通気性に優れる、微細な貫通孔を複数有する均一な厚みの反りのない平板状のセッターとして、有用である。本発明にかかるセラミックス板は、広い平坦な面を有するものであるため、特に、前記した大型の精密な機能性部品を製造する際に行われる焼成等の工程で使用されるセッターとして有効に利用できる。しかし、本発明にかかるセラミックス板は、これらの用途に限定されるものではなく、特定の形状や材質の部品に対するものでもなく、広く、焼成等が必要となるセラミックス製や金属製の材料全般に渡って使用可能なものである。
本発明者は、上記した従来技術の課題に対し鋭意検討した結果、先に述べた本願出願人が提案した特許文献1に記載した方法を更に改良し、かかる方法を利用して大面積の部分を有するブロック状の成形物を得、これを焼成処理し、その後に得られた焼成体を均一な厚みを有する平板状に切断すれば、簡易に大面積のセラミックス板を得ることができることを見いだして本発明に至った。
特許文献1には、可塑性(保形性)を与えたセラミックス原料を用い、押出し成形法で成形物を得、これを焼成し、その後に切削加工してセッターを形成する別の方法が記載されているが、本発明者らは、この場合に、厚みのあるブロック状の成形物を形成し、これを焼成して得られるブロック状の焼成体を均一な厚みで、しかも厚みの薄い平板状に切断することができれば、1個のブロック状の焼成体から、複数の反りのないセラミックス板を容易に得ることができると考えた。しかしながら、上記した方法では、ダイからセラミックス原料を押し出す際に、かなりの力を要するため、大面積の平面を有し、しかも厚みのある成形物を得ることは容易ではない。また、良好な焼成体を得るためには、その後の乾燥を充分に行う必要があり、この点から、ブロック状の成形物を無制限に厚くすることはできない。本発明者らの検討によれば、セラミックス原料を用い、押出し成形法で容易に得られ、且つ良好な乾燥を達成できる成形物としては、例えば、直径が300mm程度の高さが50mm程度の円柱状のものである。更に、セラミックス板とするためには、この成形物を焼成する必要があるが、焼成すると成形物が10%程度収縮するため、得られる焼成体は、上記成形物よりも小さいものとなる。従って、ブロック状の焼成体を均一な厚みを有する平板状に切断できたとしても、上記した大きさの平板しか得られず、大面積のセラミックス板を得ることはできなかった。
これに対し、本発明者らは、更なる検討を重ねた結果、上記した方法で得られた成形物を複数個、互いに接合できれば、大面積の平面を有する成形物を得ることができ、該成形物を焼成して得られるブロック状の焼成体を、均一な所望の厚みに切断できれば、大面積の平面を有し、且つ厚みの薄い、反りのないセラミックス板を、容易に複数得ることができることを見いだして本発明に至った。以下、本発明にかかるセラミックス板の製造方法の手順等について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明にかかるセラミックス板の製造方法では、下記に述べる(1)〜(5)の各工程を有することを特徴とする。
(1)セラミックス粉末と、該粉末に保形性を付与するための有機化合物及び/または粘土とを少なくとも含有する原料を用い、押出し成形法で端部に平面を有する柱状の成形物を形成する成形工程。
(2)上記成形工程で得られた柱状の成形物を上記平面に対して垂直方向に切断して、柱状成形物の少なくとも一箇所に垂直な平坦面を形成する第1の切断工程。
(3)上記切断工程後に、垂直な平坦面を有する2個の成形物をそれぞれの平坦面同士で接着する第1の接着工程。
(4)上記接着工程後に、得られた接着成形物を乾燥後、該乾燥した接着成形物を1,300〜1,800℃の温度で加熱して、接着された成形物同士を接合して焼成体を得る乾燥・接合・焼成工程。
(5)その後、得られた焼成体を上記平面に対して水平方向に平板状に切断して、均一な厚みを有する平板を作製する最終の切断工程。
本発明においては、上記した(3)と(4)の工程の間に、下記の(A)及び(B)の工程を更に設けるのも好ましい形態である。また、(A)及び(B)の工程は、上記した(3)と(4)の工程の間に1回設けてもよいし、(A)及び(B)の工程を複数回繰り返すようにして設けてもよい。これらの工程を1回以上繰り返すことで、4個以上の成形物同士が接着された状態の接着成形物となるため、(A)及び(B)の工程を設け、且つ繰り返し回数を適宜なものとすることで、所望する広い平面を有する柱状の成形物を得ることが可能となる。この結果、より広い面積の平面を有する大型のセラミックス板の製造が可能となる。
(A)上記した第1の接着工程の後に得られた接着成形物の少なくとも一箇所に垂直な平坦面を形成する第2の切断工程。
(B)該切断工程後に、垂直な平坦面を有する2個の接着成形物をそれぞれの平坦面同士で接着する第2の接着工程。
上記の各工程について図面を参照しながら説明する。図1は、上記一連の(1)〜(3)の工程を柱状の成形物の平面図で説明したものであり、図2は、(1)〜(3)の工程の後に行う、上記(A)及び(B)の工程を柱状の成形物の平面図で説明したものである。図3は及び4は、貫通孔を設けた円柱状の成形物を例として、上記の(1)〜(3)、上記(A)及び(B)の工程を成形物の模式的な斜視図で説明したものである。また、図5(4)は、上記の一連の工程によって得られた柱状の接着成形物を乾燥・接合・焼成工程(4)で処理して得られた焼成体を模式的に示した斜視図である。また、図5(5)は、その後の最終の切断工程(5)で得られた最終製品である、反りのない平坦面を有する大判のセラミックス板を模式的に示した斜視図である。
図1または3の(1)は、本発明にかかるセラミックス板の製造方法における最初の工程である成形物の成形工程(1)を示しており、図示した例では、該工程によって円柱状の成形物を得ている。成形工程(1)では、セラミックス粉末と、該粉末に保形性を付与するための有機化合物及び/または粘土とを少なくとも含有する原料を用い、押出し成形法で柱状の成形物を形成する。該工程では、使用するダイによって円柱状や角柱状等、任意の形状の成形物を得ることができるが、空洞や欠けのない良好な成形物を得るためには、図示したような円柱状の成形物とすることが特に好ましい。
本発明で原料として使用するセラミックス粉末としては、特に限定されないが、例えば、アルミナ、ジルコニア、シリカ、マグネシア、ムライト、コージェライト、窒化ケイ素、炭化ケイ素等、またはこれらを主成分とする複合材料等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、2種以上の材料を適宜な組成で混合して使用してもよい。セッターとして用いるセラミックス板を製造する場合には、載積する被焼成部品の材料や形状に応じて、被焼成部品がセラミックス板材料と反応を生じることがない材料、或いは、被焼成部品に対して均一な焼成等ができ、且つ部品を担持したり挟持したりした場合に十分な強度を有する材料、等を上記した材料から適宜に選択して使用すればよい。
上記した中でも、ジルコニアは、他の材料と比べて、載積される電子デバイス部品と反応することが少なく、厚みを薄くしても強度に優れたものが得られるため、有用である。純粋なジルコニアには、単斜晶系、正方晶系、立方晶系の3種があるが、1,100℃付近、2,370℃付近に相転移点があり、純粋なジルコニアを用いた場合には、焼成時に生じる上記体積膨張によって亀裂を生じることがある。従って、ジルコニアとしては、CaO、MgO、Y23等の添加物を添加した部分安定化ジルコニア或いは安定化ジルコニアを使用することが好ましい。しかしながら、ジルコニアは高価であり、経済性に劣るという点がある。アルミナやシリカは、上記したジルコニアに比べて低廉であり、安価なセラミックス板を得るための材料として特に有効である。
本発明では、上記したようなセラミックス粉末に少なくとも有機化合物及び/または粘土を添加し、セラミックス粉末に保形性を付与する材料を混合して成形物を成形する。この際に使用する有機化合物としては、上記に挙げたような粉末材料に適度な保形性を付与することで、(1)の工程で行うセラミックス粉末から所望の形状を有する成形物を形成することが可能となり、更に、その後に該成形物を乾燥させる乾燥工程で、成形物が割れ等を生じることなく、その形状を保持できるものであればいずれのものでもよい。更には、その後に該成形物を焼成する焼成工程で、該成形物から除去することが容易にできるものを使用することが好ましい。その添加割合は、セラミックス粉末材料に対して、2〜10質量%程度とすることが好ましい。
本発明で使用することができる有機化合物としては、具体的には、加熱時に溶融して適度な粘性を示し、加熱・焼成して焼成体とした後に残留しないような特性を有する有機化合物を使用することが好ましい。このようなものとしては、分子中に酸素原子が多く含まれているポリエステルやセルロースの誘導体、更には、適宜な重合度のポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド、プロピレンオキシドに任意の量のエチレンオキシドを共重合させたポリエーテルを用いることが好ましい。特に、セルロースの誘導体である水溶性セルロースエーテルを用いることが好ましいが、その中でも、メチルセルロースを用いることが好ましい。メチルセルロースは、従来よりファインセラミックス製品の押出し成形時にバインダーとして用いられており、本発明で用いる原料粉末に保形性を付与するための有機化合物としても好適に用いることができる。
本発明においては、上記したような有機化合物とともに、或いは単独で、粘土を使用することでセラミックス粉末に保形性を付与することができる。粘土とは、粘着性を有する微粒子の集合体であって、主として、ケイ素、アルミニウム、鉄、マグネシウム、アルカリ金属からなる含水ケイ酸塩鉱物のことであり、親水性が強く、水を加えると可塑性を生じるものである。具体的には、NZカオリン(ニュージーランド製)等を使用することができる。粘土を用いた場合には、焼成後に粘土を構成している無機成分が残るため、得られるセラミックス板の材料純度は劣るものとなる。しかし、例えば、精密部品を対象としない一般的な焼成道具等に用いるセラミックス板を製造する場合には、経済性等の点から粘土を使用することが好ましい。粘土の使用量としては、用いる粘土の種類にもよるが、例えば、5〜20質量%の割合とすることが好ましい。
上記のような材料からなる成形物の形状は、最終的にセラミックス板とする切断工程で、均一な厚みを有する平板状に切断した場合に、簡易な切断操作で同一の形状のセラミックス板を複数形成できるようにするために、例えば、図3(1)に示したような円柱等の、水平に切断した場合に断面形状が同一となる柱状の成形物とする。しかしながら、成形物の形状はこれに限定されず、セラミックス板を形成した場合に、被焼成部品を載積するのに充分な載積部分が形成されるものであれば、いずれの形状のものであってもよい。例えば、その断面形状が、円、楕円、三角、四角、五角等の多角形等である柱状体を挙げることができる。しかし、先に述べたように、押出し成形法における成形の容易さを考慮すると、断面形状が角のない円或いは楕円である柱状体とすることが好ましい。
また、このような断面形状を有する柱状成形物は、図1及び2に示したように中実の孔のないものであっても、図3〜6に示したように貫通孔を有するものであってもよい。孔を設ける場合には、柱状成形物の高さ方向に貫通した連続孔を複数設けることが好ましい。このようにすれば、最終製品は、所望形状の貫通孔が複数設けられた、均一な厚みを有する反りのない平板状のセラミックス板となる。このため、通気性に優れるセラミックス板を作製するためには、成形物の成形工程(1)において、直線状の複数の貫通孔を複数有する柱状の成形物を形成することが好ましい。また、部品を挟持して焼成する際のセラミックス板を作製する場合には、成形物の成形工程(1)において、中実の柱状の成形物を形成することが好ましい。
本発明においては、セラミックス粉末に保形性を付与した材料を用いて、押出し成形によって、上記したような柱状の成形物を形成する。押出し成形によれば、成形物の内部にセラミックス材料の充填不足等を生じて空洞を生じることがない。このため、該成形物を焼成し、該焼成体を切断して平板状のセラミックス板を形成した場合に不良品が発生することがないので、製品の歩留りが向上する。
具体的には、下記の手順で、押出し成形法によって柱状の成形物を簡便に得ることができる。先ず、セラミックス粉末に、前記したようなメチルセルロース等の有機化合物や粘土等の物質や、必要に応じて水を加え、押出し成形機で、これらの成分を充分に混合・混練してセラミックス粉末に保形性を付与する。このようにして得られた混練物を押出し成形機で、ダイを介して押し出せば、容易に柱状の成形物が得られる。また、使用するダイの形状を適宜に選択すれば、円、楕円、各種の角形等、所望の断面形状を有する成形物を容易に得ることができる。押出し成形には、例えば、高浜工業(株)製の真空押出し成形機を用いることができる。
更に、押出し成形に用いるダイの形状を変更することで、最終的に所望形状の貫通孔が全面にわたって複数設けられている均一な厚みを有する平板状のセラミックス板(図6参照)が得られる、所望形状の開孔を有する直線状の貫通孔が、柱状の成形物の高さ方向に多数並んで設けられた成形物を得ることができる。特に、通気性に優れるセラミックス板を得るためには、焼成体とした場合に1つの孔の大きさが0.07〜4mm2となるような開孔の貫通孔を有する成形物(図3〜6参照)を得ることが好ましい。この際、孔の大きさや設ける場所については、載積する被焼成体の形状に応じて決定すればよいが、本発明では、大型の部品を積載するセッターとして利用できるセラミックス板の製造を目的としているため、柱状の成形物の平面の全体に、図3(1)に示したように、所望形状の開孔が整然と並んだ状態のものとすることが好ましい。貫通孔の形状も限定されず、例えば、円形、楕円形や、正方形等の多角形等、所望の断面形状を有するものとすることができる。また、複数の貫通孔の断面形状は、図3〜6に示したように同一としてもよいし、開口径を異ならせて、不均一なものとしてもよい。尚、図6(a)は、最終製品である平板状のセラミックス板の模式的な斜視図であり、図6(b)は、図6(a)の丸で囲った部分の拡大した平面図である。図6(b)中の7は、直線状の貫通孔を示すが、図示した例では、断面形状が正方形の多数の貫通孔が、セラミックス板の平面全体に整然と並んで設けられている。
本発明は、上記した例に限定されず、成形物の成形工程(1)では、押出し成形の際に使用するダイを適宜に選択することで、種々の形状の柱状の成形物を得ることができる。最終製品であるセラミックス板の目的に応じて、例えば、中実の成形物は勿論、略同一の開孔形状や、或いは2種類以上の異なる開孔形状を有する直線状の貫通孔が、全体に或いは部分的に、規則的に或いは不規則に、並んだ成形物を得ることができる。このため、本発明の製造方法によれば、種々の平板状のセラミックス板が簡易に得られる。例えば、セッターとした場合に、被焼成体を載積する部分の略全面に、または部分的に孔を設けた構造とすることができる。略全面に設けたものは、特に通気性に優れ、セッターとして利用した場合に、被焼成体中に含有されているバインダー等の有機物を高い除去率で排除できる。更に、これに加えて、被焼成体に対して、より均一な熱処理を可能とする。
図1の(2)または図3の(2)は、上記の成形物の成形工程(1)に続いて行われる、該成形工程で得られた柱状の成形物を垂直方向に切断する第1の切断工程(2)を示したものである。第1の切断工程(2)によって、少なくとも一箇所に垂直な平坦面が形成された状態の柱状成形物が得られる。柱状成形物の、垂直方向に切断する部分は、いずれの箇所でもよいが、できるだけ広い平面が得られるように切断することが好ましい。図示した例では、円柱状の成形物を使用しているが、この場合には、例えば、図1(1)に、点線で示したいずれかの部分を切断することが好ましい。
上記した第1の切断工程(2)で用いる切断する装置としては、セラミックス粉末と、該粉末に保形性を付与するための有機化合物及び/または粘土とを少なくとも含有するセラミックス原料を用いて得られた成形物の、少なくとも一箇所に垂直な平坦面を形成することができるものであればいずれのものであってもよい。具体的には、例えば、バンドソー等の切断機を用いることができる。
図1の(3)または図3の(3)は、上記の第1の切断工程(2)に続いて行う、第1の接着工程(3)を示したものである。該第1の接着工程(3)では、第1の切断工程(2)後に得られた垂直な平坦面を有する2個の成形物を、それぞれの平坦面同士で接着するため、2個の成形物が互いに接着され、図1の(3)または図3の(3)に示したように、平面の面積が拡大した柱状の接着成形物となる。
本発明にかかる接着工程で使用する接着材は、セラミックス材料からなる成形物同士を接着し、その後、該成形物を焼成した場合に成形物同士を接合することができるものであれば、いずれのものであってもよい。即ち、本発明で使用する接着材としては、窯業製品を作製する場合に、部材同士を接合させるために従来より使用されているものをいずれも用いることができる。具体的には、例えば、Al23、CaO或いはZrO2等を主成分とする共材が遊離分散しているスラリーと呼ばれる水溶性の溶融形接着剤を用いることが好ましい。
本発明にかかるセラミックス板の製造方法では、上記一連の工程で得られた接着成形物を焼成し、その後に、得られた焼成体を水平に切断して平板を形成するが、焼成する成形物としては、図1の(3)または図3の(3)に示した、2個の成形物が接着された状態のままのものであってもよい。しかしながら、セッターとした場合の利便性等を考えると、例えば、図1の(C)及び(D)に示したように、弧状の部分を切断して、被焼成物を積載することとなる平面が角状となるようにすることがを好ましい。
本発明にかかるセラミックス板の製造方法によって、より広い平面を有するセラミックス板を得るためには、上記した(1)〜(3)の工程に続けて、下記に述べるように、工程(A)及び工程(B)を実施し、4個以上の成形物同士を接着して、平面の面積がより拡大した柱状の接着成形物を得ることが好ましい。工程(A)は、第2の切断工程であり、該工程(A)では、上記した第1の接着工程の後に得られた接着成形物の少なくとも一箇所に垂直な平坦面を形成する。図2及び4の(A)に示したのは、第2の切断工程後に得られた2個の接着成形物である。
上記した第2の切断工程(A)の後に、第2の接着工程(B)を行うが、第2の接着工程(B)では、図2の(A)及び図4の(A)に示したような、少なくとも一箇所に垂直な平坦面を有する接着成形物を2個用い、それぞれの垂直な平坦面同士で接着する。この結果、図2(B)及び図4(B)に示したように、4個の成形物同士が接着された接着成形物となる。この際、貫通孔を有する成形物を形成する場合には、図2の(B)または図4の(B)に示したように、上記第2の接着工程において、成形物同士が接着している部分が、いずれの箇所においても4個の成形物の接着面が一箇所で接した状態とならないように接着することが好ましい。このようにすれば、接着部には貫通孔が設けられないが、接着部において通気性が損なわれることを抑制できる。また、4個の成形物の接着面が一箇所で接した状態とならないように接着すれば、応力集中を回避でき、得られる製品としてのセラミックス板の強度向上にも寄与する。
上記のようにして得られた接着成形物は、図2の(B)または図4の(B)に示したように、最初の成形工程(1)で得られた成形物を1個として数えた場合に、4個の成形物が接着された状態のものとなる。更に、得られた接着成形物を使用して、上記した第2の切断工程(A)の後に第2の接着工程(B)を繰り返せば、より広い平面を有する、4個以上の成形物が接着された接着成形物が得られる。
本発明にかかるセラミックス板の製造方法では、上記した工程(1)〜(3)、或いは、工程(1)〜(3)に加えて(A)及び(B)を実施した後に得られる接着成形物は、次に、乾燥・接合・焼成工程(4)で、乾燥され、その後、乾燥した接着成形物を1,300〜1,800℃の温度で加熱して、接着された成形物同士を接合して焼成体とされる。この場合に焼成する接着成形物は、前記接着工程で得られた状態の接着成形物であってもよいが、先に述べたように、セッターとした場合の利便性等を考えると、円柱状の成形物を用いた場合には、弧状の部分を切断して、例えば、図2の(C)及び(D)、図4(D)に示したように、平面が角状となるようにすることが好ましい。乾燥・接合・焼成工程(4)で後に得られる焼成体は、使用する原料によっても異なるが、焼成前の成形物と比べた場合に、通常、10%程度、その容積が収縮したものとなる。
以下、焼成体を得る(4)の乾燥・接合・焼成工程について説明する。かかる工程では、先ず、上記のようにして得た成形物を乾燥させるが、乾燥温度を、例えば、30〜120℃、より好ましくは、50〜100℃程度の温度とすることが好ましい。乾燥に供される成形物は、良好な乾燥ができる形状のものとすることが好ましく、このため、成形物の厚みは、例えば、80mm以下、より好ましくは50mm以下とすることが好ましい。複数の貫通孔を有する成形物は、乾燥工程において、中実の成形物よりも迅速に乾燥することができるため、この点で有利である。
本発明では、上記のようにして乾燥した成形物を、1,300〜1,800℃で焼成する。乾燥及び焼成する時間は、成形物の材料として使用した、各種セラミックス材料や、有機化合物や粘土等の添加剤、及び成形物の大きさ等によって適宜に選択すればよい。
次に、本発明にかかるセラミックス板の製造方法の最終段階である(5)の切断工程について説明する。最終の切断工程(5)では、上記のようにして得られた複数の成形物が接合して一体となった焼成体を、図5(4)中に一点鎖線で示したように、柱状の成形物を水平方向に切断して、均一な厚みを有する平板を作製する。本発明者らの検討によれば、上記で得られた焼成体を、例えば、内周スライサー、マルチワイヤーソー、バンドソー等の切断機を用いて、図5及び6に示したように切断すれば、均一な厚みを有する多数の平板状のセラミックス板を容易に得ることができる。また、上記に挙げたような切断装置を用いて切断することで、その切断面を、例えば、セラミックス板120mm角あたりの平面度が90μm以下で、且つ中心線平均粗さRaが1.0μm以下の平滑なものとできる。
本発明のように構成すれば、複数の成形物を接合しているにもかかわらず、本発明の方法で得られるセラミックス板は、接合部分に凹凸を生じることなく、全面にわたって、上記したような極めて平滑で反りのない平坦面を形成することができる。本発明で使用する切断装置としては、上記した中でも、内周スライサーやマルチワイヤーソーを使用することが好ましい。これらの装置は、インゴットからシリコンウェーハを切り出す際の精密切断に使用されており、本発明に適用すれば、特に、精密な被焼成体を焼成等するためのセッターとして有用な、大型でありながら、厚みの薄い、全面にわたって平滑な反りのない平面を有するセラミックス板を容易に作製することができる。
本発明にかかるセラミックス板の製造方法の最終の切断工程(5)において、ブロック状の柱状の焼成体を、上記したような切断機を使用して水平の位置で均一な厚みで切断すれば、任意の厚みを有する反りがなく、厚みの薄い平板状のセラミックス板を数多く得ることができる。この結果、厚みの薄い平板状のセラミックス板を、容易に、且つ、歩留りよく作製することができる。また、1つのブロック状の柱状の焼成体に対して切断する水平の位置を適宜に変えれば、厚みの異なるセラミックス板を同時に製造することも可能である。
最終の切断工程(5)において、焼成体を切断する際の厚みは、セラミックス板に載積或いは挟持させる被焼成体に応じて適宜なものとすることができるが、特に、本発明の方法によれば、厚みが5mm以下の均一な厚みを有する、大面積の反りのない平滑な平面を有する薄板状の大型のセラミックス板を容易に作製することができる。本発明の方法によれば、平面の大きさにもよるが、例えば、2mm以下、更には、0.2mm以下の均一な厚みを有する極めて薄い薄板状の、大型のセラミックス板であっても、容易に、且つ、歩留りよく作製することができる。
上記のようにして得られる均一な厚みを有するセラミックス板は、平板状の成形物を焼成して得た従来のセラミックス板と異なり、反りを生じることがなく、平坦面を有するものとなる。また、中実な成形物を用いれば、凹凸のない良好な平滑面を有するセラミックス板となる。本発明にかかる製造方法によって得られるセラミックス板は、最終の切断工程(5)で切断して得たセラミックス板を研磨処理を施すことなく、そのままセッター等に用いることができる。しかし、更に研磨工程を設けてセラミックス板の所望の部分を研磨してもよい。
上記のようにして得られる貫通孔を有さないセラミックス板は、反りのない平滑な広い平面を有し、且つ非常に薄いものであるにもかかわらず十分な強度を有し、大型の被焼成体を積載したり、或いは大型の被焼成体を挟持するための挟持部材として使用できる。また、上記の方法によって得られる、複数の貫通孔が設けられた反りのない広い平面を有する平板状のセラミックス板は、セッターとして使用した場合に、全面に渡って優れた通気性を示し、大型の被焼成体に対して均一な焼成等を可能とし、焼きムラの発生のない優れた電子デバイス部品等の製品の製造に寄与できる。
尚、上記した本発明にかかる方法で得られるセラミックス板は、均一な厚みを有する平板状のものとなるが、セッターとして使用する場合に、そのまま使用できるが、平板状に形成されたものの少なくとも一方の面に、スペーサーとして機能する任意の形状の凸部材を接着等して設けて、凸部付きの平板とすることもできる。また、セッターを積載するための専用台を用いてもよい。このようにすれば、セッターを段組みして使用できるため、電子デバイス部品の焼成等を、より集約的に行うことができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。
<実施例1>
本実施例では、形成材料に、平均粒径が0.5μmの純度99質量%のアルミナ粉末を用いた。また、該アルミナ粉末に保形性を付与するために、メチルセルロースをアルミナ粉末に5質量%の割合で含有させて、押出し成形機(高浜工業(株)社製)で、混合・混練して保形性を有する混練物を得た。これに引き続いて、上記の押出し成形機で、上記した混練物からなる直径が280mmで、高さが50mmの大きさの、円柱状の成形物を形成した。該円柱状の成形物は、その開孔の一辺が0.55mmの正方形である直線状の貫通孔が(図6(b)参照)、全面に渡って複数設けられているブロック状のものである(図3(1)参照)。
次に、図3(2)に示したように、切断装置に、(株)ラクソー製のバンドソーを用いて、上記で得られた円柱状の成形物の一箇所に垂直な平坦面を形成した。成形物を切断する位置は、円柱の上面である直径が280mmの円内において、最大面積の正方形を描いた場合のいずれかの一辺[図1(1)中に点線で示したいずれかの辺]に重なる位置とした。そして、この位置に沿って垂直に切断して、図3(2)に示した形状の成形物を得た。
次に、図3(3)に示したように、上記で得られた一箇所に垂直な平坦面が形成されている円柱状の成形物を2個使用して、それぞれの平坦面を下記のようにして接着した。一方の成形物の平坦面に接着剤塗布し、該平坦面に、もう一方の平坦面を重ねて、2個の成形物を接着した。この際に使用した接着剤には、下記の組成からなる無機スラリーを用い、その塗布量は、1cm2あたり0.02gとした。
・アルミナ 60%
・メチルセルロース(バインダー) 8%
・樹脂分散剤 1%
・水 31%
本実施例では、更に、上記で得られた2個の成形物が接着してなる図3(3)に示した接着成形物を、上記したと同様の方法で切断し、図4(A)に示した垂直な平坦面を有する接着成形物を得た。そして、このようにして得られた接着成形物を2個用いて、上記したと同様の方法で接着して、図4(B)に示した、4個の成形物が接着してなる接着成形物を得た。本実施例では、得られた接着成形物を更に切断して、図4(D)に示した角状の成形物とした。
次に、得られた成形物を100℃で24時間乾燥した後、60℃/時間の条件で1,550℃まで昇温し、その温度で120分間焼成した。この結果、一辺が0.48mmの正方形の開孔を有する貫通孔が、図6(b)に示したように上面に整然と並んだ形態の、250×250×43mmの角柱状のアルミナ焼成体が得られた。
次に、上記で得たアルミナ焼成体を、フジセイコー(株)製のマルチブレードマシンで、それぞれの厚みが均一に3mmとなるように水平に切断した。この結果、250×250×3mmの、同一形状の均一な厚みを有する、貫通孔が全面に渡って設けられた角板状の、アルミナ製のセラミックス板を12枚得た。
上記のようにして作製した大型のセラミックス板をセッターとして用い、これに、10mmφ程度の大きさのチタン酸バリウム系部品を載積させて、室温から600℃まで昇温して加熱処理を行った。加熱処理の昇温条件は30℃/時間とした。処理後の部品について調べたところ、全ての部分において焼きムラはみられなかった。また、処理後の各部品からサンプリングして、含有有機物の除去率を調べたところ、いずれにおいても高い除去率が達成されていることが確認できた。
<実施例2>
成形物の成形工程(1)で押出し成形する場合に、成形物に貫通孔を設けずに、中実の円柱状の成形物とした以外は、実施例1と同様にして、4個の成形物を接合してなる300×300×3mmの、同一形状の均一な厚みを有する、角板状のアルミナ製のセラミックス板を12枚得た。
上記で得た角板状のセラミックス板の切断面は、目視及び触感によれば、接合された部分を含め、いずれの部分においても非常に平坦で、且つ平滑であった。そこで、得られたセラミックス板の中から5枚をサンプリングして、各セラミックス板の切断面について、平面度はNIST(米国計量機関)で保証された方法で、表面粗さはJIS法に基づいた方法で、それぞれ測定した。具体的には、平面度は、TROPEL FlatRuler 200(TROPEL社製)を用い、切断面の一部の120×120mmの面について測定した。その結果、いずれのセラミックス板についても、平面度は、40〜64μmであった。また、この平面度を測定した同様の切断面について、テイラーホブソン(TAYLOR HOBSON)社製の接触式の面粗さ計を用いて、中心線平均粗さRaを測定した。その結果、Raは、0.63〜0.65μmであった。測定結果からも、焼成体を、均一な厚みで薄く切断することによって得られた平板状のセラミックス板は、その切断面が、平坦で、凹凸の抑制された均一な平滑面となっていることが確認できた。
本実施例で得たセラミックス板を複数用いて、各セラミックス板の間に、被焼成体を挟み、従来と同一の条件で焼成処理を行った。焼成後に得た複数の製品の表面には、それぞれ平滑面が形成されたことが確認できた。各製品の平滑面について平面度を測定したところ、使用したセラミックス板と同程度の平面度を有するものとなっていることが確認できた。
<実施例3>
実施例1で使用したアルミナ粉末の代わりに、平均粒径が0.5μmの8モルY23安定化ジルコニア粉末を用い、且つ成形物の大きさを直径が74mmで、高さが50mmに変えた以外は実施例1と同様の手順で、4個の成形物を固着してなる80×80×43mmの、実施例1の場合よりも面積が小さい焼成体を得た。そして、切断工程において、得られた焼成体を、それぞれが0.2mmの均一な厚みを有するものとなるように、内周スライサー((株)東京精密社製)で切断し、80×80×0.2mmの非常に薄い、実施例1で得られたものよりも強靭な角板状のジルコニア製の、一面に貫通孔が設けられたセラミックス板を70枚得た。
また、本実施例で得られたセラミックス板をセッターとして用いたところ、実施例1と同様に良好であり、且つ、製品の耐久性の点では、実施例1で得られたものよりも優れたものであった。更に、本実施例で使用したジルコニアは、実施例1及び2で使用したアルミナと比較すると強度に優れ、他の材料との反応性も低く、非常に有用な材料であるが、その材料費が格段に高く、円柱状の成形物から、直接、セッターとして有用な大きさの平面を有する角状のセラミックス板を製造しようとすると莫大な材料費がかかり、実際的でなかった。これに対して、上記したように、小型の円柱状の成形物を用いて、これを接着することで角状のセラミックス板を製造すれば、比較的安価に、強度及び安定性に優れた製品を提供することが可能となる。
本発明の活用例としては、特に、大型の被焼成部品を載積して焼成等に使用するセッターとて有用なセラミックス板が挙げられるが、該製品は、大型の被焼成部品に対して均一な焼成処理を行うことが可能であり、更に、セラミックス板の間に被焼成体を挟持させて焼成した場合には、反りのない平滑な状態に焼成することが可能である。本発明によれば、セッターとして充分な強度を有し、しかも各種の被焼成部品に適した良好な平滑面を有するセラミックス板が容易に提供できる。更に、本発明の活用例としては、上記したような優れた性能を有するセラミックス板を簡易且つ経済的に得ることのできる製造方法を提供することで、当該セラミックス板を利用して製造される被焼成部品等の品質の向上、及び生産性の向上を達成し、ひいては、これらの部品が使用される各種製品の品質向上、及び経済性の達成に寄与できる。
本発明にかかるセラミックス板の製造方法の各工程を説明するための模式図である。 本発明にかかるセラミックス板の製造方法の各工程を説明するための模式図である。 本発明にかかるセラミックス板の製造方法の各工程を説明するための模式的な斜視図である。 本発明にかかるセラミックス板の製造方法の各工程を説明するための模式的な斜視図である。 本発明にかかるセラミックス板の製造方法の各工程を説明するための模式的な斜視図である。 本発明にかかるセラミックス板の製造方法によって得られるセラミックス板の模式的な斜視図である。
符号の説明
1、2、3、4:成形物
5、6:接着部(接合部)
7:貫通孔

Claims (9)

  1. セラミックス粉末と、該粉末に保形性を付与するための有機化合物及び/または粘土とを少なくとも含有する原料を用い、押出し成形法で端部に平面を有する柱状の成形物を形成する成形工程と、該成形工程で得られた柱状の成形物を上記平面に対して垂直方向に切断して、柱状成形物の少なくとも一箇所に垂直な平坦面を形成する第1の切断工程と、該切断工程後に、垂直な平坦面を有する2個の成形物をそれぞれの平坦面同士で接着する第1の接着工程と、該接着工程後に、得られた接着成形物を乾燥後、該乾燥した接着成形物を1,300〜1,800℃の温度で加熱して、接着された成形物同士を接合して焼成体を得る乾燥・接合・焼成工程と、その後、得られた焼成体を上記平面に対して水平方向に平板状に切断して、均一な厚みを有する平板を作製する最終の切断工程とを有することを特徴とするセラミックス板の製造方法。
  2. 前記柱状の成形物が、直線状の複数の貫通孔を有し、且つ焼成体の1つの孔の大きさが0.07〜4mm2である請求項1に記載のセラミックス板の製造方法。
  3. 更に、上記した第1の接着工程の後に得られた接着成形物の少なくとも一箇所に垂直な平坦面を形成する第2の切断工程と、該切断工程後に、垂直な平坦面を有する2個の接着成形物をそれぞれの平坦面で接着する第2の接着工程とを設け、これらの工程を1回以上繰り返して4個以上の成形物同士を接着する請求項1または2に記載のセラミックス板の製造方法。
  4. 前記第2の接着工程において、成形物同士を接着させた部分が、いずれの箇所においても4個の成形物の接着面が一箇所で接した状態とならないように接着する請求項3に記載のセラミックス板の製造方法。
  5. 最終の切断工程において、焼成体の切断面が、セラミックス板120mm角あたりの平面度が90μm以下で、且つ、中心線平均粗さRaが1.0μm以下の平滑な面となるように切断する請求項1〜4のいずれか1項に記載のセラミックス板の製造方法。
  6. 最終の切断工程において、厚みが5mm以下となるように切断する請求項1〜5のいずれか1項に記載のセラミックス板の製造方法。
  7. 少なくとも第1の切断工程において、内周スライサー、ワイヤーソー、バンドソーのいずれかを用いて切断する請求項1〜6のいずれか1項に記載のセラミックス板の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のセラミックス板の製造方法で得られたものであることを特徴とするセラミックス板。
  9. 被焼成部品を焼成する際に焼成炉内に被焼成部品を保持するためのセッターである請求項8に記載のセラミックス板。
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