JP7506842B1 - セッターと敷板とからなる焼成治具 - Google Patents

セッターと敷板とからなる焼成治具 Download PDF

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Abstract

セッターと敷板とからなり、セッターはメッシュ状部位を含むセラミックスシートであり、ここでメッシュ状部位は、複数条の第1線条部で構成される第1線条部層および複数条の第2線条部で構成される第2線条部層を含み、(1)敷板のセッターが戴置される側の面上のメッシュ状部位と対向する所定の領域には、セッターを係合するための少なくとも1つの係合突片が設けられており、(2)セッターが敷板に戴置されたとき、係合突片の一部または全てが隣接する第1線条部の各々に同時に接触するように形成されており、(3)当該接触箇所を含む第1線条部層の所定の領域にて、隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離をAとし、係合突片と隣接する第1線条部との接触点間の平均距離をBとするとき、A>Bの関係を満たす焼成治具が開示される。

Description

本発明は、セッターと敷板とからなる焼成治具に関する。本発明は、より具体的には、セッターとこのセッターが戴置される敷板とからなり、セッターの摺動が効果的に防止され得る焼成治具に関する。
セラミックス製の電子部品やガラスを焼成するときには、被焼成物を棚板等とも称されるセラミックスシートのセッター上に載置して焼成を行うことが一般的である。このようなセッターを用いる焼成プロセスでは、多数の被焼成物を同時に焼成する高い生産効率が要求される。そのため、焼成用の敷板または焼成用ラック等と称される部材上にセッターが戴置された焼成治具を用い、複数のセッターを所定間隔で積層させた多段組みの形態で焼成が行われている。
セラミックス製セッターに関する従来の技術としては、例えば、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックスより作られ、且つ表裏を貫通する多数の穴を持つ多孔板からなる加熱成型加工用セッターや、被焼成物を載置する表面側及び裏面側に少なくとも凹凸形状が付与されているとともに、開口部が形成されているセラミック焼成用窯道具板などが知られている。また、被焼成物の急速な加熱及び冷却を行うときにセッターに割れ等が発生することを防止するための技術として、セラミックス製の複数の第1線条部と、これと交差するセラミックス製の複数の第2線条部とを有するセラミックス格子体であって、第1線条部と第2線条部とが特定の接触形態を有するものが開示されている(一例として特許文献1参照)。
一方、敷板等と称される焼成治具として、例えば、中央側に中空部を有する枠体と、枠体の中空部に架け渡され、中空部で互いに交差する複数の架橋部とを備え、枠体と架橋部とが一体成型されることを特徴とする焼成治具が開示されている。この焼成治具によれば、セラミックス製品の焼成による製造の生産性が向上することが報告されている。
また、他の敷板等と称される焼成治具として、特許文献2には、被焼成物が積載される平板状セッターを配置するように構成された焼成用ラックであって、表面に平板状セッターが配置されるとともに開口部を有する枠体と、枠体の中心を通過して枠体間を伸びる柱部と、枠体と柱部によって囲まれた複数の囲繞部と、囲繞部の中心から枠体又は柱部に向けて伸びる複数の副柱部とを備える焼成用ラックが開示されている。この焼成用ラックによれば、積載する平板状セッターの面内温度分布のムラを低減し得ることが報告されている。
特開2018-193274号公報 国際公開2021/033375号
このようなセラミックス製セッターと敷板(焼成用ラック)とは、図1に例示するように、焼成の際に、各々の敷板の上にセッターを載せ、さらに各々のセッターの上に被焼成物が配された状態で多段組みとして積層されることが多い。図1において、Sはセッターであり、Pは多段積みで積層された敷板であり、Cは被焼成物であり、各々の敷板上にセッターが戴置され、その上に被焼成物が配されることによって、多段積みの焼成治具であるMが焼成プロセスに供される。多段積みとして積層されたセラミックス製セッターと敷板との組み合わせを、その多段積みの状態のまま保管し、さらには搬送することを要する場合もある。そのような積層操作の際や、多段積みの状態のまま搬送する際に、僅かな斜度や振動(すなわち水平方向や上下方向の動作)によりセッターが敷板上で摺動すると、その上に配された被焼成物の安定性も維持されず、被焼成物の変形や破損、焼成の不具合、電子部品等の微細な被焼成物のセッターからの落下などにつながる恐れがある。そのため、セラミックス製セッターと敷板との組み合わせの積層操作時や、それらの多段積み状態での搬送時において、セッターが敷板上で容易に摺動しない良好なハンドリング性が求められている。しかし、そのような摺動を十分に防止し得る技術はこれまで開発されていなかった。
従って、本発明が解決しようとする課題は、セラミックス製セッターと敷板との組み合わせからなる焼成治具であって、それらの積層操作時や、多段積み状態での搬送時において、僅かな斜度や振動(水平方向や上下方向の動作)によりセッターが敷板上で容易に摺動しないような良好なハンドリング性を有する焼成治具を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究した結果、少なくとも一部にいわゆるメッシュ状の部位を含むセラミックスシートであるセッターと、このセッターが戴置される敷板とからなる焼成治具において、敷板の前記セッターが戴置される側の面上のメッシュ状部位と対向する所定の領域に、セッターが敷板に戴置されたときに隣接する第1線条部の各々に同時に接触し、これを係合するように少なくとも1つの係合突片を設けると共に、当該接触箇所を含む第1線条部層の所定の領域にて、隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離Aが、係合突片と隣接する第1線条部との接触点間の平均距離Bよりも大きくなるように設計することにより、係合突片が隣接する第1線条部の間に入り込むように配置されることになり、それによってセッターの敷板上での移動が効果的に制限され、セッターの敷板上での摺動を十分に防止することが可能になり、ひいてはセラミックス製品の焼成治具としてのハンドリング性が大幅に向上することを見出し、本発明に係る焼成治具を完成させた。
従って、本発明の典型的な一態様は、以下のとおりである:
セッターと、このセッターが戴置される敷板とからなる焼成治具であって、
前記セッターは、少なくとも一部にメッシュ状部位を含むセラミックスシートであり、ここで前記メッシュ状部位は、所与の間隔で配置された各条が一方向に延伸された複数条の第1線条部で構成される第1線条部層、および、前記第1線条部の各条の上に接してこれと交差するように所与の間隔で配置された、各条が一方向に延伸された複数条の第2線条部で構成される第2線条部層を含み、前記第1線条部層と前記第2線条部層とが一体的に形成された部位であり、
(1)前記敷板の前記セッターが戴置される側の面上の前記メッシュ状部位と対向する所定の領域には、前記セッターを係合するための少なくとも1つの係合突片が設けられており、
(2)前記セッターが前記敷板に戴置されたとき、前記係合突片の一部または全てが、隣接する前記第1線条部の各々に同時に接触するように形成されており、
(3)当該接触箇所を含む前記第1線条部層の所定の領域にて、
隣接する前記第1線条部の中心間の平均垂直距離をAとし、
前記係合突片と隣接する前記第1線条部との接触点間の平均距離をBとするとき、
A>Bの関係を満たす、
焼成治具。
本発明に係るセッターとそれが戴置される敷板とからなる焼成治具によれば、隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離Aが、係合突片と隣接する第1線条部との接触点間の平均距離Bよりも大きいことによって、係合突片が隣接する第1線条部の間に入り込むように配置されることになり、セッターの敷板上での移動が効果的に制限され得る。その結果、セッターの敷板上での摺動を十分に防止することが可能になり、セラミックス製品の焼成治具としてのハンドリング性が大幅に向上し得る。
図1は、セラミックス製セッターと敷板(焼成用ラック)との多段組みによる公知の積層形態を例示する図である。 図2は、本発明による焼成治具におけるセッターのメッシュ状部位の一実施形態を例示する図である。 図3は、本発明による焼成治具におけるセッターと敷板との組み合わせの一実施形態を示す図である。 図4は、本発明による焼成治具におけるセッターのメッシュ状部位の第1線条部と敷板の係合突片との関係を説明する図である。 図5(a)~(c)は、本発明による焼成治具におけるセッターのメッシュ状部位の第1線条部と敷板の係合突片との関係の実施形態を説明する図である。 図6(a)、(b)は、本発明による焼成治具の敷板上に設けられた複数の係合突片の実施形態を示す図である。 図7は、本発明外である比較例2の焼成治具におけるセッターのメッシュ状部位の第1線条部と敷板の係合突片との接触形態を説明する図である。
本発明に係る焼成治具において敷板と組み合わせられるセッターは、少なくとも一部にメッシュ状部位を含むセラミックスシートであって、このメッシュ状部位は、所与の間隔で配置された各条が一方向に延伸された複数条の第1線条部で構成される第1線条部層、および、第1線条部の各条の上に接してこれと交差するように所与の間隔で配置された、各条が一方向に延伸された複数条の第2線条部で構成される第2線条部層を含み、第1線条部層と第2線条部層とが一体的に形成された部位であるセラミックスシートである。当該セッターは、このようなメッシュ状部位を少なくとも一部に含む限りは、特に限定されない。セッターのメッシュ状部位以外の部位は、いかなる公知のセッターの構造が採用されてもよい。一実施形態において、全体が一体的に形成されたメッシュ状のセラミックスシート焼結体であるセッターを用いてもよい。
ここで、第1線条部層と第2線条部層とが「一体的に形成された」メッシュ状の焼結体であることは、第1線条部層を構成する線条群と第2線条部層を構成する線条群とが、それらの接触箇所にて一体的な構造を成すように焼成・連結されて、容易に分離できないように形成されていることを意味する。一態様において、第1線条部層と第2線条部層とは、第1線条部層を構成する線条群と第2線条部層を構成する線条群とが、それらの接触箇所にて一体的な構造を成すように焼成・連結されて、容易に分離できないように形成されており、かつ、第1線条部層と第2線条部層とが、あるいは各線条部層の異なる部分同士が単一の組成から形成されていてよい。他の一態様において、第1線条部層と第2線条部層とは、第1線条部層を構成する線条群と第2線条部層を構成する線条群とが、それらの接触箇所にて一体的な構造を成すように焼成・連結されて、容易に分離できないように形成されており、かつ、第1線条部層と第2線条部層とが、あるいは各線条部層の異なる部分同士が異なる複数の組成から形成されていてよい。
図2に、セッターのメッシュ状部位の一実施形態が例示されている。図2において、メッシュ状部位1は、略一定の間隔で配置された各条が一方向に延伸された複数条の第1線条部2で構成される第1線条部層、およびこの第1線条部2の各条の上に接してこれを交差するように略一定の間隔で配置された、各条が一方向に延伸された複数条の第2線条部3で構成される第2線条部層を含む。両線条部2、3の交差角度は適宜設定され得るが、例えば第1線条部2に対して第2線条部3の交差角度を90度とすることができる。あるいは、第1線条部2に対する第2線条部3の交差角度を90度±10度の範囲で変更させることもできる。第1線条部2および第2線条部3の断面形状は、特に限定されないが、図示されているように略円形または略楕円形であってよい。第1線条部2および第2線条部3の断面形状は、略円形、略楕円形以外に、略矩形等の略多角形、あるいはこれらの一部が直線状に切断された形状を採り得る。
セラミックスシートのメッシュ状部位の複数条の第1線条部および複数条の第2線条部のセラミックス原料粉は、特に限定されず、種々のセラミックス素材を含んでいてよい。セラミックス原料粉として用いられるセラミックス素材の例としては、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、酸化マグネシウム(MgO)、ムライト(3Al-2SiO)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ホウ素(BC)、コージェライト(MgO/Al/SiO)、チタン酸アルミニウム(AlTiO)、チタン酸マグネシウム(MgTiO)、二硼化チタン(TiB)などの1種または2種以上の組み合わせが挙げられる。また、これらのセラミックス素材の1種または2種以上の組み合わせである原料粉を用いて製造された焼結体も自ずと、これらの素材から生じ得る組成を有することになる。一実施形態によるセラミックスシートのメッシュ状部位において、第1線条部層と第2線条部層とが、あるいは各線条部層の異なる部分同士が単一の組成から形成されていてよい。他の一実施態様によるセラミックスシートのメッシュ状部位において、第1線条部層と第2線条部層とが、あるいは各線条部層の異なる部分同士が異なる複数の組成から形成されていてよい。一実施形態において、全体が単一種の材料で一体的に形成されたメッシュ状のセラミックスシート焼結体であるセッターを用いてもよい。このようなセッターを用いることにより、セラミックスシート全体の強度が非常に高くなり、またセッターの効率的な製造にもつながる。
メッシュ状部位がセラミックスシートの一部を占める場合のメッシュ状部位以外の部位のセラミックス原料粉は、特に限定されず、上述されたメッシュ状部位の原料粉と同じであっても異なっていてもよい。セラミックスシートのメッシュ状部位以外の部位が存在する場合のその原料粉は、これと接するメッシュ状部位の原料粉と同じであることが好ましい。また、好ましい一実施形態において、メッシュ状部位とメッシュ状部位以外の部位とは一体的に形成されたセラミックスシート燒結体であってよい。メッシュ状部位とメッシュ状部位以外の部位とが一体的に形成された燒結体を構成すると共に、両者の原料粉が同じであれば、セラミックスシート全体の強度が高められると共に、焼成時の加熱・冷却の熱履歴(膨張・収縮の繰り返し)による接合強度の低下が防止され得る。
セラミックスシートのメッシュ状部位は、一実施形態において、第1線条部と第2線条部とのいずれの交差部にても、第1線条部の断面が直線部と該直線部の両端部を端部とする凸形の曲線部とから構成される形状を有しており、第2線条部の断面が円形又は楕円形の形状を有しており、しかも、交差部の縦断面視で、第1線条部における凸形の曲線部の頂部と第2線条部における円形又は楕円形における下向きに凸の頂部のみが接触している構成(いわゆる点接触の構成)を有することができる。
またセラミックスシートのメッシュ状部位は、他の一実施形態において、第1線条部の断面が、第1線条部と第2線条部との交差部以外の部位にて、直線部と、該直線部の両端部を端部とする凸形の曲線部とから構成される形状を有しており、前第2線条部の断面が、交差部以外の部位にて、円形又は楕円形の形状を有しており、かつ第1線条部と第2線条部とが、それぞれ一点のみではなく、面で接触した交差部を成している構成を備えることができる。この構成は、上記のいわゆる点接触に対して面接触の構造と称され得る。
このような面接触による上記構造例の下位概念に相当する一実施形態において、セラミックスシートのメッシュ状部位は、第1線条部の断面が、第1線条部と第2線条部との交差部以外の部位にて、直線部と、該直線部の両端部を端部とする凸形の曲線部とから構成される形状を有しており、前第2線条部の断面が、交差部以外の部位にて、円形又は楕円形の形状を有しており、しかも、第2線条部の平面視での投影像が、交差部にて、幅方向外方に向けて湾曲膨出した形状になっており、それによって交差部における投影像の幅が、交差部以外の部位における投影像の幅よりも大きくなっている構成を有することができる。
またセラミックスシートのメッシュ状部位は、更なる他の一実施形態において、第1線条部の断面が、第1線条部と第2線条部との交点以外の部位において、直線部と該直線部の両端部を端部とする凸形の曲線部とから構成される形状を有しており、第2線条部の断面が、第1線条部と第2線条部との交点以外の部位において、円形又は楕円形の形状を有しており、この焼結体は平面視での輪郭の少なくとも一部に直線辺部を有しており、第1線条部および第2線条部とこの直線辺部(外辺)とがそれぞれ独立に10度以上170以下の角度で(すなわち非直角である角度を含む幅広い角度範囲にて)交わっている構造を備えていてよい。
またセラミックスシートのメッシュ状部位は、更なる他の一実施形態において、複数の第1線条部および複数の第2線条部に加えて、第1線条部と第2線条部とが交差することで画成される四辺形の対角線上を通るセラミックス製の複数の第3の線条部とを有し、第1線条部、第2線条部及び第3の線条部によって画成される複数の三角形の貫通孔が形成されている板状のセラミックス構造体であってよい。
メッシュ状部位がセラミックスシートの一部を占める場合のメッシュ状部位以外の部位は、特に限定されないが、例えば、微細な気孔を多数設けたセラミックス板状体(板状体の異なる領域で異なる気孔径/異なる気孔密度を有するものを含む)や、メッシュ以外の形状で第1線条部層(支持体層)および第2線条部層が配置されたシート(一例としてはいわゆる簀子状のシート)等が挙げられる。
本発明に係る焼成治具における敷板は、そこに戴置されるセッターとの間で以下の関係を満たす限りは、特に限定されない:
(1)敷板のセッターが戴置される側の面上のメッシュ状部位と対向する所定の領域には、セッターを係合するための少なくとも1つの係合突片が設けられており、
(2)セッターが敷板に戴置されたとき、係合突片の一部または全てが、隣接する第1線条部の各々に同時に接触するように形成されており、
(3)接触箇所を含む第1線条部層の所定の領域にて、
隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離をAとし、
係合突片と隣接する前記第1線条部との接触点間の平均距離をBとするとき、
A>Bの関係を満たす。
これに包含される好ましい一実施形態において、当該焼成治具における敷板は、そこに戴置されるセッターとの間で以下の関係を満たす:
(1a)敷板のセッターが戴置される側の面上のメッシュ状部位と対向する所定の領域には、セッターを係合するための複数の係合突片が設けられており、
(2a)セッターが敷板に戴置されたとき、係合突片の全てが、隣接する第1線条部の各々に同時に接触するように形成されており、
(3a)接触箇所の全てにおいて、
隣接する第1線条部の中心間の垂直距離をAxとし、
係合突片と隣接する第1線条部との接触点間の距離をBxとするとき、
Ax>Bxの関係を満たす。
この敷板の形状は、少なくともセッターが戴置される可能性がある領域においてその上面の基部(基準面)が平面をなしており、セッターの全体が収容され得る外周を有すると共にセッターが安定して戴置され得る限りは特に限定されないが、例えば、略円形、略楕円形、略矩形等の多角形などの平板状であってよい。敷板の基材部の厚みは、少なくともセッターが戴置される可能性がある領域において、特に限定されないが、例えば1mm以上50mm以下であってよく、2mm以上30mm以下、または3mm以上20mm以下であってよい。敷板の基材部の厚みは、少なくともセッターが戴置される可能性がある領域において、敷板全体で同一の厚みであってよいし、一部において厚みの変化があってもよい。また、敷板の少なくとも一部に周壁やリブを備えていてよい。敷板はその周囲の全体に周壁やリブを備えていてもよい。また、敷板は、多段積みによる焼成の際のハンドリング性や通気性の確保の観点から、その底部の一部に(通常は周縁近傍の複数の箇所に)脚部を備えていてよい。あるいは、敷板は、そのような脚部の代わりに頂部の一部に(通常は周縁近傍の複数の箇所に)支持柱を備えていてよい。敷板には、焼成プロセスの際の通気性を保持するため、通常、単数個のあるいは複数個に分かれた開口部(中空部)が形成されていることが好ましい。通気性の観点から、敷板の周縁近傍以外の過半部が開口部であることも好ましい。
敷板のセッターが戴置される側の面上のメッシュ状部位と対向する所定の領域には、セッターを係合するための少なくとも1つの係合突片が設けられている。本明細書における「係合」とは、敷板のセッターが戴置される側の面上のメッシュ状部位と対向する所定の領域に少なくとも1つの突片(突起状物)を設けることによって、敷板のセッターが戴置される側の面上の所定の領域が突片を有しない平面で形成されていると仮定した場合に当該平面上にセッターを戴置したときの摺動に対する摩擦抵抗と比べて、より大きい摩擦抵抗を与えるいかなる事象をも指す意図である。
敷板のセッターが戴置される側の面上の「所定の領域」は、メッシュ状部位の少なくとも一部と対向する位置を含む領域である限り特に限定されず、この領域は1個であっても複数個(例えば、2個以上10個以下)であってもよい。すなわち、セッターにおけるメッシュ状部位の配置やメッシュの形状設計などの諸要素に対応させて、敷板の面上の「所定の領域」を適宜決定することができる。1つまたは分離された複数の所定の領域のそれぞれに、少なくとも1つの係合突片が設けられていてよい。分離された複数の所定の領域に少なくとも1つの係合突片が設けられている場合、各領域の係合突片の数は同じであっても異なっていてもよい。敷板上の所定の領域の1つに設けられる係合突片の数は、特に限定されないが、例えば1個以上100個以下、1個以上50個以下、1個以上30個以下、1個以上20個以下、1個以上10個以下、2個以上100個以下、2個以上50個以下、2個以上30個以下、2個以上20個以下、2個以上10個以下、5個以上100個以下、5個以上50個以下、5個以上30個以下、5個以上20個以下、5個以上10個以下、10個以上100個以下、10個以上50個以下、10個以上30個以下、または10個以上20個以下であってよい。
敷板上の所定の領域に設けられた係合突片の形状は、略半球状、略半楕円体状、略円錐状、略円錐台状、頂部周縁部に曲面が付与された(頂部周縁部の断面に曲線いわゆるRが付与された)略角柱状、またはそれらの組み合わせであってよい。好ましい一実施形態において、製造効率、係合性、セッターの破損抑制などの観点から、係合突片の形状は、略半球状または略半楕円体状であってよい。別の好ましい一実施形態において、係合突片の形状は、その断面輪郭において、直線部分を実質的に含まない。更なる別の好ましい一実施形態において、係合突片の形状は、その断面輪郭において、直前部分を上面輪郭長に対して0%以上20%以下含むか、または0%以上10%以下含む。
敷板上の分離された複数の所定の領域に少なくとも1つの係合突片が設けられている場合、各領域の係合突片の形状は同じであっても異なっていてもよい。また、敷板上の所定の領域の1つにおいて、複数の係合突片が設けられている場合にそれらの係合突片の形状は同じであっても異なっていてもよい。
敷板上の所定領域に設けられた係合突片は、セッターが敷板に戴置されたとき、その係合突片の一部または全てが、隣接する第1線条部の各々に同時に接触するように形成されている。セッターが敷板に戴置されたとき、敷板上の所定領域内の係合突片の全てが隣接する第1線条部の各々に同時に接触するように、係合突片が形成されていることが好ましい。係合突片が「隣接する第1線条部の各々に同時に接触する」という定義からは、セッターが敷板上で摺動する動的な状況下で、係合突片が所定の時間差で隣接する第1線条部の各々に順次接するような接触形態(すなわち、隣接する第1線条部の間隙・ピッチが突片の幅よりも大きいときに生じ得る動的な接触形態)は排除される。
図3に、本発明による焼成治具におけるセッターと敷板との組み合わせの一実施形態を示す。本発明による焼成治具のセッターおよび敷板のいずれも図3の形態に限定されるわけではなく、これは単なる一例である。
図3において、4は焼成治具(組み合わせ)、5はセッター(セラミックスシート)、6は敷板、7は枠体(敷板の基材部)、8は中空部(開口部)、9は周壁部(リブ)、10は脚部、11は係合突片群を示す。焼成治具4の一部材であるセッター5は、略一定間隔で一方向に延伸する第1線条部で構成された第1線条部層、および略一定間隔でこれと略直行して一方向に延伸する第2線条部で構成された第2線条部層からなるメッシュ状部位で全体的に形成されている。焼成治具4の他方の部材である敷板6は、中空部8を有する略矩形の板状体である枠体7から構成されており、その周囲全体に直立した周壁部9が形成されていると共に、矩形の四隅の各々に多段積み用の脚部10を備えている。周壁部(リブ)9は、周囲全体を形成する構成として例示されているが、周囲の一部であってもよい。敷板6の枠体7の上面は、セッター5の周縁部の全体が戴置可能な平面をなすと同時に、周壁部9は、セッター5が敷板6の枠体7に戴置される際にセッター5の周縁部の全体が周壁部まで所定の間隔を有するように形成されている。敷板6の枠体7の各辺の面上の所定の位置には、それぞれ複数の係合突片11が形成されている。セッター5が敷板6の枠体7に戴置されるとき、枠体7の各辺の面上で、セッター5の全体をなすメッシュ状部位が複数の係合突片11の少なくとも一部の上に配置・係合されて、摺動に対する防止・抑制性能が付与される。このようなセッター5と敷板6との組み合わせである焼成治具4の複数個を縦方向に積層することによって、多段積みの焼成治具を形成することができる。このような多段積みでは、中空部8に加えて、複数の脚部10の間において、また周壁部が周囲の一部に形成されている場合はそれらの間において、通気性が確保され、効率的な焼成プロセスが実施され得る。
図3に一例として示されているように、敷板のセッターが戴置される側の面上のメッシュ状部位と対向する所定の複数領域の各々に少なくとも1つの係合突片(より好ましくは複数の係合突片)が設けられており、セッターが敷板に戴置されたとき、敷板の当該複数領域の各々がセッターの周縁近傍に対応するように係合突片が配置されていることは、本発明による焼成治具の好ましい一実施形態である。後述される係合突片と第1線条部との関係を満たすと共に、このような配置形態を採用することによって、セッターが敷板上により安定して戴置され、セッターの敷板上での摺動を効果的に防止・抑制することが可能になる。
また、この効果をより確実に享受するために、敷板上の係合突片が設けられた領域の総面積は、対向するセッター面の全体の面積の0.004%以上であることが好ましく、0.2%以上であることがより好ましく、0.5%以上であることが更により好ましい。一方、敷板製造時の不良品発生率の低減や敷板とセッターとを多段積みした状態で効率よく被焼成物を焼成させる観点から、この割合は、15%以下であってよく、典型的には10%以下、8%以下または6%以下であってよい。
図4に、本発明による焼成治具におけるセッターと敷板との組み合わせの一実施形態を示す。本図は、セッターが敷板に戴置された状態である。ここで、12はセッターのメッシュ状部位の隣接する第1線条部、13は敷板(基材部)、14は敷板上の所定の領域に形成された係合突片(敷板上の所定の領域に複数の係合突片が形成されている場合はそのうちの1つ)を示す。本図においてセッターが敷板に戴置されたとき、係合突片14が、隣接する第1線条部12の各々に同時に接触している。敷板上の所定の領域に複数の係合突片が形成されている場合、それら複数の係合突片の少なくとも一部(すなわち一部または全て)が、このように隣接する第1線条部の各々に同時に接触する。なお、以降では、この接触状態を「同時接触」と略することがあるものとする。
図4に示されるように、この同時接触箇所を含む第1線条部層の所定の領域において、隣接する第1線条部12の中心間の平均垂直距離をAとし、係合突片14と第1線条部12との接触点間の平均距離をBとするとき、AがBよりも大きい、すなわちA>Bの関係が満たされる。
ここで、隣接する第1線条部12は、所与の間隔で同じ一方向に延伸されるように配置設計されているが、それらの間隔および方向は、焼成プロセスに起因する微小な誤差を生じ得る。このような隣接する第1線条部12の間隔および方向の誤差を考慮して、隣接する第1線条部12の中心間の平均垂直距離A、および係合突片14と第1線条部12との接触点間の平均距離Bを定義する。すなわち、所定領域内で、第1線条部の設計方向に対して垂直な方向における、敷板の上面に平行な平面視にて第1線条部の幅の中央点を中心とし、隣接する第1線条部の中心間の距離の任意の5箇所の平均を、隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離Aとする。また、所定領域内で、係合突片と第1線条部との接触点をマーキングで特定することによって測定される接触点間の距離の平均(所定領域内で当該距離が5個までのときはそれらの平均、当該距離が6個以上のときは値が大きいほうから5個の平均)を、係合突片と隣接する第1線条部との接触点間の平均距離Bとする。係合突片等の形状によって、例えば、係合突片が頂部周縁部に曲面が付与された略角柱状である場合には、係合突片と第1線条部との接触点が線状(接触点の集合である接触線)になることもあり得、あるいは例えば、第1線条部の底部に平面が形成されており、かつ係合突片が頂部周縁部に曲面が付与された略角柱状である場合には、係合突片と第1線条部との接触点が面状(接触点の集合である接触面)になることもあり得る。このような場合には、係合突片と第1線条部との接触点間の垂直最短距離、すなわち第1線条部の設計方向に対して垂直な方向の最短距離の平均をBと定義することとする。
図4に示されるように、同時接触箇所を含む第1線条部層の所定の領域において、隣接する第1線条部12の中心間の平均垂直距離をAとし、係合突片14と第1線条部12との接触点間の平均距離をBとするとき、A>Bの関係が満たされることによって、係合突片14が隣接する第1線条部12の間に入り込むように配置されることになり、セッターの敷板上での移動が効果的に制限され得る。これにより、セッターの敷板上での摺動を十分に防止することが可能になり、セラミックス製品の焼成治具としてのハンドリング性が大幅に向上し得るという意外かつ優れた効果が得られる。
AおよびBについて、上記効果の確実な発現の観点から、A≧1.2Bの関係が満たされることがより好ましく、A≧1.5Bの関係が満たされることがさらに好ましく、A≧1.7Bの関係が満たされることが最も好ましい。一方、摺動時の係合突片14の破損防止の観点から、典型的にはA≦5.0Bであってよく、A≦4.0BまたはA≦3.0Bであることがより好ましい。
また、図4に示されるように、第1線条部層の所定の領域において、隣接する第1線条部12の間隙(ピッチとも称される)の平均値をCとするとき、係合突片14と第1線条部12との接触点間の平均距離BがこのCの値以上である、すなわちB/C≧1の関係が満たされることが好ましい。
ここでの隣接する第1線条部の間隙(ピッチ)の平均値Cは、第1線条部の設計方向に対して垂直な方向における、敷板の上面に平行な平面視にて任意の5箇所の間隙(ピッチ)の平均を指す。
上述したとおり、セッターの第1線条部の断面形状および敷板上に設けられる係合突片の形状は特に限定されないが、上で例示されたように、第1線条部の断面形状が円形または楕円形であり、かつ係合突片の形状が略半球状、略半楕円体状、略円錐状、略円錐台状または頂部周縁部に曲面が付与された略角柱状である場合、上記の同時接触の条件が満たされるときには、通常、B/C≧1の関係が満たされることになる。
上記の隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離A、係合突片と隣接する第1線条部との接触点間の平均距離B、および隣接する第1線条部の間隙(ピッチ)の平均値Cの各々は、上述した特定の大小関係が満たされる限りにおいて特に限定されず、いずれの数値範囲も採り得る。
例えば、上記Aは、通常100μm以上20mm以下であってよく、好ましくは200μm以上10mm以下または300μm以上5mm以下であってよい。上記Bは、通常80μm以上15mm以下であってよく、好ましくは150μm以上8mm以下または200μm以上5mm以下であってよい。上記Cは、通常60μm以上10mm以下であってよく、好ましくは100μm以上5mm以下または150μm以上3mm以下であってよい。
好ましい一実施形態によれば、敷板のセッターが戴置される側の面上の所定の領域において、複数の係合突片が設けられており、その係合突片の全てが(あるいはその実質的に全てが)隣接する第1線条部の各々に同時に接触するように形成されており、かつ接触箇所の全てにおいて(あるいはその実質的に全てにおいて)、隣接する第1線条部の中心間の垂直距離をAx(Aの定義に従う)とし、係合突片と第1線条部との接触点間の距離をBx(Bの定義に従う)とするとき、Ax>Bxの関係が満たされる。これによって、敷板上の所定領域の全て(あるいはその実質的に全て)の係合突片が隣接する第1線条部の間に入り込むように配置されることになり、セッターの敷板上での移動がより効果的に制限され得る。また、これによってセラミックス製品の焼成治具としてのハンドリング性が格段に向上し得る。
AxおよびBxについて、上記効果の確実な発現の観点から、Ax≧1.2Bxの関係が満たされることがより好ましく、Ax≧1.5Bxの関係が満たされることがさらに好ましく、Ax≧1.7Bxの関係が満たされることが最も好ましい。一方、摺動時の係合突片の破損防止の観点から、典型的にはAx≦5.0Bxであってよく、Ax≦4.0BxまたはAx≦3.0Bxであることがより好ましい。
図5(a)~(c)にて、本発明による焼成治具におけるセッターのメッシュ状部位の第1線条部と敷板の係合突片との関係の諸実施形態を例示する。これらの実施形態は、敷板のセッターが戴置される側の面上のメッシュ状部位と対向する所定の領域に、セッターを係合するための複数の係合突片が略直線状に所定間隔で設けられていることを共通の前提事項とする。
図5(a)には、セッターが敷板に戴置されたとき、上記の同時接触による接触箇所を含む第1線条部層の所定の領域にて、隣接する第1線条部12の中心間の平均垂直距離をAとし、敷板(基材部)13上の所定の領域に設けられた係合突片14の頂部中央点間の前記Aと同方向における距離の平均をEとするとき、EがAと等しい、すなわちE=A(E=1A)の関係が満たされる実施形態が例示されている。また、図5(b)には、セッターが敷板に戴置されたとき、第1線条部層の当該所定の領域にて、EがAの2倍と等しい、すなわちE=2Aの関係が満たされる実施形態が例示されている。図5(a)および(b)には、参考のため、第1線条部層の上面および底面の仮想平面を、それぞれ15Kおよび15Sとして示す。これらの実施形態において、各係合突片が同形状であり、各第1線条部の断面形状が同じであると共に第1線条部が等間隔で配置されている場合には、仮想平面15Kおよび15Sは、敷板の上面を成す平面と平行である。
ここで、隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離Aは、上記Aの定義に従う。係合突片の頂部中央点は、敷板の上面に対する最高位が点状である場合にはその点とし、敷板の上面に対する最高位が面状である場合には、その最高位面の外接円の中心点とする。敷板上の所定の領域に3個以上の係合突片が略直線状に所定間隔で設けられている場合、すなわち係合突片の頂部中央点間の前記Aと同方向における距離が2個以上ある場合には、それらの平均をEとし、また、敷板上の所定の領域に7個以上の係合突片が略直線状に所定間隔で設けられている場合、すなわち係合突片の頂部中央点間の前記Aと同方向における距離が6個以上ある場合には、そのうちの大きいほうから5個の平均をEとする。
このように、セッターが敷板に戴置されたとき、上記の同時接触による接触箇所を含む第1線条部層の所定の領域にて、E≧A(E≧1A)の関係、あるいはEおよびAの設計に対するある程度の変動・誤差を考慮したE≧0.95Aの関係が満たされることによって、特には、E=yA(ここでEおよびAは上記の定義に従い、yは1以上の整数n(上記実施形態の場合はこのyが1もしくは2)または、この設計に対するある程度の変動・誤差を考慮した0.95n≦y<n、n<y≦1.05nの範囲内の非整数である。)の関係が満たされることによって、複数の係合突片が隣接する第1線条部の間に入り込む確率が高くなり、それによってセッターの敷板上での前後左右への水平方向の移動・摺動がより効果的に制限され得、ひいてはセラミックス製品の焼成治具としてのハンドリング性が更に向上し得る。
敷板上の所定の領域に設けられた係合突片の頂部中央点間の前記Aと同方向における距離の平均Eは、上述した特定の大小関係が満たされる限りにおいて特に限定されず、いずれの数値範囲も採り得る。例えば、上記Eは、通常100μm以上40mm以下であってよく、好ましくは200μm以上20mm以下または300μm以上10mm以下であってよい。
図5(c)には、セッターが敷板に戴置されたとき、上記の同時接触による接触箇所を含む第1線条部層の所定の領域にて、EがAの1.3倍と等しい、すなわちE=1.3Aの関係が満たされる実施形態が例示されている。図5(c)には、参考のため、図5(a)、(b)と同様に、第1線条部層の上面および底面の仮想平面をそれぞれ15Kおよび15Sとして示す。この実施形態において、各係合突片が同形状であり、各第1線条部の断面形状が同じであると共に第1線条部が等間隔で配置されている場合には、仮想平面15Kおよび15Sは、敷板の上面を成す平面に対して所定の角度の傾斜を有する。なお、この実施形態において、敷板の上面を成す平面に対して所定の角度の傾斜を有するのは、第1線条部層の当該所定の領域周辺のみであることが意図されており、メッシュ状部位の全体あるいはメッシュ状部位を含むセッターの全体がこの傾斜を有することは意図されていないのは勿論である。
このように、セッターが敷板に戴置されたとき、上記の同時接触による接触箇所を含む第1線条部層の所定の領域にて、E=yA(ただし、EおよびAは上記の定義に従い、yは0.95n≦y<nまたはn<y≦1.05n(nは1以上の整数である)の範囲外の非整数(上記実施形態の場合はこのyが1.3)である。)の関係が満たされることによって、セッターの敷板上での前後左右への水平方向の移動・摺動が他の実施形態と同程度に効果的に制限され得るだけでなく、意外にも、敷板およびセッターの振動(つまり上下方向の変動)に対しても高度な戴置安定性が与えられ、ひいてはセラミックス製品の焼成治具としてのハンドリング性がより一層向上し得る。
敷板のセッターが戴置される側の面上のメッシュ状部位と対向する所定の領域に複数の係合突片が設けられる場合において、それらの配列は、上述した係合突片と第1線条部との間のA>Bの関係が満たされる限りにおいて、または、上述の係合突片と第1線条部との他の好ましい関係の1つ以上が更に満たされる限りにおいて、特に限定されないが、図6(a)、(b)に具体的な実施形態を例示する。これらの実施形態は、複数の係合突片の配列の一例である。
図6(a)の実施形態では、同一形状(例えば略半球状)の係合突片16が一方向に等間隔Xで配列されていると共に、これと同一形状の係合突片16が上記と略垂直な一方向に等間隔Yで配列されている。XとYとは同一の長さであっても、異なっていてもよい。本実施形態において、各係合突片は同一形状を有するものとして図示されているが、異なる形状の係合突片を含んでいてよい。また、2方向に係合突片を配置する場合、配列方向は本図のように略垂直でなくてもよい。また、2方向ではなく3方向以上に係合突片を配列させてもよい。係合突片の形状および配列の手法は、セッターにおけるメッシュ状部位のメッシュの形状設計に対応させて、適宜好適なものを選択することができる。
図6(a)に示されているように、同一形状(例えば略半球状)の係合突片が一方向に等間隔で配列されていると共に、これと同一形状の係合突片が上記と略垂直な一方向に等間隔で配列されている場合には、上記EとAとの間の所望の関係のいずれかを満たすことがより容易になるため、それらの関係に起因する上記利点が得られ易い。
図6(b)の実施形態に示されているように、略直線状に形成された少なくとも3つの係合突片の所定の間隔は、少なくとも一部において略等間隔でなくてもよい。本図には、一例として、3つの係合突片17が、Z1の間隔およびZ2(≠Z1)の間隔で略直線状に形成され、更にその1セットが2列に配置された形態が示されている。このように、略直線状に形成された少なくとも3つの係合突片の所定の間隔が少なくとも一部において略等間隔でない形態を許容することによって、セッターにおけるメッシュ状部位のメッシュの形状設計に柔軟に対応させた係合突片の設計が可能になり、それによりセッターの敷板上での移動・摺動が効果的に制限され得る。
セッターおよび係合突片を備えた敷板の製造方法
以降にて、セッターおよび係合突片を備えた敷板の製造方法を説明するが、これらは非限定的な一例として理解されるべきである。
上述のとおり、セッターのメッシュ状部位以外の部位(存在する場合)は、いかなる公知のセッターの構造が採用されてもよいし、また、メッシュ状部位とそれ以外の部分は、いかなる公知の手法で組み合わせてもよく、あるいは両者が一体的に形成されたセラミックスシート焼結体としてもよい。従って、以降では、セッターのメッシュ状部位の製造方法に焦点を当てて説明する。
セッターのメッシュ状部位を製造するためのセラミックス原料粉の例は、上述されたとおりである。原料ペースト中のセラミックス原料粉の質量割合は、ペースト全体の質量に対して、通常20質量%以上85質量%以下であってよく、30質量%以上75質量%以下であることが好ましい。
原料ペーストに用いられるセラミックス原料粉の平均粒径は、通常0.1~20μmの範囲であってよく、好ましくは0.2~10μmの範囲であってよい。ここでのセラミックス原料粉の平均粒径は、レーザ回折・散乱法による体積累積中位径 (D50)の値である。セラミックス原料粉の平均粒径が上記範囲内であることによって、焼成後の構造的な強度・安定性が増大し、崩壊の可能性が低減された焼結体を得ることが可能になる。
メッシュ状部位の第1線条部層および第2線条部層の前駆体である成形体を作成するための原料ペーストの媒体としては、通常、水が用いられる。水以外の媒体としては、アルコール、アセトン及び酢酸エチルなども用いられる。これらの媒体を2種類以上混合してもよい。原料ペーストにおける媒体の質量割合は、ペースト全体の質量に対して、通常10質量%以上60質量%以下であってよく、15質量%以上55質量%以下であることが好ましい。
メッシュ状部位の第1線条部層および第2線条部層の前駆体である成形体を作成するための原料ペーストは、任意選択で公知のいずれかの焼結助剤を適当量で含んでいてよい。また、原料ペーストは公知のいずれかの結合剤を含んでよい。原料ペーストにおける結合剤の質量割合は、原料ペーストの全質量に対して、例えば0質量%以上40質量%以下であってよく、1質量%以上40質量%以下であることが好ましい。
原料ペーストの粘度は、線条塗工体の塗布時の温度において高粘度であることが、線条塗工体を首尾よく製造し得る点から好ましい。原料ペーストの粘度は、特に限定されないが、塗布時の温度(典型的には約25℃等の室温)において1.5MPa・s以上5.0MPa・s以下であることが好ましい。ここでの原料ペーストの粘度は、コーンプレート型回転式粘度計又はレオメーターを用いて、回転数0.3rpmにて測定開始後4分時の測定値を指す。原料ペーストには、粘性調整剤として、公知のいずれかの増粘剤、凝集剤、チクソトロピック剤などを含有させることができる。
メッシュ状部位の第1線条部層および第2線条部層の前駆体である成形体を得るための吐出装置からの吐出量を安定させるため、原料ペーストは、例えば、公知のいずれかの可塑剤、潤滑剤、分散剤、沈降抑制剤、pH調整剤などを含んでもよい。
このようにして得られた原料ペーストを吐出装置から平坦な基板上に吐出することによって、所与の間隔で配置された各条が一方向に延伸された複数条の第1線条塗工体を形成する。第1線条塗工体はメッシュ状部位の第1線条部に対応するものである。
吐出装置としては、例えば小型押し出し機や印刷機などの公知の種々の装置を用いることができる。これらの吐出装置は、典型的に、ノズルを有するディスペンサを備えていてよい。第1線条塗工体が吐出された後、第1線条塗工体に含まれている媒体を除去して乾燥させ、粘度を高める操作を行うことができる。媒体除去操作後の第1線条塗工体における媒体の割合は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下にまで低減されていてよい。
次いで原料ペーストを用いて、第1線条塗工体の各条の上に接してこれと交差するように所与の間隔で配置された、各条が一方向に延伸された複数条の第2線条塗工体を形成する。第2線条塗工体は、メッシュ状部位の第2線条部に対応するものである。第2線条塗工体を形成するための原料ペーストは、第1線条塗工体を形成するための原料ペーストと同一であっても異なっていてよいが、線条塗工体形成の効率性、ならびに、生産するセラミックスシート焼結体の構造および物性の一体性の観点から、同一であることがより好ましい。
成形体として形成される複数条の第1線条塗工体および複数条の第2線条塗工体の具体的な形状は、上述した種々のメッシュ状部位の所望の形状に適合させるように構築することができる。
追加の一実施形態において、原料ペーストを用いて、第2線条塗工体の各条の上に接して第1線条塗工体および第2線条塗工体と交差するように所与の間隔で配置された、各条が一方向に延伸された複数条の第3線条塗工体を任意選択的に形成してもよい。任意選択の第3線条塗工体を形成するための原料ペーストは、第1/第2線条塗工体を形成するための原料ペーストと同一であっても異なっていてよいが、線条塗工体形成の効率性、ならびに、生産するメッシュ状部位の構造および物性の一体性の観点から、同一であることがより好ましい。
このようにして得られた複数条の第1線条塗工体および複数条の第2線条塗工体を含む成形体を基板(成形体の形成作業台)から剥離して焼成治具(焼成炉)内に配置し、焼成することによって、目的とするメッシュ状部位が得られる。焼成により、複数条の第1線条部で構成される第1線条部層、および複数条の第2線条部で構成される第2線条部層を含むメッシュ状部位は、通常、各部材の接着剤による物理的結合を含まない一体的な構造物である焼結体として構築される。
メッシュ状部位を得るための焼成プロセスは、必要に応じて、大気雰囲気中(大気圧下)で行ってもよいし、例えば窒素などの不活性ガスによる加圧下にて行ってもよい。焼成温度は、セラミックス素材の原料粉の種類に応じて適切な温度を選択すればよい。焼成時間に関しても同様である。焼成温度の非限定的な例としては、500℃以上、800℃以上、または1000℃以上であってよく、4000℃以下、3500℃以下、または3000℃以下であってよい。焼成時間の非限定的な例としては、30分以上、1時間以上または2時間以上であってよく、24時間以下、12時間以下、または6時間以下であってよい。
敷板の基材部(係合突片以外)およびその上に設けられる係合突片を製造するためのセラミックス原料粉および添加剤は、セッターのメッシュ状部位について上述された事項の中から同様に適宜選択され得る。例えば、敷板のセラミックス原料粉は、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、酸化マグネシウム(MgO)、ムライト(3Al-2SiO)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ホウ素(BC)、コージェライト(MgO/Al/SiO)、チタン酸アルミニウム(AlTiO)、チタン酸マグネシウム(MgTiO)、二硼化チタン(TiB)などの1種または2種以上の組み合わせであってよい。
敷板の基材部(係合突片以外)とその上に設けられる係合突片とは、同じ原料(すなわち同じセラミックス原料粉および添加剤の混合物を含む原料)から形成されていても、異なる原料から形成されていてもよい。敷板の基材部とその上に設けられる係合突片とは、焼成時の加熱・冷却の熱履歴(膨張・収縮の繰り返し)による接合強度の低下およびこれに起因する係合突片の基材部からの剥離を抑制する観点から、同じ原料から形成されていることがより好ましい。
敷板の基材部(係合突片以外)の上に係合突片が設けられた敷板は、プレス型、鋳込み成形、振動成形などの公知のいずれかの成型方法で、一体の成形体を形成した後に、メッシュ状部位の焼成プロセスについて上述したものと同様の条件にて焼成することによって製造することができる。
別法として、敷板の基材部の上に係合突片が設けられた敷板は、敷板の基材部およびその上に設けられる係合突片のそれぞれの成形体の形成および焼成を個別に行った後、敷板の基材部の焼結体の上面の所定の領域に係合突片の焼結物を、公知のいずれかのセラミックス用接着剤などで接合することもできる。
また、更なる別法として、敷板の基材部の上に係合突片が設けられた敷板は、敷板の基材部の成形体を形成した後、あるいは基材部の成形体を焼成して焼結体を製造した後に、その表面に機械加工を施して係合突片を形成することによって得ることもできる。このような機械加工の例としては、特に限定されないが、ドリルやヤスリなどの刃物工具を用いた切削、研磨加工等を挙げることができる。
敷板の基材部の上に係合突片が設けられた敷板の製造方法としては、敷板の基材部と係合突片との構造的強度、耐剥離性等の観点から、一体の成形体の形成および焼成の手法による製造がより好ましい。係合突片の焼結物の接着剤による接合手法にて利用されるセラミックス用接着剤としては、特に限定されないが、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂またはポリアミドイミド系樹脂を含む接着剤組成物や、アルミナなどの耐火性セラミックスおよび無機ポリマーを主成分とする無機系接着剤組成物(例えば、東亜合成株式会社製「アロンセラミック」等)などを挙げることができる。
セッターとしてのメッシュ状セラミックスシート1の製造
(1)線条塗工体形成用のペーストの調製
平均粒径0.8μmの3モル%イットリア添加部分安定化ジルコニア粉65.3部と、水系結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(平均重合度:30万g/mol)5.0部と、可塑剤として、グリセリン2.5部と、ポリカルボン酸系分散剤(分子量12000)1.1部と、水26.1部とを混合し、脱泡してペーストを調製した。ペーストの粘度は25℃において2.3MPa・sであった。
(2)線条塗工体の形成
前記のペーストを原料とし、直径0.8mmの断面円形ノズルを有するディスペンサを用いて樹脂基板上に線条第1塗工体を形成した。次いでドライヤーを用いて線条第1塗工体に熱風を吹き付け水を除去して線条第1塗工体を乾燥させた。乾燥後の線条第1塗工体の水の含有量は10%であった。引き続き線条第1塗工体に交差する線条第2塗工体を形成した。両線条塗工体の交差角度は90度とした。ドライヤーを用いて線条第2塗工体に熱風を吹き付け水を除去して線条第2塗工体を乾燥させた。乾燥後の線条第2塗工体の水の含有量は8%であった。これらの操作によって、垂直に交差した第1線条体と第2線条体からなる格子状前駆体を得た。
(3)焼成工程
乾燥後の格子状前駆体を樹脂基板から剥離した後、大気焼成炉内に載置した。この焼成炉内で脱脂及び焼成を行い、ジルコニア製のメッシュ状セラミックスシート1を得た。焼成温度は1450℃とし、焼成時間は3時間とした。メッシュ状セラミックスシート1においては、第1線条部と第2線条部(それぞれ断面形状は上下方向が僅かに短い略楕円形である)とは、それらの交差部において点接触していた。得られたメッシュ状ジルコニア製シート1における第1線条部の幅(平面視における設計方向に対して垂直方向の長さ;以下の線条部について同様)W1は800μm、第2線条部の幅W2は800μmであった。交差部における、第1線条部の幅W1aは880μm、第2線条部の幅W2aは820μmであった。第1線条部のピッチP1は400μm、第2線条部のピッチP2は400μmであった(C=0.4mm)。また、メッシュ状セラミックスシート1における貫通孔の寸法(目開き寸法)は0.4mm□であり、貫通孔の面積は0.16mmであった。メッシュ状セラミックスシート1における各線条部と辺部との角度は45°であり、第1線条部と第2線条部との交差角は90°であった。メッシュ状セラミックスシート1のサイズは、縦200mm×横200mmであった。本シートにおいて、隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離Aは1.2mmであった。デジタルマイクロスコープ(キーエンス製、商品名「VHX-5000」)を用いて、シートの任意の5箇所にて第1線条部の設計方向に対して垂直な方向における隣接する第1線条部の中心間の距離を測定し、それらの平均を平均垂直距離Aとした(以下同様)。
セッターとしてのメッシュ状セラミックスシート2の製造
直径0.2mmのノズルを有するディスペンサを用いた以外は上記同様のプロセスによって、垂直に交差した第1線条体と第2線条体からなる格子状前駆体を得た後、上記同様の焼成条件にてジルコニア製のメッシュ状セラミックスシート2を得た。メッシュ状セラミックスシート2における第1線条部の幅W1は200μm、第2線条部の幅W2は200μmであった。交差部における、第1線条部の幅W1aは220μm、第2線条部の幅W2aは205μmであった。第1線条部のピッチP1は200μm、第2線条部のピッチP2は200μmであった(C=0.2mm)。また、メッシュ状セラミックスシート2における貫通孔の寸法(目開き寸法)は0.2mm□であり、貫通孔の面積は0.04mmであった。メッシュ状セラミックスシート2における各線条部と辺部との角度は45°であり、第1線条部と第2線条部との交差角は90°であった。メッシュ状セラミックスシート2のサイズは、縦200mm×横200mmであった。本シートにおいて、隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離Aは0.4mmであった。
セッターとしてのメッシュ状セラミックスシート3の製造
直径1.2mmのノズルを有するディスペンサを用いた以外は上記同様のプロセスによって、垂直に交差した第1線条体と第2線条体からなる格子状前駆体を得た後、上記同様の焼成条件にてジルコニア製のメッシュ状セラミックスシート3を得た。メッシュ状セラミックスシート3における第1線条部の幅W1は1200μm、第2線条部の幅W2は1200μmであった。交差部における、第1線条部の幅W1aは1320μm、第2線条部の幅W2aは1230μmであった。第1線条部のピッチP1は800μm、第2線条部のピッチP2は800μmであった(C=0.8mm)。また、メッシュ状セラミックスシート3における貫通孔の寸法(目開き寸法)は0.8mm□であり、貫通孔の面積は0.64mmであった。メッシュ状セラミックスシート3における各線条部と辺部との角度は45°であり、第1線条部と第2線条部との交差角は90°であった。メッシュ状セラミックスシート3のサイズは、縦200mm×横200mmであった。本シートにおいて、隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離Aは2.0mmであった。
セッターとしてのメッシュ状セラミックスシート4の製造
直径0.4mmのノズルを有するディスペンサを用いた以外は上記同様のプロセスによって、垂直に交差した第1線条体と第2線条体からなる格子状前駆体を得た後、上記同様の焼成条件にてジルコニア製のメッシュ状セラミックスシート4を得た。メッシュ状セラミックスシート4における第1線条部の幅W1は400μm、第2線条部の幅W2は400μmであった。交差部における、第1線条部の幅W1aは440μm、第2線条部の幅W2aは410μmであった。第1線条部のピッチP1は800μm、第2線条部のピッチP2は800μmであった(C=0.8mm)。また、メッシュ状セラミックスシート4における貫通孔の寸法(目開き寸法)は0.8mm□であり、貫通孔の面積は0.64mmであった。メッシュ状セラミックスシート4における各線条部と辺部との角度は45°であり、第1線条部と第2線条部との交差角は90°であった。メッシュ状セラミックスシート4のサイズは、縦200mm×横200mmであった。本シートにおいて、隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離Aは1.2mmであった。
敷板1の製造
原料として、アルミナを65質量部、シリカを35質量部にバインダーとしてポリビニルアルコール(PVA)を含む混合材料を用いて前駆体となる成形体を得た後、焼成温度1700℃、焼成時間4時間の焼成条件にて、縦220mm×横220mm×厚み2mmの矩形状の敷板1を得た。敷板1の中央に縦180mm×横180mmの矩形状の開口部を設けると共に、敷板1の周縁全体に高さ3mm、頂部幅7mmの矩形状の周壁部を設け、これによって敷板1の開口部と周壁部との間に幅13mmの矩形状の平面部を設けた。すなわち、この開口部の全体および矩形状の平面部のうちの幅10mmの領域の上に縦200mm×横200mmの上記メッシュ状セラミックスシートが戴置されるとき、敷板の全周にわたり、メッシュ状セラミックスシートの端部と矩形状の周壁部との間に3mmの間隙が付与されるようにこれらの寸法取りを行った。敷板1の矩形状の平面部にて、当該矩形の4隅及び各辺の中央の合計8箇所の所定領域の各々に、底面が直径1.0mmの円形であり、高さが1.0mmである半楕円体の係合突片9個を、1.5mm間隔で3個を1方向1列のセットとしてこれを1.5mm間隔で同方向に3列整列させた形で配設した。これらの係合突片が設けられた敷板は、上記の平面部上に突片のプレス型で基材/突片一体の成形体を形成した後に、上記条件で焼成することによって製造された。
敷板2の製造(比較用)
敷板の矩形状の平面部にて係合突片を配設しなかった以外は、上述した敷板1の製造と同様の手順により敷板2を得た。
敷板3の製造(比較用)
敷板の矩形状の平面部にて、当該矩形の4隅及び各辺の中央の合計8箇所の所定領域の各々に、底面が一辺の長さ約1.6mmの略正方形で、高さが1.0mmであり、頂部周縁部に僅かな曲面が付与された角柱状である係合突片9個を、1.5mm間隔で3個を1方向1列のセットとしてこれを1.5mm間隔で同方向に3列整列させた形で配設した以外は、上述した敷板1の製造と同様の手順により敷板3を得た。
実施例1A
上記敷板1に、敷板の全周にわたりメッシュ状セラミックスシートの端部と矩形状の周壁部との間に3mmの間隙が付与されるようにメッシュ状セラミックスシート1(隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離A:1.2mm)をセッターとして戴置した。この戴置の状態において、係合突片と隣接する第1線条部との接触点間の平均距離Bは0.6mmであった。
ここでは、メッシュ状セラミックスシートの第1線条部層の底部にインクを塗布し、敷板の係合突片が配設された領域にて係合突片と第1線条部との接触点をマーキングで特定することによって、デジタルマイクロスコープ(キーエンス製、商品名「VHX-5000」)を用いて測定される接触点間の距離の平均(大きいほうから5個の平均)を、係合突片と隣接する第1線条部との接触点間の平均距離Bとした(以下の実施例にて同様)。
実施例2A
上記敷板1に、敷板の全周にわたりメッシュ状セラミックスシートの端部と矩形状の周壁部との間に3mmの間隙が付与されるようにメッシュ状セラミックスシート2(隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離A:0.4mm)をセッターとして戴置した。この戴置の状態において、係合突片と隣接する第1線条部との接触点間の平均距離Bは0.2mmであった。
実施例3A
上記敷板1に、敷板の全周にわたりメッシュ状セラミックスシートの端部と矩形状の周壁部との間に3mmの間隙が付与されるようにメッシュ状セラミックスシート3(隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離A:2.0mm)をセッターとして戴置した。この戴置の状態において、係合突片と隣接する第1線条部との接触点間の平均距離Bは1.0mmであった。
実施例4A
上記敷板1に、敷板の全周にわたりメッシュ状セラミックスシートの端部と矩形状の周壁部との間に3mmの間隙が付与されるようにメッシュ状セラミックスシート4(隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離A:1.2mm)をセッターとして戴置した。この戴置の状態において、係合突片と隣接する第1線条部との接触点間の平均距離Bは1.0mmであった。
なお、上記実施例1A~4Aの各々において、セッターであるメッシュ状セラミックスシート1~4のいずれについても、それが敷板1に戴置されたとき、係合突片の全てが隣接する第1線条部の各々に同時に接触するように形成されており、当該接触箇所の全てにおいて、隣接する第1線条部の中心間の垂直距離が、係合突片と隣接する第1線条部との接触点間の距離よりも大きかったことが確認された。
比較例1
上記敷板2に、敷板の全周にわたりメッシュ状セラミックスシートの端部と矩形状の周壁部との間に3mmの間隙が付与されるようにメッシュ状セラミックスシート1(隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離A:1.2mm)をセッターとして戴置した。
比較例2
上記敷板3に、敷板の全周にわたりメッシュ状セラミックスシートの端部と矩形状の周壁部との間に3mmの間隙が付与されるようにメッシュ状セラミックスシート1(隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離A:1.2mm)をセッターとして戴置した。この戴置の状態において、係合突片と隣接する第1線条部との接触点間の平均距離Bが1,2mmであった。
ここでは、メッシュ状セラミックスシートの第1線条部層の底部にインクを塗布し、敷板の係合突片が配設された領域にて係合突片と第1線条部との接触線(接触点の集合)をマーキングで特定することによって、デジタルマイクロスコープ(キーエンス製、商品名「VHX-5000」)を用いて測定される接触線間の距離の平均(第1線条部の設計方向に対して垂直な方向の最短距離の平均:大きいほうから5個の平均)を、係合突片と隣接する第1線条部との接触点間の平均距離Bとした。
なお、理解を容易にするため、この比較例2におけるメッシュ状セラミックスシートの第1線条部と敷板の係合突片との接触形態の模式図を図7に示す。図7において、18は隣接する第1線条部、19は敷板(基材部)、20は頂部周縁部に僅かな曲面が付与された角柱状の係合突片を指す。この図から、本比較例では、係合突片が隣接する第1線条部の間に入り込まず、第1線条部層の移動が制限されていない様子が把握される。
実施例1B(実施例1A相当)
実施例1Aに上述されているとおり、上記敷板1に、敷板の全周にわたりメッシュ状セラミックスシートの端部と矩形状の周壁部との間に3mmの間隙が付与されるようにメッシュ状セラミックスシート1(隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離A:1.2mm)をセッターとして戴置した。ここで、敷板の所定領域に設けられた前記一列の係合突片における隣接する係合突片の頂部中央点間のAと同方向における距離の平均E(大きいほうから5個の平均)は、デジタルマイクロスコープ(キーエンス製、商品名「VHX-5000」)を用いた測定により1.2mmであった。
実施例2B~7B
敷板1の所定領域に設けられた前記一列の係合突片における隣接する係合突片の頂部中央点間のAと同方向における距離の平均Eを、それぞれ1.3mm、1.4mm、1.6mm、2.4mm、2.2mm、2.9mmに変更するように係合突片の配設方向を調節した敷板4~9を得た以外は、実施例1B(実施例1A相当)と同様に各敷板に、敷板の全周にわたりメッシュ状セラミックスシートの端部と矩形状の周壁部との間に3mmの間隙が付与されるようにメッシュ状セラミックスシート1(隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離A:1.2mm)をセッターとして戴置した。
メッシュ状セラミックスシート移動開始角度の測定試験
上記実施例1A~4Aおよび1B~7Bならびに比較例1、2にて得られた敷板およびその上に戴置されたメッシュ状セラミックスシートのセッターの組み合わせからなる焼成治具の片端部をゆっくりと上昇させていき、メッシュ状セラミックスシートが敷板上で摺動を始めた際の敷板の傾き角度(°)を測定し、これをシート傾斜時の移動開始角度と定義した。本試験の角度測定機器として、アイリス株式会社製の商品名「アズワン」型番BB01Bの角度計を用いた。
メッシュ状セラミックスシート振動時保持時間の測定試験
上記実施例1A~4Aおよび1B~7Bならびに比較例1、2にて得られた敷板およびその上に戴置されたメッシュ状セラミックスシートのセッターの組み合わせからなる焼成治具を振動試験機にセットし、レベル10の強度で振動させ、メッシュ状セラミックスシートが敷板上で3mm摺動するまでの時間(秒)を測定し、これをシート振動時の保持時間と定義した。60Hzの振動試験機として、SINFONIA TECHNOLOGY社製の商品名「VIBRATORY PACKER,TYPE VP-40」を用いた。
上記実施例1A~4Aおよび比較例1、2についてのシート傾斜時の移動開始角度およびシート振動時の保持時間の測定結果を、A~Cの値、比率A/BおよびB/Cの値と共に、表1に示した。
Figure 0007506842000001

上記実施例1B~7Bについてのシート傾斜時の移動開始角度およびシート振動時の保持時間の測定結果を、A、Eの値、比率E/Aの値と共に、表2に示した。
Figure 0007506842000002

これらの結果から、本発明に係る焼成治具によって、メッシュ状セラミックスシートであるセッターの敷板上での摺動を十分に防止することが可能になることが分かった。また係合突片の頂部中央点間の距離を所定範囲に調節することによって、摺動防止効果を更に高めることが可能になることも分かった。
なお、本発明に包含され得る諸態様または諸実施形態は、以下のとおり要約される。
[1].
セッターと、このセッターが戴置される敷板とからなる焼成治具であって、
前記セッターは、少なくとも一部にメッシュ状部位を含むセラミックスシートであり、ここで前記メッシュ状部位は、所与の間隔で配置された各条が一方向に延伸された複数条の第1線条部で構成される第1線条部層、および、前記第1線条部の各条の上に接してこれと交差するように所与の間隔で配置された、各条が一方向に延伸された複数条の第2線条部で構成される第2線条部層を含み、前記第1線条部層と前記第2線条部層とが一体的に形成された部位であり、
(1)前記敷板の前記セッターが戴置される側の面上の前記メッシュ状部位と対向する所定の領域には、前記セッターを係合するための少なくとも1つの係合突片が設けられており、
(2)前記セッターが前記敷板に戴置されたとき、前記係合突片の一部または全てが、隣接する前記第1線条部の各々に同時に接触するように形成されており、
(3)当該接触箇所を含む前記第1線条部層の所定の領域にて、
隣接する前記第1線条部の中心間の平均垂直距離をAとし、
前記係合突片と隣接する前記第1線条部との接触点間の平均距離をBとするとき、
A>Bの関係を満たす、
焼成治具。
[2].
(1a)前記敷板の前記セッターが戴置される側の面上の前記メッシュ状部位と対向する所定の領域には、前記セッターを係合するための複数の係合突片が設けられており、
(2a)前記セッターが前記敷板に戴置されたとき、前記係合突片の全てが、隣接する前記第1線条部の各々に同時に接触するように形成されており、
(3a)当該接触箇所の全てにおいて、
隣接する前記第1線条部の中心間の垂直距離をAxとし、
前記係合突片と隣接する前記第1線条部との接触点間の距離をBxとするとき、
Ax>Bxの関係を満たす、
上記[1]項に記載の焼成治具。
[3].
前記敷板の前記セッターが戴置される側の面上の前記メッシュ状部位と対向する所定の領域に、前記セッターを係合するための複数の係合突片が略直線状に所定の間隔で設けられており、
前記セッターが前記敷板に戴置されたとき、前記接触箇所を含む前記第1線条部層の所定の領域にて、
隣接する前記第1線条部の中心間の平均垂直距離をAとし、
隣接する前記係合突片の頂部中央点間の前記Aと同方向における距離の平均をEとするとき、
E≧0.95Aの関係を満たす、
上記[1]または[2]項に記載の焼成治具。
[4].
E=yA(ただし、EおよびAは上記の定義に従い、yは1以上の整数nもしくは0.95n≦y<n、n<y≦1.05nの範囲内の非整数である。)の関係を満たす、
上記[3]項に記載の焼成治具。
[5].
E=yA(ただし、EおよびAは上記の定義に従い、yは0.95n≦y<nまたはn<y≦1.05n(nは1以上の整数である)の範囲外の非整数である。)の関係を満たす、
上記[3]項に記載の焼成治具。
[6].
前記敷板の前記セッターが戴置される側の面上の前記メッシュ状部位と対向する所定の領域に、前記セッターを係合するための3つまたは4つ以上の係合突片が設けられており、そのうちの少なくとも3つの係合突片が略直線状に所定の間隔を空けて形成されている、上記[1]~[5]項のいずれか1項に記載の焼成治具。
[7].
略直線状に形成された前記少なくとも3つの係合突片の前記所定の間隔が、少なくとも一部において略等間隔でない、上記[6]項に記載の焼成治具。
[8].
前記敷板の前記セッターが戴置される側の面上の前記メッシュ状部位と対向する所定の複数領域の各々に、前記セッターを係合するための少なくとも1つの係合突片が設けられており、
前記セッターが前記敷板に戴置されたとき、前記敷板の複数領域の各々が前記セッターの周縁近傍に対応するように前記係合突片が配置されている、
上記[1]~[7]項のいずれか1項に記載の焼成治具。
[9].
前記係合突片の形状が、略半球状、略半楕円体状、略円錐状、略円錐台状、頂部周縁部に曲面が付与された略角柱状、またはそれらの組み合わせである、上記[1]~[8]項のいずれか1項に記載の焼成治具。
C:被焼成物
S:セッター
P:多段積みで積層された敷板
M:多段積みの焼成治具(上記符号C、S、P、Mは公知例を示す図1に関する。)
1:メッシュ状部位
2:第1線条部
3:第2線条部
4:焼成治具(組み合わせ)
5:セッター
6:敷板
7:枠体(敷板の基材部)
8:中空部(開口部)
9:周壁部(リブ)
10:脚部
11:係合突片群
12:隣接する第1線条部
13:敷板(基材部)
14:係合突片
A:隣接する第1線条部の中心間の平均垂直距離
B:係合突片と第1線条部との接触点間の平均距離
E:係合突片の頂部中央点間のAと同方向における距離の平均
15K:第1線条部層の上面の仮想平面
15S:第1線条部層の底面の仮想平面
16:係合突片
17:係合突片
18:隣接する第1線条部
19:敷板(基材部)
20:頂部周縁部に僅かな曲面が付与された角柱状の係合突片

Claims (9)

  1. セッターと、このセッターが戴置される敷板とからなる焼成治具であって、
    前記セッターは、少なくとも一部にメッシュ状部位を含むセラミックスシートであり、ここで前記メッシュ状部位は、所与の間隔で配置された各条が一方向に延伸された複数条の第1線条部で構成される第1線条部層、および、前記第1線条部の各条の上に接してこれと交差するように所与の間隔で配置された、各条が一方向に延伸された複数条の第2線条部で構成される第2線条部層を含み、前記第1線条部層と前記第2線条部層とが一体的に形成された部位であり、
    (1)前記敷板の前記セッターが戴置される側の面上の前記メッシュ状部位と対向する所定の領域には、前記セッターを係合するための少なくとも1つの係合突片が設けられており、
    (2)前記セッターが前記敷板に戴置されたとき、前記係合突片の一部または全てが、隣接する前記第1線条部の各々に同時に接触するように形成されており、
    (3)当該接触箇所を含む前記第1線条部層の所定の領域にて、
    隣接する前記第1線条部の中心間の平均垂直距離をAとし、
    前記係合突片と隣接する前記第1線条部との接触点間の平均距離をBとするとき、
    A>Bの関係を満たす、
    焼成治具。
  2. (1a)前記敷板の前記セッターが戴置される側の面上の前記メッシュ状部位と対向する所定の領域には、前記セッターを係合するための複数の係合突片が設けられており、
    (2a)前記セッターが前記敷板に戴置されたとき、前記係合突片の全てが、隣接する前記第1線条部の各々に同時に接触するように形成されており、
    (3a)当該接触箇所の全てにおいて、
    隣接する前記第1線条部の中心間の垂直距離をAxとし、
    前記係合突片と隣接する前記第1線条部との接触点間の距離をBxとするとき、
    Ax>Bxの関係を満たす、
    請求項1に記載の焼成治具。
  3. 前記敷板の前記セッターが戴置される側の面上の前記メッシュ状部位と対向する所定の領域に、前記セッターを係合するための複数の係合突片が略直線状に所定の間隔で設けられており、
    前記セッターが前記敷板に戴置されたとき、前記接触箇所を含む前記第1線条部層の所定の領域にて、
    隣接する前記第1線条部の中心間の平均垂直距離をAとし、
    隣接する前記係合突片の頂部中央点間の前記Aと同方向における距離の平均をEとするとき、
    E≧0.95Aの関係を満たす、
    請求項1に記載の焼成治具。
  4. E=yA(ただし、EおよびAは上記の定義に従い、yは1以上の整数nもしくは0.95n≦y<n、n<y≦1.05nの範囲内の非整数である。)の関係を満たす、
    請求項3に記載の焼成治具。
  5. E=yA(ただし、EおよびAは上記の定義に従い、yは0.95n≦y<nまたはn<y≦1.05n(nは1以上の整数である)の範囲外の非整数である。)の関係を満たす、
    請求項3に記載の焼成治具。
  6. 前記敷板の前記セッターが戴置される側の面上の前記メッシュ状部位と対向する所定の領域に、前記セッターを係合するための3つまたは4つ以上の係合突片が設けられており、そのうちの少なくとも3つの係合突片が略直線状に所定の間隔を空けて形成されている、請求項1または2に記載の焼成治具。
  7. 略直線状に形成された前記少なくとも3つの係合突片の前記所定の間隔が、少なくとも一部において略等間隔でない、請求項6に記載の焼成治具。
  8. 前記敷板の前記セッターが戴置される側の面上の前記メッシュ状部位と対向する所定の複数領域の各々に、前記セッターを係合するための少なくとも1つの係合突片が設けられており、
    前記セッターが前記敷板に戴置されたとき、前記敷板の複数領域の各々が前記セッターの周縁近傍に対応するように前記係合突片が配置されている、
    請求項1または2に記載の焼成治具。
  9. 前記係合突片の形状が、略半球状、略半楕円体状、略円錐状、略円錐台状、頂部周縁部に曲面が付与された略角柱状、またはそれらの組み合わせである、請求項1または2に記載の焼成治具。
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