JP7252436B2 - 金型 - Google Patents

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Description

本発明は、金型に関する。
下記特許文献1には、電極配線層が形成されたセンサーフィルムを射出成形用金型面に沿わせて配置し、キャビティへ樹脂を射出する成形品の製造方法が記載されている。
特開2017-56624号公報
上記特許文献1に記載された成形品の製造方法においては、キャビティへ射出された流動樹脂がセンサーフィルムの端面を押圧する。このためセンサーフィルムの電極配線にせん断力が作用して破断する虞がある。
本発明は上記事実を考慮して、流動樹脂からセンサーフィルムの端面に作用する押圧力を低減できる金型を提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る金型は、樹脂が充填されるランナー及びキャビティを備えた第一型と、前記キャビティと対向する対向面に、配線を備えたセンサーフィルムを固定可能な固定部が形成された第二型と、前記固定部の外周に沿って形成され、前記第一型と前記第二型とを型閉じした状態で、前記固定部及び前記ランナーに挟まれる位置に配置される壁状の突起と、を備え、前記固定部は、前記第一型と型閉じされた状態の前記第二型を正面視した状態において、前記キャビティの内側に位置する第一固定部と、前記第一固定部から面内方向に沿って突出し前記第一型との間に前記センサーフィルムを配置可能な第二固定部と、を備え、前記突起は、前記第一固定部と、前記第二固定部との境界部の外周に沿って形成されている
請求項1に記載の本発明に係る金型では、第二型の固定部にセンサーフィルムを固定できる。固定部の外周には壁状の突起が形成されており、この突起は、第一型と第二型とを型閉じした場合に固定部と第一型のランナーとに挟まれる位置に配置される。
ランナーからキャビティへ樹脂が射出されると、樹脂はセンサーフィルムへ向って流動する。センサーフィルムとランナーとの間には壁状の突起が配置されているため、この突起が防護壁となり、流動樹脂によるセンサーフィルムの端面の直接の押圧が抑制される。これにより、流動樹脂からセンサーフィルムの端面に作用する押圧力を低減できる。
一態様に係る金型は、前記固定部は、前記第一型と型閉じされた状態の前記第二型を正面視した状態において、前記キャビティの内側に位置する第一固定部と、前記第一固定部から面内方向に沿って突出し前記第一型との間に前記センサーフィルムを配置可能な第二固定部と、を備え、前記突起は、前記第一固定部と、前記第二固定部との境界部の外周に沿って形成されている。
一態様に係る金型によると、センサーフィルムにおいてキャビティの外側へ突出する部分が、第一型と第二型との間に配置される。ランナーからキャビティへ樹脂が射出されると、センサーフィルムにおいてキャビティの内側に位置する部分(すなわち第一固定部に固定された部分)の端面は流動樹脂によって押圧される。一方、キャビティの外側に位置する部分(すなわち第二固定部に固定された部分)は押圧されない。このため、これらの境界部にせん断力が作用する。
ここで、当該境界部とランナーとの間には壁状の突起が配置されているため、この突起が防護壁となり、流動樹脂による境界部の押圧が抑制される。これにより流動樹脂に押圧される部分とされない部分との境界部に作用するせん断力が流動樹脂によって増大することを抑制できる。
請求項2に記載の本発明に係る金型は、溶融樹脂が充填されるランナー及びキャビティを備えた第一型と、前記キャビティと対向する対向面に、配線を備えたセンサーフィルムを固定可能な固定部が形成された第二型と、前記固定部の外周に沿って形成され、前記第一型と前記第二型とを型閉じした状態で、前記固定部及び前記ランナーに挟まれる位置に配置される壁状の突起と、を備え、前記第二型には、前記突起に隣接して排気孔が形成されている。
請求項3に記載の本発明に係る金型は、請求項1又は請求項2に記載の金型において、前記キャビティは曲面を備え、前記突起は、前記第一型と前記第二型とを型閉じした状態で、前記固定部の外周に亘って配置されている。
請求項3に記載の金型によると、キャビティが曲面を備えている。このため曲面を備えていない場合と比較して、キャビティに射出された樹脂の流動経路が複雑になる。例えば、キャビティにおけるランナーと反対側の壁面からキャビティの中心部に向って樹脂が流動する場合がある。
しかし請求項3に記載の金型では、固定部の外周に亘って突起が配置されている。このため、樹脂の流動経路が複雑であっても、流動樹脂がセンサーフィルムを直接押圧することが抑制される。
一態様に係る金型は、前記第二型には、前記突起に隣接して排気孔が形成されている。
一態様に係る金型によると、突起に隣接して排気孔が形成されている。このため、射出成形時に発生する高温ガスが、排気口から金型の外部へ排出される。これによりセンサーフィルムが高温ガスに晒されることを抑制し、センサーフィルムのゆがみを抑制できる。
本発明に係る金型によると、流動樹脂からセンサーフィルムの端面に作用する圧力を低減できる、という優れた効果を有する。
本発明の実施形態に係る金型を用いて製造される樹脂成形品の斜視図である。 (A)は本発明の実施形態に係る金型における固定型のパーティング面を正面視した状態を示す正面図であり、(B)は可動型のパーティング面を正面視した状態を示す正面図である。 (A)は固定型と可動型とを型閉じした状態における図2(A)のA-A線断面図であり、(B)はB-B線断面図であり、(C)はC-C線断面図である。 (A)は本発明の実施形態に係る金型にセンサーフィルムを固定して型閉じしている状態を示す断面図であり、(B)は型閉じして形成されたキャビティに溶融樹脂を充填している状態を示す断面図であり、(C)は溶融樹脂が可動型の突起に当接している状態を示す断面図である。 (A)は本発明の実施形態に係る金型の突起の形状を変更した変形例において可動型のパーティング面を正面視した状態を示す正面図であり、(B)は突起の形状を変更した金型を用いて形成される樹脂成形品の斜視図である。 (A)は本発明の実施形態に係る金型の突起の形状を変更した別の変形例において可動型のパーティング面を正面視した状態を示す正面図であり、(B)はさらに固定型のキャビティ部の形状を変形した状態を示す断面図であり、(C)は突起及びキャビティ部の形状を変形した金型を用いて形成される樹脂成形品の斜視図である。 本発明の実施形態に係る金型を用いて製造される樹脂成形品における被覆樹脂層の表面に加飾層を設ける変形例において、加飾層を金型に配置した状態を示す断面図である。 (A)は本発明の実施形態に係る金型の突起に隣接して排気孔を設けた変形例を示す固定型の正面図であり、(B)は(A)の固定型と可動型とを型閉じした状態におけるB-B線断面図であり、(C)は突起を形成する組部材の拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る金型の突起に隣接して排気孔を設けた変形例において組部材と可動型との組付け構成を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係る金型及び樹脂成形品について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。なお、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。また、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
(樹脂成形品)
図1には、本発明の実施形態に係る金型を用いて製造される樹脂成形品10が示されている。樹脂成形品10は、静電容量方式のタッチパネルである。樹脂成形品10は、センサーフィルム12と、樹脂製の被覆材40と、を備えて形成されている。
樹脂成形品10は、被覆材40の表面側(図1において矢印OUTで示した側)が操作面(手指の接触面)とされている。なお、以下の説明においては、樹脂成形品10及び樹脂成形品10を形成する各構成部材について、図1における矢印OUT側を表側、矢印OUT側の面を表面と称し、矢印IN側を裏側、矢印IN側の面を裏面と称す場合がある。
樹脂成形品10は、後述する射出成形用金型80によって、被覆材40とセンサーフィルム12(本体部12A及び引出部12B)とを一体成形することで形成される。
(センサーフィルム)
センサーフィルム12は、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)樹脂又はPC(ポリカーボネート)樹脂等で形成されたシート状部材である。
センサーフィルム12と被覆材40とは、互いにアンダーコート剤やバインダー剤等で接着されている。なお、センサーフィルム12及び後述する電気配線60の表面にプラズマ処理やコロナ処理を施すことで、基材フィルム20としてPETやCOP等の疎水性樹脂を使用した際の「濡れ性」を改善できる。これにより安定した接着層が得られることから、センサーフィルム12と被覆材40とを密着接合することができる。
センサーフィルム12は、本体部12A及び引出部12Bを含んで構成されている。本体部12Aは、被覆材40の厚み方向から見て、被覆材40の内側に配置された部分である。本体部12Aの表側及び裏側には、図示しない電気配線が形成されている。この電気配線は、タッチパネル用の電極及び電極から入力された電気信号を外部へ伝達する信号配線によって形成されている。
引出部12Bは、本体部12Aの一端縁から被覆材40の面内方向外側へ突出して配置された部分である。なお、引出部12Bにおいて、被覆材40に被覆された部分(本体部12Aとの接続部分)であって、図1にハッチングで示した部分を、境界部12ABと称す。
引出部12Bの表側及び裏側には、図示しない引出配線が形成されている。また、本体部12Aにおける電気配線(信号配線)と引出部12Bにおける引出配線とは連続して形成されている。
電気配線及び引出配線は、銅線や銀線等を用いて形成される。この銅線は、一例として、センサーフィルム12に銅箔を接着し、さらにエッチング加工することで形成される。銅線の形成方法としては、銅箔を接着する方法の他、銅のスパッタリング、蒸着など各種の方法を採用することができる。銀線についても同様である。
(被覆材)
被覆材40は、後述する射出成形用金型80のキャビティC(図3参照)に溶融樹脂を射出することで形成される。被覆材40には、後述するランナー樹脂40R及びスプール樹脂40Sとの切断部に、ゲート切断部40Cが形成されている。
なお、ゲート切断部40Cは、被覆材40における他の部分との差異が視認できない程度に小さくなるように、適宜処理(例えばバリの切除等)されていてもよい。また、図1においては、ランナー樹脂40R及びスプール樹脂40Sを図示しているが、このランナー樹脂40R及びスプール樹脂40Sは、樹脂成形品10に含まれるものではない。
被覆材40には、センサーフィルム12の外周に沿って、溝40V1が形成されている。具体的には、境界部12ABと、ゲート切断部40Cとの間に、溝40V1が形成されている。
(射出成形用金型)
図2(A)には、樹脂成形品10を製造するための射出成形用金型80(以下、金型80と称す)を形成する固定型82が示されており、図2(B)には、固定型82に対して接離する方向へ移動可能な可動型86が示されている。図2(A)には固定型82のパーティング面82Aを正面視した状態が示されており、図2(B)には可動型86のパーティング面86Aを正面視した状態が示されている。なお、固定型82は本発明における第一型の一例であり、可動型86は本発明における第二型の一例である。
また、図3(A)~(C)には、センサーフィルム12を挟み込んで固定型82と可動型86とを型閉じした状態が示されている。これらの図3(A)、(B)、(C)には、それぞれ、図2(A)、(B)に示したA-A線、B-B線、C-C線に相当する断面図が示されている。
(固定型)
図2(A)及び図3(A)~(C)に示すように、固定型82のパーティング面82Aには、可動型86から離れる方向へ凹んだキャビティ部84が形成されている。キャビティ部84には、スプールSから供給された溶融樹脂を、キャビティCへ供給するランナーRが接続されている。なお、キャビティC及びランナーRは、固定型82と可動型86とを型閉じすることで形成される空間である。キャビティ部84は、凹みの底面や壁面を指す。また、キャビティC及びランナーRの境界のことを、ゲートと称す。ゲートは、ランナーRに対して小断面とされている場合がある。
図2(A)及び図3(A)に示すように、固定型82のパーティング面82Aには、一端がキャビティ部84に開口した固定溝84Fが形成されている。固定溝84Fは、センサーフィルム12における引出部12Bを配置するための溝であり、図2(A)に示すように、キャビティ部84の一縁端からパーティング面82Aの面内方向に沿って突出している。また、固定溝84Fの深さは、図3(A)に示すように、金型80に組みつけられるセンサーフィルム12の厚みと同等、又は、センサーフィルム12の厚みに、温度上昇によって体積が膨張した際における厚みの増加割合(バリが発生しない程度の隙間)を見込んだ深さとされている。
(可動型)
図2(B)に示すように、可動型86のパーティング面86Aには、センサーフィルム12の本体部12A(図1参照)を固定する固定面(本体固定部86AB)が形成されている。
本体固定部86ABは、本発明における第一固定部の一例であり、図2(B)に破線で示すキャビティ部84の内側部分(固定型82と可動型86とを型閉じした状態でパーティング面86Aを正面視した場合の内側部分)に形成されている。
また、パーティング面86Aには、センサーフィルム12の引出部12B(図1参照)を固定する固定面(引出部固定部86AC)が形成されている。
引出部固定部86ACは、本発明における第二固定部の一例であり、本体固定部86ABからパーティング面86Aの面内方向に沿ってキャビティ部84の外側へ突出する部分に形成されている。また、引出部固定部86ACは、図3(A)に示すように、固定型における固定溝84Fと対向する部分とされ、センサーフィルム12の引出部12Bが固定溝84Fとの間で挟まれて配置される。
なお、図2(B)に示すように、引出部固定部86ACにおいて、キャビティ部84の内側部分(本体固定部86ABとの接続部分)であって、図(B)にハッチングで示した部分を、境界部86ABCと称す。
可動型86のパーティング面86Aにおいて、キャビティ部84と対向する面(点線で示したキャビティ部84に囲まれる範囲)には、突起88が形成されている。突起88は、可動型86を構成する金属と一体的に形成してもよいし、可動型86とは別部材として形成し、後から組みつけてもよい。
突起88は、境界部86ABCの外周に沿って壁状に形成されている。具体的には、突起88は、境界部86ABCの外周において、固定型82と型閉じした際に、境界部86ABCとランナーRとに挟まれる位置に形成されている。図3(A)~(C)に示すように、突起88の高さ(パーティング面86Aからの高さ)は、センサーフィルム12の高さ以上とされている。
(樹脂成形品の製造方法)
樹脂成形品10を製造するには、まず、図4(A)に示すように、金型80における可動型86にセンサーフィルム12を設置し、固定型82と可動型86とを型閉じする。型閉じした状態では、図3(A)に示すように、センサーフィルム12における引出部12Bが、固定型82(固定溝84F)と可動型86(引出部固定部86AC)とによって挟まれて配置される。また、センサーフィルム12における本体部12Aが、可動型86の本体固定部86ABに接して配置される。
次に、図4(B)に示すように、スプールSから溶融樹脂をランナーRへ注入し、キャビティCへ溶融樹脂を充填する。この際、キャビティCにおいてランナーRに近い側の部分から順に溶融樹脂が充填される。
図4(C)に示すように、溶融樹脂は、センサーフィルム12における境界部12ABの上流側(ランナーR側)において、突起88によって堰き止められる。換言すると、溶融樹脂は突起88に当接して流動方向を変える。これにより、センサーフィルム12における境界部12ABの端面が、溶融樹脂の流動圧力に晒されることが抑制される。
溶融樹脂がキャビティCに充填され、溶融樹脂が固化した後、固定型82と可動型86とを型開きすると、センサーフィルム12、被覆材40、ランナー樹脂40R及びスプール樹脂40Sが一体化した樹脂成形品が得られる。図1に示すように、この樹脂成形品から、ランナー樹脂40R及びスプール樹脂40Sを切断する(すなわち、樹脂成形品とランナー樹脂40Rとの境界であるゲート部分で切断する)ことで、図1に示す樹脂成形品10が得られる。
(作用・効果)
本発明の実施形態に係る金型80では、図2(B)に示すように、可動型86のパーティング面86A(本体固定部86AB及び引出部固定部86AC)にセンサーフィルム12を固定できる。パーティング面86Aにおける境界部86ABCの外周には壁状の突起88が形成されており、この突起88は、固定型82と可動型86とを型閉じすると、境界部86ABCと固定型82のランナーRとの間に配置される。
図4(B)、(C)に示すように、ランナーRからキャビティCへ溶融樹脂が射出されると、溶融樹脂はセンサーフィルム12へ向って流動する。図4(C)に示すように、センサーフィルム12(境界部12AB)とランナーRとの間には壁状の突起88が配置されているため、この突起88が防護壁となり、流動樹脂によるセンサーフィルム12の端面の押圧が抑制される。
これにより、流動樹脂からセンサーフィルム12に作用する押圧力を低減できる。また、センサーフィルム12に備えられた配線(境界部12ABにおける引出配線)に作用するせん断力を低減できる。
より詳しくは、金型80によると、図3(A)に示すように、センサーフィルム12においてキャビティCの外側に突出する引出部12Bが、固定型82と可動型86との間に配置される。
図4(B)に示すように、ランナーRからキャビティCへ溶融樹脂が射出されると、センサーフィルム12においてキャビティCの内側に位置する部分(すなわち本体固定部86ABに固定された本体部12A)の端面は流動樹脂によって押圧される。
一方、キャビティCの外側に位置する部分(すなわち引出部固定部86ACに固定された引出部12B。図3(A)参照)は押圧されない。このため、図4(C)に示すこれらの境界部(境界部12AB)にせん断力が作用する。
ここで、境界部12ABとランナーRとの間には壁状の突起88が配置されているため、この突起88が防護壁となり、流動樹脂による境界部12ABの端面の押圧が抑制される。これにより流動樹脂に押圧される部分とされない部分の境界部である境界部12ABに作用するせん断力が、溶融樹脂によって増大することを抑制できる。
また、金型80によって形成された樹脂成形品10には、図1に示すように、センサーフィルム12を被覆する被覆材40において、センサーフィルム12の外周に沿って溝40V1が形成される。このため、樹脂成形品10の裏面を別部材(例えば液晶ディスプレイパネルや有機ELディスプレイパネル)に接着する際に、この溝40V1へ接着剤を充填することができる。これにより、溝40V1が無い構成と比較して接着力が向上し、別部材に対する貼り付け強度が向上する。この結果、センサーフィルム12の剥がれを抑制することができる。
具体的には、樹脂成形品10では、センサーフィルム12の本体部12Aが被覆材40に被覆されている一方、センサーフィルム12の引出部12Bが被覆材40の外側に突出している。このため、引出部12Bに外力が加わると、本体部12Aと引出部12Bとの境界部12ABに剥離力が加わる。
しかし樹脂成形品10では、被覆材40の溝40V1が境界部12ABの外周に沿って形成されている。この溝40V1に接着剤を充填することにより別部材に対する貼り付け強度が向上するため、境界部12ABに剥離力が作用しても当該境界部12ABを剥がれ難くできる。これにより、境界部12ABを基点として本体部12Aが剥がれることを抑制できる。
なお、本実施形態においては、境界部12ABにおいて、ゲート切断部40C側の外周部のみに溝40V1が形成されているが、ゲート切断部40Cと反対側の外周部にも溝40V1を形成することができる。これにより別部材に対する貼り付け強度が、より向上するため、センサーフィルム12の剥がれ抑制効果を高めることができる。
なお、ゲート切断部40Cと反対側の外周部にも溝40V1を形成する場合、可動型86における境界部86ABCの外周部であって、固定型82と可動型86とを型閉じした際にランナーRと反対側とで挟まれる位置にも、突起88を形成する。
(変形例)
本発明の実施形態に係る金型80においては、図2(B)に示すように、突起88は、可動型86のパーティング面86Aにおいて、センサーフィルム12の境界部12AB(図1参照)を固定する境界部86ABCの外周に沿って配置されているが、本発明の実施形態はこれに限らない。
例えば図5(A)、図6(A)に示す突起88A、88Bのように、境界部86ABCに加えて、センサーフィルム12を固定する本体固定部86ABの外周に沿って配置してもよい。
図5(A)の突起88Aは、本体固定部86ABの外周部において、固定型82と可動型86とを型閉じした際に、少なくとも本体固定部86ABとランナーRとで挟まれる位置を含むように形成されている。
これにより、図5(B)に示すセンサーフィルム12における境界部12ABだけでなく本体部12Aも流動樹脂から防護されるため、流動樹脂による圧力低減効果を高められる。
なお、突起88Aを備えた金型80を用いて形成された樹脂成形品10の被覆材40には、図5(B)に示すように、センサーフィルム12の外周に沿って、溝40V2が形成されている。具体的には、境界部12AB及び本体部12Aと、ゲート切断部40Cとの間に、溝40V2が形成されている。
このため、センサーフィルム12において、被覆材40の成形時に溶融樹脂の熱や押圧力の影響を受けて歪み易いゲート側部分の剥がれを抑制できる。これにより、溶融樹脂によってセンサーフィルム12に歪みが生じても、この歪みによる接着不良を抑制できる。
また、図6(A)の突起88Bは、本体固定部86ABの外周部において、固定型82と可動型86とを型閉じした際に、本体固定部86ABとランナーRとで挟まれる位置の他、本体固定部86ABと、キャビティ部84AにおけるランナーRと反対側の壁とで挟まれる位置を含むように形成されている。すなわち、突起88Bは、本体固定部86ABを取り囲むように(本体固定部86ABの外周に亘って)配置されている。
このような突起88Bは、例えば図6(B)に示すキャビティ部84Aのように、曲面を備えたキャビティ部84Aによって樹脂成形品を成形する場合に好適である。キャビティ部84Aにおいては、周縁部の深さが中心部の深さより浅く、キャビティCに溶融樹脂を射出すると、溶融樹脂は深さが浅い周縁部から先行して充填され、徐々に中心部へ向って流動する。
突起88Bは、本体部12Aを取り囲むように配置されているため、流動樹脂が本体部12Aの端面を押圧することを抑制できる。このように、キャビティ部84Aが曲面を備えている場合、曲面を備えていない場合と比較して溶融樹脂の流動経路が複雑になる。しかしこのような場合においても、流動樹脂がセンサーフィルム12の端面を直接押圧することが抑制され、センサーフィルム12の端面に対する圧力低減効果を得ることができる。
また、溶融樹脂の流動経路が複雑になると、キャビティC内に空気溜まりやガス溜まりが発生し、被覆材40の均一な充填が難しい場合がある。
しかし、突起88Bを備えた金型80を用いて形成された被覆材40には、図6(C)に示すように、センサーフィルム12の外周に亘って、溝40V3が形成されている。具体的には、境界部12AB及び本体部12Aを取り囲むように、溝40V3が形成されている。
このため、センサーフィルム12の外周に亘って接着剤を充填できる。これによりセンサーフィルム12の外周の一部のみに溝を形成する場合と比較して、センサーフィルム12の剥がれ抑制効果を高めることができる。
なお、図6(B)には、固定型82におけるキャビティ部84Aが曲面を備えている構成を示したが、可動型86においてキャビティ部84Aと対向する部分が曲面を備えていてもよい。これらの曲面は、全体に亘って一定の曲率を備えた曲面、互いに交わる方向の曲率が異なる曲面、同一の方向において複数の異なる曲率を持つ曲面、曲面部分と平面部分とが混在した面、等とすることができる。すなわち、被覆材40は、任意の三次元形状とすることができる。
また、本実施形態においては、被覆材40の表側が露出しているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば図8に示すように、固定型82のキャビティ部84に、予めキャビティ部84に沿う形状に成形した樹脂製の加飾層50を組付けることで、被覆材40の表側を加飾してもよい。これにより、被覆材40を保護できる他、樹脂成形品10のタッチパネルとしての操作性を向上させることができる。
なお、本発明の実施形態においては、可動型86に、ガスベント用の排気孔を形成してもよい。排気孔は、一例としてパーティング面86Aに沿って設けることができる。これにより、キャビティC内の空気が排出されて溶融樹脂の流れがスムーズになると共に、溶融樹脂から発生した高温ガスをキャビティCの外部へ排出できる。
さらに、排気孔は、例えば図8(A)~(C)に示す排気孔90のように、突起92Aに隣接して設けることができる。具体的には、固定型82と可動型86とを型閉じした状態において、突起92Aと固定型82のランナーRとで挟まれる位置に設けることができる。
なお、突起92Aは、可動型86と別部材とされた組部材92の一部である。図9に示すように、組部材92は、可動型86を構成する前方型86Sに形成された挿入孔86SAに挿入される。組部材92が挿入孔86SAに挿入された状態でパーティング面86Aから突出する部分が、突起92Aとなる。
組部材92は、可動型86を構成する前方型86Sと後方型86Tとで挟まれた状態で保持される。前方型86S及び後方型86Tには、溝90A、貫通孔90Bがそれぞれ形成されている。溝90Aは、挿入孔86SAの孔壁に形成された溝であり、貫通孔90Bは、溝90Aと断面寸法が略同一である孔である。組部材92が挿入孔86SAに挿入された状態で、前方型86Sと後方型86Tとを組付けると、前方型86Sから後方型86Tへ亘って連通した排気孔90が形成される。
このような排気孔90を形成することにより、図8(C)に示すように、センサーフィルム12における境界部12ABが、溶融樹脂から発生した高温ガスに晒されることを抑制できる。これにより、熱によってセンサーフィルム12に歪みが発生することを抑制できる。
なお、排気孔90は、図5(A)に示した突起88Aや、図6(A)に示した突起88Bに隣接して設けてもよい。突起88A、88Bのように、本体固定部86ABの外周に沿って配置された突起を設ける場合、排気孔90は、これらの突起に沿って複数箇所点在させることが好適である。これにより、本体固定部86ABに固定されたセンサーフィルム12における本体部12Aが、溶融樹脂から発生した高温ガスに晒されることを抑制できる。
さらに、排気孔90は、図6(B)に示したように、固定型のキャビティ部が曲面を備えている場合に適用すると好適である。つまり、キャビティ部84Aのように曲面を備えたキャビティ部によって形成されるキャビティへ溶融樹脂を射出すると、樹脂の流れが複雑になるため、キャビティ内に空気溜りやガス溜りが発生し易い。そこで可動型の突起に隣接して排気孔90を設けることで、空気やガスを排出しやすくできる。
なお、本実施形態においては、固定型82に対して可動型86を移動させるものとしたが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば、可動型86を動かない構成(固定型)とし、固定型82を移動させる構成(可動型)としてもよい。このように、本発明は様々な態様で実施することができる。
12 センサーフィルム
82 固定型(第一型)
84 キャビティ部(キャビティ)
84A キャビティ部(キャビティ)
86 可動型(第二型)
86AB 本体固定部(第一固定部、固定部)
86AC 引出部固定部(第二固定部、固定部)
86ABC 境界部
88 突起
88A 突起
88B 突起
90 排気孔
R ランナー

Claims (3)

  1. 溶融樹脂が充填されるランナー及びキャビティを備えた第一型と、
    前記キャビティと対向する対向面に、配線を備えたセンサーフィルムを固定可能な固定部が形成された第二型と、
    前記固定部の外周に沿って形成され、前記第一型と前記第二型とを型閉じした状態で、前記固定部及び前記ランナーに挟まれる位置に配置される壁状の突起と、
    を備え、
    前記固定部は、
    前記第一型と型閉じされた状態の前記第二型を正面視した状態において、
    前記キャビティの内側に位置する第一固定部と、
    前記第一固定部から面内方向に沿って突出し前記第一型との間に前記センサーフィルムを配置可能な第二固定部と、を備え、
    前記突起は、前記第一固定部と、前記第二固定部との境界部の外周に沿って形成されている、
    金型。
  2. 溶融樹脂が充填されるランナー及びキャビティを備えた第一型と、
    前記キャビティと対向する対向面に、配線を備えたセンサーフィルムを固定可能な固定部が形成された第二型と、
    前記固定部の外周に沿って形成され、前記第一型と前記第二型とを型閉じした状態で、前記固定部及び前記ランナーに挟まれる位置に配置される壁状の突起と、
    を備え、
    前記第二型には、前記突起に隣接して排気孔が形成されている、
    金型。
  3. 前記キャビティは曲面を備え、
    前記突起は、前記第一型と前記第二型とを型閉じした状態で、前記固定部の外周に亘って配置されている、
    請求項1又は請求項2に記載の金型。
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