JP7249180B2 - 硬化性樹脂組成物および成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化性樹脂組成物および成形品に関する。
従来、硬化性樹脂組成物と、硬化性樹脂組成物が含浸される強化繊維とを含む繊維強化樹脂材料が知られている。
例えば、ビニルエステル樹脂と、反応性希釈剤としてのポリアルキレンオキサイドのジ(メタ)アクリレート誘導体と、補強材としてのガラス繊維とを含有する熱硬化性樹脂成形材料が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006-22163号公報
しかるに、特許文献1に記載の熱硬化性樹脂成形材料を、キャビティー(凹部)を有する第1金型とコア(凸部)を有する第2金型とにより、加熱プレス成形する場合がある。加熱プレス成形において、熱硬化性樹脂成形材料は、加熱された第1金型および第2金型により挟まれて流動する。
このとき、熱硬化性樹脂成形材料が、空気と接触するとポリアルキレンオキサイドのジ(メタ)アクリレート誘導体の重合反応が酸素により阻害されるおそれがある。とりわけ、熱硬化性樹脂成形材料の流動末端は、キャビティーの側面とコアの側面との間のシャーエッジ部分に到達すると空気と接触しやすい。シャーエッジ部分に到達した流動末端は、硬化して、成形品の周縁から突出するバリとして形成されるが、そのバリには、未反応のポリアルキレンオキサイドのジ(メタ)アクリレート誘導体が残存する場合がある。
バリに未反応のポリアルキレンオキサイドのジ(メタ)アクリレート誘導体が残存すると、残存するポリアルキレンオキサイドのジ(メタ)アクリレート誘導体が作業者の手に付着して作業環境を汚染する場合や、バリがべたついて金型に張り付き、成形品の金型からの脱型性が低下するという不具合がある。また、このような成形品には、脱型性の確保とともに、クラックの発生を抑制することが要求される。
本発明は、脱型性の向上を図ることができながら、クラックの発生を抑制できる硬化性樹脂組成物および成形品を提供する。
本発明[1]は、ビニルエステル樹脂と、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレート、および、多官能(メタ)アクリレートを含有するビニルモノマーとを含有し、前記ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートの含有割合は、前記ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートと前記多官能(メタ)アクリレートとの総和に対して、2質量%以上30質量%以下である、硬化性樹脂組成物を含む。
本発明[2]は、前記多官能(メタ)アクリレートは、ジ(メタ)アクリレートを含む、上記[1]に記載の硬化性樹脂組成物を含む。
本発明[3]は、前記ビニルモノマーは、さらに、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートと異なる他のモノ(メタ)アクリレートを含有する、上記[1]または[2]に記載の硬化性樹脂組成物を含む。
本発明[4]は、前記他のモノ(メタ)アクリレートは、ベンジルメタクリレートを含む、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を含む。
本発明[5]は、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物と、前記硬化性樹脂組成物が含浸される強化繊維とを含む繊維強化樹脂材料の硬化物を含む、成形品を含む。
本発明の硬化性樹脂組成物は、ビニルエステル樹脂と、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリレートを含有するビニルモノマーとを含有し、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートの含有割合が上記下限以上である。
しかるに、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートは、酸素存在下において、ビニルエステル樹脂および/またはビニルモノマーと円滑に反応する。そのため、加熱プレス成形において、硬化性樹脂組成物の流動末端が空気と接触しても、その流動末端に未反応のビニルモノマーが残存することを抑制できる。その結果、その流動末端から形成されるバリがべたつくことを抑制でき、作業環境の汚染を抑制できるとともに、成形品の脱型性の向上を図ることができる。
一方、成形品にジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートとビニルエステル樹脂との反応により生じるユニットが過度に含まれると、成形品にクラックが発生するおそれがある。しかし、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートの含有割合が上記上限以下であるので、成形品にクラックが発生することを抑制できる。
図1Aは、本発明の硬化性樹脂組成物の一実施形態を含むシートモールディングコンパウンドを、第1金型のキャビティーに配置した状態を示す。図1Bは、図1Aに続いて、シートモールディングコンパウンドを第1金型と第2金型とにより挟み込んだ状態を示す。図1Cは、図1Bに続いて、シートモールディングコンパウンドの流動末端がシャーエッジ部分に到達した状態を示す。
1.硬化性樹脂組成物
本発明の硬化性樹脂組成物は、必須成分として、ビニルエステル樹脂と、ビニルモノマーとを含有する。
(1-1)ビニルエステル樹脂
ビニルエステル樹脂は、不飽和二重結合およびエステル結合を含有する。
ビニルエステル樹脂として、例えば、ビニルエステル樹脂の無変性体、ビニルエステル樹脂の酸変性体などが挙げられる。
ビニルエステル樹脂の無変性体は、変性されていないビニルエステル樹脂であって、エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸との付加反応物である。
エポキシ樹脂は、少なくとも1つのエポキシ基を含有する。エポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂など)、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ノボラック型エポキシ樹脂など)、脂肪族型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、アミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
このようなエポキシ樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
このようなエポキシ樹脂は、好ましくは、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含み、さらに好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を含み、とりわけ好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば、100以上、好ましくは、200以上、例えば、700以下、好ましくは、500以下、さらに好ましくは、400以下である。なお、エポキシ当量は、JIS K 7236に準拠して測定できる(以下同様)。
不飽和モノカルボン酸は、少なくとも1つの不飽和二重結合と、少なくとも1つのカルボキシ基とを含有する。不飽和モノカルボン酸として、例えば、不飽和モノ脂肪酸(例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸など)、芳香族不飽和モノカルボン酸(例えば、ケイ皮酸など)、エステル結合含有不飽和モノカルボン酸(例えば、酸無水物と不飽和アルコールとの反応物など)などが挙げられる。なお、(メタ)アクリルは、メタクリルおよび/またはアクリルと同義である。
このような不飽和モノカルボン酸は、単独使用または2種以上併用することができる。
このような不飽和モノカルボン酸は、好ましくは、不飽和モノ脂肪酸を含み、さらに好ましくは、(メタ)アクリル酸を含み、とりわけ好ましくは、メタクリル酸を含み、特に好ましくは、メタクリル酸からなる。
そして、ビニルエステル樹脂の無変性体は、上記したエポキシ樹脂のエポキシ基と上記した不飽和一塩基酸のカルボキシ基とを開環付加反応させることにより調製される。ビニルエステル樹脂の無変性体は、エポキシ基の開環により生成する水酸基を含有する。
ビニルエステル樹脂の酸変性体は、酸変性されたビニルエステル樹脂であり、ビニルエステル樹脂の側鎖にカルボキシ基が導入されている。ビニルエステル樹脂の酸変性体は、例えば、上記したビニルエステル樹脂の無変性体と酸無水物との反応生成物である。
酸無水物として、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸などが挙げられる。酸無水物は、単独使用または2種以上併用することができる。このような酸無水物は、好ましくは、無水マレイン酸を含み、さらに好ましくは、無水マレイン酸からなる。
そして、ビニルエステル樹脂の酸変性体は、例えば、上記したビニルエステル樹脂の無変性体が含有する水酸基と酸無水物の酸無水物基とを反応させることにより調製される。水酸基と酸無水物基との反応により、エステル結合が形成するとともに、カルボキシ基が生成する。
このようなビニルエステル樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
このようなビニルエステル樹脂は、例えば、ビニルエステル樹脂の無変性体および/またはビニルエステル樹脂の酸変性体を含み、好ましくは、ビニルエステル樹脂の酸変性体を含む。
また、ビニルエステル樹脂がビニルエステル樹脂の酸変性体を含む場合、ビニルエステル樹脂の酸価は、例えば、10mgKOH/g以上、好ましくは、40mgKOH/g以上、例えば、150mgKOH/g以下、好ましくは、100mgKOH/g以下である。なお、ビニルエステル樹脂の酸価は、JIS K 6901に準拠して測定できる(以下同様)。
ビニルエステル樹脂の含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和に対して、例えば、20質量%以上、好ましくは、30質量%以上、例えば、70質量%以下、好ましくは、60質量%以下、さらに好ましくは、45質量%以下である。
(1-2)ビニルモノマー
ビニルモノマーは、必須成分として、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレート(以下、DCPD系モノ(メタ)アクリレートとする。)と、多官能(メタ)アクリレートとを含有する。
DCPD系モノ(メタ)アクリレートは、ジシクロペンタジエン骨格と、1つの(メタ)アクリロイルオキシ基とを含む。DCPD系モノ(メタ)アクリレートとして、例えば、下記一般式(1)により示されるジシクロペンテニル系モノ(メタ)アクリレートと、下記一般式(2)により示されるジシクロペンタニル系モノ(メタ)アクリレートとが挙げられる。
一般式(1)
Figure 0007249180000001
[式(1)において、Rは、水素原子またはメチル基を示す。nは、0または1を示す。]
一般式(1)において、(メタ)アクリロイルオキシ基は、nが0である場合、ジシクロペンタジエン骨格の5位または6位に直接結合する。また、(メタ)アクリロイルオキシ基は、nが1である場合、エチレンオキシド基を介して、ジシクロペンタジエン骨格の5位または6位に結合する。
上記一般式(1)に示されるジシクロペンテニル系モノ(メタ)アクリレートとして、例えば、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、好ましくは、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(一般式(1)において、R=メチル基、n=1)、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート(一般式(1)において、R=水素原子、n=1)、ジシクロペンテニルアクリレート(一般式(1)において、R=水素原子、n=0)が挙げられる。
一般式(2)
Figure 0007249180000002
[式(2)において、Rは、水素原子またはメチル基を示す。nは、0または1を示す。]
一般式(2)において、(メタ)アクリロイルオキシ基の結合箇所は、上記一般式(1)と同様である。
上記一般式(2)に示されるジシクロペンタニル系モノ(メタ)アクリレートとして、例えば、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、好ましくは、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート(一般式(2)において、R=水素原子、n=1)、ジシクロペンタニルメタクリレート(一般式(2)において、R=メチル基、n=0)が挙げられる。
なお、DCPD系モノ(メタ)アクリレートは、市販品を用いることもできる。
このようなDCPD系モノ(メタ)アクリレートは、単独使用または2種類以上併用できる。
このようなDCPD系モノ(メタ)アクリレートは、好ましくは、上記一般式(1)に示されるジシクロペンテニル系モノ(メタ)アクリレートを含み、さらに好ましくは、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートおよび/またはジシクロペンテニル(メタ)アクリレートを含み、とりわけ好ましくは、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートおよびジシクロペンテニルアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種を含み、特に好ましくは、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートを含み、最も好ましくは、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートからなる。
このようなDCPD系モノ(メタ)アクリレートの分子量は、例えば、150以上、好ましくは、200以上、例えば、400以下、好ましくは、300以下である。
このようなDCPD系モノ(メタ)アクリレートの沸点は、常圧下(0.1MPa)において、例えば、150℃以上、好ましくは、200℃以上、例えば、400℃以下、好ましくは、350℃以下である。
DCPD系モノ(メタ)アクリレートの含有割合は、DCPD系モノ(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの総和に対して、2質量%以上、好ましくは、5質量%以上、30質量%以下、好ましくは、25質量%以下、さらに好ましくは、20質量%以下である。
また、ビニルモノマーにおけるDCPD系モノ(メタ)アクリレートの含有割合は、例えば、1質量%以上、好ましくは、2質量%以上、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下である。
また、DCPD系モノ(メタ)アクリレートの含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和に対して、例えば、0.5質量%以上、好ましくは、1質量%以上、例えば、20質量%以下、好ましくは、15質量%以下である。
DCPD系モノ(メタ)アクリレートの含有割合が上記下限以上であると、硬化性樹脂組成物から成形される成形品(後述)の脱型性の向上を図ることができる。DCPD系モノ(メタ)アクリレートの含有割合が上記上限以下であると、成形品(後述)にクラックが発生することを抑制できる。
多官能(メタ)アクリレートは、反応性希釈剤であって、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有する。多官能(メタ)アクリレートとして、例えば、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ジ(メタ)アクリレートとして、例えば、アルカングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アルカングリコールジ(メタ)アクリレートは、分子の両末端に位置する2つの(メタ)アクリロイル基と、それら(メタ)アクリロイル基とエステル結合を形成する1つのアルカングリコールユニット(オキシアルキレン基)とを含有する。
アルカングリコールジ(メタ)アクリレートが含有するオキシアルキレン基の炭素数は、例えば、1以上、好ましくは、2以上、例えば、10以下、好ましくは、6以下、さらに好ましくは、4以下である。
アルカングリコールジ(メタ)アクリレートとして、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレートは、2つの(メタ)アクリロイル基と、それら(メタ)アクリロイル基の間において繰り返し単位として位置するポリオキシアルキレンユニット(2つ以上のオキシアルキレン基)とを含有する。
ポリオキシアルキレンポリ(メタ)アクリレートが含有する各オキシアルキレン基の炭素数の範囲は、例えば、上記したアルカングリコールジ(メタ)アクリレートが含有するオキシアルキレン基の炭素数の範囲と同じである。
また、ポリオキシアルキレンポリ(メタ)アクリレートに含まれるオキシアルキレン基の数は、例えば、2以上、例えば、10以下、好ましくは、4以下である。
ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレートとして、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
トリ(メタ)アクリレートとして、例えば、アルカントリオールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アルカントリオールトリ(メタ)アクリレートは、3つの(メタ)アクリロイル基と、それら(メタ)アクリロイル基とエステル結合を形成するアルカントリオールユニットとを含有する。
アルカントリオールトリ(メタ)アクリレートとして、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
このような多官能(メタ)アクリレートは、単独使用または2種以上併用することができる。
このような多官能(メタ)アクリレートは、好ましくは、ジ(メタ)アクリレートを含み、さらに好ましくは、アルカングリコールジ(メタ)アクリレートを含み、とりわけ好ましくは、炭素数2~4のオキシアルキレン基を含有するアルカングリコールジ(メタ)アクリレートを含み、特に好ましくは、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む。また、多官能(メタ)アクリレートは、好ましくは、ジ(メタ)アクリレート(アルカングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート)からなる。
多官能(メタ)アクリレートがジ(メタ)アクリレートを含むと、硬化性樹脂組成物から成形される成形品(後述)にクラックが発生することを確実に抑制することができる。
このような多官能(メタ)アクリレートの分子量は、例えば、150以上、好ましくは、180以上、例えば、500以下、好ましくは、400以下、さらに好ましくは、300以下である。
このような多官能(メタ)アクリレートの沸点は、常圧下(0.1MPa)において、例えば、150℃以上、好ましくは、200℃以上、例えば、500℃以下、好ましくは、350℃以下である。
多官能(メタ)アクリレートの含有割合は、DCPD系モノ(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの総和に対して、70質量%以上、好ましくは、75質量%以上、さらに好ましくは、80質量%以上、98質量%以下、好ましくは、95質量%以下である。
また、ビニルモノマーにおける多官能(メタ)アクリレートの含有割合は、例えば、50質量%以上、好ましくは、60質量%以上、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。
また、多官能(メタ)アクリレートの含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和に対して、例えば、20質量%以上、好ましくは、30質量%以上、例えば、60質量%以下、好ましくは、50質量%以下である。
また、ビニルモノマーは、好ましくは、任意成分として、DCPD系モノ(メタ)アクリレートと異なる他のモノ(メタ)アクリレート(以下、単にモノ(メタ)アクリレートとする。)を含有する。
モノ(メタ)アクリレートは、反応性希釈剤であって、1つの(メタ)アクリロイル基を含有する。モノ(メタ)アクリレートとして、例えば、アルキルモノ(メタ)アクリレート、シクロアルキルモノ(メタ)アクリレート、アラルキルモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アルキルモノ(メタ)アクリレートは、1つのオキシ(メタ)アクリロイル基と、そのオキシ(メタ)アクリロイル基と結合するアルキル基とを含有する。
アルキルモノ(メタ)アクリレートが含有するアルキル基の炭素数は、例えば、1以上、好ましくは、2以上、さらに好ましくは、4以上、例えば、18以下、好ましくは、8以下である。
アルキルモノ(メタ)アクリレートとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
シクロアルキルモノ(メタ)アクリレートは、1つのオキシ(メタ)アクリロイル基と、そのオキシ(メタ)アクリロイル基が結合する脂肪族環とを含有する。
シクロアルキルモノ(メタ)アクリレートが含有する脂肪族環の炭素数は、例えば、4以上、好ましくは、6以上、例えば、18以下、好ましくは、10以下である。
シクロアルキルモノ(メタ)アクリレートとして、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アラルキルモノ(メタ)アクリレートは、1つのオキシ(メタ)アクリロイル基と、そのオキシ(メタ)アクリロイル基と結合する芳香脂肪族基とを含有する。
アラルキルモノ(メタ)アクリレートとして、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アラルキルモノ(メタ)アクリレートが含有する芳香脂肪族基の炭素数は、例えば、6以上、好ましくは、7以上、例えば、18以下、好ましくは、10以下である。
このようなモノ(メタ)アクリレートは、単独使用または2種以上併用することができる。
このようなモノ(メタ)アクリレートは、好ましくは、アルキルモノ(メタ)アクリレートおよび/またはアラルキルモノ(メタ)アクリレートを含み、さらに好ましくは、アラルキルモノ(メタ)アクリレートを含み、とりわけ好ましくは、ベンジルメタクリレートを含む。また、モノ(メタ)アクリレートは、好ましくは、アルキルモノ(メタ)アクリレートまたはアラルキルモノ(メタ)アクリレートからなり、さらに好ましくは、アラルキルモノ(メタ)アクリレートからなる。
モノ(メタ)アクリレートがアルキルモノ(メタ)アクリレートおよび/またはアラルキルモノ(メタ)アクリレートを含むと、硬化性樹脂組成物の粘度を好適に調整することができ、モノ(メタ)アクリレートがベンジルメタクリレートを含むと、希釈効率の向上を図ることができる。
このようなモノ(メタ)アクリレートの分子量は、例えば、90以上、好ましくは、120以上、さらに好ましくは、150以上、例えば、300以下、好ましくは、250以下である。
このようなモノ(メタ)アクリレートの沸点は、常圧下(0.1MPa)において、例えば、100℃以上、好ましくは、150℃以上、さらに好ましくは、200℃以上、例えば、400℃以下、好ましくは、300℃以下である。
モノ(メタ)アクリレートの含有割合は、DCPD系モノ(メタ)アクリレートとモノ(メタ)アクリレートとの総和に対して、例えば、20質量%以上、好ましくは、30質量%以上、さらに好ましくは、50質量%以上、例えば、95質量%以下、好ましくは、90質量%以下である。
また、ビニルモノマーにおけるモノ(メタ)アクリレートの含有割合は、例えば、3質量%以上、好ましくは、5質量%以上、さらに好ましくは、10質量%以上、例えば、35質量%以下、好ましくは、25質量%以下である。
また、モノ(メタ)アクリレートの含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上、さらに好ましくは、10質量%以上、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下である。
(1-3)低収縮化剤
硬化性樹脂組成物は、任意成分として、低収縮化剤を含有することができる。
低収縮化剤は、硬化性樹脂組成物から成形される成形品の硬化収縮および熱収縮を抑制する。
低収縮化剤として、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、セルロースエステル樹脂(例えば、セルロースアセテートブチレートなど)、ポリスチレン、ポリエチレン、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー、ポリ酢酸ビニル-ポリスチレンブロックコポリマー、飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。
このような低収縮化剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
このような低収縮化剤は、好ましくは、ポリ(メタ)アクリレート樹脂および/または、スチレン-ブタジエンブロックコポリマーを含み、さらに好ましくは、ポリ(メタ)アクリレート樹脂およびスチレン-ブタジエンブロックコポリマーを含み、とりわけ好ましくは、ポリ(メタ)アクリレート樹脂およびスチレン-ブタジエンブロックコポリマーからなる。
このような低収縮化剤の数平均分子量は、例えば、5000以上、好ましくは、10000以上、例えば、200000以下、好ましくは、100000以下である。
低収縮化剤の含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以下、例えば、30質量部以下、好ましくは、20質量部以下である。
(1-4)増粘剤
また、硬化性樹脂組成物は、任意成分として、増粘剤を含有することができる。
増粘剤は、硬化性樹脂組成物を加熱プレス成形に適した粘度まで増粘する。増粘剤は、例えば、硬化性樹脂組成物を強化繊維(後述)に含浸させる前(好ましくは、直前)に、硬化性樹脂組成物に添加される。
増粘剤として、例えば、アルカリ土類金属酸化物(例えば、酸化マグネシウムなど)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなど)、ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などの芳香族ポリイソシアネート、例えば、水添キシリレンジイソシアネート(HXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ノルボルナンメタンジイソシアネート(NBDI)などの脂環族ポリイソシアネート、例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香脂肪族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などの脂肪族ポリイソシアネート、および、それらの変性体など)が挙げられる。
このような増粘剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
増粘剤は、硬化性樹脂組成物に含有されるビニルエステル樹脂に応じて適宜選択される。
具体的には、ビニルエステル樹脂がビニルエステル樹脂の無変性体からなる場合、増粘剤としてポリイソシアネートが選択され、増粘剤は、ポリイソシアネートを含み、好ましくは、芳香族ポリイソシアネートを含み、さらに好ましくは、MDIを含む。
また、ビニルエステル樹脂がビニルエステル樹脂の酸変性体を含有する場合、増粘剤としてアルカリ土類金属酸化物が選択され、増粘剤は、アルカリ土類金属酸化物を含み、好ましくは、酸化マグネシウムを含む。
このような増粘剤の配合割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、例えば、15質量部以下、好ましくは、10質量部以下である。
(1-5)その他の添加剤
また、硬化性樹脂組成物は、任意成分として、その他の添加剤を含有することができる。その他の添加剤として、例えば、重合禁止剤、重合開始剤、湿潤分散剤、分離防止剤、内部離型剤、充填材などが挙げられる。その他の添加剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
重合禁止剤として、例えば、ハイドロキノン化合物(例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2-t-ブチルハイドロキノン、2,5-ジ-t-ブチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、メトキシハイドロキノンなど)、ベンゾキノン化合物(例えば、p-ベンゾキノン、2,5-ジ-t-ブチルベンゾキノンなど)、ナフトキノン化合物(例えば、ナフトキノンなど)、カテコール化合物(例えば、p-t-ブチルカテコールなど)、芳香族アミン化合物(例えば、フェノチアジンなど)、N-オキシル化合物などが挙げられる。重合禁止剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
このような重合禁止剤は、好ましくは、ベンゾキノン化合物を含み、さらに好ましくは、p-ベンゾキノンを含む。
重合禁止剤の含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、0.001質量部以上、好ましくは、0.005質量部以上、例えば、0.5質量部以下、好ましくは、0.1質量部以下である。
重合開始剤として、例えば、パーオキサイドが挙げられる。パーオキサイドとして、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-アミルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシアセテートなどが挙げられる。パーオキサイドは、単独使用または2種以上併用することができる。
このような重合開始剤は、好ましくは、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを含む。
重合開始剤の含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、0.8質量部以上、例えば、10質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。
湿潤分散剤として、例えば、酸基を有するコポリマー、酸性ポリエステル、不飽和脂肪酸ポリアミンアミド、不飽和ポリカルボン酸ポリマー、ホウ酸エステルなどが挙げられる。湿潤分散剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
このような湿潤分散剤は、好ましくは、酸基を有するコポリマーを含む。
湿潤分散剤の含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、例えば、5質量部以下、好ましくは、2質量部以下である。
分離防止剤として、例えば、低収縮化剤に親和性を有する高分子ブロックコポリマー、高分子コポリマーのアルキルアンモニウム塩、不飽和酸性ポリカルボン酸ポリエステルなどが挙げられる。分離防止剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
このような分離防止剤は、好ましくは、低収縮化剤に親和性を有する高分子ブロックコポリマーを含む。
分離防止剤の含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、例えば、5質量部以下、好ましくは、2質量部以下である。
内部離型剤として、例えば、脂肪酸(例えば、ステアリン酸、ラウリン酸など)、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど)、パラフィン、液体ワックス、フッ素ポリマー、シリコン系ポリマーなどが挙げられる。内部離型剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
このような分離防止剤は、好ましくは、脂肪酸金属塩を含み、さらに好ましくは、ステアリン酸亜鉛を含む。
内部離型剤の含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、3質量部以上、例えば、10質量部以下である。
充填材として、例えば、無機充填材が挙げられる。無機充填材として、例えば、酸化物(例えば、アルミナ、チタニアなど)、水酸化物(例えば、水酸化アルミニウムなど)、炭酸塩(例えば、炭酸カルシウムなど)、硫酸塩(例えば、硫酸バリウムなど)、シリカ(例えば、結晶性シリカ、溶融シリカ、フュームドシリカ、乾式シリカ(アエロジル)など)、ガラスパウダー、中空フィラー(例えば、ガラス中空球、シリカ中空球、アルミナ中空球など)、ケイ酸塩(例えば、珪砂、珪藻土、マイカ、クレー、カオリン、タルクなど)、フッ化物(例えば、ホタル石など)、リン酸塩(例えば、リン酸カルシウムなど)、粘土鉱物(例えば、スメクタイトなど)などが挙げられる。充填材は、単独使用または2種以上併用することができる。
このような充填材は、好ましくは、中空フィラーおよび/または炭酸塩を含み、さらに好ましくは、ガラス中空球および/または炭酸カルシウムを含み、とりわけ好ましくは、ガラス中空球または炭酸カルシウムを含む。
充填材の含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、10質量部以上、例えば、300質量部以下、好ましくは、250質量部以下である。
さらに必要に応じて、硬化性樹脂組成物は、着色剤、難燃剤、導電剤、紫外線吸収剤などを適宜の割合で含有してもよい。
(1-6)スチレン系モノマー
また、硬化性樹脂組成物は、好ましくは、スチレン系モノマーを実質的に含有しない。つまり、硬化性樹脂組成物は、好ましくは、スチレンフリーである。
硬化性樹脂組成物がスチレン系モノマーを実質的に含有しなければ、環境負荷の低減を図ることができる。
スチレン系モノマーとして、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、α-エチルスチレン、ビニルトルエン、t-ブチルスチレン、クロロスチレンなどが挙げられる。
スチレン系モノマーの含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、1.0質量部以下、好ましくは、0.5質量部以下、さらに好ましくは、0質量部である。
2.繊維強化樹脂材料
このような硬化性樹脂組成物は、必須成分(ビニルエステル樹脂およびビニルモノマー)と、必要に応じて任意成分とを混合することにより調製される。
このような硬化性樹脂組成物の粘度(at 25℃)は、増粘剤が添加される前において、例えば、1000mPa・s以上、好ましくは、2000mPa・s以上、例えば、30000mPa・s以下、好ましくは、25000mPa・s以下である。なお、粘度(at 25℃)は、例えば、B型粘度計により測定できる(以下同様)。
そして、硬化性樹脂組成物は、シートモールディングコンパウンド(SMC)、シックモールディングコンパウンド(TMC)、バルクモールディングコンパウンド(BMC)などの繊維強化樹脂材料に好適に用いられる。つまり、硬化性樹脂組成物の用途として、例えば、SMC用樹脂組成物、TMC用樹脂組成物、BMC用樹脂組成物などが挙げられる。
繊維強化樹脂材料は、上記した硬化性樹脂組成物と、強化繊維とを含む。硬化性樹脂組成物は、強化繊維に含浸する。
強化繊維として、例えば、無機繊維(例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維など)、有機繊維(例えば、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、フッ素樹脂系繊維、フェノール系繊維など)、天然繊維(例えば、麻、ケナフなど)などが挙げられる。強化繊維は、単独使用または2種以上併用することができる。
このような強化繊維は、好ましくは、無機繊維を含み、さらに好ましくは、炭素繊維および/またはガラス繊維を含み、とりわけ好ましくは、炭素繊維またはガラス繊維からなる。
強化繊維の形状として、例えば、ロービングクロスなどのクロス状、チョップドストランドマット、プリフォーマブルマット、コンティニュアンスストランドマット、サーフェーシングマットなどのマット状、ストランド状、ロービング状、不織布状、ペーパー状などが挙げられる。
このような強化繊維の形状のうち、好ましくは、ロービング状が挙げられ、より具体的には、ロービング状の強化繊維が、所定の長さに切断されたチョップドストランドが挙げられる。
強化繊維の長さおよび強化繊維の配合割合は、硬化性樹脂組成物の用途に応じて適宜変更される。
硬化性樹脂組成物がSMC用樹脂組成物である場合、強化繊維の長さは、例えば、10mm以上、好ましくは、16mm以上、例えば、50mm以下、好ましくは、30mm以下であり、強化繊維の配合割合は、繊維強化樹脂材料の総量に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上、例えば、60質量%以下、好ましくは、50質量%以下である。
このようなSMC用樹脂組成物は、例えば、シート形状を有する。SMC用樹脂組成物の厚みは、例えば、0.5mm以上6.0mm以下である。
また、硬化性樹脂組成物がTMC用樹脂組成物である場合、強化繊維の長さは、例えば、5mm以上、好ましくは、10mm以上、例えば、50mm以下、好ましくは、30mm以下であり、強化繊維の配合割合は、繊維強化樹脂材料の総量に対して、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上、例えば、60質量%以下、好ましくは、50質量%以下である。
このようなTMC用樹脂組成物は、例えば、板状やシート形状を有する。TMC用樹脂組成物の厚みは、例えば、2.0mm以上12.0mm以下である。
また、硬化性樹脂組成物がBMC用樹脂組成物である場合、強化繊維の長さは、例えば、2mm以上、好ましくは、5mm以上、例えば、30mm以下、好ましくは、20mm以下であり、強化繊維の配合割合は、繊維強化樹脂材料の総量に対して、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上、例えば、40質量%以下、好ましくは、30質量%以下である。
このようなBMC用樹脂組成物は、例えば、円筒や直方体のブロック形状を有する。BMC用樹脂組成物のブロック単位は、例えば、0.1kg以上30kg以下である。
これら繊維強化樹脂材料(SMC用樹脂組成物、TMC用樹脂組成物およびBMC用樹脂組成物)は、必要に応じて、20℃以上80℃以下、0.5時間以上120時間以下で熟成された後、公知の成形法により、硬化するとともに成形される。
成形法として、例えば、加熱プレス成形法、加熱トランスファー成形法、加熱射出成形法などが挙げられ、好ましくは、加熱プレス成形法が挙げられる。
以下において、繊維強化樹脂材料がSMC用樹脂組成物であり、成形法が加熱プレス成形法である態様について詳述する。
加熱プレス成形法において、図1A~図1Cに示すように、SMC用樹脂組成物は、プレス成形機1により成形される。
プレス成形機1は、第1金型2と、第2金型3とを備える。第1金型2は、キャビティー(凹部)2Aを有する。第2金型3は、コア(凸部)3Aを有する。第2金型3は、コア3Aが、第1金型2のキャビティー2Aと向かい合うように配置される。
そして、図1Aに示すように、シート形状を有するSMC用樹脂組成物を、キャビティー2A内において、例えば、複数積層するように配置する。
次いで、図1Bに示すように、第1金型2および第2金型3を所定の金型温度に加熱した後、コア3Aがキャビティー2Aに嵌るように、第2金型3を第1金型2に向かって移動させる。これによって、SMC用樹脂組成物は、第1金型2および第2金型3に挟まれて流動する。
金型温度は、例えば、80℃以上、好ましくは、130℃以上、例えば、200℃以下、好ましくは、150℃以下である。
また、第2金型3の投影面積による成形圧力は、例えば、1MPa以上、好ましくは、5MPa以上、例えば、30MPa以下、好ましくは、15MPa以下である。
すると、図1Cに示すように、SMC用樹脂組成物の流動末端が、キャビティー2Aの側面とコア3Aの側面との間の間隔であるシャーエッジ部分4に到達する。
この状態でSMC用樹脂組成物が硬化することにより、所望の形状を有する成形品と、成形品の周縁から突出するバリとが一体に成形される。
その後、必要に応じて、バリを除去することにより、成形品が調製される。つまり、成形品は、SMC用樹脂組成物(繊維強化樹脂材料)の硬化物を含み、好ましくは、SMC用樹脂組成物(繊維強化樹脂材料)からなる。
3.作用効果
上記した硬化性樹脂組成物は、ビニルエステル樹脂と、DCPD系モノ(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリレートを含有するビニルモノマーとを含有する。そして、DCPD系モノ(メタ)アクリレートの含有割合が、DCPD系モノ(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの総和に対して、上記下限以上である。
そのため、加熱プレス成形において、硬化性樹脂組成物の流動末端に未反応のビニルモノマーが残存することを抑制でき、成形品の周縁から突出するバリがべたつくことを抑制できる。その結果、作業環境の汚染を抑制できるとともに、成形品の脱型性の向上を図ることができる。
また、DCPD系モノ(メタ)アクリレートの含有割合が、DCPD系モノ(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの総和に対して、上記上限以下であるので、成形品にクラックが発生することを抑制できる。
また、上記した硬化性樹脂組成物は、好ましくは、スチレン系モノマーを実質的に含有せず、スチレンフリーである。そのため、環境負荷の低減を図ることができる。
しかるに、繊維強化樹脂材料に利用できる熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂に加えて、不飽和ポリエステル樹脂も知られている。
そのため、上記した硬化性樹脂組成物において、ビニルエステル樹脂に代えて不飽和ポリエステル樹脂を使用することも検討されるが、不飽和ポリエステル樹脂は、スチレン系モノマーと容易に反応可能である一方、(メタ)アクリレート系モノマー(DCPD系モノ(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリレート)と容易に反応できない。
その結果、スチレンフリーの硬化性樹脂組成物において、不飽和ポリエステル樹脂を使用すると、不飽和ポリエステル樹脂が(メタ)アクリレート系モノマーと反応できず、成形品に要求される機械物性(例えば、曲げ強さや曲げ弾性率など)や低収縮性を十分に確保できない。
一方、上記した硬化性樹脂組成物では、ビニルエステル樹脂と、DCPD系モノ(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリレートを含有するビニルモノマーとを含有するので、ビニルエステル樹脂と、DCPD系モノ(メタ)アクリレートおよび/または多官能(メタ)アクリレートとを反応させることができる。その結果、硬化性樹脂組成物がスチレンフリーであっても、成形品に優れた機械物性および低収縮性を付与することができる。
以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。また、以下の記載において特に言及がない限り、「部」および「%」は質量基準である。
<ビニルエステル樹脂の調製>
合成例1
攪拌機、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器(フラスコ)に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185)1850質量部(10.0当量)、ビスフェノールA 219質量部(1.92当量)、触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロライド 0.4質量部を仕込み、窒素を吹き込みながら、150℃で5時間反応させて、エポキシ当量が256のエポキシ樹脂を得た。120℃まで冷却後、重合禁止剤としてハイドロキノン 2.0質量部、触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロライド 2.0質量部、メタクリル酸 712質量部(8.28当量)を添加し、空気を吹き込みながら110℃で8時間反応させ、酸価7.5mgKOH/gのビニルエステル樹脂(ビニルエステル樹脂の無変性体)を得た。
合成例2
合成例1と同様にして、ビニルエステル樹脂(ビニルエステル樹脂の無変性体)を得た後、無水マレイン酸 396質量部(4.04mol)を添加し、80℃で2時間反応させて、酸価79.7mgKOH/gのビニルエステル樹脂(酸変性体)を得た。
合成例3
合成例1と同様の反応容器に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量 185)1850質量部(10.0当量)、ビスフェノールA 477質量部(4.18当量)、触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロライド 0.4質量部を仕込み、窒素を吹き込みながら、150℃で5時間反応させて、エポキシ当量が400のエポキシ樹脂を得た。120℃まで冷却後、重合禁止剤としてハイドロキノン 2.0質量部、触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロライド 2.0質量部、メタクリル酸 513質量部(5.97当量)を添加し、空気を吹き込みながら110℃で8時間反応させてビニルエステル樹脂(ビニルエステル樹脂の無変性体)を得た。
次いで、ビニルエステル樹脂(ビニルエステル樹脂の無変性体)に、無水マレイン酸 285質量部(2.91mol)を添加して、80℃で2時間反応させて、酸価58.5mgKOH/gのビニルエステル樹脂(ビニルエステル樹脂の酸変性体)を得た。
<不飽和ポリエステル樹脂の調製>
合成例4
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器および攪拌機を備えたフラスコに、イソフタル酸1.0モル、プロピレングリコール10.5モルを仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら200℃~210℃で反応させた。その後、酸価が20mgKOH/gになった時点で、150℃まで冷却し、無水マレイン酸9.0モルを仕込み、再び210℃~220℃で反応させ、酸価25.6mgKOH/gの不飽和ポリエステル樹脂を得た。
<繊維強化樹脂材料の調製>
実施例1~実施例7、比較例8、比較例9、実施例10~実施例16
表1~3に示すように、各合成例のビニルエステル樹脂と、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートと、多官能メタクリレートと、他のモノメタクリレートと、低収縮化剤と、重合禁止剤と、重合開始剤と、湿潤分散剤と、分離防止剤と、内部剥離剤と、充填材とを、表1~3に示す処方で混合して、硬化性樹脂組成物を調製した。なお、実施例
14および16では、低収縮化剤および充填材を配合しなかった。硬化性樹脂組成物の粘度を表1~3に示す。
次いで、硬化性樹脂組成物に、表1~3に示す増粘剤を添加後、表1~3に示す強化繊維のロービングを連続的に1インチ(25mm)に切断したチョップドストランドを、公知のSMC含浸機により、表1~3に示す含有割合となるように添加して、厚さ2mmの繊維強化樹脂材料(SMC)を調製した。その後、繊維強化樹脂材料を、40℃で24時間熟成させた。
比較例1
表4に示すように、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物および繊維強化樹脂材料(SMC)を調製した。硬化性樹脂組成物の粘度を表4に示す。
比較例2
表4に示すように、多官能メタクリレートおよび他のモノメタクリレートを配合しなかった点、および、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートの配合割合を変更した点以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物および繊維強化樹脂材料(SMC)を調製した。硬化性樹脂組成物の粘度を表4に示す。
比較例3
表4に示すように、他のモノメタクリレートを配合しなかった点、および、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートおよび多官能メタクリレートの配合割合を変更した点以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物および繊維強化樹脂材料(SMC)を調製した。硬化性樹脂組成物の粘度を表4に示す。
比較例4
表4に示すように、他のモノメタクリレートを配合しなかった点、多官能メタクリレートをエチレングリコールジメタクリレートからトリメチロールプロパントリメタクリレートに変更した点、および、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートおよび多官能メタクリレートの配合割合を変更した点以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物および繊維強化樹脂材料(SMC)を調製した。硬化性樹脂組成物の粘度を表4に示す。
比較例5
表4に示すように、合成例2のビニルエステル樹脂を合成例4の不飽和ポリエステル樹脂に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、硬化性樹脂組成物および繊維強化樹脂材料(SMC)を調製した。硬化性樹脂組成物の粘度を表4に示す。
<評価>
(脱型性試験)
図1に示すSMC成形用油圧プレスを準備した。SMC成形用油圧プレスは、キャビティーを有する第1金型と、コアを有する第2金型とを備える。キャビティーは、300mm×300mmのサイズを有する。シャーエッジ部分(キャビティーの側面とコアの側面との間)の隙間は、100μmであり、コアは、その分、キャビティーよりも小さい。
次いで、各実施例および各比較例において得られた繊維強化樹脂材料(SMC)を、210mm×210mmに切断して、第1金型のキャビティーに、3枚積層して配置した。
次いで、コアがキャビティーに嵌るように、第2金型を第1金型に向かって移動させ、成形力882kN(投影面積による成形圧力10MPa)、金型温度140℃にて5分間、繊維強化樹脂材料を硬化させた。
このとき、繊維強化樹脂材料は、第1金型および第2金型に挟まれて流動し、繊維強化樹脂材料の流動末端がシャーエッジ部分に到達した。
これによって、300mm×300mm×厚さ約3mmのサイズを有する成形板と、成形板の周縁から突出するバリとが一体に成形された。
次いで、第2金型を成形体から脱型した。そして、成形体の脱型性を、下記の基準により評価した。その結果を表1~4に示す。
○:成形体が第1金型に残る、または、第2金型についても簡単に取れる。
×:成形体が第2金型につき、さらに簡単に取れず金型と成形体との間の部分に竹製や銅製のへらをいれないと取れない。
なお、比較例5の繊維強化樹脂材料を用いた成形では、脱型時に成形体が割れたため、成形体の脱型性を×として評価した。また、比較例5について、下記の成形収縮率、密度および曲げ強さは、測定できなかった。
(バリのベタツキ評価)
また、上記のように成形された成形体のバリのベタツキを、下記の基準により評価した。その結果を表1~4に示す。
○:第2金型に付着したバリがウェスや竹製のへらで簡単に取れる。
×:第2金型に付着したバリが粘着した状態で簡単に取れない。
(外観試験)
また、上記のように成形された成形板の表面外観を、目視により下記の基準により評価した。その結果を表1~4に示す。
○:成形板表面にクラックがなく、成形板に蛍光灯を映してもあまり歪まずに映る。
△:成形板表面に微小なクラックが発生、または蛍光灯が歪んで映る。
×:成形板表面にクラックが発生、かつ、蛍光灯が歪んで映る。
(成形収縮率)
上記のように成形した成形板を24時間25℃室に放置した後、成形板の縦横の寸法を測定した。また、25℃における第1金型のキャビティーの縦横の寸法を測定した。そして、下記式により、成形収縮率を算出した。
成形収縮率(%)=[キャビティー寸法(mm)-成形板寸法(mm)]/キャビティー寸法(mm)×100(キャビティー寸法、成型板寸法は各々縦横方向の平均値を用いる。また、各寸法は25℃での寸法である。)
そして、下記の基準により、繊維強化樹脂材料の成形収縮率を評価した。その結果を表1~5に示す。
○:収縮率が0.05%以下。
△:収縮率が0.05%を超過し、0.10%以下。
×:収縮率が0.10%を超過。
(密度)
成形収縮率の測定に用いた成形板を用いて、25℃の水を用いアルキメデス法により同成形板の密度を求めた。その結果を表1~4に示す。
(曲げ強さ)
成形収縮率の測定に用いた成形板より機械加工により幅15mm長さ80mmの矩形試験片を採取し同試験片を用いて、JIS K7017:1999に準拠しA法(3点曲げ)材料クラスIIに準拠し標準温度状態25℃において、曲げ強さを測定した。その結果を表1~4に示す。
Figure 0007249180000003
Figure 0007249180000004

Figure 0007249180000005
Figure 0007249180000006
なお、各表における各化合物の詳細を下記する。
ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート:商品名ファンクリルFA-512MT(日立化成社製)
エチレングリコールジメタクリレート:商品名ライトエステルEG(共栄社化学社製)
トリメチロールプロパントリメタクリレート:商品名ライトエステルTMP(共栄社化学社製)
イソブチルメタクリレート:商品名ライトエステルIB(共栄社化学社製)
ベンジルメタクリレート:商品名ライトエステルBZ(共栄社化学社製)
ポリメチルメタクリレート粉末:商品名ダイヤナール BR-75(三菱ケミカル社製)
スチレン-ブタジエン共重合体粉末:商品名アサプレンT-432(旭化成社製)
重合禁止剤:パラベンゾキノン
重合開始剤:t-Butyl peroxy isopropyl monocarbonate
湿潤分散剤:商品名BYK-W996 (BYK-Chemie GmbH社製)
分離防止剤:商品名BYK-W972 (BYK-Chemie GmbH社製)
内部離型剤:ステアリン酸亜鉛粉末
ガラス中空球:商品名グラスバブルズフィラー K-37(住友スリーエム社製、真密度0.37, 耐圧強度21MPa/カタログ値)
炭酸カルシウム:商品名NS#400(日東粉化工業社製、平均粒子径1.7μm/カタログ値)
MgO :商品名キョーワマグ#100(協和化学工業社製)
MDI :商品名コスモネートPH(三井化学社製)
ガラス繊維(1インチ):商品名ER59B 4800(CPICグラスファイバー社製)
炭素繊維(1インチ):商品名T700SC-12000(東レ社製)

Claims (3)

  1. ビニルエステル樹脂と、
    ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレート、および、多官能(メタ)アクリレートを含有するビニルモノマーとを含有し、
    前記ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートの含有割合は、前記ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートと前記多官能(メタ)アクリレートとの総和に対して、2質量%以上30質量%以下であり、
    前記多官能(メタ)アクリレートは、エチレングリコールジメタクリレートからなり、
    前記ビニルモノマーは、さらに、前記ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートと異なる他のモノ(メタ)アクリレートを含有し、
    前記他のモノ(メタ)アクリレートの含有割合は、前記ビニルモノマーに対して、3質量%以上であることを特徴とする、硬化性樹脂組成物。
  2. 前記他のモノ(メタ)アクリレートは、ベンジルメタクリレートを含むことを特徴とする、請求項に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物と、前記硬化性樹脂組成物が含浸される強化繊維とを含む繊維強化樹脂材料の硬化物を含むことを特徴とする、成形品。
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