JP7238271B2 - 電子装置、及び電子装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子装置に関する。
これまで回路基板を積層する技術において様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、ネガ型感光性樹脂組成物を乾燥してなる感光性絶縁層に対して、露光により現像液に不溶なパターンを形成し、現像処理によりパターン(開口部)を形成し、続いて、感光性絶縁層中の開口部を通じて、第2基板又は第2素子の導電性プラグを、第1基板の導電性プラグにソルダーボールを介して圧接接合し、その後、電気的接続及び感光性絶縁層の後硬化を行う、という積層工程が記載されている(特許文献1の段落0108、図5(c)、図8(c)等)。
特開2017-152602号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載の積層構造において、低温製造安定性の点で改善の余地があることが判明した。
本発明者はさらに検討したところ、層中に組成不連続面が形成された構造を有する有機絶縁層を、第1回路基板と第2回路基板との接着剤層とすることにより、これらを備える電子装置における低温製造安定性を高められることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
第1回路基板と、
第2回路基板と、
前記第1回路基板と前記第2回路基板とを電気的に接続する金属接合部と、
前記金属接合部を埋設するとともに、前記第1回路基板と前記第2回路基板とをこれらの間に介在して接着する有機絶縁層と、を備えており、
前記有機絶縁層中に組成不連続面が形成されている、電子装置が提供される。
本発明によれば、低温製造安定性に優れた電子装置が提供される。
本実施形態に係る電子装置の構成を模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る電子装置の製造工程の概要を示す工程断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
本実施形態の電子装置の概要を説明する。
図1は、本実施形態の電子装置100における接続構造を模式的に示す断面図である。
本実施形態の電子装置100は、第1回路基板102と、第2回路基板104と、第1回路基板102と第2回路基板104とを電気的に接続する金属接合部130と、金属接合部130を埋設するとともに、第1回路基板102と第2回路基板104とをこれらの間に介在して接着する有機絶縁層110と、を備えることができる。
本実施形態の電子装置100において、有機絶縁層110の層中に組成不連続面120が形成された構造を有することができる。すなわち、有機絶縁層110は、層厚方向における少なくとも一つの切断面において、層中に組成不連続領域を有することができる。これにより、低温製造安定性に優れた構造を実現できる。また、第1回路基板102と有機絶縁層110との界面や第2回路基板104と有機絶縁層110との界面における剥離、つまり基板界面剥離を抑制することができる。
本発明者が検討した結果、次のような知見が得られた。
まず、2つの回路基板の片側のみに接着剤層を形成し、これらを接合した場合、ボンディング温度が通常の高温条件であれば、十分な基板接着性が得られるが、ボンディング温度を通常よりも低い低温条件に設定したときでは、低温接着性が不十分となり、低温製造安定性が低下することが判明した。
これに対して、第1回路基板102と第2回路基板104との積層プロセス(ボンディング工程)において、それぞれの両面に接着剤層として樹脂膜(第1樹脂膜112、第2樹脂膜114)とを介在させて、これらの樹脂膜同士を接着させて、これらの間に組成不連続面120を形成させることにより、低温基板接着性を向上させることができることが見出された。
第1樹脂膜112と第2樹脂膜114との間に組成不連続面120を形成することにより、第1回路基板102と有機絶縁層110との界面や、第2回路基板104と有機絶縁層110との界面における基板界面剥離を抑制できることが分かった。
詳細なメカニズムは定かでないが、有機絶縁層110中に組成不連続面を形成し、架橋反応が促進されることにより、低温基板接着性を高められると考えられる。具体的には、現像後に加熱処理された膜表面にアルカリ現像液由来成分が存在し、その結果、感光性樹脂組成物中の成分(例えばエポキシ成分)が、当該アルカリにより活性化され、低温時においても反応が進行しやすくなるため、低温接着強度も向上すると考えられる。
本発明者の知見によれば、有機絶縁層110は、低温接着性の観点から、少なくとも一方または両方がBステージ状態(半硬化状態)の第1樹脂膜112および第2樹脂膜114が接合することにより形成されることが好ましい。
また、膜接合時において、2つの樹脂膜の接合界面を有機絶縁層110の層内における中心部近傍などに配置すること、接合した第1樹脂膜112および第2樹脂膜114を後硬化することにより、膜同士の密着性を向上させることができる、と考えられる。
本明細書では、このようにボンディング工程における膜同士を貼り付けるプロセスを「膜接合」と呼称する。
本実施形態において、樹脂膜(第1樹脂膜112、第2樹脂膜114)の少なくとも一方は、後述の感光性接着剤組成物からなる膜を用いることができる。
上記第1樹脂膜112および第2樹脂膜114において、両者とも、互いに同一また異なる感光性接着剤組成物からなる膜で構成されていてもよく、一方が感光性接着剤組成物からなる膜で構成され、かつ他方が他の樹脂膜で構成されていてもよい。
他方の樹脂膜としては、例えば、感光性接着剤組成物以外の他の樹脂材料として、通常のバッファーコート材料や再配線材料等を用いることができる。他の樹脂材料としては、例えば、たとえばフェノール樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、メタクリル酸樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等のアクリル系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体およびポリイミド前駆体等のアミド結合を有する前駆体、ならびに当該前駆体を脱水閉環して得られる樹脂、からなる群より選択される1種または2種以上を含むことができる。
上記樹脂膜は、膜均一性や薄膜化の観点から、界面活性剤を含有することができる。また、この樹脂膜がポジ型感光性接着剤組成物により構成される場合、現像後に、硬化処理とは異なる加熱処理を実施することにより、露光・現像後に当該樹脂膜中に残存する感光剤を除去(分解)することができ、それにより、密着性(とくに膜同士密着性)を高めることができる。加熱処理としては、硬化温度よりも低い低温加熱などが通常挙げられるが、好ましくは、約130℃前後の高温条件で40分前後の短時間の低温加熱処理が挙げられる。低温加熱処理に代えて全面露光を実施してもよい。また、ポジ型感光性接着剤組成物からなる樹脂膜に対して、現像処理時においてアルカリ系などの現像液が処理される。
詳細なメカニズムは定かでないが、樹脂膜中の界面活性剤が膜表面にブリードすることや、加熱処理により感光剤が分解されること、樹脂膜表面にアルカリ系の現像液が残存すること等により、樹脂膜の表面における組成分布の変化・成分偏析が生じたあと、これらを接合した接合面またはその近傍において組成不連続面120が形成される、と考えられる。また厚み方向における組成不連続領域において、樹脂膜の組成成分の偏りや不均一が生じていると考えられる。このとき、現像液中のアルカリ成分が塩基として作用し、硬化反応を促進できるため、低温条件下における樹脂膜の硬化性を高められると考えられる。
本実施形態の有機絶縁層110は、第1樹脂膜112と第2樹脂膜114との接合膜の硬化物で構成される。半硬化状態の樹脂膜と硬化状態の樹脂膜とが用いられてもよいが、半硬化状態の樹脂膜と半硬化状態の樹脂膜とを用いることが好ましい。有機絶縁層110中の組成不連続面120、または有機絶縁層110の層厚方向における少なくとも一つの切断面における組成不連続領域は、第1樹脂膜112と第2樹脂膜114との接合面に構成されるか、その接合面近傍に構成され得る。
有機絶縁層110は、厚膜時のみならず、薄膜時でも優れた密着性を実現できる。薄膜時の有機絶縁層110の厚みは、たとえば、10μm以下であり、8μm以下とすることができる。また、薄膜時の樹脂膜(第1樹脂膜112、第2樹脂膜114)のそれぞれの厚みの上限値は、たとえば、5μm以下でもよく、3μm以下でもよく、1μm以下でもよい。これらの厚みの下限値は、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上としてもよい。有機絶縁層110や樹脂膜において、界面活性剤を有することにより薄膜化が可能である。有機絶縁層110の薄膜化により基板界面剥離が顕在化するものの、本実施形態の樹脂膜を使用した膜接合により、このような基板界面剥離を抑制できる。また、電子装置100の低背化を実現できる。
本実施形態の電子装置100において、第1回路基板102は、第1半導体チップまたは第1半導体ウェハであり、第2回路基板104は、第2半導体チップまたは第2半導体ウェハから選択し得る。すなわち、電子装置100は、COW(Chip On Wafer)、COC(Chip On Chip)、WOW(Wafer On Wafer)などの回路基板の積層プロセス(ボンディング工程)で得られたものである。
上記積層プロセスにおいて、Bステージ状態(半硬化状態)の樹脂膜同士は、低温条件で接着させることが可能である。低温条件としては、たとえば、170℃程度のボンディング温度を採用することができる。これにより、熱履歴によるダメージを抑制できる。
また、Bステージ状態(半硬化状態)とCステージ状態(硬化状態)の樹脂膜同士は、前述の低温条件よりも高温の高温条件で接着させることが可能である。高温条件としては、260℃程度のボンディング温度を採用することができる。
第1回路基板102および第2回路基板104のそれぞれの基板材料の主成分がシリコンである場合、膜同士密着性を向上させることが有効である。
また、電子装置100は、第1回路基板102と第2回路基板104とを電気的に接続する金属接合部130を備えることができる。この金属接合部130は、有機絶縁層110中に埋設される。すなわち、金属接合部130の側面周囲は有機絶縁層110で覆われ、隣接した金属接合部130の間隙は有機絶縁層110で埋設され得る。
金属接合部130の高さをHとしたとき、上記組成不連続面120は、金属接合部130の一端131から、たとえば、1/10H以上9/10H以下、好ましくは2/10H以上8/10H以下、より好ましくは3/10H以上7/10H以下、さらに好ましくは4/10H以上6/10H以下の位置に存在し得る。このような有機絶縁層110の層内中央部近傍に組成不連続面120を配置することで、基板界面剥離を一層抑制できる。本実施形態の電子装置100は、少なくとも1つの断面において上記構成を満たすことが好ましい。
有機絶縁層110は、ノルボルネン骨格を有するため、低誘電率の有機絶縁層を実現することができる。これにより、微細配線構造において隣接した金属接合部130におけるクロストークを抑制できるため、接続信頼性に優れた電子装置100を実現できる。
金属接合部130において、幅(W)/高さ(H)の上限値は、例えば25以下、好ましくは20以下、より好ましくは15以下である。これにより、電子装置100における配線緻密化が可能である。上記幅(W)/高さ(H)の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.5以上でもよく、1以上でもよく、2以上でもよい。
本実施形態の電子装置100は、少なくとも1つの断面において上記構成を満たすことが好ましい。金属接合部130の幅Wは、当該断面において最大値の幅を意味する。
金属接合部130は、各種の形状を有することができるが、一例として、テーパー形状を有し得る。このときの金属接合部130のテーパー角度(θ)は、たとえば、90度より小さく70度以上であり、好ましくは75度以上89度以下であり、さらに好ましくは80度以上88度以下である。テーパー角度(θ)を70度以上とすることにより、隣接した金属接合部130の間でのショートを抑制できる。テーパー角度(θ)を90度未満とすることで、メッキ処理などによる金属接合部130の製造安定性を高められる。本実施形態の電子装置100は、少なくとも1つの断面において上記構成を満たすことが好ましい。
有機絶縁層110の、円筒空胴共振器法で測定した、25℃、周波数1GHzにおける比誘電率の上限値は、たとえば、3.3以下であり、好ましくは3.2以下であり、より好ましくは3.1以下である。これにより、微細配線構造において隣接した金属接合部におけるクロストークを抑制できる。なお、上記比誘電率の下限値は、特に限定されないが、例えば1.5以上でもよく、2.0以上でもよい。
有機絶縁層110は、感光性接着剤組成物の硬化物で構成され得る。上記の比誘電率の測定には、上記感光性接着剤組成物を窒素雰囲気下、200℃、90分の条件で硬化した硬化物(試験サンプル)を使用できる。
上記感光性接着剤組成物は、主成分として、ノルボルネン骨格を有する共重合体を含むことが好ましい。この共重合体は、架橋剤との架橋反応又は/及び自己重合反応が可能な官能基を有し得る。このため有機絶縁層110は、架橋剤由来の3次元架橋構造を有することが可能である。これにより、基板密着性とともに、膜同士密着性を高めることが可能である。
第1回路基板102と第2回路基板104との接続手段は公知の方法を採用することができる。金属接合部130と金属層132とは直接接合してもよいが、ハンダなどの低温溶融可能な金属や金属合金を介して接合してもよい。金属接合部130や金属層132は、例えば、銅、金、銀、ニッケル等の金属材料を用いて構成され得る。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。金属接合部130の先端にマイクロバンプが形成されていてもよい。金属層132は、例えば、金属パットで構成され得る。
金属接合部130の一例は、信号速度の観点から、銅製とすることができる。この金属接合部130は、銅メッキまたは銅ピラーで構成され得る。第1樹脂膜112および第2樹脂膜114の一方が硬化状態とすることで、膜形成時において、メッキ処理により金属接合部130を形成することが可能である。
有機絶縁層110の形成に用いる感光性接着剤組成物は、カルボニル基を有する成分、好ましくはカルボニル基を有する共重合体を含むことが好ましい。詳細なメカニズムは定かでないが、共重合体中のカルボニル基が、金属接合部130中の銅と配位結合し、有機絶縁層110と金属接合部130との密着性を高められる、と考えられる。このカルボニル基は、共重合体中の、上記の官能基由来でもよく、無水マレイン酸の酸無水環が開環したエステル化合物由来でもよい。
本実施形態の電子装置100は、公知の半導体パッケージ中に、上記の第1回路基板102、第2回路基板104、金属接合部130および有機絶縁層110で構成される接続構造が実装された構造を備えることができる。この接続構造は、パッケージオンパッケージ構造中の少なくとも一つの半導体パッケージ中に実装され得る。この半導体パッケージは、ファンイン型構造、ファンアウト型構造のいずれで構成されていてもよい。半導体パッケージがシステムオンチップ(SOC)で構成されていてもよい。各半導体パッケージの接続構造は、半田バンプ、貫通電極、パッド、再配線層などの公知の手段を用いることが可能である。
本実施形態の電子装置100は、「電気・電子機器」に適用できる。「電気・電子機器」とは、半導体チップ、半導体素子、プリント配線基板、電気回路、テレビ受像機やモニター等のディスプレイ装置、情報通信端末、発光ダイオード、物理電池、化学電池など、電子工学の技術を応用した素子、デバイス、最終製品、その他電気に関係する機器一般のことをいう。
本実施形態の電子装置を得る方法は、特に限定されない。
例えば、以下の工程:
回路基板上に感光性接着剤組成物を供する工程(工程1)、
感光性接着剤組成物を加熱乾燥して感光性樹脂膜を得る工程(工程2)、
感光性樹脂膜を活性光線で露光する工程(工程3)、
露光された感光性樹脂膜を現像して、パターニングされた樹脂膜を得る工程(工程4)、および、
パターニングされた樹脂膜を介して第1回路基板および第2回路基板を積層する工程(工程5)
その樹脂膜を加熱して、硬化膜を得る工程(工程6)、
により、本実施形態の感光性接着剤組成物の硬化膜(有機絶縁層)を備える構造体(電子装置)を得ることができる。
必要に応じて、ダイシングなどの公知のプロセスを採用できる。
工程1において、基板は特に限定されず、例えばシリコンウエハ、セラミック基板、アルミ基板、SiCウエハ、GaNウエハなどが挙げられる。基板は、未加工の基板以外に、例えば半導体素子または表示体素子が表面に形成された基板も含む。また、プリント配線基板等であってもよい。接着性の向上のため、基板表面をシランカップリング剤などの接着助剤で処理しておいてもよい。基板上に感光性接着剤組成物を供する方法については、スピンコート、噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング、インクジェット法などにより行うことができる。この中でも、塗布膜の薄膜化を実現する観点から、スピンコートが好ましい。
工程2において、加熱乾燥の温度は、通常80~140℃、好ましくは90~120℃である。また、加熱乾燥の時間は、通常30~600秒、好ましくは30~300秒程度である。この加熱乾燥で溶剤を除去することにより、感光性樹脂膜を形成する。加熱は、典型的にはホットプレートやオーブン等で行う。この感光性樹脂膜の厚さとしては、例えば1~500μm程度が好ましい。
工程3において、露光用の活性光線としては、例えばX線、電子線、紫外線、可視光線などが使用できる。波長でいうと200~500nmの活性光線が好ましい。パターンの解像度と取り扱い性の点で、光源は水銀ランプのg線、h線又はi線であることが好ましい。また、2つ以上の光線を混合して用いてもよい。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション又はステッパーが好ましい。
露光後、現像前に、感光性樹脂膜を再度加熱(露光後加熱処理)してもよい。その露光後加熱処理の温度・時間は、例えば80~200℃、10~300秒程度が通常である。
工程4においては、適当な現像液を用いて、例えば浸漬法、パドル法、回転スプレー法などの方法を用いて現像を行うことができる。これにより、パターニングされた樹脂膜を得ることができる。
使用可能な現像液は特に限定されないが、本実施形態においては、アルカリ水溶液であることが好ましい。具体的には、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニアなどの無機アルカリ水溶液、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩の水溶液などが挙げられる。現像液には、例えばメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や、界面活性剤などが添加されていてもよい。
現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が好ましい。この水溶液におけるテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの濃度は、好ましくは0.5~10質量%であり、更に好ましくは1~5質量%である。
現像工程の後、リンス液による現像液の洗浄を実施しなくてもよいが、必要に応じて、リンス液により洗浄を行い、現像液を除去してもよい。リンス液としては、例えば蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
図2は、電子装置100の製造工程の工程断面図の一例を示す。
現像工程の後、上記の加熱処理を実施してもよい。また、第1回路基板102の開口部140に金属層132を露出させ、第2回路基板104の開口部142に金属接合部130を形成する。金属接合部130の形成前に第2樹脂膜114を熱硬化させてCステージ状態としてもよい。これにより、金属接合部130の形成安定性を高めることができる。
工程5において、図2(a)、(b)に示すように、パターニングされた第1樹脂膜112および第2樹脂膜114を介して、第1回路基板102および第2回路基板104を積層(ボンディング)し、金属接合部130と金属層132とを電気的に接続する。このとき、第1樹脂膜112および第2樹脂膜114のいずれか一方はBステージ状態である。
工程5において、COW、COC、WOWなどの積層プロセスを用いることができる。第1回路基板102をダイシングしてなる半導チップを、ウェハ状の第2回路基板104に積層してもよく、第1回路基板102をダイシングしてなる第1半導チップを、第2回路基板104をダイシングしてなる第2半導体チップ上に積層してもよい。
工程6において、積層後の樹脂膜を加熱することにより、硬化膜を得ることができる。この加熱温度は、本実施形態においては150~300℃が好ましく、170~230℃がより好ましい。この温度範囲とすることで、架橋反応の速度と、膜全体での均一な硬化とを両立できる。加熱時間は特に限定されないが、例えば15~300分の範囲内である。この加熱処理は、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンなどにより行うことが出来る。加熱処理を行う際の雰囲気気体としては、空気であっても、窒素、アルゴンなどの不活性ガスであってもよい。また、減圧下で加熱してもよい。
以下、本実施形態の感光性接着剤組成物の各成分について詳述する。
本実施形態の感光性接着剤組成物は、ノルボルネン系モノマー由来の構造単位Aと無水マレイン酸、マレイミドまたはこれらの誘導体由来の構造単位Bと有する共重合体を含むことができる。共重合体が構造単位Aを有するため、有機絶縁層(硬化膜)における低誘電性を実現できる。また、共重合体が、構造単位Bを有するため、加工性を向上させることができる。
上記の共重合体は、分子中にカルボン酸などの酸性基を有することができる。これにより、アルカリ現像液中のアルカリ成分と酸性基が塩を形成し、現像液由来の成分を樹脂膜の表面近傍に残存させることができると推察される。
上記共重合体は、架橋剤と架橋反応する官能基を有することができる。
架橋剤が環状エーテル基を有する場合、その官能基としては、架橋剤中の環状エーテル基と架橋反応する官能基を有することができる。このような共重合体と架橋剤との架橋構造により、密着性、機械特性を向上させることができる。
上記共重合体中の官能基は、構造単位Aおよび構造単位Bの少なくとも一方が有していればよく、いずれも有していてもよい。
上記ノルボルネン系モノマー由来の構造単位Aは、下記の式(2)で表される構造単位を含むことができる。構造単位Aは、この構造単位を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。構造単位Aは、ノルボルネン系モノマー由来のノルボルネン骨格を有するため、感光性接着剤組成物の硬化物において誘電率を低減し、低誘電性を実現することが可能である。
Figure 0007238271000001
上記式(2)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、水酸基または炭素数1~30の有機基であり、好ましくは炭素数1~10の有機基である。これらの有機基はカルボキシル基、グリシジル基、オキセタニル基等の官能基を有していてもよい。
また、式(2)中、nは、例えば、0、1または2であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
本明細書中、「~」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す。
~Rを構成する有機基は、その構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでいてもよい。
本実施形態において、R~Rを構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられる。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばトリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
さらに、R~Rを構成するアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基は、1以上の水素原子が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。なかでもアルキル基の1以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されたハロアルキル基が好ましい。R~Rの少なくともいずれか1つをハロアルキル基とすることで、共重合体を使用して硬化膜を構成した際、この硬化膜の誘電率を低下させることができる。また、ハロアルキルアルコール基とすることで、アルカリ現像液に対する溶解性を適度に調整できるだけでなく、耐熱変色性を向上させることができる。
なお、ポリマーを含んで構成される膜の光透過性を高める観点からは、R~Rのいずれかが水素であることが好ましく、たとえば、式(2)の構造単位を採用する場合にあっては、R~Rすべてが水素であることが好ましい。
ノルボルネン骨格を有するモノマーとして、具体的には、例えば、2-ノルボルネン;5-メチル-2-ノルボルネン、5,5-ジメチル-2-ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-ブチル-2-ノルボルネンなどのアルキル基(C1~C10アルキル基)を有するノルボルネン類;5-エチリデン-2-ノルボルネンなどのアルケニル基を有するノルボルネン類;5-メトキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-メチル-5-メトキシカルボニル-2-ノルボルネンなどのアルコキシカルボニル基を有するノルボルネン類;5-シアノ-2-ノルボルネンなどのシアノ基を有するノルボルネン類;5-フェニル-2-ノルボルネン、5-フェニル-5-メチル-2-ノルボルネンなどのアリール基を有するノルボルネン類;オクタリン;6-エチル-オクタヒドロナフタレンなどのアルキル基を有するオクタリンなどが例示できる。
これらのノルボルネン系モノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの二環式オレフィンのうち、ノルボルネンやアルキル基(メチル基、エチル基などのC1~C10アルキル基)を有するノルボルネンなどのノルボルネン類が好ましい。
上記無水マレイン酸、マレイミドまたはこれらの誘導体由来の構造単位Bは、無水マレイン酸または無水マレイン酸誘導体(無水マレイン酸系モノマー)に由来する構造単位を含むことができる。
上記無水マレイン酸または無水マレイン酸誘導体としては、たとえば、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、ジメチル無水マレイン酸またはこれらの誘導体が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。このように共重合体は、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物に由来する構造単位を備えることができる。
上記無水マレイン酸または無水マレイン酸誘導体に由来する構造単位は、下記の式(1)で示される構造単位を含ことができる。
Figure 0007238271000002
上記式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1~3の有機基であることが好ましく、それぞれ独立して水素又は炭素数1の有機基であることがより好ましく、Rが水素かつRが水素又は炭素数1の有機基であることが更に好ましく、RとRが水素であることが一層好ましい。
本実施形態において、上記式(1)中、R及びRを構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられる。また、アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n-プロピル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばシクロプロピル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
前記共重合体は、下記の式(1)で示される構造単位A中の酸無水環が開環したエステル化合物由来の構造単位を有することができ、好ましくは、無水マレイン酸の酸無水環が開環したエステル化合物由来の構造単位Cを有することができる。
上記構造単位Cは、たとえば、下記式(B2)により示される構造単位を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 0007238271000003
一般式(B2)中のRB1は、水素または炭素数1~30の有機基を含むものである。このRB1は、エステル結合、アミド結合、ケトン結合、ウレア結合、ウレタン結合等で結合基を介して結合する有機基であってもよい。
上記一般式(B2)中のRB1を構成する有機基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、アルコキシ基およびヘテロ環基が挙げられる。
上記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、例えばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、例えばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、例えばトリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、例えばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、例えばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、例えばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、イソブトキシ基及びt-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基が挙げられる。ヘテロ環基としては、例えばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
上記一般式(B2)中のRB1としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、及び、アルキニル基からなる群より選択される1種以上であることが好ましく、アルキル基またはアルケニル基であることが好ましい。これにより、RB1中の結合が開裂することを抑制できる。したがって、共重合体の耐熱性を向上できる。
上記一般式(B2)中、RB1としては、例えば、エステル結合を介して結合する、水素原子及び炭素原子からなる群より選択される1種以上の原子によって形成される脂肪族基であることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましい。
上記無水マレイン酸、マレイミドまたはこれらの誘導体由来の構造単位Bは、マレイミドまたはマレイミド誘導体由来の構造単位を含むことができる。これにより、加工性、耐熱性を高めることができる。
上記マレイミドまたはマレイミド誘導体由来の構造単位は、下記式(8)で表されるマレイミド系モノマーに由来する構造単位を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 0007238271000004
12は、水素原子またはC1~C30の有機基である。R12を構成するC1~C30の有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、もしくはシクロアルキル基等の炭化水素基が挙げられる。アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、およびナフチル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。なお、Rに含まれる一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
また上記共重合体は、上述の構造単位A~構造単位Cに加えて、その他のエチレン性二重結合を有する化合物に由来する構造単位Dを含んでいてもよい。その他のエチレン性二重結合を有する化合物としては、例えば、スチレン、ヒドロキシスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン等の炭素数2~20のα-オレフィン;1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン等の非共役ジエン;アクリル酸、メタクリル酸、α-エチルアクリル酸、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸等のアクリル酸類;マレイン酸、ジメチルマレイン酸、ジエチルマレイン酸、ジブチルマレイン酸等のマレイン酸類などが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
本実施形態の感光性接着剤組成物において、上記共重合体の含有量は、当該感光性接着剤組成物の不揮発成分100質量%に対して、20質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上70質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以上60質量%以下である。このような数値範囲とすることにより、密着性と加工性とのバランスを図ることが可能である。
本実施形態において、感光性接着剤組成物の不揮発成分とは、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。感光性接着剤組成物の不揮発成分全体に対する含有量とは、溶媒を含む場合には、感光性接着剤組成物のうちの溶媒を除く不揮発成分全体に対する含有量を指す。
本実施形態の感光性接着剤組成物は、架橋剤を含むことができる。架橋剤は、上記共重合体と架橋反応できるものであれば、特に限定されない。これにより密着性を高めることができる。
上記架橋剤は、環状エーテル基を有する化合物を含むことができる。
環状エーテル基を有する化合物を含むことにより、露光現像後の後硬化における密着性を向上させることができる。詳細なメカニズムは定かでないが、第1回路基板と第2回路基板とのボンディング工程の前まで、感光性接着剤組成物からなる樹脂膜の硬化反応を抑制できるため、後硬化において硬化反応を十分進めることが可能となり、後硬化時における高い密着性を実現できる、と考えられる。
上記環状エーテル基を有する化合物は、たとえば、エポキシ樹脂またはオキセタン化合物を含むことができる。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂は、モノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。エポキシ樹脂としては、たとえば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族多官能エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。エポキシ樹脂は、単独で用いても複数組み合わせて用いてもよい。
また、エポキシ樹脂としては、3官能以上の多官能エポキシ樹脂(つまり、1分子中にエポキシ基が3個以上あるもの)を含むことができる。多官能エポキシ樹脂としては、3官能以上20官能以下のものがより好ましい。
多官能エポキシ樹脂としては、例えば、2-[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]-2-[4-[1,1-ビス[4-([2,3-エポキシプロポキシ]フェニル)エチル]フェニル]プロパン、フェノールノボラック型エポキシ、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、α-2,3-エポキシプロポキシフェニル-ω-ヒドロポリ(n=1~7){2-(2,3-エポキシプロポキシ)ベンジリデン-2,3-エポキシプロポキシフェニレン}、1-クロロ-2,3-エポキシプロパン・ホルムアルデヒド・2,7-ナフタレンジオール重縮合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂などが用いられる。これらは単独で用いても複数組み合わせて用いても良い。
オキセタン化合物は、オキセタニル基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、たとえば1,4-ビス{[(3-エチルー3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ビス[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル、4,4’-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、4,4’-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ビフェニル、エチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)ジフェノエート、トリメチロールプロパントリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ポリ[[3-[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]プロピル]シラセスキオキサン]誘導体、オキセタニルシリケート、フェノールノボラック型オキセタン、1,3-ビス[(3-エチルオキセタンー3-イル)メトキシ]ベンゼン等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記架橋剤の含有量の下限値は、感光性接着剤組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、10質量%以上であり、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上である。これにより、感光性接着剤組成物の硬化物において、耐熱性や機械的強度を向上させることができる。一方、架橋剤の含有量の上限値は、感光性接着剤組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、50質量%以下であり、好ましくは45質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下である。これにより、感光性接着剤組成物において、パターニング性を向上させることができる。
本実施形態の感光性接着剤組成物は、硬化剤として、フェノール樹脂を含むことができる。このフェノール樹脂は、モノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。フェノール樹脂を含むことにより、相溶性、加工性を向上できる。詳細なメカニズムは定かでないが、ワニス状の感光性接着剤組成物中において、共重合体と感光剤との相溶性を高めることができる、と考えられる。また、感光剤としてジアゾキノン化合物を用いた場合、これとフェノール化合物がアゾカップリング反応することができるため、現像時の膜減りを低減したり、解像度を向上させることができる。
上記フェノール樹脂は、分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する多官能フェノール樹脂を含むことが好ましい。
上記フェノール樹脂として、下記のフェノール樹脂や低分子のフェノール化合物を用いることができる。このフェノール樹脂としては、公知のもののなかから適宜選択することができるが、たとえばノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、トリスフェニルメタン型フェノール樹脂、アリールアルキレン型フェノール樹脂を用いることができる。良好な現像特性の観点から、ノボラック型フェノール樹脂を用いることができる。低分子のフェノール化合物としては、ビフェノール、4-エチルレソルシノール、2-プロピルレソルシノール、4-ブチルレソルシノール、4-ヘキシルレソルシノール、2-ヒドロキシ安息香酸、3-ヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’-ジヒドロキシジフェニルジスルフィド、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビフェノール、4,4’-(1,3-ジメチルブチリデン)ジフェノール、4,4’-(2-エチルヘキシリデン)ジフェノール、4,4’-エチリデンビスフェノール、2,2’-エチレンジオキシジフェノール、3,3’-エチレンジオキシジフェノール、1,5-ビス(o-ヒドロキシフェノキシ)-3-オキサペンタン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フロログルシド、α、α、α’-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1-エチル-4-イソプロピルベンゼン等を挙げることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記フェノール樹脂の含有量は、感光性接着剤組成物中の共重合体全体の含有量を100質量部とした時に、例えば、1質量部以上30質量部以下であり、好ましくは3質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上15質量部以下である。上記の範囲内で配合することで硬化物の耐熱性や強度が向上する。
上記感光剤は、たとえばジアゾキノン化合物、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩もしくはスルホニウム・ボレート塩などのオニウム塩、2-ニトロベンジルエステル化合物、N-イミノスルホネート化合物、イミドスルホネート化合物、2,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン化合物、またはジヒドロピリジン化合物を用いることができる。この中でも、感度や溶剤溶解性に優れるジアゾキノン化合物を用いることがとくに好ましい。
本実施形態の感光性接着剤組成物における感光剤の含有量は、特に限定されるものではないが、上記共重合体100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、8質量部以上であることがより好ましい。また、感光性接着剤組成物における感光剤の含有量は、上記共重合体100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、40質量部以下であることがより好ましい。感光剤の含有量が上記範囲内であることで良好なパターニング性能を発揮することができる。
本実施形態の感光性接着剤組成物は、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤を含むことにより、均一な樹脂膜を得ることができ、薄膜塗布性を高められる。また、現像時の残渣やパターン浮き上がり防止が期待できる。
上記界面活性剤は、たとえば、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、アルキル系界面活性剤、およびアクリル系界面活性剤等が挙げられる。
上記界面活性剤は、フッ素原子およびケイ素原子の少なくともいずれかを含む界面活性剤を含むことが好ましい。これにより、均一な樹脂膜を得られること(塗布性の向上)や、現像性の向上に加え、接着強度の向上にも寄与する。
界面活性剤としてより具体的には、フッ素原子およびケイ素原子の少なくともいずれかを含むノニオン系界面活性剤であることが好ましい。界面活性剤として使用可能な市販品としては、例えば、DIC株式会社製の「メガファック」シリーズの、F-251、F-253、F-281、F-430、F-477、F-551、F-552、F-553、F-554、F-555、F-556、F-557、F-558、F-559、F-560、F-561、F-562、F-563、F-565、F-568、F-569、F-570、F-572、F-574、F-575、F-576、R-40、R-40-LM、R-41、R-94等の、フッ素を含有するオリゴマー構造の界面活性剤、株式会社ネオス製のフタージェント250、フタージェント251等のフッ素含有ノニオン系界面活性剤、ワッカー・ケミー社製のSILFOAM(登録商標)シリーズ(例えばSD 100 TS、SD 670、SD 850、SD 860、SD 882)等のシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
フッ素原子およびケイ素原子の少なくともいずれかを含むノニオン系界面活性剤により、接着強度の向上が図れる理由については明らかではないが、推定される原因として、たとえば(i)膜表面が平滑になる結果、硬化膜を加熱押圧して接着する際の接着面積が増すこと、(ii)界面活性剤が樹脂膜(硬化膜)の表面に偏在することで、硬化膜の表面が熱で部分的に融解しやすくなること、等が考えられる。
界面活性剤の含有量は、感光性接着剤組成物の不揮発性成分の全量を基準として、通常0.001~1質量%、好ましくは0.003~0.5質量%、より好ましくは0.005~0.3質量%、さらに好ましくは0.008~0.1質量%、特に好ましくは0.01~0.08質量%である。この範囲とすることで、上述の接着強度の向上の効果をより一層得ることが期待できる。
本実施形態の感光性接着剤組成物は、密着助剤を含むことができる。
これにより、基板に対する接着力の一層の向上を図ることができる。詳細なメカニズムは不明であるが、密着助剤の密着性基(密着能を奏する官能基)は、加熱に対しても比較的安定であり、180~250℃での硬化後も一定量の密着助剤が硬化膜中に残存する結果、その残存した密着助剤が接着力の向上に寄与すると考えられる。
上記密着助剤としては、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィド、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、アミノ基を有するケイ素化合物と酸二無水物または酸無水物とを反応させることにより得られるケイ素化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記密着助剤の含有量は、感光性接着剤組成物の不揮発性成分の全量を基準として、通常0.01~20質量%、好ましくは0.1~10質量%である。この範囲とすることで、上述の接着強度の向上の効果をより一層得ることが期待できる。
本実施形態の感光性接着剤組成物は、溶剤を含むことができる。
上記溶剤としては、感光性接着剤組成物の各成分を溶解可能なもので、且つ、各構成成分と化学反応しないものであれば特に制限なく用いることができる。このような有機溶剤の一例としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール1-モノメチルエーテル2-アセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、プロピレンカーボネート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γブチロラクトン、酢酸ブチル、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル-1,3-ブチレングリコールアセテート、1,3-ブチレングリコール-3-モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル及びメチル-3-メトキシプロピオネート等の有機溶剤が挙げられる。有機溶剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤は、感光性接着剤組成物中の非揮発成分全量の濃度が、1~50質量%であり、好ましくは5~40質量%となるように用いられることが好ましい。この範囲とすることで、各成分を十分に溶解させることができ、また、良好な薄膜塗布性を担保することができる。
本実施形態の感光性接着剤組成物には、上記の成分に加えて、必要に応じて、その他の添加剤を含むことができる。その他の添加剤としては、酸化防止剤、シリカ等の充填材、増感剤、フィルム化剤、密着助剤等が挙げられる。
感光性接着剤樹脂組成物の調製方法は特に限定されず、一般的に公知の方法により製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用可能である。本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
<感光性接着剤組成物の調製>
下記の表1に従い配合された各成分の原料をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させて、不揮発成分が33質量%の混合溶液を得た。その後、混合溶液を0.2μmのナイロンフィルターで濾過し、試験例1~3の感光性接着剤組成物(ポジ型の感光性接着剤組成物)を得た。
・ポリマー(A)
(A-1):下記式で表される共重合体1(上記合成例1で合成した環状オレフィンポリマー)
<合成例1:環状オレフィンポリマーの合成>
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸122.4g(1.25mol)、2-ノルボルネン117.6g(1.25mol)およびジメチル2、2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート11.5g(0.05mol)を計量し、メチルエチルケトン150.8gおよびトルエン77.7gに溶解させた。この溶解液に対して、10分間窒素を通気して酸素を除去し、その後、撹拌しつつ60℃で16時間、加熱した(重合工程)。
その後、この溶解液に、MEK320gを加えた後、水酸化ナトリウム12.5g(0.31mol)、ブタノール463.1g(6.25mol)、トルエン480gの懸濁液に加え、無水マレイン酸由来の環状の構造体の繰り返し単位のうち、50%以上の繰り返し単位が閉環した状態となるように、45℃で3時間混合した。そして、この混合液を40℃まで冷却し、ギ酸88重量%水溶液、49.0g(0.94mol)で処理してプロトン付加した(開環工程)。
その後、MEKおよび水を加え、水層を分離することで、無機残留物を除去した。次いで、メタノール、ヘキサンを加え有機層を分離することで未反応モノマーを除去した。さらにプロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセタート(PGMEA)を添加し、系内のメタノール及びブタノールを残留量1%未満となるまで減圧留去した。これにより重量平均分子量Mwが13,700である、下記式により示される繰り返し単位を有する環状オレフィン系樹脂(共重合体1)のPGMEA溶液を得た。
Figure 0007238271000005
・感光剤(B)
(B-1):下記式で表されるジアゾキノン化合物(GPA-250、ダイトーケミックス社製)
Figure 0007238271000006
・架橋剤(C)
(C-1):下記式で表されるエポキシ樹脂(EXA-830CRP、ダイソー株式会社製)
(C-2):下記式で表されるエポキシ樹脂(TECHMORE VG3101L、プリンテック株式会社製)
(C-3):下記式で表されるエポキシ樹脂(セロキサイド2021P、株式会社ダイセル製)
Figure 0007238271000007
・フェノール樹脂(D)
(D-1):下記式で表されるフェノール化合物(TrisP-PA、本州化学株式会社製)
(D-2):下記式で表されるフェノール化合物(TekP-4HBPA、本州化学株式会社製)
(D-3):下記式で表されるフェノール樹脂(PR-55959、住友ベークライト株式会社製)
Figure 0007238271000008
・密着助剤(E)
(E-1):シランカップリング剤(KBM-403E、信越化学株式会社製)
・界面活性剤(F)
(F-1):フッ素原子含有ノニオン系界面活性剤(メガファック R41、DIC株式会社製、親油性基含有オリゴマー)
Figure 0007238271000009
<比誘電率の測定>
調製された感光性接着剤組成物を、それぞれ、8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した。塗布後、ホットプレートにて110℃で3分間プリベークし、膜厚約10μmの塗膜を得た。この塗膜を、窒素雰囲気下、酸素濃度を1000ppm以下に保ちながら、200℃、90分の条件で硬化し、硬化膜(サンプル)を得た。得られたサンプルについて、円筒空胴共振器法を用いて、25℃、周波数1GHzにおける比誘電率を測定した。測定結果を表1に示す。
上記試験例1~3の感光性接着剤組成物を用いて基板接着構造体を作製し、得られた基板接着構造体について、以下のような評価項目に基づいて評価を実施した。
(実施例1)
<ボンディング後接着評価用塗膜の作製>
試験例1の感光性接着剤組成物を、それぞれ、8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した。塗布後、ホットプレートにて110℃で3分間プリベークし、膜厚約3.5μmの塗膜を得た。得られた塗膜を、現像液として2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(現像液)を用いて30秒間×2回パドル現像を行った。次に、この塗膜を130℃で40分間加熱し、ボンディング後接着評価用塗膜を得た。
<ボンディング後接着評価A用サンプル作製(塗膜/塗膜)>
上記<ボンディング後接着評価用塗膜の作製>で得られた塗膜付きウェハを、ダイシングソーを用いて切り出し、5mm×5mm角の正方形の評価用基板(上チップ)と、10mm×10mm角の正方形の評価用基板(下チップ)を作製した。
次に、フリップチップボンダー(NM-SB50A(パナソニック株式会社)を用いて、塗膜面と塗膜面が接触するように、下記の接着条件1、2のそれぞれで、下チップに上チップをボンディングし、接着済みサンプル(基板接着構造体)を得た。その後、酸素濃度を1000ppm以下に保ちながら、200℃、90分の条件で硬化し、2つのボンディング後接着評価A用サンプルを得た。
・接着条件
条件1:温度170℃、時間10秒、圧力25Nの条件
条件2:温度220℃、時間10秒、圧力25Nの条件
(実施例2)
試験例1の感光性接着剤組成物を、試験例2の感光性接着剤組成物に変更した以外は、実施例1と同様にして、2つのボンディング後接着評価A用サンプルを得た。
(実施例3)
試験例1の感光性接着剤組成物を、試験例3の感光性接着剤組成物に変更した以外は、実施例1と同様にして、2つのボンディング後接着評価A用サンプルを得た。
(実施例4)
評価用基板の上チップの塗膜の膜厚を8μmとし、評価用基板の下チップ側の塗膜を2μmとした以外は、実施例1と同様にして、2つのボンディング後接着評価A用サンプルを得た。
(実施例5)
評価用基板の下チップ側の塗膜(Bステージ状態の感光性接着剤組成物からなる樹脂膜)を、膜厚3.5μmのポリイミド硬化膜に変更した以外は、実施例1と同様にして、2つのボンディング後接着評価A用サンプルを得た。
(比較例1)
<ボンディング後接着評価B用サンプル作製(塗膜/窒化膜付き基板)>
上記ボンディング後接着評価A用サンプルの下チップを窒化膜付きシリコンウエハに変更した以外は、実施例1に記載の上記<ボンディング後接着評価A用サンプル作製>と同様にして、2つのボンディング後接着評価B用サンプルを得た。
<面分析>
・分析方法
得られたボンディング後接着評価A用サンプル、ボンディング後接着評価B用サンプルについて、上チップ側のウェハを平面研磨して、硬化後の塗膜(接着材層)を露出させ、サイカス加工により、当該塗膜に対して傾斜面を作製し、傾斜面サンプルを得た。得られた傾斜面サンプルにおけるサイカス加工面に対して、顕微鏡観察およびTOF-SIMS面分析を行った。
・分析結果
TOF-SIMS面分析の結果、実施例1~4のそれぞれの2つのボンディング後接着評価A用サンプルにおいて、上チップ側の塗膜および下チップ側の塗膜の界面近傍に、現像液由来の組成不連続領域が検出された。
また、実施例5の2つのボンディング後接着評価A用サンプルにおいて、上チップ側の塗膜の界面近傍に、現像液由来の組成不連続領域が検出された。
一方、比較例1の2つのボンディング後接着評価B用サンプルにおいて、上チップと下チップとの間の塗膜に組成不連続領域が検出されなかった。
<製造安定性>
220℃の高温での基板接着評価の結果、実施例1~5および比較例1のいずれも実用上問題ない範囲内の接着強度であった。
一方、170℃における低温での基板密着評価の結果、実施例1~5は、比較例1よりも、低温接着強度に優れており、また、低温生産歩留まりや低温接着時間にも優れたものであることが判明した。なお、実施例1~4は、実施例5と比べて、220℃および170℃の条件1,2のいずれにおいても接着強度が高いことが分かった。
以上より、実施例1~5は、比較例1よりも低温接着性に優れており、低温製造安定性に優れた構造を有する電子装置を実現できることが分かった。
100 電子装置
102 第1回路基板
104 第2回路基板
110 有機絶縁層
112 第1樹脂膜
114 第2樹脂膜
120 組成不連続面
122 面
124 面
130 金属接合部
131 一端
132 金属層
140 開口部
142 開口部

Claims (13)

  1. 第1回路基板と、
    第2回路基板と、
    前記第1回路基板と前記第2回路基板とを電気的に接続する金属接合部と、
    前記金属接合部を埋設するとともに、前記第1回路基板と前記第2回路基板とをこれらの間に介在して接着する有機絶縁層と、を備えており、
    前記有機絶縁層中に組成不連続面が形成されており、
    前記有機絶縁層は、第1有機絶縁層と第2有機絶縁層を含み、
    前記第1有機絶縁層と前記第2有機絶縁層の少なくとも一方は、感光性接着剤組成物の硬化物で構成され、
    前記感光性接着剤組成物は、アルカリ現像液由来成分環状エーテル基を有する化合物、およびノルボルネン系モノマー由来の構造単位Aと無水マレイン酸、マレイミドまたはこれらの誘導体由来の構造単位Bとを有する共重合体を含み、
    前記組成不連続面は、前記第1有機絶縁層と前記第2有機絶縁層との接合界面に構成される、電子装置。
  2. 請求項に記載の電子装置であって、
    前記有機絶縁層の厚みは、10μm以下である、電子装置。
  3. 請求項1または2に記載の電子装置であって、
    前記組成不連続面は、前記金属接合部の高さをHとしたとき、前記金属接合部の一端から1/10H以上9/10H以下の位置に存在する、電子装置。
  4. 請求項に記載の電子装置であって、
    前記金属接続部の幅をWとしたとき、W/Hが0.5以上25以下である、電子装置。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の電子装置であって、
    前記有機絶縁層の、円筒空胴共振器法で測定した周波数1GHzにおける比誘電率は、3.3以下である、電子装置。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の電子装置であって、
    前記金属接合部が銅製である、電子装置。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の電子装置であって、
    前記金属接合部が銅ピラーを有する、電子装置。
  8. 請求項1からのいずれか1項に記載の電子装置であって、
    前記金属接続部のテーパー角度が、90度より小さく70度以上である、電子装置。
  9. 請求項1からのいずれか1項に記載の電子装置であって、
    前記第1回路基板は、第1半導体チップまたは第1半導体ウェハであり、
    前記第2回路基板は、第2半導体チップまたは第2半導体ウェハである、電子装置。
  10. 請求項1からのいずれか1項に記載の電子装置であって、
    前記有機絶縁層は、ノルボルネン骨格を有する、電子装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の電子装置であって、
    前記有機絶縁層は、エポキシ樹脂由来の3次元架橋構造を有する、電子装置。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の電子装置であって、
    前記有機絶縁層は、界面活性剤を有する、電子装置。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の電子装置を製造するための製造方法であって、
    アルカリ現像液により現像された感光性樹脂膜を介して前記第1回路基板および前記第2回路基板を積層する工程を含む、電子装置の製造方法。
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