JP2012162673A - アンダーフィル用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリイミド回路基板において好適に使用できるポリイミド系のアンダーフィル材であり、高周波領域において発生しやすいノイズを抑制し、消費電力を抑えることができる、低誘電性アンダーフィル用樹脂組成物およびその硬化膜を提供する。
【解決手段】ポリイミドまたはその前駆体であるポリアミド酸(A)と、平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン粒子(B)、溶媒(C)とを混合して得られるアンダーフィル用樹脂組成物であって、前記樹脂組成物を加熱乾燥して得られる硬化膜は、ポリイミドの連続相と、前記ポリオレフィン粒子(B)から得られる分散相とを有し、硬化膜の比誘電率は、前記ポリイミドの比誘電率よりも低いアンダーフィル用樹脂組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器等に搭載される半導体装置において、高周波領域で発生するノイズを抑制し消費電力を抑えることができる、低誘電性アンダーフィル用樹脂組成物およびその硬化膜に関するものである。特に、半導体チップを搭載した回路基板がポリイミド基板である場合におけるアンダーフィル工程に適用して好適なものである。
携帯電話やモバイルなどの電子機器は軽量小型化が要求されており、従来のピングリッドアレイなどの実装方式から裸の半導体を直に回路基板に実装する方式が開発されている。斯る方式の内、フェイスダウン方式による半導体のベアーチップ実装においては、ベアーチップと基板との間に空隙が生じ、その空隙を非導電性材料で充填する必要がある。
この非導電性材料は、アンダーフィル材(封止材)と呼ばれ、エポキシ系のアンダーフィル材が開発されている。
しかし、回路の狭ピッチ化に伴い、回路基板とエポキシ系アンダーフィル材との密着性及び該アンダーフィル材の硬化後のクラック発生が問題となっている。
特に、回路基板がポリイミド基板の場合には、上記エポキシ系アンダーフィル材はポリイミドフィルムとの濡れ性が悪いため、半導体チップとポリイミド基板との間の狭い空隙に、上記エポキシ系アンダーフィル材を、気泡を発生させることなく充分に充填することが難しく、また硬化後にクラックが発生し絶縁膜として機能しないため、新たなアンダーフィル材の開発が求められていた。
これら問題を改善するため、特定のポリイミドシロキサン成分を特定量含有するポリイミド樹脂をアンダーフィル材に用いることが提案されている(特許文献1)。
このアンダーフィル材は、ポリイミドフィルムとの濡れ性が良好で半導体チップとポリイミド基板との狭い間隙に容易に充填でき、ポリイミド基板及び半導体チップとの密着性も良好で且つ硬化後にクラックが発生せず、しかも得られた硬化膜が優れた電気的特性と半田耐熱性を併有し、バンプ間の金属のマイグレーションの発生を防止できると共に半導体接点を補強し得る。
ところで近年の電子機器の高速化により、アンダーフィル材を含む半導体封止材料に新たな対応が求められている。
つまり電子機器の高速化に伴う、半導体装置が扱う周波数の高周波化への対応である。
半導体装置が扱う周波数は年々上昇しており、例えば情報処理分野ではCPUの扱う動作周波数が既に1GHzを越え、更に年々上昇している。
情報通信分野では、携帯電話や無線LAN等で既に2.4GHz、5GHz、更に数10GHz等での高周波を利用した通信が実施されようとしており、そこに組み込まれる半導体装置には高周波対応が求められている。
高周波対応のICには、パッケージとしてインダクタンスの低いBGAが用いられている。しかしBGA用の封止材には誘電率が高い樹脂が用いられており、ノイズが増大する、或いは携帯電話においては消費電力が上がるため可動時間が短い等の問題が出ている。そのため、特許文献1のような、ポリイミド基板との密着性が良好で、且つ高周波対応ICに使用可能なアンダーフィル材の開発が求められている。
特開2000−154250号公報
本発明は、ポリイミド回路基板において好適に使用できるポリイミド系のアンダーフィル材であり、高周波領域において発生するノイズを抑制し消費電力を抑えることができる、低誘電性アンダーフィル用樹脂組成物およびその硬化膜を提供する。
本発明者らは、ポリイミドの連続相と、ポリオレフィン粒子の分散相とを含む硬化膜が、アンダーフィル用として好適であることを見出して本発明を完成した。すなわち本発明の要旨は、以下にある:
[1] ポリイミドまたはその前駆体であるポリアミド酸(A)と、平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン粒子(B)、溶媒(C)とを混合して得られるアンダーフィル用樹脂組成物であって、前記樹脂組成物を加熱乾燥して得られる硬化膜は、ポリイミドの連続相と、前記ポリオレフィン粒子(B)から得られる分散相とを有し、アンダーフィル用樹脂組成物。
前記硬化膜の比誘電率は、前記ポリイミドまたはその前駆体であるポリアミド酸の比誘電率よりも、低いことが好ましい。
[2] 回路基板と該基板上に搭載された半導体チップとの間の空隙に、[1]記載のアンダーフィル用樹脂組成物を充填した後、加熱乾燥して硬化させることにより形成されてなるアンダーフィル用樹脂組成物の硬化膜。
[3] 前記アンダーフィル用樹脂組成物から得られる硬化膜の周波数1MHzにおける、比誘電率が3.3以下である、[1]のいずれかに記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
[4] 前記ポリオレフィン粒子(B)が、エチレン、プロピレン、1−ブテンおよび4−メチル−1−ペンテンからなる群より選ばれる少なくとも1種類のモノマーから導かれる構成単位を含む重合体である、[1]、[3]のいずれかに記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
[5] 前記ポリオレフィン粒子(B)が、極性基を有する、[1]、[3]、[4]のいずれかに記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
[6] 前記極性基が、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、イミド基、エーテル基、ウレタン基、尿素基、リン酸基、スルホン酸基およびカルボン酸無水物基からなる群より選ばれる少なくとも1種類の官能基である[5]に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
[7] 前記ポリオレフィン粒子(B)が、コロナ処理、プラズマ処理、電子線照射またはUVオゾン処理が施されている、[1]、[3]〜[6]のいずれかに記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
[8] 100重量部の前記ポリイミドまたはポリアミド酸に対して、5重量部以上200重量部以下の前記ポリオレフィン粒子(B)が含まれる、[1]、[3]〜[7]のいずれかに記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
[9] 前記樹脂組成物は、難燃剤をさらに含む、[1]、[3]〜[8]のいずれかに記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
本発明はまた、以下の硬化膜に関する:
[10] ポリイミドまたはその前駆体であるポリアミド酸(A)と、平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン粒子(B)、溶媒(C)とを混合して得られる樹脂組成物を、加熱乾燥して得られるアンダーフィル用硬化膜。
前記硬化膜の、周波数1MHzにおける比誘電率は、3.3以下であることが好ましい。
本発明の硬化膜において、ポリオレフィンの分散相が、ポリイミドの連続相に均一に分散していることを示す図である
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、ポリイミドまたはその前駆体であるポリアミド酸(A)と、ポリオレフィン粒子(B)、溶媒(C)とを混合して得られる。
ポリイミドまたはその前駆体であるポリアミド酸(A)について
ポリイミドは、一般式(1)で表される構成単位を有する。mは1以上の整数である。
一般式(1)で表される構成単位を有するポリイミドは、下記一般式(2)で表される構成単位を含むポリアミド酸を、加熱してイミド化することにより得られる。一般式(2)におけるA、Bおよびmは、前述の一般式(1)におけるA、Bおよびmとそれぞれ同様である。
前記ポリアミド酸は、例えば下記一般式(2A)で表されるジアミンと、下記一般式(2B)で表されるテトラカルボン酸二無水物とを重縮合反応させて得られる。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンの仕込み比を、M1:M2=0.900〜0.999:1.00(M1:テトラカルボン酸二無水物のモル数、M2:ジアミンのモル数)を満たすようにすることが好ましい。M1:M2は、0.92〜0.995:1.00であることが好ましく、0.95〜0.995:1.00であることがより好ましく、0.97〜0.995:1.00であることがさらに好ましい。ポリアミド酸をアミン末端にするためである。
一般式(1)、(2)におけるAは、下記式で表される2価の基から選ばれる。下記式におけるX〜Xは、それぞれ単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−または−NHCO−である。複数のAに含まれるX〜Xは、相互に同一であっても異なっていてもよい。下記式におけるR、R、RおよびRは、相互に同一であっても異なってもよく、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
一般式(1)、(2)におけるAは、芳香族ジアミンから誘導される2価の基でありうる。芳香族ジアミンの例には、m-フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、3,4'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、3,3'-ジアミノベンゾフェノン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、3,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4'-ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4'-ジアミノジフェニルスルホキシド、1,3-ビス(3-アミノフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェニル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノベンジル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノ-4-フェノキシベンゾイル)ベンゼン、3,3'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2-ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔3-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−エチル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−1−メチルフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−2−メチルフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−3−メチルフルオレンおよび9,9−ビス(4−アミノフェニル)−4−メチルフルオレンなどが含まれる。これらは、単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
一般式(1)、(2)におけるAには、前記芳香族ジアミン化合物から誘導される2価の基以外の、他の脂肪族ジアミンから誘導される2価の基が含まれてもよい。
他の脂肪族ジアミンの例には、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3-ビス(4-アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス(3-アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アミノメチル)エーテル、1,2-ビス(アミノメトキシ)エタン、ビス[(2-アミノメトキシ)エチル]エーテル、1,2-ビス[(2-アミノメトキシ)エトキシ]エタン、ビス(2-アミノエチル)エーテル、1,2-ビス(2-アミノエトキシ)エタン、ビス[2-(2-アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エタン、ビス(3-アミノプロピル)エーテル、エチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノメチルシクロヘキサン、1,3-ジアミノメチルシクロヘキサン、1,2-ジアミノメチルシクロヘキサン、1,2-ジ(2-アミノエチル)シクロヘキサン、1,3-ジ(2-アミノエチル)シクロヘキサン、1,4-ジ(2-アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,6-ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,5-ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンなどが含まれる。これらは、単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
一般式(1)、(2)におけるAには、シリコーンジアミンは、好ましくは式(2)で表されるシリコーンジアミンを用いても良い。
式(2)において、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜5の2価の脂肪族基
または炭素数6以上の2価の芳香族基を表す。炭素数1〜5の2価の脂肪族基の例には、炭素数1〜5のアルキレン基等が含まれ、炭素数6以上の2価の芳香族基の例には、フェニレン基、ナフチレン基およびアントラセニレン基等が含まれる。
およびRは、それぞれ独立に炭素数1〜5の1価の脂肪族基または炭素数6以上の1価の芳香族基を表す。RおよびRの炭素数1〜5の1価の脂肪族基または炭素数6以上の1価の芳香族基は、RおよびRの2価の脂肪族基または炭素数6以上の2価の芳香族基のそれぞれを1価にしたものであってよい。
式(2)において、mは、1以上の整数を、好ましくは1〜8の整数を表す。環状シロ
キサンの揮発を抑制する点では、mが1であることが好ましい。
式(2)で表されるジアミンの例には、α,ω−ビスアミノポリジメチルシロキサン、
α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミ
ノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3-ビス(3-アミノプロピル)-1,1,3,3-
テトラメチルジシロキサン、ビス(10-アミノデカメチレン)テトラメチルジシロキサ
ン、ビス(3-アミノフェノキシメチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3
−アミノプロピル)ポリメチルフェニルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル
)ポリ(ジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン)コポリマー等が含まれる。
一般式(1)、(2)におけるBは、下記式で表される4価の基から選ばれる。下記式におけるY〜Yは、それぞれ単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−または−NHCO−である。複数のBに含まれるY〜Yは、相互に同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)、(2)におけるBは、芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導される4価の基でありうる。芳香族テトラカルボン酸二無水物の例には、ピロメリット酸二無水物、メロファン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2-ビス〔(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物などが含まれ、好ましくはピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物である。これらは、単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
一般式(1)、(2)におけるBには、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導される4価の基以外の、他のテトラカルボン酸二無水物から誘導される4価の基が含まれてもよい。
他のテトラカルボン酸二無水物の例には、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が含まれる。これらの他のテトラカルボン酸二無水物の芳香環上の水素原子の一部または全てを、フルオロ基またはトリフルオロメチル基で置換したテトラカルボン酸二無水物を用いてもよい。これらは、単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリイミドの重量平均分子量は5.0×10〜5.0×10であることが好ましい。重量平均分子量が5.0×10未満であると、硬化膜の凝集力が弱くなり、耐溶剤性等の硬化膜物性が低下することがあり;重量平均分子量が5.0×10を超えると、回路基板と該基板上に搭載された半導体チップとの間の空隙への注入が困難となる。ポリイミドの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定されうる。
ポリオレフィン粒子(B)
ポリオレフィン粒子(B)は、誘電率や誘電正接が低いことから、 ポリイミドまたはその前駆体であるポリアミド酸(A)に添加することで、硬化膜の誘電率を低くすることができる。このようなポリオレフィン粒子(B)は、炭素数2〜20の炭化水素から選ばれるモノマーを含む単独重合体または共重合体からなる。炭素数2〜20の炭化水素のうち、炭素数2〜10の炭化水素が好ましい。
炭素数2〜20の炭化水素の例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−エイコセン等が含まれ、好ましくはエチレン、プロピレン、1−ブテンおよび4−メチル−1−ペンテン等である。これらは単独で用いても、二種類以上組み合わせて用いてもよい。
ポリオレフィンの重量平均分子量は、5.0×10〜1.0×10であることが好ましい。重量平均分子量が5.0×10未満であると、耐熱性が著しく低下し、分解しやすくなる。重量平均分子量が1.0×10を超えると、溶媒に対する溶解性が悪く、粒子径を微小化しにくい。ポリオレフィンの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定されうる。
ポリオレフィンの周波数1MHzにおける比誘電率は3.0以下であることが好ましい。比誘電率3.0を超えると、硬化膜の比誘電率を低下させる効果が得られにくいからである。ポリオレフィンの周波数1MHzにおける誘電正接は0.005以下であることが好ましい。
原料として添加されるポリオレフィン粒子(B)の平均粒径は、できるだけ小さいことが好ましく、100μm以下、好ましくは0.001〜50μm、より好ましくは0.01〜20μmである。ポリオレフィン粒子(B)の平均粒径を、上記範囲にすることで、ポリイミド等の ポリイミドまたはその前駆体であるポリアミド酸(A)への分散性を高めることができる。
ポリオレフィン粒子(B)は、公知の方法で得ることができる。例えば、ポリオレフィンを粉砕してポリオレフィン微粒子を得る方法;形状が制御された微粒子状の固形状オレフィン重合触媒を用いて、直接オレフィンモノマーを重合反応させてポリオレフィン微粒子を得る方法;乳化法により調製されたポリオレフィン微粒子の水性分散体を乾燥して、ポリオレフィン微粒子を得る方法などが挙げられる。
ポリオレフィンの水性分散体の製造方法の例には、ポリオレフィン、水および乳化剤を一括して混合して乳化させるドラム乳化法;予め粉砕しておいたポリオレフィンを乳化剤とともに水に投入して分散させる粉砕法;有機溶剤に溶解させたポリオレフィン、乳化剤、および水を混合した後、有機溶剤を除去する溶媒置換法;ポリオレフィン、水および乳化剤をホモミキサーにより乳化させるホモミキサー法や転相法などが含まれる。
ポリイミドまたはその前駆体であるポリアミド酸(A)の多くは極性を有するため、非極性のポリオレフィン粒子を、 ポリイミドまたはポリアミド酸に均一に分散させにくい。ポリオレフィン粒子(B)を ポリイミドまたはポリアミド酸に均一に分散させることができないと、硬化膜の誘電特性にバラツキが生じやすい。
極性基は、例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、イミド基、エーテル基、ウレタン基、尿素基、リン酸基、スルホン酸基およびカルボン酸無水物基等であり、好ましくは水酸基、カルボキシル基およびカルボン酸無水物基などである。このような極性基を有するポリオレフィン粒子(B)は、 ポリイミドまたはその前駆体であるポリアミド酸(A)に対する分散性が高い。
極性基の含有量は、1.0×10−5〜1.0×10mol/kgであることが好ましく、1.0×10−3〜1.0×10mol/kgであることがより好ましい。この極性基の含有量は、ポリオレフィン粒子の重量(kg)に対する極性基のモル数(モル数)である。極性基の含有量は、ポリオレフィン粒子をグラフト変性する際の、極性基含有化合物の配合量を調整したり、2種類以上のポリオレフィンを含む場合における、極性基を持たないポリオレフィンと、極性基を有するポリオレフィンとの配合比、または極性基が多いポリオレフィンと、極性基が少ないポリオレフィンとの配合比を調整したりすることにより調整できる。
極性基を有するポリオレフィンは、ポリオレフィンを、極性基含有化合物でグラフト変性する方法等により得ることができる。
ポリオレフィンのグラフト変性は、ポリオレフィンと、極性基含有化合物の混合物を、ラジカル重合開始剤の存在下または不存在下で(混練押出機等により)溶融状態で反応させる方法;ポリオレフィンと、極性基含有化合物とを良溶媒に溶解させて、ラジカル重合開始剤の存在下で反応させる方法等により行われる。
極性基含有化合物は、分子内に少なくとも炭素−炭素不飽和結合(例えば、炭素−炭素二重結合)と、極性基とを有する化合物であればよい。極性基含有化合物の例には、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和エポキシ化合物、不飽和アルコール、不飽和アミン、不飽和イソシアン酸エステル等が含まれる。
不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、およびビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン酸等が含まれる。不飽和カルボン酸の誘導体の例には、これらの酸無水物、酸ハライド、アミド、イミドおよびエステル等の誘導体が含まれる。これらの具体例には、塩化マレニル、マレニルイミド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン酸無水物;
マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン酸ジメチル;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシ−プロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタンモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2-(6-ヒドロキシヘキサノイルオキシ)エチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;
グリシジル(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸アミノエチルおよび(メタ)アクリル酸アミノプロピル等が含まれる。これらのうち、好ましくは(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリル酸アミノプロピルである。
不飽和エポキシ化合物の例には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート;
マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、エンド-シス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸(ナジック酸TM)、エンド-シス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-メチル-2,3-ジカルボン酸(メチルナジック酸TM)、およびアリルコハク酸等のジカルボン酸の、モノアルキルグリシジルエステルおよびジグリシジルエステル(モノアルキルグリシジルエステルに含まれるアルキル基の炭素数は1〜12である);ブテントリカルボン酸等のトリカルボン酸のモノアルキルグリシジルエステルおよびジグリシジルエステル(モノアルキルグリシジルエステルに含まれるアルキル基の炭素数は1〜12である);
p-スチレンカルボン酸のアルキルグリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル、2-メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン-p-グリシジルエーテル、3,4-エポキシ-1-ブテン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ブテン、3,4-エポキシ-1-ペンテン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ペンテン、5,6-エポキシ-1-ヘキセンおよびビニルシクロヘキセンモノオキシド等が含まれる。
不飽和アルコールの例には、10-ウンデセン-1-オール、1-オクテン-3-オール、2-メタノールノルボルネン、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、N-メチロールアクリルアミド、2-(メタ)アクロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、アリロキシエタノール、2-ブテン-1,4-ジオール、グリセリンモノアルコールなどが含まれる。
不飽和アミンの例には、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチルおよびメタクリル酸シクロヘキシルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル系誘導体類;
N-ビニルジエチルアミンおよびN-アセチルビニルアミンなどのビニルアミン系誘導体類;
アリルアミン、メタクリルアミン、N-メチルアクリルアミン、N,N-ジメチルアクリルアミドおよびN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のアリルアミン系誘導体;
アクリルアミドおよびN-メチルアクリルアミド等のアクリルアミド系誘導体;
p-アミノスチレン等のアミノスチレン類;
6-アミノヘキシルコハク酸イミドおよび2-アミノエチルコハク酸イミド等が含まれる。
極性基を有するポリオレフィンの例には、特開2001−348413号公報等に示される方法により得られる、極性基を有するオレフィン系ブロック共重合体が含まれる。前記極性基を有するオレフィン系ブロック共重合体は、1)末端に13族元素が結合したポリオレフィンを準備するステップ、2)該ポリオレフィンの存在下で、環状モノマーを開環重合反応させる等の連鎖重合反応を行うステップ、必要に応じて3)環状モノマーの連鎖重合反応で得られたセグメントの末端を極性基に変換するか、または末端に極性基を導入するステップ、を経て製造されうる。
1)における、末端に13族元素が結合したポリオレフィンは、例えば13属元素を含む有機金属触媒の存在下で、オレフィンモノマーを重合させて得ることができる。13属元素を含む有機金属触媒は、有機アルミニウムや、有機ホウ素化合物などでありうる。
2)における、環状モノマーの例には、ラクトン、ラクタム、2-オキサゾリンおよび環状エーテル等が含まれる。3)における極性基の例には、前述の極性基が含まれる。
極性基を有するオレフィン系ブロック共重合体は、下記式(3)で表されうる。
PO−f−R−(X)−h …(3)
式(3)におけるfは、13族元素が結合したポリオレフィンにおける、13族元素とfとをつなぐリンカーの残基である。fは、エーテル結合、エステル結合、アミド結合などでありうる。式(3)におけるRは、環状モノマーの連鎖重合反応で得られたセグメントである。hは、前述の極性基を示し;(X)は、セグメントRと極性基hとをつなぐリンカーである。リンカーを構成するXは、特に限定されないが、エステル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、尿素結合、シリルエーテル結合、カルボニル結合などを含む。
極性基を有するポリオレフィン粒子(B)は、前述の他にも、ポリオレフィン粒子を、ドライプロセスで表面親水化処理することによっても得られる。表面親水化処理は、極性基を付与できる表面処理であればよく、例えばコロナ処理、プラズマ処理、電子線照射およびUVオゾン処理等がある。
樹脂組成物における、ポリオレフィン粒子(B)の含有量は、100重量部のポリイミドまたはその前駆体であるポリアミド酸(A)に対して、5重量部〜200重量部であることが好ましく、10〜150重量部であることがより好ましい。ポリオレフィン粒子(B)の含有量が上記範囲よりも少ないと、硬化膜の誘電率を低下させる効果が得られにくく、上記範囲よりも多いと、硬化膜の耐熱性が低下しやすいからである。
溶媒(C)
溶媒(C)は、特に制限されないが、非プロトン性極性溶媒であることが好ましく、非プロトン性アミド系溶媒であることがより好ましい。非プロトン性アミド系溶媒の例には、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、および1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどが含まれる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、二種類以上組み合わせてもよい。
これらの溶媒以外にも、必要に応じて他の溶媒がさらに含まれてもよい。他の溶媒の例には、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、o-クロロトルエン、m-クロロトルエン、p-クロロトルエン、o-ブロモトルエン、m-ブロモトルエン、p-ブロモトルエン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、メシチレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコールおよびn−ブタノール等が含まれる。
その他の成分について
アンダーフィル用樹脂組成物には、耐熱性や放熱性等を高めるなどの観点で、必要に応じて、無機フィラー等が含まれてもよい。無機フィラーの例には、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイトおよび硫化モリブデン等が含まれ、好ましくはシリカである。無機フィラーの平均粒径は、好ましくは0.1〜60μmであり、より好ましくは0.5〜30μmである。
前記樹脂組成物には、必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化安定剤、および耐光安定剤等の各種添加剤が含まれてもよい。
前記樹脂組成物は、必要に応じてエポキシ系のアンダーフィル材等、他の種類のアンダーフィル材と組み合わせて使用してもよい。
ポリオレフィン粒子から得られる相を有する硬化膜は、ポリオレフィン粒子を含まない硬化膜と比べて難燃性が低下することがある。そのため、前記樹脂組成物は、難燃性をさらに含むことが好ましい。
難燃剤の例には、有機ハロゲン系難燃剤;有機ハロゲン系難燃剤と、酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛および酸化鉄からなる群より選ばれる1種以上との組み合わせ;有機リン系難燃剤;有機リン系難燃剤とシリコーン化合物との組み合わせ;赤燐等の無機燐、オルガノポリシロキサンおよび有機金属化合物の組み合わせ;ヒンダードアミン系難燃剤;水酸化マグネシウム、アルミナ、硼酸カルシウムおよび低融点ガラス等の無機系難燃剤等が含まれる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機ハロゲン系難燃剤の例には、ハロゲン化ビスフェノール化合物、ハロゲン化エポキシ化合物、およびハロゲン化トリアジン化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種類の化合物が含まれる。中でも、樹脂の難燃性を効果的に高める点で、有機ハロゲン系難燃剤に含まれるハロゲン原子は、臭素および塩素の少なくとも一方であることが好ましい。
このようなハロゲン化ビスフェノール化合物の例には、テトラブロモビスフェノールA、ジブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、ジクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールF、ジブロモビスフェノールF、テトラクロロビスフェノールF、ジクロロビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールS、ジブロモビスフェノールS、テトラクロロビスフェノールSおよびジクロロビスフェノールS等が含まれる。
有機リン系難燃剤は、ホスフェート化合物、ホスフィン化合物、ホスフィン酸塩化合物、ホスフィンオキシド化合物およびホスファゼン化合物からなる群のうち一以上であることが好ましい。
ホスフェート化合物の例には、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシリルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシリルジフェニルホスフェート、トリルジキシリルホスフェート、トリス(ノリルフェニル)ホスフェートおよび(2−エチルヘキシル)ジフェニルホスフェート等のリン酸エステル;
レゾルシノールジフェニルホスフェートおよびハイドロキノンジフェニルホスフェート等の水酸基含有リン酸エステル;
レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノール−Aビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノール−Sビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジキシリルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジキシリルホスフェート)、ビスフェノール−Aビス(ジトリルホスフェート)、ビフェノール−Aビス(ジキシリルホスフェート)およびビスフェノール−Sビス(ジキシリルホスフェート)等の縮合リン酸エステル化合物等が含まれる。
ホスフィン化合物の例には、トリラウリルホスフィン、トリフェニルホスフィンおよびトリトリルホスフィン等が含まれる。
ホスフィン酸塩化合物は、下記一般式(4)で表される。
式(4)中、AおよびBは、それぞれ独立して、直鎖状もしくは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基を示す。Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、NaおよびKからなる群より選択される少なくとも一種の金属原子を示す。mは、1〜4の整数を示す。
ホスフィン酸塩化合物の具体例としては、ジエチルホスフィン酸アルミニウム塩、ジエチルホスフィン酸マグネシウム塩等が挙げられる。
ホスフィンオキシド化合物の例には、トリフェニルホスフィンオキシドおよびトリトリルホスフィンオキシド等が含まれる。
ホスファゼン化合物の例には、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン、モノフェノキシペンタキス(4−シアノフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ジフェノキシテトラキス(4−シアノフェノキシ)シクロトリホスファゼン、トリフェノキシトリス(4−シアノフェノキシ)シクロトリホスファゼン、テトラフェノキシビス(4−シアノフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ペンタフェノキシ(4−シアノフェノキシ)シクロトリホスファゼン、モノフェノキシペンタキス(4−メトキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ジフェノキシテトラキス(4−メトキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、トリフェノキシトリス(4−メトキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、テトラフェノキシビス(4−メトキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ペンタフェノキシ(4−メトキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、モノフェノキシペンタキス(4−メチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ジフェノキシテトラキス(4−メチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、トリフェノキシトリス(4−メチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、テトラフェノキシビス(4−メチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ペンタフェノキシ(4−メチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、トリフェノキシトリス(4−エチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、トリフェノキシトリス(4−プロピルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、モノフェノキシペンタキス(4−シアノフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ジフェノキシテトラキス(4−ヒドロキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、トリフェノキシトリス(4−ヒドロキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、テトラフェノキシビス(4−ヒドロキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ペンタフェノキシ(4−ヒドロキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、トリフェノキシトリス(4−フェニルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、トリフェノキシトリス(4−メタクリルフェノキシ)シクロトリホスファゼンおよびトリフェノキシトリス(4−アクリルフェノキシ)シクロトリホスファゼン等が含まれる。
熱安定剤や酸化安定剤の例には、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製のイルガノックスやイルガフォス等が含まれる。耐光安定剤の例には、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製のTINUVINやCHIMASSORB等が含まれる。
高周波領域で発生するノイズを抑制し消費電力を抑えるためには、アンダーフィル用樹脂組成物から得られる硬化膜は、誘電率(または比誘電率)が低いこと、あるいは誘電正接が低いことが求められる。なお比誘電率とは、媒体の誘電率εの、真空の誘電率εに対する比である。前記硬化膜は、低誘電率のポリオレフィン粒子を含むため、誘電率および誘電正接が低い。前記硬化膜の周波数1MHzにおける比誘電率は、3.3以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましい。
前記硬化膜の周波数1MHzにおける誘電正接は、0.01以下であることが好ましく、0.008以下であることがより好ましい。誘電正接が0.01を超えるとノイズが増加することがある。
前記硬化膜の比誘電率および誘電正接の測定は、以下の手順で行えばよい。
1)前記樹脂組成物から得られるフィルム(厚さ30μm)を用意する。このフィルムの両面に導電ペーストを塗布・乾燥して、電極(厚み20〜30μm)付きフィルムを得る。
2)前記1)で得られた電極付きフィルムの、25℃、湿度50%、測定周波数1MHzにおける静電容量(C)とコンダクタンス(G)を、静電容量法により測定する。
3)前記2)で得られた静電容量(C)とコンダクタンス(G)の値を、下式に代入することで、測定周波数1MHzにおける比誘電率(εr)と誘電正接(tanδ)を算出する。
上記式において、C:静電容量(F)、G:コンダクタンス(S)、t:ポリイミドフィルムの厚み(m)、π×(d/2):電極面積(m)、ε0:真空の誘電率=8.854×10−12(F/m)およびf:測定周波数(Hz)である。
また本発明では、添加するポリオレフィン粒子の平均粒径を小さくしたり、添加するポリオレフィン粒子に極性基を付与したりすることで、ポリオレフィン粒子(B)のポリイミドに対する分散性を高めている。このため、得られる硬化膜は、微小なポリオレフィンの分散相が、ポリイミド中に均一に分散している。
前記硬化膜における、ポリオレフィン粒子(B)から得られる分散相の平均粒径は、100μm以下とすることが好ましく、0.001〜50μmとすることがより好ましく、0.01〜20μmであることがさらに好ましい。ポリオレフィン粒子(B)から得られる分散相の平均粒径は、例えば、それを含む硬化膜の断面をTEM観察することにより測定されうる。
前記硬化膜は、回路基板と該基板上に搭載された半導体チップとの間の空隙に、前記樹脂組成物を充填した後、加熱乾燥して硬化させることにより形成される。
前記硬化膜は、1)ポリアミド酸ワニス、またはポリイミドワニスを準備するステップ、2)ワニスにポリオレフィン粒子(B)を添加して、攪拌することで樹脂組成物を得るステップ、および3)得られた樹脂組成物を半導体パッケージと配線基板との隙間に充填するステップ、4)加熱により硬化膜を得るステップ、を経て製造されうる。
1)におけるポリアミド酸ワニス、またはポリイミドワニスにおける樹脂固形分濃度は1〜40重量%であることが好ましく、10〜30重量%であることがより好ましい。後述の撹拌の条件を適切に制御するためである。
2)では、ワニスに、前述したポリオレフィン粒子(B)を添加し、撹拌することにより、ポリオレフィン粒子(B)をワニス中に分散させる。撹拌は、攪拌羽等を用いた通常撹拌や、自転・公転ミキサー等を用いた攪拌でありうる。添加されるポリオレフィン粒子(B)は粒子そのものであっても、溶媒に分散させた分散体であってもよい。
前述の通り、極性基を持たないポリオレフィン粒子は、(極性を有する)ワニスに対して分散しにくい。つまり本発明では、ポリオレフィン粒子(B)を凝集させることなくワニスに均一に分散させるように、分散状態を制御することが重要となる。ポリオレフィン粒子(B)の分散状態は、前述のように、添加されるポリオレフィン粒子(B)に極性基を付与したり、添加されるポリオレフィン粒子(B)の平均粒子径、濃度、および分散溶媒を適切に選択したり、攪拌のせん断強度等を調整したりすること等によって制御されうる。
例えば、添加されるポリオレフィン粒子(B)の平均粒子径は、分散性を高めるうえで、小さいほど好ましいが、小さすぎても凝集し易くなるため、100μm以下とすることが好ましく、0.001〜50μmとすることがより好ましく、0.01〜20μmとすることがさらに好ましい。また、添加されるポリオレフィン粒子(B)の分散溶媒は、ワニスに対する分散性を高めるために、ワニスに含まれる溶媒に対する相溶性の高い溶媒であることが好ましい。
前記硬化膜におけるポリオレフィン粒子の分散状態は、例えば、樹脂組成物から得られる硬化膜の断面をTEM観察することにより観察されうる。
ポリオレフィン粒子(B)が添加された樹脂組成物の、E型粘度計により25℃、5.0rpmで測定される粘度は、特に制限はないが、塗布厚みを制御し易い等の観点から、1〜2.0×10mPa・sの範囲であることが好ましい。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、銅回路が形成されたポリイミド基板と該基板上に搭載された半導体チップとの間の空隙及び隣接するバンプ間の空隙に充填し、加熱乾燥して溶媒を除去または重合させることにより、上記空隙にアンダーフィル樹脂組成物の硬化膜を形成することができる。この硬化膜を形成した後、銅回路の表面をカバーレイ(例えば、デュポン社製「パイララックス」、三井化学社製「ネオフレックス」など)を適用して保護する。上記空隙への硬化膜の充填方法としては、空隙にアンダーフィル用樹脂組成物を滴下する方法などが挙げられ、また、樹脂組成物の充填速度は、0.5cm/1分以上、特に1cm/1分以上が好ましい。
4)は、ポリアミド酸ワニスを使用する場合、加熱することで、溶媒を除去するとともにイミド化(閉環)させることで硬化膜を得ることができる。このため加熱温度は、例えば100〜400℃程度であり、加熱時間は、例えば3分〜12時間程度である。ポリイミドワニスを使用する場合は、溶媒を除去することで、硬化膜を得ることができる。このため加熱温度は、例えば30〜300℃程度であり、加熱時間は、例えば1分〜12時間程度である。
加熱は通常、大気圧で行われれば十分であるが、加圧下でも行なわれてもよい。雰囲気は特に制限されないが、通常、空気、窒素、ヘリウム、ネオンまたはアルゴン等であり、好ましくは不活性気体である窒素またはアルゴンである。
以下において、本発明を、実施例を参照してより詳細に説明する。本発明の範囲は、これらの実施例によって限定して解釈されてはならない。本実施例および比較例で用いた略称の内容を示す。
(1)溶媒
DMAc :N,N-ジメチルアセトアミド
NMP :N−メチル−2−ピロリドン
(2)ポリイミド樹脂(A)の構成成分
ジアミン
PDA :p−フェニレンジアミン
ODA :4,4'-ジアミノジフェニルエーテル
m−BP :4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル
酸二無水物
BPDA :3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PMDA :ピロメリット酸二無水物
(3)ポリオレフィン粒子(B)
PO1 :ポリエチレン粒子(平均粒子径6μm、極性基の種類:マレイン酸から誘導される基、極性基の含有量:0.03mol/kg)
PO2 :エチレン−ブテン共重合体粒子(平均粒子径4μm、極性基の種類:マレイン酸から誘導される基、極性基の含有量:0.03mol/kg)
(実施例1)
<ポリアミド酸Aの調製>
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、20.55gのPDAと、溶媒としての301gのNMPとを装入し、溶液の温度を50℃に昇温してPDAが溶解するまで撹拌した。溶液の温度を室温まで下げた後、55.34gのBPDAを約30分かけて投入し、129gのNMPをさらに加えて、20時間攪拌してポリアミド酸Aのワニスを得た。得られたワニスは、ポリアミド酸Aの固形分の含有率が15重量%であり、対数粘度は1.3dl/gであった。
<アンダーフィル用樹脂組成物1の調製>
プラスチック製の容器に、ポリアミド酸Aのワニス50gと、固形分濃度25重量%のPO1/DMAc分散液12gを投入し、混練機を用いて混ぜ合わせることにより、アンダーフィル用樹脂組成物1を調製した。
<アンダーフィル用硬化膜1の作製>
得られたアンダーフィル用樹脂組成物1を、ガラス板上に、乾燥膜厚が約30μmとなるようにベーカーアプリケーターで塗布した後、イナートオーブンで、窒素雰囲気下、300℃で120分間乾燥させた。このようにして塗膜が形成されたガラス板を、温度約40℃の水に浸漬して塗膜をガラス板から剥離することにより、厚さ30μmの アンダーフィル用硬化膜1を得た。
(実施例2)
実施例1のPO1/DMAc分散液を、PO2/DMAc分散液とした以外は実施例1と同様にして、アンダーフィル用樹脂組成物2及びアンダーフィル用硬化膜2を得た。
(実施例3)
<アンダーフィル用樹脂組成物3の作製>
プラスチック製の容器に、ポリアミド酸Aのワニス50gと、固形分濃度25重量%のPO2/DMAc分散液9gと、難燃剤としてトリフェノキシトリス(4−シアノフェノキシ)シクロトリホスファゼン(伏見製薬製、ラビトルFP−300)1.5gとを投入し、混練機を用いて混ぜ合わせ、アンダーフィル用樹脂組成物3を調製した。
<アンダーフィル用硬化膜3の作製>
この混合液を用いて、製造例1と同様にしてアンダーフィル用硬化膜3を得た。
(実施例4)
ポリアミド酸Bの調製
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、24.03gのODAと、溶媒として139.5gのDMAcを装入し、ODAが溶解するまで撹拌した。次いで、この溶液に、25.78gのPMDAを約30分かけて投入し、さらに103.7gのDMAcを加えて、20時間攪拌してポリアミド酸Bのワニスを得た。得られたワニスは、ポリアミド酸Bの固形分の含有量が17重量%であり、対数粘度は1.2dl/gであった。
<アンダーフィル用樹脂組成物4の調製>
得られたポリアミド酸Bのワニスに、ポリアミド酸B/PO1の量比が表2に示されるようになるようにPO1/DMAc分散液を混合した以外は製造例1と同様にして アンダーフィル用樹脂組成物1を調製した。そして、製造例1と同様の方法で、アンダーフィル用硬化膜4を得た。
(実施例5)
<ポリアミド酸Cの調製>
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、溶媒として261.0gのDMAcを加え、これに20.44gのODAと、16.12gのm−BPとをさらに加えて、20〜30℃で撹拌して溶解させた。次いで、30.84gのPMDAを加え、11.0gのDMAcでフラスコ内部に付着した原料を洗い落とし、50〜60℃に加熱し約1時間撹拌を行った。その後、0.44gのPMDAをさらに加えて、60℃に温度を保ちながら約4時間撹拌を行い、ポリアミド酸C1のワニスを得た。
一方、別の撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、溶媒として263.0gのNMPを加え、19.62gのPDAを加えて、20〜30℃で撹拌して溶解させた。その後、37.0gのBPDA、11.06gのPMDAをさらに加え、10.0gのNMPにてフラスコ内部に付着した原料を洗い落とし、50〜60℃に加熱し約4時間撹拌を行い、ポリアミド酸C2のワニスを得た。
そして、別の撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、前述のポリアミド酸C2のワニスとポリアミド酸C1のワニスとを、(C2):(C1)=77:23の重量比で混合し、50〜60℃に加熱して約4時間撹拌を行い、ポリアミド酸Cのワニスを得た。得られたポリアミド酸Cのワニスは、ポリアミド酸Cの含有率が20重量%であり、25℃でのE型粘度は30000mPa・sであった。
<アンダーフィル用樹脂組成物5の作製>
プラスチック製の容器に、ポリアミド酸Cのワニス36.2gと、PO2を2g、難燃剤としてホスフィン酸アルミニウム塩(クラリアントジャパン株式会社製、Exolit OP935)0.75gとを投入し、混練機を用いて混ぜ合わせることにより、アンダーフィル用樹脂組成物5を調製した。この混合液を用いて、製造例1と同様にしてアンダーフィル用硬化膜5を得た。
(比較例1)
ポリエチレン粒子PO1を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、ポリイミドフィルムを得た。
(比較例2)
ポリエチレン粒子PO1を添加しなかった以外は、実施例4と同様にして、ポリイミドフィルムを得た。
(比較例3)
ポリエチレン粒子PO2および難燃剤を添加しなかった以外は、実施例5と同様にして、ポリイミドフィルムを得た。
実施例1〜5および比較例1〜3で得られたアンダーフィル用樹脂組成物の安定性、樹脂組成物から得られる硬化膜の熱変形温度、比誘電率、誘電正接を以下のようにして測定した。これらの結果を表1に示す。
(1)樹脂組成物安定性
作製したアンダーフィル用樹脂組成物を透明な小瓶に採取し、冷蔵庫(3℃)内で保存した。このときの、小瓶内の樹脂組成物の外観の経時変化を観察することにより、樹脂の析出やゲル化、分離が発生していないかを確認した。
前記樹脂組成物を上記条件で保存を開始した後、2ヶ月以上析出、ゲル化、分離等の不具合が発生していないものを○、24時間を超えて2ヶ月未満の間に上記不具合が発生したものを△、24時間以内に上記不具合が発生したものを×、と評価した。
(2)熱変形温度
熱機械分析計(TMA−50、島津製作所製)を用いて、硬化膜(厚み約30μm、長さ20mm)の両端に一定荷重(フィルムの断面積1mmに対し14g)をかけて、温度を30〜450℃に変化させた際の伸び(縮み)を測定する引っ張り法により熱変形温度を求めた。この際、硬化膜の伸びが大きく上昇する時の温度を、熱変形温度とした。
(3)比誘電率、誘電正接
(3−1)硬化膜の比誘電率、誘電正接評価
得られた硬化膜の両面に、導電ペーストを塗布することにより、厚み20〜30μmの電極を形成した。導電ペーストの成分は銀とした。この硬化膜上に形成した電極に、横河ヒューレット・パッカード(株)製のHP4294A プレシジョン・インピーダンス・アナライザを用いて電流を流して、温度23℃、湿度50%環境下での硬化膜の静電容量(C)およびコンダクタンス(G)を測定した。得られた値を下式に代入することで、測定周波数1MHzにおける比誘電率(εr)、および誘電正接(tanδ)を算出した。
:静電容量(F)、G:コンダクタンス(S)、t:硬化膜の厚み(m)、π×(d/2):電極面積(m)、ε0:真空の誘電率=8.854×10−12(F/m)、f:測定周波数(Hz)
評価結果を表1に示す。本来樹脂組成物は、回路基板と該基板上に搭載された半導体チップとの間の空隙に充填し、その後、加熱乾燥して硬化膜を得るのだが、ここでは、熱変形温度及び誘電特性を評価する目的で、ガラス上にキャストして硬化膜を作製した。
表1に示されるように、実施例1〜5で得られた硬化膜は、対応する比較例に比べて、いずれも比誘電率及び誘電正接が低いことがわかる。また、実施例1〜5で得られた樹脂組成物は、安定性も良好であった。また図1に示されるように、実施例1の硬化膜1において、平均粒子径が0.3〜10μmのポリオレフィンの分散相が、ポリイミドの連続相中に分散して存在していることが確認された。これにより、ポリオレフィンの分散相が、ポリイミドの連続相に均一かつ良好に分散していることがわかった。なお、図1に示される白い部分は、空隙であると推測される。これらの空隙は、どのようにして形成されたかは必ずしも明らかではないが、TEM観察用の薄片を作製する際の、フィルムをナイフでカットしたときにできたものか、あるいは何らかの熱によりポリオレフィン粒子の一部が分解したものであると推測される。

Claims (9)

  1. ポリイミドまたはその前駆体であるポリアミド酸(A)と、平均粒子径が100μm以下のポリオレフィン粒子(B)、溶媒(C)とを混合して得られるアンダーフィル用樹脂組成物であって、前記樹脂組成物を加熱乾燥して得られる硬化膜は、ポリイミドの連続相と、前記ポリオレフィン粒子(B)から得られる分散相とを有する、アンダーフィル用樹脂組成物。
  2. 回路基板と該基板上に搭載された半導体チップとの間の空隙に、請求項1記載のアンダーフィル用樹脂組成物を充填した後、加熱乾燥して硬化させることにより形成されてなるアンダーフィル用樹脂組成物の硬化膜。
  3. 前記アンダーフィル用樹脂組成物から得られる硬化膜の周波数1MHzにおける、比誘電率が3.3以下である、請求項1に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  4. 前記ポリオレフィン粒子(B)が、エチレン、プロピレン、1−ブテンおよび4−メチル−1−ペンテンからなる群より選ばれる少なくとも1種類のモノマーから導かれる構成単位を含む重合体である、請求項1ないし3に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  5. 前記ポリオレフィン粒子(B)が、極性基を有する、請求項1、3、4のいずれか一項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  6. 前記極性基が、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、イミド基、エーテル基、ウレタン基、尿素基、リン酸基、スルホン酸基およびカルボン酸無水物基からなる群より選ばれる少なくとも1種類の官能基である、請求項5に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  7. 前記ポリオレフィン粒子(B)が、コロナ処理、プラズマ処理、電子線照射またはUVオゾン処理が施されている、請求項1ないし3〜6のいずれか一項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  8. 100重量部の前記ポリイミドまたはポリアミド酸に対して、5重量部以上200重量部以下の前記ポリオレフィン粒子(B)が含まれる、請求項1ないし3〜7のいずれか一項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  9. 前記樹脂組成物は、難燃剤をさらに含む、請求項1ないし3〜8のいずれか一項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。

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