以下に図面を参照して、この発明にかかる電子時計の(一例としての電子時計の)実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
(実施の形態にかかる電子時計)
図1は、実施の形態にかかる電子時計の外観の一例を示す図である。図1に示すように、実施の形態にかかる電子時計100は、外装(時計ケース)である胴内に、文字板110と、時針121と、分針122と、秒針123と、日車150と、を備える。
時針121、分針122及び秒針123は、文字板110に表記された時刻や目盛を指示することによって現在時刻の時、分及び秒を表示する指針である。また、例えば秒針123は、現在時刻とは異なる情報の表示にも用いられてもよい。日車150は、文字板110に設けられた表示窓により現在時刻の日付を表示する。
また、電子時計100は、胴の側面に、電子時計100のユーザが種々の操作を行うための操作部130として、リューズ131、第1プッシュボタン132及び第2プッシュボタン133が配置されている。図1に示す例では、リューズ131は3時側に配置され、第1プッシュボタン132は2時側に配置され、第2プッシュボタン133は4時側に配置されている。
電子時計100の胴には、文字板110を覆うようにガラス等の透明材料により形成された風防が取り付けられている。また、電子時計100の胴における風防の反対側には裏蓋が取り付けられている。以降、電子時計100において風防が配置される方向(図1における紙面手前方向)を表側、電子時計100において裏蓋が配置される方向(図1における紙面奥方向)を裏側と呼ぶ。
また、電子時計100は、太陽などの光エネルギーを動力源とする太陽電池時計である。例えば、文字板110の裏側には後述の太陽電池251(例えば図2参照)が配置され、表側から入光した光により太陽電池251において発電がなされる。そのため、文字板110はある程度光線を透過する材質で形成される。太陽電池251によって発電された電力は後述の二次電池252(例えば図2参照)に蓄積され、二次電池252に蓄積された電力は電子時計100の電源として使用される。
また、電子時計100は、日付や時刻に関する時刻情報を含む衛星電波を衛星から受信し、受信した衛星電波に含まれる時刻情報に基づいて、腕時計内部に保持している時刻の情報である内部時刻を修正する衛星電波腕時計である。衛星は、一例としてはGPS衛星である。GPSはGlobal Positioning System(全地球測位システム)の略語である。
例えば、電子時計100における太陽電池251と重畳しない領域には、衛星電波を受信するための後述のアンテナ210(例えば図2参照)が配置される。アンテナ210は、表側の面が衛星からの電波を受信する受信面となっている。アンテナ210の受信面、太陽電池251の受光面及び文字板110は、互いに平行に設けられており、いずれも表側を向いている。
また、文字板110には、「RX」の文字が表記されたRX表記部141と、「OK」の文字が表記されたOK表記部142と、「NO」の文字が表記されたNO表記部143と、を有する。これらの各表記部は、文字板110に印刷や刻印など各種の方法で文字が表記されている。
RX表記部141は、電子時計100により上述の衛星電波の受信が行われる場合に、衛星電波の受信を行っていることを秒針123により表示するための印である。OK表記部142及びNO表記部143は、電子時計100による各受信動作の成否等を秒針123により表示するための印である。
図1に示した電子時計100の外観は一例であり、電子時計100の外観はこれに限らない。例えば、胴を丸型でなく角型にしてもよいし、リューズ131等の有無、数、配置、形状も任意に変更することができる。また、指針として時針121、分針122、秒針123の3本を備える構成に限らず、例えば秒針123を省略してもよい。又は、曜日、サマータイムの有無、電池の残量など各種の情報の表示を行う指針等を追加したりしてもよい。
また、電子時計100が腕時計である構成について説明したが、このような構成に限らない。例えば、電子時計100は、懐中時計、置き時計、掛け時計などの時計であってもよい。また、電子時計100が指針により時刻を表示するアナログ時計である構成について説明したが、このような構成に限らない。例えば、電子時計100は、ディスプレイにより時刻を表示するデジタル時計、又は音声によって時刻を通知する音声時計などであってもよい。
(実施の形態にかかる電子時計のハードウェア構成)
図2は、実施の形態にかかる電子時計のハードウェア構成の一例を示す図である。図2において、図1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図2に示すように、実施の形態にかかる電子時計100は、操作部130と、アンテナ210と、受信回路220と、制御回路230と、駆動機構240と、表示部241と、太陽電池(発電部)251と、二次電池252と、スイッチ260と、を備える。また、電子時計100は、さらに通信インタフェース270を備えてもよい。
受信回路220は、アンテナ210によって受信された衛星電波を復号し、復号の結果得られる衛星電波の内容を示すビット列(受信データ)を出力する。例えば、受信回路220は、高周波回路221(RF回路)及びデコード回路222を含む。高周波回路221は、高周波数で動作する集積回路である。例えば、高周波回路221は、アンテナ210が受信したアナログ信号に対して増幅及び検波を行うことにより、アンテナ210が受信したアナログ信号をベースバンド信号に変換する。
デコード回路222は、ベースバンド処理を行う集積回路である。例えば、デコード回路222は、高周波回路221が出力するベースバンド信号を復号してGPS衛星から受信したデータの内容を示すビット列を生成する。そして、デコード回路222は、生成したビット列を制御回路230へ出力する。
制御回路230は、演算部(制御部)231と、ROM(Read Only Memory)232と、RAM(Random Access Memory:ランダムアクセスメモリ)233と、RTC(Real Time Clock:リアルタイムクロック)234と、モータ駆動回路236と、発電検出部235と、を含む。制御回路230は、例えばマイクロコンピュータ等の情報処理装置により実現することができる。
演算部231は、ROM232に格納されたプログラムに従って各種の情報処理を行う。演算部231が実行する処理の詳細については後述する。RAM233は、演算部231のワークメモリとして用いられ、演算部231の処理対象となるデータが書き込まれる。例えば、受信回路220によって受信された衛星電波の内容を表すビット列(受信データ)が、RAM233のバッファ領域に順次書き込まれる。
RTC234は、電子時計100における計時に使用されるクロック信号を供給する。発電検出部235は、太陽電池251による発電、すなわち太陽電池251から二次電池252への電力の供給を検出する。例えば、発電検出部235は、太陽電池251から二次電池252への出力電流を検出することにより太陽電池251による発電を検出する。太陽電池251による発電の検出は、例えば、太陽電池251による発電の有無、例えば太陽電池251の光電変換により一定量以上の電力が得られているか否かの判定である。又は、太陽電池251による発電の検出は、例えば、発電検出部235による発電量の検出であってもよい。
また、演算部231は、自動又は手動により、受信回路220を制御して、測時受信、測位受信及び閏秒受信などの受信動作を行う。手動による受信動作は、例えば操作部130によって上述の特定の操作が受け付けられたことによって実行される受信動作である。自動による受信動作は、例えば電子時計100の内部時刻が所定の時刻(一例としては午前2時)になったことによって実行される受信動作である。
また、演算部231は、RTC234から供給される信号によって計時される内部時刻を、衛星電波の受信により得られた時刻情報に基づいて修正する。また、演算部231は、電子時計100が現在時刻を表示する通常モードである場合に、修正した内部時刻に基づいて、表示部241により表示すべき時刻(表示時刻)を決定し、決定した時刻を表示部241が表示するようにモータ駆動回路236を制御する。
モータ駆動回路236は、演算部231からの制御に応じて、後述する駆動機構240に含まれるモータを駆動する駆動信号を出力する。駆動機構240は、モータ駆動回路236から出力される駆動信号に応じて動作するステップモータと、輪列と、を含んで構成され、ステップモータの回転を輪列が伝達することによって、表示部241に含まれる時針121、分針122、秒針123などの指針や日車150を回転させる。
表示部241は、例えば、図1に示した時針121、分針122、秒針123などの指針、日車150及び文字板110を含む。例えば、時針121、分針122及び秒針123が文字板110上を回転することによって現在時刻が表示される。また、例えば秒針123は、図1に示したRX表記部141を指示することにより衛星電波の受信を実行していることを表示する。また、秒針123は、図1に示したOK表記部142を指示することにより衛星電波の受信の成功を表示し、又は図1に示したNO表記部143を指示することにより衛星電波の受信の失敗を表示する。
太陽電池251は、電子時計100に対して照射される太陽光などの外光によって発電し、発電した電力を二次電池252に供給する発電部である。二次電池252は、太陽電池251によって発電された電力を蓄積する。そして、二次電池252は、蓄積した電力を、受信回路220や制御回路230に対して供給する。二次電池252は、例えばリチウムイオン電池等により実現することができる。
二次電池252から受信回路220への電力供給路の途中にはスイッチ260が設けられており、このスイッチ260のオン/オフは制御回路230が出力する制御信号によって切り替えられる。例えば、制御回路230の演算部231がスイッチ260のオン/オフを切り替えることで、受信回路220の動作タイミングが制御される。この場合に、受信回路220は、スイッチ260を介して二次電池252から電力が供給されている間だけ動作し、その間にアンテナ210が受信した衛星電波の復号を行う。
操作部130は、例えば、図1に示したように、リューズ131、第1プッシュボタン132及び第2プッシュボタン133などを含む。制御回路230は、操作部130が受け付けた操作入力の内容に応じて各種の処理を実行する。例えば、制御回路230は、ユーザによる操作部130に対する操作入力に応じて上述の衛星電波の受信などを行う。
通信インタフェース270は、衛星電波以外の電波や外部装置との通信を行う。通信インタフェース270は、制御回路230によって制御される。通信インタフェース270の一例としてはBluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)などの無線通信の通信インタフェースとしてもよいし、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどの有線接続による通信の通信インタフェースとしてもよい。
なお、通信インタフェース270による通信が無線通信である場合には、通信インタフェース270はアンテナ及び受信回路を含む構成となる。例えば、タイムゾーン情報については、上述したように衛星電波を用いた測位受信によって算出することが可能であるが、通信インタフェース270を利用して外部装置から直接情報を得てもよい。
電子時計100が衛星電波を受信する構成について説明したが、電子時計100は、衛星電波に代えて、又は衛星電波に加えて標準電波(標準周波数報時電波)を受信し、受信した標準電波に基づいて内部時刻を修正する構成としてもよい。
(第1負荷動作及び第2負荷動作)
電子時計100は、例えば演算部231の制御により、第1負荷動作を実行し、第1負荷動作の後に第2負荷動作を実行する。第1負荷動作及び第2負荷動作は、ともに二次電池252から得られる電力により実行される、消費電力(時間あたりの電圧×電流)が大きい各種の動作である。
一例としては、第1負荷動作は電波受信であり、第2負荷動作は高速運針である。電波受信は、例えばアンテナ210及び受信回路220により上述の衛星電波を受信する動作である。又は、電波受信は上述の標準電波を受信する動作であってもよい。高速運針は、電波受信による受信結果に基づいて修正した内部時刻と表示時刻が一致するように指針(例えば時針121、分針122及び秒針123、日車150)を高速に駆動する動作である。
ただし、第1負荷動作及び第2負荷動作はこれらに限らず、二次電池252から得られる電力により実行される電子時計100の各種の動作とすることができる。例えば、第1負荷動作は秒針123等の指針の位置ズレを検出する針位置検出処理であり、第2負荷動作は針位置検出処理の結果に応じて指針の位置ズレを修正する針位置修正動作であってもよい(例えば図24~図27参照)。又は、第1負荷動作は通信インタフェース270による外部装置からの各種の情報の受信であり、第2負荷動作はその受信した情報を秒針123等の指針などにより表示する動作であってもよい。
以上の例のように、例えば、第1負荷動作は電子時計100が何らかの情報を取得する動作であり、第2負荷動作は第1負荷動作によって得られた情報に応じて行われる動作である。ただし、第1負荷動作及び第2負荷動作の関係はこれに限らない。例えば、第1負荷動作は、特定の方向(例えば上述のRX表記部141の方向)を指示するように秒針123を高速に駆動することにより時刻以外の情報(例えば受信中の旨の情報)を一時的に表示する動作であり、第2負荷動作は、その後に現在時刻の秒を指示するように秒針123を高速に駆動する(通常運針に戻す)動作であってもよい。
また、第1負荷動作及び第2負荷動作は同じ動作であってもよい。一例としては、アラーム等の大きな音を2回鳴らす動作のうち、第1負荷動作は1回目に音を鳴らす動作、第2負荷動作は2回目に音を鳴らす動作としてもよい。
また、第1負荷動作及び第2負荷動作は、連動して実行される各動作に限らず、互いに独立したタイミングで実行される各動作であってもよい。一例としては、第1負荷動作はユーザ操作に応じて実行される外部装置との通信であり、第2負荷動作は定期的に実行される電波受信及び高速運針であってもよい。
電子時計100は、後述の発電の検出の結果に応じて第1負荷動作と第2負荷動作との間に待機時間を設定する。この待機時間は、第1負荷動作が完了してから第2負荷動作を実行するまでの時間である(例えば図5参照)。待機時間の設定は、待機時間の有無の設定であってもよいし、待機時間の長さの設定であってもよい。待機時間の長さの設定には、待機時間の長さを0にする設定が含まれてもよい。
(実施の形態にかかる電子時計による、発電の有無を第1負荷動作の前に確認する処理)
図3は、実施の形態にかかる電子時計による、発電の有無を第1負荷動作の前に確認する処理の一例を示すフローチャートである。電子時計100は、第1負荷動作及び第2負荷動作を実行する場合に、例えば図3に示す処理を実行する。
まず、電子時計100は、太陽電池251による発電量を検出する発電量検出処理を行う(ステップS301)。発電量検出処理については後述する(例えば図4参照)。次に、電子時計100は、ステップS301の発電量検出処理の結果に基づいて、現在時点において太陽電池251による発電があるか否かを判断する(ステップS302)。
ステップS302において、発電がない場合(ステップS302:No)は、電子時計100は、第1負荷動作を行う(ステップS303)。次に、電子時計100は、第1負荷動作によって降下した二次電池252の出力電圧が復帰するまで待機する電圧復帰待機処理を行い(ステップS304)、ステップS306へ移行する。電圧復帰待機処理については後述する(例えば図5参照)。
ステップS302において、発電がある場合(ステップS302:Yes)は、電子時計100は、ステップS303と同様の第1負荷動作を行い(ステップS305)、ステップS306へ移行する。
次に、電子時計100は、第2負荷動作を行い(ステップS306)、一連の処理を終了する。図3に示したように、電子時計100は、例えば、太陽電池251による発電の有無を第1負荷動作の前に確認し、その確認の結果に応じて、第2負荷動作の前に電圧復帰待機処理を行う。
(実施の形態にかかる電子時計による発電量検出処理)
図4は、実施の形態にかかる電子時計による発電量検出処理の一例を示すフローチャートである。電子時計100は、上述の発電量検出処理(例えば図3に示したステップS301)として、例えば図4に示す処理を実行する。
まず、電子時計100は、現在時点が所定の検出タイミングであるか否かを判断し(ステップS401)、現在時点が検出タイミングになるまで待つ(ステップS401:Noのループ)。検出タイミングは、例えば周期的に設定された各タイミングとすることができる。一例としては、検出タイミングは2秒毎の各タイミングとすることができる。
ステップS401において、現在時点が検出タイミングになると(ステップS401:Yes)、電子時計100は、太陽電池251による発電量を検出する(ステップS402)。太陽電池251による発電量の検出は、例えば図2に示した発電検出部235により行われる。
次に、電子時計100は、ステップS402により検出した発電量が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS403)。発電量が閾値以上である場合(ステップS403:Yes)は、電子時計100は、発電検出フラグを“1”に設定し(ステップS404)、ステップS406へ移行する。発電検出フラグは、太陽電池251による発電量が閾値以上か否かを示す情報である。発電検出フラグの“1”は、太陽電池251による発電量が閾値以上であることを示す値である。
ステップS403において、発電量が閾値以上でない場合(ステップS403:No)は、電子時計100は、発電検出フラグを“0”に設定し(ステップS405)、ステップS406へ移行する。発電検出フラグの“0”は、太陽電池251による発電量が閾値以上でないことを示す値である。
次に、電子時計100は、ステップS404又はステップS405により設定した発電検出フラグを記憶部に記憶する(ステップS406)。発電検出フラグが記憶される記憶部は、電子時計100が備える各メモリとすることができ、例えば図2に示したRAM233等である。
次に、電子時計100は、ステップS402による発電量の検出回数が所定回数に達したか否かを判断する(ステップS407)。所定回数は、例えば2回以上の回数(一例としては10回)とすることができる。ステップS407において、検出回数が所定回数に達していない場合(ステップS407:No)は、電子時計100は、ステップS401へ戻る。検出回数が所定回数に達した場合(ステップS407:Yes)は、電子時計100は、一連の発電量検出処理を終了する。
図4に示したように、電子時計100は、例えば周期的な所定回数分の検出タイミングにおいて、太陽電池251による発電の検出を行い、検出の結果を示す発電検出フラグを記憶部に記憶しておく。これにより、上述の所定回数分の検出結果を示す発電検出フラグを記憶することができる。
電子時計100は、図3に示したステップS302において、記憶部に記憶した所定回数分の発電検出フラグを参照することで、太陽電池251による発電の有無を判断することができる。所定回数分の発電検出フラグに基づく太陽電池251の有無の判断については後述する(例えば図21~図23参照)。
ただし、電子時計100による発電量検出処理は、図4に示した処理に限らない。例えば、電子時計100は、ステップS402~S406の処理を1回行い、1回分の検出結果を示す発電検出フラグを記憶してもよい。この場合は、電子時計100は、例えば、図3に示したステップS302において、記憶部に記憶した発電検出フラグが“1”か“0”かによって、太陽電池251による発電があるか否かを判断することができる。
(実施の形態にかかる電子時計による電圧復帰待機処理)
図5は、実施の形態にかかる電子時計による電圧復帰待機処理の一例を示すフローチャートである。電子時計100は、上述の電圧復帰待機処理(例えば図3に示したステップS304)として、例えば図5に示す処理を実行する。
まず、電子時計100は、省エネルギー状態へ移行する(ステップS501)。省エネルギー状態は、例えば第1負荷動作の実行時及び第2負荷動作の実行時よりも電子時計100の消費電力が小さい状態である。例えば、省エネルギー状態は、電波受信、通信、高速な運針などの消費電力が大きい動作を行わない状態とすることができる。
例えば、第1負荷動作が電波受信であり第2負荷動作が高速運針である場合に、省エネルギー状態は、電波受信や通信を行わず指針の駆動を停止させる状態や、電波受信や通信を行わず時刻の進行に応じて指針を駆動(通常運針)する状態などとすることができる。省エネルギー状態へ移行することにより、第1負荷動作の実行により降下した二次電池252の出力電圧が上昇する状態になる。
次に、電子時計100は、太陽電池251による発電量を検出する発電量検出処理(例えば図4参照)を行う(ステップS502)。次に、電子時計100は、ステップS502の発電量検出処理の結果に基づいて、現在時点において、太陽電池251による発電があるか否かを判断する(ステップS503)。ステップS503の判断は、例えば図3に示したステップS302の判断と同様である。
ステップS503において、太陽電池251による発電がない場合(ステップS503:No)は、電子時計100は、ステップS501によって省エネルギー状態へ移行してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS504)。所定時間は、例えば、省エネルギー状態における二次電池252の出力電圧が上昇し、第2負荷動作による二次電池252の出力電圧が降下したときにシステムダウンしないだけの十分な時間とすることができる。また、例えば省エネルギー状態における二次電池252の出力電圧の上昇量が、第2負荷動作による二次電池252の出力電圧の降下量に相当する量となるために要する十分な時間としてもよい。
ステップS504において、所定時間が経過していない場合(ステップS504:No)は、電子時計100は、ステップS502へ戻る。所定時間が経過した場合(ステップS504:Yes)は、電子時計100は、ステップS501によって移行した省エネルギー状態から元の状態へ復帰し(ステップS505)、一連の処理を終了する。
ステップS503において、太陽電池251による発電がある場合(ステップS503:Yes)は、電子時計100はステップS505へ移行する。これにより、ステップS501によって省エネルギー状態へ移行してから所定時間が経過していなくても、太陽電池251による発電が発生した場合は省エネルギー状態から即時復帰することができる。
図5に示したように、電子時計100は、電圧復帰待機処理として、電波受信、通信、高速な運針などの消費電力が大きい動作を行わない状態を所定時間だけ継続する処理を行う。これにより、電子時計100は、第1負荷動作によって降下した二次電池252の出力電圧が復帰するまで待機することができる。
また、電子時計100は、太陽電池251による発電が発生した場合は、所定時間が経過していなくても待機を終了する。これにより、太陽電池251による発電が発生して第2負荷動作を行ってもシステムダウンしない状態になった場合には待機時間を短縮して第2負荷動作を実行することができる。これにより、第2負荷動作を早期に実行することができる。
ただし、電子時計100による電圧復帰待機処理は図5に示した電圧復帰待機処理に限らない。例えば、電子時計100は、電圧復帰待機処理として、図5に示した処理からステップS502及びステップS503を省いた処理を実行してもよい。すなわち、電子時計100は、太陽電池251による発電の発生に拘らずに上述の所定時間の待機を行ってもよい。
また、電子時計100は、二次電池252の出力電圧を検出し、図5に示したステップS504において、二次電池252の出力電圧が所定電圧以上になったか否かを判断してもよい。この所定電圧は、少なくとも第2負荷動作による電圧降下量と、後述のシステムダウンライン701に相当する電圧と、の合計以上とするとよい。同様に、電子時計100は、二次電池252の出力電流を検出し、図5に示したステップS504において、二次電池252の出力電流が所定電流以上になったか否かを判断してもよい。
(実施の形態にかかる電子時計の第1負荷動作及び第2負荷動作)
図6は、実施の形態にかかる電子時計の第1負荷動作及び第2負荷動作の一例を示すフローチャートである。例えば、電子時計100は、所定の時刻において、上述の電波受信を行い、電波受信の結果に応じて高速運針を行う時刻修正動作を行う。又は、電子時計100は、ユーザからの操作に応じて同様の時刻修正動作を行ってもよい。
図3に示した処理において、第1負荷動作を時刻修正動作の電波受信とし、第2負荷動作を時刻修正動作の高速運針とした例について説明する。図6に示すステップS601~S602は、図3に示したステップS301~S302と同様である。
ステップS602において、発電がない場合(ステップS602:No)は、電子時計100は、第1負荷動作として、衛星電波等を受信する電波受信を行う(ステップS603)。このとき、電子時計100は、秒針123により上述のRX表記部141を指示するように秒針123を駆動してもよい。次に、電子時計100は、図3に示したステップS304と同様に電圧復帰待機処理を行い(ステップS604)、ステップS606へ移行する。
ステップS602において、発電がある場合(ステップS602:Yes)は、電子時計100は、ステップS603と同様に第1負荷動作として電波受信を行い(ステップS605)、ステップS606へ移行する。
ステップS604又はステップS605の次に、電子時計100は、第2負荷動作として以下の処理を行う。すなわち、電子時計100は、ステップS603又はステップS605において電波受信が成功したか否かを判断する(ステップS606)。
ステップS606において、電波受信が成功した場合(ステップS606:Yes)は、電子時計100は、受信した電波に基づいて電子時計100の内部時刻を修正する。このとき、電子時計100は、秒針123により上述のOK表記部142を指示するように秒針123を駆動してもよい。そして、電子時計100は、修正した内部時刻を指示するまで時針121、分針122及び秒針123を高速に駆動する高速運針を行い(ステップS607)、一連の処理を終了する。なお、受信した電波に基づく内部時刻の修正は、ステップS603又はステップS605において実行されてもよい。
ステップS606において、受信が成功していない場合(ステップS606:No)は、電子時計100は、電子時計100の内部時刻を修正しない。このとき、電子時計100は、秒針123により上述のNO表記部143を指示するように秒針123を駆動してもよい。そして、電子時計100は、未修正の内部時刻を指示するまで時針121、分針122及び秒針123を高速に駆動する高速運針を行い(ステップS608)、一連の処理を終了する。
ステップS607又はステップS608の後、電子時計100は、例えば内部時刻の進行に応じて時針121、分針122及び秒針123を駆動する通常運針を行う。
(図6に示した処理による電子時計の動作)
図7は、図6に示した処理による電子時計の動作の一例を示す図である。図7においては、図6に示した例と同様に、第1負荷動作を電波受信とし、第2負荷動作を電波受信の結果に基づく高速運針とした場合の電子時計100の動作について説明する。また、電子時計100は、所定の時刻t0(図7に示す例では午前2時)に電波受信及び高速運針を行うものとする。
電子時計100は、現在時刻が時刻t0(午前2時)になると、例えば図6に示した処理を開始する。具体的には、電子時計100は、電波受信及び高速運針の前に、太陽電池251による発電の有無の確認700を行う。この処理は、例えば図6に示したステップS601及びステップS602により行われる。
図7において、電波受信711、電圧復帰待機処理712、高速運針713及び通常運針714は、太陽電池251による発電がない(発電なし)と判断した場合の電子時計100による動作である。出力電圧変化710はこのときの二次電池252の出力電圧の時間変化である。システムダウンライン701は、電子時計100が動作を行うための二次電池252の出力電圧の下限値であり、二次電池252の出力電圧がシステムダウンライン701を下回ると電子時計100はシステムダウンする。
電子時計100は、太陽電池251による発電がない(発電なし)と判断すると、電波受信711を行う。この電波受信711は、例えば図6に示したステップS603により行われる。電波受信期間T11は、電子時計100が電波受信711を行った期間である。電波受信711は消費電力が大きいため、電波受信期間T11において二次電池252の出力電圧が降下する。
次に、電子時計100は、電圧復帰待機処理712を行う。電圧復帰待機処理712は、例えば図6に示したステップS604により行われる。電圧復帰待機期間T12は、電子時計100が電圧復帰待機処理712を行った期間である。電圧復帰待機処理712においては電子時計100が省エネルギー状態へ移行するため(例えば図5参照)、電圧復帰待機期間T12において二次電池252の出力電圧が上昇する。
次に、電子時計100は、電波受信711の結果に応じた高速運針713を行う。高速運針713は、例えば図6に示したステップS606~S607により行われる。高速運針期間T13は、電子時計100が高速運針713を行った期間である。高速運針713は消費電力が大きいため、高速運針期間T13において二次電池252の出力電圧が降下する。
次に、電子時計100は、内部時刻にしたがって時針121、分針122及び秒針123を運針する通常運針714を開始する。通常運針期間T14は、電子時計100が通常運針714を行う期間である。通常運針714は電波受信711や高速運針713より消費電力が小さいため、通常運針期間T14において、まず二次電池252の出力電圧が上昇し、その後は二次電池252の電池残量の低下に応じて二次電池252の出力電圧が緩やかに降下する。
このように、電子時計100は、太陽電池251による発電がない場合は電波受信711と高速運針713との間の電圧復帰待機期間T12において電圧復帰待機処理712を行う。これにより、電波受信711により降下した二次電池252の出力電圧を復帰させ、その後に高速運針713を行うことができる。このため、二次電池252の出力電圧がシステムダウンライン701を下回りシステムダウンすることを回避することができる。
図7において、電波受信721、高速運針722及び通常運針723は、太陽電池251による発電がある(発電あり)と判断した場合の電子時計100による動作である。出力電圧変化720はこのときの二次電池252の出力電圧の時間変化である。
電子時計100は、太陽電池251による発電がある(発電あり)と判断すると、電波受信721を行う。この電波受信721は、例えば図6に示したステップS605により行われる。電波受信期間T21は、電子時計100が電波受信721を行った期間である。電波受信721は消費電力が大きいため、電波受信期間T21において二次電池252の出力電圧が降下する。
ただし、この場合は太陽電池251による発電があるため、電波受信721における二次電池252の出力電圧の降下は、太陽電池251による発電がない場合の上述の電波受信711における二次電池252の出力電圧の降下より緩やかである。このため、電波受信721の終了時の二次電池252の出力電圧は、上述の電波受信711の終了時における二次電池252の出力電圧より高い。
次に、電子時計100は、電圧復帰待機処理を行わずに、電波受信721の結果に応じた高速運針722を行う。高速運針722は、例えば図6に示したステップS606及びステップS607により行われる。高速運針期間T22は、電子時計100が高速運針722を行った期間である。高速運針722は消費電力が大きいため、高速運針期間T22において二次電池252の出力電圧が降下する。
ただし、この場合は太陽電池251による発電があるため、高速運針722における二次電池252の出力電圧の降下は、太陽電池251による発電がない場合の上述の高速運針713における二次電池252の出力電圧の降下より緩やかである。
ここで、上述のように電波受信721の終了時の二次電池252の出力電圧は高く、高速運針722における二次電池252の出力電圧の降下も緩やかである。このため、電波受信721と高速運針722との間において電圧復帰待機処理を行っていなくても、二次電池252の出力電圧がシステムダウンライン701を下回りシステムダウンすることを回避することができる。
次に、電子時計100は、内部時刻にしたがって時針121、分針122及び秒針123を運針する通常運針723を開始する。通常運針期間T23は、電子時計100が通常運針723を行う期間である。通常運針723は電波受信721や高速運針722より消費電力が小さいため、通常運針期間T23において、まず二次電池252の出力電圧が上昇し、その後は二次電池252の電池残量の低下に応じて二次電池252の出力電圧が緩やかに降下する。
このように、電子時計100は、太陽電池251による発電がある場合は電波受信721と高速運針722との間において電圧復帰待機処理を行わない。これにより、システムダウンを回避しつつ、高速運針722を早期に開始することができる。すなわち、太陽電池251による発電があり電圧復帰待機処理を行わなくてもシステムダウンを回避できる状況においても電圧復帰待機処理を実行してしまい高速運針722の開始が遅れることを回避することができる。
高速運針722を早期に開始することにより、高速運針722を早期に完了させ、電波受信721及び高速運針722に伴い通常運針723を行うことができない期間を短くし、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
図7において、出力電圧変化730は、仮に太陽電池251による発電がない場合に電子時計100が電波受信721及び高速運針722を連続して実行した場合における二次電池252の出力電圧の時間変化を参考として示している。出力電圧変化730においては、電波受信期間T21及び高速運針期間T22における二次電池252の出力電圧の低下が出力電圧変化720より急峻である。
このため、電波受信721と高速運針722との間において電圧復帰待機処理が行われない場合は、高速運針期間T22において二次電池252の出力電圧がシステムダウンライン701を下回りシステムダウンとなる。これに対して、実施の形態にかかる電子時計100によればこのようなシステムダウンを回避することができる。
図7に示したように、電子時計100は、太陽電池251による発電の検出の結果に応じて第1負荷動作(例えば電波受信)と第2負荷動作(例えば高速運針)との間に待機時間を設定することができる。これにより、発電部による発電がない場合は、第1負荷動作の後に待機して第1負荷動作により降下した二次電池252の出力電圧を復帰させてから第2負荷動作を行い、第2負荷動作の際のシステムダウンを回避することができる。
また、発電部による発電がある場合は、第1負荷動作の後に待機せず第2負荷動作を行い、第1負荷動作と第2負荷動作との間の待機時間を削減することができる。このため、電子時計100によれば、二次電池252の電圧降下によるシステムダウンを回避しつつ動作間(第1負荷動作と第2負荷動作との間)の待機時間を削減することができる。
(図6に示した処理による電子時計の発電なしの場合の指針挙動)
図8は、図6に示した処理による電子時計の発電なしの場合の指針挙動の一例を示す図である。図8においては、図7に示した例と同様に、電子時計100が、午前2時に電波受信及び高速運針を行い、その直前に太陽電池251による発電がなかった場合の時針121、分針122及び秒針123の挙動について説明する。なお、本実施例においては、時針121、分針122及び秒針123は連動して駆動するものとして説明する。
AM2:00:00(午前2時)になると、電子時計100は、太陽電池251による発電の有無を確認する。ここでは太陽電池251による発電がないと判断される(発電なし)。この場合に、電子時計100は、電波受信を開始するとともに、指針挙動801に示すように、RX表記部141を指示するように秒針123を駆動し、秒針123の回転を停止させる。これにより、電波を受信中であることをユーザに通知することができる。ただし、図8に示す例では、このときの時刻がAM2:00:00であり秒針123はRX表記部141の方向と同じ0秒を指示しているため、電子時計100は秒針123をそのまま停止させる。
次に、電子時計100が、ある時刻(AM2:YY:XX)に、受信を開始した電波に基づく分同期に成功したとする(分同期OK)。分同期とは、例えば分単位での時刻の同期である。ここで、時刻表記のYYは任意の分、XXは任意の秒を表す。これは、受信処理等により分同期OKとなった時刻が異なるためである。以下の説明においてもYY、XXは各動作処理に依る任意の分、秒を示す。この場合に、電波受信の前に太陽電池251による発電がないことが確認されているため、電子時計100が光量の少ない環境にある状況、すなわちユーザが電子時計100を見ていない状況である可能性が高い。
このため、この場合に、電子時計100は、時針121、分針122、秒針123を駆動し内部時刻を表示する表示更新を行わず、指針挙動802に示すように、RX表記部141を指示する方向で秒針123を停止したままにする。秒針123と連動する時針121及び分針122も停止したままである。これにより、電子時計100の消費電力を低減することができる。
なお、この場合に、分同期に成功したことを示す運針を電子時計100が行うことにより、電子時計100が動作していることをユーザに認識させるようにしてもよい。分同期に成功したことを示す運針としては、例えば、秒針123又は他の指針によりOK表記部142を指示させる運針、秒針123及び分針122を回転させる運針、文字板110に表記された受信レベル(H、M、L等)を秒針123又は他の指針により指示させる運針、その他各種の運針とすることができる。この場合も、例えば時針121、分針122、秒針123を駆動し内部時刻を表示する表示更新を行う場合に比べて消費電力を低減することができる。
次に、電子時計100が、電波受信を完了し(受信完了)、受信した電波に基づいて内部時刻を修正したとする(時刻修正)。この場合も、電子時計100は、指針挙動803に示すように、RX表記部141を指示する方向で秒針123を停止したままにする。この修正後の内部時刻がAM2:03:50であったとする。
次に、電子時計100が、上述の電圧復帰待機処理により例えば10分待機し、待機した後に、指針挙動804に示すように、修正した内部時刻を指示するまで時針121、分針122及び秒針123を高速に駆動する高速運針を行う。この後、電子時計100は、内部時刻の進行に応じて時針121、分針122及び秒針123を駆動する通常運針を行う。
ここで、指針挙動803の時点の現在時刻であるAM2:03:50から10分が経過している。このため、指針挙動804の高速運針では、AM2:03:50の10分後のAM2:13:50を指示するように各指針が駆動される。なお、実際には高速運針にも時間がかかるため、電圧復帰待機処理の待機時間(10分)に高速運針にかかる時間を付け加えて高速運針が行われてもよい。
(図6に示した処理による電子時計の発電ありの場合の指針挙動)
図9は、図6に示した処理による電子時計の発電ありの場合の指針挙動の一例を示す図である。図9においては、図8に示した例と同様に、電子時計100が、午前2時に電波受信及び高速運針を行い、その直前に太陽電池251による発電があった場合の時針121、分針122及び秒針123の挙動について説明する。
AM2:00:00(午前2時)になると、電子時計100は、太陽電池251による発電の有無を確認する。このときの電子時計100の各指針の状態である指針挙動901は図8に示した指針挙動801と同様である。次に、電子時計100が、ある時刻(AM2:YY:XX)に、受信を開始した電波に基づく分同期に成功したとする(分同期OK)。この場合に、電子時計100は、指針挙動902に示すように、内部時刻を表示するように、停止していた時針121、分針122、秒針123を駆動する(表示更新)。内部時刻の時分を時針121及び分針122にて示した後に、秒針123が再びRX表記部141を指示して停止するようにし、電波受信の処理をしている間は1分ごとに秒針123を1周させて、時針121及び分針122を送るようにしてもよい。
次に、電子時計100が、電波受信に成功し(受信完了)、受信した電波に基づいて内部時刻を修正したとする(時刻修正)。この時点まで、電子時計100は、指針挙動903に示すように、修正前の内部時刻を表示するように時針121、分針122を駆動している。そして、受信した電波に基づく修正後の内部時刻がAM2:03:50であったとする。
次に、電子時計100が、上述の電圧復帰待機処理による待機を行わずに、指針挙動904に示すように、修正した内部時刻を指示するまで時針121、分針122及び秒針123を高速に駆動する高速運針を行う。この高速運針は、図8に示した指針挙動804の高速運針と同様である。この後、電子時計100は、内部時刻の進行に応じて時針121、分針122及び秒針123を駆動する通常運針を行う。
(図6に示した処理による電子時計の受信失敗時の指針挙動)
図10は、図6に示した処理による電子時計の受信失敗時の指針挙動の一例を示す図である。図10においては、電子時計100が、午前2時に電波受信及び高速運針を行い、その直前に太陽電池251による発電がなく、さらに電子時計100が電波受信(同期)に失敗した場合の各指針の挙動について説明する。
AM2:00:00(午前2時)になると、電子時計100は、太陽電池251による発電の有無を確認する。このときの電子時計100の各指針の状態である指針挙動1001は図8に示した指針挙動801と同様である。
次に、電子時計100が、ある時刻(AM2:YY:XX)に受信を開始した電波に対する同期に失敗したとする(受信失敗)。この場合に、電波受信の前に太陽電池251による発電がないことが確認されているため、電子時計100が光量の少ない環境にある状況、すなわちユーザが電子時計100を見ていない状況である可能性が高い。
このため、この場合に、電子時計100は、電波受信の失敗を示すNO表記部143を秒針123により指示せずに、指針挙動1002に示すように、RX表記部141を指示する方向で秒針123を停止したままにする。秒針123と連動する時針121及び分針122も停止したままである。これにより、電子時計100の消費電力を低減することができる。ただし、この場合に電子時計100がNO表記部143を秒針123により指示する構成としてもよい。
次に、電子時計100が、上述の電圧復帰待機処理により例えば10分待機し、待機した後に、指針挙動1003に示すように、未修正の内部時刻(AM2:YY:XX)を指示するまで時針121、分針122及び秒針123を高速に駆動する高速運針を行う。この高速運針は、図8に示した指針挙動804の高速運針と同様である。この後、電子時計100は、内部時刻の進行に応じて時針121、分針122及び秒針123を駆動する通常運針を行う。
図10においては、電子時計100が、太陽電池251による発電がなく電波受信が失敗した場合の各指針の挙動について説明したが、太陽電池251による発電があり電波受信が失敗した場合の各指針の挙動は、例えば図9に示した挙動と同様になる。ただし、この場合は時刻の修正は行われない。
図3、図6及び図7~図9に示したように、第1負荷動作及び第2負荷動作の前に太陽電池251による発電の有無を確認することで、第1負荷動作の最中、又は第1負荷動作の直後における電子時計100の表示動作を行うか否かを切り替えることができる。例えば、上述のように第1負荷動作として電波受信を行う場合に、電波受信の直後において、太陽電池251による発電がない場合は、ユーザが電子時計100を見ていない状況である可能性が高いため、電波受信の受信結果を秒針123により指示する動作を省くことができる。
なお、第1負荷動作及び第2負荷動作の前に太陽電池251による発電の有無を確認する処理として、第1負荷動作の直前に太陽電池251による発電の有無を確認する処理について説明したが、太陽電池251による発電の有無の確認は、例えば第1負荷動作の前に定期的に行われていてもよい。
(実施の形態にかかる電子時計による処理の他の例)
第1負荷動作及び第2負荷動作の前に太陽電池251による発電の有無を確認する処理について説明したが、次に、第1負荷動作と第2負荷動作との間のタイミングにおいて太陽電池251による発電の有無を確認する処理について説明する。
図11は、実施の形態にかかる電子時計による処理の他の一例を示すフローチャートである。電子時計100は、第1負荷動作と、第1負荷動作の結果に基づく第2負荷動作と、を実行する場合に、図3に示した処理に代えて、例えば図11に示す処理を実行してもよい。
まず、電子時計100は、第1負荷動作(例えば電波受信)を行う(ステップS1101)。次に、電子時計100は、ステップS1102へ移行する。図11に示すステップS1102~S1103は、図3に示したステップS301~S302と同様である。発電がある場合(ステップS1103:Yes)は、電子時計100は、ステップS1105へ移行する。
ステップS1103において、発電がない場合(ステップS1103:No)は、電子時計100は、上述の電圧復帰待機処理を行う(ステップS1104)。次に、電子時計100は、第2負荷動作を行い(ステップS1105)、一連の処理を終了する。図11に示したように、電子時計100は、第1負荷動作と第2負荷動作との間のタイミングにおいて太陽電池251による発電の有無を確認してもよい。
(図11に示した処理による電子時計の発電なしの場合の指針挙動)
図12は、図11に示した処理による電子時計の発電なしの場合の指針挙動の一例を示す図である。図12においては、電子時計100が、午前2時になると、第1負荷動作として電波受信を行い、第2負荷動作として高速運針を行い、電波受信の直後に太陽電池251による発電がなかった場合の各指針の挙動について説明する。
AM2:00:00(午前2時)になると、電子時計100は、電波受信を開始するとともに、指針挙動1201に示すように、RX表記部141を指示するように秒針123を駆動し、秒針123の回転を停止させる。次に、電子時計100が、ある時刻(AM2:YY:XX)に受信を開始した電波に基づく分同期に成功したとする(分同期OK)。
この場合に、この時点では太陽電池251による発電の有無が確認されていないため、電子時計100が光量の少ない環境にある状況、すなわちユーザが電子時計100を見ていない状況であるか否かが不明である。このため、この場合に、電子時計100は、指針挙動1202に示すように、内部時刻を表示するように、停止していた時針121、分針122、秒針123を駆動する(表示更新)。これにより、ユーザが電子時計100を見ているにも拘らず指針が停止したままになることを回避することができる。内部時刻の時分を時針121、分針122にて示した後に、秒針123は再びRX表記部141を指示して停止するようにし、受信の間1分ごとに秒針123を1周させて、時針121及び分針122を送るようにしてもよい。
次に、電子時計100が、電波受信に成功し(受信完了)、受信した電波に基づいて内部時刻を修正したとする(時刻修正)。この時点まで、電子時計100は、指針挙動1203に示すように、修正前の内部時刻を表示するように秒針123を駆動している。この修正後の内部時刻がAM2:03:50であったとする。
次に、電子時計100は、太陽電池251による発電の有無を確認する。ここでは太陽電池251による発電がないと判断される(発電なし)。この場合に、電子時計100は、上述の電圧復帰待機処理により例えば10分待機し、待機した後に、指針挙動1204に示すように、修正した内部時刻を指示するまで時針121、分針122及び秒針123を高速に駆動する高速運針を行う。この高速運針は、図8に示した指針挙動804の高速運針と同様である。この後、電子時計100は、内部時刻の進行に応じて時針121、分針122及び秒針123を駆動する通常運針を行う。
(図11に示した処理による電子時計の発電ありの場合の指針挙動)
図11に示した処理において、電波受信の直後に太陽電池251による発電があった場合、電子時計100は、図12に示した挙動において、電圧復帰待機処理による10分の待機を行わずに指針挙動1203から指針挙動1204へ移行する。
図11及び図12に示したように、第1負荷動作と第2負荷動作との間のタイミングにおいて太陽電池251による発電の有無を確認することで、第2負荷動作の開始時に太陽電池251による発電があるか否かをより正確に判定することができる。このため、より正確に、二次電池252の電圧降下によるシステムダウンを回避しつつ動作間の待機時間を削減することができる。
また、例えば、第1負荷動作の前と、第1負荷動作と第2負荷動作との間と、の両方のタイミングにおいて太陽電池251による発電の有無を確認してもよい。これにより、例えば上述のように太陽電池251による発電がない場合に電波受信の受信結果を秒針123により指示する動作を省くとともに、第2負荷動作の開始時に太陽電池251による発電があるか否かをより正確に判定することができる。
(実施の形態にかかる電子時計による処理のさらに他の例)
次に、第1負荷動作の途中に太陽電池251による発電の有無を確認する処理について説明する。
図13は、実施の形態にかかる電子時計による処理のさらに他の一例を示すフローチャートである。実施の形態にかかる電子時計100は、第1負荷動作と、第1負荷動作の結果に基づく第2負荷動作と、を実行する場合に、図3又は図11に示した処理に代えて、例えば図13に示す処理を実行してもよい。
まず、電子時計100は、第1負荷動作(例えば電波受信)を開始する(ステップS1301)。次に、電子時計100はステップS1302へ移行する。図11に示すステップS1302~S1303は、図3に示したステップS301~S302と同様である。
ステップS1303において、発電がある場合(ステップS1303:Yes)は、電子時計100は、発電有フラグに“1”を設定し(ステップS1304)、ステップS1306へ移行する。発電有フラグは、ステップS1303による判断時に太陽電池251による発電があったか否かを示す情報であって、例えば図3に示したRAM233に記憶される。発電がない場合(ステップS1303:No)は、電子時計100は、発電有フラグに“0”を設定し(ステップS1305)、ステップS1306へ移行する。
ステップS1304又はステップS1305の次に、電子時計100は、ステップS1301によって開始した第1負荷動作を終了したとする(ステップS1306)。このように、電子時計100は、第1負荷動作の途中において太陽電池251による発電の有無を確認しておき、確認の結果を発電有フラグとして保持しておく。
次に、電子時計100は、ステップS1304又はステップS1305によって設定した発電有フラグの値が“1”であるか“0”であるかを判断する(ステップS1307)。発電有フラグの値が“1”である場合(ステップS1307:Yes)は、電子時計100は、上述の電圧復帰待機処理を行わずにステップS1309へ移行する。
ステップS1307において、発電有フラグの値が“1”でない場合(ステップS1307:No)は、電子時計100は、上述の電圧復帰待機処理を行う(ステップS1308)。次に、電子時計100は、第2負荷動作(例えば高速運針)を行い(ステップS1309)、一連の処理を終了する。図13に示したように、電子時計100は、第1負荷動作の途中において太陽電池251による発電の有無を確認してもよい。
(図13に示した処理による電子時計の発電なしの場合の指針挙動)
図14は、図13に示した処理による電子時計の発電なしの場合の指針挙動の一例を示す図である。図14においては、電子時計100が、午前2時になると、第1負荷動作として電波受信を行い、第2負荷動作として高速運針を行い、電波受信の途中に太陽電池251による発電がなかった場合の各指針の挙動について説明する。
AM2:00:00(午前2時)になると、電子時計100は、電波受信を開始するとともに、指針挙動1401に示すように、RX表記部141を指示するように秒針123を駆動し、秒針123の回転を停止させる。次に、電子時計100が、ある時刻(AM2:YY:XX)に受信を開始した電波に基づく分同期に成功したとする(分同期OK)。この場合に、電子時計100は、指針挙動1402に示すように、内部時刻を表示するように、停止していた時針121、分針122、秒針123を駆動する(表示更新)。内部時刻の時分を時針121、分針122にて示した後に、秒針123は、再びRX表記部141を指示して停止するようにし、受信の間1分ごとに秒針123を1周させて、時針121及び、分針122を送るようにしてもよい。
次に、電子時計100が、電波受信に成功し(受信完了)、受信した電波に基づいて内部時刻を修正したとする(時刻修正)。この時点まで、電子時計100は、指針挙動1403に示すように、修正前の内部時刻を表示するように時針121、分針122、秒針123を駆動している。そして、修正後の内部時刻がAM2:03:50であったとする。
また、電子時計100は、指針挙動1401~1403に対応する期間、すなわち電波受信中に、太陽電池251による発電の有無を確認する。ここでは太陽電池251による発電がないと判断される(発電なし)。この場合に、電子時計100は、上述の電圧復帰待機処理により例えば10分待機する。
そして、電子時計100は、待機した後に、指針挙動1404に示すように、修正した内部時刻を指示するまで時針121、分針122及び秒針123を高速に駆動する高速運針を行う。この高速運針は、図8に示した指針挙動804の高速運針と同様である。この後、電子時計100は、内部時刻の進行に応じて時針121、分針122及び秒針123を駆動する通常運針を行う。
(図13に示した処理による電子時計の発電ありの場合の指針挙動)
図13に示した処理において、電波受信の直後に太陽電池251による発電があった場合、電子時計100は、図14に示した挙動において、電圧復帰待機処理による10分の待機を行わずに指針挙動1403から指針挙動1404へ移行する。
(実施の形態にかかる電子時計による発電量に応じた待機の処理)
太陽電池251による発電の有無に応じて電圧復帰待機処理を行うか否かを切り替える処理について説明したが、電子時計100は、太陽電池251による発電量に応じた時間だけ待機する電圧復帰待機処理を行ってもよい。
図15は、実施の形態にかかる電子時計による発電量に応じた待機の処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態にかかる電子時計100は、第1負荷動作と、第1負荷動作の結果に基づく第2負荷動作と、を実行する場合に、図3等に示した処理に代えて、例えば図15に示す処理を実行してもよい。まず、電子時計100は、太陽電池251による発電量を検出する(ステップS1501)。ステップS1501による発電量の検出は、例えば図4に示したステップS402における発電量の検出と同様である。
次に、電子時計100は、第1負荷動作を行う(ステップS1502)。次に、電子時計100は、ステップS1501により検出した発電量に基づく電圧復帰待機処理を行う(ステップS1503)。発電量に基づく電圧復帰待機処理は、例えば、図5に示した電圧復帰待機処理において、ステップS504における所定時間を、発電量に応じた待機時間とした処理とすることができる。発電量に応じた待機時間については後述する(例えば16参照)。次に、電子時計100は、第2負荷動作を行い(ステップS1504)、一連の処理を終了する。
太陽電池251による発電量の検出を第1負荷動作の前に実行する処理について説明したが、太陽電池251による発電量の検出を、第1負荷動作の直後又は第1負荷動作の途中において実行する処理としてもよい。
(図15に示した処理の電圧復帰待機処理における発電量に応じた待機時間)
図16は、図15に示した処理の電圧復帰待機処理における発電量に応じた待機時間の一例を示す図である。実施の形態にかかる電子時計100は、例えば図16に示すテーブル1600を記憶部(例えばROM232)に記憶している。また、不揮発性記憶領域(MONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Silicon)等)を設けて記憶しておいてもよい。テーブル1600においては、太陽電池251の発電量(LLI:Light Level Indicator)毎に、電圧復帰待機処理における待機時間が対応付けられている。
LLIは、太陽電池251の発電量のレベルを示す情報である。LLIは、値が大きいほど太陽電池251の発電量が多いことを示す。図16に示す例では、LLIが8以上の発電量に0分の待機時間が対応付けられ、LLIが5~7の発電量に1分の待機時間が対応付けられている。また、LLIが2~4の発電量に3分の待機時間が対応付けられ、LLIが1以下の発電量に5分の待機時間が対応付けられている。このように、発電量が多いほど待機時間が短くなるように発電量と待機時間が対応付けられている。
例えば、電子時計100は、図15に示したステップS1501において太陽電池251の発電量を検出し、検出した発電量を示すLLIを生成する。そして、電子時計100は、図15に示したステップS1503において、図5に示した電圧復帰待機処理を実行し、その際のステップS504の所定時間として、生成したLLIとテーブル1600において対応付けられている待機時間を設定する。
これにより、検出された太陽電池251の発電量が多いほど、電圧復帰待機処理における待機時間を短くすることができる。このため、二次電池252の電圧降下によるシステムダウンを回避しつつ動作間の待機時間を削減することができる。
図15に示したステップS1503の電圧復帰待機処理として、図5に示した電圧復帰待機処理を行う場合について説明したが、このような処理に限らない。例えば、電子時計100は、図15に示したステップS1503の電圧復帰待機処理として、図5に示した電圧復帰待機処理からステップS502及びステップS503を省いた処理を行ってもよい。
また、電子時計100は、検出した発電量に対応する待機時間が0分である場合は、図15に示したステップS1503の電圧復帰待機処理として、図5に示した電圧復帰待機処理からステップS501及びステップS505を省いた処理を行ってもよい。すなわち、この場合に電子時計100は省エネルギー状態への移行を行わなくてもよい。
図16に示したように、電子時計100は、太陽電池251による発電量の検出結果に応じて待機時間を設定した電圧復帰待機処理を行ってもよい。また、電子時計100は、太陽電池251による発電量の検出結果に加えて、二次電池252の電池電圧(出力電圧)の検出結果に応じて待機時間を設定した電圧復帰待機処理を行ってもよい。
(実施の形態にかかる電子時計の電圧復帰待機処理における太陽電池の発電量及び二次電池の電池電圧に応じた待機時間)
図17は、実施の形態にかかる電子時計の電圧復帰待機処理における太陽電池の発電量及び二次電池の電池電圧に応じた待機時間の一例を示す図である。実施の形態にかかる電子時計100は、例えば図17に示すテーブル1700を記憶部(例えばROM232)に記憶していてもよい。また、不揮発性記憶領域(MONOS等)を設けて記憶しておいてもよい。テーブル1700においては、太陽電池251の発電量(LLI)及び二次電池252の電池電圧[V]の組み合わせ毎に、電圧復帰待機処理における待機時間が対応付けられている。
テーブル1700においては、一定の二次電池252の電池電圧においては、太陽電池251の発電量が多いほど待機時間が短くなるように発電量、電池電圧及び待機時間が対応付けられている。また、テーブル1700においては、一定の太陽電池251の発電量においては、二次電池252の電池電圧が高いほど待機時間が短くなるように発電量、電池電圧及び待機時間が対応付けられている。
例えば、電子時計100は、図15に示したステップS1501において太陽電池251の発電量を検出し、検出した発電量を示すLLIを生成する。また、電子時計100は、図15に示したステップS1501において二次電池252の電池電圧を検出する。また、電子時計100は、生成したLLI及び検出した電池電圧の組み合わせとテーブル1700において対応付けられている待機時間を特定する。そして、電子時計100は、図15に示したステップS1503において、図5に示した電圧復帰待機処理を実行し、その際のステップS504の所定時間として、特定した待機時間を設定する。
これにより、検出された太陽電池251の発電量が多いほど、また検出された二次電池252の電池電圧が高いほど、電圧復帰待機処理における待機時間を短くすることができる。このため、二次電池252の電圧降下によるシステムダウンを回避しつつ動作間の待機時間を削減することができる。
また、電圧復帰待機処理における待機時間は、太陽電池251による発電量や二次電池252の出力電圧に限らず、各種のパラメータに応じて設定することができる。例えば、電子時計100は、第1負荷動作(例えば電波受信や後述の針位置検出処理)にかかった時間を計測し、計測した時間が長いほど、電圧復帰待機処理における待機時間(所定時間)を長く設定してもよい。
これにより、第1負荷動作による太陽電池251の出力電圧の降下量が大きいほど、電圧復帰待機処理における待機時間を長くし、第2負荷動作の実行時に太陽電池251の出力電圧がシステムダウンライン701を下回ることを回避することができる。
また、電子時計100は、第2負荷動作における消費電力を予測し、予測した消費電力が大きいほど、電圧復帰待機処理における待機時間を長く設定してもよい。例えば第1負荷動作が電波受信であり第2負荷動作が高速運針であるとする。この場合に、電子時計100は、電波受信に基づく内部時刻の補正の量及び方向に基づいて、高速運針における指針の駆動の量及び方向(正転又は逆転)を算出することにより高速運針における消費電力を予測することができる。
これにより、第2負荷動作による太陽電池251の出力電圧の降下量が大きいほど、電圧復帰待機処理における待機時間を長くし、第2負荷動作の実行時に太陽電池251の出力電圧がシステムダウンライン701を下回ることを回避することができる。
また、電子時計100は、第1負荷動作が標準電波の受信である場合に、受信対象の標準電波の種別(又は送信局の種別)に応じて電圧復帰待機処理における待機時間を設定してもよい。標準電波の種別とは、例えば標準電波の周波数、変調方式、符号化方式、データ長などである。
例えば、電子時計100は、受信対象の標準電波の送信周波数が、受信に要する消費電力が大きい周波数であるほど、電圧復帰待機処理における待機時間を長く設定する。また、例えば、電子時計100は、受信対象の標準電波のデータ長が長いほど、受信に時間がかかり消費電力が大きいため、電圧復帰待機処理における待機時間を長く設定する。
同様に、電子時計100は、第1負荷動作が衛星電波の受信である場合に、受信の種別に応じて電圧復帰待機処理における待機時間を設定してもよい。例えば、衛星電波の受信には、測時受信、測位受信及びうるう秒情報受信が含まれ、これらの消費電力はそれぞれ異なる。一例としては、測時受信の消費電力が最も小さく、うるう秒情報の消費電力が最も大きい。この場合に、電子時計100は、消費電力が大きい受信を行う場合ほど、電圧復帰待機処理における待機時間を長く設定する。
また、例えば、電子時計100が、衛星電波の受信に基づく時刻修正と標準電波の受信に基づく時刻修正との両方が可能であるとする。ここで、衛星電波の受信は、標準電波の受信よりも消費電力が大きい。このため、例えば、電子時計100は、第1負荷動作として標準電波の受信を行い第2負荷動作として高速運針を行う場合の待機時間を、第1負荷動作として衛星電波の受信を行い第2負荷動作として高速運針を行う場合の待機時間よりも短く設定してもよい。これにより、例えば第1負荷動作として標準電波を受信するため消費電力が小さい場合には待機時間を短くして高速運針を早期に実行し、動作間の待機時間をさらに削減することができる。
また、第1負荷動作や第2負荷動作として適用可能な電子時計100による受信は、衛星電波や標準電波の受信に限らず、BluetoothやWi-Fiなどの無線通信における受信であってもよい。例えば第1負荷動作としてBluetoothやWi-Fiなどの無線通信における受信を行う場合においても、電子時計100は、受信に要する消費電力の大きさに応じて待機時間を設定してもよい。
これにより、第1負荷動作による太陽電池251の出力電圧の降下量が大きいほど、電圧復帰待機処理における待機時間を長くし、第2負荷動作の実行時に太陽電池251の出力電圧がシステムダウンライン701を下回ることを回避することができる。
(実施の形態にかかる電子時計による第2負荷動作を時針・日車駆動とする場合の動作)
図18は、実施の形態にかかる電子時計による第2負荷動作を時針・日車駆動とする場合の動作の一例を示す図である。例えば、電子時計100において、分針122と秒針123とが連動し、時針121と日車150とが連動する場合について説明する。
すなわち、分針122及び秒針123は駆動系(例えばステップモータ)が共通であり個別に駆動できない。また、時針121及び日車150も駆動系が共通であり個別に駆動できない。そして、分針122及び秒針123の駆動系と、時針121及び日車150の駆動系と、は互いに独立しており、分針122及び秒針123は、時針121及び日車150とは別に駆動することができる。
また、上述の第1負荷動作は電波受信であるとする。この場合に、上述の第2負荷動作は、例えば時針121及び日車150の高速駆動としてもよい。具体的には、電子時計100は、第1負荷動作として電波受信1801を行うと、受信した電波に基づいて内部時刻を修正する。また、電子時計100は、電波受信1801の前、電波受信1801の直後、又は電波受信1801の途中において太陽電池251による充電の有無を確認する。
太陽電池251による充電がない場合、電子時計100は、上述の電圧復帰待機処理と同様の電圧復帰待機処理1802を行い、その後に第2負荷動作として時針・日車駆動1803を行う。時針・日車駆動1803において、電子時計100は、時針121及び日車150が表示する時及び日付が修正後の内部時刻の時及び日付と一致するまで時針121及び日車150を高速に回転させる。そして、電子時計100は、時針121及び日車150の通常駆動(内部時刻の進行に応じた駆動)を開始する。
次に、電子時計100は、分針122及び秒針123を、分針122及び秒針123が表示する分及び秒が修正後の内部時刻の分及び秒と一致するまで停止させる時刻一致待機1804を行う。次に、電子時計100は、分針122及び秒針123の通常運針1805(内部時刻の進行に応じた運針)を開始する。
出力電圧変化1810は、図18に示した電子時計100の動作時の二次電池252の出力電圧の時間変化である。出力電圧変化1810に示すように、図18に示した電子時計100の動作においても、二次電池252の出力電圧がシステムダウンライン701を下回ることを回避することができる。
太陽電池251による充電がない場合の電子時計100の動作について説明したが、図18に示した例において、太陽電池251による充電がある場合は、電圧復帰待機処理1802を省き、電波受信1801の直後に時針・日車駆動1803が行われる。
(実施の形態にかかる電子時計による第2負荷動作を時針・日車駆動とする場合の動作の他の例)
図19は、実施の形態にかかる電子時計による第2負荷動作を時針・日車駆動とする場合の動作の他の一例を示す図である。図19において、図18に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図19に示すように、上述した時針・日車駆動1803において、電子時計100は、時針121及び日車150が表示する時及び日付が修正後の内部時刻の時及び日付と一致するまで、時針121及び日車150を、時間間隔を空けながら小刻みに回転させる。
例えば、電子時計100は、内部時刻において1分が経過する毎に時針121及び日車150を僅かに回転させる処理を、時針121及び日車150が表示する時及び日付が修正後の内部時刻の時及び日付と一致するまで行う。これにより、第2負荷動作である時針・日車駆動1803における二次電池252の出力電圧の降下を抑制することができる。
出力電圧変化1910は、図19に示した電子時計100の動作時の二次電池252の出力電圧の時間変化である。出力電圧変化1910に示すように、図19に示した電子時計100の動作においても、二次電池252の出力電圧がシステムダウンライン701を下回ることを回避することができる。
(実施の形態にかかる電子時計による第2負荷動作を時針・分針駆動とする場合の動作)
図20は、実施の形態にかかる電子時計による第2負荷動作を時針・分針駆動とする場合の動作の一例を示す図である。図20において、図18に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。例えば、電子時計100において、分針122と時針121とが連動する場合について説明する。
すなわち、時針121及び分針122は駆動系が共通であり個別に駆動できない。そして、秒針123の駆動系と、時針121及び分針122の駆動系と、は互いに独立しており、秒針123は、時針121及び分針122とは別に駆動することができる。
この場合に、電子時計100は、図18に示した時針・日車駆動1803及び時刻一致待機1804に代えて、図19に示すように時針・分針駆動2001及び時刻一致待機2002を行う。この場合に、上述の第2負荷動作は例えば時針・分針駆動2001とすることができる。
時針・分針駆動2001において、電子時計100は、時針121及び分針122が表示する時及び分が修正後の内部時刻の時及び分と一致するまで時針121及び分針122を高速に回転させる。次に、電子時計100は、時針121及び分針122の通常駆動(内部時刻の進行に応じた駆動)を開始する。
次に、電子時計100は、秒針123を、秒針123が表示する秒が修正後の内部時刻の秒と一致するまで停止させる時刻一致待機2002を行う。次に、電子時計100は、秒針123の通常運針1805(内部時刻の進行に応じた運針)を開始する。
出力電圧変化2010は、図20に示した電子時計100の動作時の二次電池252の出力電圧の時間変化である。出力電圧変化2010に示すように、図20に示した電子時計100の動作においても、二次電池252の出力電圧がシステムダウンライン701を下回ることを回避することができる。
図20に示した時針・分針駆動2001において、電子時計100は、以下のような処理を行ってもよい。すなわち、電子時計100は、時針121及び分針122の回転方向が正転方向である場合(例えば内部時刻を進める修正を行った場合)は時針121及び分針122を高速に回転させる。また、電子時計100は、時針121及び分針122の回転方向が逆転方向である場合は、時針121及び分針122を、時針121及び分針122が表示する時及び分が内部時刻と一致するまで停止させる。
これにより、時針121及び分針122の回転方向が比較的に消費電力の小さい正転方向である場合は時針121及び分針122の高速駆動を行うことにより内部時刻と表示時刻を一致させることができる。また、時針121及び分針122の回転方向が比較的に消費電力の大きい逆転方向である場合は時針121及び分針122を停止させることにより内部時刻と表示時刻を一致させることができる。
(実施の形態にかかる電子時計による複数回分の検出結果に基づく発電の有無の判断方法の例)
図21は、実施の形態にかかる電子時計による複数回分の検出結果に基づく発電の有無の判断方法の例を示す図である。図21に示す検出結果例2101~2105のそれぞれは、図4に示した発電量検出処理において、ステップS407の所定回数を10回とした場合にステップS406によって記憶される10回分の発電検出フラグの例である。
検出結果例2101~2105のそれぞれにおいて、検出タイミングは、図4のステップS402による発電量の検出が行われた各タイミングである。例えば、検出タイミングの“1”は、ステップS402が1回目に行われたタイミングである。同様に、検出タイミングの“2”は、ステップS402が2回目に行われたタイミングである。また、検出タイミングの“10”は、ステップS402が10回目に行われたタイミングである。すなわち、値が大きい検出タイミングほど新しい検出タイミングである。
検出結果例2101~2105のそれぞれにおいて、発電検出フラグは、図4のステップS406によって記憶された発電検出フラグである。例えば、検出結果例2101は、検出タイミングの“1”~“10”の全ての発電検出フラグが“1”になっており、10回の検出タイミングの全てにおいて太陽電池251による発電が検出されたことを示している。
図3に示したステップS302などの、太陽電池251による発電があるか否かの判断において、電子時計100は、検出結果例2101のように10回の検出タイミングの全ての発電検出フラグが“1”になっている場合は太陽電池251による発電があると判断する。また、電子時計100は、検出結果例2102のように10回の検出タイミングの全ての発電検出フラグが“0”になっている場合は太陽電池251による発電がないと判断する。
これら以外の場合については、例えば以下のように太陽電池251による発電があるか否かを判断することができる。例えば、電子時計100は、10回の検出タイミングの各発電検出フラグのうち、直近の所定数以上の発電検出フラグが全て“1”であった場合に太陽電池251による発電があると判断し、そうでない場合に太陽電池251による発電がないと判断してもよい。この所定数を5とすると、例えば検出結果例2103においては、直近の5個(≧5個)の発電検出フラグが全て“1”であるため、太陽電池251による発電があると判断される。
また、電子時計100は、10回の検出タイミングの各発電検出フラグのうち、直近の所定数以上の発電検出フラグが全て“0”であった場合に太陽電池251による発電がないと判断し、そうでない場合に太陽電池251による発電があると判断してもよい。この所定数を5とすると、例えば検出結果例2104においては、直近の5個(≧5個)の発電検出フラグが全て“0”であるため、太陽電池251による発電がないと判断される。
また、電子時計100は、10回の検出タイミングの各発電検出フラグのうち所定数以上の発電検出フラグが“1”であった場合に太陽電池251による発電があると判断し、そうでない場合に太陽電池251による発電がないと判断してもよい。この所定数を5とすると、例えば検出結果例2105においては、5個(≧5個)の発電検出フラグが“1”であるため、太陽電池251による発電があると判断される。
また、電子時計100は、上述の各判断方法を組み合わせて太陽電池251による発電があるか否かを判断してもよい。一例としては、電子時計100は、10回の検出タイミングの各発電検出フラグのうち5個以上の発電検出フラグが“1”であった場合、又は10回の検出タイミングの各発電検出フラグのうち直近の3個以上の発電検出フラグが“1”であった場合に太陽電池251による発電があると判断し、これらのいずれでもない場合に太陽電池251による発電がないと判断してもよい。
(実施の形態にかかる電子時計による重み付けを用いた発電の有無の判断)
図22は、実施の形態にかかる電子時計による重み付けを用いた発電の有無の判断の一例を示す図である。図22に示す検出結果例2201は、図4に示した発電量検出処理において、ステップS407の所定回数を10回とした場合にステップS406によって記憶される10回分の発電検出フラグの例である。
重み係数2202は、検出タイミング毎の重み係数であり、例えば新しい検出タイミングほど大きくなるように予め設定されている。図22に示す例では、各検出タイミングの重み係数は、それぞれの検出タイミングの値と同じ値に設定されている。
評価結果2203は、検出結果例2101に基づく電子時計100による評価結果である。評価結果2203は、検出タイミング毎のポイントと、合計ポイントと、を含む。評価結果2203のポイントは、検出タイミング毎に、発電検出フラグの値と重み係数とに基づいて算出された値である。例えば、電子時計100は、検出タイミング毎に、発電検出フラグの値と重み係数とを乗算することによりポイントを算出する。
評価結果2203の合計ポイントは、検出タイミング毎のポイントの合計値である。例えば、図3に示したステップS302などの、太陽電池251による発電があるか否かの判断において、電子時計100は、合計ポイントが所定ポイント以上であれば太陽電池251による発電があると判断し、合計ポイントが所定ポイント未満であれば太陽電池251による発電がないと判断する。例えばこの所定ポイントを“20”とすると、図22に示す例においては合計ポイントが26(≧20)であるため、太陽電池251による発電があると判断される。
(実施の形態にかかる電子時計によるLLIを用いた発電の有無の判断)
図23は、実施の形態にかかる電子時計によるLLIを用いた発電の有無の判断の一例を示す図である。図23に示す検出結果例2301は、図4に示した発電量検出処理において、ステップS407の所定回数を10回とした場合にステップS406によって記憶される10回分の発電検出フラグの例である。ただし、図23に示す例では、検出タイミング毎に、図4に示したステップS402によって検出された発電量を示すLLIも検出結果例2301に含まれている。
例えば、図3に示したステップS302などの、太陽電池251による発電があるか否かの判断において、電子時計100は、検出結果例2301において所定値以上のLLIが所定数以上ある場合は太陽電池251による発電があると判断し、そうでない場合は太陽電池251による発電がないと判断する。例えばこの所定値を“8”とし、この所定数を“5”とすると、図23に示す例においては“8”以上のLLIが5個あるため太陽電池251による発電があると判断される。
なお、図23に示す例においては、図4に示した発電量検出処理において、ステップS403~S405を省き、ステップS406においてはステップS402によって検出された発電量を示すLLIをRAM等の記憶部に記憶するようにしてもよい。この場合は、検出結果例2301に発電検出フラグは含まれない。
(実施の形態にかかる電子時計の第1負荷動作及び第2負荷動作)
図24は、実施の形態にかかる電子時計の第1負荷動作及び第2負荷動作の他の一例を示すフローチャートである。例えば、電子時計100に対する衝撃等により秒針123などの位置ズレが発生する場合があり、電子時計100は、この位置ズレを修正する針位置修正動作を行う。
針位置修正動作は、秒針123の位置ズレを検出する針位置検出処理を行い、針位置検出処理の結果に応じて秒針123の位置ズレを修正する針位置修正を行う動作である。この場合に、上述の第1負荷動作を針位置検出処理とし、上述の第2負荷動作を針位置修正とすることができる。
図24においては、図1に示した処理において、第1負荷動作を針位置検出処理とし、第2負荷動作を針位置修正とした例について説明する。図24に示すステップS2401~S2402は、図3に示したステップS301~S302と同様である。
ステップS2402において、発電がない場合(ステップS2402:No)は、電子時計100は、第1負荷動作として、秒針123の位置ズレを検出する針位置検出処理を行う(ステップS2403)。針位置検出処理については後述する(例えば図27参照)。次に、電子時計100は、図3に示したステップS304と同様に電圧復帰待機処理を行い(ステップS2404)、ステップS2406へ移行する。
ステップS2402において、発電がある場合(ステップS2402:Yes)は、電子時計100は、ステップS2403と同様に第1負荷動作として針位置検出処理を行い(ステップS2405)、ステップS2406へ移行する。
ステップS2404又はステップS2405の次に、電子時計100は、第2負荷動作として以下の針位置修正を行う。すなわち、電子時計100は、ステップS2403又はステップS2405の針位置検出処理の結果に基づいて、秒針123の位置ズレがあるか否かを判断する(ステップS2406)。ステップS2406の判断については後述する(例えば図27参照)。位置ズレがない場合(ステップS2406:No)は、電子時計100は、秒針123の位置を修正せずに、一連の針位置修正動作を終了する。
ステップS2406において、位置ズレがある場合(ステップS2406:Yes)は、電子時計100は、ステップS2403又はステップS2405の針位置検出処理において秒針123の位置のズレ量を検出できたか否かを判断する(ステップS2407)。ステップS2407の判断については後述する(例えば図27参照)。
ステップS2407において、ズレ量を検出できた場合(ステップS2407:Yes)は、電子時計100は、検出したズレ量に基づいて秒針123の針位置を修正し(ステップS2408)、一連の針位置修正動作を終了する。ズレ量を検出できていない場合(ステップS2407:No)は、秒針123の位置がずれているにも拘らずそのずれを修正できない状況である。この場合は、電子時計100は、時刻を表示する動作(例えばステップモータの駆動)を停止し(ステップS2409)、一連の針位置修正動作を終了する。
図3に示した処理において第1負荷動作を針位置検出処理とし第2負荷動作を針位置修正とした例について説明したが、図11又は図13に示した処理において第1負荷動作を針位置検出処理とし第2負荷動作を針位置修正としてもよい。すなわち、太陽電池251による発電量の検出を、針位置検出処理の直後又は針位置検出処理の途中において実行する処理としてもよい。
(実施の形態にかかる電子時計における針位置判定を行う構成)
図25及び図26は、実施の形態にかかる電子時計における針位置検出処理を行う構成の一例を示す図である。図25に示す歯車2500は、秒針123の駆動部の輪列に含まれる歯車である。歯車2500は、ステップモータの回転に応じて回転軸2501を中心として回転することにより秒針123を駆動する。歯車2500における回転軸2501とは異なる位置には、回転軸2501と平行な方向に歯車2500を貫通する開口部2502が設けられている。
図26は、図25に示した歯車2500及び歯車2500の周辺の断面の一部を示している。天井部2601及び底部2602は、秒針123の駆動部の輪列を収納する部分の天井部及び底面である。天井部2601には発光部2603が設けられている。発光部2603は、例えばLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)により実現することができる。発光部2603は、歯車2500に向かって、歯車2500の回転軸と平行な方向、すなわち歯車2500の開口部2502と平行な方向の光(例えば赤外線)を出射する。
また、発光部2603は、天井部2601のうち、歯車2500の回転角度が所定の角度である状態において、出射した光が開口部2502を通る位置に設けられている。歯車2500の回転角度が所定の角度である状態とは、秒針123が所定の方向(例えば0秒の方向)を指示する状態である。
底部2602には、発光部2603と対向するように受光部2604が設けられている。受光部2604は、例えばフォトトランジスタにより実現することができる。受光部2604は、発光部2603によって出射された光が歯車2500の開口部2502を通る場合にのみ、その光を受光する。したがって、受光部2604は、発光部2603が発光し、かつ秒針123が所定の方向を指示している場合にのみ光を受光する。
電子時計100は、図25及び図26に示した構成を利用して、秒針123の指示方向が所定の方向(例えば0秒の方向)になっているか否かを判定する針位置判定を行う。すなわち、電子時計100は、例えば発光部2603を発光させ、そのときの受光部2604の出力電流を検出して受光部2604が光を受光したか否かを判定する。これにより、現在時点において秒針123の指示方向が所定の方向(例えば0秒の方向)になっているか否かを判定することができる。これらの制御や判定は、例えば図2に示した制御回路230(演算部231)によって行われる。
(実施の形態にかかる電子時計による針位置検出処理)
図27は、実施の形態にかかる電子時計による針位置検出処理の一例を示すフローチャートである。電子時計100は、例えば図24に示したステップS2403又はステップS2405の針位置検出処理として、例えば図27に示す処理を実行する。
まず、電子時計100は、内部時刻に基づく現在時点が針位置判定タイミングであるか否かを判断し(ステップS2701)、針位置判定タイミングになるまで待つ(ステップS2701:Noのループ)。針位置判定タイミングは、例えば、秒針123の位置ズレがない状況において秒針123が所定の方向(例えば0秒の方向)を指示するタイミング(例えば毎分の0秒)である。
ステップS2701において、針位置判定タイミングになると(ステップS2701:Yes)、電子時計100は針位置判定を行う(ステップS2702)。針位置判定は、例えば、上述のように、図25に示した発光部2603を発光させ、そのときの受光部2604からの出力電流を検出する処理である。
次に、電子時計100は、ステップS2702の針位置判定によって秒針123の針位置が検出されたか否か、すなわち秒針123が所定の方向(例えば0秒の方向)を指示しているか否かを判断する(ステップS2703)。秒針123の針位置が検出されたか否かは、例えば受光部2604からの出力電流が閾値を超えたか否かによって判断することができる。
ステップS2703において、針位置が検出された場合(ステップS2703:Yes)は、秒針123の位置ズレがない状態である。この場合に、電子時計100は、針ズレフラグを“0”に設定し(ステップS2704)、一連の針位置検出処理を終了する。針ズレフラグは、秒針123の位置ズレがあるか否かを示す情報であって、例えば図3に示したRAM233に記憶される。
ステップS2703において、針位置を検出できなかった場合(ステップS2703:No)は、秒針123の位置ズレがある状態である。この場合に、電子時計100は、針ズレフラグを“1”に設定する(ステップS2705)。次に、電子時計100は、1秒毎の針位置判定を開始する(ステップS2706)。すなわち、電子時計100は、発光部2603を発光させ、そのときの受光部2604からの出力電流を検出する処理を1秒毎に繰り返す。
次に、電子時計100は、例えばステップS2706から60秒以内に針位置が検出されたか否かを判断する(ステップS2707)。例えば、電子時計100は、1秒毎の針位置判定において針位置が検出されると、その時点で針位置が検出されたと判断してステップS2707を終了する。一方、電子時計100は、1秒毎の針位置判定において針位置が検出されない状態でステップS2706から60秒が経過した場合は、針位置が検出されなかったと判断してステップS2707を終了する。
ステップS2707において、60秒以内に針位置が検出された場合(ステップS2707:Yes)は、電子時計100は、ステップS2706によって開始した1秒毎の針位置判定を終了する(ステップS2708)。次に、電子時計100は、秒針123のズレ量を算出する(ステップS2709)。秒針123のズレ量は、例えばステップS2701において針位置判定タイミングとなった時点の内部時刻と、針位置が検出された時点の内部時刻と、の差により算出することができる。
次に、電子時計100は、ズレ量検出フラグを“1”に設定し(ステップS2710)、一連の針位置検出処理を終了する。ズレ量検出フラグは、秒針123のズレ量を検出できたか否かを示す情報であって、例えば図3に示したRAM233に記憶される。
ステップS2707において、60秒以内に針位置が検出されなかった場合(ステップS2707:No)は、電子時計100は、例えばステップS2706から12時間以内に針位置が検出されたか否かを判断する(ステップS2711)。例えば、電子時計100は、1秒毎の針位置判定において針位置が検出されると、その時点で針位置が検出されたと判断してステップS2711を終了する。一方、電子時計100は、1秒毎の針位置判定において針位置が検出されない状態でステップS2706から12時間が経過した場合は、針位置が検出されなかったと判断してステップS2711を終了する。
ステップS2711において、12時間以内に針位置が検出された場合(ステップS2711:Yes)は、電子時計100は、ステップS2708へ移行する。12時間以内に針位置が検出されていない場合(ステップS2711:No)は、秒針123のズレ量を検出できない状況である。この場合に、電子時計100は、ステップS2706によって開始した1秒毎の針位置判定を終了する(ステップS2712)。次に、電子時計100は、ズレ量検出フラグを“0”に設定し(ステップS2713)、一連の針位置検出処理を終了する。
例えば、電子時計100は、図24に示したステップS2406において、ステップS2704又はステップS2705により設定した針ズレフラグの値を参照することにより、秒針123の位置ズレがあるか否かを判断する。また、電子時計100は、図24に示したステップS2407において、ステップS2710又はステップS2713により設定したズレ量検出フラグの値を参照することにより、秒針123の位置のズレ量を検出できたか否かを判断する。また、電子時計100は、図24に示したステップS2408において、ステップS2709によって算出したズレ量に基づいて秒針123の針位置を修正する。
このように、実施の形態にかかる電子時計100によれば、発電部の発電により充電を行う二次電池の電力により第1負荷動作を行った後に、その二次電池の電力により第2負荷動作を行い、発電部による発電の検出の結果に応じて第1負荷動作と第2負荷動作との間に待機時間を設定することができる。
これにより、発電部による発電がない(又は発電量が少ない)場合は、第1負荷動作の後に待機して第1負荷動作により降下した二次電池の出力電圧を復帰させてから第2負荷動作を行い、第2負荷動作の際のシステムダウンを回避することができる。また、発電部による発電がある(又は発電量が多い)場合は、第1負荷動作の後に待機せず(又は短く待機して)第2負荷動作を行い、第1負荷動作と第2負荷動作との間の待機時間を削減することができる。このため、実施の形態にかかる電子時計100によれば、二次電池の電圧降下によるシステムダウンを回避しつつ動作間の待機時間を削減することができる。
例えば、電子時計100は、発電部による発電の有無を検出し、発電部による発電がない場合は第1負荷動作と第2負荷動作との間に待機時間を設定し、発電部による発電がある場合は第1負荷動作と第2負荷動作との間に待機時間を設定しないようにする。
この場合に、電子時計100は、発電部による発電がないことにより第1負荷動作と第2負荷動作との間に設定した待機時間中において発電部による発電が検出された場合は、設定した待機時間の終了前に第2負荷動作を実行してもよい(例えば図5に示したステップS502及びステップS503)。これにより、第1負荷動作と第2負荷動作との間に設定した待機時間において発電部による発電が発生しシステムダウンを回避できる状態になった場合は第2負荷動作を早期に実行し、動作間の待機時間をさらに削減することができる。
また、電子時計100は、発電部による発電量を検出し、第1負荷動作と第2負荷動作との間に発電部による発電量に応じた長さの待機時間を設定するようにしてもよい(例えば図5の処理)。これにより、例えば発電部による発電量が大きい場合には待機時間を短くして第2負荷動作を早期に実行し、動作間の待機時間をさらに削減することができる。
また、電子時計100は、二次電池の出力電圧に応じた長さの待機時間を設定してもよい。これにより、例えば二次電池の出力電圧が高い場合には待機時間を短くして第2負荷動作を早期に実行し、動作間の待機時間をさらに削減することができる。
また、電子時計100は、第1負荷動作にかかった時間に応じた長さの待機時間を設定してもよい。これにより、例えば第1負荷動作にかかった時間が短く二次電圧の出力電圧の降下量が少ない場合には待機時間を短くして第2負荷動作を早期に実行し、動作間の待機時間をさらに削減することができる。
また、電子時計100は、第2負荷動作の消費電力の予測結果に応じた長さの待機時間を設定してもよい。これにより、例えば第2負荷動作の消費電力が小さいと予測される場合には待機時間を短くして第2負荷動作を早期に実行し、動作間の待機時間をさらに削減することができる。
また、電子時計100は、第1負荷動作の種別に応じた長さの待機時間を設定してもよい。例えば、衛星電波の受信は、標準電波の受信よりも消費電力が大きい。このため、例えば、電子時計100は、第1負荷動作として標準電波の受信を行い第2負荷動作として高速運針を行う場合の待機時間を、第1負荷動作として衛星電波の受信を行い第2負荷動作として高速運針を行う場合の待機時間よりも短く設定してもよい。これにより、例えば第1負荷動作として標準電波を受信するため消費電力が小さい場合には待機時間を短くして高速運針を早期に実行し、動作間の待機時間をさらに削減することができる。
また、電子時計100は、上述の各パラメータ(例えば太陽電池の発電量、二次電池の出力電圧、第1負荷動作にかかった時間、第2負荷動作の消費電力の予測結果など)を組み合わせて待機時間の長さを設定してもよい。
また、第1負荷動作は、例えば電波の受信とすることができる。この場合に、電子時計100は、第1負荷動作により受信する電波の種別に応じた長さの待機時間を設定してもよい。これにより、例えば第1負荷動作により受信する電波の種別が、受信に伴う消費電力が小さい種別である場合には、待機時間を短くして第2負荷動作を早期に実行し、動作間の待機時間をさらに削減することができる。
また、電子時計100は、例えば第1負荷動作の前に発電部による発電の検出を行う。これにより、第1負荷動作の実行時に、発電部による発電があるか否かを把握することができる。このため、第1負荷動作の最中、又は第1負荷動作の直後における電子時計100の表示動作を行うか否かを切り替えることができる。例えば、発電部による発電がない場合は、ユーザが電子時計100を見ていない状況である可能性が高いため、第1負荷動作の結果を指針等により表示する動作を省き、消費電力を低減することができる。
また、電子時計100は、第1負荷動作と第2負荷動作との間に発電部による発電の検出を行ってもよい。これにより、第2負荷動作の開始時に発電部による発電があるか否かをより正確に判定することができる。このため、より正確に、太陽電池の電圧降下によるシステムダウンを回避しつつ動作間の待機時間を削減することができる。また、電子時計100は、第1負荷動作の途中に発電部による発電の検出を行ってもよい。
また、例えば、第1負荷動作は時刻情報を含む電波の受信(例えば上述の電波受信)であり、第2負荷動作は第1負荷動作により受信した電波に含まれる時刻情報に基づく運針(例えば上述の高速運針)である。これにより、システムダウンを回避しつつ、電波の受信と運針との間の待機時間を削減することができる。
また、第1負荷動作は他の通信装置からのデータの受信であり、第2負荷動作は第1負荷動作により受信したデータに基づく運針であってもよい。これにより、システムダウンを回避しつつ、他の通信装置からのデータの受信と運針との間の待機時間を削減することができる。
また、第1負荷動作は指針の位置ズレの検出(例えば上述の針位置検出処理)であり、第2負荷動作は第1負荷動作により検出した位置ズレに基づく指針の位置の修正(例えば上述の針位置修正)であってもよい。これにより、システムダウンを回避しつつ、指針の位置ズレの検出と指針の位置の修正との間の待機時間を削減することができる。
また、第2負荷動作は、時刻を表示する複数の指針(時針121、分針122及び秒針123)のうち一部の指針を内部時刻に応じて駆動する動作であってもよい(例えば図18~図20参照)。この場合に、電子時計100は、例えば、第2負荷動作の後に、複数の指針のうち一部の指針とは異なる指針を内部時刻と一致するまで停止させる制御を行う。また、この場合の第1負荷動作は、例えば上述の電波受信とすることができる。
ただし、上述のように、第1負荷動作及び第2負荷動作はこれらに限らず、発電部の発電により充電する二次電池の電力を用いた各種の動作とすることができる。
上述した実施の形態において、二次電池252の充電のための発電部として太陽電池251を用いる構成について説明したが、二次電池252の充電のための発電部は太陽電池251に限らない。例えば、二次電池252の充電のための発電部は、熱発電や自動巻発電などを利用した発電部であってもよい。
以上説明したように、電子時計によれば、二次電池の電圧降下によるシステムダウンを回避しつつ動作間の待機時間を削減することができる。