JP6379527B2 - 電子時計 - Google Patents
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Description
特許文献1では、通常時刻を表示する時刻モードで第1の押しボタンを押すと、水深計測モードに切り替わる。水深計測モードで第1の押しボタンを押すと、クロノグラフモードに切り替わる。
クロノグラフモードでは、第2の押しボタンを押すとスタートし、再度第2の押しボタンを押すとストップする。また、第1の押しボタンを押すとクロノグラフモードがキャンセルされて、時刻モードに切り替わる。
そして、各機能部は、ボタンなどの操作部の各一回の操作で実行されるため、モード選択操作を行ってから、実行開始操作を行うことで二回の操作で実行する場合に比べて、操作性を向上できる。したがって、利用者は、多機能の電子時計を操作性よく扱うことができ、ユーザビリティを向上できる。
本発明によれば、第3機能が実行中は、前記モード針は第3機能で取得した測定値を指示するインジケーター針として機能するため、利用者はモード針を視認するだけで、第3機能が実行中であること、および、その測定値を容易に確認できる。
また、第1機能部および第2機能部の実行の中断を指示する1つのボタンと、第3機能部の実行の中断を指示する1つボタンとを設けた場合には、第1機能部および第2機能部による受信処理の中断を1つのボタンで中断でき、クロノグラフなどの第3機能部の実行を他のボタンで中断でき、機能別に中断ボタンが設定されているので、中断ボタンを把握しやすく、操作性を向上できる。また、第1,2機能部の実行を中断するボタンは1つのボタンで兼用しているので、各機能部用に異なる中断ボタンを設ける場合に比べてボタン数を少なくできる。
したがって、1つのボタンで第1〜3機能部の実行を指示できるので、ボタン数を少なくできる。
[電子時計を含むGPSの概略構成]
図1は、第1実施形態に係る電子時計10を示す概略図である。まず、電子時計10が、外部信号としての電波を用いて、現在地の位置情報と、時刻情報とを求めるGPSの概要を説明する。
すなわち、電子時計10の三次元の位置を特定するためのx,y,zパラメーターに加えて時刻誤差も未知数になる。そのため、電子時計10は、一般的には4つ以上のGPS衛星8からそれぞれ送信された衛星信号を受信し、その中に含まれるGPS時刻情報と軌道情報を使用して測位計算を行い、現在地の位置情報を求める。
図2は、電子時計を表面側から見た平面図であり、図3は、電子時計の概略を示す部分断面図である。本実施形態の電子時計10は、第3機能部としてクロノグラフ機能を備えている。
外装ケース30の内側には、ベゼル32の内周に取り付けられているダイヤルリング40と、光透過性の文字板11と、文字板11を貫通した指針軸25と、指針軸25を中心に周回する指針21,22,23と、各指針21,22,23,71,81,91を駆動する駆動機構140などが備えられている。
指針軸25は、外装ケース30の平面視中心を通り、表裏方向に延在する中心軸に沿って設けられている。
文字板11と、駆動機構140が取り付けられている地板125との間には、光発電を行うソーラーパネル135が備えられている。ソーラーパネル135は、光エネルギーを電気エネルギー(電力)に変換する複数のソーラーセル(光発電素子)を直列接続した円形の平板である。また、ソーラーパネル135は、太陽光の検出機能も有している。文字板11、ソーラーパネル135および地板125には、指針軸25と、第1小窓70の指針71、第2小窓80の指針81および第3小窓90の指針91の指針軸(図示せず)とが貫通する穴が形成されているとともに、カレンダー小窓15の開口部が形成されている。
すなわち、第1駆動機構は、内部時計(現在時刻)の「分」および「時」を示す指針(分針)22および指針(時針)23を駆動する。また、図2に示す指針21、第1小窓70の指針71、第2小窓80の指針81および第3小窓90の指針91も同様の駆動機構(図示略)で駆動される。すなわち、第2駆動機構はクロノグラフ機能の「秒」を示す指針(クロノグラフ秒針)21を駆動し、第3駆動機構はクロノグラフ機能の「分」を示す指針(クロノグラフ分針)71を駆動し、第4駆動機構は、内部時計の「秒」を示す指針(小秒針)81を駆動し、第5駆動機構はクロノグラフ機能の「時」を示す指針(クロノグラフ時針)91を駆動する。
文字板11の最外周には、図2に示すように、外周を60分割にする目盛と、さらに、その目盛を5分割にする1/5目盛とが、表記されている。この目盛を用いて、指針21はクロノグラフ機能の「秒」を表示し、指針22は内部時計の「分」を表示し、指針23は内部時計の「時」を表示する。なお、クロノグラフ機能は、Cボタン63と、Dボタン64との操作で、使用することができる。
第2小窓80の52秒の位置にアルファベットの「Y」と、38秒の位置にアルファベットの「N」の英字が表記されている。この英字は、本発明の小窓に設けられる受信結果を示す表示に該当し、衛星から受信した衛星信号に基づく各種情報の取得結果(Y:受信(取得)成功、N:受信(取得)失敗)と、衛星信号の自動受信(Y:自動受信ON、N:自動受信OFF)の設定とを表す。ユーザーがBボタン62を操作することにより、受信結果の表示モードに移行すると、指針81が「Y」または「N」のいずれか一方を指示し、衛星信号の取得結果を表示する。また、ユーザーがAボタン61とBボタン62とを操作して、指針81を「Y」または「N」に合わせることで、衛星信号の自動受信のON/OFFを設定することができる。
なお、本実施形態では、52秒の位置に「Y」の表記が、38秒の位置に「N」の表記が、設けられているが、これに限定されるものではない。「Y」と「N」との表記は、受信結果表示を含む小窓が設けられる位置に応じて、視認しやすい位置に設けることが好ましい。例えば、第2小窓80が文字板11の右半分の領域に位置している場合には、アルファベット「Y」,「N」を第2小窓80の右半分の領域の外縁近傍に配置するようにしてもよい。
第3小窓90の12時方向から6時方向までの範囲の目盛表示部93には、この範囲を6分割する目盛と「0」から「5」までの数字が表記されている。指針91は、この目盛を用いて、クロノグラフ機能の「時」を表示する。なお、クロノグラフ機能では、指針21,71,91を使用して5時間59分59秒までの計時が可能となっている。
タイムゾーンとは、共通の標準時を使用する地域のことであり、現在、40種類のタイムゾーンが存在している。各タイムゾーンは、標準時とUTCとの時差で区別され、例えば、日本は、UTCより9時間進んだ標準時を使用する、+9時間のタイムゾーンに属している。各タイムゾーンで使用されている標準時は、UTCと、UTCとの時差とで求めることができる。
また、ダイヤルリング40の周囲に設けられているベゼル32には、ダイヤルリング40に表記されている時差情報45の時差に対応した標準時を使用しているタイムゾーンの代表都市名を表す都市情報35が、時差情報45に併記されている。ここで、時差情報45と都市情報35との表記をタイムゾーン表示46という。本実施形態では、全世界で使用されているタイムゾーンの数と等しいタイムゾーン表示46が表記されている。
図4は、電子時計の電気制御ブロック図である。
電子時計10は、図4に示すように、CPU(中央処理装置)で構成される制御装置300と、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)で構成される記憶装置150と、受信装置(GPSモジュール)121、操作部157、駆動機構140、計時装置155の周辺装置とを備えている。これらの各装置は、データバスを介してデータを送受信する。操作部157は、図2に示すリューズ50、Aボタン61、Bボタン62、Cボタン63、Dボタン64である。なお、電子時計10は、電源となる充電可能な二次電池130(図3参照)を内蔵している。二次電池130は、ソーラーパネル135から充電回路136を介して供給される電力で充電される。
計時装置155は、二次電池130に蓄積された電力で駆動される水晶振動子等を備え、水晶振動子の発振信号に基づく基準信号を用いて時刻データを更新する。
電子時計10の記憶装置150は、前述したように、ROMおよびRAMを備える。ROMには、制御装置300で実行されるプログラムやタイムゾーン情報などが記憶される。タイムゾーン情報とは、共通の標準時を使用する地域(タイムゾーン)の位置情報(緯度・経度)と、UTCに対する時差と、を管理するデータである。
制御装置300は、記憶装置150のRAMを作業領域として使用し、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより、各種の演算、制御および計時を行う。この計時は、例えば、不図示の発振回路からの基準信号のパルス数を計数することによって行われる。
制御装置300は、電子時計10を制御するCPUで構成されている。制御装置300は、第1機能部(測時部)310と、第2機能部(測位部)320と、第3機能部(クロノグラフ部)330と、タイムゾーン設定部340と、タイムゾーン修正部350と、時刻修正部360を備える。
第1機能部310は、受信部121を作動して測時モードでの受信処理を行う測時部で構成される。本実施形態では、第1機能部310は、自動受信処理と手動受信処理とで測時モードでの受信処理を実行する。
自動受信処理は、定時自動受信処理と、光自動受信処理の2種類がある。すなわち、第1機能部310は、計時している内部時刻データが、記憶装置150に記憶された定時受信時刻になった場合に、受信部121を作動して測時モードでの定時自動受信処理を行う。
また、第1機能部310は、ソーラーパネル135の発電電圧または発電電流が設定値以上となり、屋外においてソーラーパネル135に日光が照射していると判断できる場合に、受信部121を作動して測時モードでの光自動受信処理を行う。なお、ソーラーパネル135の発電状態で受信部121を作動する処理の回数は、1日に1回などに制約してもよい。
さらに、利用者が操作部157のBボタン62を第1設定時間(3秒以上、6秒未満)押して強制受信操作を行った場合、第1機能部310は、受信部121を作動して測時モードでの手動受信処理を行う。
第2機能部320は、利用者が操作部157のBボタン62を第2設定時間(6秒以上)押して離した場合に、受信部121を作動して測位モードでの受信処理を行う。したがって、Bボタン62は、測時モードおよび測位モードの受信処理の実行を指示する受信ボタンである。
そして、制御装置300は、位置情報の取得に成功した場合、取得した位置情報(緯度、経度)に基づいてタイムゾーンデータ(時差情報)を取得して設定する。
例えば、日本標準時(JST)は、UTCに対して9時間進めた時刻(UTC+9)であるため、測位モードで取得した位置情報が日本である場合には、制御装置300は、日本標準時の時差情報(+9時間)を設定する。このため、指針22,23,81で表示される時刻は、UTCにタイムゾーンデータを加算した時刻となる。
第3機能部330は、本実施形態ではクロノグラフ機能を実行する。時刻表示モードにおいて、Cボタン63が押されると、第3機能部330が実行され、クロノグラフがスタートする。また、Cボタン63が再度押されると、クロノグラフがストップし、ストップ状態でDボタン64が押されると、クロノグラフがリセットされて時刻表示モードに戻る。したがって、Cボタン63は、第3機能部330の実行を指示する機能ボタンである。
タイムゾーン設定部340は、第2機能部320で位置情報の取得に成功した場合、取得した位置情報(緯度、経度)に基づいてタイムゾーンデータを設定する。具体的には、記憶装置150に記憶されたタイムゾーンデータ記憶部から位置情報に対応するタイムゾーンデータ(タイムゾーン情報つまり時差情報)を選択して取得し、タイムゾーンデータとして設定する。
タイムゾーン修正部350は、タイムゾーン設定部340がタイムゾーン情報を設定すると、指針22,23,81で表示される時刻を、前記タイムゾーンデータを用いて修正する。
時刻修正部360は、第1機能部310や第2機能部320の受信処理で時刻情報の取得に成功した場合、取得した時刻情報に基づいて駆動機構140によって指針21,22,23を移動し、時刻表示を更新する。
次に、電子時計10の制御処理について、図5〜9のフローチャートも参照して説明する。
[通常時刻表示モード]
図5は、電子時計10において、通常時刻を表示する通常時刻表示モードS1の処理を示すフローチャートである。この通常時刻表示モードでは、計時装置155で計時される通常時刻が指針(時針)23、指針(分針)22、指針(小秒針)81により表示される。また、カレンダー小窓15に表示される日車の数字で日を示す。
次に、制御装置300は、S4で検出した電池電圧(電池残量)が第1閾値(例えば、4.0V)以上であるかを判定する(S5)。
制御装置300は、S5でNoと判定すると、S4で検出した電池電圧が第2閾値(例えば、3.6V)以上であるかを判定する(S7)。
制御装置300は、S7でYesと判定すると、つまり検出した電池電圧が3.6V以上、4.0V未満の場合、指針(モード針)91を第3小窓90の目盛表示部93のうちの「M」を指示する位置に移動し、受信許可モードに設定する(S8)。
制御装置300は、S7でNo判定すると、つまり検出した電池電圧が3.6V未満(検出できなかった場合も含む)の場合、指針(モード針)91を第3小窓90の目盛表示部93のうちの「E」を指示する位置に移動し、受信禁止モードに設定する(S9)。
そして、制御装置300は、S6,S8,S9の処理後は、通常時刻表示モードS1のスタートに戻る。
機能実行処理S10が実行されると、制御装置300は、Aボタン61、Bボタン62、63、Dボタン64のいずれのボタンがどのように操作されたかを判定する。
具体的には、受信関係の機能を実行するBボタン62を操作した場合、制御装置300は、Bボタン62が第1設定時間(例えば、3秒以上、6秒未満)押されたかを判定し(S11)、S11でNoの場合はBボタン62が第2設定時間(例えば、6秒以上)押されたかを判定し(S12)、S12でNoの場合はBボタン62が第1設定時間未満(例えば、3秒未満)押されたかを判定する(S13)。
また、制御装置300は、S13でNoの場合はAボタン61が所定時間(例えば、3秒以上)押されたかを判定し(S14)、S14でNoの場合はCボタン63が押されたかを判定し(S15)、S15でNoの場合はリューズが0段目から1段目に引かれた状態(1段引き状態)でBボタン62が所定時間(例えば、3秒以上)押されたかを判定する(S16)。
また、制御装置300は、S14でYesと判定した場合は、受信の許可(ON)、禁止(OFF)の切替処理を実行し(S18)、S15でYesと判定した場合は、第3機能部330を実行し(S40)、S16でYesと判定した場合は、DST(サマータイム)のON/OFFの切替処理を実行する(S19)。
そして、制御装置300は、各処理S20,S30,S17,S18,S40,S19を実行した場合と、S16でNoと判定した場合は、図5の通常時刻表示モードS1に戻る。
以下に前記各処理S20,S30,S17,S18,S40,S19について説明する。
図7は第1機能部実行処理(測時受信処理)S20を示すフローチャートである。
Bボタン62を第1設定時間押したことで、第1機能部310の実行処理S20が開始されると、図7に示すように、第1機能部310は測時モードでの受信を開始する(S21)。また、第1機能部310は、指針(モード針)91を測時モードを指示する位置、つまり目盛表示部93の「TIME」を指示する位置に移動する(S22)。
すなわち、本実施形態では、受信中に、クロノグラフ機能のスタートボタン(Cボタン63)が押された場合には、受信を中止してクロノグラフをスタートする。第3機能部330の実行処理S40の詳細は後述する。
そして、第1機能部310は、S25でNoと判定した場合、測時モードでの受信に成功したかを判定する(S26)。第1機能部310は、S26でNoと判定した場合、予め設定された受信時間(例えば30秒)が経過したかを判定し(S27)、S27でNoと判定した場合はS23に戻って処理を継続する。
一方、第1機能部310は、S27でYesと判定した場合、つまり30秒経過しても衛星信号の受信に成功しない場合は、電子時計10が衛星信号を受信できない環境に配置されていると判断し、第1機能部実行処理S20を終了する。
図8は第2機能部実行処理(測位受信処理)S30を示すフローチャートである。
Bボタン62を第2設定時間押したことで、第2機能部320の実行処理S30が開始されると、図8に示すように、第2機能部320は測位モードでの受信を開始する(S31)。また、第2機能部320は、指針(モード針)91を測位モードを指示する位置、つまり目盛表示部93の「FIX」を指示する位置に移動する(S32)。
そして、第2機能部320は、S35でNoと判定した場合、測位モードでの受信に成功したかを判定する(S36)。第2機能部320は、S36でNoと判定した場合、予め設定された受信時間(例えば2分)が経過したかを判定し(S37)、S37でNoと判定した場合はS33に戻って処理を継続する。
一方、第2機能部320は、S37でYesと判定した場合、つまり2分経過しても衛星信号の受信に成功しない場合は、電子時計10が少なくとも3つのGPS衛星8を捕捉して衛星信号を受信できない環境に配置されていると判断し、第2機能部実行処理S30を終了する。
Bボタン62を第1設定時間(例えば3秒)未満押したことで、受信結果表示処理S17が実行されると、制御装置300は、前回の受信結果を表示する。具体的には、制御装置300は、指針(モード針)91を、前回の受信モードが測時モードであればTIMEを指示する位置に移動し、測位モードであればFIXを指示する位置に移動する。また、制御装置300は、指針(小秒針)81を、前回の受信結果が成功であれば第2小窓80の「Y」を指示する位置に移動し、前回の受信結果が失敗であれば第2小窓80の「N」を指示する位置に移動する。この受信結果表示は、所定時間(例えば5秒)経過すると終了し、通常時刻表示モードS1に戻る。また、受信結果表示は、Bボタン62を再度押したり、表示キャンセル用に設定されたボタン(例えばDボタン64)を押すことで終了してもよい。
Aボタン61を設定時間(例えば3秒以上)押したことで、受信ON/OFF切替処理S18が実行されると、制御装置300は、受信の許可(ON)、禁止(OFF)の各モードを交互に切り替える。具体的には、制御装置300は、受信禁止モード(OFFモード、機内モード)であれば、指針(モード針)91を目盛表示部93の10時方向の「OFF」を指示する位置に移動する。すなわち、指針91を目盛表示部93の「F」と「TIME」の間の「OFF」を指示する位置に移動する。
一方、制御装置300は、受信許可モード(ON)であれば、指針91を通常時刻表示モードと同じく電池電圧レベルを指示する位置(F,M,Eのいずれか)に移動する。
そして、制御装置300は、受信禁止モード(OFFモード)に設定されている場合は、第1機能部310、第2機能部320の受信処理(自動受信、手動受信の両方)を禁止する。すなわち、Bボタン62が第1設定時間や第2設定時間押されても、第1機能部310や第2機能部320は処理を開始せず、指針91を「OFF」の位置に移動する。このため、飛行機に搭乗している場合に衛星信号の受信動作が開始されることを禁止でき、受信操作を行っても指針91が「OFF」の位置を指示するため、利用者は受信禁止モードに設定されていることを容易に把握できる。
この受信禁止モード(OFF)の表示は、所定時間(例えば5秒)経過すると終了し、通常時刻表示モードS1に戻る。また、受信禁止モード(OFF)の表示は、Aボタン61を再度押したり、表示キャンセル用に設定されたボタン(例えばDボタン64)を押すことで終了してもよい。
図9は第3機能部実行処理(クロノグラフ処理)S40を示すフローチャートである。
Cボタン63を押したことで、第3機能部330の実行処理S40が開始されると、図9に示すように、第3機能部330はクロノグラフ機能をスタートする(S41)。
すると、第3機能部330は、指針(1/5秒クロノグラフ針)21、指針(分クロノグラフ針)71、指針(時クロノグラフ針)91の運針を開始する(S42)。具体的には、指針21が12時位置(0秒位置)から時計回りに動き出す。また、指針91は、0時間である12時位置の初期位置に移動する。なお、指針71は、通常時刻表示モードで0分である60分位置に位置しているので、その状態のままスタートする。
指針91は最大で6時間の位置まで移動する。したがって、第3機能部実行処理(クロノグラフ処理)S40は、最大で6時間計測できる。
第3機能部330は、クロノグラフ動作の停止中に、Dボタン64が押されたかを判定し(S46)、S46でNoの場合、Cボタン63が押されたかを判定する(S47)。
第3機能部330は、S47でNoの場合は、S46に戻って処理を継続する。
第3機能部330は、S47でYesの場合、つまり再度Cボタン63が押された場合は、S41に戻ってクロノグラフ動作を再開する。
そして、第3機能部330は第3機能部実行処理S40を終了し、図5,6に示すように、通常時刻表示モードS1に戻る。
リューズ50を1段引き状態にすると、設定中のタイムゾーンが確認できる。制御装置300は、指針21を現在設定されているタイムゾーンの都市名および時差表示を指示する位置に移動する。
この状態で、リューズ50を正転(時計回り)に回転すると、制御装置300は、タイムゾーンの時差を「+1」して、指針21も時計回りに移動する。リューズ50を逆転(反時計回り)に回転すると、制御装置300は、タイムゾーンの時差を「−1」して、指針21も反時計回りに移動する。
このタイムゾーンの変更に伴い、制御装置300は、指針22,23の指示位置を指針21が示すタイムゾーンの時刻に変更する。
そして、リューズ50が1段引き状態では、指針91は、DSTのON/OFFを表示する。この状態で、Bボタン62を3秒以上押すと、制御装置300は、DSTのON/OFF切替処理S19を実行する。制御装置300は、DSTのON、OFFの各モードを交互に切り替える。
そして、リューズ50を0段位置まで押し込むと、DSTのON/OFF切替処理S19が終了し、通常時刻表示モードS1に戻る。
上述した本発明の第1実施形態における電子時計10によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、Bボタン62の押し時間を変更することで、第1機能部310による第1機能部実行処理(測時受信処理)S20と、第2機能部320による第2機能部実行処理(測位受信処理)S30とを実行できる。また、Cボタン63を押すことで、第3機能部330による第3機能部実行処理(クロノグラフ処理)S40を実行できる。このように、各ボタン62,63の各一回の操作で、各機能部310,320,330の実行を開始できるので、モード選択操作を行ってから、実行開始操作を行うことで二回の操作で実行する場合に比べて、操作性を向上できる。したがって、利用者は、多機能の電子時計10を操作性よく扱うことができ、ユーザビリティを向上できる。
さらに、モード針である指針91は、第3機能部330によるクロノグラフ機能が実行されている場合には、時クロノグラフ針として機能し、クロノグラフの時間を指示するインジケーター針として用いられるので、利用者は第3機能が実行されていることと、クロノグラフ機能による測定値とを同時に確認できる。
さらに、第1機能部310および第2機能部320の実行の中断を指示するAボタン61と、第3機能部330の実行の中断を指示するDボタン64とを設けたので、測時モードおよび測位モードの受信処理の中断指示用のボタンをAボタン61で兼用できる。したがって、第1機能部310、第2機能部320の実行中断用のボタンを別々に設ける必要が無く、ボタン数を少なくできる。
また、測時モードおよび測位モードのいずれの場合もAボタン61で実行を中断でき、クロノグラフ機能はDボタン64で実行を中断でき、機能別に中断ボタンが設定されているので、利用者は中断ボタンを把握しやすく、操作性を向上できる。
次に、本発明の第2実施形態について、図面に基づいて説明する。
図10は、本発明の第2実施形態に係る電子時計10Aを示す正面図である。
電子時計10Aは、受信中や受信結果のモード表示を指針21で行う点が前記第1実施形態と相違する。このため、指針91は、時クロノグラフ針として機能する点は同じであるが、モード針としては、電池残量のみを表示する。
したがって、第1実施形態と異なる点についてのみ詳しく説明する。
第2実施形態の電子時計10Aにおいても、制御装置300は、第1実施形態の図5と同じ通常時刻表示モードの制御を行う。このため、一定時間間隔で電池電圧検出処理(図5のS4)を行い、その検出結果を指針91で表示する。すなわち、検出した電池電圧が第1閾値(4.0V)以上であれば指針91で「F」を指示し、第2閾値(3.6V)以上、第1閾値未満であれば指針91で「M」を指示し、第2閾値未満であれば指針91で「E」を指示する。
そして、ボタン操作が行われると、図6〜9と同じ機能実行処理を行う。
すなわち、電子時計10Aは、Bボタン62が第1設定時間押されると、第1機能部310による第1機能部実行処理S20を実行する。また、電子時計10Aは、Bボタン62が第2設定時間押されると、第2機能部320による第2機能部実行処理S30を実行する。各処理S20,S30は第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
なお、電子時計10Aでは、受信モードを示すモード針は、指針21である。このため、第1機能部310で測時モードの受信処理が行われている場合は、指針21は文字板11に表示された「TIME」の位置を指示し、第2機能部320で測位モードの受信処理が行われている場合は「FIX」の位置を指示する。
さらに、受信禁止モード(OFFモード)に設定されている場合に、Bボタン62が第1設定時間や第2設定時間押されても、第1機能部310や第2機能部320は処理を開始せず、指針21を「OFF」の位置に移動する。
通常時刻表示モード、受信処理中にCボタン63を押すと、第1実施形態と同じく第3機能部330による第3機能部実行処理S40が実行される。この処理S40も第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
第2実施形態の電子時計10Aによれば、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏する上、次のような効果がある。
受信モードを指針91に比べて長い指針21で指示しているので、利用者は受信処理中の受信モードや受信禁止モードの設定が確認しやすくなり、ユーザビリティを向上できる。
また、指針91は、モード針として機能する場合は、電池残量のみを指示すればよいので、利用者が指示内容を確認しやすくなり、この点でもユーザビリティを向上できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
そして、指針91は、受信結果表示処理S17のときに最後に受信した受信モードを指示する。受信結果は第1実施形態と同様に指針81で指示する。また、第2実施形態のように、Aボタン61で受信モードを選択する場合には、指針91は「OFF」、「TIME」、「FIX」を順次移動する。
この例では、指針91は、モード針として機能する場合は、受信モードのみを指示すればよいので、利用者が指示内容を確認しやすくなり、この点でもユーザビリティを向上できる。
そして、指針91は、受信結果表示処理S17のときに、まずは最後に受信した受信モードを指示し、一定時間経過後、あるいは再度Bボタン62を押した場合に、指針91は受信結果を成功(YES)、失敗(NO)を指示して示す。また、第2実施形態のように、Aボタン61で受信モードを選択する場合には、指針91は「OFF」、「TIME」、「FIX」を順次移動する。
この例では、指針91は、モード針として機能する場合は、受信モードと受信結果を指示するので、利用者は1つの指針91の指示のみを確認することで、受信モードおよび受信結果を確認できる。このため、指針91、指針81の2つの指針を確認する必要が無いため、指示内容を確認しやすくなり、この点でもユーザビリティを向上できる。
これらの表示例によれば、前記第1実施形態に比べて、DSTの設定表示が無いため、指針91の指示を確認しやすく、ユーザビリティを向上できる。
そして、通常時刻表示モードでは、指針91で曜日を指示し、受信モード表示や、時クロノグラフ針として機能する場合には、それぞれの表示を指示すればよい。
この例では、曜日を指針91で指示できるので、ユーザビリティを向上できる。
この例では、第3機能部330をカウントダウンタイマーとして機能させることができるので、残り時間を計測する場合に利便性が高い。
図15の例では、通常時刻表示モードにおいて、Bボタン62を3秒以上押すと、サーミスタなどの温度計を用いて温度を測定し、温度測定に成功した場合は指針91を移動して測定温度を指示する。図15の目盛表示部93では、左半分に−20℃(6時位置)から70℃(12時位置)まで指示できるように設定されている。
この温度測定表示は、設定時間、例えば30秒間行われ、設定時間が経過すると、通常時刻表示モードに戻る。この場合、指針91は初期位置である12時位置に戻る。
この高度測定表示は、設定時間、例えば30秒間行われ、設定時間が経過すると、通常時刻表示モードに戻る。この場合、指針91は初期位置である12時位置に戻る。
なお、脈拍計としては、光電センサーを使用し、腕の血管に流れる血液量を検出して脈拍数を算出するものなどが利用できる。脈拍数は、1分間の拍動の数(bpm、beats per minute)で示される。
図17の目盛表示部93では、左半分に0bpm(6時位置)から270bpm(12時位置)まで指示できるように設定されている。
この脈拍数測定表示は、設定時間、例えば30秒間行われ、設定時間が経過すると、通常時刻表示モードに戻る。この場合、指針91は初期位置である12時位置に戻る。
要するに、第1機能部310、第2機能部320は、測時受信、測位受信の機能であるが、第3機能部330はそれ以外の機能を実行できるものであればよい。さらに、受信機能以外の機能は複数設定してもよい。例えば、前記実施形態や変形例のように、クロノグラフ機能を実行する第3機能部330に加えて、電池残量表示機能や、温度、高度、脈拍計などの測定機能を第4機能部として設けてもよいし、さらに他の機能を第5機能部として設けてもよい。
また、操作部としては、1つのボタンの押す時間を変えることで各機能部を選択してもよい。例えば、Bボタン62を第1設定時間(例えば3秒以上、6秒未満)押すと第1機能部310が実行され、第2設定時間(例えば6秒以上)押すと第2機能部320が実行され、第3設定時間(例えば1秒以上、3秒未満)押すと第3機能部330が実行されるように構成してもよい。
このボタン数は、機能部の数と電子時計10のデザインなどを考慮して設定すればよい。
Claims (4)
- 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信手段と、操作部とを備える電子時計であって、
前記受信手段を作動させて前記衛星信号を受信し、受信した前記衛星信号に基づいて時刻情報を取得する第1機能部と、
前記受信手段を作動させて前記衛星信号を受信し、受信した前記衛星信号に基づいて位置情報を取得する第2機能部と、
時間を計測するクロノグラフ機能を実行する第3機能部と、
モード針と、を備え、
前記操作部は複数の操作部を有し、前記第3機能部の実行を指示する操作部は、前記第1機能部、前記第2機能部の実行を指示する操作部とは異なる操作部であり、
前記第1機能部、前記第2機能部は、前記第3機能部の実行を指示する操作部とは異なる操作部の各一回の操作で実行され、
前記クロノグラフ機能の実行による前記時間の計測は、前記第3機能部の実行を指示する操作部の一回の操作で開始され、
前記モード針は、
前記第1機能部の実行中は、前記衛星信号を受信して時刻情報を取得する測時モードを指示する位置に移動し、
前記第2機能部の実行中は、前記衛星信号を受信して位置情報を取得する測位モードを指示する位置に移動し、
前記第3機能部の実行中は、時クロノグラフ針として機能する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載の電子時計において、
前記操作部は、複数のボタンを備えて構成され、
前記ボタンは、
各前記機能部の実行を指示する2つ以上のボタンと、
各前記機能部の実行の中断を指示する1つ以上のボタンとを備える
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1または請求項2に記載の電子時計において、
前記操作部は、
前記第1機能部の実行を指示する第1ボタンと、
前記第2機能部の実行を指示する第2ボタンと、
前記第3機能部の実行を指示する第3ボタンとを備える
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1または請求項2に記載の電子時計において、
前記操作部は、
前記第1機能部および前記第2機能部の実行を指示する受信ボタンと、
前記第3機能部の実行を指示する機能ボタンとを備え、
前記第1機能部および前記第2機能部は、前記受信ボタンを押し続ける時間に応じて選択されて実行される
ことを特徴とする電子時計。
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