JP2014169869A - 電子時計および電子時計の時刻修正方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子時計1は、位置情報衛星から送信される衛星信号を受信して現在地の位置情報を取得する測位部420と、第1時刻を表示する第1時刻表示部110および第2時刻を表示する第2時刻表示部120を少なくとも有する時刻表示部と、前記第1時刻は前記位置情報に対応するタイムゾーン情報を用いて修正し、前記第2時刻は前記タイムゾーン情報を用いて修正しないタイムゾーン修正部440とを備える。
【選択図】図3
Description
特許文献1には、ローカルタイムを表示する第1時刻表示部と、ホームタイムを表示する第2時刻表示部とを備えた電子時計が開示されている。
一方、GPS衛星から送信される衛星信号を受信して、タイムゾーンデータを修正する電子時計が知られている(例えば、特許文献2)。
特許文献1のような第1時刻表示部および第2時刻表示部を備える電子時計において、特許文献2の電子時計のように、タイムゾーンデータを修正すると、第1時刻表示部および第2時刻表示部の両方のタイムゾーンデータが修正されてしまい、利用者にとって不都合が生じる。
このため、ローカルタイムおよびホームタイム等の異なる複数の時刻表示を、利用者に分かりやすく表示できて利便性の高い電子時計が求められている。
そして、測位部が現在地の位置情報を取得すると、タイムゾーン修正部が前記位置情報に対応するタイムゾーン情報を用いて第1時刻を修正する。ここで、タイムゾーン情報は、通常、UTC(協定世界時)に対する時差情報であり、第1時刻表示部は、UTCをタイムゾーン情報で修正して求めた第1時刻を表示する。従って、電子時計を装着した利用者が、飛行機などでタイムゾーンの異なる国に移動し、測位部で位置情報を取得すると、タイムゾーン修正部が前記位置情報に対応するタイムゾーン情報を用いて第1時刻を修正する。従って、第1時刻表示部では、第1時刻つまり現在地のローカルタイムを表示できる。
一方で、タイムゾーン修正部は、前記位置情報が取得されてもタイムゾーン情報を用いて第2時刻を修正しない。このため、第2時刻は、ホームタイムを常に表示できる。
従って、タイムゾーンが異なる国に移動した場合、衛星信号を受信して測位部で位置情報を取得することで、第1時刻表示部は現地のローカルタイムを容易に表示できる。一方で、第2時刻表示部は、利用者が設定したホームタイムを常に表示しているので、海外に移動している場合でも、生活拠点の時刻を容易に確認できる。
測時部が衛星信号を受信して時刻情報を取得した場合に、第1時刻のみならず第2時刻も連動して修正できるので、第1および第2時刻表示部で表示される時刻を正確に合わせることができる。このため、第1および第2時刻表示部の時刻表示精度を高めることができる。さらに、時刻情報は、1つの位置情報衛星を捕捉してその衛星信号を受信できれば取得できるので、3個以上の位置情報衛星を捕捉する必要がある位置情報の取得処理に比べて短時間で処理でき、消費電流を低減できる。
第1時刻表示部の表示面積を、第2時刻表示部よりも大きくすれば、取得したタイムゾーン情報で修正される第1時刻つまりローカルタイムを視認しやすくできる。このため、使い勝手のよい電子時計を提供できる。
そして、飛行機に乗ってニューヨークに移動した際に、前記表示交換部で時刻情報を入れ替えると、日本標準時は第2時刻表示部で表示される。そして、ニューヨークにおいて測位部により位置情報を取得すると、タイムゾーン設定部はアメリカ東部のタイムゾーン情報(EST:UTCに対する時差情報であり、−5時間、夏時間の場合−4時間)を設定する。このため、タイムゾーン修正部によって第2時刻はアメリカ東部標準時に修正される。
このため、移動後のローカルタイムと、移動前のホームタイムとを、第1時刻表示部および第2時刻表示部で正確にかつ同時に表示できる。さらに、ニューヨークから東京に戻る際に、表示交換部を作動させることで、第1時刻表示部を日本標準時に切り替え、第2時刻表示部をアメリカ東部標準時に切り替えることができる。このため、衛星信号を受信しなくても、帰国時の日本の時間を第1時刻表示部で表示できるので、利便性を向上できる。
そして、第2時刻修正部で第2時刻を第1時刻で書き換えると、第2時刻も日本標準時に設定される。これにより、第2時刻つまりホームタイムを手動で修正する必要が無く、正確に設定できる。そして、タイムゾーンが異なる国に移動した後で、測位部で位置情報を取得し、タイムゾーン設定部でタイムゾーン情報を設定し、タイムゾーン修正部で第1情報を修正すれば、第1時刻を現在地のローカルタイムに容易に修正できる。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子時計1の正面図であり、図2は電子時計1の概略断面図である。
図1に示すように、電子時計1は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星100のうち、少なくとも1つのGPS衛星100からの衛星信号を受信して時刻情報を取得し、少なくとも3つのGPS衛星100からの衛星信号を受信して位置情報を算出するように構成されている。なお、GPS衛星100は、位置情報衛星の一例であり、地球の上空に複数存在している。現在は約30個のGPS衛星100が周回している。
電子時計1は、使用者の手首に装着される腕時計であり、時刻等を表示する表示装置10と、入力装置70とを備える。
表示装置10は、文字板11、第1の指針12、第2の指針13、インジケーター針14を備える。
文字板11の大部分は、光および1.5GHz帯のマイクロ波が透過し易い非金属の材料(例えば、プラスチックまたはガラス)で形成されている。
文字板11は、第1の指針12に対応するメインダイヤル111と、第2の指針13に対応するサブダイヤル112と、インジケーター針14に対応する目盛部113とを備える。
第2の指針13は、サブダイヤル112の表面側に設けられている。第2の指針13は、分針131、時針132を備える。第2の指針13およびサブダイヤル112は、第2の時刻を表示する第2時刻表示部120(小時計)を構成する。
従って、本実施形態の電子時計1は、第1の時刻および第2の時刻を表示可能なデュアルタイム機能を備える。なお、第2時刻表示部120の表示面積は、第1時刻表示部110よりも小さく設定されている。
また、インジケーター針14は、メインダイヤル111の表面側に設けられ、エネルギー残量(電池残量)などの各種情報を指示する。
入力装置70は、リューズ71と、3つのボタン72、73、74を備える。入力装置70を操作すると、その手動操作に応じた処理が実行される。
具体的には、リューズ71を1段引くと、第2の指針13を手動修正可能となる。この状態で、ボタン73、74を押すと、第2の指針13が移動する。
また、リューズ71を2段引くと、第1の指針12を手動修正可能となる。この状態で、ボタン73、74を押すと、第1の指針12が移動する。
ボタン73が第1設定時間(例えば3秒以上、6秒未満)押されると、測時モードでの手動受信処理(強制受信処理)が実行される。また、ボタン73が第1設定時間よりも長い第2設定時間(例えば6秒以上)押されると、測位モードでの手動受信処理(強制受信処理)が実行される。さらに、ボタン73が第1設定時間よりも短い短時間(例えば3秒未満)押されると、前回の受信処理の結果を表示する結果表示処理が行われる。
ボタン74が押されると、タイムゾーンの設定を秒針121で指示する処理などが実行される。
なお、各ボタン72、73、74を押した際に実行される処理は、上記のものに限定されず、電子時計1の機能に応じて適宜設定すればよい。
図2に示すように、電子時計1は、ステンレス鋼(SUS)やチタンなどの金属で構成された外装ケース17を備えている。外装ケース17は、略円筒状に形成されている。外装ケース17の表面側の開口には、ベゼル18を介して開口を覆う表面ガラス19が取り付けられている。ベゼル18は、衛星信号の受信性能を向上させるためにセラミックスなどの非金属材料で構成される。外装ケース17の裏面側の開口には、裏蓋20が取り付けられている。外装ケース17の内部には、文字板11、ムーブメント21、ソーラーパネル22、GPSアンテナ23、二次電池24などが配置されている。
回路基板25には、GPSアンテナ23で受信した衛星信号を処理する受信装置30と、前記受信装置30やステップモーターの駆動制御などの各種の制御を行う制御装置40と、ソーラーパネル22で発電した電力を二次電池24に充電する充電回路80などが取り付けられている。受信装置30や制御装置40は、二次電池24から供給される電力で駆動される。
ソーラーパネル22は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光発電を行う光発電素子である。ソーラーパネル22は、図示を略すが7〜8個のソーラーセルを備え、これらのソーラーセルを直列に接続して出力している。
図2に示すように、ソーラーパネル22は、ソーラーパネル支持基板220で支持されている。ソーラーパネル支持基板220は、例えば、BS(真鍮)、SUS(ステンレス鋼)、チタン合金などの金属材料により形成される厚さ寸法が例えば0.1mmの導電性基板である。このことにより、ソーラーパネル支持基板220は、近接して配置されるGPSアンテナ23と同じ電流分布となってGPSアンテナ23の一部として機能する。
ソーラーパネル支持基板220は、外装ケース17に接触しないように組み込まれる。すなわち、ソーラーパネル支持基板220は、外周縁が外装ケース17の内周面と離間して接触することなく配置される。
GPSアンテナ23は、矩形断面形状を有するリング状の誘電体基材231を備え、その表面にアンテナ電極232が形成されたリングアンテナである。
誘電体基材231は、電波の波長を短縮させるものであり、例えばアルミナ(εr=8.5)を主成分としたセラミックスや、マイカを成分としたセラミックスである、いわゆるマイカレックス(εr=6.5〜9.5)、ガラス(εr=5.4〜9.9)、ダイヤモンド(εr=5.68)などで構成できる。
接続ピン31および接続基部32は、プリント配線を介して受信装置30に電気的に接続されている。接続基部32は、筒内部に例えばコイルばねなどの付勢部材が設けられており、接続基部32に挿入された接続ピン31をアンテナ電極232側に付勢している。これにより、接続ピン31は、アンテナ電極232の給電点に押圧され、例えば電子時計1に衝撃が加わった際でも、接続ピン31とアンテナ電極232との接続状態が維持される。
さらに、裏蓋20および外装ケース17が金属製なので、グランド板として機能する他に、利用者の腕に装着した場合のGPSアンテナ23への影響を回避できる。つまり、ケースがプラスチックケースだと、近傍にある腕の影響を受けて装着時と非装着時でGPSアンテナ23の共振周波数が変動し、性能差が出て好ましくない。しかし、ケースが金属製なので、そのシールド効果により腕の影響を回避でき、本実施形態では装着時と非装着時とのアンテナ特性に差が殆どなく、安定した受信性能が得られる。ただし、プラスチックケースを採用することもできる。
二次電池24は、電子時計1の電源装置であり、ソーラーパネル22で発生した電力を蓄積する。
電子時計1では、ソーラーパネル22の二つの電極と二次電池24の二つの電極とを、二本の導通コイルばね27によってそれぞれ電気的に接続することが可能であり、接続時には、ソーラーパネル22の光発電によって二次電池24が充電される。なお、本実施形態では、二次電池24として、携帯機器に好適なリチウムイオン二次電池を用いているが、リチウムポリマー電池や他の二次電池を用いてもよいし、二次電池とは異なる蓄電体(例えば容量素子)を用いてもよい。
図3は、電子時計1の回路構成を示すブロック図である。電子時計1は、受信装置30(受信部)、制御装置40(制御部)、計時装置50(計時部)、記憶装置60(記憶部)、入力装置70(操作部)を備えている。
受信装置30は、二次電池24に蓄積された電力で駆動される負荷であり、制御装置40によって駆動されると、GPSアンテナ23を通じてGPS衛星100から送信される衛星信号を受信する。そして、受信装置30は、衛星信号の受信に成功した場合には、取得した軌道情報やGPS時刻情報などの情報を制御装置40へ送信する。一方、衛星信号の受信に失敗した場合には、受信装置30は、その旨の情報を制御装置40へ送信する。なお、受信装置30の構成は、公知のGPS受信回路の構成と同様であるため、その説明を省略する。
計時装置50は、二次電池24に蓄積された電力で駆動される水晶振動子等を備え、水晶振動子の発振信号に基づく基準信号を用いて時刻データを更新する。
記憶装置60は、図4に示すように、時刻データ記憶部600と、タイムゾーンデータ記憶部680と、定時受信時刻記憶部690とを備えている。
制御装置40は、電子時計1を制御するCPUで構成されている。制御装置40は、測時部410と、測位部420と、タイムゾーン設定部430と、タイムゾーン修正部440と、時刻修正部450を備える。
測時部410は、受信装置30を作動して測時モードでの受信処理を行う。本実施形態では、自動受信処理と手動受信処理とで測時モードでの受信処理を実行する。
自動受信処理は、定時自動受信処理と、光自動受信処理の2種類がある。すなわち、測時部410は、計時している内部時刻データ630が、定時受信時刻記憶部690に記憶された定時受信時刻になった場合に、受信装置30を作動して測時モードでの定時自動受信処理を行う。
また、測時部410は、ソーラーパネル22の発電電圧または発電電流が設定値以上となり、屋外においてソーラーパネル22に日光が照射していると判断できる場合に、受信装置30を作動して測時モードでの光自動受信処理を行う。なお、ソーラーパネル22の発電状態で受信装置30を作動する処理の回数は、1日に1回などに制約してもよい。
さらに、利用者が入力装置70のボタン73を押して強制受信操作を行った場合、測時部410は、受信装置30を作動して測時モードでの手動受信処理を行う。
測位部420は、利用者が入力装置70のボタン73を押して強制受信操作を行った場合に、受信装置30を作動して測位モードでの受信処理を行う。
なお、制御装置40は、ボタン73を押している時間に応じて、測時部410による測時モードでの受信処理と、測位部420による測位モードでの受信処理を切り替えて実行する。すなわち、制御装置40は、ボタン73を第1設定時間(3秒以上、6秒未満)押した場合には測時モードでの受信処理を行い、第2設定時間(6秒以上)押した場合には測位モードでの受信処理を行う。
タイムゾーン設定部430は、測位部420で位置情報の取得に成功した場合、取得した位置情報(緯度、経度)に基づいてタイムゾーンデータを設定する。具体的には、タイムゾーンデータ記憶部680から位置情報に対応するタイムゾーンデータ(タイムゾーン情報つまり時差情報)を選択して取得し、タイムゾーンデータ650に記憶する。
例えば、日本標準時(JST)は、UTCに対して9時間進めた時刻(UTC+9)であるため、測位部420で取得した位置情報が日本である場合には、タイムゾーン設定部430は、タイムゾーンデータ記憶部680から日本標準時の時差情報(+9時間)を読み出してタイムゾーンデータ650に記憶する。
タイムゾーン修正部440は、タイムゾーン設定部430がタイムゾーン情報を設定すると、前記第1時刻つまり時計表示用時刻データ640を、前記タイムゾーンデータを用いて修正する。このため、時計表示用時刻データ640は、UTCである内部時刻データ630にタイムゾーンデータを加算した時刻となる。
一方、タイムゾーン修正部440は、前記第2時刻は前記タイムゾーン情報を用いて修正しない。
時刻修正部450は、測時部410や測位部420の受信処理で時刻情報の取得に成功した場合、取得した時刻情報で受信時刻データ610を修正する。このため、内部時刻データ630および時計表示用時刻データ640も修正される。時計表示用時刻データ640が修正されると、針位置検出手段で時計表示用時刻データ640と同期している第1の指針12の指示時刻も修正される。
図5は、第1実施形態における電子時計1の受信処理を示すフローチャートである。
制御装置40は、受信処理を開始すると、自動受信を開始する条件に該当したかを判定する(SA11)。前述のとおり、制御装置40は、定時受信時刻になった場合と、ソーラーパネル22での発電電圧や電流が設定値以上になった場合に、自動受信を開始する条件に該当したと判定する(SA11:Yes)。
SA11でYesと判定された場合、測時部410は、測時モードでの受信処理を開始する(SA12)。
SA13でYesと判定された場合、測時部410は、測時モードでの受信処理を開始する(SA12)。
SA12での測時モードでの受信処理が開始されると、測時部410は、時刻情報の取得に成功したか否かを判定する(SA14)。
なお、受信装置30は、まず、GPS衛星100を捕捉するためにサーチする。GPS衛星100を捕捉すると、受信装置30で衛星信号を受信し、時刻情報を取得する。なお、時刻情報は6秒間隔で送信されるため、衛星信号を6秒間受信すれば時刻情報を受信できる。時刻情報を取得できた場合、制御装置40は、SA14でYesと判定する。それ以外の場合、すなわち、受信装置30でGPS衛星100を捕捉できない場合や、時刻情報を受信できなかった場合には、時刻情報の取得に失敗したと判定する(SA14:No)。
制御装置40は、時刻情報の取得に成功したと判定した場合(SA14:Yesの場合)には、時刻修正部450によって、取得した時刻情報によって受信時刻データ610を修正し、さらに閏秒更新データ620で補正して内部時刻データ630を修正する(SA15)。内部時刻データ630が修正されると、設定されているタイムゾーンデータ650で時計表示用時刻データ640も修正される。
また、制御装置40は、駆動機構210を介して秒針121を所定位置に移動して受信に成功したことを表示する(SA15)。この受信成功表示は、所定時間、例えば5秒間行われる。
なお、第2の指針13は、ボタン73、74によって表示時刻が手動修正された後は、計時装置50による基準信号に基づいて運針する。このため、第1の指針12と独立して動くように設定しているため、第1の指針12の修正に連動して修正されない。
SA16、SA17の処理が終わると、制御装置40は、SA11の処理に戻る。
SA13でNoと判定された場合、制御装置40は、ボタン74が第2設定時間(6秒以上)押される測位モードでの受信操作があったか否かを判定する(SA18)。
SA18でNoと判定された場合、制御装置40は、SA11の処理に戻る。
一方、SA18でYesと判定された場合、測位部420は、測位モードでの受信処理を実行する(SA20)。
測位部420は、まず、測位モードでの受信処理を開始する(SA21)。
SA21での受信処理が開始された後、制御装置40は、時刻情報および位置情報の受信に成功したか否かを判定する(SA22)。
制御装置40は、受信処理により時刻情報および位置情報の受信に成功したと判定した場合(SA22:Yesの場合)には、取得した位置情報に対応するタイムゾーンデータをタイムゾーンデータ記憶部680から取得し、タイムゾーンデータ650を修正する(SA23)。
また、制御装置40は、取得した時刻情報によって内部時刻データ630を修正し、新たなタイムゾーンデータ650で時計表示用時刻データ640を修正する。さらに、秒針121を所定位置に移動して受信に成功したことを表示する(SA24)。この受信成功表示も、所定時間、例えば5秒間行われる。この際、制御装置40は、タイムゾーンデータ650および内部時刻データ630が修正されると、時計表示用時刻データ640も修正する。
制御装置40は、所定時間の受信成功表示が終了すると、時計表示用時刻データ640に基づき、第1の指針12による表示時刻を修正する(SA25)。これにより、飛行機などで異なるタイムゾーンの国に移動した場合も、第1の指針12を現地の時刻(ローカルタイム)に自動的に修正できる。
なお、第2の指針13は、第1の指針12と独立して動くように設定しているため、タイムゾーンデータ650が修正された場合も、第1の指針12の修正に連動して修正されない。このため、第2の指針13によってホームタイムを常時表示することができる。
SA25、SA26の処理が終わると、制御装置40は、測位モードでの受信処理SA20を終了し、図5のSA11の処理に戻る。このため、SA11,SA13,SA18のいずれかでYesと判定されるまで、制御装置40は受信処理を開始しない待機状態に維持される。
このような本実施形態によれば、以下のような作用効果が得られる。
電子時計1は、第1時刻表示部110である第1の指針12と、第2時刻表示部120である第2の指針13との2つの時刻表示部を備える。このため、第1の指針12でローカルタイムを表示し、第2の指針13でホームタイムを表示することができる。
そして、測位部420が現在地の位置情報を取得し、タイムゾーン設定部430が現在地のタイムゾーンデータ650を設定すると、タイムゾーン修正部440がタイムゾーンデータ650を用いて第1の指針12で指示する第1時刻を修正する。従って、電子時計1を装着した利用者が、飛行機などでタイムゾーンの異なる国に移動した際に、測位部420で位置情報を取得するだけで、第1の指針12で第1時刻つまり現在地のローカルタイムを表示できる。
一方で、タイムゾーン修正部440は、タイムゾーンデータ650が設定されても第2の指針13で指示される第2時刻は修正しない。このため、第2の指針13は、ホームタイムを常に表示できる。
従って、第1の指針12は現地のローカルタイムを容易に表示でき、第2の指針13は、利用者が設定したホームタイムを常に表示できるので、海外に移動している場合でも、生活拠点の時刻を容易に確認できる。
次に、本発明の第2実施形態を図7、8に基づいて説明する。なお、第2実施形態は、第2の指針13による時刻表示修正処理以外は、前記第1実施形態と同様であるから、その説明は省略する。
第1実施形態では、第2の指針13は、第1の指針12と独立して運針され、第1の指針12が修正されても第2の指針13は修正されない。これに対し、第2実施形態では、第2の指針13は、内部時刻データ630つまり第1の指針12に連動して運針する。すなわち、計時装置50からの基準信号で、内部時刻データ630の時刻データが変化すると、第1の指針12に加えて第2の指針13も連動して運針する。なお、第2の指針13は、秒針を備えず、分針131、時針132のみであるため、1秒毎に運針するのではなく、例えば20秒毎に運針する。
また、測時部410や測位部420が時刻情報を受信し、受信時刻データ610が受信した時刻情報で更新され、連動して内部時刻データ630も更新されると、第2の指針13も連動して内部時刻データ630の時刻修正分だけ移動する。
例えば、内部時刻データ630(UTC)が3時25分40秒であり、第2の指針13で指示する時刻が12時25分40秒であった場合に、受信した時刻情報により、内部時刻データ630が3時26分00秒に更新されたとする。この場合、内部時刻データ630の時刻修正量は、+20秒であるため、第2の指針13も+20秒進められ、12時26分00秒を指示する。
制御装置40は、図7、8に示すように、SB11〜SB26の処理を行う。ここで、SB15、SB16、SB24、SB25以外の処理は、第1実施形態と同じ処理であるため、説明を省略する。
そして、時刻修正部450は、SB25で第1の指針12および第2の指針13による時刻表示を修正する。この際、SB23で位置情報から取得したタイムゾーンデータで表示時刻が修正されるのは、第1の指針12のみであり、第2の指針13は内部時刻データ630の時刻修正分だけ修正される。
ここで、内部時刻データ630(UTC)が6時25分50秒であり、第1の指針12で指示する時刻が1時25分50秒(EST)であり、手動設定された第2の指針13で指示する時刻が15時25分50秒(JST)であった場合に、出張で移動したドイツにおいて測位モードでの受信処理を行ったとする。
その結果、受信した時刻情報により、内部時刻データ630(UTC)が6時25分55秒に更新され、位置情報から得られたタイムゾーンデータが+1時間(中央ヨーロッパ時間:CET)に設定されたとする。
この場合、内部時刻データ630の時刻修正量は、+5秒であるため、第2の指針13も+5秒進められ、15時25分55秒を指示する。また、タイムゾーンデータが+1時間に変更されたため、時計表示用時刻データ640は7時25分55秒となり、第1の指針12も7時25分55秒を指示する。
このような第2実施形態によれば、前記第1実施形態と同じ処理によって同じ作用効果が得られる上、以下の作用効果が得られる。
すなわち、第2実施形態では、第2の指針13を第1の指針12に連動して運針するため、時刻情報を受信した場合に、第1の指針12だけでなく第2の指針13も修正できる。このため、温度変化等によって計時装置50の水晶振動子の基準信号に誤差が生じた場合に、時刻情報を受信することで、内部時刻データ630の時刻を精度良く修正でき、連動して第2の指針13の指示時刻も修正できる。このため、第1実施形態に比べて、特に第2の指針13の指示精度を向上できる。
次に、本発明の第3実施形態を図9、10に基づいて説明する。なお、第3実施形態は、表示交換部を追加した以外は、前記第1実施形態と同様であるから、その説明は省略する。
図9に示すように、第3実施形態の電子時計1Cの制御装置40は、第1実施形態の電子時計1に比べて表示交換部470が追加されている。
表示交換部470は、利用者の手動操作、例えば、ボタン74を第3設定時間(例えば6秒)以上押した場合に作動する。表示交換部470は、第1の指針12が指示する第1時刻と、第2の指針13が指示する第2時刻とを入れ替える。
さらに、第1の指針12および第2の指針13の指針位置、具体的には各指針が12時位置を指示する状態を検出する針位置検出手段を備えている。
第1時刻データ641は、針位置検出手段によって第1の指針12と同期しているので、第1時刻データ641が修正されると、第1の指針12も修正され、第1時刻データ641の時刻を指示する。従って、例えば、日本において測位部420を作動させると、第1タイムゾーンデータ651には、時差+9時間が設定され、第1の指針12は日本標準時を指示することになる。
例えば、第1タイムゾーンデータ651に日本標準時の時差+9時間が設定され、第2タイムゾーンデータ652は初期値(時差0時間)の場合に、表示交換部470を作動させると、第1タイムゾーンデータ651は初期値(時差0時間)となり、第2タイムゾーンデータ652が+9時間となる。
このため、第1時刻データ641はUTCの時刻となり、第1の指針12もUTCを指示する。一方、第2時刻データ642はJSTの時刻となり、第2の指針13はJSTを指示する。
この際、表示交換部470を作動させなければ、第2タイムゾーンデータ652はJSTのままであり、第2の指針13はJSTの時刻を指示し続ける。
このような第3実施形態によれば、前記第1実施形態と同じ処理によって同じ作用効果が得られる上、以下の作用効果が得られる。
第1時刻および第2時刻を入れ替える表示交換部470を設けたので、生活の拠点となっている本国で、測位モードでの受信処理を行い、さらに表示交換部470を作動させることで、第2タイムゾーンデータ652つまり第2の指針13で表示される第2時刻をホームタイムに合わせることができる。このため、第1実施形態のように、手動操作で第2の指針13の時刻を合わせる必要が無いため、第2の指針13を容易にかつ高精度にホームタイムに合わせることができ、利便性を向上できる。
次に、本発明の第4実施形態の電子時計1Dを図11に基づいて説明する。なお、第4実施形態の電子時計1Dは、第3実施形態の表示交換部470の代わりに第2時刻修正部480を設けたこと以外は、前記第3実施形態の電子時計1Cと同じであるから、その説明は省略する。なお、第4実施形態においても、表示交換部470を設けてもよい。
このため、第4実施形態の電子時計1Dは、第3実施形態と同じ記憶装置60Cを備えている。そして、第2時刻修正部480が作動されると、第2タイムゾーンデータ652を第1タイムゾーンデータ651の設定値で更新する。このため、次に測位モードでの受信処理を行って、第1タイムゾーンデータ651を新しいタイムゾーンデータに更新しない限り、第1タイムゾーンデータ651および第2タイムゾーンデータ652は同じデータとなり、第2時刻データ642も第1時刻データ641と同じ時刻となる。
このような第4実施形態によれば、前記第1実施形態と同じ処理によって同じ作用効果が得られる上、以下の作用効果が得られる。
第1時刻で第2時刻を修正する第2時刻修正部480を設けたので、生活の拠点となっている本国で、測位モードでの受信処理を行い、さらに第2時刻修正部480を作動させることで、第2タイムゾーンデータ652つまり第2の指針13で表示される第2時刻をホームタイムに合わせることができる。このため、第1実施形態のように、手動操作で第2の指針13の時刻を合わせる必要が無いため、第2の指針13を容易にかつ高精度にホームタイムに合わせることができ、利便性を向上できる。
なお、本発明は前記各実施形態の構成に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、前記各実施形態では、第1時刻表示部110の表示面積を、第2時刻表示部120よりも大きく構成していたが、各時刻表示部を同じ表示面積に設定してもよいし、第2時刻表示部120の面積を第1時刻表示部110よりも大きくしてもよい。
また、第1時刻表示部110および第2時刻表示部120は、第1の指針12、第2の指針13を備えるものに限らず、いずれか一方の表示部あるいは両方の表示部を液晶表示部などのデジタル表示部によって構成してもよい。
また、第3実施形態において、3種類以上の時刻表示部を備える場合には、表示交換部470を作動させる毎に、第1時刻および第2時刻の入れ替え、第2時刻および第3時刻の入れ替えなどを順次実行してもよい。同様に、第4実施形態において、3種類以上の時刻表示部を備える場合には、第2時刻修正部480を作動させる毎に、第1時刻で第2時刻を修正し、第2時刻で第3時刻を修正するなどを順次実行してもよい。
また、電子時計は、腕時計に限定されず、例えば、携帯電話、登山などに用いられる携帯型のGPS受信機など、消費電力の大きなデバイスを有し、携帯して利用される時計機構を有する装置に広く利用できる。
Claims (6)
- 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信して現在地の位置情報を取得する測位部と、
第1時刻を表示する第1時刻表示部および第2時刻を表示する第2時刻表示部を少なくとも有する時刻表示部と、
前記第1時刻は前記位置情報に対応するタイムゾーン情報を用いて修正し、前記第2時刻は前記タイムゾーン情報を用いて修正しないタイムゾーン修正部と、を備える
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載の電子時計において、
位置情報衛星から送信される衛星信号を受信して時刻情報を取得する測時部と、
前記測時部が前記時刻情報を取得すると、前記第1時刻および前記第2時刻を修正する時刻修正部を備える
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1または請求項2に記載の電子時計において、
前記第2時刻表示部は、前記第1時刻表示部よりも表示面積が小さい
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子時計において、
前記第1時刻表示部および第2時刻表示部で表示する時刻情報を、互いに入れ替える表示交換部を備える
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子時計において、
前記第2時刻表示部で表示する第2時刻を、前記第1時刻表示部で表示する第1時刻に修正する第2時刻修正部を備える
ことを特徴とする電子時計。 - 第1時刻を表示する第1時刻表示部と、第2時刻を表示する第2時刻表示部とを少なくとも有する電子時計の時刻修正方法であって、
位置情報衛星から送信される衛星信号を受信して現在地の位置情報を取得するステップと、
前記第1時刻は前記位置情報に対応するタイムゾーン情報を用いて修正し、前記第2時刻は前記タイムゾーン情報を用いて修正しないステップと、を備える
ことを特徴とする電子時計の時刻修正方法。
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