JP7235942B2 - パレット搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パレット搬送装置に関し、より詳細には、ロボットを用いてピックアップするワークを収容するパレットを載置および搬送するパレット搬送装置に関する。
従来から、工場等において、複数のワークをひとまとめに搬送しようとする場合、パレタイジング用のロボット等を用いて、パレットを移載することが行われている。このパレタイジングロボット等を用いて移載を行う場合、パレットの配置は、ロボットの可動範囲に強く制限されることになる。
これに対し、例えば、特許文献1には、荷積載パレットを補給する実パレット補給端部からピッキング作業端部に向かって下り勾配に傾斜し且つ少なくとも2つのパレットを直列状に支持できる長さを有するパレット滑動支持台が複数並設されたパレット棚設備において、少なくとも1つの前記パレット滑動支持台は、シーソー運動(回転運動)自在に軸支して、実パレット補給端部が傾斜上端に位置する正傾斜姿勢と、ピッキング作業端部が傾斜上端に位置する逆傾斜姿勢とに切り換え可能に構成され、このシーソー運動自在なパレット滑動支持台を少なくとも前記正傾斜姿勢で係止する係止解除自在な係止手段が併設されている設備が開示されている。
すなわち、特許文献1に記載のパレット棚設備によると、シーソー運動自在なパレット滑動支持台を傾けることでパレットを滑動させて、パレットの移載またはパレット内に収容されたワークのピッキング作業を行うロボットの可動範囲内にパレットを移動させることができると考えられる。
特開第2010-149951号
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、パレット滑動支持台に軸支されたパレットを滑動させるためのローラが支持台面上に突出して設置されているので、ワークの載置が完了した後の重量のあるパレットを支持台面上に安定に載置することができないという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロボットの可動域制限による作業領域制限を緩和しつつパレットの安定な載置を可能とするパレット搬送装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係るパレット搬送装置は、パレットを支持する支持台と、パレットを滑動させる回転運動自在な滑動機構と、滑動機構を回転運動により傾斜させる入力手段と、を備え、滑動機構が回転運動により支持台のパレット載置面の上に突出する。
本発明に係るパレット搬送装置によれば、ロボットの可動域制限による作業領域制限を緩和しつつパレットの安定な載置を可能とすることができる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本技術中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本発明の第1実施形態に係るパレット搬送装置の構成例を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係るパレット搬送装置の構成例を示す模式図である。 本発明の第3実施形態に係るパレット搬送装置の構成例を示す模式図である。 本発明の第4実施形態に係るパレット搬送装置の構成例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下に説明する各実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。また、以下の各実施形態の構成は、いずれも他の実施形態の構成と組み合わせることが可能である。
<第1実施形態>
まず、図1Aを用いて、本発明の第1実施形態に係るパレット搬送システムの全体構成について説明する。図1Aは、本実施形態に係るパレット搬送システム100の構成例を示す模式図である。
図1Aに示すように、パレット搬送システム100は、パレットPの移載およびパレットP内に収容されるワークをピックアップするロボット101と、パレットPを載置および搬送するパレット搬送装置102と、を備えている。
ロボット101は、一例として、ベース部103と、ベース部103に接続されたロボットアーム部104と、ロボットアーム部104の先端に接続されたハンド部105と、を備えている。
パレット搬送装置102は、一例として、パレットPを載置するパレット載置面106を有する支持台107と、パレットPを滑動させる複数の滑動機構であるローラ108と、ローラ108を回転運動自在に軸支する一対のローラレール109と、を備えている。本実施形態では、ローラ108とローラレール109とで、パレットPを滑動させる滑動装置を形成している。なお、ローラ108およびローラレール109の数は本実施形態に限られない。
支持台107には、パレット載置面106の他、パレット載置面106上のパレット搬送方向前後、すなわちパレットPの搬送先および搬送元のそれぞれに落ち止め板110および111が形成されている。落ち止め板110および111は、パレットPを移載した際に、パレット載置面106上からパレットPが落下することを防止している。
複数のローラ108は、パレット載置面106上でパレットPを搬送する方向に回転可能に配列して支持台107の内部に収容されている。これにより、パレット搬送装置102は、パレットPをパレット載置面106上に安定して載置することができる。一方、パレットPをパレット載置面106上で滑動させる場合、複数のローラ108は、後述の操作により、その表面がパレット載置面106から突出する位置に移動することができる。
一対のローラレール109は、パレットPの搬送方向に延在し、複数のローラ108の軸方向両側から各ローラ108の軸を挟んで各ローラ108を回転可能に固定している。一対のローラレール109の搬送元側には、ローラレール109を支持台107底面に係止させるレール係止手段112が形成されている。また、一対のローラレール109の搬送先側には、ローラレール109を支持台107底面に設置されたレール軸113周りにシーソー運動(回転運動)させる入力手段である操作レバー114が形成されている。操作レバー114は、支持台107の側面から支持台107の外部へ突出している。
操作レバー114は、その先端下部に弾性体であるスプリング115の一端が接続されている。スプリング115の他端は、ロボット101および支持台107の設置面に接続されている。また、操作レバー114の下方には、操作レバー114が回転してスプリング115が縮んだ時に操作レバー114を係止する操作レバー係止手段116が設置されている。なお、操作レバー係止手段116は、操作レバー114の係止解除が自在なものであることが望ましい。
スプリング115は、一例として、パレット載置面106とローラレール109の設置面とが略水平になった状態で自然長となる。これにより、操作レバー114が操作されていない時、パレット載置面106とローラレール109の設置面とが水平となる姿勢を保っている。したがって、支持台107は、操作レバー114によって傾斜させたときのみ操作レバー係止手段116で係止可能に構成されると共に、操作レバー114を操作しない状態では設置面と略水平に自動復帰するように一方向に付勢されている。
パレット搬送装置102は、操作レバー114を上方から下方へ力F1で押し込む押込操作によって、ローラレール109がレール軸113を中心として、操作レバー114が形成された一端側とは反対の他端側がパレット載置面106の上方に浮上する回転方向R1へ回転運動を行う。また、操作レバー114の押込操作の強弱によって、ローラレール109の回転傾斜を調整することができる。なお、操作レバー114の押込操作は、パレタイジング用のロボット101が行っても良いし、別の操作手段を用いてもよい。
次に、図1Aおよび図1Bを用いて、パレット搬送装置102の動作について説明する。図1Bは、ローラレール109がシーソー運動(回転運動)した後の状態を示す模式図である。
まず、図1Aに示すように、ロボット101のベース部103をパレット搬送装置102のローラレール109の操作レバー114が形成された搬送先側付近に設置する。
次に、パレットPをパレット載置面106上のパレット搬送装置102の搬送先側と反対側であるローラレール109のレール係止手段112が形成された搬送元側に載置する。この時、ローラレール109は、支持台107の設置面に対して略水平に位置し、各ローラ108は、パレット載置面106より下方の支持台107内部に収容されている。
そして、図1Bに示すように、ローラレール109の操作レバー114を上方から下方へ力F1で、操作レバー係止手段116に係止されるまで押し込む押込操作によって、ローラレール109がレール軸113周りに回転方向R1へ向かってシーソー運動する。
すると、ローラレール109の搬送元側がパレット載置面106の上方に浮き上がり、複数のローラ108の少なくとも一部がパレット載置面106の上方に突出する。
これに伴い、ローラレール109が搬送元側から搬送先側へ向かって傾斜し、パレット載置面106の搬送元側に載置されていたパレットPが搬送先側の方向M1へ向かってローラ108およびパレット載置面106上を滑動する。
パレットPが滑動してパレット載置面106の搬送先側端部に到着すると、ロボット101のロボットアーム部104およびハンド部105を操作することにより、パレットPの移載またはパレットP内に収容されたワークをピックアップして別の場所に移載する。
パレットPの移載またはパレットP内に収容されたワークを移載した後に、押込操作で押し込んでいた操作レバー114を元の位置に戻すことで、ローラレール109は略水平の状態に復帰してパレット載置面106より下方の支持台107内部の元の位置に収容される。
本実施形態では、パレットPを滑動させる手段をローラ108とした場合について説明したが、これに限定するものではない。例えば、ポリアセタール(POM)などの低摩擦材料で構成されたレールを用いてパレットPの滑動を実現してもよい。
以上により、本実施形態に係るパレット搬送装置102よれば、簡易な構成でロボット101の可動域制限による作業領域制限を緩和しつつ、パレットPを移動させるときにのみ滑動させる要素をパレット載置面106上に出すことでパレットPの安定な載置を可能とすることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るパレット搬送システムについて説明する。図2Aは、本実施形態に係るパレット搬送システム200の構成例を示す模式図である。本実施形態が第1実施形態と相違する主な点は、入力手段である操作レバーによってローラレールを回転運動させるだけでなく、支持台も回転運動させる点である。
図2Aに示すように、パレット搬送システム200は、第1実施形態のパレット搬送システム100と同様に、ロボット101とパレット搬送装置202とを備えている。本実施形態に係るロボット101は第1実施形態に係るロボット101と同様の構成である。
パレット搬送装置202は、一例として、パレットPを載置するパレット載置面206を有する支持台207と、パレットPを滑動させる複数の滑動機構であるローラ208と、ローラ208を回転運動自在に軸支する一対のローラレール209と、を備えている。さらに、パレット搬送装置202は、一対のローラレール209とは分離した、各ローラレール209の外側面を覆い囲むレール保持部210を備えている。本実施形態では、ローラ208、ローラレール109およびレール保持部210で、パレットPを滑動させる滑動装置を形成している。
支持台207には、第1実施形態の支持台107と同様に、パレット載置面206上のパレット搬送方向前後に落ち止め板110および111が形成されている。支持台207のパレットPの搬送元側であって、落ち止め板111が設置された端部下方には、支持台207を係止する支持台係止手段211が設置されている。また、支持台207の中央部下方には、支持台207の回転軸となる支持台軸212が設置されている。
複数のローラ208は、第1実施形態の複数のローラ108と同様に、パレット載置面206上でパレットPを搬送する方向に回転可能に配列して支持台207の内部に収容されている。
一対のローラレール209は、パレットPの搬送方向に延在し、複数のローラ208の軸方向両側から各ローラ208の軸を挟んで各ローラ208を回転可能に固定している。一対のローラレール209の搬送先側には、ローラレール209を支持台207の下方に設置されたレール軸213周りにシーソー運動(回転運動)させる操作レバー214が形成されている。操作レバー214は、支持台207の側面から支持台207の外部へ突出している。
レール保持部210は、一対のローラレール209と分離して支持台207の内部に形成され、一対のローラレール209の周囲を取り囲むようにローラレール209の外側面に重ね合わせて配置されている。レール保持部210のパレットPの搬送先側には、支持台207を支持台軸212周りにシーソー運動(回転運動)させる操作レバー215が形成されている。操作レバー215は、支持台207の側面から支持台207の外部へ突出している。なお、本実施形態では、操作レバー214と操作レバー215とは分離して形成されているが、ローラレール209とレール保持部210とが独立して回転運動できるのであれば一体として形成されてもよい。
操作レバー214および操作レバー215は、その先端下部に弾性体であるスプリング115の一端が接続されている。スプリング115の他端は、ロボット101および支持台207の設置面に接続されている。また、操作レバー214および操作レバー215の下方には、操作レバー214および操作レバー215が回転してスプリング115が縮んだ時に操作レバー214および操作レバー215を係止する操作レバー係止手段116が設置されている。
パレット搬送装置202は、操作レバー214を上方から下方へ力F2で押し込む押込操作によって、ローラレール209がレール軸213を中心として、操作レバー214が形成された一端側(搬送先側)とは反対の他端側(搬送元側)がパレット載置面206の上方に浮上する回転方向R2へ回転運動を行う。
また、パレット搬送装置202は、操作レバー215を上方から下方へ力F2で押し込む押込操作によって、支持台207が支持台軸212を中心として、操作レバー215が形成された一端側とは反対の他端側がパレット載置面206の上方に浮上する回転方向R3へ回転運動を行う。
次に、図2Aおよび図2Bを用いて、パレット搬送装置202の動作について説明する。図2Bは、ローラレール209および支持台207がシーソー運動(回転運動)した後の状態を示す模式図である。
まず、図2Aに示すように、ロボット101のベース部103をパレット搬送装置202のローラレール109の操作レバー114が形成された搬送先側付近に設置する。
次に、パレットPをパレット載置面206上のパレット搬送装置202の搬送先側と反対側であるローラレール109の搬送元側に載置する。この時、ローラレール209は、支持台207の設置面に対して略水平に位置し、各ローラ208は、パレット載置面206より下方の支持台207内部に収容されている。
そして、図2Bに示すように、ローラレール209の操作レバー214を上方から下方へ力F2で、操作レバー係止手段116に係止されるまで押し込む押込操作によって、ローラレール209がレール軸213周りに回転方向R2へ向かってシーソー運動する。
すると、ローラレール209の搬送元側がパレット載置面206の上方に浮き上がり、複数のローラ208の少なくとも一部がパレット載置面206の上方に突出する。
これに伴い、ローラレール209が搬送元側から搬送先側へ向かって傾斜し、パレット載置面206の搬送元側に載置されていたパレットPが搬送先側の方向M2へ向かってローラ208およびパレット載置面206上を滑動する。
さらに、図2Bに示すように、レール保持部210の操作レバー215を上方から下方へ力F2で、操作レバー係止手段116に係止されるまで押し込む押込操作によって、支持台207が支持台軸212周りに回転方向R3へ向かってシーソー運動する。これにより、ローラレール209だけ傾斜させた場合に比べて、傾斜範囲を広げることができるので、パレットPの重さに応じてより大きな傾斜角度をつけることができる。
パレットPが滑動してパレット載置面206の搬送先側端部に到着すると、ロボット101のロボットアーム部104およびハンド部105を操作することにより、パレットPの移載またはパレットP内に収容されたワークをピックアップして別の場所に移載する。
パレットPの移載またはパレットP内に収容されたワークをピックアップした後に、押込操作で押し込んでいた操作レバー214を元の位置に戻すことで、ローラレール209は略水平の状態に復帰してパレット載置面206より下方の支持台207内部の元の位置に収容される。加えて、操作レバー215を元の位置に戻すことで、支持台207も略水平の元の状態に復帰させることができる。
以上により、本実施形態に係るパレット搬送装置202よれば、第1実施形態に係るパレット搬送装置102と同様の効果に加え、支持台207もシーソー運動させることによってさらに大きな傾斜角度をつけることができるので、パレットPの重量が大きい場合でもパレットPを滑動させることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るパレット搬送システムについて説明する。図3Aは、本実施形態に係るパレット搬送システム300の構成例を示す模式図である。本実施形態が第1実施形態および第2実施形態と相違する主な点は、ロボットを備えた台車によって入力手段である操作レバーの押込操作を行う点である。
図3Aに示すように、パレット搬送システム300は、第1実施形態のパレット搬送システム100と同様に、ロボット301とパレット搬送装置302とを備えている。
ロボット301は、一例として、車輪103を備えた移動台車部304と、移動台車部304に接続されたロボットアーム部305と、ロボットアーム部305の先端に接続されたハンド部306と、を備えている。
パレット搬送装置302は、一例として、パレットPを載置するパレット載置面307を有する支持台308と、パレットPを滑動させる径が異なる滑動機構であるローラ309、310、311と、各ローラ309、310、311を回転運動自在に軸支する一対のローラレール312と、を備えている。さらに、パレット搬送装置302は、一対のローラレール312とは分離した、各ローラレール312の外側面を覆い囲むレール保持部313を備えている。本実施形態では、ローラ309、310、311と、ローラレール312と、レール保持部313とで、パレットPを滑動させる滑動装置を形成している。
支持台308には、第1実施形態の支持台107と同様に、パレット載置面307上のパレット搬送方向前後に落ち止め板110および111が形成されている。支持台308のパレットPの搬送元側であって、例えば、落ち止め板111が設置された端部下方には、支持台308を係止する支持台係止手段211が設置されている。また、支持台308の中央部下方には、支持台308の回転軸となる支持台軸314が設置されている。
径が異なるローラ309、310、311は、一例として、パレットPの搬送元側に位置する複数の小ローラ309と、小ローラ309に対してパレットPの搬送先側に隣接し小ローラ309の径よりも大きい径の中ローラ310と、パレットPの搬送先側に位置し中ローラ310の径よりも大きい径の大ローラ311と、で構成されている。なお、本実施形態では、小ローラ309が複数形成され、中ローラ310および大ローラ311が1つずつ形成されているが、各ローラの数は本実施形態に限られない。
各ローラ309、310、311は、パレット載置面307上でパレットPを搬送する方向に回転可能に配列して支持台308の内部に収容されている。ここで、大ローラ311は、パレット載置面307からわずかに突出しているが、支持台308の内部に完全に収容されていてもよい。これにより、パレット搬送装置302は、パレットPをパレット載置面307上の搬送元側に安定して載置することができる。一方、パレットPをパレット載置面307上で滑動させる場合、各ローラ309、310、311は、後述の操作により、その表面がパレット載置面307から突出する位置に移動することができる。
一対のローラレール312は、パレットPの搬送方向に延在し、各ローラ309、310、311の軸方向両側から、各ローラ309、310、311の軸を挟んで各ローラ309、310、311を回転可能に固定している。一対のローラレール312の搬送先側には、ローラレール312を支持台308の下方に設置されたレール軸315周りにシーソー運動(回転運動)させる操作レバー316が形成されている。操作レバー316の先端には、支持台308の側面から支持台308の外部へ突出し、移動台車部304の車輪303が乗り上げて鉛直下方へ押し込めるように傾斜が設けられている。
レール保持部313は、一対のローラレール312と分離して支持台308の内部に形成され、一対のローラレール312の周囲を取り囲むようにローラレール312の外側面に重ね合わせて配置されている。レール保持部313のパレットPの搬送先側には、支持台308を支持台軸314周りにシーソー運動(回転運動)させる操作レバー317が形成されている。操作レバー317の先端には、支持台308の側面から支持台308の外部へ突出し、移動台車部304の車輪303が乗り上げて鉛直下方へ押し込めるように傾斜が設けられている。なお、本実施形態では、操作レバー316と操作レバー317とは分離して形成されているが、ローラレール312とレール保持部313とが独立して回転運動できるのであれば一体として形成されてもよい。
操作レバー316および操作レバー317は、その先端下部に弾性体であるスプリング318の一端が接続されている。スプリング318の他端は、ロボット301および支持台308が配置された面に接続されている。
パレット搬送装置302は、移動台車部304の車輪303が操作レバー316を上方から下方へ力F3で押し込む押込操作によって、ローラレール312がレール軸315を中心として、操作レバー316が形成された一端側(搬送先側)とは反対の他端側(搬送元側)がパレット載置面307の上方に浮上する回転方向R4へ回転運動を行う。
また、パレット搬送装置302は、移動台車部304の車輪303が操作レバー317を上方から下方へ力F3で押し込む押込操作によって、支持台308が支持台軸314を中心として、操作レバー317が形成された一端側(搬送先側)とは反対の他端側(搬送元側)がパレット載置面206の上方に浮上する回転方向R5へ回転運動を行う。
次に、図3Aおよび図3Bを用いて、パレット搬送装置302の動作について説明する。図3Bは、ローラレール312および支持台308がシーソー運動(回転運動)した後の状態を示す模式図である。
まず、図3Aに示すように、ロボット301をローラレール312の操作レバー114およびレール保持部313の操作レバー317が形成されたパレット搬送装置302の搬送先側付近に配置する。
次に、パレットPをパレット載置面307上のパレット搬送装置302の搬送元側に載置する。この時、ローラレール312およびレール保持部313は、支持台207の設置面に対して略水平に位置し、各ローラ309、310は、パレット載置面307より下方の支持台308内部に収容されている。
そして、図3Bに示すように、移動台車部304の車輪303が操作レバー316を上方から下方へ力F3で押し込む押込操作によって、ローラレール312がレール軸315周りに回転方向R4へ向かってシーソー運動する。
すると、ローラレール312の搬送元側がパレット載置面307の上方に浮き上がり、各ローラ309、310の少なくとも一部がパレット載置面307の上方に突出する。
これに伴い、ローラレール312が搬送元側から搬送先側へ向かって傾斜し、パレット載置面307の搬送元側に載置されていたパレットPが搬送先側の方向M3へ向かって各ローラ309、310、311上を滑動する。
さらに、図3Bに示すように、移動台車部304の車輪303がレール保持部313の操作レバー317を上方から下方へ力F3で押し込む押込操作によって、支持台308が支持台軸314周りに回転方向R5へ向かってシーソー運動する。これにより、ローラレール312だけ傾斜させた場合に比べて、傾斜範囲を広げることができるので、パレットPの重さに応じてより大きな傾斜角度をつけることができる。
パレットPが滑動してパレット載置面307の搬送先側端部に到着すると、ロボット301のロボットアーム部305およびハンド部306を操作することにより、パレットPの移載またはパレットP内に収容されたワークをピックアップして別の場所に移載する。
パレットPの移載またはパレットP内に収容されたワークをピックアップした後に、移動台車部304を移動させて車輪303を操作レバー316および操作レバー317から外し、押し込んでいた操作レバー316を元の位置に戻すことで、ローラレール312は略水平の状態に復帰してパレット載置面307より下方の支持台308内部の元の位置に収容される。同様に、操作レバー317を元の位置に戻すことで、支持台308も略水平の元の状態に復帰させることができる。
本実施形態に係るパレット搬送装置302では、パレットPが搬送先側である操作レバー316および操作レバー317側に近づくにつれて各ローラ309、310、311の径が徐々に大きくなっている。これにより、図3Bに示すように、パレットPの滑動面S1の傾きを操作レバー316および操作レバー317側近傍で小さくしている。
したがって、本実施形態に係るパレット搬送装置302よれば、第2実施形態に係るパレット搬送装置202と同様の効果に加え、支持台308の搬送先側端部近傍でパレットPを減速させて、パレットP停止時の衝撃を緩和することができる。
なお、本実施形態に係るパレット搬送装置302は、各ローラ309、310、311径が1つずつ連続的に大きくなる構成を備えているがこれに限定するものではなく、例えば2つずつ段階的に大きくするなどの構成を取っても良い。
また、各ローラ309、310、311の回転抵抗を各ローラ309、310、311の径と同様に操作レバー316および操作レバー317側近傍になるにつれて徐々に大きくすることで、滑動したパレットPにより大きな減速をかけることができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係るパレット搬送システムについて説明する。図4Aは、本実施形態に係るパレット搬送システム400の構成例を示す平面模式図である。図4Bは、ローラレールがシーソー運動した後の状態を示す模式図である。本実施形態が第1実施形態と相違する主な点は、ロボットによるスイッチ操作とモータなどのアクチュエータによる動作によってローラレールにシーソー運動させる点である。
図4Aおよび図4Bに示すように、パレット搬送システム400は、パレットPの移載およびパレットP内に収容されるワークをピックアップするロボット401と、パレットPを載置および搬送するパレット搬送装置402と、を備えている。
ロボット401は、一例として、ベース部403と、ベース部403に接続されたロボットアーム部404と、ロボットアーム部404の先端に接続されたハンド部405と、を備えている。
パレット搬送装置402は、一例として、パレットPを載置するパレット載置面406を有する支持台407と、パレットPを滑動させる複数の滑動機構であるローラ408と、ローラ408を回転運動自在に軸支する一対のローラレール409と、を備えている。本実施形態では、ローラ408とローラレール409とで、パレットPを滑動させる滑動装置を形成している。
支持台407には、パレット載置面406の他、パレット載置面406上のパレット搬送方向前後、すなわちパレットPの搬送先および搬送元のそれぞれに落ち止め板110および111が形成されている。
複数のローラ408は、パレット載置面406上でパレットPを搬送する方向に回転可能に配列して支持台407の内部に収容されている。これにより、パレット搬送装置402は、パレットPをパレット載置面406上に安定して載置することができる。一方、パレットPをパレット載置面406上で滑動させる場合、複数のローラ408は、後述の操作により、その表面がパレット載置面406から突出する位置に移動することができる。
一対のローラレール409は、パレットPの搬送方向に延在し、複数のローラ408の軸方向両側から各ローラ408の軸を挟んで各ローラ408を回転可能に固定している。一対のローラレール409の搬送元側には、ローラレール409を支持台407底面に係止させるレール係止手段410が形成されている。 また、ローラレール409は、支持台407底面に設置されたレール軸411に、そのレール軸411周りに回転可能に接続されている。
レール軸411には、ローラレール409をレール軸411周りにシーソー運動(回転運動)させるアクチュエータの一例であるモータ412が取り付けられている。さらに、ハンド部405下方には、例えば、ハンド部405で力F4を加えることでモータ412を稼働させる入力手段である操作スイッチ413が設置されている。
パレット搬送装置402は、ハンド部405を用いて上方から下方へ力F4で操作スイッチ413を押し込む押込操作によって、レール軸411に取り付けられたモータ412がローラレール409を傾斜させる搬送先の回転方向R6へ回転させる。これにより、ローラレール409がレール軸411を中心として、搬送元側がパレット載置面406の上方に浮上する回転方向R7へ回転運動を行う。また、操作スイッチ413の押込操作の強弱によって、ローラレール409の回転傾斜を調整することができる。なお、操作スイッチ413の押込操作は、人が押すなど、別の操作手段を用いてもよい。
次に、図4Aおよび図4Bを用いて、パレット搬送装置402の動作について説明する。
まず、図4Aに示すように、ロボット401のベース部403をパレット搬送装置402の搬送先側付近に設置する。さらに、ロボットアーム部404およびハンド部405の可動範囲でハンド部405によって上方から下方へ押し込める位置に操作スイッチ413を配置する。
次に、パレットPをパレット載置面406上のパレット搬送装置402の搬送先側と反対側であるローラレール409のレール係止手段410が形成された搬送元側に載置する。この時、ローラレール409は、支持台407の設置面に対して略水平に位置し、各ローラ408は、パレット載置面406より下方の支持台407内部に収容されている。
そして、図4Bに示すように、ハンド部405を用いて上方から下方へ力F4で操作スイッチ413を押し込む押込操作によって、レール軸411に取り付けられたモータ412がローラレール409を傾斜させる搬送先の回転方向R6へ回転する。これに伴い、ローラレール409がレール軸411周りに回転方向R7へ向かってシーソー運動する。
すると、ローラレール409の搬送元側がパレット載置面406の上方に浮き上がり、複数のローラ408の少なくとも一部がパレット載置面406の上方に突出する。
このため、ローラレール409が搬送元側から搬送先側へ向かって傾斜し、パレット載置面406の搬送元側に載置されていたパレットPが搬送先側の方向M4へ向かってローラ408およびパレット載置面406上を滑動する。
パレットPが滑動してパレット載置面406の搬送先側端部に到着すると、ロボット401のロボットアーム部404およびハンド部405を操作することにより、パレットPの移載またはパレットP内に収容されたワークをピックアップして別の場所に移載する。
パレットPの移載またはパレットP内に収容されたワークをピックアップした後に、押込操作で押し込んでいた操作スイッチ413をハンド部405で引っ張り出して元の位置に戻すことで、モータ412が回転方向R6とは逆方向へ回転する。これにより、ローラレール409は略水平の状態に復帰してパレット載置面406より下方の支持台407内部の元の位置に収容される。
ここで、第1実施形態から第3実施形態に係るパレット搬送装置では、パレットPの重量に対してロボットの手先発揮力や移動台車の重量が上回らないとローラレールを操作することができない。
しかしながら、本実施形態に係るパレット搬送装置システム400のように、ロボット401とは別に、パレットPの重量に合わせた高出力のアクチュエータであるモータ412を導入し、操作スイッチ413を押すことでモータ412を回転させてローラレール409を傾けることができる。
以上により、本実施形態に係るパレット搬送装置402よれば、第1実施形態から第3実施形態に係るパレット搬送装置と同様の効果に加え、操作スイッチ413の押し込み量によってローラレール409の傾斜角度を変えることができる。さらに、パレット搬送装置402よれば、操作スイッチ413の押し込み量を調整することによってパレットPの移動速度を可変にでき、ロボット401側の搬送先側近傍で減速させることもできる。
本発明は、例えば、生産工場などで産業用ロボットを用いて搬送するワークおよびパレットを搬送するパレット搬送装置に関するものであり、産業上の利用可能性を有するものである。
100、200、300、400 パレット搬送システム
101、301、401 ロボット
102、202、302、402 パレット搬送装置
103、403 ベース部
104、305、404 ロボットアーム部
105、306、405 ハンド部
106、206、307、406 パレット載置面
107、207、308、407 支持台
108、208、309、310、311、408 ローラ
109、209、312、409 ローラレール
110、111 落ち止め板
112、410 レール係止手段
113、213、315、411 レール軸
114、214、215、316、317 操作レバー
115、318 スプリング
116 操作レバー係止手段
210、313 レール固定部
211 支持台係止手段
212、314 支持台軸
303 車輪
304 移動台車部
412 モータ
413 操作スイッチ
P パレット

Claims (11)

  1. パレットを支持する支持台と、
    前記パレットを滑動させる回転運動自在な滑動機構と、
    前記滑動機構を前記回転運動により傾斜させる入力手段と、
    を備え、
    前記滑動機構が前記回転運動により前記支持台のパレット載置面の上に突出するパレット搬送装置。
  2. 前記支持台を回転運動自在とし、
    前記入力手段により前記滑動機構と連動して傾斜させるようにした請求項1に記載のパレット搬送装置。
  3. 前記パレットが設置面と略水平のときに前記滑動機構が前記支持台のパレット載置面の下に位置する請求項1または2に記載のパレット搬送装置。
  4. 前記入力手段が操作レバーである請求項1から3いずれか一項に記載のパレット搬送装置。
  5. 前記滑動機構が複数のローラで構成される請求項1から4のいずれか一項に記載のパレット搬送装置。
  6. 前記複数のローラが、複数の異なる径を有するローラで構成されている請求項5に記載のパレット搬送装置。
  7. 前記ローラの径が、前記パレットの端部のいずれか一方に向かうにつれて連続的又は段階的に大きく形成されている請求項6に記載のパレット搬送装置。
  8. 前記ローラの回転抵抗が複数の異なる大きさをもつ、請求項5から7のいずれか一項に記載のパレット搬送装置。
  9. 前記ローラの回転抵抗が前記パレットの端部のいずれか一方に向かうにつれて連続的又は段階的に大きくなる請求項8に記載のパレット搬送装置。
  10. 前記パレットの支持台を少なくとも傾斜姿勢で係止する係止解除自在な係止手段が併設されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のパレット搬送装置。
  11. 前記支持台は、前記入力手段によって傾斜させたときのみ前記係止手段で係止可能に構成されると共に、前記入力手段を操作しない状態では設置面と略水平に自動復帰するように一方向に付勢されている、請求項10に記載のパレット搬送装置。
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