JP7234773B2 - 渦電流式減速装置用ロータ - Google Patents

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Description

本開示は、ロータに関し、さらに詳しくは、渦電流式減速装置(リターダ)に用いられる、渦電流式減速装置用ロータに関する。
バスやトラック等の大型自動車は、フットブレーキや排気ブレーキ等の制動装置を備える。最近の大型自動車ではさらに、渦電流式減速装置を備えるものが登場している。渦電流式減速装置は、リターダとも呼ばれる。たとえば、急勾配の長い下り坂等を走行する場合であって、エンジンブレーキや排気ブレーキを併用しても大型自動車の走行速度を減速しにくい場合、渦電流式減速装置を作動させることにより、制動力をさらに高め、大型自動車の走行速度を有効に減速させることができる。
渦電流式減速装置は、電磁石を用いたタイプと、永久磁石を用いたタイプとが存在する。永久磁石を用いた渦電流式減速装置は、ロータと、ロータに収納されるステータとを備える。ロータは、円筒部(ドラム)と、プロペラシャフトにロータを固定するための円環状のホイール部と、円筒部とホイール部とをつなぐ複数のアーム部とを備える。ステータは、円筒体と、極性の異なる2種類の複数の永久磁石と、複数のポールピースとを備える。極性の異なる複数の永久磁石は、円筒部の外周面上に、円周方向に交互に配列される。ポールピースは、ロータの円筒部の内周面と、永久磁石との間に配置される。ステータのうち、複数の永久磁石が取り付けられた円筒体は、複数のポールピースとは別個独立して、円筒体の軸まわりを回転可能である。
制動時、つまり、渦電流式減速装置を作動させる場合、ステータの永久磁石の磁束がポールピースを介してロータに到達して、永久磁石とロータの円筒部との間に磁気回路が形成される。このとき、ロータの円筒部に渦電流が発生する。渦電流の発生に伴い、ローレンツ力が発生する。このローレンツ力が制動トルクとなり、大型自動車に制動力を付与する。一方、非制動時、つまり、渦電流式減速装置の動作を停止する場合、ポールピースに対する永久磁石の相対位置をずらして、永久磁石の磁束をロータに到達しないようにする。この場合、永久磁石とロータの円筒部との間に磁気回路が形成されない。そのため、ロータの円筒部に渦電流が発生せず、制動力も発生しない。以上の動作により、渦電流式減速装置は、制動動作及び非制動動作を実行する。
ところで、制動力は、制動時のロータの円筒部に発生する渦電流量に依存する。そのため、制動時にロータの円筒部に発生する渦電流量は大きい方が好ましい。制動時に発生する渦電流量を増加させるためには、ロータの円筒部の電気抵抗が低い方が好ましい。
さらに、制動時において、渦電流とともに発生するジュール熱により、ロータは加熱される。一方、渦電流式減速装置の非制動時において、ロータは円筒部の外周面に形成されている複数の冷却フィンにより急速に冷却(空冷)される。つまり、ロータでは、制動及び非制動の繰り返しにより、熱サイクルが負荷される。そのため、渦電流式減速装置のロータには、低い電気抵抗だけでなく、高い高温強度も要求される。
渦電流式減速装置用ロータにおいて、電気抵抗を低減しつつ、高い高温強度を得る技術が特開平8-49041号公報(特許文献1)に開示されている。
特許文献1に記載された渦電流式減速装置用ロータ材は、質量%で、C:0.05~0.15%、Si:0.10~0.40%、Mn:0.5~1.0%、P:0.05%以下、Ni:0.50%以下、Mo:0.2~1.0%、Nb:0.01~0.03%、V:0.03~0.07%、B:0.0005~0.003%、Sol.Al:0.02~0.09%、N:0.01%以下を含有し、残部は実質的にFeからなる。この文献では、電気抵抗を高める元素であるP、Ni、Mnの含有量を低減することにより、ロータ材の電気抵抗を低減する。さらに、Bを含有することにより、ロータ材の高温強度を高めている。
特開平8-49041号公報
特許文献1に記載されたロータ材は、常温での電気抵抗を21μΩcm以下とし、650℃での引張強度を27kgf/mm2(265MPa)以上とすることができる(特許文献1の段落[0032])。ところで、最近では、車載重量が大きい、より大型の自動車での渦電流式減速装置の活用も検討されている。このような、より車載重量が大きい大型の自動車で渦電流式減速装置を使用した場合、制動時のジュール熱により、ロータの温度が650℃よりも高い、700℃に達する場合もある。700℃の高温強度は650℃での高温強度と顕著に異なる。つまり、650℃で高い強度を有している場合であっても、700℃では強度が急激に低下する場合がある。
本開示の目的は、電気抵抗を低く抑えることができ、かつ、700℃においても高い強度を維持できる、渦電流式減速装置用ロータを提供することである。
本開示による渦電流式減速装置用ロータは、
円筒部を備え、
前記円筒部の化学組成が、質量%で、
C:0.05~0.15%、
Si:0.10~0.40%、
Mn:0.50~1.00%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Mo:0.20~1.00%、
Nb:0.020~0.060%、
V:0.040~0.080%、
sol.Al:0.030~0.100%、
B:0.0005~0.0050%、
N:0.003~0.010%、
Cu:0~0.20%、
Ni:0~0.20%、
Cr:0~0.10%、及び、
残部:Fe及び不純物、からなり、式(1)及び式(2)を満たし、
ミクロ組織におけるマルテンサイト及びベイナイトの総面積率が95.0%以上である。
0.060≦(51/93)Nb+V≦0.100 (1)
0.50<Nb/V (2)
ここで、式(1)及び式(2)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
本開示による渦電流式減速装置用ロータは、電気抵抗を低く抑えることができ、かつ、700℃においても高い強度を維持できる。
図1は、本実施形態の渦電流式減速装置用ロータが適用される、渦電流式減速装置の正面図である。 図2は、図1に示す渦電流式減速装置をプロペラシャフトに固定した場合の、渦電流式減速装置の、プロペラシャフトの軸方向の断面図である。 図3は、非制動時の渦電流式減速装置の軸方向に垂直な断面図(径方向の断面図)である。 図4は、制動時の渦電流式減速装置の軸方向に垂直な断面図(径方向の断面図)である。
本発明者らは、電気抵抗を低く抑えつつ、かつ、700℃においても高い強度を維持できる渦電流式減速装置用ロータについて調査及び検討を行った。
特許文献1に記載されたロータ材では、特許文献1の段落[0029]に記載のとおり、ロータ材の電気抵抗を低減するために、含有される元素のうち、P含有量、Ni含有量、及び、Mn含有量を低減し、かつ、高温強度を高めるために、焼入れ性を高めるBを微量添加している。さらに、段落[0045]及び[0046]に記載のとおり、焼入れ及び600~700℃での焼戻しを実施することによりロータ材を製造している。これにより、特許文献1に記載されたロータ材では、650℃での高温強度を27kgf/mm2(265MPa)以上としている。
しかしながら、特許文献1に記載のロータ材の温度が650℃を超えて700℃となった場合、降伏強度が顕著に低下する場合があった。
そこで、本発明者らは、化学組成が、質量%で、C:0.05~0.15%、Si:0.10~0.40%、Mn:0.50~1.00%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Mo:0.20~1.00%、Nb:0.020~0.060%、V:0.040~0.080%、sol.Al:0.030~0.100%、B:0.0005~0.0050%、N:0.003~0.010%、Cu:0~0.20%、Ni:0~0.20%、Cr:0~0.10%、及び、残部:Fe及び不純物、からなり、焼入れ及び焼戻しを実施した鋼材をロータとみなして、電気抵抗と、700℃での降伏強度とを調査した。その結果、上述の化学組成を有する鋼材であっても、低い電気抵抗を維持しつつ、700℃において十分な降伏強度が得られない場合があった。
そこで、本発明者らは、700℃における強度の維持メカニズムについて、検討を行った。転位密度によりロータ用鋼材の強度を高めている場合、ロータ用鋼材が650℃の場合よりも、700℃の場合の方が、転位密度が顕著に低減する。そのため、ロータ用鋼材の強度を転位密度により確保している場合、700℃において、高い降伏強度を維持することが困難となる。
そこで、本発明者らは、転位密度による高温強度の向上よりも、析出強化による高温強度の向上をより重視した鋼材の組織設計を検討した。上述の化学組成において、生成する析出物としては、Mo炭化物(Mo2C)、セメンタイト、Nb炭化物(NbC)、V炭化物(VC)、Al窒化物(AlN)等が存在する。析出強化は、析出物が微細であるほど、強度を高めることができる。これらの析出物のうち、微細な析出物は、MX型析出物のNb炭化物及びV炭化物である。MX型析出物のNb炭化物及びV炭化物の析出量により高温強度を確保すれば、650℃から700℃に温度が上昇した場合であっても、転位密度は顕著に減少するものの、MX型析出物は消滅せずに鋼材中に維持されている。そのため、700℃においても十分な降伏強度を維持することができると考えられる。
そこで、本発明者らは、上述の化学組成において、電気抵抗を低く維持しつつ、700℃の高温強度を確保できるMX型析出物の析出量について検討を行った。その結果、次の式(1)を満たすことにより、700℃での高温強度を高く維持することができるMX型析出物の析出量を確保することができることを見出した。
0.060≦(51/93)Nb+V≦0.100 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
しかしながら、上述の化学組成の鋼材において、式(1)を満たすだけでは、依然として700℃での降伏強度が低くなる場合があった。そこで、本発明者らはさらなる調査を行った。その結果、本発明者らは、次の知見を得た。Nb炭化物とV炭化物とのサイズを比較した場合、Nb炭化物の方が、V炭化物よりも微細である。NbはVに比較して固溶量が少ないため、焼戻し時にNb炭化物として析出した後のオストワルド成長がV炭化物に比較して少ない。その結果、上述の化学組成の鋼材の場合、Nb炭化物の方がV炭化物よりも微細になる。上述のとおり、析出物が微細である方が、析出強化による強度を高めることができる。
Nb炭化物はV炭化物と比較して微細である。そのため、本発明者らは、式(1)を満たしつつ、Nb炭化物の個数割合を増やす方法を検討した。その結果、式(1)を満たしつつ、かつ、式(2)を満たすことにより、MX型析出物を十分に生成し、かつ、Nb炭化物の個数割合も十分に増やすことができ、電気抵抗を低く抑えつつ、700℃において優れた高温強度も得ることができることを見出した。
0.50<Nb/V (2)
ここで、式(2)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
以上の知見により完成した本実施形態の渦電流式減速装置用ロータは、次の構成を備える。
[1]の渦電流式減速装置用ロータは、
円筒部を備え、
前記円筒部の化学組成が、質量%で、
C:0.05~0.15%、
Si:0.10~0.40%、
Mn:0.50~1.00%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Mo:0.20~1.00%、
Nb:0.020~0.060%、
V:0.040~0.080%、
sol.Al:0.030~0.100%、
B:0.0005~0.0050%、
N:0.003~0.010%、
Cu:0~0.20%、
Ni:0~0.20%、
Cr:0~0.10%、及び、
残部:Fe及び不純物、からなり、式(1)及び式(2)を満たし、
ミクロ組織におけるマルテンサイト及びベイナイトの総面積率が95.0%以上である。
0.060≦(51/93)Nb+V≦0.100 (1)
0.50<Nb/V (2)
ここで、式(1)及び式(2)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
[2]の渦電流式減速装置用ロータは、[1]に記載の渦電流式減速装置用ロータであって、
前記化学組成はさらに、
Cu:0.01~0.20%、
Ni:0.01~0.20%、及び、
Cr:0.01~0.10%、からなる群から選択される1元素又は2元素以上を含有する。
以下、本実施形態の渦電流式減速装置用ロータについて詳述する。
[渦電流式減速装置の構成]
図1は、本実施形態の渦電流式減速装置用ロータが適用される、渦電流式減速装置の正面図である。図1を参照して、渦電流式減速装置1は、渦電流式減速装置用ロータ10(以下、単にロータ10ともいう)と、ステータ20とを備える。
図2は、図1に示す渦電流式減速装置1をプロペラシャフトに固定した場合の、渦電流式減速装置1の、プロペラシャフトの軸方向の断面図である。図2を参照して、本実施形態では、ロータ10がプロペラシャフト30に固定され、ステータ20が、図示しないトランスミッションに固定される。図1及び図2を参照して、ロータ10は、円筒部(ドラム)11と、アーム部12と、ホイール部13とを備える。円筒部11は、円筒状であり、ステータ20の外径よりも大きい内径を有する。ホイール部13は、円筒部11の内径よりも小さい外径を有する円環状の部材であり、中心部に貫通孔を有する。ホイール部13の厚さは、円筒部11の厚さよりも薄い。ホイール部13は、貫通孔にプロペラシャフト30を挿入し、プロペラシャフト30に固定される。アーム部12は、図1及び図2に示すとおり、円筒部11の端部と、ホイール部13とを繋いでいる。なお、円筒部11の外周面には、複数の冷却フィン11Fが形成されている。
図3は、非制動時の渦電流式減速装置1の軸方向に垂直な断面図(径方向の断面図)である。図3を参照して、ステータ20は、磁石保持リング21と、複数の永久磁石22及び23と、複数のポールピース24とを備える。永久磁石22及び永久磁石23は、磁石保持リング21の外周面上に、円周方向に交互に配列されている。永久磁石22の表面のうち、ロータ10の円筒部11の内周面と対向する表面はN極である。永久磁石23の表面のうち、ロータ10の円筒部11の内周面と対向する表面はS極である。複数のポールピース24は、ステータ20の円周方向に配列されている。複数のポールピース24は、複数の永久磁石22及び23と、円筒部11の内周面との間に配列されている。
[渦電流式減速装置1の制動及び非制動の動作について]
図3を参照して、非制動時において、渦電流式減速装置1の径方向に見た場合、各永久磁石22又は23は、互いに隣り合う2つのポールピース24と重複している。この場合、磁束Bは図3に示すとおり、ステータ20内に流れ、具体的には、永久磁石22及び23と、ポールピース24と、磁石保持リング21との間を流れる。この場合、ロータ10と永久磁石22及び23との間には磁気回路が形成されておらず、ロータ10にローレンツ力が発生しない。そのため、制動力が作動しない。
図4は、制動時の渦電流式減速装置1の軸方向に垂直な断面図(径方向の断面図)である。制動時において、ステータ20内の磁石保持リング21が回転して、図3と比較して、永久磁石22及び23の、ポールピース24に対する相対位置をずらす。具体的には、図4では、制動時において、渦電流式減速装置1の径方向に見た場合、各永久磁石22又は23は、1つのポールピース24のみと重複しており、2つのポールピース24には重複していない状態となる。そのため、磁束Bは図4に示すとおり、磁石保持リング21、永久磁石22又は23、ポールピース24、及び、円筒部11との間を流れる。この場合、ロータ10と永久磁石22又は23との間には磁気回路が形成される。このとき、ロータ10の円筒部11に渦電流が発生する。渦電流の発生に伴い、ローレンツ力が発生する。このローレンツ力が制動トルクとなり、制動力が発生する。
以上のとおり、渦電流式減速装置1は、ロータ10に発生する渦電流により、制動力を発生させる。したがって、ロータ10の円筒部11は渦電流の発生量が大きくなる方が好ましい。円筒部11の電気抵抗が小さいほど、渦電流の発生量が大きくなる。そのため、ロータ10の円筒部11は、電気抵抗が小さい方が好ましい。ロータ10はさらに、制動及び非制動を繰り返すことにより、熱サイクルが負荷される。上述のとおり、最近では、700℃になっても高い高温強度が得られることが求められている。以下、ロータ10について詳述する。
[渦電流式減速装置用ロータ10について]
[化学組成]
本実施形態の渦電流式減速装置用ロータ10の円筒部11の化学組成は、次の元素を含有する。元素に関する「%」は、特に断りがない限り、質量%を意味する。
[必須元素について]
C:0.05~0.15%
炭素(C)は、鋼材の焼入れ性を高め、鋼材の強度を高める。Cはさらに、Nb炭化物、V炭化物等の析出強化型の微細な炭化物を生成し、鋼材の高温強度を高める。C含有量が0.05%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上述の効果が十分に得られない。一方、C含有量が0.15%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の電気抵抗が過剰に高まり、渦電流式減速装置1の制動時において、ロータ10の円筒部11を流れる渦電流量が減少する。この場合、渦電流式減速装置1の制動力が低下する。したがって、C含有量は0.05~0.15%である。C含有量の好ましい下限は0.06%であり、さらに好ましくは0.07%である。C含有量の好ましい上限は0.14%であり、さらに好ましくは0.13%であり、さらに好ましくは0.12%である。
Si:0.10~0.40%
シリコン(Si)は、製鋼工程において、鋼を脱酸する。Siはさらに、鋼材の焼入れ性を高め、鋼材の強度を高める。Si含有量が0.10%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。一方、Si含有量が0.40%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の電気抵抗が過剰に高まり、渦電流式減速装置1の制動時において、ロータ10の円筒部11を流れる渦電流量が減少する。この場合、渦電流式減速装置1の制動力が低下する。したがって、Si含有量は0.10~0.40%である。Si含有量の好ましい下限は0.12%であり、さらに好ましくは0.15%である。Si含有量の好ましい上限は0.38%であり、さらに好ましくは0.36%である。
Mn:0.50~1.00%
マンガン(Mn)は、製鋼工程において、鋼を脱酸する。Mnはさらに、鋼材の焼入れ性を高め、鋼材の強度を高める。Mn含有量が0.50%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。一方、Mn含有量が1.00%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の電気抵抗が過剰に高まり、渦電流式減速装置1の制動時において、ロータ10の円筒部11を流れる渦電流量が減少する。この場合、渦電流式減速装置1の制動力が低下する。したがって、Mn含有量は0.50~1.00%である。Mn含有量の好ましい下限は0.58%であり、さらに好ましくは0.60%であり、さらに好ましくは0.62%である。Mn含有量の好ましい上限は0.94%であり、さらに好ましくは0.90%であり、さらに好ましくは0.88%である。
P:0.030%以下
燐(P)は不可避に含有される不純物である。つまり、P含有量は0%超である。Pは、鋼材の熱間加工性及び靱性を低下する。Pはさらに、鋼材の電気抵抗を高め、渦電流式減速装置1の制動時において、ロータ10の円筒部11を流れる渦電流量を減少させる。P含有量が0.030%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の熱間加工性及び靱性が顕著に低下し、さらに、渦電流式減速装置1の制動力が低下する。したがって、P含有量は0.030%以下である。P含有量の好ましい上限は0.028%であり、さらに好ましくは0.026%であり、さらに好ましくは0.025%である。P含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、P含有量の過剰な低減は、製造コストを引き上げる。したがって、通常の工業生産を考慮した場合、P含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.003%である。
S:0.030%以下
硫黄(S)は不可避に含有される不純物である。つまり、S含有量は0%超である。Sは、鋼材の熱間加工性及び靱性を低下させる。S含有量が0.030%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の熱間加工性及び靱性が顕著に低下する。したがって、S含有量は0.030%以下である。S含有量の好ましい上限は0.025%であり、さらに好ましくは0.022%であり、さらに好ましくは0.020%である。S含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、S含有量の過剰な低減は、製造コストを引き上げる。したがって、通常の工業生産を考慮した場合、S含有量の好ましい下限は0.001%である。
Mo:0.20~1.00%
モリブデン(Mo)は、鋼材の焼入れ性を高め、固溶強化及びMo炭化物(Mo2C)による析出強化(分散強化)により、高温強度を高める。Moはさらに、鋼材の靱性を高める。Mo含有量が0.20%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。一方、Mo含有量が1.00%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の電気抵抗が過剰に高まり、渦電流式減速装置1の制動時において、ロータ10の円筒部11を流れる渦電流量が減少する。この場合、渦電流式減速装置1の制動力が低下する。したがって、Mo含有量は0.20~1.00%である。Mo含有量の好ましい下限は0.25%であり、さらに好ましくは0.30%であり、さらに好ましくは0.35%であり、さらに好ましくは0.40%である。Mo含有量の好ましい上限は0.90%であり、さらに好ましくは0.80%であり、さらに好ましくは0.70%であり、さらに好ましくは0.60%である。
Nb:0.020~0.060%
ニオブ(Nb)は、炭素と結合してNb炭化物を生成し、析出強化により、鋼材の高温強度を高める。Nbはさらに、結晶粒の粗大化を抑制する。Nb含有量が0.020%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。一方、Nb含有量が0.060%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の電気抵抗が過剰に高まり、渦電流式減速装置1の制動時において、ロータ10の円筒部11を流れる渦電流量が減少する。この場合、渦電流式減速装置1の制動力が低下する。Nb含有量が0.060%を超えればさらに、鋼材の靱性が低下する。したがって、Nb含有量は0.020~0.060%である。Nb含有量の好ましい下限は0.025%であり、さらに好ましくは0.030%であり、さらに好ましくは0.032%であり、さらに好ましくは0.034%である。Nb含有量の好ましい上限は0.058%であり、さらに好ましくは0.056%であり、さらに好ましくは0.054%である。
V:0.040~0.080%
バナジウム(V)は、炭素と結合してV炭化物を生成し、析出強化により、鋼材の高温強度を高める。Vはさらに、結晶粒の粗大化を抑制する。V含有量が0.040%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。一方、V含有量が0.080%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の電気抵抗が過剰に高まり、渦電流式減速装置1の制動時において、ロータ10の円筒部11を流れる渦電流量が減少する。この場合、渦電流式減速装置1の制動力が低下する。V含有量が0.080%を超えればさらに、鋼材の靱性が低下する。したがって、V含有量は0.040~0.080%である。V含有量の好ましい下限は0.044%であり、さらに好ましくは0.048%であり、さらに好ましくは0.050%である。V含有量の好ましい上限は0.075%であり、さらに好ましくは0.070%である。
sol.Al:0.030~0.100%
アルミニウム(Al)は、製鋼工程において、鋼を脱酸する。Alはさらに、Nと結合してAlNを生成して、鋼材の結晶粒を微細化する。sol.Al含有量が0.030%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。一方、sol.Al含有量が0.100%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の電気抵抗が過剰に高まり、渦電流式減速装置1の制動時において、ロータ10の円筒部11を流れる渦電流量が減少する。この場合、渦電流式減速装置1の制動力が低下する。したがって、sol.Al含有量は0.030~0.100%である。sol.Al含有量の好ましい下限は0.040%であり、さらに好ましくは0.050%である。sol.Al含有量の好ましい上限は0.090%である。
B:0.0005~0.0050%
ボロン(B)は鋼材の焼入れ性を高め、鋼材の高温強度を高める。B含有量が0.0005%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。一方、B含有量が0.0050%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の靱性が低下する。したがって、B含有量は0.0005~0.0050%である。B含有量の好ましい下限は0.0010%であり、さらに好ましくは0.0012%であり、さらに好ましくは0.0014%である。B含有量の好ましい上限は0.0045%であり、さらに好ましくは0.0040%であり、さらに好ましくは0.0035%であり、さらに好ましくは0.0030%である。
N:0.003~0.010%
窒素(N)は、Alと結合してAlNを形成して、鋼材の結晶粒を微細化する。N含有量が0.003%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。一方、N含有量が0.010%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の電気抵抗が過剰に高まり、渦電流式減速装置1の制動時において、ロータ10の円筒部11を流れる渦電流量が減少する。この場合、渦電流式減速装置1の制動力が低下する。したがって、N含有量は0.003~0.010%である。N含有量の好ましい下限は0.004%である。N含有量の好ましい上限は0.009%であり、さらに好ましくは0.008%であり、さらに好ましくは0.007%である。
本実施形態の渦電流式減速装置1のロータ10の円筒部11の化学組成の残部は、Fe及び不純物からなる。ここで、不純物とは、本実施形態のロータ10の円筒部11を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、又は、製造環境などから混入されるものであって、本実施形態のロータ10の円筒部11に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
[任意元素について]
本実施形態の渦電流式減速装置1のロータ10の円筒部11の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Cu、Ni及びCrからなる群から選択される1元素又は2元素以上を含有してもよい。これらの元素はいずれも任意元素であり、鋼材の焼入れ性を高める。
Cu:0~0.20%
銅(Cu)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Cu含有量は0%であってもよい。含有される場合、Cuは、鋼材の焼入れ性を高め、鋼材の高温強度を高める。Cuが少しでも含有されれば、上記効果はある程度得られる。しかしながら、Cu含有量が0.20%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の電気抵抗が過剰に高まり、渦電流式減速装置1の制動時において、渦電流式減速装置1のロータ10の円筒部11を流れる渦電流量が減少する。この場合、渦電流式減速装置1の制動力が低下する。したがって、Cu含有量は0~0.20%である。Cu含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.01%であり、さらに好ましくは0.02%である。Cu含有量の好ましい上限は0.15%であり、さらに好ましくは0.12%であり、さらに好ましくは0.10%である。
Ni:0~0.20%
ニッケル(Ni)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Ni含有量は0%であってもよい。含有される場合、Niは、鋼材の焼入れ性を高め、鋼材の高温強度を高める。Niが少しでも含有されれば、上記効果はある程度得られる。しかしながら、Ni含有量が0.20%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の電気抵抗が過剰に高まり、渦電流式減速装置1の制動時において、渦電流式減速装置1のロータ10の円筒部11を流れる渦電流量が減少する。この場合、渦電流式減速装置1の制動力が低下する。したがって、Ni含有量は0~0.20%である。Ni含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.01%であり、さらに好ましくは0.02%であり、さらに好ましくは0.03%である。Ni含有量の好ましい上限は0.15%であり、さらに好ましくは0.12%であり、さらに好ましくは0.10%である。
Cr:0~0.10%
クロム(Cr)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Cr含有量は0%であってもよい。含有される場合、Crは、鋼材の焼入れ性を高め、鋼材の高温強度を高める。Crが少しでも含有されれば、上記効果はある程度得られる。しかしながら、Cr含有量が0.10%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の電気抵抗が過剰に高まり、渦電流式減速装置1の制動時において、渦電流式減速装置1のロータ10の円筒部11を流れる渦電流量が減少する。この場合、渦電流式減速装置1の制動力が低下する。したがって、Cr含有量は0~0.10%である。Cr含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.01%であり、さらに好ましくは0.02%である。Ni含有量の好ましい上限は0.09%であり、さらに好ましくは0.08%であり、さらに好ましくは0.07%であり、さらに好ましくは0.06%であり、さらに好ましくは0.05%である。
[式(1)及び式(2)について]
本実施形態の渦電流式減速装置1のロータ10の円筒部11の化学組成はさらに、次の式(1)及び式(2)を満たす。
0.060≦(51/93)Nb+V≦0.100 (1)
0.5<Nb/V (2)
ここで、式(1)及び式(2)中の各元素記号には、本実施形態のロータ10の円筒部11の化学組成中の対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
[式(1)について]
F1=(51/93)Nb+Vと定義する。F1は、MX型析出物を形成するNb炭化物及びV炭化物の析出量の指標である。以下、F1を、「MX型析出物量指標」という。MX型析出物量指標F1は、Nb含有量及びV含有量を全てV含有量として換算した量である。MX型析出物量指標F1が0.060未満であれば、化学組成中の各元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、渦電流式減速装置1のロータ10の円筒部11中のMX型析出物の生成量が不十分であり、十分な高温強度が得られない。具体的には、渦電流式減速装置1のロータ10の円筒部11の700℃における降伏強度が140MPa未満となる。一方、MX型析出物量指標F1が0.100を超えれば、化学組成中の各元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、ロータ10の円筒部11中のMX型析出物の生成量が多すぎる。この場合、渦電流式減速装置1のロータ10の円筒部11の電気抵抗が高まってしまう。したがって、MX型析出物量指標F1は0.060~0.100である。この場合、渦電流式減速装置1のロータ10の円筒部11において、十分な高温強度が得られる。具体的には、渦電流式減速装置1のロータ10の円筒部11の700℃における引張強度が140MPa以上になる。さらに、渦電流式減速装置1のロータ10の円筒部11の靱性が高まる。MX型析出物量指標F1の好ましい下限は0.065であり、さらに好ましくは0.070である。MX型析出物量指標F1の好ましい上限は0.095であり、さらに好ましくは0.092である。なお、MX型析出物量指標F1は、算出された数値の小数第四位を四捨五入して得られた値(つまり、小数第三位の値)である。
[式(2)について]
F2=Nb/Vと定義する。F2はMX型析出物の微細度合いを示す指標である。以下、F2を「MX型析出物微細度合い指標」という。MX型析出物であるNb炭化物とV炭化物とを比較した場合、Nb炭化物の方がV炭化物と比較して成長が遅い。つまり、ロータ10の円筒部11中において、Nb炭化物はV炭化物よりも微細である。MX型析出物が微細な方が、鋼材の高温強度をより高めることができる。MX型析出物微細度合い指標F2は、Nb含有量のV含有量に対する比率を規定している。つまり、MX型析出物微細度合い指標F2は、Nb炭化物個数の、V炭化物個数に対する比率を意味している。MX型析出物微細度合い指標F2が0.50以下であれば、微細なNb炭化物個数の、V炭化物個数に対する比率が小さい。この場合、化学組成中の各元素含有量が本実施形態の範囲内であり、かつ、式(1)を満たしていても、微細なMX型析出物個数の割合が少ない。そのため、渦電流式減速装置1のロータ10の円筒部11の高温強度を十分に高めることができない。具体的には、MX型析出物微細度合い指標F2が0.50以下であれば、700℃における渦電流式減速装置のロータの円筒部の降伏強度が140MPa未満になる。
MX型析出物微細度合い指標F2が0.50を超えれば、化学組成中の各元素含有量が本実施形態の範囲内であり、かつ、式(1)を満たすことを条件として、渦電流式減速装置1のロータ10の円筒部11において、十分な高温強度が得られる。具体的には、ロータ10の円筒部11の700℃における降伏強度が140MPa以上になる。MX型析出物微細度合い指標F2の好ましい下限は0.55であり、さらに好ましくは0.60である。なお、MX型析出物微細度合い指標F2は、算出された数値の小数第三位を四捨五入して得られた値(つまり、小数第二位の値)である。
[ミクロ組織について]
本実施形態のロータ10の円筒部11のミクロ組織では、マルテンサイト及びベイナイトの総面積率が95.0%以上である。つまり、本実施形態の渦電流式減速装置用ロータ10の円筒部11のミクロ組織は、主としてマルテンサイト及び/又はベイナイトからなる組織である。本明細書でいう「マルテンサイト及びベイナイト」は、焼戻しマルテンサイト及び焼戻しベイナイトも含む。本実施形態のロータ10の円筒部11のミクロ組織において、マルテンサイト及びベイナイト以外の残部はフェライトである。つまり、フェライトの面積率は5.0%未満である。
なお、円筒部11のミクロ組織には、マルテンサイト、ベイナイト及びフェライト以外に、Nb炭化物及びV炭化物等に代表される析出物や、介在物も存在する。しかしながら、これらの析出物及び介在物の総面積率は、マルテンサイト、ベイナイト及びフェライトの面積率と比較して極めて小さく、無視できる。
また、後述のミクロ組織観察において、マルテンサイトとベイナイトとを区別することは極めて困難である。一方で、フェライトと、マルテンサイト及びベイナイトとは、コントラストにより極めて容易に区別できる。したがって、ミクロ組織観察において、フェライト以外の領域を、「マルテンサイト及びベイナイト」と認定する。
本実施形態の渦電流式減速装置用ロータ10の円筒部11のミクロ組織も、強度に影響する。本実施形態の渦電流式減速装置用ロータ10の円筒部11のミクロ組織において、マルテンサイト及びベイナイトの総面積率が95.0%未満であり、フェライトの面積率が5.0%以上であれば、化学組成中の各元素含有量が本実施形態の範囲内であって、式(1)及び式(2)を満たしていても、700℃において十分な降伏強度が得られない。一方、マルテンサイト及びベイナイトの総面積率が95.0%以上であり、フェライトの面積率が5.0%未満であれば、化学組成中の各元素含有量が本実施形態の範囲内であって、式(1)及び式(2)を満たすことを前提として、700℃において十分な降伏強度が得られる。具体的には、700℃における降伏強度が140MPa以上になる。
ここで、ミクロ組織中のマルテンサイト及びベイナイトの総面積率と、フェライトの面積率とは、次の方法で測定可能である。ロータ10の円筒部11の厚さ中央位置からサンプルを採取する。サンプルは、後述の観察視野(200μm×100μm)が確保できれば、サイズは特に限定されない。サンプルの表面のうち、上記観察視野を含む観察面を鏡面研磨した後、ナイタル腐食液に10秒程度浸漬してエッチングを実施し、組織を現出させる。エッチングにより組織が現出された観察視野を、500倍の光学顕微鏡により観察する。観察視野の視野面積は20000μm2とする。上述のとおり、観察視野中において、フェライトと、マルテンサイト及びベイナイトとは、コントラストに基づいて容易に区別できる。そこで、観察視野中のフェライトを特定して、特定されたフェライトの面積を求める。フェライトの面積を、観察視野の総面積で除して、フェライトの面積率(%)を求める。上述のとおり、本実施形態のロータ10の円筒部11のミクロ組織では、フェライト以外の残部はマルテンサイト及び/又はベイナイトである。したがって、マルテンサイト及びベイナイトの総面積(%)を、次の式で求める。
マルテンサイト及びベイナイトの総面積率=100.0-フェライトの面積率
[700℃での降伏強度の測定方法]
渦電流式減速装置用ロータ10の円筒部11の700℃での降伏強度(MPa)は、JIS G 0567(2012)に準拠した測定方法により求めることができる。具体的には、ロータ10の円筒部11の厚さ中央位置を含む引張試験片を採取する。引張試験片の平行部の長さは40mmとし、標点間の長さは30mm、平行部の直径は6mmとする。加熱炉を用いて引張試験片を加熱して、試験片の温度を700℃にする。700℃での保持時間は10分とする。700℃の試験片に対して、大気中にて引張試験を実施して、応力-ひずみ曲線を得る。得られた応力-ひずみ曲線から、オフセット法に基づく0.2%耐力を、降伏強度(MPa)と定義する。
[電気抵抗の測定方法]
ロータ10の円筒部11の電気抵抗は、JIS C 2526(1994)に準拠した測定方法により求めることができる。具体的には、ロータ10の円筒部11の厚さ中央位置を含む試験片を採取する。試験片は、3mm×4mm×60mmの標準試験片とする。常温(20±15℃)で、ダブルブリッジ法により、試験片の電気抵抗(μΩcm)を求める。
以上のとおり、本実施形態の渦電流式減速装置用ロータ10の円筒部11は、化学組成中の各元素含有量が上述の本実施形態の範囲内であり、かつ、化学組成が、式(1)及び式(2)を満たし、ミクロ組織において、マルテンサイト及びベイナイトの総面積率が95.0%以上である。そのため、700℃の高温においても析出強化機構を維持するMX型析出物が微細かつ十分な量存在している。その結果、優れた高温強度が得られる。具体的には、700℃における降伏強度が140MPa以上になる。
[製造方法]
本実施形態の渦電流式減速装置用ロータ10の製造方法の一例を説明する。以降に説明する製造方法は、本実施形態の渦電流式減速装置用ロータ10を製造するための一例である。したがって、上述の構成を有する渦電流式減速装置用ロータ10は、以降に説明する製造方法以外の他の製造方法により製造されてもよい。しかしながら、以降に説明する製造方法は、本実施形態の渦電流式減速装置用ロータ10の製造方法の好ましい一例である。
本実施形態の渦電流式減速装置用ロータ10の製造方法は、渦電流式減速装置用ロータ10の円筒部11の素材を準備する素材準備工程と、準備された素材に対して熱間鍛造及び熱間圧延を実施して、円筒部11に相当する中間品を製造する熱間加工工程と、中間品に対して焼入れ処理及び焼戻し処理を実施する調質処理工程と、中間品の内外周面を切削して円筒部11及び複数の冷却フィン11Fを形成する機械加工工程と、ホイール部13に取り付けられたアーム部12を円筒部11に取り付けて、渦電流式減速装置用ロータ10を製造するロータ形成工程とを備える。以下、各工程について説明する。
[素材準備工程]
素材準備工程では、各元素含有量が本実施形態の範囲内であって、式(1)及び式(2)を満たす化学組成を有する素材を準備する。素材は第三者から供給されたものであってもよい。素材を製造してもよい。製造する場合、たとえば、次の方法で製造する。
各元素含有量が本実施形態の範囲内であって、式(1)及び式(2)を満たす化学組成を有する溶鋼を製造する。精錬方法は特に限定されず、周知の方法を用いればよい。たとえば、周知の方法で製造された溶銑に対して転炉での精錬(一次精錬)を実施する。転炉から出鋼した溶鋼に対して、周知の二次精錬を実施する。二次精錬において、成分調整の合金元素の添加を実施して、各元素含有量が本実施形態の範囲内であって、式(1)及び式(2)を満たす化学組成を有する溶鋼を製造する。
上述の精錬方法により製造された溶鋼を用いて、周知の鋳造法により素材を製造する。たとえば、溶鋼を用いて造塊法によりインゴットを製造する。また、溶鋼を用いて連続鋳造法によりブルーム又はビレットを製造してもよい。製造されたブルーム又はインゴットを1000~1300℃に加熱した後、熱間加工を実施して、ビレットを製造してもよい。熱間加工はたとえば、熱間圧延、熱間鍛造等である。製造されたビレット(連続鋳造により製造されたビレット、又は、ブルーム又はインゴットを熱間加工して製造されたビレット)を、渦電流式減速装置用ロータ10の素材とする。
[熱間加工工程]
素材準備工程にて準備された素材に対して熱間加工(熱間鍛造及び/又は熱間圧延)を実施して、円筒部11に相当する中間品を製造する。始めに、素材を1000~1300℃に加熱する。加熱後の素材に対して、熱間鍛造を実施して所定の寸法に成型する。熱間鍛造後さらに、熱間圧延を実施して、円筒状の中間品を製造する。加熱後の素材に対して、熱間鍛造又は熱間圧延を実施して、円筒状の中間品を製造してもよい。
[調質処理工程]
熱間加工工程により製造された中間品に対して、調質処理工程を実施する。具体的には、中間品に対して、焼入れ処理を実施した後、焼戻し処理を実施する。
[焼入れ処理]
始めに、中間品に対して、焼入れ処理を実施する。焼入れ温度は870~930℃である。焼入れ温度が870℃未満であれば、熱間加工工程により生成したMX型析出物(Nb炭化物及びV炭化物)が十分に固溶しない。この場合、次工程の焼戻し処理において、焼入れ処理後に中間品内に残存する未固溶のMX型析出物が粗大化してしまう。また、中間品のミクロ組織がオーステナイト単相にならないため、焼入れ後の組織において、マルテンサイト及び/又はベイナイトだけでなく、フェライトが残存してしまう。一方、焼入れ温度が930℃以上であれば、オーステナイト結晶粒が粗大化する。したがって、焼入れ温度は870~900℃である。焼入れ処理での急冷方法は、周知の方法で足りる。焼入れ処理での急冷方法はたとえば、水冷である。
[焼戻し処理]
焼入れ処理後の中間品に対して、焼戻し処理を実施する。焼戻し処理により、MX型析出物を生成する。焼戻し温度は660~700℃である。焼戻し温度が660℃未満であれば、MX型析出物のうち、特にNb炭化物が生成しにくくなる。焼戻し温度が660℃未満であればさらに、転位密度が多く残存したままとなる。この場合、転位密度が強度の担保を行うため、700℃での高温強度が急激に低下してしまう。一方、焼戻し温度が700℃を超えれば、ミクロ組織の一部がオーステナイトに変態してしまう可能性がある。したがって、焼戻し温度は660~700℃である。
[機械加工工程]
焼戻し処理後の中間品の外周面を機械加工することにより、冷却フィン11Fを形成する。機械加工は周知の方法で実施すれば足りる。以上の工程により、円筒部11が製造される。
[ロータ形成工程]
製造された円筒部11に、ホイール部13に取り付けられたアーム部12を取り付けて、渦電流式減速装置用ロータ10を製造する。取り付け方法は溶接であってもよいし、他の方法であってもよい。
以上の製造方法により、本実施形態の渦電流式減速装置用ロータ10を製造できる。なお、本実施形態の渦電流式減速装置用ロータ10は、上記製造方法に限定されず、上述の構成を有する渦電流式減速装置用ロータ10が製造できれば、上記製造方法以外の他の製造方法で本実施形態の渦電流式減速装置用ロータ10を製造してもよい。ただし、上記製造方法は、本実施形態の渦電流式減速装置用ロータ10の製造に好適な例である。
表1の化学組成を有する溶鋼を製造した。
Figure 0007234773000001
表1中の空白部分は、対応する元素の含有量が検出限界未満であったことを意味する。溶鋼を用いて造塊法により、直径120mm、30kgの円柱状のインゴットを製造した。
インゴットを1200℃に加熱した後、熱間鍛造を実施して、擬似中間品として、厚さ40mmの鋼板を製造した。擬似中間品に対して、900℃の焼入れ温度で焼入れ処理を実施した。焼入れ温度での保持時間は90分であった。焼入れ処理後の擬似中間品に対して、690℃の焼戻し温度で焼戻しを実施した。なお、焼戻し温度での保持時間は120分であった。以上の製造工程により、渦電流式減速装置用ロータを擬似した、各試験番号の擬似ロータ(鋼板)を製造した。
[評価試験]
製造した各試験番号の擬似ロータに対して、次の評価試験を実施した。
[ミクロ組織観察試験]
各試験番号の擬似ロータの板厚中央部から、サンプルを採取した。サンプルの表面を鏡面研磨した後、ナイタル腐食液に10秒程度浸漬してエッチングを実施し、組織を現出させた。エッチングにより組織が現出された表面の任意の1視野(観察視野)を、500倍の光学顕微鏡により観察した。観察視野の視野面積は20000μm2であった。コントラストにより、観察視野中の相を特定した。その結果、観察視野中のミクロ組織は、マルテンサイト及び/又はベイナイトと、フェライトとからなった。特定されたフェライトの面積を求めた。フェライトの面積を、観察視野の総面積で除して、フェライトの面積率(%)を求めた。上述のとおり、観察視野中のミクロ組織では、フェライト以外の残部はマルテンサイト及び/又はベイナイトであった。そこで、マルテンサイト及びベイナイトの総面積(%)を、次の式で求めた。
マルテンサイト及びベイナイトの総面積率=100.0-フェライトの面積率
求めたマルテンサイト及びベイナイトの総面積率(%)を、表2に示す。
Figure 0007234773000002
[700℃での引張試験]
各試験番号の擬似ロータの700℃での降伏強度(MPa)を、JIS G 0567(2012)に準拠した測定方法により求めた。具体的には、各試験番号の擬似ロータから、引張試験片を採取した。引張試験片の平行部の長さは40mm、標点間の長さは30mm、平行部の直径は6mmであった。加熱炉を用いて引張試験片を加熱して、試験片の温度を700℃にした。700℃の引張試験片に対して、大気中にて引張試験を実施して、応力-ひずみ曲線を得た。得られた応力-ひずみ曲線から、オフセット法に基づく0.2%耐力を、降伏強度(MPa)と定義した。得られた700℃での降伏強度(MPa)を、表2に示す。
[電気抵抗の測定方法]
各試験番号の擬似ロータの常温での電気抵抗を、JIS C 2526(1994)に準拠した測定方法により求めた。具体的には、各試験番号の擬似ロータから、試験片を採取した。試験片のサイズは3mm×4mm×60mmであった。試験片に対して、常温で、ダブルブリッジ法により、試験片の電気抵抗(μΩcm)を求めた。得られた電気抵抗(μΩcm)を、表2に示す。
[試験結果]
表2を参照して、試験番号1~5の擬似ロータの化学組成中の各元素の含有量はいずれも適切であり、F1が式(1)を満たし、F2が式(2)を満たした。さらに、ベイナイト面積率はいずれも95.0%以上であった。そのため、700℃での降伏強度はいずれも140MPa以上であり、700℃の高温環境下においても、極めて高い降伏強度を維持することができた。さらに、電気抵抗は20.5μΩcm以下であり、渦電流式減速装置のロータとして、十分な電気抵抗を示した。
一方、試験番号6では、Mo含有量及びB含有量が低すぎた。そのため、700℃での降伏強度が140MPa未満となり、700℃での高温強度が低すぎた。
試験番号7では、C含有量が低すぎた。そのため、700℃での降伏強度が140MPa未満となり、700℃での高温強度が低すぎた。
試験番号8では、C含有量が高すぎた。さらに、Cr含有量が高すぎた。そのため、電気抵抗が20.5μΩcmを超え、電気抵抗が高すぎた。
試験番号9では、各元素の含有量は適切であったものの、F1が式(1)の下限未満となった。そのため、700℃での降伏強度が140MPa未満となり、700℃での高温強度が低すぎた。
試験番号10では、各元素の含有量は適切であったものの、F2が式(2)を満たさなかった。そのため、700℃での降伏強度が140MPa未満となり、700℃での高温強度が低すぎた。
試験番号11では、各元素の含有量は適切であったものの、F1が式(1)の上限を超えた。そのため、電気抵抗が20.5μΩcmを超え、電気抵抗が高すぎた。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
1 渦電流式減速装置
10 ロータ
11 円筒部
12 アーム部
13 ホイール部
20 ステータ

Claims (2)

  1. 渦電流式減速装置用ロータであって、
    円筒部を備え、
    前記円筒部の化学組成が、質量%で、
    C:0.05~0.15%、
    Si:0.10~0.40%、
    Mn:0.50~1.00%、
    P:0.030%以下、
    S:0.030%以下、
    Mo:0.20~1.00%、
    Nb:0.020~0.060%、
    V:0.040~0.080%、
    sol.Al:0.030~0.100%、
    B:0.0005~0.0050%、
    N:0.003~0.010%、
    Cu:0~0.20%、
    Ni:0~0.20%、
    Cr:0~0.10%、及び、
    残部:Fe及び不純物、からなり、式(1)及び式(2)を満たし、
    ミクロ組織におけるマルテンサイト及びベイナイトの総面積率が95.0%以上である、
    渦電流式減速装置用ロータ。
    0.060≦(51/93)Nb+V≦0.100 (1)
    0.50<Nb/V (2)
    ここで、式(1)及び式(2)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
  2. 請求項1に記載の渦電流式減速装置用ロータであって、
    前記化学組成はさらに、
    Cu:0.01~0.20%、
    Ni:0.01~0.20%、及び、
    Cr:0.01~0.10%、からなる群から選択される1元素又は2元素以上を含有する、
    渦電流式減速装置用ロータ。
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