JP7233644B2 - 食品に対する脱気・加熱・高圧処理方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、高圧処理を従来の食品の製法に併用する場合は当該従来方法の条件との兼ね合いがあり、また同一の製法であっても個々の食品ごとに含有成分が異なるため、同一の高圧処理の条件で同等の効果が期待できるものではなく、高圧処理を適用する製法及び個々の食品ごとに最適な処理条件が存在する。
する。
1.実験方法
1-1 試料の調整
野菜として、ナス、ダイコン及びウリを用意し、天日乾燥や脱気処理によって植物組織内部の空気を抜き、粕床の成分の浸透が促進されるようにし、特に表面がツルツルのナスについては、剣山で多数の穴をあけるか、沸騰水中で一度煮て冷やす(ブランチング処理)ことで粕床の成分の浸透を速めた。
ナスについては、粕床を塗りポリエチレン袋に入れた後に脱気し、このポリエチレン袋に入れた状態で、100MPa、70℃、60時間の条件で加熱・高圧処理を施した。
ダイコンについては、粕床を塗りポリエチレン袋に入れた後に脱気し、このポリエチレン袋に入れた状態で、100MPa、70℃、18時間の条件で加熱・高圧処理を施した。
ウリについては、加熱処理で短期に製造した粕床を用いた。この粕を塗りポリエチレン袋に入れた後に脱気し、次いでポリエチレン袋に入れた状態で、100MPa、50℃、60時間の条件で加熱・高圧処理を施した。
上記の促成粕床を使用した場合には、GC-MSで分析すると、特有な成分(図1の枠で囲った成分)が検出されるので、従来品との判別が容易である。
であり、この表から100MPa、65℃以上、60時間の条件でバチルス胞子を検出しなくなることが分かる。
図2は従来の製法と本発明の加熱・高圧処理方法を比較した図であり、本発明方法では、塩、ミリン入りの吟醸粕を用いて1工程で塩漬する方法と、塩、ミリン入りの酒粕で塩漬した後、吟醸粕に漬け込む2工程で行った。何れの場合も伝統的手法の製造期間(1年から1年半)を大幅に短縮できた。
従来の常温常圧処理では最終的に高温で殺菌しなければならなかったが、加熱・高圧処理の場合は、高温処理が不要のため、殺菌処理に伴う食品の品質劣化を防止することができる。
前記段落(0025)以降に記載した野菜の奈良漬けの製法を高圧処理条件の圧力条件のみ100~300MPa範囲で変えて検討したところ、表3に示す結果となり、本発明が100~300MPaの圧力範囲でも有効であることを確認した。
1.実験方法
1-1 試料の調整
野菜として、ニンジン、ナス及びダイコンを用意し、厚さ約1cmにカットした。
上記のカットした野菜を調味液(市販の浅漬けの素)およびペクチナーゼとともにポリエチレン袋に入れた後に脱気引きし、このポリエチレン袋に入れた状態で、100MPa、50℃、15分の条件で加熱・高圧処理を施した。
この後、各野菜に0.1MPa、3~15時間の常圧加熱理を施した。具体的にはニンジンについては15時間、ナスについては3時間、ダイコンについては3時間及び5時間の二種類の処理を施した。
更にその後、沸騰水中で5分間加熱処理することで、酵素を失活させた。
図5は上記の本発明方法に係る加熱・高圧処理によって製造した野菜の浅漬の写真である。
図5に示した野菜は、表4に示す通り、いずれも咀嚼困難者でも喫食可能な口溶する程に極めて柔らかく、しかも殺菌効果も確認でき長期保存が可能であった。
前記段落(0037)以降に記載した野菜の浅漬けの製法を高圧処理条件の圧力条件のみ100~300MPa範囲で変えて検討したところ、表4に示す結果となり、本発明が100~300MPaの圧力範囲でも有効であることを確認した。
1.実験方法
1-1 試料の調整
野菜として、ニンジン、ダイコン、キュウリ、ナス、ゴボウ、ナガイモ及びレンコンを用意し、厚さ0.5~1cmにカットした。
1-2 加工処理
図6に示すように、厚さ0.5~1cmにカットした上記野菜を日干する。この工程により水分が除去され、調味液(生醤油オリ)が浸透しやすくなる。
次いで、上記のカットした野菜を調味液(生醤油オリ)とともにポリエチレン袋に入れた後に脱気引きし、このポリエチレン袋に入れた状態で、100MPa、50℃、20分の条件で脱気・加熱・高圧処理を施した。
図7は、0.5cm厚に切った天日干しダイコンと1cm厚に切った天日干しダイコンの脱気・加熱・高圧処理の条件を変化させた場合の、処理直後と翌日の、色調及び塩分を測定した結果を示すグラフである。このグラフから、
本発明方法によって、調味液(生醤油オリ)がダイコンに容易に浸透することが分かる。
また図8は、前記ダイコンを含む各種野菜について脱気・加熱・高圧処理により調味液(生醤油オリ)を浸透させた結果を示すグラフである。このグラフから、本発明方法はダイコン以外にも有効であることが分かる。
図6、図7及び図8に示すように、野菜に調味液の色調および塩分が均一に浸透し、製造期間も従来の2週間程度から20分まで大幅に短縮できた。しかも、表5に示すように殺菌効果も確認でき、長期保存が可能であった。
上記とは別に調味液の浸透に関し、特にダイコンについて検討した。
材料としては石川農研産のフクホマレを3cm圧の輪切りにし、これを外観写真用と、塩分・色差測定用に分け、調味液としては直源醤油(株)製の濃口醤油を用い、濃度は20%、40%、60%、80%、100%とし、加熱・高圧処理としては、100MPa、30℃または50℃、24時間とした。
前記段落(0038)以降に記載した野菜の生醤油漬けの製法を高圧処理条件の圧力条件のみ100~300MPa範囲で変えて検討したところ、表5に示す結果となり、本発明が100~300MPaの圧力範囲でも有効であることを確認した。
1.実験方法
1-1 試料の調整
果実としてリンゴ(シナノゴールドなど)、アンズ(信山丸など)、ウメ(石川1号など)を用意した。
リンゴ、アンズ、ウメのそれぞれをシロップとともにポリエチレン袋に入れた後に脱気し、このポリエチレン袋に入れた状態で、100MPa、65℃~75℃、30分~60分の条件で加熱・高圧処理を施した。
2-1 自滅的発芽殺菌効果
リンゴシロップ漬素材に107~108CFU/gのBacillus subtilis芽胞を接種し、各処理後に自滅的発芽殺菌効果を検討した。結果を図12に示す。
この図12から、脱気・加熱・高圧処理した場合は常温常圧または加熱常圧処理に比べ殺菌効果が高く、具体的には2log(CFU/g)程度の殺菌効果があることが分かる。特にシロップの濃度は薄いほど殺菌効果が高くなることを示している。
リンゴの種類は、つがる、秋映、シナノスイート、シナノゴールド及びふじの5種類を用
意した。
上記の5種類に対し、100MPa、65℃、30分間の脱気・加熱・高圧処理を施し、果汁とシロップの糖度及び酸度を比較した。結果を図14に示す。
図14から糖度については加熱・高圧処理の温度が高いほど果汁とシロップの糖度が近くなり、酸度については品種によって影響されることが分かる。
ふじとシナノゴールドに対し、硬度を向上させるため乳酸カルシウムを添加したところ、良好な結果が得られた。
表9は本発明方法の加熱・高圧処理を施したリンゴを5℃と常温(25℃)で保存した場合の、微生物の検出結果を示す表である。
アンズと40%シロップを脱気包装後、100MPa、65~75℃、30~60分の脱気・加熱・高圧処理を行った。その結果、図18に示すように生の食感や、生の風味を持ったシロップ漬が得られた。
冷凍したアンズとホワイトリカーを合わせて、100MPa、65℃、30~120分の脱気・加熱・高圧処理を行った。その結果、図19に示すように高い有機酸抽出効果により、アンズ風味のリキュールが得られた。
表10はアンズ(品種:平和)のシロップ漬の殺菌効果を示すものである。この表から、本発明方法の脱気・加熱・高圧処理法はオートクレーブ処理と同程度の殺菌効果があることが分かる。
また、図21はアンズシロップ漬の写真である。
図22はウメのシロップ漬の一例を示す図であり、この実施例にあっては、急速冷凍した青ウメまたは黄熟ウメを材量とし、この冷凍ウメの芯の部分を刳り抜く穴あけ処理を行い、次いでブランチング水晒しし、この後、加熱・高圧処理を行う。加熱・高圧処理の条件は、100MPa、65℃、30分とする。この後、常圧、50℃、40時間静置し果実とシロップの味を均一にした。
加熱・高圧処理の条件は、100MPa、65℃、30分とする。この後、常圧、50℃、40時間静置し果実とシロップの味を均一にした。
図26は上記の製造方法を適用して製造した和ナシのシロップ漬の写真である。さらに、表19で示す通り、本発明で行った和ナシのシロップ漬は、殺菌効果が向上した。
前記段落(0049)以降に記載した果実のシロップ漬製法を高圧処理条件の圧力条件のみ100~300MPa範囲で変えて検討したところ、表19に示す結果となり、本発明が100~300MPaの圧力範囲でも有効であることを確認した。
上記ではウメをシロップ漬けすることを説明したが、本発明はウメ酒を製造する場合にも応用できる。
即ち、従来はウメ、砂糖、酒の3種の材料を混合して、常温常圧で72時間(3日間)処理し、その後3ヶ月程度熟成させていたが、本発明方法によれば、図27に示すように
、ウメと砂糖をパックに入れ、脱気・加熱・高圧処理(100MPa、50℃、72時間)することでエキスが抽出され、これを酒と混合することでウメ酒ができる。
ウメと砂糖の割合、処理条件は、例えばウメ(果肉)100gに対し砂糖を100~300g、圧力は100MPa以上、加熱温度は35~65℃、高圧処理時間は24~72時間とするのが好ましい。
結果は、図28-1、図28-2、図28-3図28-4、図29、図30に示すように、従来法(72時間)では、ウメのエキス(酸、ポリフェノール)は十分に抽出されていないが、本発明法(72時間)ではかなり抽出できている。同じく、熟成の目安であるショ糖の分解は、従来法ではほとんど起きていないが、中高圧法ではかなり進んでいる。更に色(b*値、褐色の指標)は、従来法より中高圧法の方が濃い。本発明法は1ヶ月熟成させると、従来法で3ヶ月以上熟成させたものと、ほぼ同等の色の濃さになることが分かる。
このように本発明方法により梅酒の熟成が早く進む理由は、ウメからエキス(酸、ポリフェノール)や熟成を促進させる酵素(糖分解酵素(インベルターゼ))が迅速に抽出され、加熱・高圧圧処理下では、糖の分解が早く進行するためである。
前記段落(0083)以降に記載したウメ酒の製法を高圧処理条件の圧力条件のみ100~300MPa範囲で変えて検討したところ、表20に示す結果となり、本発明が100~300MPaの圧力範囲でも有効であることを確認した。
1.豚肉の漬物
1-1 実験方法
1-1-a 試料の調整
加工処理に先立ち、約1cm厚にスライスした豚ロース肉の両面に、下記表21に示す調味液を肉の2/3重量塗り、ポリエチレン製の袋に入れ、脱気包装機を用いて、脱気度99%の脱気包装を行った。
脱気包装した試料に対して、下記表22に示す加工処理を行った。従来法では、調味液に味噌液を用いて、冷蔵庫内(常圧、4℃)にて72時間保管した。例1~3では、調味液に味噌液を用いて、100MPaの加熱・高圧処理を、それぞれ35、45、55℃の処理温度で、16時間行った。
例4では、調味液に100℃で10分間加熱して酵素類を失活させた加熱味噌液を用いて、100MPa の加熱・高圧処理を、45℃の処理温度で、16時間行った。
例5では、調味液に味噌液を用いて、100MPa の加熱・高圧処理を、45℃の処理温度で、1時間行った。
例6では、調味液に酒粕液を用いて、100MPa の加熱・高圧処理を、45℃の処理温度で、16時間行った。
例7では、調味液に塩麹を用いて、100MPa の加熱・高圧処理を、45℃の処理温度で、16時間行った。加熱・高圧処理は、(株)東洋高圧製「まるごとエキスTFS-20」を用いて行った。
従来法および例1~3の加工処理を行った試料を用いて、呈味成分として遊離アミノ酸濃度およびグルコース濃度を測定した。
具体的には、各処理後の肉をホモジナイズした後、試料5gに8%トリクロロ酢酸水溶液を5ml加えて激しく振盪し、ろ過して清澄化した液を50mlに定容した。定容した液に含まれる主要なアミノ酸20種の合計濃度を測定し、元の試料に含まれる遊離アミノ酸濃度に換算した。アミノ酸は日立高速アミノ酸分析計L-8900を用いて測定した。また、定容した液のグルコース濃度を、和光純薬工業(株)製グルコースCIIテストを用いて測定し、元の試料に含まれるグルコース濃度に換算した。1処理あたり3反復ずつ行い、平均値と標準偏差を求めた。
従来法および例1~7の加工処理を行った試料を用いて、食感の目安として「硬さ」と「噛み切りやすさ」を測定した。
具体的には、各処理を行った肉から調味液を取り除き、肉表面の水分をペーパータオルでふき取った後、試料を新しいプラスチック袋に入れて脱気包装(真空度99%)した。
包装した試料を70℃で1時間湯煎した後、流水で30分間冷却し、カミソリを用いて肉をおおよそ1cm角に切断した。切断した試料を、レオメーター(株)サン科学製CR-500DX)を用いて、カミソリの刃の付いていない側で、筋線維に対して垂直方向に9mm圧縮し、5mm圧縮したときの応力を「硬さ」の指標に、切断したときの応力(せん断応力)を「噛み切りやすさ」の指標にした。
1試料あたり1cm角切片を12個測定し、最大値と最小値を除いた10個の平均値をその試料の測定値とした。以上の操作を1処理あたり3反復ずつ行い、平均値と標準偏差を求めた。
1-2-a 遊離アミノ酸濃度
図31に、従来法および例1~3の加工処理を行った試料の遊離アミノ酸濃度を示す。
従来法および例1~3では、処理前の生肉よりも遊離アミノ酸濃度が上昇しており、例1~3は、従来法よりも処理時間が大幅に短いにも関わらず、遊離アミノ酸濃度が従来法よりも高かった。
また、例1~3の中では、処理温度の最も高い例3が最も遊離アミノ酸濃度が高かった。従って、加熱・高圧処理を利用した例1~3では、従来法よりも短時間で旨味成分を増やすことができ、処理温度は55℃が最も旨味成分が増加すると考えられる。
図32に、従来法および例1~3の加工処理を行った試料のグルコース濃度を示す。
従来法および例1~3では、処理前の生肉よりもグルコース濃度が上昇しており、例1~3は、従来法よりも処理時間が大幅に短いにも関わらず、グルコース濃度が従来法とおおよそ同じ程度になっていた。また、例1~3の中では、処理温度の最も高い例3が最もグルコース濃度が高かった。従って、加熱・高圧処理を利用した例1~3では、従来法よりも短時間で調味液中のグルコース濃度を上昇させることができると考えられる。
図33に、従来法および例1~4の加工処理を行った試料の、加熱後の硬さを示す。
従来法は無処理とほぼ同じ硬さであったが、例1~3は無処理よりも柔らかくなっていた。また、例1~3の中では、例2、例3が最も柔らかくなり、無処理のおおよそ半分の硬さになった。さらに、加熱して味噌の酵素を失活させた例4は、例2と同じ加工処理を行ったにもかかわらず、無処理とほぼ同じ硬さであった。したがって、例1~3において加熱後の肉が柔らかくなったのは、調味液に含まれる酵素と加工処理(加熱・高圧処理)の相乗効果によるものと考えられる。
図34に、従来法および例1~4の加工処理を行った試料の、加熱後の噛み切りやすさを示す。
従来法および例2、例3は、無処理よりも噛み切りやすくなっており、例2、例3は、従来法よりも処理時間が大幅に短いにも関わらず、従来法よりも噛み切りやすくなっていた。一方、例1は無処理とほぼ同じであったことから、加熱・高圧処理を利用して加熱後の肉を噛み切りやすくするには、35℃より高い温度で処理する必要があると考えられる。また、例4は無処理と噛み切りやすさに有意な差がなかったことから、加熱後の肉を噛み切りやすくするには、調味液に含まれる酵素が必要であると考えられる。
図35に、従来法、例2、例5の加工処理を行った試料の加熱後の噛み切りやすさを示す。
100 MPa、45℃の加熱・高圧処理を1時間行った例5は、従来法よりは劣るもの
の、無処理よりも噛み切りやすくなっていた。従って、加熱後の肉を噛み切りやすくするには、100 MPa、45℃という処理条件の場合、加熱・高圧処理を1時間以上行えば良いと考えられる。
図36に、例2、例6、例7の加工処理を行った試料の、加熱後の噛み切りやすさを示す。
調味液に酒粕液を用いた例6、塩麹を用いた例7ともに、調味液に味噌液を用いた例2とほぼ同じ程度の噛み切りやすさになっていた。従って、本発明は味噌漬に限定されるものではなく、酒粕漬や塩麹漬など、酵素を含む調味液に畜肉を漬ける食品全般に利用できる技術と考えられる。
表24で示す通り、本発明で行った豚肉の味噌漬は、殺菌効果が向上した。
2-1 実験方法
2-1-a 試料の調整
加工処理に先立ち、約1cm厚にスライスしたホルスタインの外モモ肉の両面に、味噌調味液(味噌78%、砂糖11%、みりん11%)を肉の2/3重量塗り、ポリエチレン製の袋に入れ、脱気包装機を用いて、脱気度99%の脱気包装を行った。
脱気包装した試料に対して、下記表23に示す加工処理を行った。従来法では、調味液に味噌液を用いて、冷蔵庫内(常圧、4℃)にて72時間保管した。例1~3では、100MPaの加熱・高圧処理を、全ての例で処理温度を45℃にし、処理時間をそれぞれ4、8、16時間で行った。
加熱・高圧処理は、(株)東洋高圧製「まるごとエキスTFS-20」を用いて行った。
従来法および例1~3の加工処理を行った試料を用いて、呈味成分として遊離アミノ酸濃度およびグルコース濃度を測定した。
具体的には、各処理後の肉をホモジナイズした後、試料5gに8%トリクロロ酢酸水溶液を5ml加えて激しく振盪し、ろ過して清澄化した液を50mlに定容した。タンパク質分解物(遊離アミノ酸およびペプチド)の指標として、トリクロロ酢酸抽出液中の窒素量をケルダール法で測定した。また、定容した液のグルコース濃度を、和光純薬工業(株)製グルコースCIIテストを用いて測定し、元の試料に含まれるグルコース濃度に換算し
た。1処理あたり3反復ずつ行い、平均値と標準偏差を求めた。
従来法および例1~3の加工処理を行った試料を用いて、食感の目安として「硬さ」と「噛み切りやすさ」を測定した。
具体的には、各処理を行った肉から調味液を取り除き、肉表面の水分をペーパータオルでふき取った後、試料を新しいプラスチック袋に入れて脱気包装(真空度99%)した。
包装した試料を70℃で1時間湯煎した後、流水で30分間冷却し、カミソリを用いて肉をおおよそ1cm角に切断した。切断した試料を、レオメーター(株)サン科学製CR-500DX)を用いて、カミソリの刃の付いていない側で、筋線維に対して垂直方向に9mm圧縮し、5mm圧縮したときの応力を「硬さ」の指標に、切断したときの応力(せん断応力)を「噛み切りやすさ」の指標にした。
1試料あたり1cm角切片を12個測定し、最大値と最小値を除いた10個の平均値をその試料の測定値とした。以上の操作を1処理あたり3反復ずつ行い、平均値と標準偏差を求めた。
2-2-a 酸可溶性窒素(遊離アミノ酸およびペプチド)濃度
図37に、従来法および例1~3の加工処理を行った試料の酸可溶性窒素濃度を示す。
従来法および例1~3では、処理前の生肉よりも酸可溶性窒素濃度が上昇しており、例1~3は、従来法よりも処理時間が大幅に短いにも関わらず、酸可溶性窒素濃度が従来法よりも高かった。
また、例1~3の中では、処理時間の最も長い例3が最も酸可溶性窒素濃度が高かった。従って、加熱・高圧処理を利用した例1~3では、従来法よりも短時間で旨味成分を増やすことができ、処理時間は16時間が最も旨味成分が増加すると考えられる。
図38に、従来法および例1~3の加工処理を行った試料のグルコース濃度を示す。
従来法および例2~3では、処理前の生肉よりもグルコース濃度が上昇しており、例2~3は、従来法よりも処理時間が大幅に短いにも関わらず、グルコース濃度が従来法とおおよそ同じ程度になっていた。また、例1~3の中では、処理温度の最も高い例3の処理時間16時間が最もグルコース濃度が高かった。従って、加熱・高圧処理を利用した例2~3では、従来法よりも短時間で調味液中のグルコース濃度を上昇させることができると考えられる。
図39に、従来法および例1~3の加工処理を行った試料の、加熱後の硬さを示す。
従来法は無処理とほぼ同じ硬さであったが、例1~3は無処理よりも柔らかくなっていた。また、例1~3の中では、例3が最も柔らかくなり、無処理のおおよそ2/3の硬さになった。
従って、加熱後の肉を噛み切りやすくするには、100 MPa、45℃という処理条件の場合、加熱・高圧処理を16時間行えば良いと考えられる。
表24で示す通り、本発明で行った牛肉の味噌漬は、殺菌効果が向上した。
前記段落(0086)以降に記載した畜肉の漬物の製法を高圧処理条件の圧力条件のみ100~300MPa範囲で変えて検討したところ、表24に示す結果となり、本発明が100~300MPaの圧力範囲でも有効であることを確認した。
1. 実験方法
1-1 試料の調整
加工処理に先立ち、石川県特産の堅豆腐を1cmまたは5cmの厚さにスライスし、ガーゼで包んだ後、堅豆腐の全面に、下記表25に示す調味液を堅豆腐の1/2重量塗り、ポリエチレン製の袋に入れ、脱気包装機を用いて、真空度99%の脱気包装を行った。
ここでは、堅豆腐の厚さを1cmまたは5cmに、調味液の量を堅豆腐の1/2重量としたが、本発明はこの堅豆腐の厚さ、調味液の量に限定されるものではなく、脱気包装の真空度も、袋内の空気が十分に取り除かれるのであれば、任意の真空度でよい。
脱気包装した試料に対して、下記表26に示す加工処理を行った。従来法では、堅豆腐を5cm厚にスライスし、調味液に酒粕液を用いて、冷蔵庫内(常圧、4℃)にて9ヶ月間保管した。
例2では、堅豆腐を5cm厚にスライスし、調味液に酒粕液を用いて、前処理として冷蔵庫内(常圧、4℃)にて1週間保管した後、100MPa、45℃の加熱・高圧処理を16時間行った。
例4では、堅豆腐を1cm厚にスライスし、調味液に味噌液を用いて、100MPa、45℃の加熱・高圧処理を16時間行った。
例5では、堅豆腐を1cm厚にスライスし、調味液に塩麹液を用いて、100MPa、45℃の加熱・高圧処理を16時間行った。加熱・高圧処理は、(株)東洋高圧製「まるごとエキスTFS-20」を用いて行った。
従来法および例1~3の加工処理を行った試料を用いて、呈味成分として遊離アミノ酸濃度を測定した。具体的には、各処理後の試料からガーゼごと調味液を取り除き、豆腐の表層1cmを切り取ったものを「表層」、残った部分を「内部」として別々にサンプリングした。
例3~5は全体を表層としてサンプリングした。サンプリングした表層と内部を別々にホモジナイズした後、試料5gに8%トリクロロ酢酸水溶液を5ml加えて激しく振盪し、ろ過して清澄化した液を50mlに定容した。定容した液に含まれる主要なアミノ酸20種の合計濃度を測定し、元の試料に含まれる遊離アミノ酸濃度に換算した。アミノ酸は日立高速アミノ酸分析計L-8900を用いて測定した。従来法は1反復のみ、例1~3は3反復ずつ行い、平均値と標準偏差を求めた。
従来法および例1~5の加工処理を行った試料を用いて、試料表面の硬さを測定し、食感の目安とした。
具体的には、各処理後の試料からガーゼごと調味液を取り除き、試料の表層1cmを切り取った。切り取った試料をさらに1cm角に切断し、レオメーター((株)サン科学製CR-500DX)を用いて、直径10mmの円柱プランジャーで、堅豆腐の表層から内部に向か
う方向に9mm圧縮し、最大応力を硬さの指標にした。1試料あたり1cm角切片を10個測定し、平均値をその試料の測定値とした。以上の操作を従来法は1反復のみ、例1~5は3反復ずつ行い、平均値と標準偏差を求めた。
2-1 遊離アミノ酸濃度
図40に、従来法および例1~3の加工処理を行った試料の遊離アミノ酸濃度を示す。
従来法では、1週間冷蔵保管したものは表層が約1000mg/100g、内部が約900mg/100g、1カ月間冷蔵保管したものは表層が約1600mg/100g、内部が約1400mg/100g、9カ月間冷蔵保管したものは表層、内部ともに約3000mg/100gになり、冷蔵保管する期間が長くなるほど遊離アミノ酸濃度が上昇した。
例2は表層が約1500mg/100g、内部が約1000mg/100gとなり、表層は1カ月間冷蔵保管したものと、内部は1週間冷蔵保管したものとほぼ同じになった。
例3は約1500mg/100gとなり、16時間という短い処理時間でありながら、1カ月間冷蔵保管したものとほぼ同じになった。
以上の結果から、加熱・高圧処理を用いることにより、数日間(16~90時間)の加工処理で、従来法で1カ月以上かけて製造したものと同等の遊離アミノ酸濃度にすることができると考えられる。
図41に、従来法および例1~3の加工処理を行った試料の硬さを示す。
従来法では、1週間冷蔵保管したものは処理前よりもやや硬くなっていた。これは、調味液の浸透圧により堅豆腐の水分が抜け、組織が締まったからと考えられた。
1ヶ月冷蔵保管したものは、処理前よりもやや柔らかくなっていたが、官能評価ではほとんど区別することができない程度の差であった。
9カ月冷蔵保管したものは、処理前よりも非常に柔らかく、舌でつぶせる程度の硬さ(1×104N/m2以下)になっており、食べるとクリームチーズのような食感になっていた。
例2、例3は、例1よりはやや硬いが、歯ぐきでつぶせる程度の硬さ(5×104N/m2以下)になっており、食べると、処理前と比較して明らかに柔らかく、チーズのような食感になっていた。
図42に、例3~5の加工処理を行った試料の硬さを示す。
調味液に味噌液を用いた例4、塩麹を用いた例5ともに、調味液に酒粕液を用いた例3とほぼ同じ程度の硬さになっていた。
従って、本発明は酒粕漬に限定されるものではなく、味噌漬や塩麹漬など、酵素を含む調味液に豆腐を漬ける食品全般に利用できる技術と考えられる。
表27で示す通り、本発明で行った豆腐の漬物は、殺菌効果が向上した。
前記段落(0112)以降に記載した豆腐の漬物の製法を高圧処理条件の圧力条件のみ100~300MPa範囲で変えて検討したところ、表27に示す結果となり、本発明が100~300MPaの圧力範囲でも有効であることを確認した。
1. 実験方法
1-1 試料の調整
加工処理に先立ち、軸を取り除いた生シイタケと、生シイタケの30%重量の調味液(醤油とバターを1:2の割合で混ぜ合わせたもの)をポリエチレン製の袋に入れ、脱気包装機を用いて、真空度99%の脱気包装を行った。
ここでは、シイタケは傘部分をまるごと使用し、調味液の量はシイタケの30%としたが、本発明はこのシイタケの形状、調味液の量に限定されるものではなく、脱気包装の真空度も、袋内の空気が十分に取り除かれるのであれば、任意の真空度でよい。
脱気包装した試料に対して、下記表28に示す加工処理を行った。
従来法1では、ボイル殺菌として、0.1MPa、98℃で10分間の加熱処理を行った。
従来法2では、レトルト殺菌として、0.2MPa、121℃で20分間の加熱処理を行った。
従来法3では、加熱殺菌として、0.1MPa、70℃で30分間の加熱処理を行った。
本特許を利用した実施例では、加熱・高圧殺菌として、100MPa、70℃で30分間の加熱処理を行った。加熱・高圧処理は、(株)東洋高圧製「まるごとエキスTFS-20」を用いて行った。
従来法1~3および実施例の加工処理を行った試料を用いて、キノコの旨味成分であるグアニル酸の濃度を測定した。具体的には次のような方法で行った。
各処理後の試料から調味液を拭き取り、試料と同重量の蒸留水を加えてホモジナイズした後、遠心分離(3000rpm、10分間)を行い、上清を回収した。上清を孔径0.45μmのフィルタでろ過し、高速液体クロマトグラフィーで分析した。高速液体クロマトグラフィーは下記表29の条件で行った。標品には和光純薬工業(株)製のグアニル酸(グアノシン1リン酸)を使用した。
従来法1~3および実施例の加工処理を行った試料を用いて、呈味成分として塩分を測定した。具体的には上記グアニル酸測定用の上清に含まれるナトリウム量を、原子吸光法により測定し、元の試料に含まれる塩化ナトリウム濃度に換算した。
従来法1~3および実施例の加工処理を行った試料を用いて、傘部分の硬さを春日ら(日本調理学会誌34、pp348-355、2000年)の方法を用いて測定した。すなわち、レオメーター((株)サン科学製CR-500DX)を用いて、直径1mmの円柱プランジャーで、傘部分の軸から5mm離れた箇所を、ヒダのある方向から圧縮し、貫入したときの応力を求めた。1試料あたり4か所測定し、平均値をその試料の測定値とした。1処理あたり5反復ずつ行い、平均値と標準偏差を求めた。
2-1 グアニル酸の生成機構
グアニル酸はキノコに含まれる代表的な旨味物質である。図43にグアニル酸の生成および分解の模式図を示す。
グアニル酸は、細胞の核に含まれる核酸(RNA)が酵素(リボヌクレアーゼ)により分解されることで生成される。そのため、キノコの細胞が損傷を受けると、細胞核に存在する核酸が、細胞質中に存在するリボヌクレアーゼにより分解されやすくなるため、グアニル酸が生成されやすくなる。
干シイタケは、乾燥により細胞が損傷を受けているため、旨味成分のグアニル酸が生シイタケよりも増えやすく、古くからダシの材料として利用されている。グアニル酸はホスファターゼにより分解されると無味のグアノシンに変化する。グアニル酸を生成するリボヌクレアーゼは65~70℃で活性が高く、グアニル酸を分解するホスファターゼは40~60℃で活性が高い。さらにホスファターゼは65℃以上で失活するため、シイタケは65~70℃で加熱すると旨味が最も増加しやすいことが知られている。
図44に、従来法1~3および実施例の加工処理を行った試料のグアニル酸濃度を示す
。
処理前の生シイタケにはグアニル酸はほとんど含まれていないが、加熱することによりグアニル酸濃度は上昇した。実施例は、従来法1および従来法2の3倍以上、従来法3の約1.5倍にグアニル酸濃度が上昇した。
以上の結果から、本発明方法を利用することにより、シイタケに含まれるグアニル酸を通常の加熱殺菌方法よりも増加させることができると考えられる。グアニル酸が増加した理由としては、加熱・高圧処理によりリボヌクレアーゼの活性が向上した可能性と、加熱・高圧処理により核膜が損傷した可能性が考えられる。
図45に従来法1~3および実施例の加工処理を行った試料の塩分を示す。
塩分は加熱方法ではなく、加熱時間に依存して高くなった。また、シイタケは組織内の空隙が多いため、脱気包装した際に、気液置換により調味液が染込んだと考えられる。
図46に従来法1~3および実施例の加工処理を行った試料の破断能力を示す。
この図から、食感に関しては有意な差異は認められなかった。
表30で示す通り、本発明で行ったキノコ加工品は、殺菌効果が向上した。
前記段落(0129)以降に記載したキノコ加工品の製法を高圧処理条件の圧力条件のみ100~300MPa範囲で変えて検討したところ、表30に示す結果となり、本発明が100~300MPaの圧力範囲でも有効であることを確認した。
(1)大根の粕漬け
・処理条件
圧力:1000気圧(100MPa)
温度:40~70℃
時間:1~5時間
・製造内容
野菜:大根(青首)
漬床:調味粕(酒粕70%、塩10%、砂糖20%)
製法:皮を剥ぎ、幅1cmの半月状にした大根に同重量の漬床を塗り、袋に入れ真空包装した。
・評価方法
塩分:各試料を粉砕してろ過し、ろ液を測定試料として塩分濃度計(東亜電波社製)に
より測定した。測定結果は図47に示すように、高圧加温処理することで、成分が浸透し、塩分濃度が高くなる。処理温度や処理時間による塩分濃度の違いは若干比例する傾向がある。
噛み切り易さ:各試料を高さ1cm、幅2cm角立方体に調製し、5mmφ円柱プランジャーで6mmまで進入した時の応力をレオメータにより測定した。測定結果は図48に示すように、高圧加温処理した大根の粕漬けは、処理温度および処理時間に比例して噛み切りやすさが良くなる。さらに、その噛み切りやすさは既製品の噛み切りやすさに近い。
色調:各処理条件の試料の色調について色彩色差計(日本電色社製)を用いて反射法によりL*,a*,b*を測定した。測定結果は図49に示すように、高圧加温処理することで、酒粕の色が大根に染み込む。処理温度および処理時間におおよそ比例して染み込むと考えられる。また、図50(a)は高圧加温処理前の色調を示し、(b)は高圧加温処理前の色調を示す。
微生物衛生検査法:各試料を生理食塩水にて懸濁の後に段階希釈し、各希釈試料を標準寒天培地 (栄研、一般生菌数用) および 0.01 (w/v) %クロラムフェニコール含有ポテトデキストロース寒天培地 (栄研、真菌用) に塗抹した (標準寒天の場合は混釈法を使用した)。30~37 ℃にて培養を3日間行った後に形成された微生物集落数を計数し、試料1gあたりの一般生菌および真菌の生菌数を算出した。基準値は、食品衛生法規格基準を参考に一般生菌数は 300 cfu /g 以下、真菌数は 1000 cfu /g 以下とした。また、不検出は、一般生菌および真菌共に、50 cfu /g 以下とした。
(表31A)は処理温度別(処理時間は全て3時間)の微生物衛生検査の結果を示し、(表31B)は処理時間別(処理温度は全て70℃)の微生物衛生検査の結果を示す。
表に示すように、処理温度別および処理時間別ともに生菌数は衛生基準値を下回っている。これは高圧加温処理の効果だけでなく、大根に染み込んだ酒粕に含まれるアルコールによる殺菌効果との相乗効果によって菌の増殖などが抑制されたためと考えられる。
・処理条件
圧力:1000気圧(100MPa)
温度:40~70℃
時間:15~45分
・製造内容
野菜:中島菜
漬床:調味粕(酒粕50%、清酒20%、塩10%、砂糖20%)
製法:中島菜の茎と葉の割合を1:1とし、総重量と同重量の漬床と共に袋に入れ真空包装した。
・評価方法
塩分:各試料を粉砕してろ過し、ろ液を測定試料として塩分濃度計(東亜電波社製)により測定した。測定結果は図51に示すように、高圧加温処理することで、成分が浸透し、塩分濃度が高くなる。処理温度は60℃まで温度の上昇に比例して塩分濃度が高くなるが、70℃では低くなる
硬さ:各試料を長さ1.5cm~2cmに切った茎に調整し、2mmφ針状プランジャーで切った茎を横にし、中心部を貫くように10mmまで進入した時の応力をレオメータにより測定した。測定結果は図52に示すように、高圧加温処理した中島菜の粕漬けの茎の硬さは未処理よりも柔らかくなり、既製品の中島菜漬に近い食感になる。
色調:各処理条件の試料の色調について色彩色差計(日本電色社製)を用いて反射法によりL*,a*,b*を測定した。測定結果は図53に示すように、処理温度および処理時間に比例して葉の緑色はかなりくすむ。また、図54(a)は高圧加温処理前の色調を示し、(b)は高圧加温処理前の色調を示す。
微生物衛生検査法:各試料を生理食塩水にて懸濁の後に段階希釈し、各希釈試料を標準寒天培地 (栄研、一般生菌数用) および 0.01 (w/v) %クロラムフェニコール含有ポテトデキストロース寒天培地 (栄研、真菌用) に塗抹した (標準寒天の場合は混釈法を使用した)。30~37 ℃にて培養を3日間行った後に形成された微生物集落数を計数し、試料1gあたりの一般生菌および真菌の生菌数を算出した。基準値は、食品衛生法規格基準を参考に一般生菌数は 300 cfu /g 以下、真菌数は 1000 cfu /g 以下とした。また、不検出は、一般生菌および真菌共に、50 cfu /g 以下とした。
(表32A)は処理温度別(処理時間は全て30分)の微生物衛生検査の結果を示し、(表32B)は処理時間別(処理温度は全て50℃)の微生物衛生検査の結果を示す。
表に示すように、処理温度別および処理時間別ともに生菌数は衛生基準値を下回っている。これは大根と同様で高圧加温処理の効果だけでなく、中島菜に染み込んだ酒粕に含まれるアルコールによる殺菌効果との相乗効果によって菌の増殖などが抑制されたためと考えられる。
(3).80MPa以下と100MPa以上の処理での効果
前記大根と中島菜の奈良漬け(粕漬け)の製法を、高圧処理条件の圧力条件のみ80~300MPa範囲で変えて検討したところ、表33に示す結果となり、本発明が80~300MPaの圧力範囲でも有効であることを確認した。
・処理条件
圧力:1000気圧(100MPa)
温度:40~70℃
時間:15~60分
・製造内容
野菜:大根(青首)
漬液:20%醤油水溶液(塩分濃度 約3.5%)
製法:皮を剥ぎ、幅1cmの半月状にした大根を同重量の漬液と共に袋に入れ真空包装した。また、一般法として、皮を剥ぎ厚さ1cm、半月状にカットした大根を20%醤油水溶液に浸し、5℃で24時間漬け込んだものを試料とした。
・評価方法
塩分:各試料を粉砕してろ過し、ろ液を測定試料として塩分濃度計(東亜電波社製)により測定した。測定結果は図55に示すように、一般法に比べどの処理条件でも大根果肉中の塩分濃度が向上した。また、処理温度の上昇に比例して成分がより染み込み、塩分濃度が高くなる。また、処理時間も長さに比例して塩分濃度が高くなる。
噛み切り易さ:各試料を高さ1cm、幅2cm角立方体に調製し、5mmφ円柱プランジャーで6mmまで進入した時の応力をレオメータにより測定した。測定結果は図56に示すように、60℃以上の処理温度または60分以上の処理時間で食感は柔らかくなり、噛み切りやすくなる。それら以下の処理条件では生の食感を維持することができる。ただし、いずれの処理条件も一般法に比べ軟化が抑制された。
色調:各処理条件の試料の色調について色彩色差計(日本電色社製)を用いて反射法によりL*,a*,b*を測定した。図57(a)は高圧加温処理前の色調を示し、(b)は高圧加温処理前の色調を示す。
細胞破壊程度:本実施例では、高圧処理場合の野菜組織内の水の拡散係数の変化を調べた。各種処理条件で高圧処理した大根を試料としてNMRにより水の拡散係数を分析した。NMRの測定は、ESX400(1Hの共鳴周波数400MHz)を用いた。各サンプルの中心部を、おおむね3cm角で切り出し、筒状に丸めてNMR測定管に入れ、PGSTE法により拡散時間を0.1~1.0secまで変化させて、それぞれの拡散係数を測定した。その結果を図58に示す。図58に示すように、水の拡散係数は、組織内での移動できる範囲が小さい場合(制限拡散)は、拡散時間が長くなるほど大きく減少する。図を見ると、未処理に比べて全ての高圧加温処理した試料共に拡散係数の減少幅が小さくなっており、高圧加温処理により、野菜の組織内の水が移動できる範囲が大きくなっていること、すなわち、細胞膜の破壊が起きていることが確認された。それにより成分が浸透しやすくなる。
旨味成分含量:各試料を生理食塩水中に懸濁して充分混合し、遠心分離もしくはフィルタリングにより残渣を除去したのちAccQ-Fluor Reagent Kit (Waters) を用いて試料中のアミノ酸を蛍光標識した。所定の移動相 (移動相 A: AccQ-Eluent A (Waters)、移動相 B: 60 (v/v) % アセトニトリル) を用いたリニアグラジエントにより高速液体クロマトグラフィー (HPLC) にて各アミノ酸を溶出した。カラムとして AccQ-tag Amino Acid Analysis Column (Waters) を用い、カラムオーブンは 40 ℃に設定し流速 1 ml/min にて溶出を行った。検出の際は、励起波長 250 nm、蛍光波長 395 nm にて蛍光強度を測定した。図59に示すように、高圧加温処理を行うと、処理温度の上昇に比例して旨味成分は増加する。これは大根の果肉に醤油の旨味成分が浸透したためと考えられる。
微生物衛生検査法:各試料を生理食塩水にて懸濁の後に段階希釈し、各希釈試料を標準寒天培地 (栄研、一般生菌数用) および 0.01 (w/v) %クロラムフェニコール含有ポテトデキストロース寒天培地 (栄研、真菌用) に塗抹した (標準寒天の場合は混釈法を使用した)。30~37 ℃にて培養を3日間行った後に形成された微生物集落数を計数し、試料1gあたりの一般生菌および真菌の生菌数を算出した。基準値は、食品衛生法規格基準を参考に一般生菌数は 300 cfu /g 以下、真菌数は 1000 cfu /g 以下とした。また、不検出は、一般生菌および真菌共に、50 cfu /g 以下とした。
(表34A)は処理温度別(処理時間は全て3時間)の微生物衛生検査の結果を示し、(表34B)は処理時間別(処理温度は全て70℃)の微生物衛生検査の結果を示す。
す。
表に示すように、各温度で高圧加温処理を30分行うと、40℃では1か月後に衛生基準値を超えてしまうが、50℃では一般生菌は衛生基準値を下回り、真菌は不検出であった。また、60℃以上の処理温度で完全に殺菌することができる。50℃の高圧加温処理では時間による菌数の変化は認められなかったが、すべて衛生基準値を下回っている。
・処理条件
圧力:1000気圧(100MPa)
温度:40~70℃
時間:5~30分
・製造内容
野菜:中島菜
漬液:40%醤油水溶液(塩分濃度 約7.3%)
製法:中島菜の茎と葉の割合を1:1とし、総重量と同量の漬液と共に袋に入れ真空包装した。
・評価方法
塩分:各試料を粉砕してろ過し、ろ液を測定試料として塩分濃度計(東亜電波社製)により測定した。測定結果は図60に示すように、処理温度の上昇に比例して成分がより染み込み、塩分濃度が高くなる。また、処理時間も長さに比例して塩分濃度が高くなる。
硬さ:各試料を長さ1.5cm~2cmに切った茎に調整し、2mmφ針状プランジャーで切った茎を横にし、中心部を貫くように10mmまで進入した時の応力をレオメータにより測定した。測定結果は図61に示すように、高圧加温処理した中島菜の醤油漬けの茎の硬さは未処理よりも柔らかくなるが、既製品の中島菜漬と比べてより歯ごたえのある食感となる。
色調:各処理条件の試料の色調について色彩色差計(日本電色社製)を用いて反射法によりL*,a*,b*を測定した。測定結果は図62に示すように、処理温度および処理時間に比例して葉の緑色はくすむ。これは醤油(塩分)の染み込みに比例している。また、図63(a)は高圧加温処理前の色調を示し、(b)は高圧加温処理前の色調を示す。
微生物衛生検査法:各試料を生理食塩水にて懸濁の後に段階希釈し、各希釈試料を標準寒天培地 (栄研、一般生菌数用) および 0.01 (w/v) %クロラムフェニコール含有ポテトデキストロース寒天培地 (栄研、真菌用) に塗抹した (標準寒天の場合は混釈法を使用した)。30~37 ℃にて培養を3日間行った後に形成された微生物集落数を計数し、試料1gあたりの一般生菌および真菌の生菌数を算出した。基準値は、食品衛生法規格基準を参考に一般生菌数は 300 cfu /g 以下、真菌数は 1000 cfu /g 以下とした。また、不検出は、一般生菌および真菌共に、50 cfu /g 以下とした。
(表35A)は処理温度別(処理時間は全て15分)の微生物衛生検査の結果を示し、(表35B)は処理時間別(処理温度は全て60℃)の微生物衛生検査の結果を示す。
表に示すように、一般生菌は全ての処理温度で検出されたが、高圧加温処理の処理温度が50℃以上では衛生基準値を下回っている。真菌は高圧加温処理の処理温度が50℃以上で
衛生基準値を上回っている。60℃で高圧加温処理した場合、処理時間による生菌数の変化は認められなかったが、一般生菌では、衛生基準値を下回り、真菌では、不検出であった。
前記大根と中島菜の醤油漬けの製法を、高圧処理条件の圧力条件のみ80~300MPa範囲で変えて検討したところ、表36に示す結果となり、本発明が80~300MPaの圧力範囲でも有効であることを確認した。
(1)ウメのシロップ漬け
・処理条件
圧力:1000気圧(100MPa)
温度:40~70℃
時間:15~60分
・製造内容
果実:石川県産 冷凍梅(石川1号)
シロップ:60%グラニュー糖水(糖度50.4%)
製法:ウメ5粒をそれらの2倍量のシロップと共に袋に入れ真空包装した。
・評価方法
糖度:各試料を粉砕してろ過し、ろ液を測定試料として糖度計(アタゴ社製)により測定した。測定結果は図64に示すように、高圧加温処理を行うと処理温度が高いほど、また、60℃では、処理時間が長いほどシロップの糖分が向上して果肉に染み込みやすくなることを確認した。
酸度:高圧加温処理したサンプルを袋から取り出し、シロップを拭き取った後、種を取り除きミキサーでホモジナイズした。ホモジナイズによりペースト化したサンプルを試料とした。酸度滴定計を用いて試料の酸度(%)を測定し、クエン酸相当量として換算して評価した。測定結果は図65に示すように、高圧加温処理を行うと処理温度が高いほどまた、60℃では、処理時間が長いほど果肉の酸度が低下して果肉から酸が溶出しやすくなることを確認した。
硬さ:冷凍梅1個を測定台に固定し、3mmφ円柱プランジャーで6mmまで圧縮した時の応力をレオメータにより測定した。測定結果は図66に示すように、60℃以上の温度お
よびその温度で30分以上の高圧加温処理を行うと果肉の食感は軟らかくなる。
色調:各処理条件の試料の色調について色彩色差計(日本電色社製)を用いて反射法によりL*,a*,b*を測定した。測定結果は図67に示すように、高圧加温処理を行うことで、果皮の色は若干くすむが、商品性に問題はない。また、図68(a)は高圧加温処理前の色調を示し、(b)は高圧加温処理前の色調を示す。
微生物衛生検査法:各試料を生理食塩水にて懸濁の後に段階希釈し、各希釈試料を標準寒天培地 (栄研、一般生菌数用) および 0.01 (w/v) %クロラムフェニコール含有ポテトデキストロース寒天培地 (栄研、真菌用) に塗抹した (標準寒天の場合は混釈法を使用した)。30~37 ℃にて培養を3日間行った後に形成された微生物集落数を計数し、試料1gあたりの一般生菌および真菌の生菌数を算出した。基準値は、食品衛生法規格基準を参考に一般生菌数は 300 cfu /g 以下、真菌数は 1000 cfu /g 以下とした。また、不検出は、一般生菌および真菌共に、50 cfu /g 以下とした。
(表37A)は処理温度別(処理時間は全て30分)の微生物衛生検査の結果を示し、(表37B)は処理時間別(処理温度は全て60℃)の微生物衛生検査の結果を示す。
表に示すように、一般生菌、真菌ともに60℃以上の高圧加温処理でほとんどの試験区で不検出となり殺菌できることを確認した。また、高圧加温処理の処理温度が60℃の場合、処理時間30分以上で長期保存が可能となる。
・処理条件
圧力:1000気圧(100MPa)
温度:40~70℃
時間:15~60分
・製造内容
果実:和梨(陽水)
シロップ:15%グラニュー糖水(糖度14.3%)
製法:果皮および種を取り除いたナシを同じ重量のシロップと共に袋に入れ、真空包装した。
・評価方法
糖度:各試料を粉砕してろ過し、ろ液を測定試料として糖度計(アタゴ社製)により測定した。測定結果は図69に示すように、高圧加温処理を行うと、処理温度および処理時間に比例してシロップの成分が果肉に染み込む。
硬さ:各試料を高さ1cm、幅2cm角立方体に調製し、5mmφ円柱プランジャーで6mmまで進入した時の応力をレオメータにより測定した。測定結果は図70に示すように、60℃以上の温度で処理時間が長いと果肉の食感は若干柔らかくなるが、未処理の果肉の食感をほぼ維持できる。
色調:各処理条件の試料の色調について色彩色差計(日本電色社製)を用いて反射法によりL*,a*,b*を測定した。測定結果は図71に示すように、シロップが染み込むことによって半透明化するが、処理条件による色の変化はほとんどない。また、この色調は商品性に問題ない。また、図72(a)は高圧加温処理前の色調を示し、(b)は高圧加温処理
前の色調を示す。
細胞破壊程度:本実施例では、高圧処理場合の野菜組織内の水の拡散係数の変化を調べた。各種処理条件で高圧処理したナシを試料としてNMRにより水の拡散係数を分析した。NMRの測定は、ESX400(1Hの共鳴周波数400MHz)を用いた。各サンプルの中心部を、おおむね3cm角で切り出し、筒状に丸めてNMR測定管に入れ、PGSTE法により拡散時間を0.1~1.0secまで変化させて、それぞれの拡散係数を測定した。その結果は図73に示すように、高圧加温処理すると、処理温度に比例して細胞が破壊されているため、高い処理温度ほど成分は染み込むことがわかる。
・処理条件
圧力:1000気圧(100MPa)
温度:40~70℃
時間:15~60分
・製造内容
果実:石川県産ブドウ(ルビーロマン)
シロップ:20%グラニュー糖水(糖度18.9%)
製法:果皮を剥いたブドウ5粒をそれらの40%量のシロップと共に袋に入れ、真空包装した。
・評価方法
糖度:各試料を粉砕してろ過し、ろ液を測定試料として糖度計(アタゴ社製)により測定した。測定結果は図74に示すように、ぶどうは、高圧加温処理を行うとどの処理温度および処理時間でもシロップの糖分が同程度に果肉へ染み込む。
硬さ、噛み切りやすさ:ブドウ1個を測定台に固定し、3mmφ円柱プランジャーで6mmまで圧縮した時の応力をレオメータにより測定した。測定結果は図75に示すようにぶどうの硬さおよび噛み切りやすさは高圧加温処理しても未処理と変わらず、生の食感を維持することができる。
色調:各処理条件の試料の色調について色彩色差計(日本電色社製)を用いて反射法によりL*,a*,b*を測定した。測定結果は図76に示すように、未処理の果肉の色を基準に色差を比較すると、ぶどう果肉の色は高圧加温処理をしてもほぼ変わらず、生のぶどう果肉の色を維持することができる。また図77(a)は高圧加温処理前の色調を示し、(b)は高圧加温処理前の色調を示す。
微生物衛生検査法:各試料を生理食塩水にて懸濁の後に段階希釈し、各希釈試料を標準寒天培地 (栄研、一般生菌数用) および 0.01 (w/v) %クロラムフェニコール含有ポテトデキストロース寒天培地 (栄研、真菌用) に塗抹した (標準寒天の場合は混釈法を使用した)。30~37℃にて培養を3日間行った後に形成された微生物集落数を計数し、試料1gあたりの一般生菌および真菌の生菌数を算出した。基準値は、食品衛生法規格基準を参考に一般生菌数は 300 cfu /g 以下、真菌数は 1000 cfu /g 以下とした。また、不検出は、一般生菌および真菌共に、50 cfu /g 以下とした。
(表38A)は処理温度別(処理時間は全て30分)の微生物衛生検査の結果を示し、(表38B)は処理時間別(処理温度は全て60℃)の微生物衛生検査の結果を示す。
表に示すように、高圧加熱処理の処理温度別では、どの温度でも一般生菌、真菌ともに基準以下または不検出であった。50℃以上の処理温度では、6か月後まで一般生菌および真菌は検出されなかった。また、高圧加熱処理の処理温度が60℃の場合では、処理時間が30分以上で一般生菌および真菌が検出されなかった。
前記ウメ、和ナシおよびブドウのシロップ漬製法を、高圧処理条件の圧力条件のみ80~300MPa範囲で変えて検討したところ、表39に示す結果となり、本発明が80~300MPaの圧力範囲でも有効であることを確認した。
(1)牛肉(外モモ)の味噌漬け
・処理条件
圧力:1000気圧(100MPa)
温度:20℃~60℃
時間:7.5時間~30時間
・製造内容
肉:牛肉(外モモ)
漬床:調味味噌(味噌78%、砂糖11%、みりん11%)
製法:厚さ1cmにスライスした牛モモ肉に1/2量の漬床を塗り、袋に入れ、真空包装した。一般製造法として牛モモをガーゼで包み、その上から食材の1/2量の漬床(調味味噌)を塗り、袋に入れ真空包装した後に5℃で3日保存した。
・評価方法
糖組成:高圧加温処理したサンプルを袋から取り出し、調味液などを拭きとった後、ミキサーでホモジナイズした。ホモジナイズしたサンプル1gに対して8%トリクロロ酢酸溶液1mlを加え強く撹拌した後、抽出液を濾過し、最終的に蒸留水で10mlにメスアップしたものを試料とした。分析はHPLC装置((株)島津製作所)を用いた。カラムはMightysil NH2 (5um)((株)関東化学)、検出器は示差屈折計(RID-10A)を用いて、移動相を70%アセトニトリルにし、流速1 ml/minで分析を行った。フルクトース、グルコース、スクロースの3成分について、試料の糖組成およびそれらの定量を行い評価した。測定結果は図78に示すように、未処理に比べ15時間高圧加温処理した試料は、処理温度に関わらず糖濃度が10倍以上浸透した。また、漬床に含まれる糖成分の牛モモ肉への浸透は処理温度の上昇に比例して高くなり、処理温度60℃では、一般法以上の濃度となる。
硬さ:各試料を1cm角立方体に調製し、カミソリ刃プランジャーで筋繊維に対して垂直に刃を当て8mmまで進入した時の応力をレオメータにより測定した。測定結果は図79に示すように、高圧加温処理を行うことで加熱後の硬さは未処理および一般法に比べて柔らかくなる。60℃の処理では、酵素反応が進み、柔らかくなったと考えられる。40℃の処理では、処理時間による硬さの変化があまり無いことから、処理時間は7.5時間でも十分であると考えられる。
色調:図80(a)は高圧加温処理前の色調を示し、(b)は高圧加温処理前の色調を示す。
旨味成分含量:各試料を生理食塩水中に懸濁して充分混合し、遠心分離もしくはフィルタ60 (v/v) % アセトニトリル) を用いたリニアグラジエントにより高速液体クロマトグラフィー (HPLC) にて各アミノ酸を溶出した。カラムとして AccQ-tag Amino Acid Analysi
s Column (Waters) を用い、カラムオーブンは 40 ℃に設定し流速 1 ml/min にて溶出を行った。検出の際は、励起波長 250 nm、蛍光波長 395 nm にて蛍光強度を測定した。測定結果は図81に示すように、高圧加温処理を行うと、処理温度および処理時間に比例して旨味成分量が増加し、特に60℃の処理温度で大きく増加する。
微生物衛生検査法:各試料を生理食塩水にて懸濁の後に段階希釈し、各希釈試料を標準寒天培地 (栄研、一般生菌数用) および 0.01 (w/v) %クロラムフェニコール含有ポテトデキストロース寒天培地 (栄研、真菌用) に塗抹した (標準寒天の場合は混釈法を使用した)。30~37 ℃にて培養を3日間行った後に形成された微生物集落数を計数し、試料1gあたりの一般生菌および真菌の生菌数を算出した。基準値は、食品衛生法規格基準を参考に一般生菌数は 300 cfu /g 以下、真菌数は 1000 cfu /g 以下とした。また、不検出は、一般生菌および真菌共に、50 cfu /g 以下とした。
(表40A)は処理温度別(処理時間は全て15時間)の微生物衛生検査の結果を示し、(表40B)は処理時間別(処理温度は全て40℃)の微生物衛生検査の結果を示す。
表に示すように、処理温度別および処理時間別ともに一般生菌は検出されたが、すべて衛生基準値は下回っている。真菌は処理温度別および処理時間別ともに検出されなかった。牛モモ肉の味噌漬けは、どの処理条件でも5℃で1か月保存が可能である。
・処理条件
圧力:1000気圧(100MPa)
温度:20℃~60℃
時間:7.5時間~30時間
・製造内容
肉:牛タン(クラウンカット)
漬床:調味味噌(味噌78%、砂糖11%、みりん11%)
製法:厚さ1cmにスライスした牛モモ肉に1/2量の漬床を塗り、袋に入れ、真空包装した。一般製造法として、牛タンをガーゼで包み、その上から食材の1/2量の漬床(調味味噌)を塗り、袋に入れ真空包装した後に5℃で3日保存した。
・評価方法
糖組成:高圧加温処理したサンプルを袋から取り出し、調味液などを拭きとった後、ミキサーでホモジナイズした。ホモジナイズしたサンプル1gに対して8%トリクロロ酢酸溶液1mlを加え強く撹拌した後、抽出液を濾過し、最終的に蒸留水で10mlにメスアップしたものを試料とした。分析はHPLC装置((株)島津製作所)を用いた。カラムはMightysil NH2 (5um)((株)関東化学)、検出器は示差屈折計(RID-10A)を用いて、移動相を70%アセトニトリルにし、流速1 ml/minで分析を行った。フルクトース、グルコース、スクロースの3成分について、試料の糖組成およびそれらの定量を行い評価した。測定結果は図82に示すように、未処理に比べ15時間高圧加温処理した試料は、処理温度に関わらず糖濃度が約3g以上浸透した。また、漬床に含まれる糖成分の牛タン肉への浸透は処理温度の上昇に比例して高くなり、処理温度40℃以上では、一般法以上の濃度となる。
硬さ:各試料を1cm角立方体に調製し、カミソリ刃プランジャーで筋繊維に対して垂直に刃を当て8mmまで進入した時の応力をレオメータにより測定した。測定結果は図83に示すように、高圧加温処理を行うことで加熱後の硬さは未処理および一般法に比べて柔らかくなる。60℃の処理では、酵素反応が進み、柔らかくなったと考えられる。40℃の処理では、処理時間が長いほど柔らかくなる。
色調:図84(a)は高圧加温処理前の色調を示し、(b)は高圧加温処理前の色調を示す。
旨味成分含量:各試料を生理食塩水中に懸濁して充分混合し、遠心分離もしくはフィルタリングにより残渣を除去したのちAccQ-Fluor Reagent Kit (Waters) を用いて試料中のアミノ酸を蛍光標識した。所定の移動相 (移動相 A: AccQ-Eluent A (Waters)、移動相 B: 60 (v/v) % アセトニトリル) を用いたリニアグラジエントにより高速液体クロマトグラフィー (HPLC) にて各アミノ酸を溶出した。カラムとして AccQ-tag Amino Acid Analysis Column (Waters) を用い、カラムオーブンは 40 ℃に設定し流速 1 ml/min にて溶出を行った。検出の際は、励起波長 250 nm、蛍光波長 395 nm にて蛍光強度を測定した。測定結果は図85に示すように、60℃の処理温度で旨味成分量は大きく増加する。また、処理時間に比例して旨味成分量は増加する。
微生物衛生検査法:各試料を生理食塩水にて懸濁の後に段階希釈し、各希釈試料を標準寒天培地 (栄研、一般生菌数用) および 0.01 (w/v) %クロラムフェニコール含有ポテトデキストロース寒天培地 (栄研、真菌用) に塗抹した (標準寒天の場合は混釈法を使用した)。30~37℃にて培養を3日間行った後に形成された微生物集落数を計数し、試料1gあたりの一般生菌および真菌の生菌数を算出した。基準値は、食品衛生法規格基準を参考に一般生菌数は 300 cfu /g 以下、真菌数は 1000 cfu /g 以下とした。また、不検出は、一般生菌および真菌共に、50 cfu /g 以下とした。
(表41A)は処理温度別(処理時間は全て15時間)の微生物衛生検査の結果を示し、(表41B)は処理時間別(処理温度は全て40℃)の微生物衛生検査の結果を示す。
表に示すように、処理温度別および処理時間別ともに一般生菌は検出されたが、すべて衛生基準値は下回っている。真菌は処理温度別および処理時間別ともに検出されなかった。牛タンの味噌漬けも牛モモ肉と同様に、どの処理条件でも5℃で1か月保存が可能である。
・処理条件
圧力:1000気圧(100MPa)
温度:20℃~60℃
時間:1時間~5時間
・製造内容
肉:牛肉(外モモ)
漬液:米糀水(糀:水=1:1)
製法:厚さ1cmにスライスした牛モモ肉と、1/5量の米糀水をと共に袋に入れ、真空包装した。
・評価方法
グルコース濃度:各処理後の肉をホモジナイズした後、試料5gに8%トリクロロ酢酸水溶液を5ml加えて激しく振盪し、ろ過して清澄化した液を50mlに定容した。定容した液のグルコース濃度を、和光純薬工業(株)製グルコースCIIテストを用いて測定し、元の試料に含まれるグルコース濃度に換算した。1処理あたり3反復ずつ行い、平均値と標準偏差を求めた。測定結果は図86に示すように、未処理に比べて高圧加温処理の処理時間や温度に関わらず、牛モモ肉中のグルコース濃度は200mg以上に向上した。また、処理温度の上昇に比例して牛モモ肉のグルコース濃度は高くなる。また、処理時間の長さにも比例してグルコース濃度は高くなる。特に60℃の処理温度は糀の酵素の適正温度にあた
るため、グルコース濃度の上昇は顕著である。
硬さ:各試料を1cm角立方体に調製し、カミソリ刃プランジャーで筋繊維に対して垂直に刃を当て8mmまで進入した時の応力をレオメータにより測定した。測定結果は図87に示すように、未処理に比べて高圧加温処理の処理時間や温度に関わらず、処理した肉の硬さは、軟化した。また、処理温度の上昇によって軟化する傾向があった。特に、糀の酵素の適正温度である60℃の処理温度で、加熱後の硬さは柔らかくなる。60℃での処理時間の長さにも比例して加熱後の硬さは柔らかくなる。
色調:図88(a)は高圧加温処理前の色調を示し、(b)は高圧加温処理前の色調を示す。
旨味成分含量:各試料を生理食塩水中に懸濁して充分混合し、遠心分離もしくはフィルタリングにより残渣を除去したのちAccQ-Fluor Reagent Kit (Waters) を用いて試料中のアミノ酸を蛍光標識した。所定の移動相 (移動相 A: AccQ-Eluent A (Waters)、移動相 B: 60 (v/v) % アセトニトリル) を用いたリニアグラジエントにより高速液体クロマトグラフィー (HPLC) にて各アミノ酸を溶出した。カラムとして AccQ-tag Amino Acid Analysis Column (Waters) を用い、カラムオーブンは 40 ℃に設定し流速 1 ml/min にて溶出を行った。検出の際は、励起波長 250 nm、蛍光波長 395 nm にて蛍光強度を測定した。測定結果は図89に示すように、高圧加温処理を行うと、処理温度および処理時間に比例して旨味成分量が増加する。また、処理時間が15時間場合では、処理温度が40℃以上、処理温度が60℃の場合では、処理時間が15時間以上であれば旨味成分の含有率は、1%以上となった
微生物衛生検査法:各試料を生理食塩水にて懸濁の後に段階希釈し、各希釈試料を標準寒天培地 (栄研、一般生菌数用) および 0.01 (w/v) %クロラムフェニコール含有ポテトデキストロース寒天培地 (栄研、真菌用) に塗抹した (標準寒天の場合は混釈法を使用した)。30~37 ℃にて培養を 3 日間行った後に形成された微生物集落数を計数し、試料 1 g あたりの一般生菌および真菌の生菌数を算出した。基準値は、食品衛生法規格基準を参考に一般生菌数は 300 cfu /g 以下、真菌数は 1000 cfu /g 以下とした。また、不検出は、一般生菌および真菌共に、50 cfu /g 以下とした。
(表42A)は処理温度別(処理時間は全て15時間)の微生物衛生検査の結果を示し、(表42B)は処理時間別(処理温度は全て40℃)の微生物衛生検査の結果を示す。
表に示すように、処理温度別では、40℃以下の処理で一般生菌および真菌ともに衛生基準値を超えてしまったが、60℃以上では不検出であった。60℃での処理時間別では、1時間処理したもののみが1か月後に衛生基準値を超えない範囲で一般生菌が検出されたが、処理時間による生菌数の違いはほぼなかった。糀の酵素の活性温度が60℃であることも含めると、牛モモ肉の糀漬けは60℃以上での高圧加温処理を推奨する。
・処理条件
圧力:1000気圧(100MPa)
温度:20℃~60℃
時間:1時間~5時間
・製造内容
肉:牛タン(タン先)
漬液:米糀水(糀:水=1:1)
製法:厚さ1cmにスライスした牛モモ肉と、2/5量の米糀水をと共に袋に入れ、真空包装した。
・評価方法
グルコース濃度:各処理後の肉をホモジナイズした後、試料5gに8%トリクロロ酢酸水溶液を5ml加えて激しく振盪し、ろ過して清澄化した液を50mlに定容した。定容した液のグルコース濃度を、和光純薬工業(株)製グルコースCIIテストを用いて測定し、元の試料に含まれるグルコース濃度に換算した。1処理あたり3反復ずつ行い、平均値と標準偏差を求めた。測定結果は図90に示すように、未処理に比べて高圧加温処理の処理時間や温度に関わらず、牛タン肉中のグルコース濃度は約200mg以上に向上した。また、処理温度の上昇に比例して牛タン肉のグルコース濃度は高くなる。また、処理時間の長さ
にも比例してグルコース濃度は高くなる。特に60℃の処理温度は糀の酵素の適正温度にあたるため、グルコース濃度の上昇は顕著である。
硬さ:各試料を1cm角立方体に調製し、カミソリ刃プランジャーで筋繊維に対して垂直に刃を当て8mmまで進入した時の応力をレオメータにより測定した。測定結果は図91に示すように、未処理に比べて高圧加温処理の処理時間や温度に関わらず、処理した肉の硬さは、軟化した。また、処理温度の上昇および処理時間の長さに比例して軟化した。
色調:図92(a)は高圧加温処理前の色調を示し、(b)は高圧加温処理前の色調を示す。
旨味成分含量:各試料を生理食塩水中に懸濁して充分混合し、遠心分離もしくはフィルタリングにより残渣を除去したのちAccQ-Fluor Reagent Kit (Waters) を用いて試料中のアミノ酸を蛍光標識した。所定の移動相 (移動相 A: AccQ-Eluent A (Waters)、移動相 B: 60 (v/v) % アセトニトリル) を用いたリニアグラジエントにより高速液体クロマトグラフィー (HPLC) にて各アミノ酸を溶出した。カラムとして AccQ-tag Amino Acid Analysis Column (Waters) を用い、カラムオーブンは 40 ℃に設定し流速 1 ml/min にて溶出を行った。検出の際は、励起波長 250 nm、蛍光波長 395 nm にて蛍光強度を測定した。測定結果は図93に示すように、高圧加温処理を行うと、処理温度および処理時間に比例して旨味成分量が増加する。また、処理時間が15時間場合では、処理温度が20℃以上、処理温度が60℃の場合では、処理時間が15時間以上であれば旨味成分の含有率は、1%以上となった。
微生物衛生検査法:各試料を生理食塩水にて懸濁の後に段階希釈し、各希釈試料を標準寒天培地 (栄研、一般生菌数用) および 0.01 (w/v) %クロラムフェニコール含有ポテトデキストロース寒天培地 (栄研、真菌用) に塗抹した (標準寒天の場合は混釈法を使用した)。30~37℃にて培養を3日間行った後に形成された微生物集落数を計数し、試料1gあたりの一般生菌および真菌の生菌数を算出した。基準値は、食品衛生法規格基準を参考に一般生菌数は 300 cfu /g 以下、真菌数は 1000 cfu /g 以下とした。また、不検出は、一般生菌および真菌共に、50 cfu /g 以下とした。
(表43A)は処理温度別(処理時間は全て3時間)の微生物衛生検査の結果を示し、(表43B)は処理時間別(処理温度は全て60℃)の微生物衛生検査の結果を示す。
表に示すように、処理温度別では、40℃以下の処理で一般生菌および真菌ともに衛生基準値を超えてしまったが、60℃以上の処理では衛生基準値を下回っている。60℃での処理時間別では、一般生菌についてはどの処理時間でも衛生基準値を超えない範囲で検出されたが、処理時間による生菌数の違いはなかった。牛モモ肉と同様に、糀の酵素の活性温度が60℃であることから、牛タンの糀漬けも60℃以上での高圧加温処理を推奨する。
前記牛肉の味噌および糀漬けの製法を、高圧処理条件の圧力条件のみ80~300MPa範囲で変えて検討したところ、表44に示す結果となり、本発明が80~300MPaの圧力範囲でも有効であることを確認した。
(1)堅豆腐の粕漬け
・処理条件
圧力:1000気圧(100MPa)
温度:20℃~60℃
時間:7.5時間~30時間
・製造内容
加工品:堅豆腐
漬床:調味粕(酒粕40%、味噌40%、清酒10%、みりん10%)
製法:1cm幅に切った堅豆腐に1/2量の調味酒粕を塗り、袋に入れ、真空包装した。
・評価方法
グルコース濃度:各処理後の魚肉をホモジナイズした後、試料5gに8%トリクロロ酢酸水溶液を5ml加えて激しく振盪し、ろ過して清澄化した液を50mlに定容した。定容した液のグルコース濃度を、和光純薬工業(株)製グルコースCIIテストを用いて測定し、元の試料に含まれるグルコース濃度に換算した。1処理あたり3反復ずつ行い、平均値と標準偏差を求めた。測定結果は図94に示すように、高圧加温処理を行うことで、グルコース濃度が高くなる。40℃の処理温度で特に高く、処理時間に比例してグルコース濃度も高くなる。
硬さ:各試料を1cm角立方体に調製し、10mmφ円柱プランジャーで80%圧縮した時の応力をレオメータにより測定した。測定結果は図95に示すように、高圧加温処理を行うことで、堅豆腐の硬さが柔らかくなる。グルコース濃度同様40℃の処理温度で特に柔らかくなり、処理時間に比例してさらに柔らかくなる。
色調:各処理条件の試料の色調について色彩色差計(日本電色社製)を用いて反射法によりL*,a*,b*を測定した。測定結果は図96に示すように、処理温度および処理時間に比例して色が変化し、より黄色くなる。また図97(a)は高圧加温処理前の色調を示し、(b)は高圧加温処理前の色調を示す。
旨味成分含量:各試料を生理食塩水中に懸濁して充分混合し、遠心分離もしくはフィルタリングにより残渣を除去したのちAccQ-Fluor Reagent Kit (Waters) を用いて試料中のア
ミノ酸を蛍光標識した。所定の移動相 (移動相 A: AccQ-Eluent A (Waters)、移動相 B: 60 (v/v) % アセトニトリル) を用いたリニアグラジエントにより高速液体クロマトグラフィー (HPLC) にて各アミノ酸を溶出した。カラムとして AccQ-tag Amino Acid Analysis Column (Waters) を用い、カラムオーブンは 40 ℃に設定し流速 1 ml/min にて溶出を行った。検出の際は、励起波長 250 nm、蛍光波長 395 nm にて蛍光強度を測定した。測定結果は図98に示すように、高圧加温処理を行うと、旨味成分量は増加し、特に60℃の処理温度で大きく増加する。
微生物衛生検査法:各試料を生理食塩水にて懸濁の後に段階希釈し、各希釈試料を標準寒天培地 (栄研、一般生菌数用) および 0.01 (w/v) %クロラムフェニコール含有ポテトデキストロース寒天培地 (栄研、真菌用) に塗抹した (標準寒天の場合は混釈法を使用した)。30~37 ℃にて培養を 3 日間行った後に形成された微生物集落数を計数し、試料 1 g あたりの一般生菌および真菌の生菌数を算出した。基準値は、食品衛生法規格基準を参考に一般生菌数は 300 cfu /g 以下、真菌数は 1000 cfu /g 以下とした。また、不検出は、一般生菌および真菌共に、50 cfu /g 以下とした。
(表45A)は処理温度別(処理時間は全て15時間)の微生物衛生検査の結果を示し、(表45B)は処理時間別(処理温度は全て40℃)の微生物衛生検査の結果を示す。
表に示すように、処理温度別および処理時間別ともに生菌数は衛生基準値を下回っている。これまでの粕漬けと同様に、高圧加温処理の効果だけでなく、堅豆腐に染み込んだ酒粕に含まれるアルコールによる殺菌効果との相乗効果によって菌の増殖などが抑制されたためと考えられる。
前記堅豆腐の漬物の製法を、高圧処理条件の圧力条件のみ80~300MPa範囲で変えて検討したところ、表46に示す結果となり、本発明が80~300MPaの圧力範囲でも有効であることを確認した。
(1)フクラギの粕漬け
・処理条件
圧力:1000気圧(100MPa)
温度:20℃~60℃
時間:7.5時間~30時間
・製造内容
魚介:フクラギ
漬床:調味粕(酒粕73%、粉末米糀11.2%、清酒7.5%、みりん7.5%、塩0.8%)
製法:幅2cmの切り身にしたフクラギに同重量の漬床を塗り、袋に入れ、真空包装した。一般製造法として、フクラギの切り身をガーゼで包み、その上から食材と同量の調味粕を塗り、袋に入れ真空包装した後、常温で3日間保存した。
・評価方法
グルコース濃度:各処理後の魚肉をホモジナイズした後、試料5gに8%トリクロロ酢酸水溶液を5ml加えて激しく振盪し、ろ過して清澄化した液を50mlに定容した。定容した液のグルコース濃度を、和光純薬工業(株)製グルコースCIIテストを用いて測定し、元の試料に含まれるグルコース濃度に換算した。1処理あたり3反復ずつ行い、平均値と標準偏差を求めた。測定結果は図99に示すように、未処理に比べて、処理条件に関わらず、0.3%以上のグルコースの浸透が確認された。処理温度の上昇に比例してグルコース濃度は高くなる。また、処理時間の長さにも比例してグルコース濃度は高くなる。さらに、処理時間15時間では、40℃以上、処理温度40℃では、15時間以上の条件で一般法でのグルコース濃度より高い濃度となった。
硬さ:各試料を1cm角立方体に調製し、カミソリ刃プランジャーで筋繊維に対して垂直に刃を当て8mmまで進入した時の応力をレオメータにより測定した。測定結果は図100に示すように、フクラギの粕漬けに関しては、高圧加温処理することで未処理や一般法に比べて硬くなる傾向が認められた。しかし、15時間処理の場合処理温度の上昇、に比例してフクラギは柔らかくなり、60℃では、未処理や一般法より柔らかくなった。また、処理時間の長さにも比例してフクラギは柔らかくなった。
色調:各処理条件の試料の色調について色彩色差計(日本電色社製)を用いて反射法によりL*,a*,b*を測定した。測定結果は図101に示すように、高圧加温処理を行うことで、成分などが染み込み鮮やかな茶色になる。また、処理温度および処理時間に比例して色の鮮やかさは良くなる。また、また図102(a)は高圧加温処理前の色調を示し、(b)
は高圧加温処理前の色調を示す。
微生物衛生検査法:各試料を生理食塩水にて懸濁の後に段階希釈し、各希釈試料を標準寒天培地 (栄研、一般生菌数用) および 0.01 (w/v) %クロラムフェニコール含有ポテトデキストロース寒天培地 (栄研、真菌用) に塗抹した (標準寒天の場合は混釈法を使用した)。30~37℃にて培養を3日間行った後に形成された微生物集落数を計数し、試料1gあたりの一般生菌および真菌の生菌数を算出した。基準値は、食品衛生法規格基準を参考に一般生菌数は 300 cfu /g 以下、真菌数は 1000 cfu /g 以下とした。また、不検出は、一般生菌および真菌共に、50 cfu /g 以下とした。
(表47A)は処理温度別(処理時間は全て15時間)の微生物衛生検査の結果を示し、(表47B)は処理時間別(処理温度は全て40℃)の微生物衛生検査の結果を示す。
表に示すように、処理温度別および処理時間別ともに一般生菌および真菌の生菌数は不検出または衛生基準値以下であった。これは野菜の粕漬けと同様に、高圧加温処理の効果だけでなく、フクラギに染み込んだ酒粕に含まれるアルコールによる殺菌効果との相乗効果によって菌の増殖などが抑制されたためと考えられる。
・処理条件
圧力:1000気圧(100MPa)
温度:20℃~60℃
時間:7.5時間~30時間
・製造内容
魚介:スルメイカ(胴)
漬床:調味粕(酒粕73%、粉末米糀11.2%、清酒7.5%、みりん7.5%、塩0.8%)
製法:皮を剥いだイカの胴部分に同重量の漬床を塗り、袋に入れ、真空包装した。一般製造法として、イカの切り身をガーゼで包み、その上から食材と同量の調味粕を塗り、袋に入れ真空包装した後、常温で3日間保存した。
・評価方法
グルコース濃度:各処理後のイカ肉をホモジナイズした後、試料5gに8%トリクロロ酢酸水溶液を5ml加えて激しく振盪し、ろ過して清澄化した液を50mlに定容した。定容した液のグルコース濃度を、和光純薬工業(株)製グルコースCIIテストを用いて測定し、元の試料に含まれるグルコース濃度に換算した。1処理あたり3反復ずつ行い、平均値と標準偏差を求めた。測定結果は図103に示すように、未処理に比べて、処理条件に関わらず、0.5%以上のグルコースの浸透が確認された。処理温度の上昇に比例してグル
コース濃度は高くなる。また、処理時間の長さにも比例してグルコース濃度は高くなる。さらに、処理条件に関わらす一般法でのグルコース濃度より高い濃度となった。
硬さ:各試料を2cm角立方体に調製し、5mmφ針状プランジャーで15mmまで進入した時の応力をレオメータにより測定した。測定結果は図104に示すように、イカの粕漬けも、高圧加温処理することで未処理に比べて硬くなる傾向が認められたが、いずれの条件も一般法に比べて軟らかかった。また、15時間処理の場合処理温度40℃以上、40℃処理の場合処理時間15時間以上で未処理より柔らかくなった。
色調:各処理条件の試料の色調について色彩色差計(日本電色社製)を用いて反射法によりL*,a*,b*を測定した。測定結果は図105に示すように、高圧加温処理を行うことで、成分などが染み込み鮮やかな茶色になる。また、処理温度および処理時間に比例して色の鮮やかさは良くなる。また図106(a)は高圧加温処理前の色調を示し、(b)は高圧加温処理前の色調を示す。
微生物衛生検査法:各試料を生理食塩水にて懸濁の後に段階希釈し、各希釈試料を標準寒天培地 (栄研、一般生菌数用) および 0.01 (w/v) %クロラムフェニコール含有ポテトデキストロース寒天培地 (栄研、真菌用) に塗抹した (標準寒天の場合は混釈法を使用した)。30~37℃にて培養を3日間行った後に形成された微生物集落数を計数し、試料1gあたりの一般生菌および真菌の生菌数を算出した。基準値は、食品衛生法規格基準を参考に一般生菌数は 300 cfu /g 以下、真菌数は 1000 cfu /g 以下とした。また、不検出は、一般生菌および真菌共に、50 cfu /g 以下とした。
(表48A)は処理温度別(処理時間は全て15時間)の微生物衛生検査の結果を示し、(表48B)は処理時間別(処理温度は全て40℃)の微生物衛生検査の結果を示す。
表に示すように、処理温度別および処理時間別ともに一般生菌および真菌の生菌数は、不検出または、衛生基準値以下であった。野菜やフクラギの粕漬けと同様に、高圧加温処理の効果だけでなく、イカに染み込んだ酒粕に含まれるアルコールによる殺菌効果との相乗効果によって菌の増殖などが抑制されたためと考えられる。
・処理条件
圧力:1000気圧(100MPa)
温度:20℃~60℃
時間:30分~2時間
・製造内容
魚介:フクラギ
漬液:調味くん液(塩20%、砂糖20%、トレハロース8%、粉末くん液2%、水50%)
製法:幅2cmの切り身にしたフクラギと同重量の漬液を共に袋に入れ、真空包装した。・評価方法
糖濃度:高圧加温処理したサンプルを袋から取り出し、調味液などを拭きとった後、ミキサーでホモジナイズした。ホモジナイズしたサンプル1gに対して8%トリクロロ酢酸溶液1mlを加え強く撹拌した後、抽出液を濾過し、最終的に蒸留水で10mlにメスアップしたものを試料とした。分析はHPLC装置((株)島津製作所)を用いた。カラムはMightysil NH2 (5um)((株)関東化学)、検出器は示差屈折計(RID-10A)を用いて、移動相を70%アセトニトリルにし、流速1 ml/minで分析を行った。フルクトース、グルコース、スクロースの3成分について、試料の糖組成およびそれらの定量を行い評価した。測定結果は図107に示すように、高圧加温処理を行うことで、糖濃度が高くなる。処理温度による違いは認められなかった。
硬さ:各試料を1cm角立方体に調製し、カミソリ刃プランジャーで筋繊維に対して垂直に刃を当て8mmまで進入した時の応力をレオメータにより測定した。測定結果は図108に示すように、製造の過程で、調味くん液の塩分などによる脱水が起こったり、乾燥処理を行ったりするため、硬さは未処理よりも硬くなる。高圧加温処理による影響は処理温度の上昇に比例して柔らかくなることや、処理時間の長さに比例して硬くなることが挙げられる。
色調:各処理条件の試料の色調について色彩色差計(日本電色社製)を用いて反射法によりL*,a*,b*を測定した。測定結果は図109に示すように、高圧加温処理を行うことで、調味くん液が染み込み鮮やかな茶色になる。処理温度および処理時間に比例して色の鮮やかさは良くなる。また図110(a)は高圧加温処理前の色調を示し、(b)は高圧加温処理前の色調を示す。
微生物衛生検査法:各試料を生理食塩水にて懸濁の後に段階希釈し、各希釈試料を標準寒天培地 (栄研、一般生菌数用) および 0.01 (w/v) %クロラムフェニコール含有ポテトデキストロース寒天培地 (栄研、真菌用) に塗抹した (標準寒天の場合は混釈法を使用した)。30~37℃にて培養を3日間行った後に形成された微生物集落数を計数し、試料1gあたりの一般生菌および真菌の生菌数を算出した。基準値は、食品衛生法規格基準を参考に一般生菌数は 300 cfu /g 以下、真菌数は 1000 cfu /g 以下とした。また、不検出は、一般生菌および真菌共に、50 cfu /g 以下とした。
(表49A)は処理温度別(処理時間は全て1時間)の微生物衛生検査の結果を示し、(表49B)は処理時間別(処理温度は全て40℃)の微生物衛生検査の結果を示す。
表に示すように、処理温度別では、60℃以上の処理温度で一般生菌および真菌ともに不検出であった。40℃での処理時間別では、2時間以上で衛生基準値を下回った。
・処理条件
圧力:1000気圧(100MPa)
温度:20℃~60℃
時間:30分~2時間
・製造内容
魚介:スルメイカ(胴)
漬液:調味くん液(塩20%、砂糖20%、トレハロース8%、粉末くん液2%、水50%)
製法:皮を剥いだイカの胴部分と同重量の漬液を共に袋に入れ、真空包装した。
・評価方法
糖濃度:高圧加温処理したサンプルを袋から取り出し、調味液などを拭きとった後、ミキサーでホモジナイズした。ホモジナイズしたサンプル1gに対して8トリクロロ酢酸溶液1mlを加え強く撹拌した後、抽出液を濾過し、最終的に蒸留水で10mlにメスアップしたものを試料とした。分析はHPLC装置((株)島津製作所)を用いた。カラムはMightysil NH2 (5um)((株)関東化学)、検出器は示差屈折計(RID-10A)を用いて、移動相を70%アセトニトリルにし、流速1 ml/minで分析を行った。フルクトース、グルコース、スクロースの3成分について、試料の糖組成およびそれらの定量を行い評価した。測定結果は図111に示すように、高圧加温処理を行うことで、フクラギと同様に糖濃度が高くなる。また、処理温度が60℃で最も糖濃度が上昇した。
硬さ:各試料を2cm角立方体に調製し、5mmφ針状プランジャーで15mmまで進入した時
の応力をレオメータにより測定した。測定結果は図112に示すように、フクラギと同様に、製造の過程で未処理よりも硬くなる傾向がある。高圧加温処理による影響は、フクラギとは反対に、処理時間の長さに比例して柔らかくなる。
色調:各処理条件の試料の色調について色彩色差計(日本電色社製)を用いて反射法によりL*,a*,b*を測定した。測定結果は図113に示すように、高圧加温処理を行うことで、フクラギと同様に調味くん液が染み込み鮮やかな茶色になる。また、色の鮮やかさも処理温度および処理時間に比例して良くなる。また図114(a)は高圧加温処理前の色調を示し、(b)は高圧加温処理前の色調を示す。
微生物衛生検査法:各試料を生理食塩水にて懸濁の後に段階希釈し、各希釈試料を標準寒天培地 (栄研、一般生菌数用) および 0.01 (w/v) %クロラムフェニコール含有ポテトデキストロース寒天培地 (栄研、真菌用) に塗抹した (標準寒天の場合は混釈法を使用した)。30~37℃にて培養を3日間行った後に形成された微生物集落数を計数し、試料1gあたりの一般生菌および真菌の生菌数を算出した。基準値は、食品衛生法規格基準を参考に一般生菌数は 300 cfu /g 以下、真菌数は 1000 cfu /g 以下とした。また、不検出は、一般生菌および真菌共に、50 cfu /g 以下とした。
(表50A)は処理温度別(処理時間は全て1時間)の微生物衛生検査の結果を示し、(表50B)は処理時間別(処理温度は全て40℃)の微生物衛生検査の結果を示す。
表に示すように、イカのソフトスモークでは、製造直後の40℃で1時間処理したもの以外は一般生菌および真菌がともに不検出であった。イカのソフトスモークはどの処理条件でも5℃で1か月保存が可能である。
前記フクラギおよびイカの漬物およびソフトスモークの製法を、高圧処理条件の圧力条件のみ80~300MPa範囲で変えて検討したところ、表51に示す結果となり、本発明が80~300MPaの圧力範囲でも有効であることを確認した。
Claims (3)
- 食品の製造に適用する脱気・加熱・高圧処理方法であって、前記食品はウメのシロップ漬であり、前記ウメを調味液とともにポリエチレン袋などの容器内に入れて脱気して前記容器内にウメと調味液のみを保持し、この容器にウメと調味液を入れた状態で、処理圧力は80~300MPa、処理温度は40℃以上70℃以下、処理時間は15分~60分間処理としてすることを特徴とする脱気・加熱・高圧処理方法。
- 請求項1に記載の脱気・加熱・高圧処理方法において、前記シロップとして酸味料を添加することを特徴とする脱気・加熱・高圧処理方法。
- 食品の製造に適用する脱気・加熱・高圧処理方法であって、前記食品はウメであり、このウメを砂糖とともにポリエチレン袋などの容器内に入れて脱気し、処理圧力は100MPa以上300MPa以下、処理温度は35~65℃、処理時間は24~72時間として処理することで梅エキスを抽出し、この梅エキスを酒と混合することで梅酒とすることを特徴とする脱気・加熱・高圧処理方法。
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