以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る車両運転支援装置について説明する。図1に示したように、本発明の実施形態に係る車両運転支援装置10は、車両100に搭載される。
車両100には、駆動トルク発生装置20、ブレーキ装置30及びトランスミッション40も搭載されている。駆動トルク発生装置20は、車両100を走行させるために車両100の駆動輪に加えられるトルク(以下「車両駆動トルク」)を発生する。駆動トルク発生装置20は、内燃機関及びモータの少なくとも1つからなる。ブレーキ装置30は、車両100を制動するために車両100の車輪に加える制動力を発生する。トランスミッション40は、駆動トルク発生装置20が発生した車両駆動トルクを変速して車両100の駆動輪に伝達する。
車両運転支援装置10は、ECU90を備える。ECU90は、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを備える。
駆動トルク発生装置20、ブレーキ装置30及びトランスミッション40は、ECU90に電気的に接続されている。
ECU90は、駆動トルク発生装置20の作動状態を制御することにより、駆動トルク発生装置20が発生する車両駆動トルクを制御することができる。又、ECU90は、ブレーキ装置30の作動状態を制御することにより、ブレーキ装置30が発生する制動力を制御することができる。
トランスミッション40は、駆動トルク発生装置20が発生した車両駆動トルクが入力されるようになっている。トランスミッション40は、前進伝達状態、後退伝達状態及び非伝達状態の何れかに設定可能となっている。ECU90は、トランスミッション40の作動状態を前進伝達状態、後退伝達状態及び非伝達状態の何れかに設定することができる。又、ECU90は、トランスミッション40の作動状態を制御することにより、車両駆動トルクを車両100の駆動輪に伝達するときの変速比を制御することができる。
トランスミッション40が前進伝達状態に設定された場合、トランスミッション40は、車両100を前進させるように車両駆動トルクを車両100の駆動輪に伝達する。トランスミッション40が後退伝達状態に設定された場合、トランスミッション40は、車両100を後退させるように車両駆動トルクを車両100の駆動輪に伝達する。トランスミッション40が非伝達状態に設定されている場合、トランスミッション40は、車両100の駆動輪への車両駆動トルクの伝達を行わない。
更に、ECU90は、スピーカー50及びディスプレイ55に電気的に接続されている。ECU90は、後述するように各種の指令信号をスピーカー50に送信する。スピーカー50は、ECU90から受信した指令信号に応じた通知音又は音声を発生する。更に、ECU90は、後述するように各種の指令信号をディスプレイ55に送信する。ディスプレイ55は、ECU90から受信した指令信号に応じた画像を表示する。
更に、ECU90には、イグニッションスイッチ70、アクセルペダル操作量センサ71、ブレーキペダル操作量センサ72、シフトレバーポジションセンサ73、操舵角センサ74、受信機75及びカメラ装置76が電気的に接続されている。
イグニッションスイッチ70は、車両100の運転者により操作されるスイッチである。イグニッションスイッチ70は、オン状態に設定されると、イグニッションスイッチ70がオン状態に設定されたことを表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号を受信した場合、駆動トルク発生装置20及びブレーキ装置30等の作動状態を制御可能な状態へと移行させる。例えば、駆動トルク発生装置20が内燃機関である場合、ECU90は、イグニッションスイッチ70がオン状態に設定されたことを表す信号を受信すると、内燃機関を始動させる。一方、イグニッションスイッチ70は、オフ状態に設定されると、イグニッションスイッチ70がオフ状態に設定されたことを表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号を受信した場合、駆動トルク発生装置20及びブレーキ装置30等を非作動状態へと移行させる。例えば、駆動トルク発生装置20が内燃機関である場合、ECU90は、イグニッションスイッチ70がオフ状態に設定されたことを表す信号を受信すると、内燃機関の運転を停止させる。
アクセルペダル操作量センサ71は、車両100のアクセルペダル21の操作量を検出し、検出した操作量を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいてアクセルペダル21の操作量をアクセルペダル操作量APとして取得し、取得したアクセルペダル操作量APに基づいて駆動トルク発生装置20の作動状態を制御する。
ブレーキペダル操作量センサ72は、車両100のブレーキペダル31の操作量を検出し、検出した操作量を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいてブレーキペダル31の操作量をブレーキペダル操作量BPとして取得し、取得したブレーキペダル操作量BPに基づいてブレーキ装置30の作動状態を制御する。
シフトレバーポジションセンサ73は、車両100のシフトレバー60が設定されている位置(以下「シフトレンジ」)を検出し、検出したシフトレンジを表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいてシフトレンジを取得する。本例において、シフトレンジは、ドライブレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ及びパーキングレンジである。以下、ドライブレンジを「Dレンジ」と称呼し、リバースレンジを「Rレンジ」と称呼し、ニュートラルレンジを「Nレンジ」と称呼し、パーキングレンジを「Pレンジ」と称呼する。
シフトレバー60がDレンジに設定されている場合、車両100の駆動輪に車両駆動トルクが加えられると、車両100は前進する。又、シフトレバー60がRレンジに設定されている場合、駆動輪に車両駆動トルクが加えられると、車両100は後退する。又、シフトレバー60がNレンジに設定されている場合、車両駆動トルクは駆動輪に加えられない。又、シフトレバー60がPレンジに設定されている場合、車両駆動トルクは駆動輪に加えられず且つ車両100の車輪に対してパーキングブレーキが加えられる。
操舵角センサ74は、車両100のハンドルに連結されたステアリングシャフトの回転角度を検出し、検出した回転角度を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいてステアリングシャフトの回転角度を操舵角θstとして取得する。
受信機75は、車両100の外部に設置されている送信施設等から発信される信号を受信する。送信施設等は、例えば、交差点又は交差点近傍に設置されており、一時停止線が設けられていることを表す信号及び交差点に設置されている信号機の点灯状態を表す信号を発信する。受信機75は、受信した信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて「車両100の進行方向前方の道路上に一時停止線が設けられていること」及び「車両100の進行方向前方に設置されている信号機の点灯状態」を把握する。
カメラ装置76は、CCDカメラを有しており、そのCCDカメラによって車両100の前方を撮影できるように車両100に取り付けられている。カメラ装置76は、CCDカメラによって撮影した車両100の前方の画像に関するデータをECU90に送信する。ECU90は、そのデータに基づいて「車両100の進行方向前方の道路上に一時停止線が設けられていること」及び「車両100の進行方向前方に設置されている信号機の点灯状態」を把握する。
<車両運転支援装置の作動の概要>
次に、車両運転支援装置10の作動の概要について説明する。
運転者がブレーキペダル31を踏み込んでいないときにシフトレバー60がDレンジに設定された場合、運転者が誤ってシフトレバー60をDレンジに設定してしまった可能性がある。
そこで、車両運転支援装置10は、シフトレバー60がDレンジに設定されたときにブレーキペダル31が踏み込まれていない場合、前進音声指令信号S11をスピーカー50に送信すると共に前進表示指令信号S21をディスプレイ55に送信する。スピーカー50は、前進音声指令信号S11を受信した場合、シフトレバー60がDレンジに設定されたことを表す音声(例えば、「前進します」との音声)を発生する。又、ディスプレイ55は、前進表示指令信号S21を受信した場合、シフトレバー60がDレンジに設定されたことを表す画像(例えば、「前進」との文字を示す文字画像)を表示する。
別の言い方をすると、車両運転支援装置10は、シフトレバー60がDレンジ(即ち、車両100を前進させる位置)に設定されたときに車両100に制動力が加えられていない場合、シフトレバー60がDレンジに設定されたことを表す音声(以下「前進通知音声」)を車両100の進行方向を表す音声としてスピーカー50から発生させ、シフトレバー60がDレンジに設定されたことを表す画像(以下「前進通知画像」)を車両100の進行方向を表す画像としてディスプレイ55に表示させる。
更に、車両運転支援装置10は、シフトレバー60がDレンジに設定されたときにブレーキペダル31が踏み込まれていない場合、トランスミッション40を所定閾値時間Tthの間、非伝達状態に制御する。即ち、車両運転支援装置10は、トランスミッション40が前進伝達状態となることを所定閾値時間Tthの間、禁止する。
一方、シフトレバー60がDレンジに設定されたときにブレーキペダル31が踏み込まれている場合、車両運転支援装置10は、スピーカー50への前進音声指令信号S11の送信もディスプレイ55への前進表示指令信号S21の送信も行わない。従って、この場合、前進通知音声がスピーカー50から発生されることも、前進通知画像がディスプレイ55に表示されることもない。
更に、シフトレバー60がDレンジに設定されたときにブレーキペダル31が踏み込まれている場合、車両運転支援装置10は、トランスミッション40を前進伝達状態に制御する。即ち、車両運転支援装置10は、トランスミッション40が前進伝達状態となることを許可する。
これによれば、シフトレバー60がDレンジに設定されたときにブレーキペダル31が踏み込まれていない場合にのみ、前進通知音声がスピーカー50から発生され、前進通知画像がディスプレイ55に表示される。従って、運転者がシフトレバー60をDレンジに誤って設定してしまった可能性がある場合、運転者に煩わしさを感じさせる可能性の小さい形で車両100の進行方向を認識させることができる。
尚、車両運転支援装置10は、ブレーキペダル31が踏み込まれていない状態でシフトレバー60がDレンジに設定されたと判定した時点から所定閾値時間Tthが経過した時点でブレーキペダル31が踏み込まれておらず且つシフトレバー60がDレンジに設定されたままである場合、スピーカー50からの前進通知音声の発生及びディスプレイ55での前進通知画像の表示を終了し、トランスミッション40を前進伝達状態に制御する(即ち、トランスミッション40が前進伝達状態となることを許可する)。
又、車両運転支援装置10は、ブレーキペダル31が踏み込まれていない状態でシフトレバー60がDレンジに設定されたと判定した時点から所定閾値時間Tthが経過する前にシフトレバー60がDレンジに設定された状態でブレーキペダル31が踏み込まれた場合も、スピーカー50からの前進通知音声の発生及びディスプレイ55での前進通知画像の表示を終了し、トランスミッション40を前進伝達状態に制御する(即ち、トランスミッション40が前進伝達状態となることを許可する)。
又、スピーカー50は、前進音声指令信号S11を受信した場合、前進通知音声に加えて、トランスミッション40が前進伝達状態に制御されていないことを表す音声を発生するように構成されてもよい。
又、車両運転支援装置10は、シフトレバー60がDレンジに設定されたときにブレーキペダル31が踏み込まれていない場合、スピーカー50への前進音声指令信号S11の送信とディスプレイ55への前進表示指令信号S21の送信との何れか一方のみを行うように構成されてもよい。
同様に、運転者がブレーキペダル31を踏み込んでいないときにシフトレバー60がRレンジに設定された場合、運転者が誤ってシフトレバー60をRレンジに設定してしまった可能性がある。
そこで、車両運転支援装置10は、シフトレバー60がRレンジに設定されたときにブレーキペダル31が踏み込まれていない場合、後退音声指令信号S12をスピーカー50に送信する共に後退表示指令信号S22をディスプレイ55に送信する。スピーカー50は、後退音声指令信号S12を受信した場合、シフトレバー60がRレンジに設定されたことを表す音声(例えば、「後退します」との音声)を発生する。又、ディスプレイ55は、後退表示指令信号S22を受信した場合、シフトレバー60がRレンジに設定されたことを表す画像(例えば、「後退」との文字を示す文字画像)を表示する。
別の言い方をすると、車両運転支援装置10は、シフトレバー60がRレンジ(即ち、車両100を後退させる位置)に設定されたときに車両100に制動力が加えられていない場合、シフトレバー60がRレンジに設定されたことを表す音声(以下「後退通知音声」)を車両100の進行方向を表す音声としてスピーカー50から発生させ、シフトレバー60がRレンジに設定されたことを表す画像(以下「後退通知画像」)を車両100の進行方向を表す画像としてディスプレイ55に表示させる。
更に、車両運転支援装置10は、シフトレバー60がRレンジに設定されたときにブレーキペダル31が踏み込まれていない場合、トランスミッション40を所定閾値時間Tthの間、非伝達状態に制御する。即ち、車両運転支援装置10は、トランスミッション40が後退伝達状態となることを所定閾値時間Tthの間、禁止する。
一方、シフトレバー60がRレンジに設定されたときにブレーキペダル31が踏み込まれている場合、車両運転支援装置10は、スピーカー50への後退音声指令信号S12の送信もディスプレイ55への後退表示指令信号S22の送信も行わない。従って、この場合、後退通知音声がスピーカー50から発生されることも、後退通知画像がディスプレイ55に表示されることもない。
更に、シフトレバー60がRレンジに設定されたときにブレーキペダル31が踏み込まれている場合、車両運転支援装置10は、トランスミッション40を後退伝達状態に制御する。即ち、車両運転支援装置10は、トランスミッション40が後退伝達状態となることを許可する。
これによれば、シフトレバー60がRレンジに設定されたときにブレーキペダル31が踏み込まれていない場合にのみ、後退通知音声がスピーカー50から発生され、後退通知画像がディスプレイ55に表示される。従って、運転者がシフトレバー60をRレンジに誤って設定してしまった可能性がある場合、運転者に煩わしさを感じさせる可能性の小さい形で車両100の進行方向を認識させることができる。
尚、車両運転支援装置10は、ブレーキペダル31が踏み込まれていない状態でシフトレバー60がRレンジに設定されたと判定した時点から所定閾値時間Tthが経過した時点でブレーキペダル31が踏み込まれておらず且つシフトレバー60がRレンジに設定されたままである場合、スピーカー50からの後退通知音声の発生及びディスプレイ55での後退通知画像の表示を終了し、トランスミッション40を後退伝達状態に制御する(即ち、トランスミッション40が後退伝達状態となることを許可する)。
又、車両運転支援装置10は、ブレーキペダル31が踏み込まれていない状態でシフトレバー60がRレンジに設定されたと判定した時点から所定閾値時間Tthが経過する前にシフトレバー60がRレンジに設定された状態でブレーキペダル31が踏み込まれた場合も、スピーカー50からの後退通知音声の発生及びディスプレイ55での後退通知画像の表示を終了し、トランスミッション40を後退伝達状態に制御する(即ち、トランスミッション40が後退伝達状態となることを許可する)。
又、スピーカー50は、後退音声指令信号S12を受信した場合、後退通知音声に加えて、トランスミッション40が後退伝達状態に制御していないことを表す音声を発生するように構成されてもよい。
又、車両運転支援装置10は、シフトレバー60がRレンジに設定されたときにブレーキペダル31が踏み込まれていない場合、スピーカー50への後退音声指令信号S12の送信とディスプレイ55への後退表示指令信号S22の送信との何れか一方のみを行うように構成されてもよい。
更に、イグニッションスイッチ70がオン状態に設定されたときに操舵角θstが比較的大きい場合、その後、運転者がアクセルペダル21を踏み込んで車両100を発進させたとき、運転者の予想している方向とは大きく異なる方向に車両100が発進してしまい、運転者が慌ててしまう可能性がある。
そこで、車両運転支援装置10は、イグニッションスイッチ70がオン状態に設定されたときに操舵角θstが所定閾値操舵角θst_th以上である場合、操舵角音声指令信号S13をスピーカー50に送信すると共に操舵角表示指令信号S23をディスプレイ55に送信する。スピーカー50は、操舵角音声指令信号S13を受信した場合、操舵角θstが比較的大きいことを表す音声(例えば、「ハンドルが大きくきられています」との音声)を発生する。又、ディスプレイ55は、操舵角表示指令信号S23を受信した場合、操舵角θstが比較的大きいことを表す画像(例えば、「ハンドルが大きくきられています」との文字を示す文字画像)を表示する。以下、操舵角θstが比較的大きいことを表す音声を「操舵角通知音声」と称呼し、操舵角θstが比較的大きいことを表す画像を「操舵角通知画像」と称呼する。
一方、イグニッションスイッチ70がオン状態に設定されたときに操舵角θstが所定閾値操舵角θst_thよりも小さい場合、車両運転支援装置10は、スピーカー50への操舵角音声指令信号S13の送信もディスプレイ55への操舵角表示指令信号S23の送信も行わない。従って、この場合、操舵角通知音声がスピーカー50から発生されることも、操舵角通知画像がディスプレイ55に表示されることもない。
これによれば、運転者の予想している方向とは大きく異なる方向に車両100が発進してしまう可能性があるときにそのことをより確実に運転者に認識させることができる。
尚、車両運転支援装置10は、イグニッションスイッチ70がオン状態に設定されたときに操舵角θstが所定閾値操舵角θst_th以上であると判定した後、アクセルペダル21が操作された場合、又は、操舵角θstが所定閾値操舵角θst_thよりも小さくなった場合、スピーカー50からの操舵角通知音声の発生及びディスプレイ55での操舵角通知画像の表示を終了する。
又、車両運転支援装置10は、イグニッションスイッチ70がオン状態に設定されたときに操舵角θstが所定閾値操舵角θst_th以上である場合、スピーカー50への操舵角音声指令信号S13の送信とディスプレイ55への操舵角表示指令信号S23の送信との何れか一方のみを行うように構成されてもよい。
更に、車両100の進行方向前方の所定距離D1内に一時停止線が存在するときに運転者がアクセルペダル21を踏み込んでいる場合、運転者が一時停止線が存在することを認識していない可能性がある。
そこで、車両運転支援装置10は、車両100の進行方向前方の所定距離D1内に一時停止線が存在するときにアクセルペダル21が踏み込まれている場合、一時停止音声指令信号S14をスピーカー50に送信すると共に一時停止表示指令信号S24をディスプレイ55に送信する。スピーカー50は、一時停止音声指令信号S14を受信した場合、車両100の前方に一時停止線が存在することを表す音声(例えば、「一時停止線があります」との音声)を発生する。又、ディスプレイ55は、一時停止表示指令信号S24を受信した場合、車両100の進行方向前方の所定距離D1内に一時停止線が存在することを表す画像(例えば、「一時停止線あり」との文字を示す文字画像)を表示する。以下、車両100の前方に一時停止線が存在することを表す音声を「一時停止通知音声」と称呼し、車両100の進行方向前方の所定距離D1内に一時停止線が存在することを表す画像を「一時停止通知画像」と称呼する。
一方、車両100の進行方向前方の所定距離D1内に一時停止線が存在するときに運転者がアクセルペダル21を踏み込んでいない場合、車両運転支援装置10は、スピーカー50への一時停止音声指令信号S14の送信もディスプレイ55への一時停止表示指令信号S24の送信も行わない。従って、この場合、一時停止通知音声がスピーカー50から発生されることも、一時停止通知画像がディスプレイ55に表示されることもない。
これによれば、車両100の進行方向前方の所定距離D1内に一時停止線が存在することを認識していない可能性のある運転者に一時停止線が存在することをより確実に認識させることができる。
尚、車両運転支援装置10は、車両100の進行方向前方の所定距離D1内に一時停止線が存在するときにアクセルペダル21が踏み込まれていると判定した後、アクセルペダル21の踏込みが解除された場合、スピーカー50からの一時停止通知音声の発生及びディスプレイ55での一時停止通知画像の表示を終了する。
又、車両運転支援装置10は、車両100の進行方向前方の所定距離D1内に一時停止線が存在するときにアクセルペダル21が踏み込まれている場合、スピーカー50への一時停止音声指令信号S14の送信とディスプレイ55への一時停止表示指令信号S24の送信との何れか一方のみを行うように構成されてもよい。
更に、車両100の進行方向前方の所定距離D2内に設置されている信号機が赤信号を点灯しているときに運転者がアクセルペダル21を踏み込んでいる場合、運転者が信号機が赤信号を点灯していることを認識していない可能性がある。
そこで、車両運転支援装置10は、車両100の進行方向前方の所定距離D2内に設置されている信号機が赤信号を点灯しているときにアクセルペダル21が踏み込まれている場合、赤信号音声指令信号S15をスピーカー50に送信すると共に赤信号表示指令信号S25をディスプレイ55に送信する。スピーカー50は、赤信号音声指令信号S15を受信した場合、車両100の前方の信号機が赤信号を点灯していることを表す音声(例えば、「赤信号です」との音声)を発生する。又、ディスプレイ55は、赤信号表示指令信号S25を受信した場合、車両100の進行方向前方の所定距離D2内に設置されている信号機が赤信号を点灯していることを表す画像(例えば、「赤信号です」との文字を示す画像)を表示する。以下、車両100の前方の信号機が赤信号を点灯していることを表す音声を「赤信号通知音声」と称呼し、車両100の進行方向前方の所定距離D2内に設置されている信号機が赤信号を点灯していることを表す画像を「赤信号通知画像」と称呼する。
一方、車両100の進行方向前方の所定距離D2内に設置されている信号機が赤信号を点灯しているときに運転者がアクセルペダル21を踏み込んでいない場合、車両運転支援装置10は、スピーカー50への赤信号音声指令信号S15の送信もディスプレイ55への赤信号表示指令信号S25の送信も行わない。従って、この場合、赤信号通知音声がスピーカー50から発生されることも、赤信号通知画像がディスプレイ55に表示されることもない。
これによれば、車両100の進行方向前方に設置されている信号機が赤信号を点灯していることを認識していない可能性のある運転者に信号機が赤信号を点灯していることをより確実に認識させることができる。
尚、車両運転支援装置10は、車両100の進行方向前方の所定距離D2内に設置されている信号機が赤信号を点灯しているときにアクセルペダル21が踏み込まれていると判定した後、アクセルペダル21の踏込みが解除された場合、スピーカー50からの赤信号通知音声の発生及びディスプレイ55での赤信号通知画像の表示を終了する。
又、車両運転支援装置10は、車両100の進行方向前方の所定距離D2内に設置されている信号機が赤信号を点灯しているときにアクセルペダル21が踏み込まれている場合、スピーカー50への赤信号音声指令信号S15の送信とディスプレイ55への赤信号表示指令信号S25の送信との何れか一方のみを行うように構成されてもよい。
<車両運転支援装置の具体的な作動>
次に、車両運転支援装置10の具体的な作動について説明する。車両運転支援装置10のECU90のCPUは、図2に示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図2のステップ200から処理を開始し、その処理をステップ210に進め、シフトレバー60がDレンジ又はRレンジに設定されたか否かを判定する。
CPUは、ステップ210にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ220に進め、ブレーキペダル操作量BPがゼロであるか否かを判定する。
CPUは、ステップ220にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ230に進め、ステップ210にて初めて「Yes」と判定してから経過した時間Tが所定閾値時間Tthよりも短いか否かを判定する。
CPUは、ステップ230にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ240に進め、シフトレバー60がDレンジに設定されているときには、前進音声指令信号S11をスピーカー50に送信すると共に前進表示指令信号S21をディスプレイ55に送信し、シフトレバー60がRレンジに設定されているときには、後退音声指令信号S12をスピーカー50に送信すると共に後退表示指令信号S22をディスプレイ55に送信する。これにより、前進通知音声又は後退通知音声がスピーカー50から発生されると共に前進通知画像又は後退通知画像がディスプレイ55に表示される。
次いで、CPUは、処理をステップ250に進め、トランスミッション40を非伝達状態に制御する。その後、CPUは、処理をステップ295に進め、本ルーチンを一旦終了する。
一方、CPUは、ステップ230にて「No」と判定した場合、及び、ステップ220にて「No」と判定した場合、処理をステップ260に進め、音声終了指令信号S16をスピーカー50に送信すると共に表示終了指令信号S26をディスプレイ55に送信する。これにより、前進通知音声又は後退通知音声がスピーカー50から発生されている場合、その音声の発生が終了される。又、前進通知画像又は後退通知画像がディスプレイ55に表示されている場合、その表示が終了される。
次いで、CPUは、処理をステップ270に進め、シフトレバー60がDレンジに設定されているときには、トランスミッション40を前進伝達状態に制御し、シフトレバー60がRレンジに設定されているときには、後退伝達状態に制御する。その後、CPUは、処理をステップ295に進め、本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUは、ステップ210にて「No」と判定した場合、処理をステップ280に進め、トランスミッション40を非伝達状態に制御する。その後、CPUは、処理をステップ295に進め、本ルーチンを一旦終了する。
車両運転支援装置10が図2に示したルーチンを実行することにより、運転者がシフトレバー60をDレンジ又はRレンジに誤って設定してしまった可能性がある場合、運転者に煩わしさを感じさせる可能性の小さい形で車両100の進行方向を認識させることができる。
更に、CPUは、図3に示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図3のステップ300から処理を開始し、その処理をステップ310に進め、イグニッションスイッチ70がオン状態に設定されたか否かを判定する。
CPUは、ステップ310にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ320に進め、イグニッションフラグXの値を「1」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ330に進める。一方、CPUは、ステップ310にて「No」と判定した場合、処理をステップ330に直接進める。
CPUは、処理をステップ330に進めると、イグニッションフラグXの値が「1」であるか否かを判定する。
CPUは、ステップ330にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ340に進め、操舵角θstが所定閾値操舵角θst_th以上であるか否かを判定する。
CPUは、ステップ340にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ350に進め、アクセルペダル操作量APがゼロよりも大きいか否かを判定する。
CPUは、ステップ350にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ360に進め、操舵角音声指令信号S13をスピーカー50に送信すると共に操舵角表示指令信号S23をディスプレイ55に送信する。これにより、操舵角通知音声がスピーカー50から発生されると共に操舵角通知画像がディスプレイ55に表示される。
その後、CPUは、処理をステップ395に進め、本ルーチンを一旦終了する。
一方、CPUは、ステップ350にて「No」と判定した場合、及び、ステップ340にて「No」と判定した場合、処理をステップ370に進め、音声終了指令信号S16をスピーカー50に送信すると共に表示終了指令信号S26をディスプレイ55に送信する。これにより、操舵角通知音声がスピーカー50から発生されているときには、その音声の発生が終了される。又、操舵角通知画像がディスプレイ55に表示されているときには、その画像の表示が終了される。
次いで、CPUは、処理をステップ380に進め、イグニッションフラグXの値を「0」に設定する。その後、CPUは、処理をステップ395に進め、本ルーチンを一旦終了する。
又、CPUは、ステップ330にて「No」と判定した場合、処理をステップ395に直接進め、本ルーチンを一旦終了する。
車両運転支援装置10が図3に示したルーチンを実行することにより、運転者の予想している方向とは大きく異なる方向に車両100が発進してしまう可能性があるときにそのことをより確実に運転者に認識させることができる。
更に、CPUは、図4に示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図4のステップ400から処理を開始し、その処理をステップ410に進め、車両100の進行方向前方の所定距離D1内に一時停止線が存在するか或いは車両100の進行方向前方の所定距離D2内に設置されている信号機が赤信号を点灯しているか否かを判定する。
CPUは、ステップ410にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ420に進め、アクセルペダル操作量APがゼロよりも大きいか否かを判定する。
CPUは、ステップ420にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ430に進め、車両100の進行方向前方の所定距離D1内に一時停止線が存在するときには、一時停止音声指令信号S14をスピーカー50に送信すると共に一時停止表示指令信号S24をディスプレイ55に送信し、車両100の進行方向前方の所定距離D2内に設置されている信号機が赤信号を点灯しているときには、赤信号音声指令信号S15をスピーカー50に送信すると共に赤信号表示指令信号S25をディスプレイ55に送信する。これにより、車両100の進行方向前方の所定距離D1内に一時停止線が存在するときには、一時停止通知音声がスピーカー50から発生されると共に一時停止通知画像がディスプレイ55に表示され、車両100の進行方向前方の所定距離D2内に設置されている信号機が赤信号を点灯しているときには、赤信号通知音声がスピーカー50から発生されると共に赤信号通知画像がディスプレイ55に表示される。
その後、CPUは、処理をステップ495に進め、本ルーチンを一旦終了する。
一方、CPUは、ステップ420にて「No」と判定した場合、処理をステップ440に進め、音声終了指令信号S16をスピーカー50に送信すると共に表示終了指令信号S26をディスプレイ55に送信する。これにより、一時停止通知音声又は赤信号通知音声がスピーカー50から発生されているときには、その音声の発生が終了され、一時停止通知画像又は赤信号通知画像がディスプレイ55に表示されているときには、その画像の表示が終了される。
その後、CPUは、処理をステップ495に進め、本ルーチンを一旦終了する。
又、CPUは、ステップ410にて「No」と判定した場合、処理をステップ495に直接進め、本ルーチンを一旦終了する。
車両運転支援装置10が図4に示したルーチンを実行することにより、車両100の進行方向前方の所定距離D1内に一時停止線が存在することを認識していない可能性のある運転者に一時停止線が存在することをより確実に認識させることができると共に、車両100の進行方向前方に設置されている信号機が赤信号を点灯していることを認識していない可能性のある運転者に信号機が赤信号を点灯していることをより確実に認識させることができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、車両運転支援装置10は、シフトレバー60がPレンジからDレンジに設定されたときにブレーキペダル31が踏み込まれていない場合、前進音声指令信号S11をスピーカー50に送信すると共に前進表示指令信号S21をディスプレイ55に送信し、トランスミッション40を所定閾値時間Tthの間、非伝達状態に制御するように構成されてもよい。
同様に、車両運転支援装置10は、シフトレバー60がPレンジからRレンジに設定されたときにブレーキペダル31が踏み込まれていない場合、後退音声指令信号S12をスピーカー50に送信すると共に後退表示指令信号S22をディスプレイ55に送信し、トランスミッション40を所定閾値時間Tthの間、非伝達状態に制御するように構成されてもよい。