JP7224853B2 - 導電性ペースト及び太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は導電性ペースト及び太陽電池に関する。
従来、太陽電池のような半導体デバイスが有する電極を形成するために導電性ペースト等が使用されている。
導電性ペーストは、一般的に、導電性粒子、有機ビヒクル(有機ビヒクルは通常バインダ樹脂と溶剤とを含む。)及びガラスフリットを含有するペースト状の組成物である。
上記導電性ペーストを用いて太陽電池の受光面側の電極(表面電極又は光入射側電極とも称する。)を形成する際、上記ガラスフリットの作用によるファイヤースルーによって、反射防止膜(例えば、窒化ケイ素膜)を溶解、除去し、表面電極と拡散層との電気的接触を達成できる。
一方、太陽電池の裏面側において、裏面パッシベーション膜上に、上記導電性ペーストを用いて電極(裏面電極)を形成することが試みられている。
例えば、太陽電池のパッシベーション膜上に形成される電極を形成するための導電性ペーストであって、
(A)導電性粒子、
(B)有機ビヒクル、及び
(C)特定のガラスフリットを含み、
導電性粒子100重量部に対してガラスフリットを0.3~2重量部含む、導電性ペーストが提案されている(特許文献1、2)。
また、特許文献3は、用いるガラスフリットと金属化合物との選択肢が広く、電極と基板間の抵抗をより低く抑えることが可能な電極形成用導電性組成物を提供することを目的として、(a)導電性粉末、(b)ガラスフリット、(c)CuO、Y、及びLaの中から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物、並びに(c’)チタンブラックを含み、上記(b)成分がIII族元素の酸化物及び/又はV族元素の酸化物を含む、電極形成用導電性組成物を開示した。
特開2018-6064号公報 特開2018-32491号公報 特許5757977号公報
一般的に、太陽電池が有する裏面パッシベーション膜は窒化ケイ素膜であり、上記反射防止膜と膜の材料が同じである。このため、従来反射防止膜に使用されていた導電性ペーストを裏面パッシベーション膜の上に使用しこれを焼成すると、上記導電性ペースト(裏面電極)が裏面パッシベーション膜をファイヤースルーする、あるいは、導電性ペーストによって裏面パッシベーション膜が除去され基板(結晶系シリコン基板)に多数の表面欠陥が生じるため、その結果、太陽電池の性能が低下するという問題がある。
このようななか、本発明者らは特許文献1等を参考にして導電性ペーストを調製しこれを評価したところ、このような導電性ペーストは、上記のような問題について未だパッシベーション膜にダメージを与える(例えば、基板に表面欠陥を発生させる、ファイヤースルーする等)、又は、パッシベーション膜への密着性が低い場合があることが明らかとなった。
そこで、本発明は、電極となったときに、パッシベーション膜のダメージが少なく、パッシベーション膜への密着性に優れる、導電性ペーストを提供することを目的とする。
上記のようにパッシベーション膜のダメージが少ない結果、太陽電池の発電効率を高くできる。
また、本発明は、太陽電池を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、導電粒子、有機ビヒクル及びガラスフリットに対して、酸化銅及び所定の金属化合物を使用することによって所望の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は上記知見等に基づくものであり、具体的には以下の構成により上記課題を解決するものである。
[1] 導電粒子、
有機ビヒクル、
ガラスフリット、
酸化銅、並びに、
チタン、ジルコニウム及びハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を有する金属化合物を含有し、
上記金属化合物が、上記金属の、アルコキシド、アセチルアセトナート錯体及びハロゲン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、導電性ペースト。
[2] 上記酸化銅の平均粒子径(D50)が、1.0μm以下である、[1]に記載の導電性ペースト。
[3] 上記金属化合物の含有量が、上記導電粒子100質量部に対して、0.01~2.0質量部である、[1]又は[2]に記載の導電性ペースト。
[4] 上記導電粒子の平均粒子径(D50)が、2.0μm以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の導電性ペースト。
[5] 上記有機ビヒクルが、セルロース系高分子、(メタ)アクリル系高分子及びロジン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の導電性ペースト。
[6] 上記ガラスフリットのガラス転移温度が、500℃以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の導電性ペースト。
[7] 上記ガラスフリットが、ZnO及び/又はPbOを含む、[1]~[6]のいずれかに記載の導電性ペースト。
[8] 上記ガラスフリットの含有量が、上記導電粒子100質量部に対して、0.1~10質量部である、[1]~[7]のいずれかに記載の導電性ペースト。
[9] 上記酸化銅が、酸化銅(I)及び/又は酸化銅(II)を含む、[1]~[8]のいずれかに記載の導電性ペースト。
[10] 上記酸化銅の含有量が、上記導電粒子100質量部に対して、0.01~2.0質量部である、[1]~[9]のいずれかに記載の導電性ペースト。
[11] 更に、テルル又はテルル化合物を含有する、[1]~[10]のいずれかに記載の導電性ペースト。
[12] 上記テルル化合物が、酸化テルル、テルル酸及びテルルアルコキサイドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[11]に記載の導電性ペースト。
[13] [1]~[12]のいずれかに記載の導電性ペーストを用いて形成された電極を有する、太陽電池。
[14] 上記電極が、裏面電極の少なくとも一部を構成する、[13]に記載の太陽電池。
[15] 上記裏面電極が、上記電極及びアルミニウム電極を有する、[14]に記載の太陽電池。
[16] 更に、裏面パッシベーション膜を有し、
当該太陽電池の裏面側において、当該太陽電池を構成する基板と上記電極との間に上記裏面パッシベーション膜がある、[13]~[15]のいずれかに記載の太陽電池。
[17] 上記電極が、上記裏面パッシベーション膜に直接接している、[16]に記載の太陽電池。
本発明の導電性ペーストは、電極となったときに、パッシベーション膜のダメージが少なく、パッシベーション膜への密着性に優れる。
また、本発明の太陽電池は、パッシベーション膜のダメージが少なく、パッシベーション膜の密着性に優れる。
図1は、本発明の太陽電池の一態様を模式的に表す断面図である。
本発明について以下詳細に説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートはアクリレートまたはメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルはアクリロイルまたはメタクリロイルを表し、(メタ)アクリルはアクリルまたはメタクリルを表す。
また、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、特に断りのない限り、使用される各成分はその成分に該当する物質をそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。成分が2種以上の物質を含む場合、成分の含有量は、2種以上の物質の合計の含有量を意味する。
本明細書において、本発明の導電性ペーストが電極となったときにパッシベーション膜のダメージが少ないことを単に「ダメージが少ない」、本発明の導電性ペーストが電極となったときのパッシベーション膜への密着性を単に「密着性」と言う場合がある。
本明細書において、上記ダメージが少ない、及び、上記密着性に優れることのうちの少なくとも1つがより優れることを、本発明の効果がより優れるということがある。
本明細書では、「結晶系シリコン」は単結晶及び多結晶シリコンを包含する。また、「結晶系シリコン基板」は、電気素子又は電子素子等の半導体デバイスの形成のために、結晶系シリコンを平板状など、素子形成に適した形状に成形した材料のことをいう。結晶系シリコンの製造方法は、どのような方法を用いても良い。例えば、単結晶シリコンの場合にはチョクラルスキー法、多結晶シリコンの場合にはキャスティング法を用いることができる。また、その他の製造方法、例えばリボン引き上げ法により作製された多結晶シリコンリボン、ガラス等の異種基板上に形成された多結晶シリコンなども結晶系シリコン基板として用いることができる。また、「結晶系シリコン太陽電池」とは、結晶系シリコン基板を用いて作製された太陽電池のことをいう。
[導電性ペースト]
本発明の導電性ペーストは、導電粒子、有機ビヒクル、ガラスフリット、酸化銅、並びに、チタン、ジルコニウム及びハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を有する金属化合物を含有し、
上記金属化合物が、上記金属の、アルコキシド、アセチルアセトナート錯体及びハロゲン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、導電性ペーストである。
本発明の導電性ペーストはこのような構成をとるため、所望の効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
太陽電池の裏面パッシベーション膜又は反射防止膜の上に導電性ペーストを使用しこれを焼成すると、上記導電性ペーストに含有されるガラスフリットが裏面パッシベーション膜等に作用する(例えば反応による浸食)ことによって、導電性ペースト(電極)が裏面パッシベーション膜等を溶解、除去して、ファイヤースルーすることが知られている。裏面パッシベーション膜でファイヤースルーが起こると、裏面欠陥に起因するキャリアの再結合頻度が増大し、結果として発電効率低下の要因となる。
一方、本発明の導電性ペーストは酸化銅を含有する。
酸化銅は銅と酸素との化合物であり、酸化銅における銅の酸化数は例えば1価又は2価挙げられる。
このため、本発明の導電性ペーストを裏面パッシベーション膜等の上に付与して、これを焼成する場合、本発明の導電性ペーストに含有されるガラスフリットが裏面パッシベーション膜等に対して作用するより先に酸化銅と反応し、ガラスフリットによる裏面パッシベーション膜に対する作用を緩和しうると本発明者らは推測する。
また、本発明の導電性ペーストは、酸化銅及び所定の金属化合物を含有することによって、本発明の導電性ペーストを用いて形成された電極と、他部材との接続等に使用される半田との合金化を適度にコントロールし、上記電極と上記半田との密着性を向上させることができると本発明者らは推測する。
以下、本発明の導電性ペーストに含有される各成分について詳述する。
<導電粒子>
本発明の導電性ペーストは導電粒子を含有する。
本発明の導電性ペーストに含有される導電粒子は、導電性を有する粒状の物質であれば特に限定されない。
導電粒子としては、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、又は、ニッケル(Ni)等の粒子が挙げられる。
なかでも、導電粒子は、本発明の効果により優れるという観点から、銀粒子あるいは銀で被覆した銅粒子(以下これらを「銀粒子等」と称する場合がある。)が好ましい。
上記銀粒子は、金属の銀の粒である。
・導電粒子(例えば銀粒子等)の形状
導電粒子(例えば銀粒子等)の形状は特に制限されない。例えば、球状、フレーク(鱗片)状が挙げられる。
導電粒子(例えば銀粒子等)は、本発明の効果により優れ、得られる(銀)電極そのものの強度に優れるという観点から、球状であることが好ましい。
ここで、球状とは、長径/短径の比率が2以下の粒子の形状をいう。また、フレーク状とは、長径/短径の比率が2超の形状をいう。
導電粒子(例えば銀粒子等)の長径および短径は、走査型電子顕微鏡(SEM)から得られる画像に基づいて求めることができる。「長径」とは、SEMにより得られた粒子画像内において、導電粒子(例えば銀粒子等)の略重心を通過する線分のうち最も距離の長いものを指す。「短径」とは、SEMにより得られた粒子画像において、導電粒子(例えば銀粒子等)の略重心を通過する線分のうち最も距離の短いものを指す。
また、上記画像において任意に100個の導電粒子(例えば銀粒子等)を選択し、上記100個の導電粒子(例えば銀粒子等)の長径を測定し、上記100個の導電粒子(例えば銀粒子等)の長径から算出された平均値を、導電粒子(例えば銀粒子等)の長径の平均(平均値)とする。導電粒子(例えば銀粒子等)の短径の平均についても同様である。
・導電粒子(例えば銀粒子等)の平均粒子径
上記導電粒子(例えば銀粒子等)の平均粒子径(D50)は、本発明の効果により優れ、得られる(銀)電極そのものの強度に優れるという観点から、2.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましい。
また、上記導電粒子として、例えば、ナノ銀と呼ばれる平均粒子径(D50)が数十ナノメートルの銀粒子を使用することができる。上記ナノ銀の形状は、特に制限されないが、具体的には例えば、球状のものが挙げられる。
なお、上記平均粒子径を有する導電粒子(例えば銀粒子等)の形状は特に制限されないが、例えば、球状導電粒子(例えば球状銀粒子)の粒子径を上記平均粒子径(D50)で規定することができる。
上記導電粒子(例えば銀粒子等)の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて体積基準の粒度分布を測定して求められる、累積50%における粒子径(50%体積累積径。「平均粒子径(D50)」ともいう。)のことをいう。このようなレーザー回折式粒度分布測定装置としては、例えば、堀場製作所製のLA-500(商品名)に準ずる装置が挙げられる。
・球状導電粒子(例えば球状銀粒子)
上記導電粒子として使用し得る球状導電粒子は特に制限されない。例えば、従来公知のもの(例えば球状銀粒子)が挙げられる。
・・球状導電粒子(例えば球状銀粒子)の平均粒子径(D50)
上記球状導電粒子(例えば球状銀粒子)の平均粒子径(D50)は、本発明の効果により優れ、得られる(銀)電極そのものの強度に優れるという観点から、2.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましい。
・フレーク状導電粒子(例えばフレーク状銀粒子)
上記フレーク状導電粒子として使用し得るフレーク状導電粒子は特に制限されない。例えば、従来公知のもの(例えばフレーク状銀粒子)が挙げられる。
・・フレーク状導電粒子(例えばフレーク状銀粒子)の長径、短径
上記フレーク状導電粒子(例えばフレーク状銀粒子)の長径(横幅)は、本発明の効果により優れ、得られる(銀)電極そのものの強度に優れるという観点から、平均で、2.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましい。
上記フレーク状導電粒子(例えばフレーク状銀粒子)の短径(厚さ)は、本発明の効果により優れ、得られる(銀)電極そのものの強度に優れるという観点から、平均で、1.0μm未満であることが好ましく、0.1μm以下であることがより好ましい。
なお、フレーク状導電粒子(例えばフレーク状銀粒子)の長径および短径の平均は、上記のとおり求めることができる。
フレーク状導電粒子としては、例えば、短径(厚さ)の平均(平均値)が数十nm(例えば、10~90nm)であり、長径(横幅)の平均が0.3~6μmである銀粒子が好適ものとして挙げられる。
上記フレーク状銀粒子の市販品としては、例えば、トクセン工業株式会社より市販されている商品名N300等が挙げられる。
<有機ビヒクル>
本発明の導電性ペーストは有機ビヒクルを含有する。
上記有機ビヒクルは、有機バインダを含んでいればよい。
上記有機ビヒクルは、有機バインダ及び溶剤を含むことができる。本発明において、有機ビヒクルとして、有機バインダに溶剤を加えたものを使用してもよい。
有機バインダとしては、例えば、セルロース系高分子、(メタ)アクリル系高分子、ロジン系樹脂が挙げられる。
上記有機ビヒクルは、本発明の効果により優れ、印刷性に優れるという観点から、セルロース系高分子、(メタ)アクリル系高分子及びロジン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種(の有機バインダ)を含むことが好ましい。
上記セルロース系樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
上記ロジン系樹脂としては、例えば、ロジンエステルが挙げられる。
上記有機ビヒクルは、有機バインダ及び溶剤を含むことが好ましい。
上記有機ビヒクルに含まれ得る溶剤としては、例えば、アルコール類(例えばターピネオール、α-ターピネオール、β-ターピネオール、ブチルカルビトール等)、エステル類(例えばヒドロキシ基含有エステル類、2,2,4―トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチラート、ブチルカルビトールアセテート等)が挙げられる。
・有機バインダの濃度
上記有機ビヒクルが、有機バインダ及び溶剤を含む場合、有機ビヒクル全量に対する有機バインダの濃度は、本発明の効果により優れ、取り扱いに優れるという観点から、2~15質量%であることが好ましく、3~10質量%であることがより好ましい。
・有機ビヒクルの含有量
上記有機ビヒクルの含有量(有機ビヒクルが有機バインダ及び溶剤を含む場合を含む。)は、本発明の効果により優れ、印刷性に優れるという観点から、上記導電粒子(例えば銀粒子等)100質量部に対して、1~150質量部であることが好ましく、30~150質量部であることがより好ましく、50~100質量部であることが更に好ましい。
・有機バインダの含有量
上記有機バインダの含有量は、本発明の効果により優れ、印刷性に優れるという観点から、上記導電粒子(例えば銀粒子等)100質量部に対して、1~25質量部であることが好ましい。
<ガラスフリット>
本発明の導電性ペーストは、ガラスフリットを含有する。
ガラスフリットとは、複数種類の酸化物、例えば金属酸化物を主材料とするものであり、一般的にガラス状の粒子の形態のものをいう。
上記ガラスフリットを構成する酸化物は特に制限されない。例えば、ZnO、PbO、B23、SiO2、Al23が挙げられる。
上記ガラスフリットは、本発明の効果により優れ、入手しやすいという観点から、ZnO及び/又はPbOを含むことが好ましく、PbOを含むことがより好ましい。
上記ガラスフリットがZnO及び/又はPbOを含む場合、上記ガラスフリットは、更に、B23及び/又はSiO2を含むことが好ましい。
上記ガラスフリットがPbOを含む場合、上記ガラスフリットは、更に、SiO2を含むことが好ましい。
・ガラスフリットのガラス転移温度
上記ガラスフリットのガラス転移温度は、本発明の効果により優れ、軟化のしやすさに優れ、太陽電池としたときの曲線因子に優れるという観点から、550℃以下であることが好ましく、500℃以下であることがより好ましく、460℃未満がさらに好ましい。
使用された上記ガラスフリットの平均ガラス転移温度は、本発明の効果により優れ、軟化のしやすさに優れ、太陽電池としたときの曲線因子に優れるという観点から、520℃以下であることが好ましい。
ガラスフリットのガラス転移温度について、SHIMADZU社製の示差走査熱量計DSC-50を用いて、昇温速度15℃/minで3780℃まで昇温し、約50℃~約370℃の温度領域のDSC曲線を測定した。上記DSC曲線の最初の変曲点の温度を、ガラスフリットのガラス転移温度とした。
使用された上記ガラスフリットの平均ガラス転移温度は、上記のとおり測定されたガラス転移温度と使用量から算出できる。
・ガラスフリットの含有量
上記ガラスフリットの含有量は、本発明の効果により優れるという観点から、上記導電粒子(例えば銀粒子等)100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましく、0.5~5.0質量部であることがより好ましい。
<酸化銅>
本発明の導電性ペーストは酸化銅を含有する。
酸化銅を構成する銅は酸化数(例えば1価又は2価)を有する。
本発明の導電性ペーストは、酸化銅を含有することによって、電極となったときに、パッシベーション膜のダメージが少なく、パッシベーション膜への密着性に優れる。上記のようにパッシベーション膜のダメージが少ないことによって、本発明の導電性ペーストを用いて得られる電極を有する太陽電池は、その発電効率が高くなる。
また、本発明の導電性ペーストを用いて形成された電極は、(他部材との接続等に使用されうる)半田との密着性に優れる。
上記酸化銅としては、例えば、酸化銅(I)、酸化銅(II)が挙げられる。
上記酸化銅は、本発明の効果により優れるという観点から、酸化銅(I)及び/又は酸化銅(II)を含むことが好ましく、酸化銅(II)がより好ましい。
(酸化銅の平均粒子径(D50))
上記酸化銅の平均粒子径(D50)は、本発明の効果により優れるという観点から、1.0μm以下であることが好ましく、20~200nmがより好ましい。
上記酸化銅の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて体積基準の粒度分布を測定して求められる、累積50%における粒子径(50%体積累積径。「平均粒子径(D50)」ともいう。)のことをいう。このようなレーザー回折式粒度分布測定装置としては、例えば、堀場製作所製のLA-500(商品名)に準ずる装置が挙げられる。
(酸化銅の含有量)
上記酸化銅の含有量は、本発明の効果により優れるという観点から、上記粒子100質量部に対して、0.01~2.0質量部であることが好ましく、0.1~1.0質量部がより好ましい。
(金属化合物)
本発明の導電性ペーストは、チタン、ジルコニウム及びハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を有する金属化合物を含有し、
上記金属化合物が、上記金属の、アルコキシド、アセチルアセトナート錯体及びハロゲン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
・金属
上記金属化合物が有する金属は、本発明の効果により優れるという観点から、チタン、ジルコニウム又はハフニウムであることが好ましく、チタンであることがより好ましい。
なお、上記金属化合物1分子が有する金属は1個であることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
・金属化合物
本発明において、上記金属化合物は、上記金属の、アルコキシド、アセチルアセトナート錯体及びハロゲン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記金属化合物としては、例えば、チタンの、アルコキシド、アセチルアセトナート錯体又はハロゲン化物;
ジルコニウムの、アルコキシド、アセチルアセトナート錯体又はハロゲン化物;
ハフニウムの、アルコキシド、アセチルアセトナート錯体又はハロゲン化物が挙げられる。
上記金属化合物は、本発明の効果により優れ、及び/又は、半田との密着性に優れるという観点から、上記金属のアルコキシドを含むことが好ましい。
上記金属化合物は、本発明の効果により優れるという観点から、チタンのアルコキシドを含むことが好ましい。
また、上記金属化合物は、本発明の効果により優れ、発電効率が高いという観点から、チタンのテトラアルコキシドを含むことがより好ましい。
上記金属化合物の組み合わせとして、例えば、チタンのアルコキシドとジルコニウム又ハフニウムのアルコキシドとの組み合わせが挙げられ、本発明の効果により優れ、発電効率が高いという観点から、チタンのアルコキシドとハフニウムのアルコキシドとの組み合わせが好ましい。
上記金属化合物は、本発明の効果(特に密着性)により優れ、又は、半田との密着性に優れるという観点から、チタンアルコキシド(例えば、チタンテトラアルコキシド、チタントリアルコキシド、チタンジアルコキシド、チタンモノアルコキシド)、ジルコニウムアルコキシド及びハフニウムアルコキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、チタンアルコキシドを含むことがより好ましく、チタンテトラアルコキシドを含むことがさらに好ましく、チタンテトラブトキシド(チタンテトラブトキサイド)が特に好ましい。
チタンアルコキシドが、チタントリアルコキシド、チタンジアルコキシド又はチタンモノアルコキシドである場合、上記チタンアルコキシドが有するアルコキシ基以外の官能基は特に制限されない。例えば、アセチルアセトナート類、ハロゲンが挙げられる。ジルコニウムアルコキシド及びハフニウムアルコキシドについても同様である。なお、上記金属化合物が有する官能基については後述する。
上記チタンアルコキシドとしては、例えば、チタンテトラプロポキサイド、チタンテトラブトキサイドのようなチタンテトラアルコキシド;
チタントリプロポキシクロライドのようなチタントリアルコキシド;
チタンジプロポキシビス(エチルアセトアセテート)のようなチタンジアルコキシドが挙げられる。
上記ジルコニウムアルコキシドとしては、例えば、ジルコニウムテトラプロポキサイド、ジルコニウムテトラブトキサイドのようなチタンテトラアルコキシドが挙げられる。
上記ハフニウムアルコキシドとしては、例えば、ハフニウムブトキシド、ハフニウム2-エチルヘキソキシドが挙げられる。
・官能基
上記金属は、アルコキシ基、アセチルアセトナート類及びハロゲンからなる群から選ばれる1種又は2種以上の官能基を有することができる。
・・アルコキシ基
上記官能基としてのアルコキシ基は、特に制限されない。例えば、炭素数1~10のアルキル基を有するアルコキシ基が挙げられる。アルコキシ基が有するアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状、これらの組合せのいずれであってもよい。
上記金属のアルコキシドが複数のアルコキシ基を有する場合、上記複数のアルコキシド基は同じであっても異なってもよい。後述するアセチルアセトナート類及びハロゲンについても同様である。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。アルコキシ基は、本発明の効果により優れるという観点から、ブトキシ基が好ましい。
・・アセチルアセトナート類
上記官能基としてのアセチルアセトナート類としては、例えば、アセチルアセトナート;エチルアセトアセテートのようなアルキルアセトアセテートが挙げられる。
・・ハロゲン
上記官能基としてのハロゲンとしては、例えば、塩素、臭素が挙げられる。
・官能基の組み合わせ
上記官能基の組み合わせとしては、例えば、アルコキシ基とハロゲンとの組み合わせ、アルコキシ基とアセチルアセトナート類との組み合わせが挙げられる。
本発明において、上記金属化合物がアルコキシ基を有する場合、その金属化合物を金属のアルコキシドと称する。上記金属のアルコキシドとしては、例えば、すべての官能基がアルコキシ基であるもの、官能基としてアルコキシ基とハロゲンとを有するもの、官能基としてアルコキシ基とアセチルアセトナート類とを有するものが挙げられる。
また、本発明において、上記金属化合物がアセチルアセトナート類を有する場合、その金属化合物を金属のアセチルアセトナート錯体と称する。なお、上記金属のアセチルアセトナート錯体は、概念上、官能基としてアセチルアセトナート類のほかに、例えばアルコキシ基を有するものも含む。一方、本明細書において、上記のとおり、上記金属のアルコキシドが官能基としてアルコキシ基とアセチルアセトナート類とを有するものを含むとしている。このため、上記記載との関係から、本明細書において両者を分類する上では、金属のアセチルアセトナート錯体から、アルコキシドを有するものは除かれる。
また、本発明において、上記金属化合物がハロゲンを有する場合、その金属化合物を金属のハロゲン化物と称する。なお、上記金属のハロゲン化物は、概念上、官能基としてハロゲンのほかに、例えばアルコキシ基を有するものも含む。一方、本明細書において、上記のとおり、上記金属のアルコキシドが官能基としてアルコキシ基とハロゲンとを有するものを含むとしている。このため、上記記載との関係から、本明細書において両者を分類する上では、金属のハロゲン化物から、アルコキシドを有するものは除かれる。
・金属化合物の含有量
上記金属化合物の含有量は、本発明の効果(特に密着性)により優れ、又は、半田との密着性に優れるという観点から、上記導電粒子(例えば銀粒子等)100質量部に対して、0.01~2.0質量部であることが好ましく、0.05~1.0質量部であることがより好ましい。
(テルル又はテルル化合物)
本発明の導電性ペーストは、更に、テルル又はテルル化合物を含有することができる。
本発明の導電性ペーストは、本発明の効果(特に密着性)により優れ、発電効率に優れるという観点から、更に、テルル化合物を含有することが好ましい。
また、上記テルル化合物は、本発明の効果(特に密着性)により優れ、発電効率に優れるという観点から、酸化テルル、テルル酸(Te(OH)6)及びテルルアルコキサイドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
・テルルアルコキサイド
・・アルコキシ基
テルルアルコキサイドが有するアルコキシ基は、特に制限されない。例えば、炭素数1~10のアルキル基を有するアルコキシ基が挙げられる。アルコキシ基が有するアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状、これらの組合せのいずれであってもよい。
上記テルルアルコキサイドが複数のアルコキシ基を有する場合、上記複数のアルコキシド基は同じであっても異なってもよい。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。アルコキシ基は、本発明の効果により優れるという観点から、エトキシ基が好ましい。
テルルアルコキサイドは、アルコキシ基以外の官能基を有してもよい。
本発明において、上記テルルアルコキサイドがアルコキシ基を有する場合、そのテルル化合物を上記テルルアルコキシサイドと称する。
上記テルルアルコキサイドとしては、例えば、テルル(IV)エトキサイドが挙げられる。
上記テルル化合物は、本発明の効果により優れ、及び/又は、半田との密着性に優れるという観点から、上記テルルアルコキシサイドを含むことが好ましく、テルルテトラアルコキサイドを含むことがより好ましく、テルル(IV)エトキサイドを含むことが更に好ましい。
・テルル又はテルル化合物の含有量
上記テルル化合物の含有量は、本発明の効果(特に密着性)により優れ、又は、半田との密着性に優れるという観点から、上記導電粒子100質量部に対して、0.01~2.0質量部であることが好ましく、0.05~1.0質量部であることがより好ましい。
テルルの含有量は、上記テルル化合物の含有量と同様である。
(添加剤)
本発明の導電性ペーストは、必要に応じて、例えば、還元剤等の添加剤を更に含有してもよい。
上記還元剤としては、具体的には、例えば、エチレングリコール類等が挙げられる。
本発明の導電性ペーストの製造方法は特に限定されず、上記導電粒子、上記有機ビヒクル、上記ガラスフリット、上記酸化銅及び上記金属化合物、並びに所望により含有してもよい上記添加剤を、ロール、ニーダー、押出し機又は万能かくはん機等により混合する方法が挙げられる。
本発明の導電性ペーストの用途としては、例えば、太陽電池の電極が挙げられる。
本発明の導電性ペーストを適用し得る、太陽電池の電極としては、例えば、受光面側におけるバスバー電極;裏面側の一部の面又は全面を占める裏面電極が挙げられる。
本発明の導電性ペーストを太陽電池に適用する場合、本発明の導電性ペーストを適用する太陽電池における位置は特に制限されない。
太陽電池の裏面側に本発明の導電性ペーストを適用して電極を形成する場合、例えば、基板の裏面に直接本発明の導電性ペーストを適用してもよい。
また、基板が裏面に裏面パッシベーション膜を有する場合、本発明の導電性ペーストを上記裏面パッシベーション膜の上の少なくとも一部に適用してもよい。
本発明の導電性ペーストは、例えば、700~900℃の条件下で焼成することによって、電極を形成することができる。
本発明の導電性ペーストによって形成された電極に、例えば、インターコネクタ(半田で被覆された金属線)を接続することができる。
[太陽電池]
本発明の太陽電池は、本発明の導電性ペーストを用いて形成された電極を有する、太陽電池である。
本発明の太陽電池は、本発明の導電性ペーストを用いて形成された電極を有すること以外は特に制限されない。
本発明の導電性ペーストを用いて形成された電極を以下「所定の電極」と称する場合がある。
上記所定の電極としては、例えば、受光面側(光入射側)のバスバー電極、裏面側の電極(裏面電極の一部の面又は全面)が挙げられる。上記所定の電極は、裏面側の電極であることが好ましく、裏面電極の少なくとも一部を構成することがより好ましい。
上記所定の電極が裏面電極の一部を構成する場合、上記裏面電極は上記所定の電極及びアルミニウム電極を有することが好ましい。
本発明の太陽電池は、更に、裏面パッシベーション膜を有することができる(裏面パッシベーション型太陽電池)。
この場合、上記太陽電池の裏面側において、上記太陽電池を構成する基板と上記所定の電極との間に上記裏面パッシベーション膜があることが好ましい。上記所定の電極は上記裏面パッシベーション膜に直接接することができる。
本発明の太陽電池としては、更に、裏面パッシベーション膜を有し、上記太陽電池の裏面側において、上記太陽電池が有する基板と上記所定の電極との間に上記裏面パッシベーション膜があり、上記所定の電極は上記裏面パッシベーション膜に直接接し、上記裏面電極が上記所定の電極及びアルミニウム電極を有することが好ましい。
本発明の太陽電池について添付の図面を用いて以下に説明する。なお、本発明は添付の図面に制限されない。
図1は、本発明の太陽電池の一態様を模式的に表す断面図である。
図1に示されている太陽電池は、裏面パッシベーション型太陽電池である。
図1に示されている裏面パッシベーション型太陽電池は、光入射側に形成された光入射側バスバー電極20a、反射防止膜2、n型不純物拡散層(n型シリコン層)4、p型結晶系シリコン基板1、裏面に裏面パッシベーション膜14、裏面電極15を有する。裏面電極15は裏面電極15b、及び、裏面電極15aを有する。裏面パッシベーション膜14に配置された点状の開口部により、基板1(結晶系シリコン基板)と裏面電極15bとが電気的接触を有する。基板1と裏面電極15bとが接する部分には不純物拡散部18(p型不純物拡散部)が配置される。不純物拡散部18は、BSF(Back Surface Field)層18aとAl-Si alloy層18bとを有する。
図1において、裏面電極15aが本発明の導電性ペーストを用いて形成されている。
図1において、基板1と裏面電極15aとの間に裏面パッシベーション膜14があり、裏面電極15aは裏面パッシベーション膜14に直接接し、裏面電極15が裏面電極15a及び裏面電極15bを有する。裏面電極15bを形成し得る導電性ペーストは、本発明の導電性ペースト又はこれ以外の導電性ペーストとできる。本発明の導電性ペースト以外の導電性ペーストとしては、例えば、アルミニウム電極を形成し得る導電性ペースト(アルミニウムを含有する導電性ペースト)が挙げられる。
図1において、基板1と裏面電極15aとの間の裏面パッシベーション膜14はファイヤースルーされていない。
図1において、光入射側バスバー電極20aは反射防止膜2をファイヤースルーしている。光入射側バスバー電極20aの形成に使用される導電性ペーストとしては、反射防止膜をファイヤースルーしうる、例えば、従来公知の導電性ペーストが挙げられる。
本発明の導電性ペーストを光入射側バスバー電極20aに適用する場合、得られた光入射側バスバー電極は反射防止膜2をファイヤースルーしない。
(製造方法)
次に、本発明の太陽電池の製造方法について説明する。本発明の太陽電池の製造方法は、本発明の導電性ペーストを用いて形成された電極を有すること以外特に制限されない。下記の製造方法は、本発明の太陽電池の製造方法の一例である。
・基板
本発明の太陽電池の製造方法は、まず、一の導電型(p型又はn型の導電型)の(結晶系シリコン)基板1を用意する工程を含む。(結晶系シリコン)基板1としては、例えばp型結晶系シリコン基板、具体的には例えばp型単結晶シリコン基板を用いることができる。
高い変換効率を得るという観点から、(結晶系シリコン)基板1の光入射側の表面は、ピラミッド状のテクスチャ構造を有することが好ましい。
・不純物拡散層4の形成
次に、本発明の太陽電池の製造方法は、上述の工程で用意した(結晶系シリコン)基板1の一方の表面に、他の導電型の不純物拡散層4を形成する工程を含む。例えば(結晶系シリコン)基板1として、p型結晶系シリコン基板1を用いる場合には、不純物拡散層4として、例えばn型不純物であるP(リン)を拡散したn型不純物拡散層を形成することができる。n型結晶系シリコン基板を用いて結晶系シリコン太陽電池の製造することも可能である。その場合、不純物拡散層として、p型不純物拡散層を形成する。
・反射防止膜2及び裏面パッシベーション14の形成
次に、本発明の太陽電池の製造方法は、上述の工程で形成した不純物拡散層4の表面に反射防止膜2を形成し、上記基板1の裏面に裏面パッシベーション膜14を形成する工程を含む。
反射防止膜2としては、シリコン窒化膜(SiN膜)を形成することができる。シリコン窒化膜を反射防止膜2として用いる場合には、シリコン窒化膜の層が表面パッシベーション膜としての機能も有する。そのため、シリコン窒化膜を反射防止膜2として用いる場合には、高性能の結晶系シリコン太陽電池を得ることができる。また、反射防止膜2が窒化ケイ素膜(シリコン窒化膜)であることにより、入射した光に対して反射防止機能を発揮することができる。シリコン窒化膜は、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法などにより、成膜することができる。
また、この工程において、基板1の裏面にシリコン窒化膜等の裏面パッシベーション膜14を形成する。裏面パッシベーション膜14には、(結晶系シリコン)基板1と裏面電極15bとが電気的接触をするための点状の開口部を、パターニングなどにより形成することができる。
・光入射側電極及び裏面電極の形成
本発明の太陽電池の製造方法では、導電性ペーストを反射防止膜2の表面に印刷し、及び焼成することによって光入射側電極を形成する工程を含む。
また、本発明の太陽電池の製造方法は、(結晶系シリコン)基板1の他方の表面(裏面)に、導電性ペーストを印刷し、及び焼成することによって裏面電極15を形成する工程をさらに含む。
具体的には、まず、導電性ペーストを用いて印刷した光入射側電極(光入射側フィンガー電極及び/又は光入射側バスバー電極)のパターンを、100~150℃程度の温度で数分間(例えば0.5~5分間)乾燥する。なおこのときに、光入射側電極のパターンのうち、光入射側バスバー電極20aを本発明の導電性ペースト又はそれ以外の導電性ペーストを用いて形成することができる。本発明の導電性ペーストを用いて光入射側バスバー電極20aを形成する場合、パッシベーション膜である反射防止膜2に対して悪影響を及ぼさないためである。光入射側フィンガー電極の形成のためには、公知の光入射側電極形成用の導電性ペーストを用いることができる。
光入射側電極のパターンの印刷及び乾燥に続いて、裏面電極15の形成のため、裏面パッシベーション膜の上に、裏面電極15aを形成するための本発明の導電性ペースト、及び裏面電極15bを形成するための導電性ペーストを印刷する。
裏面パッシベーション膜の上に、裏面電極15又は裏面電極15aを形成するための本発明の導電性ペーストを印刷する方法は特に制限されない。また、裏面電極15bを形成するための導電性ペーストが本発明の導電性ペーストと異なる場合、裏面電極15bを形成するための導電性ペーストを印刷する方法は特に制限されない。いずれも、例えば、従来公知のものが挙げられる。
裏面電極15aを形成するために使用される導電性ペーストは、本発明の導電性ペーストであれば特に制限されない。
・・裏面電極15bを形成するための導電性ペースト
裏面電極15bを形成するための導電性ペーストは、本発明の導電性ペーストと同じであっても異なってもよい。
裏面電極15bを形成するための導電性ペーストが本発明の導電性ペーストと異なる場合、裏面電極15bを形成するための導電性ペーストとしては、例えば、アルミニウムペーストが挙げられる。
上記アルミニウムペーストは特に制限されない。例えば、アルミニウム粉末、ガラス粉末及び有機ビヒクルを含有するアルミニウムペーストが挙げられる。
(アルミニウム粉末)
アルミニウム粉末は、平均粒径1~10μmであることが好ましい。アルミニウム粉末の平均粒径はレーザー回折式粒度分布計を用いて測定することができる。
アルミニウム粉末は、球状であることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
(ガラス粉末)
ガラス粉末は、アルミニウム粉末とシリコンとの反応やアルミニウム粉末自身の焼結を助ける作用があるとされている。ガラス粉末としては、Pb、Bi、V、B、Si、Sn、P及びZnからなる群から選択される1種、または2種以上を含有してもよい。また、鉛を含むガラス粉末、もしくは、ビスマス系、バナジウム系、錫-燐系、ホウ珪酸亜鉛系、アルカリホウ珪酸系、などの無鉛のガラス粉末を用いることができる。特に人体への影響を鑑みると、無鉛のガラス粉末の利用が望ましい。また、ガラス粉末は、軟化点が750℃以下のものであることが好ましい。軟化点が750℃を超えるガラス粉末では、裏面パッシベーション膜を用いた際に裏面パッシベーション膜との密着性を著しく損なわせてしまうおそれがある。また、ガラス粉末の平均粒子径としては、1μm以上3μm以下が好ましい。アルミニウムペースト中に含まれるガラス粉末の含有量は特に限定されないが、アルミニウム粉末100質量部に対して、0.5質量部以上40質量部以下であることが好ましい。導電性アルミニウムペースト中のガラス粉末の含有量が0.5質量部未満ではウェハおよびパッシベーション膜との密着性が低下し、40質量部を越えると電極としての電気抵抗が増加してしまうおそれがあるためである。
(有機ビヒクル)
有機ビヒクルとしては、例えば、溶剤に、有機バインダ(樹脂)を溶解したものが使用されうる。必要に応じて更に各種添加剤を加えてもよい。
上記溶剤としては公知のものが使用可能である。例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
上記各種添加剤としては、例えば、酸化防止剤、腐食抑制剤、消泡剤、増粘剤、タックファイヤー、カップリング剤、静電付与剤、重合禁止剤、チキソトロピー剤、沈降防止剤等を使用することができる。具体的には、たとえば、ポリエチレングリコールエステル化合物、ポリエチレングリコールエーテル化合物、ポリオキシエチレンソルビタンエステル化合物、ソルビタンアルキルエステル化合物、脂肪族多価カルボン酸化合物、燐酸エステル化合物、ポリエステル酸のアマイドアミン塩、酸化ポリエチレン系化合物、脂肪酸アマイドワックス等を使用することができる。
上記有機バインダ(樹脂)としては公知のものが使用可能であり、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリビニールブチラール、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ユリア樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フラン樹脂、ウレタン樹脂、イソシアネート化合物、シアネート化合物などの熱硬化樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ4フッ化エチレン、シリコン樹脂等の二種以上を組み合わせて用いることができる。
アルミニウムペースト中に含まれる有機ビヒクルの含有量は特に限定されないが、アルミニウム粉末100質量部に対して70質量部以上200質量部以下であることが好ましい。有機ビヒクルの含有量が70質量部未満、または200質量部を越えると、ペーストの印刷性が低下するおそれがあるためである。
アルミニウムペーストの製造方法としては、例えば、アルミニウム粉末、ガラス粉末及び有機ビヒクルを周知の混合機にて混合することによって、アルミニウムペーストを製造する方法が挙げられる。
・・乾燥
上記のように裏面パッシベーション膜の上に、裏面電極15を形成するための本発明の導電性ペースト、又は、裏面電極15aを形成するための本発明の導電性ペースト及び裏面電極15bを形成するための導電性ペーストを印刷した後、乾燥させることができる。
・・焼成
上記乾燥した導電性ペーストを、管状炉などの焼成炉を用いて大気中で、所定の焼成条件で焼成することができる。焼成条件として、焼成雰囲気は大気中、焼成温度は、500~1000℃、より好ましくは600~1000℃、さらに好ましくは500~900℃、特に好ましくは700~900℃である。焼成は短時間で行うことが好ましく、焼成の際の温度プロファイル(温度-時間曲線)は、ピーク状であることが好ましい。例えば、上記温度をピーク温度として、焼成炉のイン-アウト時間を10~60秒、好ましくは、20~40秒で焼成することが好ましい。
焼成の際は、光入射側電極及び裏面電極15を形成するための導電性ペーストを同時に焼成し、両電極を同時に形成することが好ましい。この場合、電極形成のための焼成を1回のみにすることができるので、低コストで太陽電池を製造することができる。
上述のようにして、本発明の太陽電池を製造することができる。
本発明の太陽電池の製造方法では、光入射側電極を形成するための基板1の光入射側表面に印刷した導電性ペーストを焼成する際に、光入射側フィンガー電極及び/又は光入射側バスバー電極を形成するための導電性ペーストが、反射防止膜2をファイヤースルーすることが好ましい。それにより、光入射側電極が不純物拡散層4に接するように光入射側電極を形成することができる。この結果、光入射側電極と、不純物拡散層4との間の接触抵抗を低減することができる。反射防止膜2をファイヤースルーさせるために使用し得る、光入射側電極を形成するための導電性ペーストは、特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
上述のようにして得られた本発明の太陽電池を、インターコネクト用の金属リボンによって電気的に接続し、ガラス板、封止材及び保護シート等によりラミネートすることで、太陽電池モジュールを得ることができる。インターコネクト用の金属リボンとしては、はんだにより周囲を覆われた金属リボン(例えば、銅を材料とするリボン)を用いることができる。はんだとして、スズを主成分とするもの、具体的には鉛入りの有鉛はんだ及び鉛フリーはんだなど、市場で入手可能なはんだを用いることができる。
本発明の太陽電池において、光入射側のバスバー電極に上記金属リボンを例えば半田で接続することができる。
また、本発明の太陽電池において、所定の電極(例えば、裏面電極の一部又は全面)に上記金属リボンを例えば半田で接続することができる。
本発明の太陽電池では、本発明の導電性ペーストを用いて形成される所定の電極を有することによって、高性能の太陽電池を提供することができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
<導電性ペーストの製造>
下記第1表の各成分を同表に示す組成(質量部)で用いて、これらを撹拌機で混合し、導電性ペーストを製造した。
なお、第1表の「有機ビヒクル」欄に示す、有機バインダと溶剤とを第1表に示す量で用いてこれらを予め混合し、得られた混合物を有機ビヒクルとして使用した。
<評価>
上記のとおり製造された導電性ペーストを用いて以下の評価を行った。結果を第1表に示す。
(パッシベーション膜へのダメージ)
導電性ペーストによるパッシベーション膜へのダメージを、フォトルミネッセンスイメージング法(「PL法」という。)により評価した。
PL法は、物質に光を照射し、励起された電子が基底状態に戻る際に発生する光を観測する方法である。こちらを用いることで非破壊、非接触かつ、短時間で、導電性ペーストによるパッシベーション膜へのダメージ(反応性)を評価することが可能である。
具体的には、試料に対して禁制帯幅より大きいエネルギーの光を照射して発光させ、その発光の状況から、結晶中の欠陥及び表面、界面欠陥の様子を評価する。試料が結晶シリコン基板中の欠陥及び表面、界面欠陥を有する場合には、欠陥が、光照射により発生した電子-正孔対の再結合の中心として働き、これと対応してフォトルミネッセンスによる発光強度が低下する。つまり、導電性ペーストを印刷し焼成することによって形成された電極によりパッシベーション膜が侵食され、パッシベーション膜が除去された結晶シリコン基板表面に表面欠陥が形成された場合、表面欠陥が形成された部分(すなわち、試料に形成された電極の部分)のフォトルミネッセンスの発光強度が低下する。このフォトルミネッセンスの発光強度の強弱により、試作ペーストのパッシベーションとの反応性を評価することができる。
PL法による評価のために、後述する「パッシベーション膜への密着性」の評価において調製された密着性評価用基板と同様にして、裏面電極付基板を調製した。
・PL法による測定
PL法による測定は、BT Imaging社製Photoluminescence Imaging System装置(型番LIS-R2)を用いて行った。
上記裏面電極付基板に対して励起用の光源(波長650nm、出力3mW)から光を照射し、フォトルミネッセンスの発光強度のイメージを得て、目視で観察した。
・評価基準
上記のとおり得られたフォトルミネッセンスの発光強度のイメージにおいて、電極印刷部分の発光強度が、電極が印刷されていない部分の発光強度と同等であった場合、パッシベーション膜へのダメージが少ないと評価して、これを「○」と表示した。
上記イメージにおいて、電極印刷部分の発光強度が、電極が印刷されていない部分の発光強度よりも弱い(電極形成部分が電極が印刷されていない部分よりも暗い)場合、パッシベーション膜へのダメージが大きいと評価して、これを「×」と表示した。
(パッシベーション膜への密着性)
上記のとおり製造した導電性ペーストを用いて太陽電池を模擬した密着性評価用基板を試作し、パッシベーション膜への密着性試験行った。なお、上記密着性試験では、パッシベーション膜と所定の電極との間の密着強度、及び金属リボンと所定の電極との間の密着強度の両方を測定していることになるが、所定の電極に含まれる導電粒子(金属粒子)は銀粒子なので、金属リボンと所定の電極との間の接着強度は比較的高い。したがって、上記試験により、パッシベーション膜と所定の電極との間の密着性を評価することができる。
・密着性評価用基板の調製
基板は、p型単結晶シリコン基板(基板:縦横各6inch、厚み200μm)を用いた。
まず、上記基板(図1における基板1。以下の符号は図1と一致する。)に酸化ケイ素層約20μmをドライ酸化で形成後、フッ化水素、純水及びフッ化アンモニウムを混合した溶液でエッチングし、基板表面のダメージを除去した。さらに、塩酸と過酸化水素を含む水溶液で重金属洗浄を行った。
なお、密着性評価用基板は、光入射側電極、光入射側表面のテクスチャ構造、n型不純物拡散層4、及び、反射防止膜2を有さない。
次に、基板1の裏面の全面に、プラズマCVD法によってシランガス及びアンモニアガスを用いて、裏面パッシベーション膜14として窒化ケイ素膜を約60nmの厚みに形成した。具体的には、NH/SiH=0.5の混合ガス1Torr(133Pa)をグロー放電分解することにより、プラズマCVD法によって膜厚約60nmの窒化ケイ素膜(裏面パッシベーション膜14)を形成した。
上記のとおり製造した各導電性ペーストを上記裏面パッシベーション膜付基板の裏面パッシベーション膜14の上にスクリーン印刷法で印刷して、裏面電極15aを5本、30mm間隔で形成した。
各裏面電極15aは、膜厚約10μm、長さ100mm、幅2mmであった。
その後、150℃で約1分間上記の導電性ペースト付与基板を乾燥した。
乾燥後の各導電性ペースト付与基板を、ハロゲンランプを加熱源とする近赤外焼成炉(日本ガイシ社製太陽電池用高速焼成試験炉)を用いて、大気中で所定の条件により焼成した。焼成条件は、775℃のピーク温度とし、大気中、焼成炉のイン-アウト30秒で焼成し、裏面電極付基板を作製した。
次に、インターコネクト用の金属リボンである銅リボン(幅1.5mm×全厚み0.16mm、共晶はんだ[スズ:鉛=64:36の重量比]を約40μmの膜厚で被覆)を、1枚の裏面電極付基板あたり、5本準備した。
上記のとおり作製された裏面電極付基板において、各裏面電極15aの上に上記金属リボン1本を上記各裏面電極15aを覆うように配置し、フラックスを用いてはんだ付けパッド上に250℃の温度で3秒間はんだ付けすることにより、密着性評価用基板を得た。上記のとおり得られた密着性評価用基板は、1枚当たり、各裏面電極15aに1本の金属リボンがはんだ付けされた裏面電極15aを5本有する。
・引張試験
上記のとおりはんだ付けされた金属リボンの一端に設けたリング状部をデジタル引張りゲージ(エイアンドディー社製、デジタルフォースゲージAD-4932-50N)につなぎ、基板1に対して、金属リボンを180度方向に引っ張り、上記デジタル引張りゲージで破壊強度を測定することによって密着強度の測定を行った。
密着性評価用基板を各実施例について3個作製し、上記のとおりはんだ付けされた裏面電極15a:15本の密着強度を上記のとおり測定し、上記測定によって得られた密着強度の測定値の平均を求めた。
・評価基準
本発明において、密着強度(上記のとおり得られた密着強度の平均値。以下同様)が1N/mmより大きい場合、パッシベーション膜への密着性に優れるとする。
密着強度が1N/mmより大きいほど、密着性により優れる。
(発電効率)
太陽電池に関しては、p型単結晶シリコン基板(基板:縦横各6inch、厚み200μm)に、予めレーザー等を用いてライン状の開口部を設けた抵抗値3Ω・cmの裏面パッシベーション型単結晶シリコン基板を用いた。
上記裏面パッシベーション型単結晶シリコン基板の裏面パッシベーション膜上に、上記のとおり作製した各導電性ペーストを太陽電池1枚当たり0.02~0.03gになるようにライン状に付与し、裏面電極15a(5本、30mm間隔。各裏面電極15aの、膜厚約10μm、長さ100mm、幅2mm)を印刷した。
次いで、上記裏面パッシベーション型単結晶シリコン基板の裏面の残りの部分全体に、公知技術で作製したアルミニウムペーストを太陽電池1枚当たり0.9~1.0gとなるように付与し、裏面電極15b(ライン状)を印刷した。
さらに、受光面に公知の技術で作製したAgペーストを表面電極用に印刷した。
上記のとおり各電極を印刷した基板を800℃の条件下で3秒間焼成して、発電効率評価用基板を得た。
・太陽電池の発電効率
上記のとおり得られた発電効率評価用基板について、ワコム電創社製のソーラーシュミレータ:WXS-156S-10、I-V測定装置:IV15040-10を用いて、I-V測定を実施し、太陽電池の変換効率(Eff、単位%)を算出した。上記変換効率の結果で太陽電池の発電効率を評価した。
本発明では、上記発電効率は、20.0%以上であることが好ましく、20.3%以上であることがより好ましい。
Figure 0007224853000001
第1表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
<導電粒子(銀粒子)>
・球状銀粒子:球状の銀粒子。平均粒子径(D50)0.8μm
・フレーク状銀粒子:フレーク状の銀粒子。商品名N300(トクセン工業社製、長径(幅)平均0.3μm、短径(厚さ)平均0.05μm。
<有機ビヒクル>
・有機バインダ:エチルセルロース。商品名STD300、日進化成社製。
・溶媒:ターピネオール。ヤスハラケミカル社製
<金属化合物>
・チタンアセチルアセトナート:東京化成工業社製。下記構造。チタン(IV)アセチルアセトナート。
Figure 0007224853000002
・チタンテトラブトキサイド:Ti(OBu)4、東京化成工業社製
・チタントリイソプロポキシクロライド:TiCl(OC373、富士フイルム和光純薬社製
・チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート):Gelest社製。下記構造。
Figure 0007224853000003
・ジルコニウム(IV)ブトキサイド:Zr(OBu)4、Gelest社製
・ハフニウムブトキサイド:Hf(OBu)4、Gelest社製
<酸化銅>
・酸化銅(II):CuO。CIKナノテック社製。平均粒子径(D50)48nm
(銅化合物(比較))
・銅アセチルアセトナート:東京化成工業社製。下記構造。銅(II)アセチルアセトナート。
Figure 0007224853000004
(テルル化合物)
・テルル(IV)エトキサイド:Te(OEt)4、Gelest社製
(ガラスフリット)
・ZnO・B23・SiO2:ガラス転移温度490℃。
・PbO・B23・SiO2:ガラス転移温度460℃。
・PbO・B23:ガラス転移温度380℃。
・PbO・SiO2:ガラス転移温度430℃。
・PbO・SiO2:ガラス転移温度550℃。
・PbO・SiO2:ガラス転移温度470℃。
・チタンブラック(比較):商品名チタンブラック13M-C、三菱マテリアル電子化成社製。Black Titaniumu Oxide。
第1表に示す結果から明らかなように、酸化銅を含有しない比較例1は、パッシベーション膜への密着性が低かった。
酸化銅を含有せず、代わりに銅アセチルアセトナートを含有する比較例2は、パッシベーション膜への密着性が低かった。
所定の金属化合物を含有せず、代わりにチタンブラックを含有する比較例3は、パッシベーション膜への密着性が低かった。
所定の金属化合物を含有しない比較例2は、パッシベーション膜へのダメージが大きかった。
これに対して、本発明の導電性ペーストは、電極となったときに、パッシベーション膜のダメージが少なく、パッシベーション膜への密着性に優れた。
また、本発明の導電性ペーストが上記パッシベーション膜へのダメージが少ないことによって、発電効率に優れた。
1 p型結晶系シリコン基板
2 反射防止膜
4 n型不純物拡散層(n型シリコン層)
14 裏面パッシベーション膜
15 裏面電極
15a 裏面電極
15b 裏面電極
18 不純物拡散部(p型不純物拡散部)
18a BSF(Back Surface Field)層
18b Al-Si alley層
20a 光入射側バスバー電極

Claims (16)

  1. 導電粒子、
    有機ビヒクル、
    ガラスフリット、
    平均粒子径(D50)が20~200nmである酸化銅、及び、
    チタンテトラブトキシドを含有する、導電性ペースト。
  2. 前記チタンテトラブトキシドの含有量が、前記導電粒子100質量部に対して、0.01~2.0質量部である、請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 前記導電粒子の平均粒子径(D50)が、2.0μm以下である、請求項1又は2に記載の導電性ペースト。
  4. 前記有機ビヒクルが、セルロース系高分子、(メタ)アクリル系高分子及びロジン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  5. 前記ガラスフリットのガラス転移温度が、500℃以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  6. 前記ガラスフリットが、ZnO及び/又はPbOを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  7. 前記ガラスフリットの含有量が、前記導電粒子100質量部に対して、0.1~10質量部である、請求項1~6のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  8. 前記酸化銅が、酸化銅(I)及び/又は酸化銅(II)を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  9. 前記酸化銅の含有量が、前記導電粒子100質量部に対して、0.01~2.0質量部である、請求項1~8のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  10. 更に、テルル又はテルル化合物を含有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  11. 前記テルル化合物が、酸化テルル、テルル酸及びテルルアルコキサイドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項10に記載の導電性ペースト。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の導電性ペーストを用いて形成された電極を有する、太陽電池。
  13. 前記電極が、裏面電極の少なくとも一部を構成する、請求項12に記載の太陽電池。
  14. 前記裏面電極が、前記電極及びアルミニウム電極を有する、請求項13に記載の太陽電池。
  15. 更に、裏面パッシベーション膜を有し、
    当該太陽電池の裏面側において、当該太陽電池を構成する基板と前記電極との間に前記裏面パッシベーション膜がある、請求項12~14のいずれか1項に記載の太陽電池。
  16. 前記電極が、前記裏面パッシベーション膜に直接接している、請求項15に記載の太陽電池。
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