JP2007049087A - 太陽電池の電極およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電極比抵抗および接触抵抗を小さくして、基板との接着強度を維持した太陽電池の電極およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 金属粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒を主成分とし、フリットを含まないペースト材料で形成された太陽電池の電極。そして、フリットはペースト材料の焼結後に生成する焼結金属とそれに接する層の間に介在し、焼結金属の内部には実質的には存在しない。
【選択図】 図2
【解決手段】 金属粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒を主成分とし、フリットを含まないペースト材料で形成された太陽電池の電極。そして、フリットはペースト材料の焼結後に生成する焼結金属とそれに接する層の間に介在し、焼結金属の内部には実質的には存在しない。
【選択図】 図2
Description
本発明は変換効率の高い太陽電池の電極およびその製造方法に関し、特に電極材料のペースト中にガラスフィリットを含まない電極およびその製造方法に関する。
従来、電極材料として導電性ペーストが用いられる太陽電池は、典型的には、図1で示す構造を有している。たとえば結晶シリコン系の太陽電池は、図1において、P型多結晶である基板1の一面側(図では上面側)にn+層2が形成されており、その上側には表面反射率を低減するための反射防止膜3と電流を取り出すための受光面電極4とが形成されている。一方、基板1の他面側(図では下面側)にはp+層5および裏面電極6が形成された構成を有している。
この種の太陽電池を作製する際には、受光面電極4の材料としては、銀粉末と、ガラス粉末(以下フリット)と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とを主成分とする導電性ペーストが用いられている。そして低コストの太陽電池では、スクリーン印刷法でもって印刷された導電性ペーストを焼成炉中で焼成して受光面電極4を形成する。この受光面電極4の幅は100〜300μmで、受光面電極4の相互の間隔(ピッチ)としては概ね2〜4mmの範囲に形成される。
かかる銀粉末を主成分とするペースト材料は、酸化雰囲気炉中で400℃以上の温度で焼成すると、樹脂成分は燃焼し、粉末の銀粒子同士は接点部分からの固相銀拡散が生じて、銀粉末は一体化した銀の塊に変化して導電性のある状態になる。またフリットは、分散しているので、銀粒子同士の接点以外の3次元空間に分布して残存するとともに、シリコン表面と焼結銀との接着性を付与する。
ペースト材料の焼成後の断面状態を図3に示している。図3において基板30の上に焼成後銀31のマトリックス中にフリット33が存在している。そしてペースト材料中に含まれていたフリット32の一部は、焼成後には基板との界面において焼成後の銀と基板の接着性を補強する作用を有する。
なお、反射防止膜3の特性によっては、導電性ペーストの種類や受光面電極4の形成プロセスを変更する必要が生じることがある。たとえば、導電性ペーストを焼成し終わった後に反射防止膜3を形成する形成プロセスを採用した場合には、受光面電極4上にも反射防止膜3が形成される結果として半田が付着し難いことになってしまう。また、導電性ペーストを用いて形成された受光面電極4に対する半田付けを実施したうえで反射防止膜3を形成することも可能であるが、このような形成プロセスを採用した場合には、半田の融点以上にまで基板1の温度を上昇させることができないなどの制限を受けることになる。
そのため、太陽電池を作製するにあたっては、反射防止膜3を形成しておいたうえで受光面電極4を形成するのが一般的な形成プロセスであることになり、反射防止膜3として典型的な材料である酸化チタン(TiO2)または窒化ケイ素(Si3N4)を用いる場合の太陽電池の製造プロセスは、以下のような手順になる。
(イ) TiO2を反射防止膜に用いる場合には、常圧CVD法などを採用して基板1のn+層2上にTiO2膜を堆積させる。
(ロ) その後、このTiO2膜上に導電性ペーストを印刷し、かつ、導電性ペーストを焼成して受光面電極4を形成する。
(ハ) この焼成過程において導電性ペーストに含まれるフリットの作用で反射防止膜3が破られ、導電性ペースト中の金属成分とn+層2とでオーミックコンタクトが形成される。
上記電極の製造方法は、ファイヤースルーといわれる現象を利用したものであり、このようなプロセスでは導電性ペーストの材料が重要となる。たとえば、特許文献1には、導電性ペーストに対して第5族元素化合物を添加しておくと、曲線因子が向上することなどが開示されている。
一方、反射防止膜3がSi3N4である場合には、プラズマCVD法を採用したうえで基板1のn+層2上にSi3N4膜を堆積させる。たとえば、特許文献2に開示される如く、Si3N4膜ではファイヤースルーが生じ難いため、受光面電極4が形成される領域のSi3N4膜をエッチングによって除去しておいたうえで受光面電極4を形成することが行なわれる。
また、特許文献3には、ファイヤースルー性を改善するため塩化物を電極ペースト中に含ませることが開示されている。この技術はさらに導電性ペーストのいくつかの材料組成が開示されている。
さらに太陽電池は、基板1のn+層2と反射防止膜3との間に酸化ケイ素(SiO2)などの酸化膜を設けて、表面再結合を低減するための表面パッシベーションを行なった構成とされたものもある。いずれも電極ペースト中にもガラスフリットを含ませることが、ファイヤースルー性のみならず電極の基板への接着性付与のために必要とされる。
特公平3−46985号公報
特公平5−72114号公報
特開平11−213754号公報
従来、市販されている太陽電池の電極用の導電性ペーストは、反射防止膜3がTiO2またはSi3N4である場合のファイヤースルーによる電極形成のプロセスを検討したところ、以下のような不都合が生じる。
太陽電池の動作状態においては、受光面電極4で、紙面に垂直な方向に電流が流れるが、太陽電池特性の改善に際しては、受光面電極4の太陽電池面積全体に対する比率(6%程度)を低減することが重要である。しかし、この比率を低減すると太陽電池特性の曲線因子が低下するが、その主な要因は電極の直列抵抗損失による。もともとこの導電性ペーストの成分には上記ファイヤースルー性発現や電極の基板面への接着性確保の観点から、ガラスフリットの含有が不可欠なものであり、通常、質量比で0.5〜3%のガラスフリットが含まれる。
ガラスフリットを含む電極用ペーストから形成した太陽電池の電極は、純粋な銀の比抵抗に比較して1.3〜1.9倍の比抵抗を示す。ガラスフリットは体積比では10%前後にも相当している状態である。つまり、電極ペーストで作製する太陽電池の受光面電極4においては、この高い比抵抗を見込んで電極を設計せざるを得ないので、結果、一定厚みの純銀の電極よりも受光面積を減じ、このことで曲線因子を低下するとともに変換効率を制限している。別の観点からは、ガラスフリットが焼成銀粒のネットワーク中に介在することで電流パスを阻害して、銀の材料を無駄に使用することになっている。
本発明は、かかる問題に鑑みて創案されたものであって、電極用のペースト材料から、従来技術では不可欠とされていたガラスフリットを除去しても、太陽電池用の電極の製造を可能として、電極比抵抗および接触抵抗を小さくして、基板との接着強度を向上した太陽電池の電極およびその製造方法を提供する。
本発明は、金属粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒を主成分とし、フリットを含まないペースト材料で形成されたことを特徴とする太陽電池の電極である。そして、フリットはペースト材料の焼結後に生成する焼結金属とそれに接する層の間に介在し、焼結金属の内部には実質的には存在しないことを特徴とする。
本発明は、また基板の片側にフリットを付着する工程と、該フリット上に金属粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒を主成分するペースト材料を塗布する工程を含む太陽電池の電極の製造方法である。
本発明の他の形態は、基板上にn+層を形成する工程、該n+層上に反射防止膜を形成する工程、フリットを付着する工程、該フリット上に銀粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒を主成分するペースト材料を塗布する工程と、該ペースト材料を焼結する工程を含む太陽電池の電極の製造方法である。さらに本発明においてペースト材料は、金属の塩化物、臭化物またはフッ化物を含むことが好ましい。
本発明の太陽電池の電極によれば、反射防止膜がTiO2またはSi3N4、あるいはSiO2などのような表面パッシベーションの有無に拘わらず、ファイヤースルー性を利用した形成プロセスが達成できる。本発明において、前記導電性ペーストを採用することで良好な電極形成が行なわれる理由は、以下の通りである。
従来のフリットが添加されている導電性ペーストにおいては、焼成過程においてファイヤースルー性によって、フリットが反射防止膜を破り、導電性ペースト中の金属成分とn+層がオーミックコンタクトを形成する。ここで金属成分とシリコン基板との界面に酸化膜が存在している場合、接触抵抗が高くなるためにフリットの材質と反射防止膜の材質との組み合わせによってはフリットの作用が変わる可能性があり、その結果、接触抵抗が反射防止膜の構造によって変化する。
これに対し、本発明においてはフリットだけを事前に基板表面に付着させておき、その上からフリットを含まない金属粉末を含むペーストを印刷し焼成する。ここで基板表面に付着したフリットが反射防止膜を破る作用をする。
なお、フリット以外にファイヤースルー性を促進するため金属ハロゲン化物、たとえば、金属の塩化物、臭化物、またはフッ化物をペースト中に含ませておくことで、焼成後には、n+層の表面と焼成後の金属材料との間で良好なオーミックコンタクトが形成される。
本発明においては、前記焼成の温度は主にフリットの軟化点に関連するが、たとえばガラスフリット場合、概ね400℃以上の温度の焼成により、ペースト材料が反応、変化して基板への接着性やファイヤースルー性が発現する。
フリットを含まない電極ペーストから形成した太陽電池の電極は、純粋な銀の比抵抗に極めて近い値を示すことで、直列抵抗にかかわる曲線因子(FF)が改善され、その結果、太陽電池の変換効率を改善できた。この電極ペーストで作製する太陽電池の電極においては、従来よりも低い比抵抗で電極を設計できることから、変換効率向上のほかにも、銀材料などの有効利用を図れることにもなり、太陽電池の発電能力あたりのコスト低減にも寄与できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は太陽電池セルの代表的な構成を例示する断面図である。図1において、結晶シリコン系の太陽電池セルは、厚さが約100〜300μmのP型多結晶である基板1の一面側(図では上面側)にn+層2が形成される。該n+層2の上側には反射防止膜3と受光面電極4とが形成される。基板1の他面側(図では下面側)にはp+層5および裏面電極6が形成される。前記受光面電極4は、導電性ペーストを焼成炉の中で焼成して形成されるが、該導電性ペースト材料を基板に塗布するには、通常スクリーン印刷法を採用する。
次に、図4にしたがって本発明に基づく太陽電池セルの作製工程を比較例の作製工程と対比して説明する。図4において本発明の実施例の作製工程を工程Aとして、比較例の作製工程を工程Bとして示している。
工程Bにしたがえば、電極を形成するための基板はステップ1においてP型多結晶である基板1をエッチングした後、ステップ2でPSG膜を形成して熱処理を行ない、深さが約0.3μmのn+層2を基板1の一面側に形成する。ステップ3で、この基板1の他面上に導電性ペーストをスクリーン印刷法で印刷し、近赤外線炉中で焼成することによってp+層5と裏面電極6とを形成する。ステップ4で、n+層2上に反射防止膜3を形成した基板を作成する。ステップ5で、フリット含有のペーストを印刷して焼成することで表電極を形成して太陽電池セルを完成する。
一方、本発明に基づく工程Aにしたがえば、前記ステップ1よりステップ4までは前記工程Bと同じである。但し、ステップ6の表電極用のペースト材料にはフリットは含まれていない。
工程Aに基づけばステップ5においてフリットを基板表面に塗布する。ここでフリットの調整は以下の通りである。乾式ボールミルを用いて、荒粉砕のガラスフリットをたとえば約500メッシュパスまで粉砕した後、乾式の比重選鉱法を用いて粒径範囲が1〜30μmに調整する。エチルアルコールなどの有機溶媒に前記ガラスフリットを1〜20質量%入れプロペラ撹拌ミキサーで十分に懸濁させて懸濁液を作製した。その懸濁液に、反射防止膜形成後の基板を浸漬、直ちに引上げて乾燥させて、ガラスフリットの付着した反射防止膜付き基板を得た。この工程により、基板表面には、一部周辺部を除いてはガラスフリットがほぼ均一に付着する。
なお、ガラスフリットを付着形成する他の方法としては、拡散あるいは反射防止膜形成後の基板を帯電させた状態で、フリットを気体中に循環させた環境に一定時間晒すなど、静電気作用を用いて付着させることも可能である。さらに別法としては、ガラスフリットを含むスラリー液を作製して、電極を形成する位置に予め、インクジェット法で塗布することにより付着させることもできる。その付着させるパターンをドット状、線状などにする工夫も可能である。この場合には、余分な電極を形成する場所以外に付着したフリットを除去する必要がない利点がある。
なおフリットは典型的にはホウケイ酸鉛系ガラスフリットが使用されるが、他の成分の結晶質ガラス成分フリットや混合系ガラス成分フリットなどを使用することもできる。
次にステップ6において、ガラスフリットを含まない導電性ペーストを、スクリーン印刷法で反射防止膜3上に印刷する。つまり、電極用ペーストの印刷は、基板の全面にガラスフリットが付着した面上に、電極用の櫛形のパターンを用いる。次に、100℃〜150℃の温度で乾燥を行ない、ペースト中に含まれる有機溶剤成分を蒸発させて、残存する樹脂材料で基板上に接着した状態になる。印刷したペースト下以外にそのまま残存付着しているガラスフリットは、シリコン面に半導体的な損傷を与えないように、繊維を植えつけた回転ブラシ面で、乾燥固着したペースト面とともに、それ以外の基板面とを同時に、ブラッシングすることで不要なガラスフリットを基板面から除去する。発生ダストはサイクロン気流を用いた粒子の遠心力作用で捕捉して回収する。不要のガラスフリットを除去した基板を、近赤外線炉を利用しながら約500℃〜約700℃の温度で焼成することによって受光面電極4を形成する。
なお、本発明において、反射防止膜3は、TiO2膜で構成することが好ましく、この場合、常圧CVD装置を用いることによってチタン酸アルコキシドから形成する。反射防止膜の厚さは、通常、500〜900nmに調整される。反射防止膜形成としてはTiO2/SiO2、Si3N4もしくはSi3N4/SiO2も採用することができ、いずれもファイヤースルーが可能である。Si3N4膜はプラズマCVD装置を用いることによってシランおよびアンモニアから形成されたものである一方、表面パッシベーション膜としてのSiO2膜はn+層2の形成後にドライ酸化法で形成される。
本発明のペースト材料は、有機ビヒクルや溶媒が酸化性の雰囲気により燃焼除去されるタイプの銀などの金属成分を主成分とするペースト材料を指す。図2のように、フリットを含まないペースト材料を基板20の上に印刷して焼成すると、樹脂成分、溶剤が燃焼してその残渣となる純度99%以上の銀21が導体の役割として基板20上に形成される。フリット22は、ペースト材料の印刷前に基板20表面に付着させておいたフリットが溶融固着したものであり、銀21と基板を固着させることを可能ならしめている。
本発明において用いられる導電性ペーストは、金属粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とを主成分とし、さらに、好ましくは、少なくとも1種類のハロゲン化銀、たとえば塩化銀(AgCl)が添加されている。
たとえば、平均粒径が約0.2〜20μmの金属粉末100質量部に対し、エチルセルロース、テレピネオールなどの有機質ビヒクルを2〜50質量部、カルビトール等の有機溶媒を5〜40質量部加える。そして好ましくは、金属粉末に対して0.005〜0.1質量%の金属ハロゲン化物を加えて、乳鉢あるいは3本ロールを使用して、これらを混練および分散することによって電極用のペースト材料を調整する。
ここで、金属成分としては、銀のほか銅、ニッケル、金、アルミニウムなども使用できる。
また、有機質ビヒクルとして、エチルセルロース、テレピネオールのほか、アルキド樹脂系など、粘調性を有し焼成時に燃焼除去できる樹脂類が使用できる。
さらに有機溶媒として、カルビトール系有機溶媒のほかに、アルコール系などの有機溶媒も使用できる。
さらに、金属ハロゲン化物として、塩化銀、臭化銀、フッ化銀のほか塩化パラジウム、塩化プラチナ、塩化イリジウムが使用できる。
なお、前記ペーストには粘度を調整するために、溶剤や樹脂成分を加えることができ、ここで樹脂成分としてはアルキド樹脂、アルコール系樹脂があり、その配合量はペースト成分の8〜15質量%の範囲である。
実施例1
図4、工程Aにしたがって太陽電池セルの作製工程を説明する。
図4、工程Aにしたがって太陽電池セルの作製工程を説明する。
ステップ1
P型多結晶であるシリコン基板1の表面の破砕層を化学的にエッチング除去した。
P型多結晶であるシリコン基板1の表面の破砕層を化学的にエッチング除去した。
ステップ2
PSG膜を形成して熱処理(温度620℃)を実行して深さが約0.3μmのn+層2をシリコン基板1の一面側に形成した。
PSG膜を形成して熱処理(温度620℃)を実行して深さが約0.3μmのn+層2をシリコン基板1の一面側に形成した。
ステップ3
前記シリコン基板1の他面上にアルミニウムペーストをスクリーン印刷法で印刷し、近赤外線炉中で焼成することによってp+層5と裏面電極6とを形成した。
前記シリコン基板1の他面上にアルミニウムペーストをスクリーン印刷法で印刷し、近赤外線炉中で焼成することによってp+層5と裏面電極6とを形成した。
ステップ4
n+層2上にTiO2で厚さが約700nmの反射防止膜を形成した。膜の形成は常圧CVD装置を用いることによってチタン酸アルコキシドから形成した。
n+層2上にTiO2で厚さが約700nmの反射防止膜を形成した。膜の形成は常圧CVD装置を用いることによってチタン酸アルコキシドから形成した。
ステップ5
ガラスフリットを基板表面に塗布する。そのフリット調整は、乾式ボールミルを用いて、荒粉砕のガラスフリットを500メッシュ パスまで粉砕した後、乾式の比重選鉱法を用いて粒径範囲2〜6μmに調整した。半導体級のエチルアルコール1200mLに、前記ガラスフリットを、4g、8gおよび12gを加えて、プロペラ撹拌ミキサーで十分に懸濁させて、3種類の懸濁液を作製した。それぞれの懸濁液に、反射防止膜形成後の基板を浸漬、直ちに引上げて乾燥させて、ガラスフリット付着量の異なる3枚の反射防止膜付き基板を得た。この工程により、それぞれ個別の基板表面内には、一部周辺部を除いてはガラスフリットがほぼ一様に付着していた。それぞれシリコン基板における付着状態をレーザー顕微鏡により観察した付着量の結果を表1に示す。表中の懸濁液の種類標記としては、ガラスフリット4gの懸濁液を実験4Gとし、同様に8gの懸濁液は実験8G、12gの懸濁液は実験12Gとした。ガラスフリットの付着密度はレーザー顕微鏡視野で、1辺が100μmの四角で囲まれた領域のフリットの個数を計測した。
ガラスフリットを基板表面に塗布する。そのフリット調整は、乾式ボールミルを用いて、荒粉砕のガラスフリットを500メッシュ パスまで粉砕した後、乾式の比重選鉱法を用いて粒径範囲2〜6μmに調整した。半導体級のエチルアルコール1200mLに、前記ガラスフリットを、4g、8gおよび12gを加えて、プロペラ撹拌ミキサーで十分に懸濁させて、3種類の懸濁液を作製した。それぞれの懸濁液に、反射防止膜形成後の基板を浸漬、直ちに引上げて乾燥させて、ガラスフリット付着量の異なる3枚の反射防止膜付き基板を得た。この工程により、それぞれ個別の基板表面内には、一部周辺部を除いてはガラスフリットがほぼ一様に付着していた。それぞれシリコン基板における付着状態をレーザー顕微鏡により観察した付着量の結果を表1に示す。表中の懸濁液の種類標記としては、ガラスフリット4gの懸濁液を実験4Gとし、同様に8gの懸濁液は実験8G、12gの懸濁液は実験12Gとした。ガラスフリットの付着密度はレーザー顕微鏡視野で、1辺が100μmの四角で囲まれた領域のフリットの個数を計測した。
ステップ6
次の組成を有する電極用のペーストを調整した。
次の組成を有する電極用のペーストを調整した。
銀粉末(平均粒径:約3μm) 100質量部
有機質ビヒクル(エチルセルロース/テレピネオール) 10質量部
カルビトール系有機溶媒 22質量部
塩化銀 銀粉末100質量部に対して0.01質量%
この混合物を乳鉢および3本ロールを使用しながら混練および分散することによって電極となるペーストを調整した。
有機質ビヒクル(エチルセルロース/テレピネオール) 10質量部
カルビトール系有機溶媒 22質量部
塩化銀 銀粉末100質量部に対して0.01質量%
この混合物を乳鉢および3本ロールを使用しながら混練および分散することによって電極となるペーストを調整した。
次に、前記ペーストを、スクリーン印刷法でもって反射防止膜3上に印刷した。ペーストの印刷は、シリコン基板の全面にガラスフリットが付着した面上に、電極用の櫛形のパターンを用いて行なった。次に、130℃でペーストを乾燥し、ペースト中に含まれる有機溶剤成分を蒸発させて、残存する樹脂材料で基板上に接着した状態にする。
印刷したペーストの下側以外にそのまま残存付着しているガラスフリットは、シリコン基板面に半導体に損傷を与えないように繊維を植設した回転ブラシ面で、乾燥固着したペースト面とともに、それ以外の基板面とを同時に、ブラッシングすることで不要なガラスフリットを基板面から除去した。発生するダストはサイクロン気流を用いた粒子の遠心力作用で捕捉して回収した。不要なガラスフリットを除去した後、前記シリコン基板を、近赤外線炉を利用しながら約620℃の温度で焼成することによって受光面電極4を形成した。
比較例1
比較例1の太陽電池セルの作製工程は図4の工程Bにしたがって行なった。ステップ1〜4までは、実施例1と同じ工程である。但しステップ5において用いた導電性ペーストの成分は、実施例1と基本的には同一であるが、ガラスフリットをペースト質量に対して1.5質量%含んでいる。なおガラスフリットの仕様は実施例1と同じである。また粘性調整のためカルビトール系有機溶媒については24質量部としている。
ステップ5で、ガラスフリット含有のペーストを印刷し、温度620℃で焼成することで比較例1の太陽電池セルを作製した。
比較例1の太陽電池セルの作製工程は図4の工程Bにしたがって行なった。ステップ1〜4までは、実施例1と同じ工程である。但しステップ5において用いた導電性ペーストの成分は、実施例1と基本的には同一であるが、ガラスフリットをペースト質量に対して1.5質量%含んでいる。なおガラスフリットの仕様は実施例1と同じである。また粘性調整のためカルビトール系有機溶媒については24質量部としている。
ステップ5で、ガラスフリット含有のペーストを印刷し、温度620℃で焼成することで比較例1の太陽電池セルを作製した。
<性能評価>
上記実施例1、比較例1に従って作製された太陽電池の有する特性の評価結果を表2に示す。
上記実施例1、比較例1に従って作製された太陽電池の有する特性の評価結果を表2に示す。
(1)純銀の比抵抗の比率
電極の比抵抗値(R1)と純銀の比抵抗値(R2)の比率(R2/R1)を測定したところ、実施例1(実験4G、8G、12G)は、いずれも比較例1よりも低い値となっており、純銀に近い抵抗値であることが認められた。
(2)電極の接着強度
接着強度は次の試験方法にしたがって行なった。幅1mm長さ50mm厚さ80μmの銅リボンの片方の端部1mm2を焼成後電極面に半田で取付けて後、他の端部に応力測定ゲージを接続した状態で、銅リボンがシリコン面に対して垂直となるように引張応力を与えて銅リボンがシリコン面より剥離する時の最大応力を測定した。
電極の比抵抗値(R1)と純銀の比抵抗値(R2)の比率(R2/R1)を測定したところ、実施例1(実験4G、8G、12G)は、いずれも比較例1よりも低い値となっており、純銀に近い抵抗値であることが認められた。
(2)電極の接着強度
接着強度は次の試験方法にしたがって行なった。幅1mm長さ50mm厚さ80μmの銅リボンの片方の端部1mm2を焼成後電極面に半田で取付けて後、他の端部に応力測定ゲージを接続した状態で、銅リボンがシリコン面に対して垂直となるように引張応力を与えて銅リボンがシリコン面より剥離する時の最大応力を測定した。
実施例1の、実験8Gと実験12Gでは1.2kg/mm2と十分な強度でシリコンの剥離が観察され、比較例1の電極の接着強度に匹敵する強度が確保されていた。実験4Gは周辺で僅かに電極剥がれが見られたが太陽電池の特性の測定には何ら支障はなかった。
(3)発電性能
完成した太陽電池の発電性能は次の試験方法にしたがって取得した。太陽電池の表裏の各電極に電気特性計測装置を接続して、擬似太陽光(光源種類AM1.5)を照射した状態で、出力電流と出力電圧の値から曲線因子、効率を算出した。
(3)発電性能
完成した太陽電池の発電性能は次の試験方法にしたがって取得した。太陽電池の表裏の各電極に電気特性計測装置を接続して、擬似太陽光(光源種類AM1.5)を照射した状態で、出力電流と出力電圧の値から曲線因子、効率を算出した。
太陽光を照射したときの発電性能についてみると、ペースト中にフリットを含むペーストで電極を形成した比較例と遜色のない電流、電圧が得られながらも曲線因子FF値は比較例の0.743よりも改善して、実験4G、8G、12Gのいずれのサンプルにおいても、良好な0.76付近のFF値を示した。曲線因子FFはセルの直列抵抗にかかわるものであり、FFの大きいことは直列抵抗が小さいことを示している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、電極用のペースト材料から、従来技術では不可欠とされていたガラスフリットを除去し太陽電池用の電極の製造を可能として、電極比抵抗および接触抵抗を小さくして、基板との接着強度を維持した太陽電池の電極として有用である。
1 基板、2 n+層、3 反射防止膜、4 受光面電極、5 p+層、6 裏面電極、20 基板、21 銀、22 フリット。
Claims (5)
- 金属粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒を主成分とし、フリットを含まないペースト材料で形成されたことを特徴とする太陽電池の電極。
- フリットはペースト材料の焼結後に生成する焼結金属とそれに接する層の間に介在し、焼結金属の内部には実質的には存在しないことを特徴とする請求項1記載の電極。
- 基板の片側にフリットを付着する工程と、該ガラスフリット上に金属粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒を主成分するペースト材料を塗布する工程を含む太陽電池の電極の製造方法。
- シリコン基板上にn+層を形成する工程、該n+層上に反射防止膜を形成する工程、フリットを付着する工程、該フリット上に銀粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒を主成分するペースト材料を塗布する工程と、該ペースト材料を焼結する工程を含む太陽電池の電極の製造方法。
- ペースト材料は、金属の塩化物、臭化物又はフッ化物を含むことを特徴とする請求項3または4記載の電極の製造方法。
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