JP4255460B2 - 導電性ペースト、電極、太陽電池及び太陽電池の製造方法 - Google Patents
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Description
実施例1に係る導電性ペーストは、銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とを主成分とし、かつ、少なくとも1種類の塩化物である塩化銀(AgCl)が添加されたものとなっている。すなわち、本実施例1では、平均粒径が約1μmとされた銀粉末100重量部に対し、ホウケイ酸鉛系ガラス粉末を3重量部、エチルセルロース及びテレピネオールからなる有機質ビヒクルを10重量部、カルビトール系有機溶媒を20重量部ずつ加え合わせ、かつ、銀粉末100重量部に対して0.005%、0.01%、0.1%ずつのAgClを加え合わせたうえ、乳鉢及び3本ロールを使用しながら混練及び分散することによって表1中のペーストNo.1〜3で示される導電性ペーストのそれぞれを調整している。また、これらの比較対象となる導電性ペースト、つまり、銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とからなり、AgClが加えられていない導電性ペーストを比較例1として調整することも行っている。
実施例2に係る導電性ペーストは、銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とを主成分としており、塩化物である塩化パラジウム(PdCl2)が添加されたものとなっている。本実施例2においては、銀粉末100重量部に対し、ホウケイ酸鉛系ガラス粉末を3重量部、エチルセルロース及びテレピネオールからなる有機質ビヒクルを10重量部、カルビトール系有機溶媒を20重量部ずつ加え合わせ、かつ、銀粉末100重量部に対して0.005%、0.01%、0.1%ずつのPdCl2をさらに加え合わせたうえ、乳鉢及び3本ロールを使用しながら混練及び分散して表2中のペーストNo.4〜6で示される導電性ペーストを調整している。
実施例3に係る導電性ペーストは、銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とを主成分としており、塩化物であるPtCl2の他、第5族元素化合物である五酸化リンも添加されている。すなわち、本実施例3では、銀粉末100重量部に対し、ホウケイ酸鉛系ガラス粉末を3重量部、エチルセルロース及びテレピネオールからなる有機質ビヒクルを10重量部、五酸化リンを0.1重量部、カルビトール系有機溶媒を20重量部ずつ加え合わせ、かつ、銀粉末100重量部に対して0.005%、0.01%、0.1%ずつのPtCl2を加え合わせたうえ、乳鉢及び3本ロールを使用しながら混練及び分散することによって表3中のペーストNo.7〜9で示される導電性ペーストのそれぞれを調整している。
実施例4に係る導電性ペーストは、銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とを主成分としており、塩化物であるIrCl3の他、第5族元素化合物である五酸化リンも添加されたものとなっている。本実施例3では、銀粉末100重量部に対し、ホウケイ酸鉛系ガラス粉末を3重量部、エチルセルロース及びテレピネオールからなる有機質ビヒクルを10重量部、五酸化リンを0.1重量部、カルビトール系有機溶媒を20重量部ずつ加え合わせ、かつ、銀粉末100重量部に対して0.005%、0.01%、0.1%ずつのIrCl3をさらに加え合わせたうえ、乳鉢及び3本ロールを使用しながら混練及び分散することによって表4中のペーストNo.10〜12で示される導電性ペーストを調整している。
実施例5に係る導電性ペーストは、銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とを主成分とし、少なくとも1種類の臭化物であるところの臭化銀(AgBr)が添加されたものとなっている。すなわち、本実施例5では、平均粒径が約1μmとされた銀粉末100重量部に対し、ホウケイ酸鉛系ガラス粉末を3重量部、エチルセルロース及びテレピネオールからなる有機質ビヒクルを10重量部、カルビトール系有機溶媒を20重量部ずつ加え合わせ、かつ、銀粉末100重量部に対して0.005%、0.01%、0.1%ずつのAgBrを加え合わせたうえ、乳鉢及び3本ロールを使用しながら混練及び分散することによって表5中のペーストNo.13〜15で示される導電性ペーストのそれぞれを調整している。また、これらの比較対象となる導電性ペースト、つまり、銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とからなり、AgBrが加えられていない導電性ペーストを改めて比較例3として調整することも行っている。引き続き、実施例1と同様の形成プロセスに従って受光面電極4を形成し、かつ、太陽電池を作製したうえで特性を調査してみたところ、表5で示すような調査結果が得られた。すなわち、この調査結果によれば、本実施例5に係る導電性ペースト、つまり、AgBrを0.005%以上添加してなるペーストNo.13〜15のそれぞれを用いてなる受光面電極4が形成された太陽電池では、比較例3の導電性ペーストを用いて受光面電極4が形成された太陽電池と比べて接触抵抗が低減された結果、FFが向上し、かつ、反射防止膜3に対するFFの依存性が小さくなっている。その結果、本実施例5に係る導電性ペーストを用いることによって受光面電極4を形成した際には、変換効率の向上した太陽電池が得られることになる。
実施例6に係る導電性ペーストは、銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とを主成分とし、臭化物である臭化インジウム(InBr3)が添加されている。本実施例6においては、銀粉末100重量部に対し、ホウケイ酸鉛系ガラス粉末を3重量部、エチルセルロース及びテレピネオールからなる有機質ビヒクルを10重量部、カルビトール系有機溶媒を20重量部ずつ加え合わせており、さらに、銀粉末100重量部に対して0.005%、0.01%、0.1%ずつのInBr3を加え合わせたうえ、乳鉢及び3本ロールを使用しながら混練及び分散して表6中のペーストNo.16〜18で示される導電性ペーストを調整している。
実施例7に係る導電性ペーストは、銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とを主成分としており、臭化物であるCsBrの他、第5族元素化合物である五酸化リンも添加されている。すなわち、本実施例7では、銀粉末100重量部に対し、ホウケイ酸鉛系ガラス粉末を3重量部、エチルセルロース及びテレピネオールからなる有機質ビヒクルを10重量部、五酸化リンを0.1重量部、カルビトール系有機溶媒を20重量部ずつ加え合わせた後、銀粉末100重量部に対して0.005%、0.01%、0.1%ずつのCsBrをさらに加え合わせたうえ、乳鉢及び3本ロールを使用しながら混練及び分散することによって表7中のペーストNo.19〜21で示される導電性ペーストを調整している。
実施例8に係る導電性ペーストは、銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とを主成分としており、臭化物であるNiBr2の他、五酸化リンも添加されている。本実施例8では、銀粉末100重量部に対し、ホウケイ酸鉛系ガラス粉末を3重量部、エチルセルロース及びテレピネオールからなる有機質ビヒクルを10重量部、五酸化リンを0.1重量部、カルビトール系有機溶媒を20重量部ずつ加え合わせ、かつ、銀粉末100重量部に対して0.005%、0.01%、0.1%ずつのNiBr2を加え合わせたうえ、乳鉢及び3本ロールを使用しながら混練及び分散することによって表8中のペーストNo.22〜24で示される導電性ペーストを調整している。
実施例9に係る導電性ペーストは、銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とを主成分とし、かつ、少なくとも1種類のフッ化物であるところのフッ化リチウム(LiF)が添加されたものとなっている。すなわち、本実施例9では、平均粒径が約1μmとされた銀粉末100重量部に対し、ホウケイ酸鉛系ガラス粉末を3重量部、エチルセルロース及びテレピネオールからなる有機質ビヒクルを10重量部、カルビトール系有機溶媒を20重量部ずつ加え合わており、さらに、銀粉末100重量部に対して0.005%、0.01%、0.1%ずつのLiFを加え合わせたうえ、乳鉢及び3本ロールを使用しながら混練及び分散することによって表9中のペーストNo.25〜27で示される導電性ペーストのそれぞれを調整している。また、比較対象となる導電性ペースト、つまり、銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とからなり、LiFが加えられていない導電性ペーストも改めて比較例5として調整されている。
実施例10に係る導電性ペーストは、銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とを主成分としており、フッ化物であるNiF2の他、第5族元素化合物である五酸化リンも添加されている。すなわち、本実施例10では、銀粉末100重量部に対し、ホウケイ酸鉛系ガラス粉末を3重量部、エチルセルロース及びテレピネオールからなる有機質ビヒクルを10重量部、五酸化リンを0.1重量部、カルビトール系有機溶媒を20重量部ずつ加え合わせた後、銀粉末100重量部に対して0.005%、0.01%、0.1%ずつのNiF2を加え合わせたうえ、乳鉢及び3本ロールを使用しながら混練及び分散することによって表10中のペーストNo.28〜30で示される導電性ペーストを調整している。
実施例11に係る導電性ペーストは、銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とを主成分としており、フッ化物であるAlF3の他、五酸化リンも添加されている。本実施例11では、銀粉末100重量部に対し、ホウケイ酸鉛系ガラス粉末を3重量部、エチルセルロース及びテレピネオールからなる有機質ビヒクルを10重量部、五酸化リンを0.1重量部、カルビトール系有機溶媒を20重量部ずつ加え合わせ、かつ、銀粉末100重量部に対して0.005%、0.01%、0.1%ずつのAlF3を加え合わせたうえ、乳鉢及び3本ロールを使用しながら混練及び分散することによって表11中のペーストNo.31〜33で示される導電性ペーストを調整している。
2 n+層
3 反射防止膜
4 受光面電極
5 p+層
6 裏面電極
Claims (11)
- シリコン基板上に酸化チタン又は窒化ケイ素を介して配置して電極を形成するために用いられる導電性ペーストであって、
銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とを主成分とし、塩化物が添加されていることを特徴とする導電性ペースト。 - 請求項1に記載の導電性ペーストであって、塩化物は、塩化銀、塩化パラジウム、塩化プラチナ又は塩化イリジウムであることを特徴とする導電性ペースト。
- シリコン基板上に酸化チタン又は窒化ケイ素を介して配置して電極を形成するために用いられる導電性ペーストであって、
銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とを主成分とし、臭化物が添加されていることを特徴とする導電性ペースト。 - 請求項3に記載の導電性ペーストであって、臭化物は、臭化銀、臭化インジウム、臭化セシウム又は臭化ニッケルであることを特徴とする導電性ペースト。
- シリコン基板上に酸化チタン又は窒化ケイ素を介して配置して電極を形成するために用いられる導電性ペーストであって、
銀粉末と、ガラス粉末と、有機質ビヒクルと、有機溶媒とを主成分とし、フッ化物が添加されていることを特徴とする導電性ペースト。 - 請求項5に記載の導電性ペーストであって、フッ化物は、フッ化リチウム、フッ化ニッケル又はフッ化アルミニウムであることを特徴とする導電性ペースト。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の導電性ペーストであって、第5族元素化合物が添加されていることを特徴とする導電性ペースト。
- 請求項7に記載の導電性ペーストであって、第5族元素化合物は酸化リンであることを特徴とする導電性ペースト。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載の導電性ペーストを用いて形成された電極。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載の導電性ペーストを用いて形成された電極を備える太陽電池。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載の導電性ペーストを、シリコン基板上に酸化チタン又は窒化ケイ素を介して配置した後に、焼成して電極を形成することを特徴とする太陽電池の製造方法。
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