JP2002298651A - 導体ペースト及びその製造方法 - Google Patents

導体ペースト及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Pd等の高価な貴金属を多量に用いたり或い
はNiめっき処理等を別途行うことなく、実用上充分な
レベルの半田耐熱性を有する膜状導体を形成し得る導体
ペーストを提供すること。 【解決手段】 上記半田耐熱性を実現する本発明の導体
ペーストは、金属粉末を主成分とする導体ペーストであ
って、その金属粉末は、表面が有機系金属化合物でコー
ティングされたAg又はAg主体の合金から成る微粒子
から実質的に構成されたものであり、その有機系金属化
合物は、Al、Zr、Ti、Y、Ca、Mg及びZnか
ら成る群から選択されるいずれかの元素を主構成金属元
素とする有機酸金属塩、金属アルコキシド又はキレート
化合物であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、セラミック基板
等に膜状導体を形成する用途に用いられる導体ペースト
に関する。
【0002】
【従来の技術】 ハイブリッドIC、マルチチップモジ
ュール等を構築するのに用いられるセラミック配線基板
その他のセラミック電子部品に所定パターンの膜状導体
(配線、電極等)を形成する材料として導体ペーストが
使用されている。この導体ペーストは、導体を形成する
主成分たる金属粉末と必要に応じて添加される種々の添
加剤(無機結合剤、ガラスフリット、フィラー等)とを
所定の有機媒質(ビヒクル)に分散させることにより調
製される導体形成材料である。かかる導体ペーストは、
スクリーン印刷等の一般的な手法によりセラミック基板
等に印刷・塗布される。次いで、当該塗布物(塗膜)を
適当な温度で焼成する(焼き付ける)ことにより、当該
セラミック基板等のセラミック電子部品上に所定パター
ンの膜状導体が形成される。このような導体ペーストと
して典型的なものに、金属粉末として銀(Ag)を主体
に構成されたものがある(以下「Agペースト」と略称
する。)。Ag粉末は金(Au)、白金(Pt)、パラ
ジウム(Pd)等と比較して安価に入手できるものであ
り、さらに電気的抵抗度も低い。このため、Agペース
トは各種電子部品に膜状導体を形成する用途に広く使用
されている。
【0003】ところで、上記用途のAgペーストには、
従来、次のような問題点があった。すなわち、金属粉末
がAgのみから成るAgペーストを使用して形成された
膜状導体は、いわゆる半田耐熱性が低かった。このた
め、膜状導体に種々の素子を半田付けする際の高熱によ
って所謂「半田くわれ(典型的には膜状導体に含まれる
Agの半田への溶解)」が生じる場合があった。そのよ
うな半田耐熱性が低いこと、即ち顕著な半田くわれの発
生は、膜状導体から成る回路と素子の接合性を劣化さ
せ、延いては断線その他の導通不良の原因ともなるため
好ましくない。従って、かかる半田くわれを防止するた
め、換言すれば半田耐熱性を向上させるため、従来、A
gから成る導体の表面に更にニッケル(Ni)や銅(C
u)のめっき皮膜を形成する場合があった。膜状導体の
表面にNiめっき皮膜等が形成されるとそれがバリアー
の働きをしてAgベース導体の半田くわれを防止するこ
とができるからである。しかし、このような金属めっき
処理を別途行うことは、セラミック基板(例えば積層セ
ラミックコンデンサ)等のセラミック電子部品の製造工
程をより煩雑化するため、好ましくない。また、かかる
めっき処理工程の追加は、当該電子部品の生産コスト高
の要因ともなり得る。
【0004】また、半田くわれを軽減・防止する他の手
段として、Agのみから成るAgペーストに代えてAg
とパラジウム(Pd)との混成金属粉末又はAgと白金
(Pt)との混成金属粉末を主体とする導体ペーストが
用いられている。かかるペーストを用いて形成されたA
gとPd又はPtとから成る膜状導体によると、半田く
われの発生を軽減・抑止することができる。しかし、A
gとPd又はPtとから成る膜状導体は、Agのみから
成る導体に比べて所謂「半田濡れ(半田の付着具合)」
が劣るという問題点がある。また、PdやPtはAgと
比べて高価であり、セラミック電子部品の生産コスト高
の要因ともなる。従って、そのような高価な貴金属を多
量に用いたり或いはNiめっき等を別途施したりするこ
となく、半田耐熱性の向上した膜状導体を形成し得るA
gベースの導体ペーストがセラミックコンデンサ等の電
子部品製造分野において望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、セラミッ
ク基板等のセラミック電子部品を形成するためのAgペ
ーストに関する上記従来の課題を解決すべく創出された
ものであり、その目的とするところは、実用上充分なレ
ベルの半田濡れ性及び半田耐熱性をともに実現したAg
ベースの導体ペースト及びその製造方法を提供すること
である。また、本発明の他の目的は、そのような導体ペ
ーストを用いてセラミック電子部品を製造する方法を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】 上記課題を解決する本
発明の導体ペーストは、金属粉末を主成分とし、その金
属粉末は表面が有機系金属化合物でコーティングされた
Ag又はAg主体の合金から成る微粒子(粒子群)から
実質的に構成されたものである。そして、その有機系金
属化合物は、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Z
r)、チタン(Ti)、イットリウム(Y)、カルシウ
ム(Ca)、マグネシウム(Mg)及び亜鉛(Zn)か
ら成る群から選択されるいずれかの元素を構成金属元素
とする有機酸金属塩、金属アルコキシド又はキレート化
合物である。
【0007】本発明者は、上記した類の有機系金属化合
物(即ち各種の金属を含有する有機化合物のことであり
特に炭素−金属結合の有無を問わない。以下同じ。)で
Ag又はAg主体の合金から成る微粒子(粉体)をコー
ティングすることによって、そのAgベースの微粒子か
ら成る焼成物(膜状導体)の半田耐熱性を著しく向上さ
せ得ることを見出し、本発明の導体ペーストを創出し
た。上記構成の導体ペーストによると、従来のAgペー
ストと比較して半田耐熱性が向上した膜状導体を形成す
ることができる。すなわち、本発明のペーストによる
と、従来のAgペーストに劣らない半田濡れ性を具備す
ると共に、顕著な半田くわれが生じない実用上充分なレ
ベルの半田耐熱性を備えた膜状導体をセラミック基材に
形成する(焼き付ける)ことができる。
【0008】本発明のペーストとして好ましいもので
は、上記有機系金属化合物のコーティング量(含有量)
は、その金属の酸化物換算(即ち当該有機系金属化合物
を焼成した際に得られる金属酸化物(例えばAl2O3やZrO
2)に換算した場合の重量)で、ペースト中に含まれる
上記微粒子全量の0.01〜2.0wt%に相当する量で
あることを特徴とする。本構成の導体ペーストによる
と、Agのみから成る膜状導体と同等の低抵抗率(即ち
充分な導電性)を維持しつつ実用上充分なレベルの半田
濡れ性及び半田耐熱性を共に実現することができる。
【0009】また、本発明のペーストとして好ましい他
のものでは、上記微粒子(微粒子群即ち粉体)の平均粒
径が2.0μm以下であることを特徴とする。本構成の
導体ペーストによると、実用性に優れる半田濡れ性及び
半田耐熱性を具備すると共に、抵抗増大や断線等の要因
ともなり得る顕著なポアの発生が少なく、さらに、セラ
ミック基材との接着強度に優れる緻密構造のAgベース
膜状導体を形成することができる。例えば、積層セラミ
ックコンデンサの幅広面(表面)に緻密な膜状導体(以
下「表面導体膜」という。)を形成することができる。
あるいは、そのような積層型セラミック電子部品の側面
(表面導体膜形成面に隣接するいずれかの面をいう。以
下同じ。)に、いわゆる端子電極等の膜状導体(以下
「側面導体膜」という。)を形成することができる。
【0010】また、本発明は、上述の導体ペーストを好
適に製造する方法を提供する。すなわち、本発明によっ
て提供される金属粉末を主成分とする導体ペーストの製
造方法は、(a)Ag又はAg主体の合金から成る微粒
子の表面を有機系金属化合物でコーティングすることに
よって金属粉末を調製する工程と、(b)そのコーティ
ングされた金属粉末を有機媒質(ビヒクル)中に分散さ
せる工程とを包含し、ここで上記有機系金属化合物はA
l、Zr、Ti、Y、Ca、Mg及びZnから成る群か
ら選択されるいずれかの元素を構成金属元素とする有機
酸金属塩、金属アルコキシド又はキレート化合物である
ことを特徴とする。本構成の導体ペースト製造方法によ
ると、上述した本発明の導体ペーストを好適に製造する
ことができる。
【0011】また、本発明は、上述の本発明の導体ペー
ストを用いてセラミック電子部品を製造する方法を提供
する。すなわち、本発明によって提供される、膜状導体
が形成されたセラミック基材を含むセラミック電子部品
の製造方法は、(a)次の性状の金属粉末すなわち「表
面が有機系金属化合物でコーティングされたAg又はA
g主体の合金から成る微粒子から実質的に構成されてお
り、その有機系金属化合物はAl、Zr、Ti、Y、C
a、Mg及びZnから成る群から選択されるいずれかの
元素を構成金属元素とする有機酸金属塩、金属アルコキ
シド又はキレート化合物である」金属粉末を主成分とす
る導体ペーストをセラミック基材に塗布する(即ち付着
させる)工程と、(b)その塗布されたペースト主成分
を焼成する工程とを包含する方法である。なお、本明細
書において「セラミック電子部品」とは、セラミック製
の基材(ベース)を有する電子部品一般をいう。従っ
て、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール類およ
びそれらを構成するセラミック配線基板、或いは積層セ
ラミックコンデンサ等は、本明細書において定義される
「セラミック電子部品」に包含される典型例である。
【0012】本発明のセラミック電子部品製造方法で
は、セラミック基材に具備される膜状導体(所定パター
ンの配線や電極)が上述の導体ペーストから形成される
結果、Agのみから成る膜状導体と同等の低抵抗率を維
持しつつ実用上充分なレベルの半田濡れ性及び半田耐熱
性を実現した膜状導体を備えたセラミック電子部品を製
造することができる。すなわち、かかる製造方法によっ
て、他の電子素子や回路と良好な接合性(高接合強度)
を有し、電気的特性及び機械的特性に優れるセラミック
電子部品を製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好適な実施形態
について詳細に説明する。本発明の導体ペーストは、上
述の金属粉末を主成分とすることで特徴付けられる電子
部品形成用ペーストであり、上記目的を達成し得る限り
において他の副成分の内容や組成に特に制限はない。本
発明に係る金属粉末は、Ag若しくはAg主体の合金
(例えばAg−Au合金、Ag−Pd合金)から実質的
に構成されている微粒子群(以下「Agベース微粒子」
と略称する。)と、その表面をコーティングする有機系
金属化合物とから実質的に構成される粉末である。かか
るAgベース微粒子としては、導電性付与の観点から、
Ag単体または比抵抗値が概ね1×103Ω・cm以下
(好ましくは1.8〜5.0×10-6Ω・cm、例えば
1.9〜3.0×10-6Ω・cm)の合金から成るもの
が適当である。また、特に限定するものではないが、緻
密構造の焼成膜を形成するという観点からは平均粒径が
2.0μm以下(好ましくは0.3〜1.0μm)のA
gベース微粒子が好ましい。また、そのような比較的微
小な平均粒径を有し且つ粒径10μm以上(特に好まし
くは粒径5μm以上)の粒子を実質的に含まないような
粒度分布の比較的狭いAgベース微粒子が特に好まし
い。
【0014】なお、特に限定するものではないが、表面
導体膜形成用ペーストと側面導体膜形成用ペーストとを
区別して製造する場合、側面導体膜形成用ペーストに含
まれるAgベース微粒子は、表面導体膜形成用ペースト
に含まれるAgベース微粒子よりも粒径が小さいほうが
好ましい。例えば、小型電子製品に搭載される多層セラ
ミック回路基板(例えば携帯電話機に備えられる低温焼
結型チップアンテナモジュール)の側面導体膜を形成す
るための導体ペーストに含ませるAgベース微粒子とし
ては、平均粒径0.5μm未満(典型的には0.3〜
0.5μm)のものが好ましい。このような粒径のAg
ベース微粒子を含むペーストを用いると、通常の表面導
体・側面導体よりも抵抗が低く、緻密な表面導体・側面
導体を形成することができる。また、表面導体膜よりも
緻密で低抵抗性の側面導体膜(端子電極等)を形成する
こともできる。他方、上記チップアンテナモジュール等
の表面導体膜及び/又は内部導体膜(いくつかのセラミ
ックシートを積層した際に、内部に埋設される膜状導体
をいう。以下同じ。)を形成するための導体ペーストに
含ませるAgベース微粒子としては、平均粒径が0.5
μm以上(典型的には0.5〜2.0μm)のものが好
ましい。このような粒径のAgベース微粒子を含む導体
ペーストを用いると、過大な焼成収縮の発生を抑えた表
面導体膜及び/又は内部導体膜を形成することができ
る。なお、Agベース微粒子自体は、従来公知の製造方
法によって製造されたものでよく、特別な製造手段を要
求するものではない。例えば、周知の還元析出法、気相
反応法、ガス還元法等によって製造されたAgベース微
粒子を使用することができる。
【0015】次に、Agベース微粒子の表面をコーティ
ングする有機系金属化合物について説明する。Agベー
ス微粒子のコーティングに使用する有機系金属化合物と
しては、最終的(焼成後)にAgベース微粒子の表面に
本発明の目的の実現に適う金属(金属酸化物又はその還
元物を含む)の被膜(即ち当該表面を被覆する付着物)
を形成し得るものであれば特に制限はない。Al、Z
r、Ti、Y、Ca、Mg及びZnから成る群から選択
されるいずれかの元素を構成金属元素とする有機酸金属
塩、金属アルコキシド又はキレート化合物が用いられ
る。例えば、好適な金属アルコキシドとしては、テトラ
プロポキシチタン(Ti(OC3H 7)4)等のチタン(IV)アルコキ
シド、アルミニウムエトキシド(Al(OC2H5)3)、アルミニ
ウムt-ブトキシド(Al(OC(CH3)3)3)、アセトアルコキシ
アルミニウムジイソプロピレート、アセトアルコキシア
ルミニウムエチルアセトアセテート、アセトアルコキシ
アルミニウムアセチルアセトネート等のアルミニウムア
ルコキシド、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムブ
トキシド等のジルコニウムアルコキシドの他、Zn、M
g、Ca等を中心金属原子(イオン)とする種々の多核
アルコラト錯体が挙げられる。また、好適なキレート化
合物としては、Zn、Mg、Ca等を中心金属原子(イ
オン)とするエチレンジアミン(en)錯体、エチレンジア
ミンテトラアセタト(edta)錯体等が挙げられる。或い
は、Ti、Zn、Mg等の金属(イオン)とキレートを
形成した所謂キレート樹脂も、本発明に係る有機系金属
化合物(キレート化合物)として好適である。あるい
は、本発明の他の実施形態として、上記のような有機系
金属化合物に代えて、種々の酸化物ゾル(典型的にはア
ルミナゾル、ジルコニアゾル等)を本発明のAgベース
微粒子コーティングに使用してもよい。すなわち、この
場合の導体ペーストは、アルミナ、ジルコニア等の金属
化合物(酸化物)で予めコーティングされたAgベース
微粒子を主成分とする。
【0016】また、本発明に係るAgベース微粒子のコ
ーティングに使用する有機系金属化合物として他の好適
なものは、Al、Zr、Ti、Y、Ca、Mg及びZn
から成る群から選択されるいずれかの元素を構成金属元
素とする有機酸金属塩である。特にAl又はZrを主構
成金属元素とする有機酸金属塩が好適である。また、本
発明者は、本発明とは解決すべき課題や目的が異なる高
温焼成対応貴金属粉末(即ち高温で焼成処理した貴金属
粉末:特開平8−7644号公報参照)を製造する際に
好ましく使用されるある種の有機酸金属塩が、本発明に
係る有機系金属化合物として好適であることを見出し
た。すなわち、本発明のAgベース微粒子コーティング
に使用する有機系金属化合物として好適な有機酸金属塩
は、上記列挙した元素を主構成金属元素とするカルボン
酸塩である。例えば、Al、Ca、Ti、Y又はZrと
各種脂肪酸(例えばナフテン酸、オクチル酸、エチルヘ
キサン酸)、アビエチン酸、ナフトエ酸等の有機酸との
化合物が挙げられる。特に好適な有機酸金属塩は、Al
又はZrとカルボン酸(特に脂肪酸)との化合物であ
る。このような組成の有機酸金属塩によってコーティン
グされたAgベース微粒子の焼成物は、特に高い半田耐
熱性や接着強度を実現する。従って、本発明の導体ペー
ストでは、後述する無機添加剤を添加しない場合でも、
実用上充分なレベルの半田耐熱性や接着強度を有する膜
状導体をセラミック基材に形成することができる。従っ
て、本発明の導体ペーストを用いると、Pd等の高価な
貴金属を大量に使用せずに且つ煩雑なメッキ処理を行う
ことなく、実用上充分なレベルの半田耐熱性や接着強度
を有する膜状導体(表面導体膜、側面導体膜、内部導体
膜等)をセラミック基材に形成することができる。
【0017】次に、Agベース微粒子表面への有機系金
属化合物のコーティング方法すなわち所定の有機系金属
化合物でコーティングされた金属粉末の製造方法につい
て説明する。本発明の実施に用いられる金属粉末は、そ
の主体たるAgベース微粒子表面に満遍なくほぼ均等に
有機系金属化合物がコーティングされればよく、そのコ
ーティング方法に特に制限はない。従って、従来知られ
ている金属粒子への有機物コーティング方法をそのまま
適用することができる。例えば、トルエン、キシレン、
各種アルコール等の適当な有機溶剤に所望の有機系金属
化合物を溶解若しくは分散する。次いで、得られた溶液
若しくは分散液(ゾル)にAgベース微粒子を添加し、
分散・懸濁する。この懸濁液を所定時間静置又は撹拌す
ることによって、当該懸濁液中のAgベース微粒子の表
面を目的の有機系金属化合物でコーティングすることが
できる。このとき、特に限定するものではないが、好ま
しくは有機系金属化合物のコーティング量が酸化物換算
でAgベース微粒子全量の0.01〜2.0wt%(典型
的には0.01〜1.0wt%、例えば0.01〜0.1
wt%)に相当する量となるように所望する有機系金属化
合物を金属粉末にコーティングする。かかるコーティン
グ量が酸化物換算でAgベース微粒子の0.01wt%に
相当する量よりも少なすぎる場合には、コーティングの
効果が希薄であり、本発明に関する目的を達成し難い。
他方、かかるコーティング量が酸化物換算でAgベース
微粒子の2.0〜3.0wt%に相当する量よりも過剰に
多い場合には、Ag系金属粉末本来の電気的特性等の諸
機能が損なわれる虞があるため好ましくない。
【0018】特に表面導体膜形成用ペーストでは、かか
るコーティング量が酸化物換算でAgベース微粒子の
0.025〜2.0wt%に相当する量であることが好ま
しい。焼成後のコーティング物質がアルミナである場
合、即ちAlを構成元素とする有機酸金属塩、金属アル
コキシド、キレート化合物等の有機系金属化合物又はア
ルミナ(酸化アルミニウム)それ自体でAgベース微粒
子をコーティングする場合、そのコーティング量が酸化
物換算でAgベース微粒子の0.1〜2.0wt%に相当
する量(例えば0.2〜1.0wt%)であることが特に
好ましい。また、表面導体膜形成用ペーストであって焼
成後のコーティング物質がジルコニアである場合、即ち
Zrを構成元素とする有機酸金属塩、金属アルコキシ
ド、キレート化合物等の有機系金属化合物又はジルコニ
ア(酸化ジルコニウム)それ自体でAgベース微粒子を
コーティングする場合、そのコーティング量が酸化物換
算でAgベース微粒子の0.025〜1.0wt%に相当
する量(例えば0.025〜0.5wt%)であることが
特に好ましい。かかるコーティング量の導体ペースト
は、焼成時に過度の収縮が起こり難く、セラミック基材
(アルミナ、ジルコニア等)と導体膜との間に過大な焼
成収縮率差が生じるのを防止し得る。このため、接着特
性に優れ、剥離やクラック等の顕著な構造欠陥のないセ
ラミック電子部品を製造することができる。かかる導体
ペーストは、内部導体膜形成用途としても好適である。
【0019】また、特に限定しないが、側面導体膜形成
用ペーストとしては、コーティング量が酸化物換算でA
gベース微粒子の0.01〜1.0wt%に相当する量で
あることが好ましい。焼成後のコーティング物質がアル
ミナである場合、即ちAlを構成元素とする有機酸金属
塩、金属アルコキシド、キレート化合物等の有機系金属
化合物又はアルミナ(酸化アルミニウム)それ自体でA
gベース微粒子をコーティングする場合、そのコーティ
ング量が酸化物換算でAgベース微粒子の0.01〜
1.0wt%に相当する量(例えば0.0125〜0.1
wt%)であることが特に好ましい。また、側面導体膜形
成用ペーストであって焼成後のコーティング物質がジル
コニアである場合、即ちZrを構成元素とする有機酸金
属塩、金属アルコキシド、キレート化合物等の有機系金
属化合物又はジルコニア(酸化ジルコニウム)それ自体
でAg系金属粉末をコーティングする場合、そのコーテ
ィング量が酸化物換算でAg系金属粉末の0.025〜
1.0wt%に相当する量(例えば0.025〜0.5wt
%)であることが特に好ましい。
【0020】次に、本発明の導体ペーストに含ませ得る
副成分として好適なものについて説明する。本発明の導
体ペーストの副成分として、上記金属粉末を分散させて
おく有機媒質(ビヒクル)が挙げられる。本発明の実施
にあたっては、かかる有機ビヒクルは金属粉末を分散さ
せておくものであればよく、従来の導体ペーストに用い
られているものを特に制限なく使用することができる。
例えば、エチルセルロース等のセルロース系高分子、エ
チレングリコール及びジエチレングリコール誘導体、ト
ルエン、キシレン、ミネラルスピリット、ブチルカルビ
トール、ターピネオール等の高沸点有機溶媒が挙げられ
る。
【0021】また、本発明の導体ペーストには、当該ペ
ースト本来の導電性(低抵抗率)、半田濡れ性、半田耐
熱性、接着強度等を著しく損なわない限りにおいて種々
の無機添加剤を副成分として含ませることができる。例
えば、かかる無機添加剤としては、ガラス粉末、無機酸
化物、その他種々のフィラー等が挙げられる。特に若干
量のガラス粉末及び/又は無機酸化物の添加が好適であ
る。すなわち、ガラス粉末は、セラミック基材上に付着
したペースト成分を安定的に焼き付き・固着させること
(即ち接着強度の向上)に寄与する無機成分(無機結合
材)となり得る。特に酸化物ガラスが好ましい。酸化物
ガラス粉末は、セラミック基材上に付着したペースト成
分を安定的に焼き付き・固着させること(即ち接着強度
の向上)に寄与する無機成分(無機結合材)となり得
る。後述する焼成温度との関係から、軟化点が概ね80
0℃以下のものが好ましい。そのようなガラス粉末とし
て、鉛系、亜鉛系及びホウケイ酸系ガラスが挙げられ、
典型的には、PbO−SiO2−B23系ガラス、Pb
O−SiO2−B23−Al23系ガラス、ZnO−S
iO2系ガラス、ZnO−B23−SiO2系ガラス、B
23−SiO2系ガラス及びBi23−B23−Si
2系ガラスから成る群から選択される一種又は二種以
上のガラス粉末を使用するのが適当である。また、使用
するガラス粉末としては、その比表面積が概ね0.5〜
50m2/gであるものが好ましく、平均粒径が2μm
以下(特に1μm程度又はそれ以下)のものが特に好適
である。
【0022】また、無機酸化物は、セラミック基材と膜
状導体との間の接着強度の向上に寄与し得る。さらに、
本発明の導体ペーストから形成された膜状導電体の焼成
時に過大な焼成収縮応力が生じるのを防止し、製造しよ
うとするセラミック電子部品の精度や機械的強度を実用
上高レベルに維持することに寄与する無機成分となり得
る。そのような金属酸化物として、酸化銅、酸化鉛、酸
化ビスマス、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化マグネ
シウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化タングステン
等が挙げられる。これらのうち、酸化銅、酸化鉛、酸化
ビスマスが、特に好適な酸化物である。なかでも酸化ビ
スマスは、Ag系金属粉末の焼結を促進するとともに、
Agとセラミック基材(アルミナ等)との濡れ性を向上
させ得るため、特に好適な無機酸化物である。また、酸
化銅は基板との密着性を向上させ得る。また、使用する
金属酸化物としては、ペーストの充填率や分散性を適切
化するという観点から、平均粒径が5μm以下(典型的
には1〜5μm、特に好ましくは1μm以下)の粉末が
好ましい。また、比表面積については、少なくとも0.
5m2/gである粉体が好ましく、1.0m2/g以上
(典型的には1.0〜2.0m2/g、特に好ましくは
2.0〜100m2/g)である粉体が特に好ましい。
【0023】また、本発明の導体ペーストには、当該ペ
ースト本来の導電性(低抵抗率)、半田濡れ性、半田耐
熱性、接着強度等を著しく損なわない限りにおいて種々
の有機添加剤を副成分として含ませることができる。例
えば、かかる有機添加剤としては、各種の有機バインダ
ー、セラミック基材との密着性向上を目的としたシリコ
ン系、チタネート系及びアルミニウム系等の各種カップ
リング剤等が挙げられる。有機バインダーとしては、例
えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
アルキド樹脂、セルロース系高分子、ポリビニルアルコ
ール等をベースとするものが挙げられる。本発明の導体
ペーストに良好な粘性及び塗膜(基材に対する付着膜)
形成能を付与し得るものが好適である。また、本発明の
導体ペーストに光硬化性(感光性)を付与したい場合に
は、種々の光重合性化合物及び光重合開始剤を適宜添加
してもよい。
【0024】なお、上記の他にも本発明の導体ペースト
には、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、可塑剤、増粘
剤、酸化防止剤、分散剤、重合禁止剤等を適宜添加する
ことができる。これら添加剤は、従来の導体ペーストの
調製に用いられ得るものであればよく、詳細な説明は省
略する。
【0025】次に、本発明に係る導体ペーストの調製に
ついて説明する。本発明の導体ペーストは従来の導体ペ
ーストと同様、典型的には金属粉末と有機媒質(ビヒク
ル)を混和することによって容易に調製することができ
る。このとき、必要に応じて上述したような添加剤を添
加・混合するとよい。例えば、三本ロールミルその他の
混練機を用いて、金属粉末及び各種添加剤を有機ビヒク
ルとともに所定の配合比で直接混合し、相互に練り合わ
せる。
【0026】特に限定するものではないが、好ましく
は、主成分たる金属粉末の含有率がペースト全体の60
〜95wt%となるように各材料を混練するのがよく、7
0〜90wt%となるように混練するのが特に好ましい。
なお、表面導体膜形成用ペーストではかかる含有率が6
0〜80wt%(好適には65〜75wt%)となるように
混練するのが好ましい。他方、側面導体膜形成用Agペ
ーストではかかる含有率が75〜95wt%(好適には8
0〜90wt%)となるように混練するのが好ましい。ペ
ースト調製に用いられる有機ビヒクルの添加量は、ペー
スト全体のほぼ1〜40wt%となる量が適当であり、1
〜20wt%となる量が特に好ましい。また、無機添加剤
として上述のガラス粉末を加える場合には、金属粉末重
量の0.5wt%以下(より好ましくは0.25wt%以
下)程度の量を添加するのが好ましい。かかる低率の添
加量によると、本発明の導体ペーストの良好な導電率や
半田濡れ性を実質的に損なうことなく、本発明のペース
トから得られる焼成物(膜状導体)のセラミック基材に
対する接着強度の向上を実現することができる。他方、
無機添加剤として上述の無機酸化物を加える場合には、
金属粉末重量の5.0wt%以下(より好ましくは2.0
wt%以下、更に好ましくは1.0wt%以下、特に好まし
くは0.50wt%以下)程度の量を添加するのが好まし
い。かかる低率の添加量によると、本発明の導体ペース
トの良好な導電率や半田濡れ性を実質的に損なうことな
く、本発明のペーストから得られる焼成物(膜状導体)
のセラミック基材に対する接着強度の向上及び焼成収縮
の抑制を実現することができる。
【0027】接着強度の向上は、特に側面導体膜(端子
電極等)について問題となる性質である。従って、セラ
ミック基材としてアルミナ等の酸化物セラミックス製の
ものを使用し、表面導体膜形成用ペーストと側面導体膜
形成用ペーストとを用いてセラミック電子部品を製造す
る場合には、側面導体膜形成用ペーストに副成分として
無機酸化物粉末を比較的高率に含有させるとよい。一
方、表面導体膜形成用ペーストには、かかる無機酸化物
粉末を必ずしも含有させる必要はなく、接着強度向上の
観点から無機酸化物粉末を含有させる場合であっても、
その含有率は、側面導体膜形成用ペーストの無機酸化物
粉末含有率よりも低くてよい。例えば、側面導体膜形成
用ペーストに酸化ビスマス、酸化銅等の無機酸化物粉末
を含ませる場合、Agベース微粒子の0.001〜5.
0wt%(より好ましくは0.005〜2.0wt%)とな
る比率で含ませるのが好ましい。他方、表面導体膜形成
用Agペーストは、かかる無機酸化物粉末を実質的に含
有しないか、その含有率がAg系金属粉末の0.01wt
%未満であるものが好ましい。特に酸化物ガラス粉末を
比較的多量に含有させることは、導体抵抗の上昇を招く
虞がある。なお、各成分の含有率・配合比等に係る上記
数値範囲は厳密に解釈すべきでなく、本発明の目的を達
成し得る限りかかる範囲からの若干の逸脱を許容するも
のである。
【0028】次に、本発明の導体ペーストを用いた膜状
導体形成に係る好適例について説明する。本発明の導体
ペーストは、セラミック製の基材(基板)上に配線、電
極等の膜状導体を形成するのに従来用いられてきた導体
ペーストと同様に取り扱うことができ、従来公知の方法
を特に制限なく採用することができる。典型的には、ス
クリーン印刷法やディスペンサー塗布法等によって、所
望する形状・厚みとなるようにして導体ペーストをセラ
ミック基材(基板)に塗りつける。次いで、好ましくは
乾燥後、加熱器中で適当な加熱条件(典型的には最高焼
成温度が概ね500〜960℃、好ましくはAgの融点
を超えない温度域、例えば700〜960℃特には80
0〜900℃)で所定時間加熱することによって、その
塗りつけられたペースト成分を焼成(焼き付け)・硬化
させる。この一連の処理を行うことによって、目的の膜
状導体(配線、電極等)が形成されたセラミック電子部
品(例えばハイブリッドICやマルチチップモジュール
の構築用セラミック配線基板)が得られる。而して、当
該セラミック電子部品を組み立て材料として用いつつ従
来公知の構築方法を適用することによってさらに高度な
セラミック電子部品(例えばハイブリッドICやマルチ
チップモジュール)を得ることができる。なお、かかる
構築方法自体は、特に本発明を特徴付けるものではない
ため、詳細な説明は省略する。なお、用途限定を意図す
るものではないが、上述のとおり、本発明の導体ペース
トによると従来のものよりも半田耐熱性や接着強度に優
れる膜状導体を形成することができる。このため、本発
明の導体ペーストは、膜厚が10〜30μm程度の導体
の形成のみならず、10μm以下の比較的薄い膜厚の導
体を形成する用途にも好適である。
【0029】
【実施例】 以下、本発明に関するいくつかの実施例を
説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定す
ることを意図したものではない。
【0030】<実施例1:本発明の導体ペーストの調製
(1)>本実施例では、金属粉末のベースとして、一般
的な湿式法により調製された平均粒径が0.8〜1.0
μmの範囲にある略球状のAg粉末を使用した。但し、
後述する表中において0.8≫1.0と示すように、粒径約
0.8μmの粒子が粒径約1.0μmの粒子よりも富む
粒度分布である。一方、有機系金属化合物として、アル
ミニウムアルコキシド(ここではアセトアルコキシアル
ミニウムジイソプロピレート)を用いた。而して、適当
な有機溶剤(ここではメタノール)に上記アルミニウム
アルコキシドを添加し、濃度5〜100g/lのコーテ
ィング用溶液を調製した。次いで、かかる溶液中に上記
Ag粉末を適当量懸濁させ、適宜撹拌しつつ1〜3時間
懸濁状態を維持した。その後、Ag粉末を回収し、60
〜110℃で通風乾燥した。以上の処理によって、酸化
アルミニウム(Al2O3)換算でAg粉末の略0.012
5wt%となる量の上記アルミニウムアルコキシドによっ
て表面がほぼ均等にコーティングされたAg粉末(以下
「AlコーティングAg粉末」という。)を得た。
【0031】次に、上記得られたAlコーティングAg
粉末を使用して導体ペーストを調製した。すなわち、最
終的なペースト濃度(重量比)がAlコーティングAg
粉末87wt%および残部が溶剤(ここではターピネオー
ル)となるように使用材料を秤量し、三本ロールミルを
用いて混練した。これにより、本実施例に係る導体ペー
ストを調製した。
【0032】<実施例2:本発明の導体ペーストの調製
(2)>上記コーティング溶液のアルミニウムアルコキ
シド濃度及び必要に応じてAg粉末の懸濁時間を適宜調
節することによって、酸化アルミニウム(Al2O3)換算
でAg粉末の略0.025wt%となる量の上記アルミニ
ウムアルコキシドで表面が略均等にコーティングされた
Ag粉末を得た。次いで、かかるAlコーティングAg
粉末を用いて実施例1と同様の処理を行い、本実施例に
係る導体ペーストを調製した。すなわち、本実施例に係
る導体ペーストと実施例1に係る導体ペーストとは、ア
ルミニウムアルコキシドのコーティング量のみが異な
る。
【0033】<実施例3:本発明の導体ペーストの調製
(3)>上記コーティング溶液のアルミニウムアルコキ
シド濃度及び必要に応じてAg粉末の懸濁時間を適宜調
節することによって、酸化アルミニウム(Al2O3)換算
でAg粉末の略0.05wt%となる量の上記アルミニウ
ムアルコキシドで表面が略均等にコーティングされたA
g粉末を得た。次いで、かかるAlコーティングAg粉
末を用いて実施例1と同様の処理を行い、本実施例に係
る導体ペーストを調製した。すなわち、本実施例に係る
導体ペーストと実施例1及び実施例2に係る導体ペース
トとは、アルミニウムアルコキシドのコーティング量の
みが異なる。
【0034】<実施例4:本発明の導体ペーストの調製
(4)>本実施例では、金属粉末のベースとして、平均
粒径が0.8〜1.0μmの範囲にある略球状のAg粉
末を使用した。但し、後述する表中において0.8≪1.0と
示すように、粒径約1.0μmの粒子が粒径約0.8μ
mの粒子よりも富む粒度分布のものを使用した。かかる
Ag粉末以外は実施例1と同様の材料・処理を適用して
本実施例に係る導体ペーストを調製した。すなわち、本
実施例に係る導体ペーストと実施例1に係る導体ペース
トとは、Al粉末(粒度分布)のみが異なる。
【0035】<実施例5:本発明の導体ペーストの調製
(5)>上記コーティング溶液のアルミニウムアルコキ
シド濃度及び必要に応じてAg粉末の懸濁時間を適宜調
節することによって、酸化アルミニウム(Al2O3)換算
でAg粉末の略0.025wt%となる量の上記アルミニ
ウムアルコキシドで表面が略均等にコーティングされた
Ag粉末を得た以外は、実施例4と同様の材料・処理を
採用して本実施例に係る導体ペーストを調製した。すな
わち、本実施例に係る導体ペーストと実施例4に係る導
体ペーストとは、アルミニウムアルコキシドのコーティ
ング量のみが異なる。
【0036】<実施例6:本発明の導体ペーストの調製
(6)>上記コーティング溶液のアルミニウムアルコキ
シド濃度及び必要に応じてAg粉末の懸濁時間を適宜調
節することによって、酸化アルミニウム(Al2O3)換算
でAg粉末の略0.05wt%となる量の上記アルミニウ
ムアルコキシドで表面が略均等にコーティングされたA
g粉末を得た以外は、実施例4と同様の材料・処理を採
用して本実施例に係る導体ペーストを調製した。すなわ
ち、本実施例に係る導体ペーストと実施例4及び実施例
5に係る導体ペーストとは、アルミニウムアルコキシド
のコーティング量のみが異なる。
【0037】<実施例7:本発明の導体ペーストの調製
(7)>本実施例では、金属粉末のベースとして、実施
例4〜6で使用したAg粉末を使用した。一方、有機系
金属化合物として、ジルコニウムアルコキシド(ここで
はジルコニウムブトキシド)を用いた。而して、適当な
有機溶剤(ここではメタノール)に上記ジルコニウムア
ルコキシドを添加し、濃度5〜100g/lのコーティ
ング用溶液を調製した。次いで、かかる溶液中に上記A
g粉末を適当量懸濁させ、適宜撹拌しつつ1〜3時間懸
濁状態を維持した。その後、Ag粉末を回収し、60〜
100℃で通風乾燥した。以上の処理によって、酸化ジ
ルコニウム(ZrO2)換算でAg粉末の略0.1wt%とな
る量の上記ジルコニウムアルコキシドで表面がほぼ均等
にコーティングされたAg粉末(以下「Zrコーティン
グAg粉末」という。)を得た。
【0038】次に、上記得られたZrコーティングAg
粉末を使用して導体ペーストを調製した。すなわち、最
終的なペースト濃度(重量比)がZrコーティングAg
粉末87wt%および残部が溶剤(ここではターピネオー
ル)となるように使用材料を秤量し、三本ロールミルを
用いて混練した。これにより、本実施例に係る導体ペー
ストを調製した。
【0039】<実施例8:本発明の導体ペーストの調製
(8)>本実施例において、無機添加剤として亜鉛系ガ
ラス(ZnO−B23−SiO 2系ガラス、平均粒径:
1〜2μm、軟化点:780℃)を含有する導体ペース
トを調製した。すなわち、実施例3で得たAlコーティ
ングAg粉末(コーティング量:0.050wt%(Al2O
3換算))および亜鉛系ガラス粉末(比表面積1〜2m2
/gのガラスフリット)を使用するとともに、最終的な
ペースト濃度(重量比)がAlコーティングAg粉末8
7wt%および残部が溶剤(ターピネオール)となるよう
にこれら材料を秤量し、さらに対Ag粉末重量比で0.
5wt%となる量の亜鉛系ガラス粉末を加え、三本ロール
ミルを用いて混練した。これにより、本実施例に係る導
体ペーストを調製した。
【0040】<実施例9:本発明の導体ペーストの調製
(9)>本実施例において、無機添加剤として鉛系ガラ
ス(PbO−SiO2−B23系ガラス、平均粒径:1
〜2μm、軟化点:700℃)を含有するペーストを調
製した。すなわち、実施例3で得たAlコーティングA
g粉末および鉛系ガラス粉末(比表面積1〜2m2/g
のガラスフリット)を使用するとともに、最終的なペー
スト濃度(重量比)がAlコーティングAg粉末87wt
%および残部が溶剤(ターピネオール)となるようにこ
れら材料を秤量し、さらに対Ag粉末重量比で0.25
wt%となる量の鉛系ガラス粉末を加え、三本ロールミル
を用いて混練した。これにより、本実施例に係る導体ペ
ーストを調製した。
【0041】<実施例10:本発明の導体ペーストの調
製(10)>鉛系ガラス粉末の添加量を対Ag粉末重量
比で0.5wt%とした以外は、実施例9と同様の処理を
行って本実施例に係る導体ペーストを調製した。
【0042】<実施例11:本発明の導体ペーストの調
製(11)>鉛系ガラス粉末の添加量を対Ag粉末重量
比で1.0wt%とした以外は、実施例9と同様の処理を
行って本実施例に係る導体ペーストを調製した。
【0043】<実施例12:本発明の導体ペーストの調
製(12)>本実施例において、無機添加剤としてホウ
ケイ酸系ガラス(Bi23−B23−SiO2系ガラ
ス、平均粒径:1〜2μm、軟化点:725℃)を含有
するペーストを調製した。すなわち、実施例3で得たA
lコーティングAg粉末およびホウケイ酸系ガラス粉末
(比表面積1〜2m2/gのガラスフリット)を使用す
るとともに、最終的なペースト濃度(重量比)がAlコ
ーティングAg粉末87wt%および残部が溶剤(ターピ
ネオール)となるようにこれら材料を秤量し、さらに対
Ag粉末重量比で0.5wt%となる量のホウケイ酸系ガ
ラス粉末を加え、三本ロールミルを用いて混練した。こ
れにより、本実施例に係る導体ペーストを調製した。
【0044】<実施例13:本発明の導体ペーストの調
製(13)>本実施例において、無機添加剤として酸化
銅(Cu2O)粉末を含有するペーストを調製した。すなわ
ち、実施例3で得たAlコーティングAg粉末および酸
化銅粉末(平均粒径:1〜5μm、比表面積:0.5〜
1.5m2/g)を使用するとともに、最終的なペース
ト濃度(重量比)がAlコーティングAg粉末87wt%
および残部が溶剤(ターピネオール)となるようにこれ
ら材料を秤量し、さらに対Ag粉末重量比で0.25wt
%となる量の酸化銅粉末を加え、三本ロールミルを用い
て混練した。これにより、本実施例に係る導体ペースト
を調製した。
【0045】<実施例14:本発明の導体ペーストの調
製(14)>酸化銅粉末の添加量を対Ag粉末重量比で
0.5wt%とした以外は、実施例13と同様の処理を行
って本実施例に係る導体ペーストを調製した。
【0046】<実施例15:本発明の導体ペーストの調
製(15)>酸化銅粉末の添加量を対Ag粉末重量比で
1.0wt%とした以外は、実施例13と同様の処理を行
って本実施例に係る導体ペーストを調製した。
【0047】<実施例16:本発明の導体ペーストの調
製(16)>本実施例において、無機添加剤として酸化
鉛(Pb3O4)粉末を含有するペーストを調製した。すなわ
ち、実施例3で得たAlコーティングAg粉末および酸
化鉛粉末(平均粒径:1〜5μm、比表面積:0.5〜
1.5m2/g)を使用するとともに、最終的なペース
ト濃度(重量比)がAlコーティングAg粉末87wt%
および残部が溶剤(ターピネオール)となるようにこれ
ら材料を秤量し、さらに対Ag粉末重量比で0.25wt
%となる量の酸化鉛粉末を加え、三本ロールミルを用い
て混練した。これにより、本実施例に係る導体ペースト
を調製した。
【0048】<実施例17:本発明の導体ペーストの調
製(17)>酸化鉛粉末の添加量を対Ag粉末重量比で
0.5wt%とした以外は、実施例16と同様の処理を行
って本実施例に係る導体ペーストを調製した。
【0049】<実施例18:本発明の導体ペーストの調
製(18)>酸化鉛粉末の添加量を対Ag粉末重量比で
1.0wt%とした以外は、実施例16と同様の処理を行
って本実施例に係る導体ペーストを調製した。
【0050】<実施例19:本発明の導体ペーストの調
製(19)>本実施例において、無機添加剤として酸化
ビスマス(Bi2O3)粉末を含有するペーストを調製した。
すなわち、実施例3で得たAlコーティングAg粉末お
よび酸化ビスマス粉末(平均粒径:1〜10μm、比表
面積:0.5〜2.0m2/g)を使用するとともに、
最終的なペースト濃度(重量比)がAlコーティングA
g粉末87wt%および残部が溶剤(ターピネオール)と
なるようにこれら材料を秤量し、さらに対Ag粉末重量
比で0.25wt%となる量の酸化ビスマス粉末を加え、
三本ロールミルを用いて混練した。これにより、本実施
例に係る導体ペーストを調製した。
【0051】<実施例20:本発明の導体ペーストの調
製(20)>酸化ビスマス粉末の添加量を対Ag粉末重
量比で0.5wt%とした以外は、実施例19と同様の処
理を行って本実施例に係る導体ペーストを調製した。
【0052】<実施例21:本発明の導体ペーストの調
製(21)>酸化ビスマス粉末の添加量を対Ag粉末重
量比で1.0wt%とした以外は、実施例19と同様の処
理を行って本実施例に係る導体ペーストを調製した。
【0053】<実施例22:本発明の導体ペーストの調
製(22)>本実施例において、無機添加剤として上述
の酸化ビスマス粉末及び鉛系ガラス粉末を含有するペー
ストを調製した。すなわち、実施例3で得たAlコーテ
ィングAg粉末、上記酸化ビスマス粉末及び上記鉛系ガ
ラスを使用するとともに、最終的なペースト濃度(重量
比)がAlコーティングAg粉末87wt%および残部が
溶剤(ターピネオール)となるようにこれら材料を秤量
し、さらに対Ag粉末重量比で0.5wt%となる量の酸
化ビスマス粉末及び0.25wt%となる量の鉛系ガラス
粉末を加え、三本ロールミルを用いて混練した。これに
より、本実施例に係る導体ペーストを調製した。
【0054】<実施例23:本発明の導体ペーストの調
製(23)>本実施例では、金属粉末のベースとして、
平均粒径が0.3〜0.5μmの範囲にある微細なAg
粉末を使用した。そして、実施例3と同様の処理を行
い、酸化アルミニウム(Al2O3)換算でAg粉末の略
0.05wt%となる量の上記アルミニウムアルコキシド
で表面が略均等にコーティングされたAg粉末を得た。
而して、当該AlコーティングAg粉末を用いる以外
は、上記実施例20と同様の処理を行い、無機添加剤と
して酸化ビスマス粉末(対Ag粉末重量比で0.5wt
%)を含有する本実施例に係る導体ペーストを調製し
た。
【0055】<実施例24:本発明の導体ペーストの調
製(24)>本実施例では、金属粉末のベースとして、
平均粒径が0.3〜0.5μmの範囲にある微細なAg
粉末を使用した(なお実施例23とはAg粉末の製造元
が異なる)。そして、実施例3と同様の処理を行い、酸
化アルミニウム(Al2O3)換算でAg粉末の略0.05w
t%となる量の上記アルミニウムアルコキシドで表面が
略均等にコーティングされたAg粉末を得た。而して、
当該AlコーティングAg粉末を用いる以外は、上記実
施例20と同様の処理を行い、無機添加剤として酸化ビ
スマス粉末(対Ag粉末重量比で0.5wt%)を含有す
る本実施例に係る導体ペーストを調製した。
【0056】<実施例25:本発明の導体ペーストの調
製(25)>本実施例では、金属粉末のベースとして、
平均粒径が0.5〜0.7μmの範囲にあるAg粉末を
使用した。そして、実施例3と同様の処理を行い、酸化
アルミニウム(Al2O3)換算でAg粉末の略0.05wt
%となる量の上記アルミニウムアルコキシドで表面が略
均等にコーティングされたAg粉末を得た。而して、当
該AlコーティングAg粉末を用いる以外は、上記実施
例20と同様の処理を行い、無機添加剤として酸化ビス
マス粉末(対Ag粉末重量比で0.5wt%)を含有する
本実施例に係る導体ペーストを調製した。
【0057】<実施例26:本発明の導体ペーストの調
製(26)>本実施例において、無機添加剤として上述
の酸化ビスマス粉末及び酸化銅粉末を含有するペースト
を調製した。すなわち、実施例3で得たAlコーティン
グAg粉末、上記酸化ビスマス粉末及び上記酸化銅粉末
を使用するとともに、最終的なペースト濃度(重量比)
がAlコーティングAg粉末87wt%および残部が溶剤
(ターピネオール)となるようにこれら材料を秤量し、
さらに対Ag粉末重量比で0.5wt%となる量の酸化ビ
スマス粉末及び0.5wt%となる量の酸化銅粉末を加
え、三本ロールミルを用いて混練した。これにより、本
実施例に係る導体ペーストを調製した。
【0058】<実施例27:本発明の導体ペーストの調
製(27)>酸化銅粉末の添加量を対Ag粉末重量比で
0.25wt%とした以外は、実施例26と同様の処理を
行って本実施例に係る導体ペーストを調製した。
【0059】<実施例28:本発明の導体ペーストの調
製(28)>酸化銅粉末の添加量を対Ag粉末重量比で
0.125wt%とした以外は、実施例26と同様の処理
を行って本実施例に係る導体ペーストを調製した。
【0060】<比較例1:従来の導体ペーストの調製
(1)>本比較例では、金属粉末のベースとして、平均
粒径が2.0〜3.0μmの範囲にあるAg粉末を使用
した。有機系金属化合物によるコーティングは行ってい
ない。すなわち、かかる非コーティングAg粉末をその
まま用いて最終的なペースト濃度(重量比)が当該Ag
粉末87wt%および残部が溶剤(ターピネオール)とな
るようにこれら材料を秤量し、三本ロールミルを用いて
混練した。これにより、本比較例に係る導体ペーストを
調製した。
【0061】<比較例2:従来の導体ペーストの調製
(2)>本比較例では、金属粉末のベースとして、平均
粒径が約1.0μmの範囲にあるAg粉末を使用した。
有機系金属化合物によるコーティングは行っていない。
而して、かかる非コーティングAg粉末を使用する以外
は、実施例26と同様の処理を行い、無機添加剤として
酸化ビスマス粉末及び酸化銅粉末(それぞれ対Ag粉末
重量比で0.5wt%)を含有する本比較例に係る導体ペ
ーストを調製した。なお、上述の各実施例および比較例
の導体ペーストにおけるAg粉末の平均粒径、有機系金
属化合物(即ちアルミニウムアルコキシド又はジルコニ
ウムアルコキシド)のコーティング量、無機添加剤の種
類及びその添加量を、以下の表1〜表10に欄を設けて
示している。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
【表7】
【0069】
【表8】
【0070】
【表9】
【0071】
【表10】
【0072】<実施例29:膜状導体の形成及びその評
価(1)>次に、各実施例及び比較例に係る導体ペース
トを用いて、セラミック基材(ここでは厚みが約0.8
mmのアルミナ製基板)の表面に膜状導体を形成した。
すなわち、一般的なスクリーン印刷法に基づいてセラミ
ック基板の表面に導体ペーストを塗布し、所定の膜厚
(10〜30μm:各表中の「塗膜厚み」欄参照。)の
塗膜を形成した。続いて、遠赤外線乾燥機を用いて10
0℃で15分間の乾燥処理を施した。この乾燥処理によ
り、上記塗膜から溶剤が揮発していき、セラミック基板
上に未焼成の膜状導体が形成された。
【0073】次に、この膜状導体をセラミック基板ごと
焼成した。すなわち、電気炉中で700,750,80
0,850または900℃のいずれか(使用したペース
ト毎に異なる。各表中の「焼成温度」欄を参照。)で1
時間の焼成処理を行った。この焼成処理によって、所定
の膜厚(各表中の「焼成膜厚み」欄を参照。)の膜状導
体をセラミック基板上に焼き付けた。以下、単に膜状導
体というときは当該焼成後のものを指す。
【0074】次に、得られた各膜状導体の特性評価とし
て、抵抗値、シート抵抗値、半田濡れ性、半田耐熱性お
よび引っ張り強度を以下のように試験・測定した。これ
ら特性評価試験の結果は、使用ペーストごとに表1〜1
0の各々対応する欄に示している。なお、表中のn.d.は
未測定であることを示している。
【0075】<抵抗値の測定>実施例1〜7に係る導体
ペーストを使用して得られた膜状導体のそれぞれについ
て以下のようにして抵抗値(Ω)を測定した。すなわ
ち、デジタルマルチメーターを用いて一般的な2端子法
に基づいて膜状導体の抵抗値(Ω)を測定した。
【0076】<シート抵抗値の測定>実施例1〜25及
び比較例1、2に係る導体ペーストを使用して得られた
膜状導体のそれぞれについて以下のようにしてシート抵
抗値(mΩ/□)を測定した。すなわち、シート抵抗値
(mΩ/□)は上記測定抵抗値(Ω)に基づいて次式よ
り算出した。シート抵抗値(mΩ/□)=測定抵抗値
(Ω)×(導体幅(mm)/導体長さ(mm))×(導体厚み
(μm)/換算厚み(μm));ここで換算厚みは焼成物10
μm若しくは印刷物25μm。
【0077】<半田濡れ性>各実施例及び比較例に係る
導体ペーストを使用して得られた膜状導体のそれぞれに
ついて以下のようにして半田濡れ性を調べた。すなわ
ち、各セラミック基板の膜状導体部分にロジンフラック
スを塗布した後、当該基板を230±5℃の半田(Sn
/Pb=60/40(重量比))に3秒間浸漬した。そ
の後、当該半田で濡れている膜状導体部分の面積比率で
半田濡れ性を評価した。具体的には、膜状導体の表面の
90%以上が濡れたものは良好な半田濡れ性を示すもの
と判断し、表中において◎で示した。他方、半田濡れ部
分が膜状導体表面全体の80%以下のものについては、
半田濡れ性が劣るものと判断し、表中において×で示し
た。
【0078】<半田耐熱性>各実施例及び比較例2に係
る導体ペーストを使用して得られた膜状導体のそれぞれ
について以下のようにして半田耐熱性を調べた。すなわ
ち、各セラミック基板の膜状導体部分にロジンフラック
スを塗布した後、当該基板を所定温度の半田(Sn/P
b=60/40(重量比))に所定時間浸漬した。ここ
では、かかる半田温度条件及び浸漬時間を230±5℃
×30秒、260±5℃×10秒、および260±5℃
×20秒の3通りとした(適用条件は使用したペースト
毎に異なる。各表中の「半田耐熱性」欄を参照。)。而
して、浸漬後に「半田くわれ」されなかった部分、即ち
浸漬前と比較して浸漬後にセラミック基板上に残存して
いる膜状導体の面積比率で半田耐熱性を評価した。具体
的には、膜状導体の略90%以上が残存しているものは
優れた半田耐熱性を示すものと判断し、表中において◎
で示した。また、膜状導体の略80%以上90%未満が
残存しているものは良好な半田耐熱性を示すものと判断
し、表中において○で示した。他方、膜状導体の残存し
ている部分が浸漬前の略80%未満のものは半田耐熱性
が比較的劣っているものと判断し、表中において×で示
した。
【0079】<引っ張り強度>各実施例及び比較例2に
係る導体ペーストを使用して得られた膜状導体のそれぞ
れについて、セラミック基板に対する接着強度の指標と
して引っ張り強度(kg)を以下のようにして測定し
た。すなわち、セラミック基板に焼き付き形成された膜
状導体に評価用リード線(スズめっき銅線)を半田付け
した。その後、そのリード線を基板の面方向とは垂直方
向に所定の力で引っ張り、その接合面が破壊(分断)さ
れた時の負荷(kg)を接着強度(引っ張り強度)とし
た。なお、ここでは、上記焼成処理直後のセラミック基
板、焼成後さらに150℃で48時間、100時間又は
200時間のエージングを施した後のセラミック基板に
ついて上記引っ張り強度試験を行った(条件は使用した
ペースト毎に異なる。各表中の「引っ張り強度」欄を参
照。)。
【0080】表1〜10に示した上記各特性評価試験の
結果から明らかなように、本実施例に係る導体ペースト
から形成された膜状導体(厚み:10〜22μm)は、
何れも導体として問題のない抵抗値及び/又はシート抵
抗値を示した。これらの結果は、導電性即ち電気的特性
の観点からみて本発明の導体ペーストが膜状導体形成用
途に好適に用い得ることを示すものである。また、半田
濡れ性については、比較的多量に鉛系ガラス粉末又はホ
ウケイ酸系ガラス粉末を添加したもの(実施例10,1
1,12)については若干劣っていた(概ね50%〜7
0%)ものの、それら以外のものは、半田濡れ性の上記
指標値が90%以上(表中の◎)を示した。このこと
は、半田濡れ性の観点からみて、本発明の導体ペースト
が膜状導体形成用途に好適であることを示すものであ
る。また、ガラス粉末を添加する場合は、亜鉛系ガラス
粉末が比較的好ましい(実施例8)。
【0081】半田耐熱性に関する評価試験から明らかな
ように、各実施例に係る導体ペーストから形成された膜
状導体は、従来のAg/Pd粉末を含む導体ペーストか
ら形成された膜状導体やNiめっきされた膜状導体と同
等かそれ以上の半田耐熱性を示した。特に、無機添加剤
を添加せずに調製したペースト(実施例1〜7)であっ
ても、高い半田耐熱性を有していることが確認された
(実施例1〜7)。このことは、本発明によると、金属
(Ag)粉末に対して0.01wt%(酸化物換算)程度
のごく僅かな量の有機系金属化合物(ここでは金属アル
コキシド)でAgベース微粒子をコーティングすること
により、高価なPdを使用したり煩雑なNiめっき処理
を行うことなく実用レベルでの高い半田耐熱性を実現で
きることを示すものである。
【0082】また、引っ張り強度に関する評価試験から
明らかなように、本発明の導体ペーストから形成された
膜状導体は、Agベース微粒子の焼成物である結果、特
に添加剤を必要とすることなく実用レベルの接着強度を
保持することが認められた(実施例1〜7)。また、無
機添加剤を添加した各実施例のペーストを用いた結果か
ら、適当量のガラスフリット及び/又は無機酸化物粉末
を添加することにより、所望する半田耐熱性や半田濡れ
性を維持しつつ接着強度を向上させ得ることが確認され
た(例えば実施例3と実施例13〜15参照)。特に、
適当量の無機酸化物の添加が有効である。かかる添加に
よって、高い半田濡れ性及び半田耐熱性の維持と接着強
度の向上とを共に実現させることができる(実施例13
〜28参照)。さらに焼成収縮の低減にも寄与する。な
お、添加する無機酸化物は1種類でもよいが、2種類又
はそれ以上組み合わせて添加することが好ましいことが
示された(実施例26〜28参照)。
【0083】各実施例で使用したAg粉末の平均粒径
(0.2〜1.0μm)は、本発明の導体ペーストを調
製するのに適当なものであった(実施例20,23,2
4,25参照)。また、各実施例に係る導体ペーストを
使用した場合の膜状導体焼成温度は、比較的高いレベル
の接着強度保持の観点から800℃以上が好ましく、8
50〜900℃程度の焼成温度が特に好適であることが
示された。
【0084】<実施例30:膜状導体の形成及びその評
価(2)>次に、本実施例に係る導体ペーストによる
と、上記比較例で形成したものよりも薄い膜状導体(1
0μm以下)を好適に形成し得ることを確認するため、
実施例17,20,22及び比較例2の計4種類の導体
ペーストを用いて比較的厚い膜状導体と比較的薄い膜状
導体とを形成し、上記実施例29と同様の特性評価を行
った。すなわち、実施例29と同様、スクリーン印刷法
に基づいてセラミック基板の表面に各導体ペーストを塗
布し、ペーストごとに薄い塗膜と厚い塗膜を形成した。
その後、実施例29と同様の焼成処理を行い、比較的厚
い膜状導体(膜厚:12〜15μm)と、比較的薄い膜
状導体(膜厚:6〜8μm)を形成した。次いで得られ
た各膜状導体の特性評価として、シート抵抗値、半田濡
れ性、半田耐熱性および引っ張り強度を上記実施例と同
様にして試験・測定した。結果を以下の表11及び表1
2に示す。
【0085】
【表11】
【0086】
【表12】
【0087】表11及び12に示した結果から明らかな
ように、これら実施例に係る導体ペーストによると、比
較的厚い膜状導電膜と実質的に同等の導電性、半田濡れ
性および半田耐熱性を具備する10μm以下の薄い膜状
導電膜を形成することができる。このことは、本発明の
導体ペーストによると、電気的特性及び/又は機械的特
性に優れた薄膜回路基板や薄膜ハイブリッドIC等のセ
ラミック電子部品を好適に製造し得ることを示すもので
ある。
【0088】以上の実施例から、本発明の導体ペースト
として好適ないくつかの実施形態が明らかとなった。好
適な導体ペーストは、次の条件の一つ又は二つ以上を構
成要件とするものが挙げられる。すなわち、 (1).平均粒径が0.2〜1.0μmのAg粉末を金属粉
末の主体とする。 (2).Ag又はAg主体の合金の微粒子に有機系金属化合
物として金属アルコキシド(特に好ましくはアルミニウ
ムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド)がコーテ
ィングされたものを金属粉末とする。 (3).金属アルコキシドのコーティング量(含有率)が酸
化物換算で金属(Ag)粉末の0.01〜0.1wt%に
相当する量である。 (4).金属(Ag)粉末の略1wt%又はそれ以下に相当す
る量(好ましくは0.5wt%以下)で、1種又は2種以
上の無機酸化物(好ましくは酸化銅、酸化鉛及び/又は
酸化ビスマス)を無機添加剤として含む。 (5).金属(Ag)粉末の略0.5wt%又はそれ以下に相
当する量(好ましくは0.25wt%以下)で、1種又は
2種以上のガラス粉末(好ましくは亜鉛系ガラス、鉛系
ガラス及び/又はホウケイ酸系ガラス)を無機添加剤と
して含む。
【0089】また、以上の実施例から、本発明の導体ペ
ーストを用いてのセラミック電子部品製造方法として特
に好適ないくつかの実施形態が明らかとなった。本発明
のセラミック電子部品製造方法として特に好適なものに
は、上述したいずれかの好適な実施形態に係る導体ペー
ストを使用することを特徴とする方法が挙げられ、或い
は、セラミック基材に塗布したペースト主成分(即ちコ
ーティング金属粉末)を800〜900℃程度の温度で
焼成することを特徴とする方法が挙げられる。
【0090】<実施例31〜35:側面導体膜形成用A
gペースト>表13に実施例31〜35として示す計5
種類の組成の側面導体膜形成用Agペーストを調製し
た。すなわち、Agベース微粒子として一般的な湿式法
により調製された平均粒径が0.3〜0.5μm(実施
例32を除く)又は0.6〜0.8μm(実施例32の
み)の範囲にある略球状のAg粉末を使用した。また、
コーティング材料として実施例31〜33ではアルミニ
ウムアルコキシド(アセトアルコキシアルミニウムジイ
ソプロピレート)を用い、実施例34と実施例35では
ジルコニウムアルコキシド(ジルコニウムブトキシド)
を用いた。而して、適当な有機溶剤(ここではメタノー
ル)に上記金属アルコキシドを添加し、濃度5〜100
g/lのコーティング用溶液を調製した。次いで、かか
る溶液中に上記Ag粉末を適当量懸濁させ、適宜撹拌し
つつ1〜3時間懸濁状態を維持した。その後、Ag粉末
を回収し、60〜110℃で通風乾燥した。以上の処理
によって、酸化物(Al2O3又はZrO2)換算でAg粉末の
略0.0125〜0.1wt%(実施例31〜33)、
0.025〜0.5wt%(実施例34)又は0.05〜
1wt%(実施例35)となる量のアルミニウムアルコキ
シド又はジルコニウムアルコキシドによって表面がほぼ
均等にコーティングされたAg粉末(以下「コーティン
グAg粉末」という。)を得た。なお、かかるコーティ
ング量の調整は、上記コーティング溶液の金属アルコキ
シド濃度及び必要に応じてAg粉末の懸濁時間を適宜調
節することによって容易に行うことができる。
【0091】側面導体形成用Agペーストの調製には、
無機酸化物粉末として平均粒径:1〜5μm、比表面
積:0.5〜1.5m2/gの酸化銅(Cu2O又はCuO)粉
末及び平均粒径:1〜10μm、比表面積:0.5〜
2.0m2/gの酸化ビスマス(Bi 2O3)粉末を使用した。
而して、最終的な濃度(重量比)が65〜75wt%とな
る量のコーティングAg粉末と、コーティングAg粉末
量の0.01〜1.0wt%(実施例31〜33)又は
0.02〜2.0wt%(実施例34〜35)に相当する
量の酸化ビスマス粉末と、コーティングAg粉末量の
0.005〜0.5wt%(実施例31〜33)又は0.
01〜1.0wt%(実施例34〜35)に相当する量の
酸化銅粉末と、コーティングAg粉末量の1.5〜10
wt%に相当する量の有機バインダー(エチルセルロー
ス)と、残部が溶剤(実施例31〜32についてはBC
(ブチルカルビトール)即ちジエチレングリコールモノ
ブチルエーテルとターピネオールの混合溶媒、実施例3
3〜35についてはBCとエステル(具体的にはトリメ
チルペンタジオールモノイソブチレート)の混合溶媒)
となるように各材料を秤量し、三本ロールミルを用いて
混練した。これにより、表13に示す計5種類のAgペ
ーストを得た。
【0092】
【表13】
【0093】<実施例36〜47:表面導体膜形成用A
gペースト>表14〜表16に実施例36〜47として
示す計12種類の組成の表面導体膜形成用Agペースト
を調製した。なお、実施例31〜35で使用したものと
同タイプのAg粉末、金属アルコキシドを使用した。す
なわち、金属アルコキシド濃度が5〜100g/lのコ
ーティング用溶液を調製し、側面導体膜形成用Agペー
スト製造時と同様の処理を行って、酸化物(Al2O3又はZ
rO2)換算でAg粉末の0.025wt%〜0.4wt%の
アルミニウムアルコキシド又はジルコニウムアルコキシ
ドによって表面がほぼ均等にコーティングされたコーテ
ィングAg粉末を得た。次いで、側面導体膜形成用Ag
ペースト製造時と同様の処理を行って、最終的なペース
ト濃度(重量比)が83〜86wt%となる量のコーティ
ングAg粉末と表14〜16に記載の副成分(無機酸化
物、有機バインダー、溶剤等)を適宜用いて計12種類
のAgペーストを得た。表14〜16の記載から明らか
なように、これら表面導体膜形成用Agペーストは、表
13の側面導体膜形成用AgペーストよりもAg粉末含
有率が高いことを一つの特徴とする。また、実施例36
〜44に係るAgペーストは無機酸化物粉末(酸化ビス
マス及び酸化銅)を含んでいないことをもう一つの特徴
とする。他方、実施例45〜47に係るAgペーストは
これら無機酸化物粉末を比較的高率に含んでいる。な
お、各ペーストを製造するのに使用した有機バインダー
(エチルセルロース)の含有率(対Ag比%)及び溶剤
の種類は、表14〜表16に示したとおりである。ま
た、実施例40及び実施例42に係るペーストの調製に
あたっては分散剤(ここではアミン系のものを使用し
た)を微量配合した。
【0094】
【表14】
【0095】
【表15】
【0096】
【表16】
【0097】<Agペーストの性能評価>一般的な回転
粘度計(ブルックフィールド社製:型式DV3)及びロ
ーター(ブルックフィールド社製:型式SC4−14)
を用いてこれらAgペーストの粘度(Pa・s)と粘度
比を測定した。結果を表13〜表16の該当欄に示す。
なお、表中の1T、10T、50T及び100Tはそれ
ぞれ1rpm、10rpm、50rpm及び100rp
mであるときの粘度を示している。表13から明らかな
ように、側面導体膜形成用Agペーストは、低粘度であ
る。特に酸化ビスマスの含有量が多いもの(実施例34
〜35)の粘度は低く抑えられている。従って、これら
側面導体膜形成用Agペーストは、微細なチップ形状の
セラミック基材に対しても精細なスクリーン印刷等を好
ましく行うことができる。他方、表14〜16から明ら
かなように、表面導体膜形成用Agペーストは、側面導
体膜形成用Agペーストよりも粘度が高く、基材表面に
塗布(印刷)する或いはスルーホールに充填するのに適
している。また、Ag粉末含有率が高いため、導体膜の
導通抵抗を低く抑えることができる。
【0098】各Agペーストを用いてそれぞれ形成した
導体膜について、乾燥密度(g/cm3)を以下のよう
にして測定した。すなわち、予め重量を測定しておいた
アルミナ基板上に、30mm×20mm角の大きさで導
体膜を印刷した。次いで、100〜120℃で10分程
度の乾燥処理を施した。かかる印刷処理及び乾燥処理を
繰返し、印刷膜を3〜5層重ねて形成した。次いで、こ
の印刷基板の重量を測定し、その測定値(印刷基板重
量)からアルミナ基板重量を差し引き、印刷層の重量
(乾燥ペースト重量)を算出した。同時に、表面粗さ計
等を使用して印刷層の膜厚を測定し、それに基づいて当
該印刷層の体積を算出した。乾燥密度は、(印刷層の重
量)/(印刷層の体積)より導き出した。得られた結果
を表13〜16の該当欄に示す。各Agペーストは、い
ずれも良好な乾燥密度の導体膜(即ち導通抵抗の低い導
体膜)を形成することができる。
【0099】また、各Agペーストを用いて導体膜を形
成する場合の収縮率(%)を調べた。すなわち、各Ag
ペーストを一般的なスクリーン印刷法に基づいて厚み:
約1mmのアルミナ製セラミックシートの表面に塗布し
(膜厚:10〜30μm)、最高温度950℃の条件で
焼成処理した。常温時(焼成前)と比較したときの70
0℃及び900℃におけるセラミックシート上での収縮
の変化即ち体積減少度合(−%)をTMAを指標として
調べた。得られた結果を表13〜16の該当欄に示す。
いずれのAgペーストも比較的低い収縮率(0〜−21
%)を示した。特に、実施例36〜41のAgペースト
の700℃における収縮率は0〜−10%以内である。
このことは、セラミック基材との同時焼成において、当
該セラミック基材(アルミナ等)とその表面及び/又は
内面に形成された導体膜との間に収縮率差がほとんど生
じないことを示している。従って、これらAgペースト
を表面導体膜形成用途に使用することによって、或いは
積層タイプのセラミック配線基板を製造する場合にはさ
らに内面導体膜形成用途として使用することによって、
同時焼成時におけるセラミック基材との過大な焼成収縮
率差の発生を防止し、結果、セラミック基材と導体膜と
の接着特性に優れ、構造欠陥のないセラミック電子部品
を製造することができる。
【0100】また、これらAgペーストの耐熱性を調べ
た。すなわち、アルミナ製のセラミック基板上に実施例
31のAgペーストを塗布し、950℃で1時間の焼成
処理を行った。比較対象として、表面が有機系金属化合
物や金属酸化物によってコーティングされていない従来
の一般的なAg単体粉末を主成分とする導体ペースト
(以下「従来のAgペースト」という。)を塗布したセ
ラミック基板を同条件で焼成処理した。かかる焼成処理
後のセラミック基板表面の写真を図1として示す。これ
ら写真から明らかなように、従来のAgペーストを塗布
したものは、導体膜の剥離及び蒸発が顕著であった(図
1の(A)参照)。一方、本発明に係るAgペーストを
塗布したものは、顕著な剥離、蒸発及び発泡が認められ
ず、良好な導体膜(焼結体)が形成・維持された(図1
の(B)参照)。このことから、本発明に係るAgペー
ストは、Agベース微粒子を主成分とする導体ペースト
であるにもかかわらず、比較的高温での焼成に対応し得
ることが確認された。
【0101】<セラミック配線基板の製造>次に、表面
導体膜形成用Agペーストを用いて、セラミック基材
(ここでは厚みが約2.0mmのアルミナ製基板)の表
面に所定のパターン(図2参照)の導体膜を形成した。
すなわち、一般的なスクリーン印刷法に基づいてセラミ
ック基板の表面に実施例31のAgペーストを塗布し、
膜厚が10〜30μmの塗膜を形成した。続いて、遠赤
外線乾燥機を用いて100℃で15分間の乾燥処理を施
した。この乾燥処理により、上記塗膜から溶剤が揮発し
ていき、セラミック基板上に未焼成の導体膜が形成され
た。次に、この導体膜をセラミック基板ごと焼成した。
すなわち、電気炉中で700℃、1時間の焼成処理を行
った。この焼成処理によって、上記所定のパターンの導
体膜が焼き付けられたセラミック配線基板が得られた
(図2の実施例の欄の写真参照)。なお、比較対象とし
て、従来のAgペースト(比較例A)、AgとPdが8
0/20である合金粉末を主成分とする従来の導体ペー
スト(比較例B)、ならびにAgとPtが99.5/
0.5である合金粉末を主成分とする従来の導体ペース
トを使用して、同様の処理を行い、同形状の導体膜が焼
き付けられたセラミック配線基板をそれぞれ作製した。
【0102】半田耐熱性は以下のように試験・測定し
た。すなわち、セラミック基板の導体膜形成部分にロジ
ンフラックスを塗布した後、当該基板を所定温度の半田
(Sn/Pb=60/40(重量比))に所定時間浸漬
した。ここでは、かかる半田温度条件及び浸漬時間を2
30±5℃×30秒、260±5℃×20秒の2通りと
した。かかる浸漬後のセラミック基板表面の写真を図2
として示す。これら表面写真から明らかなように、実施
例31の導体膜は、いずれの条件でもいわゆる「半田く
われ」が実質的に生じなかった。また、Ag/Pd合金
から形成された比較例Bの導体膜についても殆ど「半田
くわれ」は生じていない。他方、表面がコーティングさ
れていない従来のAg単体から形成された比較例Aの導
体膜は著しい「半田くわれ」が生じており、浸漬前と比
較して導体膜の30%以上が失われた。このように、本
発明によると、Ag単体を主成分とする導体ペーストか
ら成る導体膜であるにもかかわらず、Niメッキ、半田
メッキ等のメッキ処理を施すことなくAg/Pd合金か
ら成る導体膜と同等又はそれ以上の半田耐熱性を実現す
ることができる。
【0103】<試験例1>本発明に関連する試験例1と
して、有機金属塩のコーティング量及び/又は焼成温度
と焼成収縮率との関係について考察した。すなわち、各
実施例のAgペーストを調製するのと同様にして、平均
粒径0.8〜1.0μmのAg粉末を含有率85wt%と
なるように溶剤(BC)に分散して成るAgペースト
(無機酸化物粉末を含まない)であって、上述のアルミ
ニウムアルコキシドのコーティング量が酸化物(Al
2O3)換算でAg粉末の0〜0.5wt%となる計6種類
のAgペーストを調製した。それらペーストを、上記<
Agペーストの性能評価>の項で説明したのと同様の方
法で、アルミナ製セラミックシートの表面に塗布し、4
00℃〜900℃の温度条件で焼成処理を行い、収縮率
(%)を求めた。その結果を図3に示す。上記コーティ
ング量の範囲では、コーティング量が増加する程、収縮
率が減少した。特にコーティング量が0.1%以上のも
のは、800℃以上(例えば900℃)の温度条件での
焼成処理によっても低い収縮率を維持し得ることが確認
された。
【0104】<試験例2>本発明に関連する試験例2と
して、無機酸化物粉末の種類及び添加量と接着強度(引
っ張り強度)との関係について考察した。すなわち、各
実施例のAgペーストを調製するのと同様にして、平均
粒径0.8〜1.0μmのAg粉末であって酸化物(Al
2O3)換算でAg粉末の0.1wt%となる量で上述のア
ルミニウムアルコキシドでコーティングされたAg粉末
を含有率85wt%となるように溶剤(BC)に分散して
Agペーストを調製した。この試験例では、酸化ビスマ
ス、酸化銅、又は酸化物ガラス(Bi23−B23−S
iO2系ガラス)をAg粉末の0.25wt%、0.5wt
%又は1wt%相当量含む、計9種類のAgペーストを調
製した。それらペーストを用いて、上述したものと同様
のセラミック配線基板を作製し、上記引っ張り強度試験
を行った。その結果を図4に示す。グラフから明らかな
ように、各Agペーストから形成された導体膜はいずれ
も高い接着強度を有することが確認された。
【0105】以上の実施例や試験例において、本発明の
具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特
許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲
に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変
形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図
面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合
わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願
時の請求項記載の組み合わせに限定されるものではな
い。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目
的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的
を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0106】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導体ペー
ストによれば、Pd等の高価な貴金属を多量に用いたり
或いはNiめっき処理等を別途行うことなく、実用上充
分な半田耐熱性、半田濡れ性、接着強度、導電性を有す
る膜状導体を形成することができる。このため、本発明
の導体ペーストを用いると、安価且つ比較的簡便な処理
によって、電気的信頼性及び機械的強度の高い導体層
(膜状導体)が形成されたセラミック配線基板その他の
セラミック電子部品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は従来のAgペーストを塗布したセラ
ミック基板表面の高温焼成処理後の状態を示す写真であ
り、(B)は本発明に係るAgペーストを塗布したセラ
ミック基板表面の高温焼成処理後の状態を示す写真であ
る。
【図2】 導体膜の形成された実施例31及び比較例
A,Bに係るセラミック配線基板を溶融状態の半田に浸
漬した後の当該セラミック基板表面(導体膜)の状態を
示す写真である。
【図3】 一試験例における、有機金属塩のコーティン
グ量及び/又は焼成温度と焼成収縮率との関係を示すグ
ラフである。
【図4】 一試験例における、無機酸化物粉末の種類及
び添加量と接着強度(引っ張り強度)との関係を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 和尊 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 Fターム(参考) 4E351 AA07 AA19 BB01 BB24 BB31 CC11 CC22 DD05 DD21 DD52 DD56 EE03 EE27 GG04 GG15 5E343 AA02 AA23 BB25 BB53 BB72 BB77 BB78 DD02 ER47 GG16 GG18 5G301 DA03 DA22 DD01 DE03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粉末を主成分とする導体ペーストで
    あって、 その金属粉末は、表面が有機系金属化合物でコーティン
    グされたAg又はAg主体の合金から成る微粒子から実
    質的に構成されたものであり、 その有機系金属化合物は、Al、Zr、Ti、Y、C
    a、Mg及びZnから成る群から選択されるいずれかの
    元素を構成金属元素とする有機酸金属塩、金属アルコキ
    シド又はキレート化合物である、導体ペースト。
  2. 【請求項2】 前記有機系金属化合物のコーティング量
    は、その金属の酸化物換算でペースト中に含まれる前記
    微粒子全量の0.01〜2.0wt%に相当する量であ
    る、請求項1に記載の導体ペースト。
  3. 【請求項3】 前記微粒子の平均粒径が2.0μm以下
    である、請求項1または2に記載の導体ペースト。
  4. 【請求項4】 金属粉末を主成分とする導体ペーストの
    製造方法であって、(a)Ag又はAg主体の合金から
    成る微粒子の表面を有機系金属化合物でコーティングす
    ることによって金属粉末を調製する工程と、(b)その
    コーティングされた金属粉末を有機媒質中に分散させる
    工程とを包含し、 ここで前記有機系金属化合物はAl、Zr、Ti、Y、
    Ca、Mg及びZnから成る群から選択されるいずれか
    の元素を構成金属元素とする有機酸金属塩、金属アルコ
    キシド又はキレート化合物である、導体ペースト製造方
    法。
  5. 【請求項5】 膜状導体が形成されたセラミック基材を
    含むセラミック電子部品を製造する方法であって、
    (a)以下の性状の金属粉末:表面が有機系金属化合物
    でコーティングされたAg又はAg主体の合金から成る
    微粒子から実質的に構成されており、その有機系金属化
    合物はAl、Zr、Ti、Y、Ca、Mg及びZnから
    成る群から選択されるいずれかの元素を構成金属元素と
    する有機酸金属塩、金属アルコキシド又はキレート化合
    物である;を主成分とする導体ペーストをセラミック基
    材に塗布する工程と、(b)その塗布されたペースト主
    成分を焼成する工程とを包含するセラミック電子部品製
    造方法。
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