JP7222641B2 - 粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、粘着テープに関する。
施工中あるいは施工後の建築構造物などの被着体に防水性を付与するための、凹凸追従性に優れた防水粘着テープが報告されている(例えば、特許文献1)。
コンクリート建築構造物に防水粘着テープを使用する場合、コンクリートがアルカリ性であることから、防水粘着テープに耐アルカリ性が求められることがある。しかし、従来の防水粘着テープにおいては、耐アルカリ性が乏しく、例えば、アルカリ性物質やアルカリ性液体と接触するような環境においては、劣化して強度が低下し、止水性が低下するなどの問題が生じている。
また、従来の防水粘着テープは、コンクリート建築構造物の凹凸のある表面に対して、追従させながら貼りつけることが難しく、浮きが発生してしまい、凹凸追従性(ひいては防水性)が十分に発揮できていない場合がある。さらに、建築構造物は長期の耐久性が求められることから、長期間に渡って、防水粘着テープが劣化しないことが求められる。
特開2015-54887号公報
本発明の課題は、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性に優れる粘着テープを提供することにある。
本発明の粘着テープは、
基材層と該基材層の少なくとも一方の側に配置された粘着剤層とを有する粘着テープであって、
該基材層が、芯鞘構造を有する繊維を含む。
一つの実施形態においては、上記基材層が不織布層である。
一つの実施形態においては、上記芯鞘構造の芯成分がポリエステル系ポリマーを含み、上記芯鞘構造の鞘成分がポリオレフィン系ポリマーを含む。
一つの実施形態においては、上記粘着剤層を構成する粘着剤組成物がゴム成分を含む。
一つの実施形態においては、上記基材層と上記粘着剤層の間に目止め層を有する。
一つの実施形態においては、上記目止め層がポリオレフィン系樹脂を含む。
一つの実施形態においては、本発明の粘着テープは、23℃におけるTD方向の10%伸長時の応力が12N/10mm以下である。
一つの実施形態においては、本発明の粘着テープは、23℃におけるTD方向の破断時の伸びが25%以上である。
一つの実施形態においては、本発明の粘着テープは防水テープである。
本発明によれば、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性に優れる粘着テープを提供できる。
図1は、本発明の粘着テープの一つの実施形態を示す概略断面図である。 図2は、本発明の粘着テープの別の一つの実施形態を示す概略断面図である。 図3は、凹凸追従性を測定する際の下地材料の凹凸を計測する方法を示す概略断面図である。
≪粘着テープ≫
本発明の粘着テープは、基材層と該基材層の少なくとも一方の側に配置された粘着剤層とを有する。本発明の粘着テープは、基材層と該基材層の少なくとも一方の側に配置された粘着剤層とを有していれば、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な他の層を有していてもよい。
基材層は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。
粘着剤層は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。
他の層としては、好ましくは、基材層と粘着剤層の間に配置する目止め層が挙げられる。目止め層は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。
図1は、本発明の粘着テープの一つの実施形態を示す概略断面図である。図1において、本発明の粘着テープ1000は、基材層100と粘着剤層200を有する。
図2は、本発明の粘着テープの別の一つの実施形態を示す概略断面図である。図2において、本発明の粘着テープ1000は、基材層100と目止め層300と粘着剤層200を有する。
本発明の粘着テープの総厚みは、好ましくは100μm~2000μmであり、より好ましくは100μm~1000μmであり、さらに好ましくは200μm~1000μmであり、特に好ましくは200μm~800μmである。本発明の粘着テープの総厚みが上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。
本発明の粘着テープは、23℃におけるTD方向の10%伸長時の応力が、好ましくは12N/10mm以下であり、より好ましくは1N/10mm~11N/10mmであり、さらに好ましくは2N/10mm~10N/10mmであり、特に好ましくは3N/10mm~9N/10mmであり、最も好ましくは4N/10mm~8N/10mmである。本発明の粘着テープの23℃におけるTD方向の10%伸長時の応力が上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。
本発明の粘着テープは、23℃におけるTD方向の破断時の伸びが、好ましくは25%以上であり、より好ましくは30%~100%であり、さらに好ましくは35%~95%であり、特に好ましくは40%~90%であり、最も好ましくは45%~85%である。本発明の粘着テープの23℃におけるTD方向の破断時の伸びが上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。
本発明の粘着テープは、23℃におけるMD方向の10%伸長時の応力が、好ましくは30N/10mm以下であり、より好ましくは1N/10mm~27N/10mmであり、さらに好ましくは3N/10mm~25N/10mmであり、特に好ましくは4N/10mm~22N/10mmであり、最も好ましくは5N/10mm~20N/10mmである。本発明の粘着テープの23℃におけるMD方向の10%伸長時の応力が上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。
本発明の粘着テープは、23℃におけるMD方向の破断時の伸びが、好ましくは25%以上であり、より好ましくは30%~100%であり、さらに好ましくは35%~95%であり、特に好ましくは40%~90%であり、最も好ましくは45%~85%である。本発明の粘着テープの23℃におけるMD方向の破断時の伸びが上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。
本発明の粘着テープは、23℃におけるTD方向の10%伸長時の応力と23℃におけるMD方向の10%伸長時の応力との比(23℃におけるTD方向の10%伸長時の応力/23℃におけるMD方向の10%伸長時の応力)が、好ましくは1.1以上であり、より好ましくは1.1~5.0であり、さらに好ましくは1.2~4.0であり、特に好ましくは1.3~3.5であり、最も好ましくは1.4~3.0である。本発明の粘着テープの、23℃におけるTD方向の10%伸長時の応力と23℃におけるMD方向の10%伸長時の応力との比(23℃におけるTD方向の10%伸長時の応力/23℃におけるMD方向の10%伸長時の応力)が上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。
上記のように、本発明の粘着テープは、TD方向がMD方向より低応力で破断せずにほどよく伸びることにより、特に凹凸追従性に優れ得る。例えば、本発明の粘着テープを直線上に仮貼後、TD方向にほどよく伸ばして貼ることが可能であるため、凹凸のある表面に対して追従させながら貼ることが可能となり得る。
本発明の粘着テープは、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な方法によって製造し得る。例えば、特許第6110767号公報に記載の粘着シートの製造方法を援用し得る。
本発明の粘着テープは、粘着剤層の表面に、例えば、使用するまで、剥離ライナーが設けられていてもよい。
<基材層>
本発明の粘着テープが有する基材層は、芯鞘構造を有する繊維を含む。本発明の粘着テープが有する基材層中の芯鞘構造を有する繊維の種類は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
本発明の粘着テープが有する基材層中の芯鞘構造を有する繊維の含有割合は、好ましくは50重量%~100重量%であり、より好ましくは70重量%~100重量%であり、さらに好ましくは80重量%~100重量%であり、特に好ましくは90重量%~100重量%であり、最も好ましくは95重量%~100重量%である。本発明の粘着テープが有する基材層中の芯鞘構造を有する繊維の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。
基材層の厚みは、好ましくは30μm~1000μmであり、より好ましくは30μm~500μmであり、さらに好ましくは50μm~500μmであり、特に好ましくは50μm~300μmである。基材層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。
本発明の粘着テープが有する基材層は、好ましくは不織布層である。本発明の粘着テープが有する基材層が不織布層であることにより、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。
本発明の粘着テープが有する基材層が不織布層である場合、不織布層に用いられている不織布の目付は、好ましくは3g/m~100g/mであり、より好ましくは5g/m~80g/mであり、さらに好ましくは8g/m~60g/mであり、特に好ましくは10g/m~50g/mである。不織布の目付が上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。
本発明の粘着テープが有する基材層が不織布層である場合は、不織布層を構成する繊維が芯鞘構造を有する繊維を含む。この場合、不織布層を構成する繊維中の芯鞘構造を有する繊維の含有割合は、好ましくは50重量%~100重量%であり、より好ましくは70重量%~100重量%であり、さらに好ましくは80重量%~100重量%であり、特に好ましくは90重量%~100重量%であり、最も好ましくは95重量%~100重量%である。本発明の粘着テープが有する基材層が不織布層である場合、不織布層を構成する繊維中の芯鞘構造を有する繊維の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。
芯鞘構造を有する繊維としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な芯鞘構造を有する繊維を採用し得る。このような芯鞘構造としては、好ましくは、芯鞘構造の芯成分がポリエステル系ポリマーを含み、上記芯鞘構造の鞘成分がポリオレフィン系ポリマーを含む。芯鞘構造の芯成分がポリエステル系ポリマーを含み、上記芯鞘構造の鞘成分がポリオレフィン系ポリマーを含むようにすれば、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。
芯鞘構造の芯成分がポリエステル系ポリマーを含む場合、芯鞘構造の芯成分中のポリエステル系ポリマーの含有割合は、好ましくは50重量%~100重量%であり、より好ましくは70重量%~100重量%であり、さらに好ましくは80重量%~100重量%であり、特に好ましくは90重量%~100重量%であり、最も好ましくは95重量%~100重量%である。ポリエステル系ポリマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
ポリエステル系ポリマーとしては、代表的には、芳香族ポリエステル系ポリマー、脂肪族ポリエステル系ポリマーが挙げられる。
芳香族ポリエステル系ポリマーとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸またはこれらのエステル類を酸成分とし、かつ、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール等のジオール化合物をグリコール成分として構成される芳香族ポリエステル系ポリマーが挙げられる。なお、パラオキシ安息香酸、ポリアルキレングリコール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA等が添加または共重合されていてもよい。
脂肪族ポリエステル系ポリマーとしては、例えば、α-ヒドロキシ酸を重合させて得られるポリグリコール酸;乳酸を重合させて得られるポリ乳酸;α-ヒドロキシ酸と乳酸を共重合させて得られる共重合体;ポリ(ε-カプロラクトン)やポリ(β-プロピオラクトン)等のポリ(ω-ヒドロキシルアルカノエート);ポリ-3-ヒドロキシプロピオネート、ポリ-3-ヒドロキシブチレート、ポリ-3-ヒドロキシカプロレート、ポリ-3-ヒドロキシヘプタノエート、ポリ-3-ヒドロキシオクタノエート等のポリ(β-ヒドロキシアルカノエート);ポリ(β-ヒドロキシアルカノエート)にポリ-3-ヒドロキシバリレートやポリ-4-ヒドロキシブチレート等を構成するモノマー成分を共重合させて得られる共重合体;アジピン酸やセバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル成分を酸成分とし、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール等のジオール化合物をグリコール成分として構成される脂肪族ポリエステル系ポリマー(例えば、ポリエチレンオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリブチレンオキサレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリネオペンチルオキサレートまたはこれらを構成するモノマー成分を共重合させて得られる共重合体);などが挙げられる。
芯鞘構造の鞘成分がポリオレフィン系ポリマーを含む場合、芯鞘構造の鞘成分中のポリオレフィン系ポリマーの含有割合は、好ましくは50重量%~100重量%であり、より好ましくは70重量%~100重量%であり、さらに好ましくは80重量%~100重量%であり、特に好ましくは90重量%~100重量%であり、最も好ましくは95重量%~100重量%である。ポリオレフィン系ポリマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
ポリオレフィン系ポリマーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン系共重合体、プロピレン系共重合体などが挙げられる。
ポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン(融点125~135℃)、中密度ポリエチレン(融点100~120℃)、直鎖状低密度ポリエチレン(融点125~128℃)、低密度ポリエチレン(融点80~100℃)などが挙げられる。
ポリエチレンは、ASTM-D-1238(E)に記載の方法で測定したメルトインデックスが、好ましくは10g/10分~80g/10分である。ASTM-D-1238(E)に記載の方法で測定したメルトインデックスが10g/10分未満のポリエチレンであると、紡糸の際に、溶融温度を高くしなければ、高速で溶融紡糸することが困難となるおそれがあり、高温下における紡糸では原料ポリマーの熱分解が促進されてしまい、紡糸口金面に汚れが付着しやすくなり、操業性が損なわれるおそれがある。ASTM-D-1238(E)に記載の方法で測定したメルトインデックスが80g/10分を超えるポリエチレンであると、溶融粘度が低過ぎるため、紡糸工程で十分に冷却されにくくなって繊維同士が密着したり繊維強度が劣ったりするおそれがある。
ポリプロピレンは、ASTM-D-1238(L)に記載の方法で測定したメルトフローレートが、好ましくは20g/10分~70g/10分である。ASTM-D-1238(L)に記載の方法で測定したメルトフローレートが20g/10分未満のポリプロピレンであると、溶融粘度が高過ぎて高速製糸性が得られないおそれがある。ASTM-D-1238(L)に記載の方法で測定したメルトフローレートが70g/10分を超えるポリプロピレンであると、溶融粘度が低過ぎて、ヌメリ感が発生したり繊維同士の密着を生じやすくなったりおそれがある。
芯成分、鞘成分中には、必要に応じて、艶消し剤、顔料、防炎剤、難燃剤、消臭剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、結晶化促進剤等の各種添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
芯成分に含まれ得るポリエステル系ポリマーと鞘成分に含まれ得るポリオレフィン系ポリマーとの融点差は、好ましくは50℃以上である。芯成分に含まれ得るポリエステル系ポリマーと鞘成分に含まれ得るポリオレフィン系ポリマーとの融点にこのような差を設けることにより、熱処理を施した際に、芯成分は熱の影響を受けずに繊維形態を維持して機械的強度を保持したまま、鞘成分のみが接着成分として作用する温度域での加工が可能となるため、比較的加工温度幅を広く設定することができ、優れたヒートシール加工性、高い機械的強度、優れた柔軟性を両立させ得る。
不織布を構成する芯鞘構造を有する繊維の単糸繊度は、好ましくは1デシテックス~20デシテックスである。不織布を構成する芯鞘構造を有する繊維の断面形状としては、ポリオレフィン系ポリマーが繊維の外周に露出した形状の芯鞘型複合繊維であれば、中空部分を形成していても、芯成分が偏在していても、あるいは断面形状が丸断面でなくてもよい。例えば、多角的形状、繊維断面が縦横比を有する扁平断面形状であっても、機械的性能において本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択が可能である。また、芯成分と鞘成分の構成比率は、10:90~90:10の範囲で適宜選択可能である。
本発明の粘着テープが有する基材層として採用し得る芯鞘構造を有する繊維を含む繊維から構成される不織布層は、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な方法によって製造し得る。このような製造方法としては、例えば、特許第4263897号公報に記載の不織布の製造方法を採用し得る。
<粘着剤層>
粘着剤層は、粘着剤組成物によって構成されている。
粘着剤層の厚みは、好ましくは70μm~1000μmであり、より好ましくは70μm~500μmであり、さらに好ましくは100μm~500μmであり、特に好ましくは100μm~400μmである。粘着剤層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。
粘着剤組成物は、好ましくは、ゴム成分を含む。粘着剤組成物がゴム成分を含むことにより、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。ゴム成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
ゴム成分としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンゴム、エチレン・プロピレンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ビニルアルキルエーテルゴム、ポリビニルアルコールゴム、ポリビニルピロリドンゴム、ポリアクリルアミドゴム、セルロースゴムなどが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果をより発現させ得る点で、ゴム成分としては、好ましくは、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴムおよびポリイソブチレンの組み合わせが挙げられる。
ブチルゴムは、イソブテン(イソブチレン)および少量のイソプレンの共重合体(イソブチレン・イソプレンゴム)である。
ブチルゴムの種類としては、例えば、再生ブチルゴム、合成ブチルゴムなどが挙げられる。
ブチルゴムは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
加工性等の点を勘案すると、ブチルゴムとしては、好ましくは、再生ブチルゴムである。
再生ブチルゴムのムーニー粘度は、好ましくは20~100(ML1+4、100℃)であり、より好ましくは25~65(ML1+4、100℃)である。
ゴム成分がブチルゴムを含有する場合、ゴム成分全体に対するブチルゴムの含有割合は、好ましくは50重量%~100重量%であり、より好ましくは60重量%~100重量%であり、さらに好ましくは70重量%~100重量%であり、特に好ましくは80重量%~100重量%である。ゴム成分全体に対するブチルゴムの含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。
ポリイソブチレンは、イソブチレンの重合体であり、粘度平均分子量が、好ましくは30万~500万であり、より好ましくは50万~300万であり、さらに好ましくは80万~290万であり、最も好ましくは100万~280万である。なお、ポリイソブチレンの粘度平均分子量は、例えば、BASF社のカタログ「Oppanol B Types」(2005年版)の第2頁に記載される方法にしたがって測定することができる。
ポリイソブチレンは、は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
ゴム成分がポリイソブチレンを含有する場合、ゴム成分全体に対するポリイソブチレンの含有割合は、好ましくは0重量%を超えて50重量%以下であり、より好ましくは3重量%~45重量%であり、さらに好ましくは5重量%~40重量%であり、特に好ましくは10重量%~30重量%である。ゴム成分がポリイソブチレンを含有する場合、ゴム成分全体に対するポリイソブチレンの含有割合が上記範囲内にあれば、低温での粘着性を有効に発現させることができる。
ブチルゴムおよびポリイソブチレンの含有割合(ブチルゴム/ポリイソブチレン)は、重量基準で、好ましくは50/50~100/0であり、より好ましくは70/30~90/10である。
粘着剤組成物中のゴム成分の含有割合は、粘着剤組成物の全量に対して、好ましくは3重量%~70重量%であり、より好ましくは5重量%~60重量%であり、さらに好ましくは7重量%~50重量%であり、特に好ましくは10重量%~40重量%である。粘着剤組成物中のゴム成分の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。
粘着剤組成物は、ゴム成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な他の成分を含んでいてもよい。このような他の成分としては、例えば、軟化剤、粘着付与剤、充填材などが挙げられる。他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
軟化剤は、良好な粘着性を粘着剤層に付与し得る。軟化剤としては、例えば、パラフィン類、ワックス類、ナフテン類、アロマ類、アスファルト類、乾性油類(例えば、アマニ油など)、動植物油類、石油系オイル類(例えば、プロセスオイルなど)、ポリブテン、低分子量ポリエチレングリコール、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、ステアリン酸またはそのエステル類、アルキルスルホン酸エステル類などが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果をより発現させ得る点で、軟化剤としては、好ましくは、ポリブテンである。
軟化剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
軟化剤の40℃における動粘度は、好ましくは100mm/s~50000mm/sであり、より好ましくは200mm/s~40000mm/sであり、さらに好ましくは250mm/s~35000mm/sであり、特に好ましくは300mm/s~30000mm/sである。軟化剤の40℃における動粘度が上記範囲内にあれば、低温での粘着性を有効に発現させることができる。
軟化剤の動粘度は、JISK2283(2000)に準拠して測定され、具体的には、ガラス製毛管式粘度計装置により測定される。
軟化剤の流動点は、好ましくは-55℃~-5℃であり、より好ましくは-45℃~-8℃であり、さらに好ましくは-35℃~-10℃であり、特に好ましくは-30℃~-15℃である。軟化剤の流動点が上記範囲内にあれば、低温での粘着性を有効に発現させることができる。
流動点は、軟化剤を冷却したときに流動状態を保つことができる最低温度であり、例えば、JISK2269(1987)に準拠して、自動流動点試験器により測定される。
軟化剤の含有割合は、ゴム成分100重量部に対して、好ましくは30重量部~300重量部であり、より好ましくは50重量部~200重量部であり、さらに好ましくは80重量部~150重量部であり、特に好ましくは105重量部~125重量部以下である。軟化剤の流動点が上記範囲内にあれば、低温での粘着性を有効に発現させることができる。
粘着付与剤は、粘着剤層の粘着力を向上させるとともに、高温においてゴム成分を軟化し易くするために任意に配合され得る。
粘着付与剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
粘着付与剤としては、例えば、石油系樹脂、フェノール系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂などが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果をより発現させ得る点で、石油系樹脂が好ましい。
粘着付与剤の含有割合は、ゴム成分100重量部に対して、好ましくは5重量部~500重量部であり、より好ましくは8重量部~300重量部であり、さらに好ましくは10重量部~200重量部であり、特に好ましくは30重量部~70重量部である。
充填剤は、粘着剤層を補強するために任意に配合される。
充填剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム(例えば、重質炭酸カルシウムまたは軽質炭酸カルシウムなど)、タルク、酸化チタン、カーボンブラック、シリカ、酸化マグネシウムなどが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果をより発現させ得る点で、炭酸カルシウムが好ましい。
充填剤の平均粒子径は、好ましくは0.001μm~10μmであり、また、JIS-K-5101に準拠して測定される350メッシュの篩残分が、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは0.1重量%~5重量%である。
充填剤の含有割合は、ゴム成分100重量部に対して、好ましくは20重量部~600重量部であり、より好ましくは30重量部~500重量部であり、さらに好ましくは50重量部~400重量部であり、特に好ましくは100重量部~300重量部である。
粘着剤組成物には、必要により、架橋剤、老化防止剤、可塑剤などの他の添加剤を、適宜の割合で含んでいてもよい。
粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な方法で製造し得る。このような製造方法としては、例えば、上記した各成分を、上記した割合で配合して、混練する方法が挙げられる。混練の方法としては、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロールなどのバッチ式混練機を用いた混練や、2軸混練機などの連続混練機を用いた混練などが挙げられる。
上記のようにして得られた粘着剤組成物を、例えば、押出機、カレンダーロール、プレス機(熱プレス機)などの成形装置を用いて、シート状に成形することにより、粘着剤層を得ることができる。
粘着剤層の形成のためには、好ましくは、粘着剤組成物を加熱する。加熱の温度は、好ましくは60℃~180℃であり、より好ましくは70℃~160℃である。
<目止め層>
本発明の粘着テープは、基材層と粘着剤層の間に目止め層を有していてもよい。本発明の粘着テープは、好ましくは、基材層と目止め層と粘着剤層がこの順に直接に積層されてなる。
目止め層の厚みは、好ましくは5μm~100μmであり、より好ましくは5μm~80μmであり、さらに好ましくは10μm~80μmであり、特に好ましくは10μm~50μmである。目止め層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性により優れ得る。目止め層の厚みが小さ過ぎると、基材層と目止め層との接着強度(層間強度)が低下し、基材層と目止め層とが剥離し易くなるおそれがある。目止め層の厚みが大きすぎると、目止め層の剛性が増加し、被着対象の凹凸部に貼着した際の粘着テープの反発力が増加するため、被着対象からの粘着テープの剥離が生じやすくなるおそれがある。
本発明の粘着テープにおいて、粘着剤層は、例えば、基材層/目止め層の積層体の目止め層の表面上に形成させる。
本発明の粘着テープにおいて、粘着剤層は、例えば、2枚の剥離シートで粘着剤組成物を厚み方向に挟むことにより、粘着剤層と、それを厚み方向に挟む2枚の剥離シートとを備える粘着シートとして得ることができる。そして、この場合、剥離シートの一方面を剥離し、粘着剤層を目止め層に圧着(転写)させてもよい。
目止め層は、好ましくは、粘着剤層を構成する成分が基材層に浸透することを防止するためのバリア層であり、基材層の一方の面に積層されている。
目止め層を構成する材料(目止材料)としては、好ましくは、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;エチレン-酢酸ビニル共重合体;ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂;などが用いられる。これらの中でも、本発明の効果をより発現させ得る点で、目止め層を構成する材料(目止材料)としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレンがより好ましい。
目止め層を構成する材料(目止材料)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
目止め層は、例えば、目止材料を熱溶融し、その溶融物を基材層の一方の面に塗布することにより形成され得る。これにより、基材層/目止め層の積層体が得られる。塗布方法は、例えば、ドクターブレード法、カレンダーロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工などが挙げられる。熱溶融の温度は、好ましくは150℃~500℃であり、より好ましくは180℃~450℃であり、さらに好ましくは200℃~400℃であり、より好ましくは220℃~350℃である。
目止め層は、基材層に対して接着剤を介してまたは転写させることにより形成してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例等における、試験および評価方法は以下のとおりである。なお、「部」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量部」を意味し、「%」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量%」を意味する。
(10%伸長時応力)
試験片サイズ10mm幅、チャック間50mm、引張速度300mm/分にて、引張圧縮試験機(ミネベア社製、「TECHNOGRAPH TG-2kN、NMB」)を用いて、粘着テープが10%伸びたときの応力を測定した。
(破断伸び)
試験片サイズ10mm幅、チャック間50mm、引張速度300mm/分にて、引張圧縮試験機(ミネベア社製、「TECHNOGRAPH TG-2kN、NMB」)を用いて、粘着テープの破断伸びを測定した。
(凹凸追従性)
図3のように下地材料の凹凸を計測し、最も隙間の大きいところが1cm以上ある下地材料に対して、テープを貼付け、常温で24時間後にテープの浮きが発生しないかを確認した。
テープの浮きが発生したものは×、浮きは発生しなかったが貼付け時に手で伸ばしにくかったものを△、浮きが発生せずかつ手で伸ばして貼り易かったものを○とした。
(耐アルカリ性)
水酸化カルシウム飽和水溶液に粘着テープのサンプルを2週間漬け込んだ後に該サンプルを取り出し、常温でよく乾燥させた後、(破断伸び)と同じ方法で、MD方向の伸びを測定した。
以下の式で、残率を求めた。
残率(%)=100×(取り出し後のMD方向破断伸び)/(初期のMD方向破断伸び)
残率80%以上を○、残率50%以上80%未満を△、残率50%未満を×とした。
(耐久性)
粘着テープのサンプルを90℃雰囲気下で21週間加温し、常温に冷却後、(破断伸び)と同じ方法で、MD方向の伸びを測定した。
以下の式で、残率を求めた。
残率(%)=100×(取り出し後のMD方向破断伸び)/(初期のMD方向破断伸び)
残率80%以上を○、残率50%以上80%未満を△、残率50%未満を×とした。
〔製造例1〕
表1に記載の配合処方にしたがって、粘着剤組成物を調製した。
Figure 0007222641000001
表1中の各成分の詳細は下記の通りである。
・Sブチル再生ゴム:ムーニー粘度ML1+4(100℃)44±6、縣護謨社製。
・ポリブテンHV-300:ポリブテン、軟化剤、流動点0℃、動粘度(40℃)26000mm/s、JX日鉱日石エネルギー社製。
・ダイアナプロセスオイルPW-90:石油系炭化水素、流動点-10℃以下、出光興産社製。
・T-REZ RB100:粘着付与剤、石油系樹脂、軟化点100℃、東燃化学社製。
・重質炭酸カルシウム:充填剤、篩残分(350メッシュ)=0.5%以下(JIS-K-5101に準拠)、丸尾カルシウム社製。
〔実施例1〕
基材層として芯鞘構造を有する繊維の不織布(ユニチカ製、「エルベスSシリーズ」、S0153WDO、目付=15g/m、鞘成分=ポリエチレン(PE)、芯成分=ポリエチレンテレフタレート(PET)、厚さ120μm)を用意し、不織布の一方の面にポリエチレンからなる目止め層(厚さ20μm)を積層させた。これにより、基材層および目止め層の積層体を得た。次に、得られた基材層および目止め層の積層体の目止め層側の上面に、製造例1で製造した粘着剤組成物を、80℃にて、カレンダーロールにて、厚さ0.3mmに糊引きすることにより、粘着剤層を目止め層の上面に積層させ、粘着テープ(1)を製造した。
結果を表2に示した。
〔実施例2〕
基材層として芯鞘構造を有する繊維の不織布(ユニチカ製、「エルベスSシリーズ」、S0203WDO、目付=20g/m、鞘成分=ポリエチレン(PE)、芯成分=ポリエチレンテレフタレート(PET)、厚さ160μm)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、粘着テープ(1)を製造した。
結果を表2に示した。
〔実施例3〕
基材層として芯鞘構造を有する繊維の不織布(ユニチカ製、「エルベスSシリーズ」、S0303WDO、目付=30g/m、鞘成分=ポリエチレン(PE)、芯成分=ポリエチレンテレフタレート(PET)、厚さ230μm)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、粘着テープ(3)を製造した。
結果を表2に示した。
〔実施例4〕
基材層として芯鞘構造を有する繊維の不織布(ユニチカ製、「エルベスSシリーズ」、S0403WDO、目付=40g/m、鞘成分=ポリエチレン(PE)、芯成分=ポリエチレンテレフタレート(PET)、厚さ290μm)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、粘着テープ(4)を製造した。
結果を表2に示した。
〔比較例1〕
基材層として不織布(江西国橋実業有限公司社製、T1030-W-93、目付=30g/m、ポリエチレンテレフタレート(PET)不織布、厚さ220μm)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、粘着テープ(C1)を製造した。
結果を表2に示した。
〔比較例2〕
基材層として不織布(江西国橋実業有限公司社製、T1060-W-93、目付=60g/m、ポリエチレンテレフタレート(PET)不織布、厚さ320μm)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、粘着テープ(C2)を製造した。
結果を表2に示した。
〔比較例3〕
基材層として不織布(旭化成社製、P03030、目付=30g/m、ポリプロピレン(PP)不織布、厚さ250μm)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、粘着テープ(C3)を製造した。
結果を表2に示した。
Figure 0007222641000002
本発明の粘着テープは、耐アルカリ性、凹凸追従性、耐久性に優れるので、例えば、各種環境下における防水テープとして利用可能である。

Claims (5)

  1. 基材層と該基材層の少なくとも一方の側に配置された粘着剤層とを有する粘着テープであって、
    該基材層が不織布層であり、
    該不織布層を構成する繊維が、芯鞘構造を有する繊維を含み、
    該芯鞘構造の芯成分がポリエステル系ポリマーを含み、該芯鞘構造の鞘成分がポリオレフィン系ポリマーを含み、
    該粘着剤層を構成する粘着剤組成物がブチルゴムを含み、
    該基材層と該粘着剤層の間に目止め層を有する、
    粘着テープ。
  2. 前記目止め層がポリオレフィン系樹脂を含む、請求項1に記載の粘着テープ。
  3. 23℃におけるTD方向の10%伸長時の応力が12N/10mm以下である、請求項1または2に記載の粘着テープ。
  4. 23℃におけるTD方向の破断時の伸びが25%以上である、請求項1から3までのいずれかに記載の粘着テープ。
  5. 防水テープである、請求項1から4までのいずれかに記載の粘着テープ。
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