JP2023092439A - 粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、低温から高温までの広い温度範囲において、より十分な粘着性を発揮できる粘着シートを提供する。【解決手段】本発明に係る粘着シートは、基材と、該基材の少なくとも一方面に積層された粘着剤層と、を有する粘着シートであって、前記粘着剤層は、有機成分としてブチルゴムを含み、60℃における貯蔵弾性率の値G1’に対する-10℃における貯蔵弾性率の値G2’の比(G2’/G1’)が12未満であり、-10℃における貯蔵弾性率の値G2’が0.7MPa以下であり、-10℃における粘着力が、2.0N/25mm以上である。【選択図】 図1

Description

本発明は、粘着シートに関する。より詳しくは、本発明は、透湿防水シートを施工対象に施工するためなどに用いられる粘着シートに関する。
従来、住宅における内壁などを雨水などから保護するために、該内壁などを施工対象として、該施工対象に不織布などで構成された透湿防水シートを取り付けることが知られている(例えば、下記特許文献1)。
下記特許文献1には、施工対象に取り付けられる第1粘着剤層と防水透湿シートに取り付けられる第2粘着剤層とを備える粘着シートが記載されている。
また、下記特許文献1には、前記粘着シートにおいて、前記第1粘着剤層にブチルゴムを40~93質量%及びポリイソブチレンを7~60質量%含有する第1ゴム成分を含ませた上で、さらに、前記第1粘着剤層に40℃における動粘度が100~9000mm/sである前記第1軟化剤を前記第1ゴム成分100質量部に対して82~128質量部の配合割合で含ませることが記載されている。
そして、粘着シートを上記のように構成することにより、透湿防水シートを施工箇所に施工した場合、広い温度範囲(-10℃~60℃)において優れた粘着性を実現できることが記載されている。
特開2015-54888号公報
上記のように、粘着シートには広い温度範囲において優れた粘着性を発揮できることが要求されているものの、この要求は、必ずしも十分に満たされているとは言い難い。
そこで、本発明は、低温から高温までの広い温度範囲において、より十分な粘着性を発揮できる粘着シートを提供することを課題とする。
本発明者が鋭意検討したところ、基材と、該基材の少なくとも一方面に積層された粘着剤層と、を有する粘着シートにおいて、前記粘着剤層を有機成分としてブチルゴムを含むものとした上で、さらに、60℃における貯蔵弾性率の値G’に対する-10℃における貯蔵弾性率の値G’の比(G’/G’)を12未満とし、-10℃における貯蔵弾性率の値G’を0.7MPa以下とし、-10℃における粘着力を2.0N/25mm以上とすることにより、低温から高温までの広い温度範囲において、前記粘着シートがより十分な粘着性を発揮できることを見出した。
そして、本発明を想到するに至った。
すなわち、本発明に係る粘着シートは、
基材と、
該基材の少なくとも一方面に積層された粘着剤層と、を有する粘着シートであって、
前記粘着剤層は、有機成分としてブチルゴムを含み、
60℃における貯蔵弾性率の値G’に対する-10℃における貯蔵弾性率の値G’の比(G’/G’)が12未満であり、
-10℃における貯蔵弾性率の値G’が0.7MPa以下であり、
-10℃における粘着力が、2.0N/25mm以上である。
本発明によれば、低温から高温までの広い温度範囲において、より十分な粘着性を発揮できる粘着シートを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る粘着シートの構成を示す断面図。 本発明の他の実施形態に係る粘着シートの構成を示す断面図。
以下、本発明に係る粘着シートについて説明する。
本発明に係る粘着シートは、基材と、該基材の少なくとも一方面に積層された粘着剤層と、を有する粘着シートであり、前記粘着剤層は、有機成分としてブチルゴムを含む。
また、本発明に係る粘着シートでは、粘着剤層は、60℃における貯蔵弾性率の値G’に対する-10℃における貯蔵弾性率の値G’の比(G’/G’)が12未満である。
さらに、本発明に係る粘着シートでは、粘着剤層は、-10℃における貯蔵弾性率の値G’が0.7MPa以下である。
さらに、本発明に係る粘着シートでは、粘着剤層は、-10℃における粘着力が2.0N/25mm以上である。
本発明に係る粘着シートでは、-10℃における粘着剤層の貯蔵弾性率の値G’を0.7MPa以下とした上で、60℃における貯蔵弾性率の値G’に対する-10℃における貯蔵弾性率の値G’の比(G’/G’)が12未満としている。
そのため、本発明に係る粘着シートにおいては、低温(-10℃)から高温(60℃)の広い温度範囲において粘着剤層が適度な弾性率を有するものとなるので、該粘着剤層は、被着体(透湿防水シートや住宅における内壁などの施工対象)に対して低温から高温までの広い温度範囲において良好な追従性を発揮することができるようになる。
また、本発明に係る粘着シートでは、特に、粘着性の低下が顕著となり得る低温(-10℃)においても、粘着剤層の粘着力は2N/25mm以上という高い値となっている。
そのため、本発明に係る粘着シートにおいては、前記粘着剤層は、低温から高温の広い温度範囲において、十分な粘着性を示すことができる。
これにより、本発明に係る粘着シートは、低温から高温までの広い温度範囲において、より十分な粘着性を発揮することができる。
以下では、まず、図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係る粘着シートとして、基材の片面に粘着剤層が積層されている片面粘着シートを例に挙げて説明する。
図1に示しように、本発明の一実施形態に係る粘着シート10は、基材1と、基材1の片面に積層された粘着剤層2と、を有する。
なお、このような片面粘着シートでは、粘着剤層2は、透湿防水シートに貼り付けられる。
上記したように、粘着剤層2は、有機成分として、ブチルゴムを含む。
ブチルゴムは、イソブテン(イソブチレン)と少量のイソプレンとの共重合体(イソブチレン・イソプレン)である。
ブチルゴムとしては、合成ブチルゴム、再生ブチルゴムなどが挙げられる。
粘着剤層2は、主成分として合成ブチルゴムを含んでいることが好ましい。
粘着剤層2は、ブチルゴムの総量を基準としたときに、合成ブチルゴムを70質量%以上含んでいることが好ましく、80質量%以上含んでいることがより好ましく、90質量%以上含んでいることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
すなわち、粘着剤層2に含まれるブチルゴムの全てが合成ブチルゴムであることが特に好ましい。
前記再生ブチルゴムは、ブチルゴムを原料として得られたゴム製品(例えば、タイヤやチューブなど)を再生処理することにより得られるものであり、前記再生処理においては、パイン油や鉱油などのオイルが使用される。
そのため、前記再生ブチルゴムには、前記再生処理に使用したオイルが残留している。
ここで、粘着剤層2が前記ブチルゴムとして再生ブチルゴムを含む場合には、粘着剤層2に透湿防水シートを貼り付けると、前記再生ブチルゴムに含まれる前記オイルは前記透湿防水シートに成分移行するようになる。
そして、前記透湿防水シートが繊維シートで構成されたものである場合(特に、高密ポリエチレン不織布で構成されたものである場合)、粘着剤層2から成分移行した前記オイルによって前記透湿防水シートは膨潤するようになる。
このように、前記透湿防水シートが膨潤すると、前記透湿防水シートに対する粘着剤層2の密着性を十分に確保することができなくなることから好ましくない。
しかしながら、上記のように、ブチルゴムの総量を基準としたときに、粘着剤層2が合成ブチルゴムを70質量%以上含んでいることにより、粘着剤層2における前記再生ゴム由来の前記オイルの含有量を比較的少なくすることができるので、前記透湿防水シートが繊維シートで構成されたものであったとしても、前記透湿防水シートが膨潤することを抑制することができる。
ブチルゴムの質量平均分子量は、3万以上150万以下であることが好ましい。
上記質量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定から標準ポリスチレンの換算値として求めることができる。
ブチルゴムの質量平均分子量は、20万以上であることがより好ましく、30万以上であることがさらに好ましい。
また、ブチルゴムの質量平均分子量は、80万以下であることがより好ましく、70万以下であることがさらに好ましい。
ブチルゴムの質量平均分子量は、TOSOH社製のHLC-8420GPCを用いて、以下のようにして取得される検体を以下の条件を採用して測定することにより求めることができる。
なお、ブチルゴムの質量平均分子量は、ポリスチレン換算により算出する。

[検体の取得方法]
(1)ブチルゴムを含む粘着剤層2から採取した試料を1.0g/LのTHF溶液に調製して一晩静置する。
(2)一晩静置したTHF溶液を孔径0.45μmのメンブレンフィルタでろ過し、得られたろ液を検体とする。
[GPC測定条件]
・カラム:TSKgel SuperHZM-H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ3000、及び、TSKgel SuperHZ200(いずれも、TOHSOH社製)をフェラル方式にて直列に連結したもの
・カラムサイズ:それぞれ、6.0mmI.D.×150mm
・溶離液:THF
・流量:0.6mL/min
・カラム温度:40℃
・検出器:RI
・注入量:20μL
粘着剤層2は、ブチルゴム以外のゴム成分を有機成分として含んでいてもよい。
ブチルゴム以外のゴム成分としては、ブチルゴム以外のゴムや熱可塑性エラストマーが挙げられる。
ブチルゴム以外のゴムとしては、例えば、ポリイソブチレンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ビニルアルキルエーテルゴム、ポリビニルアルコールゴム、ポリビニルピロリドンゴム、ポリアクリルアミドゴム、セルロースゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン・プロピレンゴムなどが挙げられる。
また、熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーやアクリル系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
前記スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)などが挙げられる。
前記アクリル系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、アクリル酸エステルを主成分とするアクリルゴムが挙げられ、前記アクリルゴムとしては、例えば、アクリル酸エステルと2-クロロエチルビニルエーテルとの共重合体、アクリル酸エステルとアクリロニトリルとの共重合体、アクリル酸エステルとアクリル酸との共重合体が挙げられる。
上記した中でも、粘着剤層2は、前記熱可塑性エラストマーを含んでいることが好ましく、スチレン系熱可塑性エラストマー及びアクリル系熱可塑性エラストマーの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。
粘着剤層2は、前記ブチルゴム以外のゴムとして、熱可塑性エラストマーのみを含んでいてもよい。
このような場合、粘着剤層2は、前記ブチルゴムの含有量と前記熱可塑性エラストマーの含有量とを合算したものを100質量%としたときに、前記ブチルゴムを70質量%以上含んでいて、前記熱可塑性エラストマーを30質量%以下含んでいてもよい。
また、上のような場合、粘着剤層2は、前記ブチルゴムを80質量%以上含んでいて、前記熱可塑性エラストマーを20質量%以下含んでいてもよい。
さらに、上のような場合、粘着剤層2は、前記熱可塑性エラストマーを1質量%以上含んでいてもよいし、2質量%以上含んでいてもよいし、3質量%以上含んでいてもよい。
また、粘着剤層2は、前記ブチルゴムとして合成ブチルゴムを70質量%以上含んでいてもよく、80質量%以上含んでいてもよく、90質量%以上含んでいてもよく、100質量%含んでいてもよい。
そして、粘着剤層2は、上記のように前記ブチルゴムを含んだ上で、前記ブチルゴム以外のゴムとして、熱可塑性エラストマーのみを含んでいてもよい。
なお、前記ブチルゴムの含有量と前記熱可塑性エラストマーの含有量としては、上記したものを採用することができる。
粘着剤層2が上のような形で前記ブチルゴム及び前記熱可塑性エラストマーを含むことにより、該粘着剤層2が被着対象物を汚染(着色汚染)する程度を小さくすることができる。
前記熱可塑性エラストマーの質量平均分子量は、2万以上150万以下であることが好ましい。
なお、上記質量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定から標準ポリスチレンの換算値として求めることができる。
前記熱可塑性エラストマーの質量平均分子量の測定は、上記したブチルゴムの質量平均分子量の測定と同様にして実施することができる。
粘着剤層2が前記熱可塑性エラストマーとしてスチレン系熱可塑性エラストマーを含んでいる場合、前記スチレン系熱可塑性エラストマーにおけるスチレン含有量(スチレン量)は、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましい。
また、前記スチレン系熱可塑性エラストマーにおけるスチレン含有量は、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
さらに、粘着剤層2が前記熱可塑性エラストマーとしてスチレン系熱可塑性エラストマーを含んでいる場合、前記スチレン系熱可塑性エラストマーのジブロック率は、10%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。
また、前記スチレン系熱可塑性エラストマーのジブロック率は、70%以下であることが好ましい。
前記スチレン系熱可塑性エラストマーのジブロック率が上記数値範囲内であることにより、粘着シート10は、低温(例えば、-10℃)から高温(例えば、60℃)までの広い温度範囲において、より一層十分な粘着性を発揮できるものとなる。
ジブロック率(%)は、以下の式により算出することができる。

ジブロック率(%)=ジブロック共重合体の質量部/(ジブロック共重合体の質量部+トリブロック共重合体の質量部)×100
ジブロック率は、具体的には、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)法により、スチレン系熱可塑性エラストマーの分子量を測定し、得られたチャート中のジブロック共重合体に帰属されるピークと、トリブロック共重合体に帰属されるピークとの面積比から算出することができる。
GPC法は、ブチルゴムの質量平均分子量の測定方法で説明したのと同様にして実施することができる。
前記スチレン系熱可塑性エラストマーにおいてジブロック率を調整する方法としては、重合時に使用する重合開始剤及びカップリング剤の量比(カップリング剤量/重合開始剤量)を変えたりすることが挙げられる。
粘着剤層2は、ゴム成分を8質量%以上含んでいることが好ましく、10質量%以上含んでいることがより好ましい。
また、粘着剤層2は、前記ゴム成分を50質量%以下含んでいることが好ましく、45質量%以下含んでいることがより好ましい。
なお、ゴム成分とは、ブチルゴム、ブチルゴム以外のゴム、及び、熱可塑性エラストマーを総称した概念である。
粘着剤層2は、ゴム成分以外の有機成分として、軟化剤、粘着付与剤、老化防止剤などを含んでいてもよい。
粘着剤層2は、有機成分として、粘着付与剤を含んでいることが好ましい。
前記軟化剤としては、例えば、パラフィン類、ワックス類、ナフテン類、アロマ類、アスファルト類、乾性油(例えば、アマニ油など)、動植物油類、石油系オイル類(例えば、プロセスオイルなど)、ポリブテン、ポリイソブチレン、エチレン・αオレフィンコオリゴマー、低分子量ポリエチレングルコール、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、ステアリン酸またはそのエステル類、アルキルスルホン酸エステル類などが挙げられる。
前記軟化剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
粘着剤層2は、これらの中でも、ポリイソブチレン及びエチレン・αオレフィンコオリゴマーの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。
前記軟化剤の40℃における動粘度は、700mm/s以上であることが好ましく、900mm/s以上であることがより好ましい。
また、前記軟化剤の40℃における動粘度は、100000mm/s以下であることが好ましく、50000mm/s以下であることがより好ましい。
前記動粘度は、JIS K 2283(2000)に準拠して測定される。
具体的には、前記動粘度は、ガラス製毛管式粘度計装置により測定される。
なお、前記動粘度が異なる複数の軟化剤を用いる場合には、前記動粘度は、複数の軟化剤の混合物の動粘度として求められる。
粘着剤層2は、前記ゴム成分の100質量部に対して、前記軟化剤を30質量部以上含んでいることが好ましく、50質量部以上含んでいることがより好ましく、130質量部以上含んでいることがより好ましく、170質量部以上含んでいることがより好ましい。
また、粘着剤層2は、前記ゴム成分の100質量部に対して、前記軟化剤を400質量部以下含んでいることが好ましく、300質量部以下含んでいることがより好ましく、260質量部以下含んでいることがさらに好ましい。
粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、スチレン系樹脂、石油系樹脂、及び、フェノール系樹脂、並びに、これらの樹脂を水素化した水素化樹脂などが挙げられる。
これらの粘着付与剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ロジン系樹脂としては、例えば、ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、及び、ロジンフェノール樹脂などが挙げられる。
テルペン系樹脂としては、イソプレンに由来する構成単位を有する化合物であればよく、例えば、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、及び、テルペンフェノール系樹脂などが挙げられる。
スチレン系樹脂としては、例えば、α-メチルスチレンまたはβ-メチルスチレンなどのスチレン系モノマーと脂肪族系モノマーとを共重合して得られる樹脂などが挙げられる。
石油系樹脂としては、例えば、石油ナフサの熱分解で生成するペンテン、イソプレン、ピペリン、1,3-ペンタジエンなどのC5留分を共重合して得られるC5系炭化水素樹脂;石油ナフサの熱分解で生成するインデン、ビニルトルエンなどのC9留分を共重合して得られるC9系炭化水素樹脂などが挙げられる。
フェノール系樹脂としては、例えば、アルキルフェノール系樹脂、キシリレンホルムアルデヒド樹脂、レゾール、ノボラックなどが挙げられる。
粘着剤層2は、上記の粘着付与剤の中でも、石油系樹脂を含んでいることが好ましく、石油系樹脂として、C5系炭化水素樹脂を含んでいることがより好ましい。
粘着剤層2は、前記ゴム成分の100質量部に対して、前記粘着付与剤を5質量部以上含んでいることが好ましく、10質量部以上含んでいることがより好ましい。
また、粘着剤層2は、前記ゴム成分の100質量部に対して、前記粘着付与剤を200質量部以下含んでいることが好ましく、150質量部以下含んでいることがより好ましく、70質量部以下含んでいることがより好ましく、40質量部以下含んでいることがより好ましく、30質量部以下含んでいることがより好ましい。
さらに、粘着剤層2では、前記粘着付与剤の含有量に対する前記ブチルゴムの含有量の比(ブチルゴムの含有量/粘着付与剤の含有量)が、2.2以上であることが好ましく、3.0以上であることがより好ましく、5.0以上であることがさらに好ましい。
また、粘着剤層2では、前記粘着付与剤の含有量に対する前記ブチルゴムの含有量の比は、15.0以下であることが好ましく、10.0以下であることがより好ましく、8.0以下であることがさらに好ましい。
老化防止剤としては、フェノール系老化防止剤、リン系老化防止剤などが挙げられる。
粘着剤層2は無機成分を含んでいてもよい。
粘着剤層2は無機成分として無機フィラー及び無機着色剤を含んでいてもよい。
粘着剤層2は無機成分として無機フィラーを含んでいることが好ましい。
前記無機フィラーとしては、炭酸カルシウム(例えば、重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムなど)、タルク、酸化チタン、シリカ、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
これの中でも、炭酸カルシウムを用いることが好ましい。
粘着剤層2における前記無機フィラーの含有量は、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、35質量%以上であることがさらに好ましい。
また、粘着剤層2における前記無機フィラーの含有量は、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることがさらに好ましい。
前記無機着色剤としては、カーボンを用いることが好ましく、カーボンブラックを用いることがより好ましい。
粘着剤層2は、前記ゴム成分の100質量部に対して、前記無機成分を500質量部以下含んでいることが好ましく、450質量部以下含んでいることがより好ましく、400質量部以下含んでいることがさらに好ましい。
また、粘着剤層2は、前記ゴム成分の100質量部に対して、前記無機成分を50質量部以上含んでいることが好ましく、150質量部以上含んでいることがより好ましく、270質量部以上含んでいることがより好ましい。
粘着剤層2においては、前記無機成分の質量の値Wに対する前記有機成分の質量の値Wの比(W/W)が0.5以上1.3以下であることが好ましい。
これにより、粘着シート10は、低温から高温までの広い温度範囲において、より十分な粘着性を発揮できるものとなる。
/Wは、0.7以上であることがより好ましく、0.8以上であることがさらに好ましい。
また、W/Wは、1.2以下であることがより好ましく、1.0以下であることがさらに好ましい。
粘着剤層2においては、前記無機成分の含有量に対する前記ブチルゴムの含有量の比(ブチルゴムの含有量/無機成分の含有量)が、0.15以上であることが好ましく、0.20以上であることがより好ましい。
また、粘着剤層2においては、前記無機成分の含有量に対する前記ブチルゴムの含有量の比が、0.45以下であることが好ましく、0.30以下であることがより好ましい。
上記したように、粘着剤層2は、60℃における貯蔵弾性率の値G’に対する-10℃における貯蔵弾性率の値G’の比(G’/G’)が12未満である。
また、本発明に係る粘着シートでは、粘着剤層は、-10℃における貯蔵弾性率の値G’が0.7MPa以下である。
’/G’は、11以下であることが好ましい。
’/G’は、3以上であること好ましく、5以上であることがより好ましい。
’は、0.6MPa以下であることが好ましく、0.5MPa以下であることがさらに好ましい。
’は、0.1MPa以上であることが好ましく、0.2MPa以上であることがより好ましい。
’は、0.03MPa以上0.06MPa以下であることが好ましい。
粘着剤層2について、60℃における貯蔵弾性率の値G’及び-10℃における貯蔵弾性率の値G’は、レオメトリック社製の動的粘弾性測定装置「ARES」を用いて、下記の条件で動的粘弾性測定を行うことにより求めることができる。
なお、測定試料としては、粘着剤層2から一部採取した粘着剤を、温度80℃、1分の条件で2mm厚さにプレスしたものを使用する。

・装置:Rheometric Scientific社製 ARES(Advanced Rheometric Expansion System)
・周波数:1Hz
・温度:-30~120℃
・昇温速度:5℃/分
・変形モード:ねじり
・形状:パラレルプレート(7.9mmφ)

なお、G’は、上記測定における60℃の値であり、G’は、上記測定における-10℃の値である。
上記したように、粘着剤層2は、-10℃における粘着力が2.0N/25mm以上である。
粘着剤層2は、-10℃における粘着力が3.0N/25mm以上であることが好ましく、5N/25mm以上であることがより好ましい。
また、粘着剤層2の-10℃における粘着力の上限は、通常、20.0N/25mmである。
粘着剤層2は、23℃における粘着力が9.0N/25mm以上であることが好ましく、11.0N/25mm以上であることがより好ましい。
また、粘着剤層2の23℃における粘着力の上限は、通常、30.0N/25mmである。
粘着剤層2は、60℃における粘着力が4.0N/25mm以上であることが好ましく、6.0N/25mm以上であることがより好ましい。
また、粘着剤層2の60℃における粘着力の上限は、通常、20.0N/25mmである。
各評価温度(-10℃、23℃、及び、60℃)における粘着剤層2の粘着力は、以下の手順にしたがって測定することができる。
(1)粘着シート10から幅25mmの試験片を切り出す。
(2)該試験片及び被着体たる透湿防水シート(ラミテクトHi(品番RI-100-50)、セーレン株式会社製)を各評価温度(-10℃、23℃、及び、60℃)で1時間養生させる。
(3)前記試験片及び前記透湿防水シートを養生させた後、各評価温度雰囲気下で前記試験片の粘着剤層2を前記透湿防水シートの一方面に貼付し、質量2kgのローラを1往復させることにより、前記試験片を前記透湿防水シートに圧着させる。
(4)各評価温度でさらに30分養生させた後、剥離角度180°、引き剥がし速度300mm/minの条件で、粘着剤層2の前記透湿防水シートに対する粘着力を測定する。

なお、上記測定は各評価温度ごとに3検体ずつ行い、各評価温度における粘着剤層2の粘着力は、3検体についての測定値を算術平均することにより求める。
粘着剤層2の厚みは、50μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましい。
また、粘着剤層2の厚みは、500μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましい。
基材1としては、各種公知の材料から構成されたシートを用いることができる。
基材1は、繊維シート、ゴムシート、プラスチックシート、金属シート、及び、発泡シートからなる群から選択されるいずれかのシートによって構成されていることが好ましい。
基材1が上記の群から選択されるいずれかのシートによって構成されていることより、基材1上に粘着剤層2を比較的均一な厚さで形成し易くなる。
また、基材1上に粘着剤層2を好適に保持することができる。
さらに、上記の群に含まれるシートのうち、プラスチックシート及び金属シートは、一般に、高い引張強度を有することから、基材1をこれらのシートで構成することにより、粘着シート10の防水性及び耐久性を向上させることができる。
また、上記の群に含まれるシートのうち、繊維シート、ゴムシート、及び、発泡シートは、一般に、高い柔軟性を有することから、基材1をこれらのシートで構成することにより、表面に凹凸を有する被着体であっても十分に追従させることができる。
基材1は、これらの中でも、繊維シートによって構成されていることが好ましい。
前記繊維シートを構成する繊維としては、例えば、合成樹脂繊維、金属繊維、天然繊維などが挙げられ、これらの中でも、合成樹脂繊維であることが好ましい。
前記合成樹脂繊維としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂からなる繊維が挙げられる。
前記合成樹脂繊維としては、熱可塑性樹脂からなる繊維であることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂;ポリアミド6やポリアミド6,6などのポリアミド樹脂;セルロース樹脂などが挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、前記熱可塑性樹脂は、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンであることがより好ましい。
基材1が繊維シートから構成されている場合、前記繊維シートは、不織布シートまたは織物シートであることが好ましい。
換言すれば、前記繊維シートは、不織布シートまたは織物シートで構成されていることが好ましい。
不織布シートは、各種公知の製法で製造されたものであってもよい。
各種公知の製法としては、例えば、乾式法、湿式法、スパンボンド法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ステッチボンド法、ニードルパンチ法、メルトブロー法、スパンレース法、スチームジェット法などが挙げられる。
不織布シートとしては、市販のものを使用することができる。
不織布シートの目付量は、25g/m以上であることが好ましく、30g/m以上であることがより好ましく、40g/m以上であることがさらに好ましい。
また、不織布シートの目付量は、80g/m以下であることが好ましく、70g/m以下であることが好ましい。
目付量が上記数値範囲内であることにより、粘着シート10を十分な引張強度を有するものとすることができることに加えて、基材1の剛性が高くなり過ぎることが原因となって施工対象から粘着シート10が剥離し易くなることを抑制することができる。
織物シートは、各種公知の織機を用いて作製することができる。
織物シートは、どのような織り方で織られたものであってもよい。
織物シートの織り方としては、例えば、平織、斜文織、朱子織などが挙げられる。
織物シートとしては、市販のものを使用することができる。
基材1の厚みは、60μm以上であることが好ましく、80μm以上であることがより好ましい。
また、基材1の厚みは、500μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましい。
粘着剤層2は、上記した有機成分及び無機成分を上記した量で配合して、混練して得た粘着剤組成物を基材1上にシート状に成形する(糊引きする)ことにより得ることができる。
前記混練には、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロールなどのバッチ式の混練機や、2軸混練機などの連続混練機などが用いられ、シート状の成形には、押出機、カレンダーロール、プレス機(熱プレス機)などの成形装置が用いられる。
基材1と粘着剤層2との間には、図1(b)に示したように、目止め層3が備えられていてもよい。
目止め層3は、粘着剤層2に含まれる成分が基材1に浸透することを防止するためのバリア層である。
目止め層3を構成する材料(目止材料)としては、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂などが挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましく、ポリエチレンであることがより好ましい。
目止め層3は、例えば、目止材料を熱溶融し、その溶融物を基材1の一方面に塗布することにより基材1に積層させることができる。
溶融物の塗布方法としては、ドクターブレード法、カレンダーロール塗工、スクリ-ン塗工、グラビア塗工などが挙げられる。
また、目止め層3は、接着剤を介して基材1に転写させることにより基材1に積層させることができる。
目止め層3の厚みは、12μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましい。
また、目止め層3の厚みは、35μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましい。
以上、図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係る粘着シート10として、基材1の片面に粘着剤層2が積層されている片面粘着シートについて説明したが、本発明に係る粘着シートは、図2に示したように、基材の両面に粘着剤層が積層されている両面粘着シートであってもよい。
すなわち、本発明の他の実施形態に係る粘着シート10’は、図2に示したように、基材1と、基材1の一方面に積層された第1粘着剤層2aと、基材1の他方面に積層された第2粘着剤層2bと、を有するものであってもよい。
上記のように、第1粘着剤層2aと第2粘着剤層2bとの間に基材1を介在させておくことにより、各粘着剤層間で成分移行が生じることを抑制できる。
このような両面粘着シートでは、一方の粘着剤層(例えば、第1粘着剤層2a)は、片面粘着シートで説明したのと同様に、透湿防水シートに貼り付けられる。
そのため、例えば、第1粘着剤層2aが透湿防水シートに貼り付けられる粘着剤層である場合には、第1粘着剤層2aは、本発明の一実施形態に係る粘着シート10の粘着剤層2と同様に構成される。
一方で、他方の粘着剤層(例えば、第2粘着剤層2b)は、住宅における内壁などの施工対象に貼り付けられる。
そのため、第2粘着剤層2bが住宅における内壁などの施工対象に貼り付けられる粘着剤層である場合には、第2粘着剤層2bは、第1粘着剤層2aと同様に構成されていてもよいし、異なる構成とされていてもよい。
第2粘着剤層2bを第1粘着剤層2aと異なる構成とする場合、第2粘着剤層2bを施工対象により十分に接着させる観点から、第2粘着剤層2bとしては、例えば、特開2013-189523号公報及び特開2015-54888号公報に記載されたような、ブチルゴム40~93質量%およびポリイソブチレン7~60質量%を含むゴム成分100質量部と、40℃における動粘度が100~9000mm/sである軟化剤82~128質量部とを含む粘着剤組成物で形成されたもの、特開2003-213231号公報に記載されたような、ブチルゴムをベースとして含み、さらに該ブチルゴムを架橋処理する架橋剤を含む粘着剤組成物で形成されたもの、並びに、特開2003-41233号公報に記載されたような、(a)ゴム質ポリマー、(b)粘着付与剤、(c)チラウム加硫剤、キノイド加硫剤、キノンジオキシム加硫剤、マレイミド加硫剤から選択される少なくとも一種を含む架橋剤を含む粘着剤組成物で形成されたものを用いることが好ましい。
なお、第2粘着剤層2bの構成には、施工対象に応じて好適なものが採用される。
本発明の他の実施形態に係る粘着シート10’においても、第1粘着剤層2a及び第2粘着剤層2bは、本発明の一実施形態に係る粘着シート10において説明したのと同様に、バッチ式の混練機や連続混練機などで混練して得た各粘着剤組成物(第1粘着剤層用組成物及び第2粘着剤層用組成物)を、押出機などの成形装置を用いて、基材1の両面のそれぞれにシート状に形成することより得ることができる。
本実施形態に係る粘着シートは、建築・土木工事などに用いられる建材などの施工対象に透湿防水シートを貼り付けるために用いられる。
施工対象としては、透湿防水性が要求されるものであり、例えば、住宅用の建材(窓周り部の周縁部、胴差部、屋根材、壁など)、建築・土木工事用の部材(貫通部、接合部など)などが挙げられる。
すなわち、本発明に係る粘着シートは、住宅用の防水テープとして用いられる。
透湿防水シートは、厚み方向に貫通する複数の微細孔が形成された樹脂シートや、繊維間に隙間が形成された不織布などからなり、湿気は微細孔や隙間を通過するものの、雨水は遮断されるシートである。
透湿防水シートは、上記機能を有するものであれば特に限定されず、例えば、特開2006-241769号公報、特開2004-003225号公報、特開2004-002577号公報などに例示されたものが挙げられる。
透湿防水シートは、通常、粘着シートよりも大きく形成されている。
本明細書によって開示される事項は、以下のものを含む。
(1)
基材と、
該基材の少なくとも一方面に積層された粘着剤層と、を有する粘着シートであって、
前記粘着剤層は、有機成分としてブチルゴムを含み、
60℃における貯蔵弾性率の値G’に対する-10℃における貯蔵弾性率の値G’の比(G’/G’)が12未満であり、
-10℃における貯蔵弾性率の値G’が0.7MPa以下であり、
-10℃における粘着力が、2.0N/25mm以上である
粘着シート。
斯かる構成によれば、前記粘着シートは、低温から高温までの広い温度範囲において、より十分な粘着性を発揮できるものとなる。
(2)
前記粘着剤層は、無機成分をさらに含んでおり、
前記無機成分の質量の値Wに対する前記有機成分の質量の値Wの比(W/W)が0.5以上1.3以下である
上記(1)に記載の粘着シート。
斯かる構成によれば、前記粘着シートは、低温から高温までの広い温度範囲において、より一層十分な粘着性を発揮できるものとなる。
(3)
前記粘着剤層は、前記有機成分として熱可塑性エラストマーをさらに含む
上記(1)または(2)に記載の粘着シート。
斯かる構成によれば、前記粘着シートは、低温から高温までの広い温度範において、より一層十分な粘着性を発揮できるものとなる。
(4)
前記熱可塑性エラストマーは、スチレン系熱可塑性エラストマー及びアクリル系熱可塑性エラストマーの少なくとも一方である
上記(3)に記載の粘着シート。
斯かる構成によれば、前記粘着シートは、低温から高温までの広い温度範において、より一層十分な粘着性を発揮できるものとなる。
(5)
前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、ジブロック率が10%以上70%以下である
上記(4)に記載の粘着シート。
斯かる構成によれば、前記粘着シートは、低温から高温までの広い温度範において、より一層十分な粘着性を発揮できるものとなる。
(6)
前記無機成分として無機フィラーを含む
上記(2)乃至(4)のいずれかに記載の粘着シート。
斯かる構成によれば、前記無機フィラーを含んでいることにより、前記粘着シートの厚みを確保し易くなる。
(7)
前記粘着剤層における前記無機フィラーの含有量は20質量%以上である
上記(6)に記載の粘着シート。
斯かる構成によれば、前記粘着シートの厚みをより一層確保し易くなる。
(8)
前記粘着剤層は、前記有機成分として粘着付与剤をさらに含む
上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の粘着シート。
斯かる構成によれば、前記粘着シートは、低温から高温までの広い温度範において、より一層十分な粘着力を発揮できるものとなる。
(9)
前記基材は、繊維シート、ゴムシート、プラスチックシート、金属シート、及び、発泡シートからなる群から選択されるいずれかのシートによって構成されている
上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の粘着シート。
斯かる構成によれば、前記粘着剤層を比較的均一な厚さで形成し易くなる。
また、前記粘着剤層を好適に保持することができる。
さらに、上記の群に含まれるシートのうち、プラスチックシート及び金属シートは、一般に、高い引張強度を有することから、前記基材をこれらのシートで構成することにより、粘着シートの防水性及び耐久性を向上させることができる。
また、上記の群に含まれるシートのうち、繊維シート、ゴムシート、及び、発泡シートは、一般に、高い柔軟性を有することから、前記基材をこれらのシートで構成することにより、表面に凹凸を有する被着体であっても十分に追従させることができる。
(10)
前記繊維シートは、不織布シートまたは織物シートである
上記(9)に記載の粘着シート。
斯かる構成によれば、前記粘着剤層を比較的均一な厚さでより形成し易くなる。
また、前記粘着剤層をより好適に保持することができる。
なお、本発明に係る粘着シートは、上記実施形態に限定されるものではない。また、本発明に係る粘着シートは、上記した作用効果によって限定されるものでもない。本発明に係る粘着シートは、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
次に、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。以下の実施例は本発明をさらに詳しく説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
まず、下記表1に示す原料について説明する。
(1)ゴム成分
(a)ブチルゴム(IIR)
・JSR BUTYL 268(JSR社製、質量平均分子量50万)
・再生ブチルゴム:再生ブチルS(懸ゴム工業社製、質量平均分子量20万)
(b)ポリイソブチレン(PIB)
オパノールN100(BASFジャパン社製、質量平均分子量130万)
(c)熱可塑性エラストマー
・スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)
SIS1:スチレン量24質量%、ジブロック率67%
SIS2:スチレン量16質量%、ジブロック率56%
SIS3:スチレン量14質量%、ジブロック率26%
SIS4:スチレン量16質量%、ジブロック率12%
・スチレン・イソブチレン・スチレン(SIBS)
SIBS1:スチレン量20質量%、ジブロック率41%
SIBS2:スチレン量20質量%、ジブロック率46%
・アクリルゴム
アクリル酸ブチル(BA):アクリル酸(AA)=98:2、質量平均分子量100万
(2)粘着付与剤
粘着付与剤1:TREZ RC093(新日本石油化学社製、C5系炭化水素、質量平均分子量1440、軟化点94℃)
粘着付与剤2:TREZ RB100(新日本石油化学社製、C5系炭化水素、質量平均分子量3090、軟化点98℃)
(3)軟化剤
(a)ポリイソブチレン(PIB)
ポリイソブチレン1:テトラックス5T(新日本石油化学社製、質量平均分子量5万)
ポリイソブチレン2:HV-300(新日本石油化学社製、数平均分子量1400、40℃での動粘度26000mm/s)
ポリイソブチレン3:HV-15(新日本石油化学社製、数平均分子量630、40℃での動粘度655mm/s)
(b)エチレン-αオレフィンコオリゴマー
ルーカントLX-400(三井化学社製、質量平均分子量12000、40℃での動粘度38000mm/s)
(4)無機充填剤
重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、篩残分(350メッシュ)0.5%以下(JIS K5101に準拠))
(5)着色剤
カーボン:シースト3H(東海カーボン社製、カーボンブラック)
(6)老化防止剤
フェノール系老化防止剤:Songnox1010(SONGWON社製)
リン系老化防止剤:Irgafos168(BASF社製)

なお、表1には、粘着剤組成物中の有機成分の質量比率(質量%)、無機成分の質量比率(質量%)、無機成分の質量に対する有機成分の質量の比率、無機成分の質量に対するブチルゴムの比率、及び、粘着付与剤の質量に対するブチルゴムの質量の比率についても示している。
下記表1に示す配合割合(質量部)で、ゴム成分(ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、及び、熱可塑性エラストマー)、粘着付与剤、軟化剤、無機充填剤、着色剤、及び、老化防止剤を配合し、加熱しながら、実施例1~10及び比較例1~3に係る粘着剤組成物を得た。
次に、各例に係る粘着剤組成物を基材(ポリエチレンテレフタレート不織布(厚み100μm))の一方面にそれぞれ塗工した。
具体的には、前記基材の一方面に、カレンダーロール(8インチロール、4本)を用いて、80℃に加熱しながら厚みが0.2mmとなるように塗工した。
これにより、各例に係る粘着シートを得た。
Figure 2023092439000002
[貯蔵弾性率]
各例に係る粘着シートについて、60℃における貯蔵弾性率G’及び-10℃における貯蔵弾性率G’を測定した。
貯蔵弾性率G’及びG’は、上記の実施形態の項で説明した方法で測定した。
貯蔵弾性率G’及びG’を測定した結果について、以下の表2に示した。
また、以下の表2には、貯蔵弾性率G’の値に対する貯蔵弾性率G’の値の比(G’/G’)についても示した。
[粘着力]
各例に係る粘着シートについて、-10℃、23℃、及び、60℃における粘着力を測定した。
粘着力は、上記の実施形態の項で説明した方法で測定した。
各温度における粘着力の測定結果について、以下の表2に示した。
[密着安定性試験]
JIS A 6112:2019(住宅用両面粘着防水テープ)の「5.8 密着安定性試験 10」の項に準拠して、各例に係る粘着シートについて密着安定性試験を行い、60℃での密着安定性について評価した。
密着安定性については、以下の基準にしたがって評価した。

・良:漏水が確認される。
・不良:漏水が確認されない。

密着安定性試験の結果を以下の表2に示した。
[汚染度]
各例に係る粘着シートを被着対象物に被着させた際に、前記粘着シートの粘着剤層(前記粘着剤組成物の塗工物)によって前記被着対象物がどの程度汚染されるかについて評価した。
なお、以下では、前記被着対象物の汚染の程度を“汚染度”と称する。
“汚染度”は、以下の手順にしたがって評価した。

(1)50mm幅の綿布(金巾3号)を中性・上質紙(プラス社製、商品名「スマートバリュー A040J コピーペーパー高白色」)上に載置し、多角度分光側色計(MA68II、X-rite社製)を用いて、前記綿布について白色度L を測定する。
なお、前記多角度分光側色計の測定角度は15°を採用する。
(2)室温(23±2℃)雰囲気下にて、各例に係る粘着シートを支持体に固定する。
なお、各例に係る粘着シートとしては、50mm幅のものを用いる。
また、前記支持体への各例に係る粘着シートの固定は、基材を前記支持体に当接させる形で実施する。すなわち、各例に係る粘着シートは、前記粘着剤層を露出させた状態で前記支持体に固定される。
(3)前記支持体に固定された各例に係る粘着シートについて、粘着剤層上に50mm幅の綿布(金巾3号)を圧着させる。
粘着剤層上への綿布の圧着は、粘着剤層上に前記綿布を載置させた後、2kgの圧着ローラを1往復させることにより実施する。
(4)前記支持体に固定された各例に係る粘着シートについて、粘着剤層上に前記綿布を圧着させてから1分経過後に、前記綿布を前記粘着剤層から剥離させる。
前記粘着剤層からの前記綿布の剥離は、剥離角度90°、引張速度100mm/minの条件で実施する。
(5)多角度分光側色計(MA68II、X-rite社製)を用いて、前記粘着剤層から剥離させた前記綿布の白色度L を測定する。
白色度L の測定は、白色度L と同様にして実施する。
(6)白色度L と白色度L との差であるΔL(L -L )を算出し、以下の評価基準に戻づいて、汚染度を評価する。

・良:ΔLが5以下
・不良:ΔLが5を上回る

汚染度を評価した結果を以下の表2に示した。
また、以下の表2には、ΔLの算出結果についても示している。
Figure 2023092439000003
表2より、実施例1~10に係る粘着シートでは、低温(-10℃)から高温(60℃)までの広い範囲において、優れた粘着性を発揮できることが確認された。
これに対し、比較例1~3に係る粘着シートでは、低温及び高温の少なくとも一方において、粘着性に劣る結果となった。
また、実施例1~10に係る粘着シートは、いずれも60℃における密着安定性に優れていることが分かった。
このことから、実施例1~10に係る粘着シートは、60℃において、被着対象に対して優れた保持性を発揮できることが分かった。
さらに、実施例1~10に係る粘着シートは、被着対象物である綿布を汚染させる汚染度の評価が「良」であること、すなわち、前記綿布を汚染させる程度が小さいのに対し、比較例1及び2に係る粘着シートは、前記綿布を汚染させる汚染度の評価が「不良」でああること、すなわち、前記綿布を汚染させる程度が大きいことが分かった。
なお、比較例2に係る粘着シートについて、ΔLの値が特に高いのは、比較例2に係る粘着シートの粘着剤層が、ブチルゴムとして再生ブチルゴムを含んでいるからであると推察される(表1参照)。
より詳しくは、再生ブチルゴムは、一般に、タイヤなどのゴム製品からブチルゴム成分を取り出すことにより得られるものの、比較例2係る粘着シートの粘着剤層に含有させた再生ブチルゴムはカーボンブラックを多量に含む(例えば、30質量%程度含む)ゴム製品から得られたものであったため、ΔLの値が特に高くなっていたものと推察される。
1 基材
2 粘着剤層
2a 第1粘着剤層
2b 第2粘着剤層
3 目止め層
10 粘着シート
10’粘着シート

Claims (10)

  1. 基材と、
    該基材の少なくとも一方面に積層された粘着剤層と、を有する粘着シートであって、
    前記粘着剤層は、有機成分としてブチルゴムを含み、
    60℃における貯蔵弾性率の値G’に対する-10℃における貯蔵弾性率の値G’の比(G’/G’)が12未満であり、
    -10℃における貯蔵弾性率の値G’が0.7MPa以下であり、
    -10℃における粘着力が、2.0N/25mm以上である
    粘着シート。
  2. 前記粘着剤層は、無機成分をさらに含んでおり、
    前記無機成分の質量の値Wに対する前記有機成分の質量の値Wの比(W/W)が0.5以上1.3以下である
    請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記粘着剤層は、前記有機成分として熱可塑性エラストマーをさらに含む
    請求項1または2に記載の粘着シート。
  4. 前記熱可塑性エラストマーは、スチレン系熱可塑性エラストマー及びアクリル系熱可塑性エラストマーの少なくとも一方である
    請求項3に記載の粘着シート。
  5. 前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、ジブロック率が10%以上70%以下である
    請求項4に記載の粘着シート。
  6. 前記粘着剤層は、前記無機成分として無機フィラーを含む
    請求項2に記載の粘着シート。
  7. 前記粘着剤層における前記無機フィラーの含有量は20質量%以上である
    請求項6に記載の粘着シート。
  8. 前記粘着剤層は、前記有機成分として粘着付与剤をさらに含む
    請求項1または2に記載の粘着シート。
  9. 前記基材は、繊維シート、ゴムシート、プラスチックシート、金属シート、及び、発泡シートからなる群から選択されるいずれかのシートによって構成されている
    請求項1または2に記載の粘着シート。
  10. 前記繊維シートは、不織布シートまたは織物シートである
    請求項9に記載の粘着シート。
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