JP7221831B2 - 光学積層体 - Google Patents
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Description
[2]ポリイミド系樹脂を含んでなる樹脂フィルムと、該樹脂フィルムの一方の面に積層された第1ハードコート層と、他方の面に積層された第2ハードコート層とを有する光学積層体であって、樹脂フィルムは、厚み方向の断面においてナノインデンターを用いて測定される押し込み硬さが350N/mm2以上であり、第1ハードコート層は、オレイン酸接触角が65°以上であり、第2ハードコート層は、オレイン酸接触角が1°以上65°未満である、光学積層体。
[3]ポリイミド系樹脂を含んでなる樹脂フィルムと、該樹脂フィルムの一方の面に積層された第1ハードコート層と、他方の面に積層された第2ハードコート層とを有する光学積層体であって、第1ハードコート層は、オレイン酸接触角が65°以上であり、第2ハードコート層は、オレイン酸接触角が1°以上65°未満であり、シャルピー衝撃試験による衝撃吸収エネルギーの値が100kJ/m2以上である、光学積層体。
[4]前記ポリイミド系樹脂は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が、50,000~1,000,000である、[1]~[3]のいずれかに記載の光学積層体。
[5]前記ポリイミド系樹脂はフッ素原子を含有する、[1]~[4]のいずれかに記載の光学積層体。
[6]前記樹脂フィルムの厚みは、20~150μmである、[1]~[5]のいずれかに記載の光学積層体。
[7]前記第1ハードコート層は、フッ素含有化合物を含む硬化性組成物の硬化物である、[1]~[6]のいずれかに記載の光学積層体。
[8]前記硬化性組成物に含まれるフッ素含有化合物の含有量は、硬化性組成物の固形分の質量に対して、0.1~5質量部である、[7]に記載の光学積層体。
[9]第1ハードコート層の厚み及び第2ハードコート層の厚みはそれぞれ、1~15μmである、[1]~[8]のいずれかに記載の光学積層体。
[10]第1ハードコート層の厚みと第2ハードコート層の厚みの比率は、10:7~7:10である、[1]~[9]のいずれかに記載の光学積層体。
[11]黄色度は5.0以下である、[1]~[10]のいずれかに記載の光学積層体。
[12]全光線透過率は80%以上である、[1]~[11]のいずれかに記載の光学積層体。
樹脂フィルムは、ポリイミド系樹脂を含んでなる。
Zは、単結合、-O-、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-、-Ar-、-SO2-、-CO-、-O-Ar-O-、-Ar-O-Ar-、-Ar-CH2-Ar-、-Ar-C(CH3)2-Ar-又は-Ar-SO2-Ar-を表す。Arはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6~20のアリーレン基を表し、具体例としてはフェニレン基が挙げられる。得られる樹脂フィルムの耐屈曲性を向上しやすい観点から、G1は、式(26)、式(28)及び式(29)で表される基が好ましい。
A、A1、A2及びA3としては、式(30)、式(31)、式(32)、式(33)、式(34)、式(35)、式(36)、式(37)又は式(38)で表される基;それらの式で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基;並びに炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立に、単結合、-O-、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-、-SO2-又は-CO-を表す。Z1とZ2との各環に対する結合位置、及び、Z2とZ3との各環に対する結合位置は、それぞれ、各環に対して好ましくはメタ位又はパラ位であり、より好ましくはパラ位である。
Bは、単結合、-O-、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-、-SO2-、-S-、-CO-又は-N(R9)-を表し、R9は水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の1価の炭化水素基を表し、
nは0~4の整数であり、
*は結合手を表す]
で表される構成単位であることが好ましい。
R9は水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の1価の炭化水素基を表す。炭素数1~12の1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-メチル-ブチル基、3-メチルブチル基、2-エチル-プロピル基、n-ヘキシル、n-ヘプチル基、n-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等が挙げられ、これらはハロゲン原子で置換されていてもよい。前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
で表される構成単位である。式(10)及び(13)中の複数のA及びA3の少なくとも一部が式(4)で表される基であると、光学積層体は、高い表面硬度を発現できると同時に、高い透明性を有することができる。
で表される構成単位である。式(10)中の複数のGの少なくとも一部が式(5)で表される基であると、光学積層体は、高い透明性を発現すると同時に、ポリイミド系樹脂の溶媒への溶解性を向上し、ポリイミド系樹脂ワニスの粘度を低く抑制することができ、また樹脂フィルムの加工を容易にすることができる。
これらの中でも、好ましくは4,4’-オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、1,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’-(p-フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物及び4,4’-(m-フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の光学積層体において、第1ハードコート層は、前記樹脂フィルムの一方の面に積層され、層表面のオレイン酸接触角が65°以上である。そのため、本発明の光学積層体は、使用者が第1ハードコート層表面に触れることで付着する指紋等の汚れに対する優れた拭き取り性を有する。本明細書において、拭き取り性とは、所定量の指紋等の汚れに対して、ティッシュペーパー等の拭き取り用試験紙を用いた往復拭き取りでの拭き取り可否をいい、拭き取り性が優れるとは、所定量の指紋等の汚れに対して、拭き取り用試験紙を用いての1~4回程度の往復拭き取りで拭き取れることを意味する。
このように本発明の光学積層体は、画像表示装置の視認側に配置される第1ハードコート層表面の拭き取り性に優れ、指紋等の汚れが付着しても表示部に残存することなく容易に拭き取れるため、優れた視認性を発現することができる。
多官能(メタ)アクリレート化合物は、1種類又は2種類以上の多官能(メタ)アクリレート化合物を含んでいてもよい。また、2種類以上の多官能(メタ)アクリレート化合物を含む場合、それぞれの多官能(メタ)アクリレート化合物間で、(メタ)アクリロイルオキシ基の数が同一又は異なっていてもよい。
なお、硬化性組成物(X)に含まれる他の成分の種類や含有量を調整することで、オレイン酸接触角を65°以上に調整することもでき、その場合においても、本発明の効果を得ることができる。
本発明の光学積層体において、第2ハードコート層は、前記樹脂フィルムの、第1ハードコート層とは反対側の面に積層され、層表面のオレイン酸接触角が1°以上65°未満である。そのため、粘着剤を介して光学積層体を偏光板等に配置したときに、粘着剤との密着性に優れ、折り曲げを繰り返し行っても、第2ハードコート層と粘着剤との界面の剥離を有効に抑制でき、優れた視認性を発現できる。
で表されるポリシロキサン化合物が挙げられる。
で表される構成単位を含む重合体又は共重合体が挙げられる。
本発明の光学積層体は、以下の工程;
(a)ポリイミド系樹脂を含む液(ポリイミド系樹脂ワニスという場合がある)を、基材の上に塗布して塗膜を形成する工程、
(b)塗布された液(塗膜)を乾燥し、次いで基材から剥離させて樹脂フィルムを形成する工程、
(c)該樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、前記硬化性組成物(X)を塗布して塗膜を形成し、次いで、該塗膜に高エネルギー線を照射し、塗膜を硬化させて第1ハードコート層を形成する工程、及び
(d)基材のもう一方の面に、前記硬化性組成物(Y)を塗布して塗膜を形成し、次いで、該塗膜に高エネルギー線を照射し、塗膜を硬化させて第2ハードコート層を形成する工程
を含む製造方法によって製造することができる。
本発明の光学積層体1は、樹脂フィルム2と第1ハードコート層4との間、樹脂フィルム2と第2ハードコート層3との間に他の層を含んでいてよい。他の層としては、例えば機能層が挙げられる。機能層としては、紫外線吸収層、プライマー層、ガスバリア層、後述の粘着剤層、色相調整層、屈折率調整層等の種々の機能を有する層が挙げられる。本発明の光学積層体は、単数又は複数の機能層を備えていてもよい。また、1つの機能層が複数の機能を有してもよい。
本発明の一実施態様において、光学積層体を画像表示装置に適用する場合、第2ハードコート層表面(樹脂フィルムと反対側の面)に粘着剤を介して、画像表示装置に含まれる偏光板等に積層することが好ましい。
該アクリル系重合体のガラス転移温度は、好ましくは25℃以下、より好ましくは0℃以下であり、好ましくは-60℃以上、より好ましくは-40℃以上である。
また、アクリル系重合体の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で、好ましくは100,000以上、より好ましくは1,000,000以上であり、好ましくは2,500,000以下である。
なお、本明細書において、粘着剤層を単に粘着剤という場合がある。
本発明において、フレキシブル画像表示装置は本発明の光学積層体を備える。本発明の光学積層体は、好ましくはフレキシブル画像表示装置において前面板として用いられ、該前面板はウィンドウフィルムと称されることがある。該フレキシブル画像表示装置は、フレキシブル画像表示装置用積層体と、有機EL表示パネルとからなり、有機EL表示パネルに対して視認側にフレキシブル画像表示装置用積層体が配置され、折り曲げ可能に構成されている。フレキシブル画像表示装置用積層体としては、さらに偏光板、好ましくは円偏光板、タッチセンサを含有していてもよく、それらの積層順任意であるが、視認側からウィンドウフィルム、偏光板、タッチセンサまたはウィンドウフィルム、タッチセンサ、偏光板の順に積層されていることが好ましい。タッチセンサよりも視認側に偏光板が存在すると、タッチセンサのパターンが視認されにくくなり表示画像の視認性が良くなるので好ましい。それぞれの部材は接着剤、粘着剤等を用いて積層することができる。また、前記ウィンドウフィルム、偏光板、タッチセンサのいずれかの層の少なくとも一面に形成された遮光パターンを具備することができる。
フレキシブル表示装置は、上記の通り、偏光板、中でも円偏光板を備えることが好ましい。円偏光板は、直線偏光板にλ/4位相差板を積層することにより右若しくは左円偏光成分のみを透過させる機能を有する機能層である。たとえば外光を右円偏光に変換して有機ELパネルで反射されて左円偏光となった外光を遮断し、有機ELの発光成分のみを透過させることで反射光の影響を抑制して画像を見やすくするために用いられる。円偏光機能を達成するためには、直線偏光板の吸収軸とλ/4位相差板の遅相軸は理論上45°である必要があるが、実用的には45±10°である。直線偏光板とλ/4位相差板は必ずしも隣接して積層される必要はなく、吸収軸と遅相軸の関係が前述の範囲を満足していればよい。全波長において完全な円偏光を達成することが好ましいが実用上は必ずしもその必要はないので本発明における円偏光板は楕円偏光板をも包含する。直線偏光板の視認側にさらにλ/4位相差フィルムを積層して、出射光を円偏光とすることで偏光サングラスをかけた状態での視認性を向上させることも好ましい。
前記直線偏光子は、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略すことがある)系フィルムを染色、延伸することで製造されるフィルム型偏光子であってもよい。延伸によって配向したPVA系フィルムに、ヨウ素等の二色性色素が吸着、またはPVAに吸着した状態で延伸されることで二色性色素が配向し、偏光性能を発揮する。前記フィルム型偏光子の製造においては、他に膨潤、ホウ酸による架橋、水溶液による洗浄、乾燥等の工程を有していてもよい。延伸や染色工程はPVA系フィルム単独で行ってもよいし、ポリエチレンテレフタレートのような他のフィルムと積層された状態で行うこともできる。用いられるPVA系フィルムの膜厚は好ましくは10~100μmであり、前記延伸倍率は好ましくは2~10倍である。
さらに前記偏光子の他の一例としては、液晶偏光組成物を塗布して形成する液晶塗布型偏光子が挙げられる。前記液晶偏光組成物は、液晶性化合物及び二色性色素化合物を含むことができる。前記液晶性化合物は、液晶状態を示す性質を有していればよく、特にスメクチック相等の高次の配向状態を有していると高い偏光性能を発揮することができるため好ましい。また、液晶性化合物は、重合性官能基を有することが好ましい。
前記二色性色素化合物は、前記液晶化合物とともに配向して二色性を示す色素であって、重合性官能基を有していてもよく、また、二色性色素自身が液晶性を有していてもよい。
液晶偏光組成物に含まれる化合物のいずれかは重合性官能基を有する。前記液晶偏光組成物はさらに開始剤、溶剤、分散剤、レベリング剤、安定剤、界面活性剤、架橋剤、シランカップリング剤などを含むことができる。
前記配向膜は、例えば基材上に配向膜形成組成物を塗布し、ラビング、偏光照射等により配向性を付与することにより製造される。前記配向膜形成組成物は、配向剤を含み、さらに溶剤、架橋剤、開始剤、分散剤、レベリング剤、シランカップリング剤等を含んでいてもよい。前記配向剤としては、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリアクリレート類、ポリアミック酸類、ポリイミド類が挙げられる。偏光照射により配向性を付与する配向剤を用いる場合、シンナメート基を含む配向剤を使用することが好ましい。前記配向剤として使用される高分子の重量平均分子量は、例えば、10,000~1,000,000程度である。前記配向膜の膜厚は、好ましくは5~10,000nmであり、配向規制力が十分に発現される点で、より好ましくは10~500nmである。
前記液晶偏光層は基材から剥離して転写して積層することもできるし、前記基材をそのまま積層することもできる。前記基材が、保護フィルムや位相差板、ウィンドウフィルムの透明基材としての役割を担うことも好ましい。
前記保護フィルムとしては、透明な高分子フィルムであればよく前記ウィンドウフィルムの透明基材に使用される材料や添加剤と同じものが使用できる。また、エポキシ樹脂等のカチオン硬化組成物やアクリレート等のラジカル硬化組成物を塗布して硬化して得られるコーティング型の保護フィルムであってもよい。該保護フィルムは、必要により可塑剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、顔料や染料のような着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤等を含んでいてもよい。該保護フィルムの厚さは、好ましくは200μm以下であり、より好ましくは1~100μmである。保護フィルムの厚さが前記の範囲にあると、該フィルムの柔軟性が低下し難い傾向にある。
前記延伸型位相差板の厚さは、好ましくは200μm以下であり、より好ましくは1~100μmである。延伸型位相差板の厚さが前記の範囲にあると、該延伸型位相差板の柔軟性が低下し難い傾向にある。
さらに前記λ/4位相差板の他の一例としては、液晶組成物を塗布して形成する液晶塗布型位相差板が挙げられる。
前記液晶組成物は、ネマチック、コレステリック、スメクチック等の液晶状態を示す液晶性化合物を含む。前記液晶性化合物は、重合性官能基を有する。
前記液晶組成物は、さらに開始剤、溶剤、分散剤、レベリング剤、安定剤、界面活性剤、架橋剤、シランカップリング剤などを含むことができる。
前記液晶塗布型位相差板は基材から剥離して転写して積層することもできるし、前記基材をそのまま積層することもできる。前記基材が、保護フィルムや位相差板、ウィンドウフィルムの透明基材としての役割を担うことも好ましい。
一般的には、短波長ほど複屈折が大きく長波長になるほど小さな複屈折を示す材料が多い。この場合には全可視光領域でλ/4の位相差を達成することはできないので、視感度の高い560nm付近に対してλ/4となるように、面内位相差は、好ましくは100~180nm、より好ましくは130~150nmとなるように設計される。通常とは逆の複屈折率波長分散特性を有する材料を用いた逆分散λ/4位相差板は、視認性が良好となる点で好ましい。このような材料としては、例えば延伸型位相差板は特開2007‐232873号公報等に、液晶塗布型位相差板は特開2010‐30979号公報等に記載されているものを用いることができる。
また、他の方法としてはλ/2位相差板と組合せることで広帯域λ/4位相差板を得る技術も知られている(例えば、特開平10-90521号公報など)。λ/2位相差板もλ/4位相差板と同様の材料方法で製造される。延伸型位相差板と液晶塗布型位相差板の組合せは任意であるが、どちらも液晶塗布型位相差板を用いることにより膜厚を薄くすることができる。
前記円偏光板には斜め方向の視認性を高めるために、正のCプレートを積層する方法が知られている(例えば、特開2014‐224837号公報など)。正のCプレートは、液晶塗布型位相差板であっても延伸型位相差板であってもよい。該位相差板の厚み方向の位相差は、好ましくは-200~-20nm、より好ましくは-140~-40nmである。
フレキシブル表示装置は、上記の通り、タッチセンサを備えることが好ましい。タッチセンサは入力手段として用いられる。タッチセンサとしては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等様々な様式が挙げられ、好ましくは静電容量方式が挙げられる。
静電容量方式タッチセンサは活性領域及び前記活性領域の外郭部に位置する非活性領域に区分される。活性領域は表示パネルで画面が表示される領域(表示部)に対応する領域であって、使用者のタッチが感知される領域であり、非活性領域は表示装置で画面が表示されない領域(非表示部)に対応する領域である。タッチセンサはフレキシブルな特性を有する基板と、前記基板の活性領域に形成された感知パターンと、前記基板の非活性領域に形成され、前記感知パターンとパッド部を介して外部の駆動回路と接続するための各センシングラインを含むことができる。フレキシブルな特性を有する基板としては、前記ウィンドウフィルムの透明基板と同様の材料が使用できる。
第1パターンと第2パターンは電気的に絶縁されなければならないので、感知パターンとブリッジ電極の間には絶縁層が形成される。該絶縁層は、第1パターンの継ぎ手とブリッジ電極との間にのみ形成することや、感知パターン全体を覆う層として形成することもできる。感知パターン全体を覆う層の場合、ブリッジ電極は絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して第2パターンを接続することができる。
前記光硬化性有機バインダーは、本発明の効果を損ねない範囲で、例えば、アクリレート系単量体、スチレン系単量体、カルボン酸系単量体などの各単量体の共重合体を含むことができる。前記光硬化性有機バインダーは、例えば、エポキシ基含有繰り返し単位、アクリレート繰り返し単位、カルボン酸繰り返し単位などの互いに異なる各繰り返し単位を含む共重合体であってもよい。
前記無機粒子としては、例えば、ジルコニア粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子などが挙げられる。
前記光硬化組成物は、光重合開始剤、重合性モノマー、硬化補助剤などの各添加剤をさらに含むこともできる。
前記フレキシブル画像表示装置用積層体を形成する各層(ウィンドウフィルム、円偏光板、タッチセンサ)並びに各層を構成するフィルム部材(直線偏光板、λ/4位相差板等)は接着剤によって接合することができる。該接着剤としては、水系接着剤、有機溶剤系、無溶剤系接着剤、固体接着剤、溶剤揮散型接着剤、湿気硬化型接着剤、加熱硬化型接着剤、嫌気硬化型、活性エネルギー線硬化型接着剤、硬化剤混合型接着剤、熱溶融型接着剤、感圧型接着剤(粘着剤)、再湿型接着剤等、通常使用されている接着剤等が使用でき、好ましくは水系溶剤揮散型接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤、粘着剤を使用できる。接着剤層の厚さは、求められる接着力等に応じて適宜調節することができ、好ましくは0.01~500μm、より好ましくは0.1~300μmである。前記フレキシブル画像表示装置用積層体には、複数の接着層が存在するが、それぞれの厚みや種類は、同じであっても異なっていてもよい。
前記カチオン重合性化合物は、ハードコート組成物におけるカチオン重合性化合物と同じ化合物を用いることができる。
活性エネルギー線硬化組成物に用いられるカチオン重合性化合物としては、エポキシ化合物が特に好ましい。接着剤組成物としての粘度を下げるために単官能の化合物を反応性希釈剤として含むことも好ましい。
活性エネルギー線組成物は、粘度を低下させるために、単官能の化合物を含むことができる。該単官能の化合物としては、1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート系単量体や、1分子中に1個のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
活性エネルギー線組成物は、さらに重合開始剤を含むことができる。該重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル及びカチオン重合開始剤等が挙げられ、これらは適宜選択して用いられる。これらの重合開始剤は、活性エネルギー線照射及び加熱の少なくとも一種により分解されて、ラジカルもしくはカチオンを発生してラジカル重合とカチオン重合を進行させるものである。ハードコート組成物の記載の中で活性エネルギー線照射によりラジカル重合またはカチオン重合の内の少なくともいずれか開始することができる開始剤を使用することができる。
前記活性エネルギー線硬化組成物はさらに、イオン捕捉剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、密着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動粘度調整剤、可塑剤、消泡剤溶剤、添加剤、溶剤を含むことができる。前記活性エネルギー線硬化型接着剤によって2つの被接着層を接着する場合、前記活性エネルギー線硬化組成物を被接着層のいずれか一方または両方に塗布後、貼合し、いずれかの被着層または両方の被接着層に活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、で接着することができる。前記活性エネルギー線硬化型接着剤を用いる場合、その接着層の厚さは、好ましくは0.01~20μm、より好ましくは0.1~10μmである。前記活性エネルギー線硬化型接着剤を複数の接着層形成に用いる場合、それぞれの層の厚みや種類は同じであっても異なっていてもよい。
粘着剤としては、前記の粘着剤と同じものを用いることができる。前記粘着剤を複数層用いる場合には、それぞれの層の厚み種類は同じであっても異なっていてもよい。
前記遮光パターンは、前記フレキシブル画像表示装置のベゼルまたはハウジングの少なくとも一部として適用することができる。遮光パターンによって前記フレキシブル画像表示装置の辺縁部に配置される配線が隠されて視認されにくくすることで、画像の視認性が向上する。前記遮光パターンは単層または複層の形態であってもよい。遮光パターンのカラーは特に制限されることはなく、黒色、白色、金属色などの多様なカラーであってもよい。遮光パターンはカラーを具現するための顔料と、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン、シリコーンなどの高分子で形成することができる。これらの単独または2種類以上の混合物で使用することもできる。前記遮光パターンは、印刷、リソグラフィ、インクジェットなど各種の方法にて形成することができる。遮光パターンの厚さは、好ましくは1~100μm、より好ましくは2~50μmである。また、遮光パターンの厚み方向に傾斜等の形状を付与することも好ましい。
(1)厚さの測定
実施例及び比較例における樹脂フィルムの厚みは、Micrometer(Mitutoyo社)を用いて測定し、第1ハードコート層及び第2ハードコート層の厚みは、Filmetrics社製 F20卓上膜厚システムにて測定した。
ASTM規格D2176-16に準拠して、実施例及び比較例における樹脂フィルムの屈曲回数を以下のように求めた。該樹脂フィルムを、ダンベルカッターを用いて15mm×100mmの短冊状にカットした。カットした樹脂フィルムをMIT耐折疲労試験機(「型式0530」、(株)東洋精機製作所製)本体にセットして、試験速度175cpm、折り曲げ角度135°、加重0.75kgf、折り曲げクランプの屈曲半径R=3mmの条件で、樹脂フィルムが破断するまでの裏表方向への往復折曲げ回数を測定し、これを屈曲回数とした。
実施例および比較例の樹脂フィルムの厚み方向における断面の押し込み硬さを、ナノインデンテーション試験機((株)エリオニクス社製、ENT-2100)を用い、以下の条件で測定を実施した。測定位置は樹脂フィルム平面中央部とし、その中央部の厚み方向中心に近接する5点の平均値を押し込み硬さ(N/mm2)とした。
圧子:バーコビッチ圧子
表面検出:荷重(0.6mgf)
負荷曲線:10秒かけて0.6mN(線形)
クリープ:10秒間 0.6mN
除荷曲線:10秒かけて0mN(線形)
JIS R3257に準拠して、接触角計(「CA-X」、協和界面化学(株)製)を用いて、オレイン酸接触角を測定した。
JIS K 7111-1:2006に準拠して、実施例及び比較例の光学積層体の衝撃吸収エネルギーを求めた。実施例及び比較例の光学積層体から、幅10mm×長さ120mmの長方形の試験片を切り出した。ハンマーにより打ち抜くときの衝撃で試験片が動かないように試験片の長辺方向両端を支持台に固定して、株式会社安田精機製作所製のシャルピー衝撃試験機により、ハンマーをその刃先長手方向が、試験片の長軸方向中央部で厚み方向と平行になるように、光学積層体の第1ハードコート層側に打ち当てて、フィルムの破断に要するエネルギー(すなわち衝撃吸収エネルギー)を測定した。なお、ハンマーを打ち当てる側を、第1ハードコート層側に代えて、第2ハードコート層側でも実施した。
(視認性評価サンプルの作製)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置及び窒素導入管を備えた反応容器に、アクリル酸n-ブチル97.0質量部、アクリル酸1.0質量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル0.5質量部、酢酸エチル200質量部、及び2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.08質量部を仕込み、上記反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。窒素雰囲気下で攪拌しながら、反応溶液を60℃に昇温し、6時間反応させた後、室温まで冷却した。得られた溶液の一部の重量平均分子量を測定したところ、180万の(メタ)アクリル酸エステル重合体の生成を確認した。
得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部(固形分換算値;以下同じ)と、イソシアネート系架橋剤として、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(東ソー(株)製、商品名「コロネートL」)0.30質量部と、シランカップリング剤として、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名「KBM403」)0.30質量部とを混合し、十分に撹拌して粘着剤組成物を得た。次いで、粘着剤組成物を酢酸エチルで希釈することにより、粘着剤組成物の塗工溶液を得た。
セパレータ(リンテック(株)製:SP-PLR382190)の離型処理面(剥離層面)に、アプリケーターにより、乾燥後の厚さが25μmとなるように前記塗工溶液を塗工した後、100℃で1分間乾燥して粘着剤層を得た。次いで、該粘着剤層のセパレータが貼合された面とは反対面に、もう1枚のセパレータ(リンテック(株)製:SP-PLR381031)を貼合し、両面セパレータ付き粘着剤層を得た。
両面セパレータ付き粘着剤層からセパレータを剥離後、粘着剤層を光学積層体の第2ハードコート層表面に貼合し、粘着剤層の、光学積層体が貼合された側とは反対側の面にPETフィルム(東洋紡(株)製、商品名:コスモシャイン(登録商標) A4100)を貼り合わせて、光学積層体/粘着剤/PETフィルムをこの順に有する積層体を得た。
光学積層体/粘着剤/PETフィルムを順に有する積層体(視認性測定用サンプル)を、ダンベルカッターを用いて15mm×100mmの短冊状にカットした。カットした該積層体をMIT耐折疲労試験機(「型式0530」、(株)東洋精機製作所製)本体にセットして、試験速度175cpm、折り曲げ角度135°、加重0.75kgf、折り曲げクランプの屈曲半径R=3mmの条件で、裏表方向への往復折曲げ回数(屈曲回数)1000回の折り曲げを実施した。折り曲げ後の光学積層体の第1ハードコート層表面に対し、3名の試験員がそれぞれ10回ずつ指で触れて指紋を付け、該指紋をベンコットで4回拭き取りを行った。その後、蛍光灯下において第1ハードコート層表面側から、指紋残りや粘着剤剥離による変色や白化等の外観変化の状態を確認し、以下の基準で視認性を判定した。
(評価基準)
A…指紋残り、及び変色や白化等の外観変化が認められない。
B…指紋残り、及び変色や白化等の外観変化が僅かに認められる。
C…指紋残り、及び変色や白化等の外観変化が明確に認められる。
JIS K5600-5-4:1999に準拠して、実施例及び比較例で得られた光学積層体の第1ハードコート層表面の鉛筆硬度を、三菱鉛筆(株)製のユニを用いて測定した。より詳細には、該光学積層体を厚さ2mmのガラス板の上に固定し、角度90°、荷重750g、走査速度60mm/分の条件で測定を実施し、光量4000ルクスの照度条件下で傷の有無の評価を行い、鉛筆硬度を決定した。
日立製作所(株)製、分光光度計(U-4100)を用いて、JIS Z 8701:1982に規定されている計算方法により算出される三刺激値X、Y及びZと下記式とにより、実施例及び比較例で得られた光学積層体の黄色度(YI値)を算出した。
YI=100(1.28X-1.06Z)/Y
実施例及び比較例で得られた光学積層体の全光線透過率Ttを、JIS K 7105:1981に準拠して、スガ試験機(株)製の全自動直読ヘーズコンピューターHGM-2DPにより測定した。
実施例及び比較例のポリイミド、ポリアミドイミドの重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により、標準ポリスチレン換算により求めた。具体的な測定条件は以下のとおりである。
(i)前処理方法
実施例及び比較例のポリイミドにDMF溶離液(10mM臭化リチウム溶液)を濃度2mg/mLとなるように加え、80℃にて30分間撹拌しながら加熱し、冷却後、0.45μmメンブランフィルターでろ過して得た溶液を測定溶液とした。
(ii)測定条件
カラム:TSKgel SuperAWM-H×2+SuperAW2500×1(6.0mm I.D.×150mm×3本)
溶離液:DMF(10mMの臭化リチウム添加)
流量:1.0mL/min.
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μL
分子量標準:標準ポリスチレン
(1)樹脂フィルムA
ポリイミド(河村産業(株)製「KPI-MX300F(100)」、フッ素原子含有ポリイミド、重量平均分子量300,000)をγ-ブチロラクトンに溶解してポリイミドの濃度が12質量%であるポリイミド溶液を得た。得られたポリイミド溶液をガラス基板に塗布し、50℃で30分、140℃で10分加熱して溶媒を除去した。その後、ポリイミドフィルムをガラス基板から剥離し、金枠を取り付けて200℃で30分加熱することで厚み80μmの透明な樹脂フィルムを得た。
ポリイミド(河村産業(株)製「KPI-MX300F(100)」、フッ素原子含有ポリイミド、重量平均分子量300,000)をγ-ブチロラクトンに溶解してポリイミドの濃度が16質量%であるポリイミド溶液を調製し、該ポリイミド溶液に対して、γ-ブチロラクトンに固形分濃度30質量%のシリカ粒子(平均一次粒子径22nm)を分散した溶液を混合し、30分間攪拌した。シリカ粒子とポリイミドの質量比は40:60とした。シリカ粒子を含むポリイミド溶液をガラス基板に塗布し、50℃で30分、140℃で10分加熱して溶媒を除去した。その後、ポリイミドフィルムをガラス基板から剥離し、金枠を取り付けて200℃で30分加熱することで厚み50μmの透明な樹脂フィルムを得た。
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、TFMB40g(124.91mmol)及びDMAc682.51gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに6FDA16.78g(37.77mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、OBBC3.72g(12.59mmol)、次いでTPC15.34g(75.55mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコに4-メチルピリジン8.21g(88.14mmol)と無水酢酸15.43g(151.10mmol)とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノールで6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミドを得た。ポリアミドイミドの重量平均分子量(Mw)は400,000であった。
BET径(BET法で測定された平均粒子径)が27nmのメタノール分散表面修飾シリカゾル(有機基で表面が修飾されたシリカ粒子をメタノールに分散したシリカゾル)をγ-ブチロラクトン(GBL)に置換し、GBL分散有機化処理シリカゾル(固形分濃度30%)を得た。溶媒の置換は、メタノール分散表面修飾シリカゾル中にγ-ブチロラクトン(GBL)を添加し、真空エバポレータで45℃の湯浴下、400hPaで1時間、250hPaで1時間メタノールを蒸発させ、さらに250hPa下で70℃まで昇温して30分間加熱することで実施した。
室温下、GBL溶媒に、得られたポリアミドイミドとGBL分散有機化処理シリカゾルを、樹脂とシリカ粒子の組成比が60:40となるように混合し、そこにSumisorb 340(住化ケムテックス(株)製)及びSumiplast Violet B(住化ケムテックス(株)製)をポリアミドイミドとシリカ粒子の合計質量に対して、それぞれ5.7質量%及び35ppmとなるように添加し、均一になるまで攪拌した。固形分濃度が10質量%であるポリアミドイミドワニスを得た。
得られたポリアミドイミドワニスを目開き10μmのフィルターでろ過した後、ポリエステル基材(東洋紡(株)製、商品名「A4100」)の平滑面上に自立膜の膜厚が55μmとなるようにアプリケーターを用いて塗布し、50℃で30分間、次いで140℃で15分間乾燥後、得られた塗膜をポリエステル基材から剥離して、自立膜を得た。自立膜を金枠に固定し、さらに大気下、200℃で40分間乾燥し、50μmの厚みを有する透明な樹脂フィルムを得た。
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、TFMB53.05g(165.66mmol)及びDMAc670.91gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに、6FDA22.11g(49.77mmol)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)4.88g(16.59mmol)を添加し、次いで、TPC20.21g(99.54mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコにピリジン10.53g(133.08mmol)と無水酢酸13.77g(134.83mmol)とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出する沈殿物を取り出し、メタノールで6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミドを得た。ポリアミドイミドの重量平均分子量(Mw)は、190,000であった。
樹脂とシリカ粒子の組成比が70:30であること、並びにSumisorb 340(住化ケムテックス(株)製)及びSumiplast Violet B(住化ケムテックス(株)製)を添加しないこと以外は、樹脂フィルムCと同様の方法で、固形分濃度が10質量%であるポリアミドイミドワニスを得、50μmの厚みを有する透明な樹脂フィルムを得た。
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、TFMB53.05g(165.66mmol)及びDMAc669.70gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに、6FDA24.56g(55.30mmol)、次いで、TPC22.46g(110.61mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコにピリジン10.51g(132.84mmol)と無水酢酸13.74g(134.59mmol)とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに1時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出する沈殿物を取り出し、メタノールで6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミドを得た。ポリアミドイミドの重量平均分子量(Mw)は、197,000であった。
樹脂とシリカ粒子の組成比を95:5としたこと以外は、樹脂フィルムDと同様の方法で、固形分濃度が10質量%であるポリアミドイミドワニスを得、50μmの厚みを有する透明な樹脂フィルムを得た。
(1)硬化性組成物A
硬化性化合物としてペンタエリスリトールテトラアクリレート30.9質量部及びトリメチロールプロパントリアクリレート30.9質量部、フッ素含有化合物としてポリマー型フッ素系界面活性剤(ビックケミージャパン(株)製、「BYK-340」、)0.3質量部及びフッ素系撥水撥油剤(ネオス(株)、「フタージエント(登録商標) 601ADH2」)0.6質量部、光重合開始剤として1.9質量部(BASFジャパン(株)製、「IRGACURE(登録商標) 184」、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、並びに溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル35.5質量部を混合し、硬化性組成物Aを調製した。
硬化性化合物としてペンタエリスリトールテトラアクリレート32.7質量部及びトリメチロールプロパントリアクリレート32.7質量部、表面調整剤としてポリシロキサン化合物(ビックケミージャパン(株)製、「BYK-307」、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン)、光重合開始剤として2.0質量部(BASFジャパン(株)製、「IRGACURE 184」)、並びに溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル32.7質量部を混合して、硬化性組成物Bを調製した。
硬化性化合物としてペンタエリスリトールテトラアクリレート32.5質量部及びトリメチロールプロパントリアクリレート32.5質量部、表面調整剤としてポリ(メタ)アクリレート化合物(ビックケミージャパン(株)製、「BYK-350」、アクリル系共重合体)、光重合開始剤として1.9質量部(BASFジャパン(株)製、「IRGACURE 184」)、並びに溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)32.5質量部を混合して、硬化性組成物Cを調製した。
(実施例1)
膜厚80μmの樹脂フィルムAを用い、その一方の面に硬化性組成物Aをバーコーターにより塗布し、80℃で3分乾燥後、窒素雰囲気下、高圧水銀灯を用いて、500mJ/cm2、200mW/cm2の条件で照射し硬化させることにより、第1ハードコート層(HC1)を形成させた。樹脂フィルムAのもう一方の面に硬化性組成物Cをバーコーターにより塗布し、80℃で3分乾燥後、窒素雰囲気下、高圧水銀灯を用いて、500mJ/cm2、200mW/cm2の条件で照射し硬化させることにより、第2ハードコート層を形成させ、光学積層体を得た。第1ハードコート層及び第2ハードコート層(HC2)の膜厚は、それぞれ3μmであった。第1ハードコート層表面のオレイン酸接触角は76°、第2ハードコート層表面のオレイン酸接触角は10°であった。光学積層体の鉛筆硬度は、Hであった。
膜厚80μmの樹脂フィルムAを用い、その一方の面に硬化性組成物Aをバーコーターにより塗布し、80℃で3分乾燥後、窒素雰囲気下、高圧水銀灯を用いて、500mJ/cm2、200mW/cm2の条件で照射し硬化させることにより、第1ハードコート層を形成させた。樹脂フィルムAのもう一方の面に硬化性組成物Bをバーコーターにより塗布し、80℃で3分乾燥後、窒素雰囲気下、高圧水銀灯を用いて、500mJ/cm2、200mW/cm2の条件で照射し硬化させることにより、第2ハードコート層を形成させ、光学積層体を得た。第1ハードコート層及び第2ハードコート層の膜厚は、それぞれ8μmであった。第1ハードコート層表面のオレイン酸接触角は76°、第2ハードコート層表面のオレイン酸接触角は46°であった。光学積層体の鉛筆硬度は、3Hであった。
膜厚50μmの樹脂フィルムBを用い、その一方の面に硬化性組成物Aをバーコーターにより塗布し、80℃で3分乾燥後、窒素雰囲気下、高圧水銀灯を用いて、500mJ/cm2、200mW/cm2の条件で照射し硬化させることにより、第1ハードコート層を形成させた。樹脂フィルムAのもう一方の面に硬化性組成物Cをバーコーターにより塗布し、80℃で3分乾燥後、窒素雰囲気下、高圧水銀灯を用いて、500mJ/cm2、200mW/cm2の条件で照射し硬化させることにより、第2ハードコート層を形成させ、光学積層体を得た。第1ハードコート層及び第2ハードコート層の膜厚は、それぞれ8μmであった。第1ハードコート層表面のオレイン酸接触角は76°、第2ハードコート層表面のオレイン酸接触角は10°であった。光学積層体の鉛筆硬度は、3Hであった。
膜厚50μmの樹脂フィルムCを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で光学積層体を得た。第1ハードコート層及び第2ハードコート層の膜厚は、それぞれ3μmであった。第1ハードコート層表面のオレイン酸接触角は76°、第2ハードコート層表面のオレイン酸接触角は10°であった。光学積層体の鉛筆硬度は、Hであった。
(実施例5)
膜厚50μmの樹脂フィルムCを用いたこと以外は、実施例3と同様の方法で光学積層体を得た。第1ハードコート層及び第2ハードコート層の膜厚は、それぞれ8μmであった。第1ハードコート層表面のオレイン酸接触角は76°、第2ハードコート層表面のオレイン酸接触角は10°であった。光学積層体の鉛筆硬度は、3Hであった。
(実施例6)
膜厚50μmの樹脂フィルムDを用いること以外は、実施例4と同様の方法で光学積層体を得る。第1ハードコート層及び第2ハードコート層の膜厚は、それぞれ3μmとする。第1ハードコート層表面のオレイン酸接触角は76°、第2ハードコート層表面のオレイン酸接触角は10°となる。
(実施例7)
膜厚50μmの樹脂フィルムEを用いること以外は、実施例4と同様の方法で光学積層体を得る。第1ハードコート層及び第2ハードコート層の膜厚は、それぞれ3μmとする。第1ハードコート層表面のオレイン酸接触角は76°、第2ハードコート層表面のオレイン酸接触角は10°となる。
膜厚80μmの樹脂フィルムAを用い、その一方の面に硬化性組成物Aをバーコーターにより塗布し、80℃で3分乾燥後、窒素雰囲気下、高圧水銀灯を用いて、500mJ/cm2、200mW/cm2の条件で照射し硬化させることにより、第1ハードコート層を形成させた。樹脂フィルムAのもう一方の面に硬化性組成物Aをバーコーターにより塗布し、80℃で3分乾燥後、窒素雰囲気下、高圧水銀灯を用いて、500mJ/cm2、200mW/cm2の条件で照射し硬化させることにより、第2ハードコート層を形成させ、光学積層体を得た。
第1ハードコート層及び第2ハードコート層の膜厚は、それぞれ3μmであった。第1ハードコート層表面のオレイン酸接触角は76°、第2ハードコート層表面のオレイン酸接触角は76°であった。光学積層体の鉛筆硬度は、Hであった。
硬化性組成物Aに代えて、硬化性組成物Cを用いたこと以外は、比較例1と同様に光学積層体を得た。第1ハードコート層及び第2ハードコート層の膜厚は、それぞれ3μmであった。第1ハードコート層表面のオレイン酸接触角は10°、第2ハードコート層表面のオレイン酸接触角は10°であった。光学積層体の鉛筆硬度は、Hであった。
実施例6、7で得られる光学積層体についても、上記視認性評価の結果がA又はBとなり、指紋の拭き取り性及び耐屈曲性に優れ、優れた視認性を発現できる。
また、実施例1~5で得られた光学積層体は、鉛筆硬度がH又は3Hであるため、表面硬度に優れるとともに、黄色度が1.5又は1.6及び全光線透過率が92%であるため、透明性にも優れている。
2…樹脂フィルム
3…第1ハードコート層
4…第2ハードコート層
Claims (11)
- ポリイミド系樹脂を含んでなる樹脂フィルムと、該樹脂フィルムの一方の面に積層された第1ハードコート層と、該樹脂フィルムの他方の面に積層された第2ハードコート層とを有する光学積層体であって、第1ハードコート層は、オレイン酸接触角が65°以上、かつ厚みが1μm以上10μm未満であり、第2ハードコート層は、オレイン酸接触角が1°以上65°未満、かつ厚みが1μm以上10μm未満であり、前記光学積層体のシャルピー衝撃試験による衝撃吸収エネルギーの値が100kJ/m2以上であり、前記光学積層体の厚みは21μm以上である、光学積層体。
- 樹脂フィルムは、ASTM規格D2176-16に準拠した屈曲半径3mmのMIT耐折疲労試験において、屈曲回数が100,000回を超える、請求項1に記載の光学積層体。
- 樹脂フィルムは、厚み方向の断面においてナノインデンターを用いて測定される押し込み硬さが350N/mm2以上である、請求項1又は2に記載の光学積層体。
- 前記ポリイミド系樹脂は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が、50,000~1,000,000である、請求項1~3のいずれかに記載の光学積層体。
- 前記ポリイミド系樹脂はフッ素原子を含有する、請求項1~4のいずれかに記載の光学積層体。
- 前記樹脂フィルムの厚みは、20~150μmである、請求項1~5のいずれかに記載の光学積層体。
- 前記第1ハードコート層は、フッ素含有化合物を含む硬化性組成物の硬化物である、請求項1~6のいずれかに記載の光学積層体。
- 前記硬化性組成物に含まれるフッ素含有化合物の含有量は、硬化性組成物の固形分の質量に対して、0.1~5質量部である、請求項7に記載の光学積層体。
- 第1ハードコート層の厚みと第2ハードコート層の厚みの比率は、10:7~7:10である、請求項1~8のいずれかに記載の光学積層体。
- 黄色度は5.0以下である、請求項1~9のいずれかに記載の光学積層体。
- 全光線透過率は80%以上である、請求項1~10のいずれかに記載の光学積層体。
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