JP7220443B2 - 毛髪用グリース - Google Patents
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Description
本発明は、例えば以下の[1]~[6]である。
[1]ポリオキシエチレン構造を有するノニオン界面活性剤(A)を15~40質量%と、25℃で固形のワックス(B)を1~40質量%と、液状油(C)を1~30質量%とを含む、毛髪用グリース。
[2]前記ノニオン界面活性剤(A)を20~30質量%含む、[1]に記載の毛髪用グリース。
[3]前記ノニオン界面活性剤(A)として、平均付加モル数が30以下のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(A-1)と、平均付加モル数が40以上のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(A-2)とを含み、前記(A-1)と、(A-2)との質量比(A-1:A-2)が2:3~2:1であり、前記(A-1)と、(A-2)との合計が15~30質量%である、[1]または[2]に記載の毛髪用グリース。
[4]糖アルコール(D)を0.1~20質量%含む、[1]~[3]のいずれかに記載の毛髪用グリース。
[5]水(E)を15~50質量%含む、[1]~[4]のいずれかに記載の毛髪用グリース。
[6]下記測定方法により測定した波長580nmにおける透過率が1~100%である、[1]~[5]のいずれかに記載の毛髪用グリース。
(測定方法)
調製した毛髪用グリースを、45℃の恒温槽で30日保存した後、毛髪用グリースを光路長10mm、光路幅4mmのポリスチレン製セルに入れ、分光光度計を用い、波長580nmにおける透過率を測定する。
<毛髪用グリース>
本発明の毛髪用グリースは、ポリオキシエチレン構造を有するノニオン界面活性剤(A)を15~40質量%と、25℃で固形のワックス(B)を1~40質量%と、液状油(C)を1~30質量%とを含む。前記毛髪用グリースは、さらに、糖アルコール(D)および水(E)の少なくとも一方を含むことが好ましく、(D)および(E)を含むことがより好ましい。また、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。なお、上記の各成分の含有量は、毛髪用グリースを100質量%とした場合の含有量を示している。
本発明の毛髪用グリースは、整髪料として使用することができ、透明な外観であることが好ましい。
本発明の毛髪用グリースは、ポリオキシエチレン構造を有するノニオン界面活性剤(A)を15~40質量%含み、20~30質量%含むことが好ましい。
本発明の毛髪用グリースは、ポリオキシエチレン構造を有するノニオン界面活性剤(A)を上記の量含むことによって、乳化力に優れ、透明で、伸びがよく、毛髪に濡れたような艶感を付与することができる。前記下限量より少ないと、透明な外観とならず、前記上限量より多いと、伸びが悪く、べたついて操作性が良くない。
平均付加モル数が40以上のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(A-2)としては、平均付加モル数が、40~80であることがより好ましい。
本発明の毛髪用グリースは、25℃で固形のワックス(B)を1~40質量%含み、5~35質量%含むことが好ましく、15~30質量%含むことがより好ましい。
本発明の毛髪用グリースは、25℃で固形のワックス(B)を上記の量含むことによって、セット力に優れ、その持続性を高めることができる。前記下限量より少ないと、セット力が低く、前記上限量より多いと、伸びが悪くなり、毛髪用グリースの外観が不透明になるため好ましくない。
25℃で固形のワックス(B)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の毛髪用グリースは、液状油(C)を1~30質量%含み、3~20質量%含むことが好ましく、5~15質量%含むことがより好ましい。なお、液状油とは25℃で液状の油を意味する。
なお、液状油(C)の25℃での粘度は、例えば、B型粘度計(ブルックフィールド社製)等で測定することができる。
本発明の毛髪用グリースは、糖アルコール(D)を0.1~20質量%含むことが好ましく、1~15質量%含むことがより好ましく、3~10質量%含むことが特に好ましい。
糖アルコール(D)として、具体的には、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、ソルビトール、マルチトール、イノシトール、ラクチトール、イソマルト等が挙げられる。これらの中でも、セット力が優れていることからマルチトール、ソルビトールがより好ましい。
糖アルコール(D)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の毛髪用グリースは、水(E)を15~50質量%含むことが好ましく、20~45質量%含むことがより好ましく、25~40質量%含むことが特に好ましい。
水(E)として、具体的には、水道水、イオン交換水、蒸留水、精製水および天然水が挙げられ、殺菌済みのものが好ましい。
本発明の毛髪用グリースは、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分以外に、保湿剤、生薬類、pH調整剤、キレート剤、防腐剤、酸化防止剤、清涼剤、ビタミン類、タンパク質、香料、抗菌剤、および色素等の添加剤を含有することができる。
本発明の毛髪用グリースは、上述した各成分を上述の量で使用する以外は、例えば公知の方法で、撹拌、混合、加熱、溶解、分散等することによって製造することができ、製造方法は特に限定されない。製造方法としては各成分を均一に混合するために、好ましくは加熱条件下、例えば75~85℃の加熱条件下で、本発明の毛髪用グリースを製造することが好ましい。
(測定方法)
調製した毛髪用グリースを、45℃の恒温槽で30日保存した後、毛髪用グリースを光路長10mm、光路幅4mmのポリスチレン製セルに入れ、分光光度計を用い、波長580nmにおける透過率を測定する。
本発明の毛髪用グリースは、毛髪に塗布して使用することができる。
本発明の毛髪用グリースは、伸びがよく、毛髪に濡れたような艶を与えることができる。さらに、本発明の毛髪用グリースは、毛髪にまとまりを与え、束を形成することができ、その束を立ち上げて動かすことができる高いセット力を有する。
〔実施例1~36、比較例1~6〕
表1~3に示す処方で各成分を混合することにより毛髪用グリースを製造し、試料として以下の方法で評価した。結果を表1~3に示す。
なお、表1~3に記載の各成分は以下の市販品を用いた。
ポリオキシエチレン(10E.O)硬化ヒマシ油:製品名 エマレックスHC-10(日本エマルジョン社製)
ポリオキシエチレン(40E.O)硬化ヒマシ油:製品名 エマレックスHC-40(日本エマルジョン社製)
ステアレス-40:製品名 エマレックス640(日本エマルジョン社製)
<25℃で固形のワックス(B)>
キャンデリラロウ:製品名 TOWAX-4F3(東亜化成社製)
ミツロウ:製品名 蜜蝋(小城社製)
<液状油(C)>
ミリスチン酸イソプロピル:製品名 SRクロダモルIPM-LQ-(JP)(クローダジャパン社製)
ヒマシ油(680mpa・s):製品名 ヒマシ油(カネダ社製)
<糖アルコール(D)>
マルチトール:製品名 マルビット(林原社製)
室温(25℃)の条件下で、専門パネラー(美容師)10名が1人ずつ、試料1gを手に取った後、トップ10cm、ネープ5cmのショートカットにした東京チャーム社製No.55デザインカットモデルの毛髪に塗布し、整髪した。整髪後、後述する(1)~(9)の各項目に記載した評価項目および評価基準に従って官能評価を行った。各項目につき10名の評価点の平均を算出し、以下のとおり評価した。
◎:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が3.5点以上である。
○:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が2.5点以上3.5点未満である。
△:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点以上2.5点未満である。
×:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点未満である。
試料をPET素材の100mL透明容器に90g充填し、45℃恒温槽に30日保管した後、後述する(10)~(11)の各項目に記載した評価項目および評価基準に従って物性評価を行った。
(1)剤の伸び
試料1gを手のひらで伸ばした際の伸びのよさと、髪に塗布する際の伸びのよさを評価した。
4点:非常に伸びが良い。
3点:伸びが良い。
2点:伸びが悪い。
1点:非常に伸びが悪い。
(2)ウェット感
整髪後の毛髪のウェット感を目視で評価した。ここでのウェット感とは、毛髪に濡れたような艶感があることを指す。
4点:非常にウェット感がある。
3点:ウェット感がある。
2点:ウェット感が少ない。
1点:ウェット感が全くない。
(3)べたつきの無さ
整髪後の毛髪のベタつきの無さを触って評価した。
4点:まったくベタつきが無い。
3点:ほとんどベタつきが無い。
2点:ベタつく。
1点:非常にベタつく。
(4)束の形成力
整髪により毛髪が束になる力を目視で評価した。
4点:非常に束の形成力があり細かく多い束が出来ている。
3点:束の形成力があり適度に束が出来ている。
2点:束の形成力が少なく、束が少ない。
1点:束の形成力が非常に少なく、束が無い。
(5)束の硬さ
整髪によって形成した毛髪の束の硬さを触って評価した。
4点:非常に硬い束でつんつんしている。
3点:やや硬めの束である。
2点:やや柔らかめの束である。
1点:柔らかい束である。
(6)スタイルの作りやすさ
整髪の際に、試料を塗布することで束になった毛髪を、動かしたい方向に動かしてスタイルを作りやすいか評価した。
4点:非常にスタイルを作りやすい。
3点:スタイルを作りやすい。
2点:スタイルを作りにくい。
1点:非常にスタイルを作りにくい。
(7)毛髪の立ち上げ
毛髪を根元から立ち上げるように整髪し、立ち上がりを評価した。
4点:非常に立ち上がりやすい。
3点:立ち上がりやすい。
2点:立ち上がりにくい。
1点:非常に立ち上がりにくい。
(8)指どおり
毛髪を整髪中、もしくは整髪後の毛髪の指どおりの良さを触って評価した。
4点:非常に指どおりが良い。
3点:指どおりが良い。
2点:指どおりが悪い。
1点:非常に指どおりが悪い。
(9)持続性
毛髪の立ち上がりを評価したウィッグを20℃、湿度50%で12時間放置し、ヘアスタイルの持続性を目視で評価した。
4点:非常に持続しており毛が立っている。
3点:やや持続している。
2点:あまり持続しておらず、立ち上がりが弱い。
1点:全く持続しておらず毛が寝ている。
(10)透明性
試料を45℃の恒温槽で30日保存後、試料の透明性を目視と分光光度計で評価した。分光光度計での測定方法は、以下の通りである。
測定方法:試料を光路長10mm、光路幅4mmのポリスチレン製セルに入れ、分光光度計(「V-730IRM」Jusco社製)を用いて、波長580nmでの透過率を測定した。
◎:透過率20%以上80%以下で透明を維持している。
○:透過率1%以上20%未満で、若干濁りが出ている。
△:透過率0.2%以上1%未満でかなり濁っている。
×:透過率0.2%未満で確実に不透明である。
(11)安定性
試料を45℃の恒温槽で30日保存後、試料の粘度の変化を針入度計と目視で評価した。
◎:粘度を維持している。
○:若干粘度が低下している。
△:粘度が低下しているが流動性は無い。
×:粘度が大幅に低下しており流動性がある。
比較例2で製造した毛髪用グリースは、ポリオキシエチレン構造を有するノニオン界面活性剤(A)の配合量が多いため、伸びや艶が悪く、べたつきが生じた。
比較例4で製造した毛髪用グリースは、25℃で固形のワックス(B)の配合量が多いため、伸びが悪く、べたつきが生じ、指通りが悪かった。また、透明性と安定性も悪かった。
比較例6で製造した毛髪用グリースは、液状油(C)の配合量が多いため、セット力が低く、持続性と、安定性も悪かった。
Claims (3)
- ポリオキシエチレン構造を有するノニオン界面活性剤(A)を30~40質量%と、
25℃で固形のワックス(B)を1~30質量%と、
液状油(C)を5~30質量%と、
水(E)を15~72質量%と、
糖アルコール(D)を3~20質量%とを含む、毛髪用グリースであって、
前記ノニオン界面活性剤(A)として、平均付加モル数が30以下のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(A-1)と、平均付加モル数が40以上のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(A-2)とを含み、
前記液状油(C)がエステル油類であり、
前記糖アルコール(D)がマルチトールであり、
下記測定方法により測定した波長580nmにおける透過率が20~80%である、毛髪用グリース。
(測定方法)
調製した毛髪用グリースを、45℃の恒温槽で30日保存した後、毛髪用グリースを光路長10mm、光路幅4mmのポリスチレン製セルに入れ、分光光度計を用い、波長580nmにおける透過率を測定する。 - 前記(A-1)と、(A-2)との質量比(A-1:A-2)が2:3~2:1であり、
前記(A-1)と、(A-2)との合計が15~30質量%である、請求項1に記載の毛髪用グリース。 - 水(E)を15~50質量%含む、請求項1または2に記載の毛髪用グリース。
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