JP7216057B2 - リチウムイオン二次電池の非水電解液およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の非水電解液に関する。本発明はまた、当該非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
リチウムイオン二次電池においては、リチウムイオンが充放電反応に関与するため、一般的に、リチウムイオンを吸蔵/放出可能な活物質と、電解質塩としてのリチウム塩が用いられている(特許文献1)。
特公平4-24831号公報
一方で、リチウムイオン二次電池においては、電極上にリチウムイオンが金属リチウムとして析出し得ることが知られている。電極上に金属リチウムが析出すると容量低下を引き起こし、また、析出した金属リチウムがデンドライト状に成長すると内部短絡を引き起こすという問題がある。しかしながら、このような問題に対し、析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化する技術はこれまでに開発されていない。
そこで本発明は、リチウムイオン二次電池において、析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化することが可能な技術を提供することを目的とする。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池の非水電解液は、電解質塩としてのリチウム塩と、非水溶媒としてのカーボネート類と、少なくとも4個の六員環を有する多環芳香族炭化水素と、を含有する。前記多環芳香族炭化水素の濃度は、0.01mmol/L以上100mmol/L以下である。このような構成の非水電解液をリチウムイオン二次電池に用いることにより、当該リチウムイオン二次電池において、析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化することができる。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池の非水電解液の好ましい一形態では、前記多環芳香族炭化水素の炭素数が、20以上である。このような構成によれば、前記多環芳香族炭化水素によって析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化する効果がより高くなる。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池の非水電解液の好ましい一形態では、前記多環芳香族炭化水素が、少なくとも5個の六員環を有する。このような構成によれば、前記多環芳香族炭化水素によって析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化する効果がより高くなる。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池の非水電解液の好ましい一形態では、前記多環芳香族炭化水素が、コロネンである。このような構成によれば、前記多環芳香族炭化水素によって析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化する効果が特に高くなる。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池の非水電解液の好ましい一形態では、前記多環芳香族炭化水素の濃度が、1.0mmol/L以上100mmol/L以下である。このような構成によれば、前記多環芳香族炭化水素によって析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化する効果がより高くなる。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、上記の非水電解液と、を備える。このような構成によれば、析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化することが可能なリチウムイオン二次電池が提供される。
本発明の一実施形態に係る非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式分解図である。 実施例1-1~実施例1-7ならびに比較例1-1および比較例1-2のLi析出抑制率を示すグラフである。 実施例2-1ならびに比較例2-1および比較例2-2のLi析出抑制率を示すグラフである。 実施例3-1~実施例3-5のLi析出抑制率を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。なお、本明細書において言及していない事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイスをいい、いわゆる蓄電池、および電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。また、本明細書において「リチウム二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の非水電解液は、電解質塩としてのリチウム塩と、非水溶媒としてのカーボネート類と、少なくとも4個の六員環が縮合した多環芳香族炭化水素と、を含有する。当該多環芳香族炭化水素の濃度は、0.01mmol/L以上100mmol/L以下である。
リチウム塩としては、リチウムイオン二次電池の非水電解液の電解質塩として用いられている公知のリチウム塩を用いてよい。使用できるリチウム塩の例としては、LiPF、LiBF、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウムビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(LiTFSI)等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。リチウム塩としては、LiPFが好ましい。非水電解液中のリチウム塩の濃度は、特に限定されないが、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
本実施形態においては、非水溶媒としてのカーボネート類と、少なくとも4個の六員環が縮合した多環芳香族炭化水素とを組合わせて用いることで、有利な効果が奏される。カーボネート類としては、リチウムイオン二次電池の非水電解液の非水溶媒として用いられている公知のカーボネート類を用いてよい。使用できるカーボネート類の例としては、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F-DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。カーボネート類は、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、およびエチルメチルカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、およびエチルメチルカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも2種を含有する混合溶媒であることがより好ましい。
多環芳香族炭化水素は、複数個の芳香環が縮合した構造を有する炭化水素であり、本実施形態においては、少なくとも4個の六員環を有する多環芳香族炭化水素を、添加剤として用いる。多環芳香族炭化水素が少なくとも4個以上の六員環を有することで、分子全体での芳香族性が高くなる。なお、六員環は他の環と縮合していてよい。よって、六員環の数を数えるにあたり、例えば、4個の六員環が二次元方向に縮合したテトラセンが有する六員環の数は、4個として数える。また、6個の六員環が環状に縮合して中央部にさらに六員環が形成されているコロネンが有する六員環の数は、7個として数える。
少なくとも4個の六員環を有する多環芳香族炭化水素の例としては、ピレン(六員環の数4、炭素数16)、クリセン(六員環の数4、炭素数18)、テトラセン(六員環の数4、炭素数18)、トリフェニレン(六員環の数4、炭素数18)、ペリレン(六員環の数5、炭素数20)、ペンタセン(六員環の数5、炭素数22)、ベンゾピレン(六員環の数5、炭素数20)、ベンゾペリレン(六員環の数6、炭素数22)、コランニュレン(六員環の数5、炭素数20)、コロネン(六員環の数7、炭素数24)、オバレン(六員環の数10、炭素数32)、ヘキサベンゾテトラセン(六員環の数10、炭素数40)等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化する効果がより高くなることから、当該多環芳香族炭化水素の炭素数は、20以上が好ましく、20以上40以下がより好ましい。析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化する効果がより高くなることから、当該多環芳香族炭化水素が有する六員環の数は、5個以上が好ましく、5個以上10個以下がより好ましい。析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化する効果が特に高くなることから、多環芳香族炭化水素として最も好ましくは、コロネンである。
非水電解液中の多環芳香族炭化水素の濃度は、0.01mmol/L以上100mmol/L以下(0.01mM以上100mM以下)である。多環芳香族炭化水素の濃度が0.1mmol/L以下であると、金属リチウムの析出抑制効果が十分に得られなくなる。一方、多環芳香族炭化水素の濃度が100mmol/L以下を超えると、多環芳香族炭化水素が非水溶媒に十分に溶解できなくなる。析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化する効果がより高くなることから、多環芳香族炭化水素の濃度は、1.0mmol/L以上100mmol/L以下であることが好ましい。
少なくとも4個の六員環を有する多環芳香族炭化水素は、その芳香環にリチウムイオンを効果的に配位することができる。したがって、少なくとも4個の六員環を有する多環芳香族炭化水素を非水電解液の添加剤として用いた場合には、下記式(I)が示すように、多環芳香族炭化水素(PAH)が析出した金属リチウム(Li)と反応してLiをイオンとして引き抜いて、LiとPAHが配位結合したLiPAHが生成する。リチウムイオンは、このLiPAHから脱離可能である。そして、LiPAHの生成およびLiの脱離には、非水溶媒がカーボネート類であることが有効である。
Li+PAH→LiPAH・・・(I)
したがって、少なくとも4個の六員環を有する多環芳香族炭化水素を特定濃度でカーボネート類に含有させることにより、リチウムイオン二次電池内で析出した金属リチウムと、当該多環芳香族炭化水素とを結合させることによって、析出した金属リチウムのデンドライト成長を抑制することができ、これにより、析出した金属リチウムを不活性化することができる。さらには、析出した金属リチウムと当該多環芳香族炭化水素とが結合したLiPAHからリチウムイオンが脱離可能であるため、析出した金属リチウムを再イオン化して、非水電解液中に戻すことができる。
なお、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の非水電解液は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;被膜形成剤;分散剤;増粘剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の非水電解液は、公知方法に従い、リチウムイオン二次電池に用いることができる。本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の非水電解液をリチウムイオン二次電池に用いることにより、当該リチウムイオン二次電池において、析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化することができる。よって、リチウムイオン二次電池の金属リチウムの析出による容量低下を抑制することができる。また、析出した金属リチウムのデンドライト成長による内部短絡を抑制することができる。
そこで以下、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の非水電解液を備えるリチウムイオン二次電池の構成について、図面を参照しながら例を挙げて説明する。しかしながら、当該リチウムイオン二次電池の構成は、以下説明する例に限定されない。以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解液80とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型電池である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。また、電池ケース30には、非水電解液80を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、正極シート50と、負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。正極シート50は、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された構成を有する。負極シート60は、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成されている構成を有する。正極活物質層非形成部分52a(すなわち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)および負極活物質層非形成部分62a(すなわち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)は、捲回電極体20の捲回軸方向(すなわち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の両端から外方にはみ出すように形成されている。正極活物質層非形成部分52aおよび負極活物質層非形成部分62aには、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50および負極シート60には、従来のリチウムイオン二次電池に用いられているものと同様のものを特に制限なく使用することができる。典型的な一態様を以下に示す。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。正極活物質層54は、少なくとも正極活物質を含有する。正極活物質としては、例えばリチウム遷移金属酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等)、リチウム遷移金属リン酸化合物(例、LiFePO等)等が挙げられる。正極活物質層54は、活物質以外の成分、例えば導電材やバインダ等を含み得る。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64は、少なくとも負極活物質を含有する。負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用でき、黒鉛が好ましい。負極活物質層64は、活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
非水電解液80には、上述の本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の非水電解液が用いられる。なお、図1は、電池ケース30内に注入される非水電解液80の量を厳密に示すものではない。
リチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。また、リチウムイオン二次電池100は、小型電力貯蔵装置等の蓄電池として使用することができる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池100について説明した。しかしながら、リチウムイオン二次電池は、積層型電極体(すなわち、複数の正極と、複数の負極とが交互に積層された電極体)を備えるリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、リチウムイオン二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池、ラミネート型リチウムイオン二次電池等として構成することもできる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
1.添加剤種の検討
<非水電解液の調製>
非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを、3:3:4の体積比で含む混合溶媒を準備した。この混合溶媒に、電解質塩としてLiPFを1.16M(1.16mol/L)の濃度となるように添加すると共に、表1に示す芳香族炭化水素化合物を、1.0mM(1.0mmol/L)の濃度となるように添加して、実施例1-1~実施例1-7および比較例1-2の非水電解液を調製した。また、混合溶媒に、芳香族炭化水素化合物を添加せずに、LiPFを1.16M(1.16mol/L)の濃度となるように添加して比較例1-1の非水電解液を調製した。
Figure 0007216057000001
<評価用リチウムイオン二次電池の作製>
正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、LNCM:AB:PVdF=87:10:3の質量比でN-メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、アルミニウム箔に塗布して乾燥することにより、正極活物質層を備える正極シートを作製した。なお、正極活物質層の寸法は、47mm×45mmとした。
負極活物質としての黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、銅箔に塗布して乾燥することにより、負極活物質層を備える負極シートを作製した。なお、負極活物質層の寸法は、49mm×47mmとした。
また、微多孔性ポリプロピレンシートを袋状に加工したセパレータを用意した。なお、セパレータの寸法は、51×49mmとした。
正極シートと負極シートとをそれぞれ袋状のセパレータに収容した後、正極活物質層と負極活物質層とが対向するように積層して電極体を作製した。この電極体に集電端子を取り付け、これをラミネートケースに収容した。ラミネートケースに、各実施例および各比較例の非水電解液を注液し、ラミネートケースを熱融着して封止することにより評価用リチウムイオン二次電池を得た。
<金属リチウム析出抑制評価>
上記作製した各評価用リチウムイオン二次電池に対して、3.0Vから4.25Vまで0.3Cの電流値での定電流充電および4.25Vから3.0Vまで0.3での定電流放電を1サイクルとする充放電を、30サイクル行った。その後、各評価用リチウムイオン二次電池を解体し、負極のLi量を誘導結合プラズマ(ICP)分析によって定量した。定量したLi量と下記式(1)とを用いて求めた値を、各実施例および各比較例の金属Li析出抑制率(%)とした。評価結果を図3に示す。
式(1):金属Li析出抑制率(%)={(比較例1-1のLi量-各実施例および各比較例のLi量)/比較例1-1のLi量}×100
図3の結果より、少なくとも4個の六員環を有する多環芳香族炭化水素をリチウムイオン二次電池の非水電解液の添加剤として用いた実施例1-1~実施例1-7では、金属Li析出抑制率が顕著に高かった。リチウムイオン二次電池の非水電解液の添加剤として一般的に用いられているビフェニル(六員環の数2、炭素数12)を含む比較例1-2でも、析出したLi量に減少が見られたものの、その減少量はわずかであった。よって、少なくとも4個の六員環を有する多環芳香族炭化水素は、金属リチウムを不活性化または再イオン化する添加剤として有効であることわかる。また、この多環芳香族炭化水素の炭素数が20以上である場合、およびこの多環芳香族炭化水素が含む六員環の数が5個以上である場合に、金属Li析出抑制率がより高くなる傾向が見られた。特に、添加剤としてコロネンを用いた場合には、金属Li析出抑制率が最大となり、その値は45%であった。
2.非水溶媒種の検討
環状エーテル類であるテトラヒドロフランに、LiPFを1.16mol/Lの濃度となるように添加すると共に、コロネンを1.0mmol/Lの濃度となるように添加して、比較例2-1の非水電解液を作製した。また、グリコールエーテル類であるグライムに、LiPFを1.16mol/Lの濃度となるように添加すると共に、コロネンを1.0mmol/Lの濃度となるように添加して、比較例2-2の非水電解液を作製した。また、実施例1-3の非水電解液を、実施例2-1の非水電解液とした。これらの非水電解液を用いて、上記と同様にして評価用リチウムイオン二次電池を作製し、上記と同様にして金属リチウム析出抑制評価を行った。ただし、金属Li析出抑制率の算出には、下記式(2)を用いた。
式(2):金属Li析出抑制率(%)={(比較例2-1のLi量-実施例2-1または比較例2-2のLi量)/比較例2-1のLi量}×100
図4の結果が示すように、環状エーテル類を用いた比較例2-1を基準とした場合、カーボネート類を用いた実施例2-1の非水電解液では、金属リチウムの析出を48%抑制することができた。一方で、グリコールエーテル類を用いた比較例2-2の非水電解液でも、環状エーテル類を用いた比較例2-1と比べると、金属リチウムの析出を抑制することができたが、抑制の程度はわずかであった。以上のことから、非水電解液の非水溶媒としてカーボネート類を用いた場合に、多環芳香族炭化水素が奏する、析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化する効果が顕著に高くなることがわかる。
3.添加剤の濃度の検討
非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを、3:3:4の体積比で含む混合溶媒を準備した。この混合溶媒に、LiPFを1.16mol/Lの濃度となるように添加すると共に、コロネンを、0.01mmol/L、0.1mmol/L、1.0mmol/L、10mmol/L、または100mmol/Lの濃度となるように添加して、非水電解液を作製した。これらをそれぞれ、実施例3-1~実施例3-5の非水電解液とした。これらの非水電解液を用いて、上記と同様にして、評価用リチウムイオン二次電池を作製し、上記と同様にして、金属リチウム析出抑制評価を行った。なお、金属Li析出抑制率の算出には、上記式(1)を用いた。評価結果を図5に示す。
図5の結果が示すように、コロネンを0.01mmol/L以上用いた場合に、金属リチウム析出抑制効果が確認され、コロネンの濃度が1mmol/Lになるまでは、濃度が増加するにつれて金属リチウム析出抑制効果が増大する傾向が見られた。そして、コロネンの濃度が1mmol/L以上となると、金属リチウム析出抑制効果は同程度となった。また、コロネンの濃度が100mmol/Lの場合にはコロネンが非水溶媒に溶解しにくかった。このことから、非水電解液中の多環芳香族炭化水素の濃度が0.01mmol/L以上100mmol/L以下の場合に、析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化する効果が十分に発揮され、1.0mmol/L以上100mmol/L以下の場合に、析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化する効果が特に高くなることがわかる。
以上の結果を総合すると、上記説明した本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の非水電解液によれば、リチウムイオン二次電池において析出した金属リチウムを不活性化または再イオン化できることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
80 非水電解液
100 リチウムイオン二次電池

Claims (3)

  1. 電解質塩としてのリチウム塩と、
    非水溶媒としてのカーボネート類と、
    コロネンと、
    を含有し、
    前記コロネンの濃度が、0.01mmol/L以上100mmol/L以下である、
    リチウムイオン二次電池の非水電解液。
  2. 前記コロネンの濃度が、1.0mmol/L以上100mmol/L以下である、請求項1に記載の非水電解液。
  3. 正極と、
    負極と、
    請求項1または2に記載の非水電解液と、
    を備えるリチウムイオン二次電池。
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