JP7213730B2 - 金型装置及び成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ナノ粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物の成形品を製造するために用いる金型装置、およびこの金型装置を用いた成形品の製造方法に関する。
射出成形用の金型装置において、第1金型および第2金型を分割面で組み合わせることにより内部に形成されるキャビティに、成形材料(熱硬化性樹脂組成物)を注入して成形品を成形した後、いずれか一方の金型に取り付けられた押出ピンをキャビティ内に突き出して、成形品を金型から離脱させる成形品押出機構が用いられている。このような金型装置の成形品押出機構には、キャビティに連通され押出ピンが挿通されるピン挿通用通路が形成されており、押出ピンは、ピン挿通用通路を介してキャビティ内に突き出されることにより、成形品自体、さらにはスプルーやランナーに当接して成形品を金型から押し出し離脱させた後、ピン挿通用通路に戻るように構成されている。
このような成形品押出機構においては、押出ピンがキャビティ内に突き出された際にキャビティ内に残った樹脂カス(成形材料の残骸。以下同じ)が押出ピンに付着してしまったり、さらには押出ピンがピン挿通用通路に戻される際に樹脂カスがピン挿通用通路の内部に侵入して付着してしまうことがあった。このような押出ピンに付着したりピン挿通用通路内に侵入付着した樹脂カスは、ピン挿通用通路内における押出ピンの進退動作を阻害し、成形品押出機構の動作不良を招くおそれがあった。
そこで従来より、成形品離脱後のキャビティ内に残った樹脂カスを除去する手段として、樹脂カスを吸引廃棄することによって除去したり(特許文献1)、電磁誘導加熱によって押出ピンの温度を変化させることにより、キャビティ内への樹脂組成物の注入時および押出ピンの突き出し動作時における押出ピンと、ピン挿通用通路と、のクリアランスを制御すること(特許文献2)が提案されている。
特開平5-283459号公報 特開2012-868号公報
ここで、成形材料がナノ粒子を含有する場合、該ナノ粒子が、キャビティへの注入前あるいは注入中に、成形材料中で凝集してしまうことを防止し、成形材料中に均一に分散させる、との観点から、配合するナノ粒子の表面を界面活性剤などからなる分散剤により被覆することが行われている。このようなナノ粒子を含有する成形材料によって射出成形を行うと、樹脂カスだけではなく成形材料から遊離したナノ粒子や、ガス化した分散剤が押出ピンに付着したりピン挿通用通路に侵入付着してしまうおそれがあった。
しかし、特許文献1および2による両技術では、成形材料から遊離したナノ粒子を除去することは困難であった。このように、押出ピンやピン挿通用通路にナノ粒子や分散剤が付着していると、やはり押出ピンの進退動作が阻害されて、押出ピンがピン挿通用通路内の元の位置に戻らず、成形品押出機構の動作不良を招くおそれがあった。
さらに、押出ピンがピン挿通用通路内に戻らない場合には、第1金型および第2金型の開閉ができなくなり、ひいては射出成形できなくなってしまう。一方、このような状況で第1金型および第2金型を無理に型締めしてしまうと、金型装置自体が破壊されてしまうおそれもあった。
本発明は、押出ピンや押出ピンが挿通されるピン挿通用通路に付着した樹脂カスだけではなく、成形材料から遊離したナノ粒子やガス化した分散剤をも除去することができる金型装置と、これを用いた成形品の製造方法と、を提供することを目的とする。
以下では、本発明の理解を容易にするために、本発明の実施形態を示す図面に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
上記目的を達成するために、本発明に係る、ナノ粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物の成形品を製造するために用いられる金型装置(1)の特徴は、
第1金型(21)と第2金型(22)を分割面で組み合わせることにより内部にキャビティ(23)が形成される金型装置(1)であって、
キャビティ(23)に連通するように第1金型(21)に形成された第1通路(31)、および第1通路(31)を移動可能に挿通された押出ピン(32)を備え、該押出ピン(32)を、その先端が第1通路(31)におけるキャビティ(23)側の開口部(311)から突き出るように移動させることによって成形品を第1金型(21)から離脱させる成形品押出機構(3)と、
第1通路(31)へ連通するように第1金型(21)に形成された第2通路(41)を備え、第2通路(41)に洗浄剤を供給する洗浄機構4と、を有し、
第2通路(41)に供給された洗浄剤を第1通路(31)に流入させることを通じて、該第1通路(31)を移動する押出ピン(32)を洗浄するように構成した点にある。
本発明に係る金型装置(1)によれば、第2通路(41)に洗浄剤を供給して第2通路(41)を介して第1金型(21)の第1通路(31)に洗浄剤を流し込むことにより、洗浄剤によって押出ピン(32)に付着した樹脂カスのほか、樹脂組成物から遊離したナノ粒子やガス化した分散剤などのダストを洗い流すことができる。
本発明に係る金型装置(1)において、第1通路(31)の内壁における第2通路(41)との連設部と、第1通路(31)のキャビティ(23)側の開口部との間に、洗浄剤漏れを防止する封止部材(421,422)を配置するとよい。このような構成を採用することにより、洗浄剤が第1通路(31)から誤って漏出することを防止することができるので、漏出した洗浄剤によって金型装置(1)に動作不良が発生することを防止することができる。
本発明に係る金型装置(1)において、第1通路(31)の内壁における封止部材(421)の配置よりも開口部(311)側に、第1通路(31)内へのダスト侵入を防止する防塵部材(36)を配置してもよい。このような構成を採用することにより、キャビティ(23)から第1通路(31)内にダストなどが侵入してしまうことを低減することができる。
本発明に係る金型装置(1)において、洗浄機構(4)の第2通路(41)に供給した洗浄剤を循環させて、第2通路(41)に供給するようにしてもよい。このような構成を採用することにより、洗浄剤を再利用することができ、無駄を削除することができる。
本発明に係る金型装置(1)を用いた、ナノ粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物の成形品を製造する方法の特徴は、
第1金型(21)を第2金型(22)と組み合わせることにより、第1金型(21)と第2金型(22)との間にキャビティ(23)を形成する型締め工程と、
ナノ粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物をキャビティ(23)内に供給することにより、成形品を得る成形工程と、
第2金型(22)に対し第1金型(21)を型開き方向に相対移動させる型開き工程と、
第1通路(31)におけるキャビティ(23)側の開口部(311)から押出ピン(32)を突き出すことにより成形品を第1金型(21)から離脱させた後、押出ピン(32)を第1通路(31)内へ戻す押出工程と、
押出ピン(32)が第1通路(31)に収納されている状態において、第2通路(41)を通じて第1通路(31)内へ洗浄剤を流入させ、押出ピン(32)を洗浄する洗浄工程と、を有する点にある。
本発明に係る成形品の製造方法によれば、第2通路(41)に供給した洗浄剤を第1通路(31)に流入させ、洗浄剤により押出ピン(32)に付着した樹脂カスのほか、樹脂組成物から遊離したナノ粒子やガス化した分散剤などのダストを洗い流すことができる。
本発明に係る成形品の製造方法において、成形工程にて得られる成形品の硬化の状態は、特に限定されず、本硬化状態であってもよいが、半硬化状態であることが好ましい。半硬化状態であれば、本硬化状態である場合と比較して、ナノ粒子を被覆する分散剤のガス化による爆発の懸念もなく、金型から容易に成形品を剥離することができるというメリットが期待される。
本発明に係る成形品の製造方法は、成形工程において成形品を半硬化状態で得た後、押出工程において第1金型(21)から半硬化状態の成形品を押し出し、押出工程の後に洗浄工程を行うようにしてもよい。これにより、成形品を半硬化状態で押出ピン(32)により第1金型(21)から押し出して離脱させるようになっており、第1金型(21)、第2金型(22)を洗浄剤の沸点よりも高い温度に加熱することなく半硬化状態の成形品を得ることができる。したがって、複雑な温度調整をすることなく成形・押出工程を経て、洗浄剤により押出ピン(32)を洗浄する洗浄工程を行うことができる。
本発明に係る成形品の製造方法は、洗浄工程において、第2通路(41)に供給した洗浄剤を循環させて、第2通路(41)に供給するようにしてもよい。このような構成を採用することにより、洗浄剤を再利用することができ、無駄を削除することができる。
本発明に係る金型装置および成形品の製造方法によれば、洗浄剤によって押出ピンに付着したダストを洗い流すことにより、押出ピンに付着したダストを除去することができ、押出ピンの移動が阻害されることによる動作不良や、それに伴う金型装置自体の損壊を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る金型装置の作動時の一状態を示す断面概略図である。 本発明の一実施形態に係る金型装置の作動時の一状態を示す断面概略図である。 本発明の一実施形態に係る金型装置の作動時の一状態を示す断面概略図である。 本発明の一実施形態に係る金型装置の作動時の一状態を示す断面概略図である。 図4の(W)部分を示す拡大図である。 図1~図4に示す金型装置を用いて樹脂組成物からなる成形品を製造する工程を示すフローチャートである。
以下、図1から図6に基づき、本発明に係る金型装置の一例を説明する。
図1~図4に示すように、本実施形態に係る金型装置1は、成形材料としての、熱硬化性樹脂組成物の成形品を射出成形する射出成形機構2を有している。
射出成形機構2は、可動金型(第1金型の一例)21および固定金型(第2金型の一例)22を有しており、本実施形態において可動金型21は図示しない金型駆動装置による駆動により、図1に示す固定金型22に圧接された型締め状態の位置と、図2に示す固定金型22から離間する型開き状態との位置を接離移動するようにされている。
可動金型21と固定金型22とを分割面で組み合わせることによりできる内部には、固定金型22と可動金型21との型締め状態において成形材料が充填されるキャビティ23が形成されるようになっており、固定金型22には、固定金型22外からキャビティ23に成形材料を射出する注入路24が形成されている。
本実施形態で用いる成形材料としての熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも、熱硬化性樹脂と、ナノ粒子を含有する。使用可能なナノ粒子は、磁性を帯びたもの(磁性ナノ粒子)でもよいし、磁性を有しないもの(非磁性ナノ粒子)を用いることもできる。磁性ナノ粒子としては、表面の少なくとも一部が分散剤で被覆された磁性粒子などが挙げられる。磁性粒子としては、例えば、マグネタイト、γ酸化鉄、マンガンフェライト、コバルトフェライト、若しくはこれらと亜鉛、ニッケルとの複合フェライトやバリウムフェライトなどの強磁性酸化物、又は鉄、コバルト、希土類などの強磁性金属、窒化金属などが挙げられる。分散剤としては、公知の界面活性剤や高分子分散剤などが挙げられる。
以降、磁性ナノ粒子を用いる場合を例示して説明する。
そして、射出成形機構2は、磁性ナノ粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物を、注入路24を介して可動金型21および固定金型22内のキャビティ23に充填させて成形品を成形するようになっている。
また本実施形態に係る金型装置1は、可動金型21から成形品を離脱させる成形品押出機構3を有している。
成形品押出機構3は、キャビティ23に連通するように可動金型21の内部に形成された第1通路(ピン挿通用通路)31を備えており、第1通路31には、押出ピン32が第1通路31内の収納位置と第1通路31におけるキャビティ側の第1開口部311(図2参照)から突き出される押出位置との間を進退自在に移動可能に挿通されている。さらに詳しくは、押出ピン32の収納位置とは、図1、図2及び図4に示すように押出ピン32の一端面(先端面)が第1通路31の第1開口部311と面一になるように配置される位置とし、押出位置とは、図3に示すように押出ピン32の一端側が第1通路31における第1開口部311から突き出る位置とする。
このように、押出ピン32は、押出位置に進行移動すると一端部分が第1開口部311から突き出されるようになっており、一方、押出ピン32の他端部(後端部)は、伝達部材34を介して押出ピン32を駆動するピン駆動装置33に接続されている。また、伝達部材34と可動金型21との間には、伝達部材34と可動金型21を離間させる方向に付勢されるスプリング35が配置されている。そして、伝達部材34は、ピン駆動装置33の駆動力およびスプリング35の付勢力を押出ピン32に伝達するようになっている。
また、図5に示すように、第1通路31の内壁における第1開口部311の縁部には、樹脂組成物から出る樹脂カスのほか樹脂組成物から遊離した磁性ナノ粒子や磁性ナノ粒子を被覆する分散剤などのダストが第1通路31の内部に侵入してしまうことを防止するための防塵部材としてダストシール36が取り付けられている。
そして、成形品押出機構3においては、押出ピン32が、ピン駆動装置33の駆動により伝達部材34を介して、図3に示す押出位置に進行移動し、押出ピン32の一端部分が第1開口部311から突き出るようになっている。このときスプリング35には、ピン駆動装置33の駆動による圧力が加わることとなる。また、ピン駆動装置33の駆動がオフになると、スプリング35への圧力が解除され、成形品押出機構3においては、スプリング35の付勢力により伝達部材34を介して押出ピン32が、図4に示す第1通路31内への収納位置に退行移動するようになっている。
さらに、本実施形態に係る金型装置1は、押出ピン32および第1通路31の内部を洗浄剤で洗浄する洗浄機構4を有している。
洗浄機構4は、可動金型21において第1通路31に連設するように形成される第2通路41(洗浄用通路)を有しており、第2通路41は、可動金型21の外部から第2通路41に洗浄剤を供給する供給口411と、第2通路41に供給された洗浄剤を可動金型21の外部に排出する排出口412とを備えている。
洗浄剤としては、磁性粒子を洗い流すことができる溶剤が用いられ、水やメチルエチルケトンなどの有機溶媒のほか、アルカリ性洗浄剤などが挙げられる。
第1通路31の内壁における第2通路41の連設部と第1開口部311との間には、洗浄剤漏れを防止するための封止部材として第1Оリング421が取り付けられており、第1Оリングは第1通路31の内壁に取り付けられているダストシール36に近接する位置に取り付けられるとよい。
さらに、第1通路31の内壁における第2通路41の連設部と第2開口部312との間にも、洗浄剤漏れを防止するための封止部材として第2Оリング422が取り付けられている。
なお、本実施形態では封止部材としてОリングを用いているが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えばオイルシールなどを用いてもよい。また、封止部材の材質は用いられる洗浄剤の特性に応じて適宜選択され、例えば洗浄剤として水を用いる場合には耐アルカリ性を有する材質、メチルエチルケトンなどの有機溶媒を用いる場合にはフッ素系の材質を用いるとよい。
また、本実施形態における洗浄機構4は、第2通路41の排出口412から排出された洗浄剤をろ過するフィルターポンプ(図示せず)を有しており、フィルターポンプによりろ過された後の洗浄剤を第2通路41に供給するようになっている。
そして、洗浄機構4は、第2通路41に供給された洗浄剤を第1通路31に流入させることにより、第1通路31内に位置する押出ピン32や、第1通路31内に侵入して第1通路31の内壁に付着したダストを洗浄することができる。
続いて、図6に基づき、本実施形態における射出成形用の金型装置1を用いた、磁性ナノ粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物の成形品の製造方法について説明する。
まず、金型駆動装置による駆動により可動金型21を固定金型22との分割面において接する位置に移動させ、可動金型21と固定金型22とを分割面で組み合わせて型締め状態とすることにより、可動金型21と固定金型22との間にキャビティ23を形成する(STEP1)。
続いて、固定金型22の注入路24から磁性ナノ粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物を供給しキャビティ23に充填させ、成形品を成形する(STEP2)。
ここで得られる成形品の硬化の状態は、本硬化状態であってもよいが、半硬化状態であることが好ましい。一部が半硬化状態であれば、本硬化状態である場合と比較して、磁性ナノ粒子に付着している界面活性剤などからなる分散剤のガス化による爆発の懸念もなく、金型から容易に成型品を剥離することができるというメリットが期待される。
半硬化状態とは、ある種の熱硬化性樹脂の反応において,材料がある種の液体に接触する場合には膨潤しかつ加熱する場合には軟化するが、しかし完全には溶解又は溶融しない中間段階を意味し、例えば、全硬化発熱量の20%以上~60%未満の発熱を終えた状態である。本硬化状態とは、熱硬化性樹脂の硬化の最終状態であり、不溶不融性であり、完全に硬化した熱硬化性樹脂はこの状態にある。例えば、全硬化発熱量の60%以上~100%の発熱を終えた状態が本硬化状態と言える。
なお、半硬化状態の前に初期状態がある。初期状態とは、熱硬化性樹脂の生成反応の初期の状態であり、溶剤に完全に溶け、加熱すると溶融する状態である。発熱量がゼロの場合の他、例えば、全硬化発熱量の20%未満の発熱状態の場合も初期状態に含まれる。全硬化発熱量や発熱量は、示差走査熱分析(DSC)を用いて測定される。以降、STEP2により得られる成形品が半硬化状態であるとして説明する。
次に、キャビティ23内に充填された熱硬化性樹脂組成物が半硬化状態にある場合おいて、金型駆動装置による駆動により可動金型21を固定金型22から離間する位置に相対移動させ可動金型21と固定金型22とを型開き状態とする(STEP3)。これにより、固定金型22は、可動金型21およびキャビティ23内に成形された半硬化成形品から離間し、半硬化成形品は可動金型21内に残ることとなる。
この状態において、ピン駆動装置33を駆動し伝達部材34を介してスプリング35に圧力を加えながら、第1通路31における第1開口部311から押出ピン32をキャビティ23の内部に突き出すことにより、押出ピン32の先端面が半硬化成形品のランナーに当接して半硬化成形品が可動金型21から押し出される。これにより、半硬化成形品を可動金型21から離脱させる(STEP4)。なお、本実施形態においては押出ピン32が半硬化成形品のランナーに当接して押し出すようになっているが、これに限定されず、押出ピン32をスプルーや成形品自体に当接させるようにしてもよい。
ここで、本実施形態において、成形品を半硬化状態で可動金型21から離脱させる理由としては、以下の点が挙げられる。
まず、本実施形態における金型装置1の成形材料は、少なくとも一部が分散剤によって表面が被覆されている磁性ナノ粒子が含有された熱硬化性樹脂組成物であり、可動金型21、固定金型22の温度を高温に設定すると、磁性ナノ粒子の表面を被覆する分散剤が消失して、磁性ナノ粒子が凝集を引き起こし、磁気特性が低下してしまうからである。
また、樹脂組成物をキャビティ23内において射出温度よりも高い温度であって分散剤が消失しない温度に加熱して本硬化させることも可能であるが、この場合には可動金型21、固定金型22を加熱後、金型装置1を冷却することが必要となるので、作業性が低下するとともに、温度コントロールも困難である。
さらに、熱硬化性樹脂組成物を本硬化させる温度に加熱すると、温度の調整によっては磁性ナノ粒子の表面を被覆する分散剤由来のガスが大量に発生し、このガスにより成形品がキャビティ23内において歪んでしまったり、さらには40t程度の圧力で型締めされている可動金型21、固定金型22が型開きしてしまい、金型装置1が破損してしまうおそれもある。
このような理由により、成形材料として分散剤により被覆された磁性ナノ粒子が含有されている熱硬化性樹脂組成物を用いる本実施形態においては、成形品を半硬化状態で可動金型21から離脱させるとよい。
その後、成形品押出機構3は、ピン駆動装置33の駆動がオフになり、スプリング35への圧力が解除されることにより、スプリング35の付勢力によって伝達部材34を介して押出ピン32が第1通路31内における収納位置に退行移動する。ここで、押出ピン32がキャビティ23内に突き出された際に押出ピン32に付着したダストの一部は、この押出ピン32の退行移動時に、第1通路31の第1開口部311に配設されたダストシール36によって押出ピン32の表面から除去されるが、一部のダストや半硬化成形品から遊離した磁性ナノ粒子、さらにはガス化した分散剤は押出ピン32の表面に付着したまま第1通路31の収納位置に戻ることとなる。
次に、第2通路41の供給口411から洗浄剤を供給する。これにより、この洗浄剤が第2通路41を介して押出ピン32が収納されている第1通路31へと流れ込み、押出ピン32に付着したり、さらに第1通路31に侵入付着した樹脂カスだけでなく、磁性ナノ粒子やガス化した分散剤などのダストを洗い流す(STEP5)。このとき、本実施形態における金型装置1においては、キャビティ23内に充填された磁性ナノ粒子が含有された熱硬化性樹脂組成物をキャビティ23内において本硬化させることなく、半硬化の状態で可動金型21から離脱させるようになっており、STEP4の押出工程後の可動金型21、固定金型22の温度は洗浄剤の沸点より低く、20~25℃程度に設定することができる。このため、STEP4の押出工程後すぐに、STEP5の洗浄工程を行うことができ、ダストが押出ピン32の表面や第1通路31の内壁において固着してしまう前に、洗浄剤で洗い流すことができる。
この後、洗浄剤は第2通路41の排出口412から排出される(STEP6)。このとき、第1Oリング421および第2Oリング422は、洗浄剤が第1通路31から漏出してしまうことを防止する。また排出口412から排出された洗浄剤は、使用回数、使用時間などの観点から考慮された所定の条件を満たす場合には、フィルターポンプによってろ過された後、再度、押出ピン32および第1通路31の洗浄に利用される(STEP7)。一方、所定の条件を満たさない洗浄剤は廃棄される(STEP8)。
なお、本発明に係る、磁性ナノ粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物の成形品の製造方法は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば、洗浄工程は成形・押出工程の直後に行われなくてもよく、押出ピン32が第1通路31の収納位置に位置している状態であれば、型締め工程(STEP1)や成形工程(STEP2)の前に行われてもよい。
また、本実施形態においては、半硬化状態の成形品を可動金型21から離脱させるようになっているが、磁性ナノ粒子を含有する熱硬化性樹脂組成をキャビティ23内で本硬化させ、押出ピン32を用いて可動金型21から離脱させた後、金型を洗浄剤の沸点より低い温度に冷却する工程を介して、洗浄工程を行うようにしてもよい。
本実施形態に係る金型装置1によれば、第2通路41の注入口から洗浄剤を供給して第2通路41を介して可動金型21の第1通路31に洗浄剤を流し込むことにより、洗浄剤によって押出ピン32の表面に付着した樹脂カスだけでなく、磁性ナノ粒子やガス化した分散剤などのダストを洗い流すことができるとともに、第1通路31の内部に侵入付着したダストも洗い流すことができる。これにより、本実施形態に係る金型装置1は、押出ピン32および第1通路31からダストを除去することができる。
また、第1通路31の内壁における第2通路41との連設部と、第1通路31のキャビティ23側の第1開口部311との間に第1Oリング421を取り付けることにより、洗浄剤が第1開口部311から漏出してしまうことを防止することができるとともに、第1通路31の内壁における第2通路41との連設部と第2開口部312との間に第2Oリング422を取り付けることにより、洗浄剤が第2開口部312から漏出してしまうことを防止することができる。
さらに、第1通路31の内壁における封止部材の配置よりも第1開口部311側にダストシール36を取り付けることにより、キャビティ23から第1通路31内にダストなどが侵入してしまうことを低減することができる。
さらにまた、本実施形態によれば、成形品を半硬化状態で押出ピン32により可動金型21から押し出して離脱させるので、可動金型21、固定金型22が洗浄剤の沸点よりも高い温度に加熱されないように設定することができる。これにより、成形・離脱行程後に金型装置を冷却するなどの複雑な温度調整をすることなく、成形・押出工程を経て洗浄剤により押出ピン32の表面や第1通路31の内部を洗浄する洗浄工程を行うことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、前記実施形態に対し当業者の通常の知識に基づいて適宜変更・改良が加えられたものも本発明範囲に含まれる。
1… 金型装置
2… 射出成形機構
21… 可動金型(第1金型)
22… 固定金型(第2金型)
23… キャビティ
24… 注入路
3… 成形品押出機構
31… 第1通路(ピン挿通用通路)
311… 第1開口部
312… 第2開口部
32… 押出ピン
33… ピン駆動装置
34… 伝達部材
35… スプリング
36… ダストシール(防塵部材)
4… 洗浄機構
41… 第2通路(洗浄用通路)
411… 供給口
412… 排出口
421… 第1Oリング(封止部材)
422… 第2Oリング(封止部材)

Claims (7)

  1. ナノ粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物の成形品を製造するために用いられ、第1金型と第2金型とを分割面で組み合わせることにより内部にキャビティが形成される金型装置であって、
    キャビティに連通するように第1金型に形成された第1通路、および第1通路を移動可能に挿通された押出ピンを備え、該押出ピンを、その先端が第1通路におけるキャビティ側の開口部から突き出るように移動させることによって成形品を第1金型から離脱させる成形品押出機構と、
    第1通路へ連通するように第1金型に形成された第2通路を備え、第2通路に洗浄剤を供給する洗浄機構と、を有し、
    第2通路に供給された洗浄剤を第1通路に流入させることを通じて、該第1通路を移動する押出ピンを洗浄するように構成した金型装置。
  2. 第1通路の内壁における第2通路との連設部と、第1通路のキャビティ側の開口部との間に、洗浄剤漏れを防止する封止部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の金型装置。
  3. 第1通路の内壁における封止部材の配置よりも開口部側に、第1通路内へのダスト侵入を防止する防塵部材が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の金型装置。
  4. 洗浄機構において、第2通路に供給した洗浄剤を循環させて、第2通路に供給することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の金型装置。
  5. 請求項1~4のいずれか記載の金型装置を用いて、ナノ粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物の成形品を製造する方法であって、
    第1金型を第2金型と組み合わせることにより、第1金型と第2金型との間にキャビティを形成する型締め工程と、
    ナノ粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物をキャビティ内に供給することにより、成形品を得る成形工程と、
    第2金型に対し第1金型を型開き方向に相対移動させる型開き工程と、
    第1通路におけるキャビティ側の開口部から押出ピンを突き出すことにより成形品を第1金型から離脱させた後、押出ピンを第1通路内へ戻す押出工程と、
    押出ピンが第1通路に収納されている状態において、第2通路を通じて第1通路内へ洗浄剤を流入させ、押出ピンを洗浄する洗浄工程と、を有することを特徴とする成形品の製造方法。
  6. 成形工程において成形品を半硬化状態で得て、押出工程において該成形品を押し出し、押出工程の後に洗浄工程を行うことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 洗浄工程において、第2通路に供給した洗浄剤を循環させて、第2通路に供給することを特徴とする請求項5または6に記載の製造方法。
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