JP7213623B2 - 間柱ダンパー - Google Patents

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Description

本発明は、建築構造に用いられる間柱ダンパーの構造に関する。
建築構造においては、大地震時に柱や梁などの主要構造部材に深刻な損傷が生じないよう、各種制振、耐震装置が広く用いられている。従来技術として、例えば、いわゆる間柱ダンパーと称される制振装置が用いられている。各種制振、耐震装置として広く用いられるブレース材は、建築構造の柱及び梁により形成された開口部を斜め方向に塞ぐように設置される。しかし、間柱ダンパーは、開口部を斜めに塞ぐことはなく、また、柱及び梁により形成された開口部に窓等の開口を設置しやすく、居住性を損ないにくい。このような特性があることから、間柱ダンパーは、マンション等の建築構造物の制振、耐震装置として、多く用いられている。間柱ダンパーに関する既存技術としては、例えば特許文献1が挙げられる。
特許文献1に開示されている技術は、建築用鋼材よりなる柱と梁によって構成された鉄骨構造物の主架構面内に設置された間柱ダンパーである。この間柱ダンパーは、H形鋼からなる部材であり、ウェブの中間部に開口部を設け、その開口部に塑性変形性能に優れた低降伏点鋼材を接合したものである。
特開平10-153012号公報
特許文献1に開示されている間柱ダンパーは、建築構造の挙動により間柱ダンパーのウェブの開口部が設けられている部分に変形が集中する。そのため、ウェブの開口部の角部等が早期に破損する場合がある。また、開口部への低降伏点鋼材の接合を溶接により行う場合、溶接時の熱の影響により溶接部の強度が低下し、間柱ダンパーの変形により溶接部が早期に破損し、間柱ダンパーとして必要なエネルギー吸収量を得るには、溶接部の品質管理を十分に行う必要があった。
特許文献1に開示されている間柱ダンパーは、建築構造物の変位によるエネルギーを吸収するが、H形鋼のウェブに開口部を設けた上に、開口部に低降伏点鋼材を接合するため、製造に時間が掛かるという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためのものであり、早期の破損を抑制して期待するエネルギー吸収能力を発揮できるようにし、効率良くエネルギーを吸収でき、かつ製造も容易な間柱ダンパーを提供することを目的とする。
(1)本発明に係る間柱ダンパーは、2つの柱の間に渡された2つの梁の間に取り付けられ、長手方向が一方の前記梁から他方の前記梁に向かう柱体を備える間柱ダンパーであって、前記柱体は、前記長手方向に垂直な方向の断面の断面係数が当該柱体の前記長手方向の中央部において最も低く、当該柱体の端部において最も高い。
(2)本発明に係る間柱ダンパーは、2つの柱の間に渡された2つの梁の間に取り付けられ、長手方向が一方の前記梁から他方の前記梁に向かう柱体を備える間柱ダンパーであって、前記柱体は、前記長手方向の単位長さあたりの体積が、前記長手方向の中央部において最も小さく、前記長手方向の端部において最も高くなるように形成されている。
(3)(1)又は(2)の間柱ダンパーにおいて、前記柱体は、板状に形成されたウェブ及びフランジを備え、前記ウェブは、幅方向を前記梁が延びる方向に沿わせて配置され、前記フランジは、厚さ方向を前記梁が延びる方向に沿わせて配置され、前記ウェブの幅方向の端部に接合され、前記フランジの前記長手方向の単位長さあたりの体積は、前記柱体の前記長手方向の中央部において最も小さく、前記柱体の端部において最も大きい。
(4)(3)の間柱ダンパーにおいて、前記フランジは、前記長手方向の中央部において幅寸法が最も小さく、前記長手方向の端部に向かって幅寸法が漸次大きくなるように形成されている。
(5)(3)の間柱ダンパーにおいて、前記フランジは、前記長手方向に複数の孔が並べられている。
(6)(5)の間柱ダンパーにおいて、複数の前記孔の内径は、前記長手方向の中央部から端部に行くに従い漸次減少する。
(7)(5)の間柱ダンパーにおいて、複数の前記孔は、同一形状であり、前記孔の前記フランジの前記長手方向の単位長さあたりの配置密度は、前記長手方向の中央部において最も高く、前記長手方向の端部において最も低い。
(8)(7)の間柱ダンパーにおいて、前記配置密度は、前記長手方向の中央部から端部に行くに従い漸次減少する。
(9)(1)~(8)の間柱ダンパーにおいて、前記柱体は、ロールHにより構成される。
本発明に係る間柱ダンパーによれば、柱体の強度を長手方向の中央部から端部に向かって高くするように構成したため、建築構造の挙動により柱体の広範囲が変形する。従って、間柱ダンパーは局部的な破損が抑制され、早期の破損を抑制することができる。また、柱体が広範囲に塑性変形することにより、間柱ダンパーは効率的にエネルギーを吸収できる。これにより、間柱ダンパーの小型化も可能となる。
本発明の実施の形態1に係る間柱ダンパーを架構に設置した全体図である。 本発明の実施の形態1に係る間柱ダンパーの柱体の斜視図である。 比較例の間柱にせん断力が加わったときの状態の説明図である。 本発明の実施の形態1に係る間柱ダンパーにせん断力が加わったときの状態の説明図である。 従来例の間柱ダンパーの説明図である。 本発明の実施の形態2に係る間柱ダンパーの柱体の斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る間柱ダンパーの変形例の柱体のフランジの模式図である。 本発明の実施の形態3に係る間柱ダンパーの柱体の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、図において各部分に付された符号について、添え字(a、b等)を付していない場合は、添え字が付された符号を総称しているものとする。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る間柱ダンパー10を架構100に設置した全体図である。図1(b)は、図1(a)のX-X部の断面を示している。間柱ダンパー10は、ビル等の建築構造物の架構100に設けられている。建築構造物の架構100は、例えば、柱30a及び柱30bの間に上梁20a及び下梁20bが渡されて構成されている。間柱ダンパー10は、柱30aと柱30bとの中央部に柱体11を間柱として取り付けて構成される。上梁20aの中央部には、支持部材14aが固定されており、下梁20bの中央部には、支持部材14bが固定されている。支持部材14a及び支持部材14bの上梁20a及び下梁20bに対する固定は、溶接又はボルト等の接合手段により固定されている。支持部材14a及び支持部材14bは、互いに対向する方向に延びている。なお、上梁20a及び下梁20bは、本発明において「一方の梁」又は「他方の梁」に相当するものである。
実施の形態1においては、支持部材14a及び支持部材14bは、H形鋼である。支持部材14a及び支持部材14bと柱体11とは、接続鋼板15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g、15h、16a、16bにより接続されている。接続鋼板15a~15dは、支持部材14aのフランジ17aと柱体11のフランジ12a、支持部材14aのフランジ17bと柱体11のフランジ12b、支持部材14bのフランジ17cと柱体11のフランジ12a、支持部材14bのフランジ17dと柱体11のフランジ12bを接続する。また、フランジ12a、17aは、接続鋼板15aと接続鋼板15eとにより挟まれて接続されている。同様に、接続鋼板15b~15dに対応して接続鋼板15f~15hがフランジ12a、12b、17b、17c、17dの裏側にそれぞれ配置されており、支持部材14a及び支持部材14bと柱体11とが接続されている。なお、図1(a)において裏側も同様な構造になっている。
また、接続鋼板16a、16bは、柱体11のウェブ13と支持部材14aのウェブ18a及び支持部材14bのウェブ18bとを接続している。図1(b)に示されているように、接続鋼板16cは、ウェブ13、18aの裏側に配置されている。接続鋼板16aに対応して接続鋼板16cが配置されているのと同様に、ウェブ13、18bの裏側にも、接続鋼板16bに対応して接続鋼板(図示無し)が配置されている。接続鋼板15a、15b、15c、15d、16a、16b、16cは、支持部材14a、14b、及び柱体11のそれぞれにボルト及びナットを締結することにより固定される。なお、図1(a)においてボルト及びナットは接続鋼板16a、16bにそれぞれ2列締結されているが、4列設けられていても良い。また、柱体11と上梁20a及び下梁20bとの接続は、図1に示される様に接続鋼板15a、15b、15c、15d、16a、16b、16c等によるものに限定されず、例えば上梁20a及び下梁20bに直接溶接したり、締結部材等により直接固定しても良い。
(柱体11)
間柱ダンパー10は、地震などの振動により、建築構造物の架構100に被害を与えないためのものである。つまり、地震などにより、建築構造物の架構100が変形し、例えば上梁20aが図1中の矢印A方向に変位し、下梁20bが矢印B方向に変位した場合に、上梁20aと下梁20bとの相対変位により柱体11が塑性変形する。その時、間柱ダンパー10は、上梁20aと下梁20bとの相対変位のエネルギーを塑性変形により吸収し、建築構造物の架構100の振動を抑え、建築構造物の破損を防止する。よって、柱体11は、架構100の他の部材よりも低い降伏耐力であることが必要である。また、柱体11は、降伏しても座屈などにより容易に耐力が低下しないことが必要である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る間柱ダンパー10の柱体11の斜視図である。実施の形態1の柱体11aは、梁と梁の間の方向、つまり上梁20aから下梁20bに向かう方向に長手方向が配置されている。柱体11は、長手方向に垂直な断面がH形に形成されている。
柱体11は、板状に形成されたウェブ13及びフランジ12a、12bを備える。ウェブ13は、平板状であり、幅方向の端部にフランジ12a、12bが接合されている。図1に示される様に、柱体11のウェブ13は、上梁20a及び下梁20bが延びる方向、つまり柱30aから柱30bに向かう方向に沿って配置される。また、フランジ12a、12bは、厚さ方向を上梁20a及び下梁20bが延びる方向に沿わせて配置されている。
柱体11は、通常のH形鋼と異なり、フランジ12a、12bの長手方向に垂直な断面における断面積が、変化している。つまり、柱体11の長手方向の中央部は、フランジ12a、12bの断面積が小さく、端部においてはフランジ12a、12bの断面積が大きくなるように構成されている。図2に示される様に、柱体11の長手方向の中央部には、フランジ12a、12bの幅狭部52aが配置され、長手方向にある所定の長さだけ同じ幅寸法wになっている。また、フランジ12a、12bの幅狭部52aの上側に拡大部51aが接続され、下側に拡大部51bが接続されている。拡大部51a、51bは、中央部側は幅狭部52aと同一の幅寸法wになっており、端部に行くに従い幅寸法が漸次増加し、端部において幅寸法Wになっている。幅寸法wは、フランジ12a、12bの長手方向において最も小さく、幅寸法Wはフランジ12a、12bの長手方向において最も大きい。
図3は、比較例の間柱110にせん断力が加わったときの状態の説明図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る間柱ダンパー10にせん断力が加わったときの状態の説明図である。図3及び図4においては、間柱ダンパー10及び比較例の間柱110が設置されている架構100の上下の梁が架構面内で相対的に変位した場合の、曲げモーメント分布、曲げ応力分布を示すものである。間柱ダンパー10及び比較例の間柱110の図は、上梁20a及び下梁20bと柱体11、111との接続部分の詳細については省略して表示している。
比較例の間柱110においては、柱体111の長手方向に垂直な断面における断面積は、長手方向にわたって均一になっている。よって、柱体111の長手方向(図3におけるx方向)に垂直な断面の断面係数Zは、均一な値Zである。一方、上梁20aと下梁20bとの相対変位により、柱体111に作用する曲げモーメントMは、図3(b)に示すように柱体111の両端部において最大値Mをとる。ただし、曲げモーメントMは、方向性があるため、ここでは柱体111の下側において正の値、上側で負の値をとるように表している。また、柱体111に作用する曲げモーメントMは、中央部で0となっており、曲げモーメントの分布は、中央部から端部の距離に比例している。柱体111の長手方向に垂直な断面に発生する応力σは、σ=M/Zで求められる。よって、柱体111の長手方向に垂直な断面に発生する応力σの分布は、柱体111の両端部において最大応力σ=M/Zとなり、中央部においてはσ=0となり中央部からの距離に比例している。
図3(d)に示される様に、比較例の間柱110においては、柱体111の端部に最大応力σが発生しているため、端部に発生した最大応力σが柱体111を構成する材質の降伏点を超えたときに柱体111は塑性変形する。従って、柱体111にせん断力が加わったときに塑性変形するのは、柱体111の端部の一部になる。この場合、塑性変形により建築構造物の架構100の変位のエネルギーを吸収するのは、柱体111の端部の一部に限定されるため、エネルギー吸収が可能な量が小さい。また、柱体111の端部は、ボルト及びナットなどの締結部材又は溶接等により、上梁20a及び下梁20bに固定されるため、応力が高くなると、ボルトの締結部又は溶接部から早期の破損が発生する場合がある。従って、比較例の間柱110が所定のエネルギー吸収能力を発揮できない場合がある。
実施の形態1に係る間柱ダンパー10においては、柱体11の長手方向に垂直な断面における断面積は、長手方向の各部において変化するように形成されている。図4(c)に示される様に、柱体11の長手方向に垂直な断面の断面係数Zは、中央部の所定の範囲が最も低い値Zであり、端部に向かって漸次増加し、端部において最も高い値Zとなっている。ここに、上梁20aと下梁20bとの相対変位により、柱体11に曲げモーメントMが作用すると、曲げモーメントMの分布は図4(b)のようになる。これは、比較例の間柱110の柱体111の曲げモーメント分布と同じである。しかし、図4(c)に示される様に、柱体11の断面係数の分布は、比較例の間柱110と異なるため、曲げ応力σの分布も比較例とは異なる。
図4(d)に示される様に、実施の形態1に係る間柱ダンパー10の柱体11に発生する応力σの分布は、フランジ12a、12bの拡大部51a、51bにて最大応力σとなっている。フランジ12a、12bの拡大部51a、51bは、幅寸法が中央部からの距離に比例しているため、発生する応力は一定の値σをとる。従って、柱体11は、フランジ12a、12bの拡大部51a、51bの領域で塑性変形し、建築構造物の架構100の変位のエネルギーを吸収する。間柱ダンパー10の柱体11は、比較例の柱体111と比較して広い範囲が変形するため、エネルギー吸収が可能な量が大きく、端部のボルト締結部等の早期の破損が発生しにくいという利点がある。
なお、図4(d)において、フランジ12a、12bの拡大部51a、51bに発生する最大応力σは、一定の値で示されている。しかし、拡大部51a、51bの幅寸法の変化量を適宜設定し、拡大部51a、51bの端部側の応力を比較的低くし、中央部側の応力を比較的高くすることも可能である。このようにすることで、柱体11の塑性変形が最初に発生する部分を柱体11の中央部寄りにし、端部のボルト締結部等から柱体11の早期の破損が発生しないようにできる。
図5は、従来例の間柱ダンパー110aの説明図である。従来の間柱ダンパー110aは、H形鋼の長手方向の中央部のウェブ13に開口を設け、その部分に低降伏点鋼板90を接合していた。つまり、従来の間柱ダンパー110aは、ウェブ13の強度を変化させてエネルギー吸収性能を発揮していた。しかし、実施の形態1に係る間柱ダンパー10においては、フランジ12a、12bの強度を変化させることにより、柱体11に発生する応力の分布を平均化することに特徴がある。従来例のように、ウェブ13に開口を設けると、間柱ダンパー110aを構成する柱体111aの強度の低下が大きく、開口に設けられた低降伏点鋼板90のみにより建築構造物の変位のエネルギー吸収を行う。そのため、柱体111aのエネルギー吸収効率が低い。実施の形態1に係る間柱ダンパー10は、柱体11の広い範囲でエネルギー吸収を行うため、エネルギー吸収の効率が良く、同じエネルギー吸収性能を有する場合、従来例の間柱ダンパー110aよりもサイズを小さくすることが可能である。
実施の形態1に係る間柱ダンパー10の柱体11は、ロールH又はビルトHにより製造される。ロールHの場合は、H形鋼が成形された後にフランジ12a、12bを機械加工行い所定の形状にする。ビルトHの場合は、フランジ12a、12bを構成する板材を機械加工により所定の形状にしてからウェブ13と接合する。
柱体11を構成する材質は、一般構造用鋼材(例えば、SS400材)を使用することができる。また、柱体11を構成する材質として低降伏点鋼(例えば、LY100材又はLY225材)を使用しても良い。低降伏点鋼は、降伏点が低く伸びが良いため、建築構造物の架構100を構成する鋼材よりも降伏点が小さく、架構100を構成する鋼材が塑性変形する前に柱体11が塑性変形し架構100の変位のエネルギーを吸収することができる。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1の間柱ダンパー10の柱体11を変更したものである。以下の実施の形態の説明においては、実施の形態1に対する変更部を中心に説明する。実施の形態1と共通する部材については同一の符号を用いている。
図6は、本発明の実施の形態2に係る間柱ダンパー210の柱体211の斜視図である。柱体211は、長手方向に垂直な断面がH形に形成されているが、実施の形態1に係る柱体11のように、フランジ12a、12bの幅寸法を長手方向に行くに従い変化させていない。柱体211のフランジ12a、12bは、長手方向において全て同じ幅寸法で形成されている。
柱体211のフランジ212a、212bには、長手方向に複数の孔60が並べられている。柱体211の長手方向の中央部に位置する孔60aは、フランジ212a、212bに設けられている孔60の中で最も内径が大きい。長手方向において、孔60aに隣合って設けられている孔60bは、孔60aよりも内径が小さい。つまり、複数の孔60は、長手方向において柱体211の端に行くに従い漸次内径が小さくなる。
柱体211の長手方向においてある単位長さLをとり、例えば、柱体211の中央部の単位長さLの区間をとった部分Pと、柱体211の端側の単位長さLの区間をとった部分Qとを比較すると、部分Pは、部分Qよりも鋼材の体積が小さい。従って、部分Pの強度は、部分Qの強度よりも低い。このように、柱体211を長手方向にある単位長さL毎に区切って各部分の体積を見ると、柱体211の中央部から端に行くに従い、各部分の体積は漸次小さくなっている。つまり、柱体211の中央部のある単位長さLの区間の体積が最も小さく、端部において体積が最も大きい。なお、単位長さLは、例えば柱体211の長手方向の孔60の中心間寸法と同じ長さをとる。
なお、柱体211は、フランジ212a、212bのみに孔60が設けられているため、ある単位長さLの区間のフランジ212a、212bのみの体積も、中央部から端部に行くに従い漸次小さくなっている。
また、ある単位長さLの区間のフランジ212a、212bの代表的な断面を、孔60の中心を通る断面とすると、断面係数Zも、柱体211の中央部から端部に行くに従い漸次大きくなっている。
図7は、本発明の実施の形態2に係る間柱ダンパー210の変形例の柱体211aのフランジ212の模式図である。図7においては、柱体211aの中央部から半分を表示している。柱体211aの残りの半分も同様に構成されている。柱体211aは、柱体211と異なり孔60の内径は全て同じであるが、長手方向のある単位長さLの区間に設けられた孔60の配置数が、中央部は多く、端に行くに従い漸次減少している。フランジ212a、212bにおける孔60の配置密度が中央部から端に行くに従い漸次減少しているため、単位長さLの区間の強度は、中央部が最も低く、端に行くに従い漸次高くなっている。なお、図6及び図7において、孔60は円形であるが、これだけに限定されない。図7においては、複数の孔60は、同一形状であれば他の形状をとることができる。
柱体211、211aは、上記のように中央部から端に行くに従い強度が高くなるように形成されている。そのため、柱体211、211aにせん断力がかかった場合に、柱体211、211aに発生する応力の分布は、滑らかではないが図4(d)の応力分布のように比較的広い範囲に応力の高い部分ができる。そのため、実施の形態2に係る間柱ダンパー210も、実施の形態1に係る間柱ダンパー10と同様な効果が得られる。
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態1の間柱ダンパー10の柱体11を変更したものである。
図8は、本発明の実施の形態3に係る間柱ダンパー310の柱体311の斜視図である。柱体311は、円筒形の鋼材により構成されている。柱体311の側面には、複数の孔60が配置されている。複数の孔60のうち柱体311の長手方向の中央部に配置されている孔60aは、最も大きい内径を有している。孔60aは、円筒形の柱体311の外周に沿って複数配置されている。複数の孔60は、柱体311の長手方向の中央部から端に行くに従い内径が漸次小さくなっている。つまり、孔60aの柱体311の長手方向において隣合う孔60bは、孔60aよりも内径が小さい。
以上の様に構成されることにより、柱体311は、実施の形態2に係る柱体211と同様に、柱体311の中央部から端に行くに従い単位長さLあたりの強度が漸次高くなる。よって、せん断力が柱体311に加わったときの応力分布も図4(d)に示される様に比較的広い範囲に応力の高い部分ができる。そのため、実施の形態3に係る間柱ダンパー310も、実施の形態1に係る間柱ダンパー10及び実施の形態2に係る間柱ダンパー210と同様な効果が得られる。
また、柱体311に設けられる孔60を、実施の形態2に係る柱体211aのフランジ212a、212bに設けられた孔60と同様に同じ内径にしてもよい。孔60の配置密度を中央部から端部に向けて漸次少なくすることにより、実施の形態3に係る間柱ダンパー310も、実施の形態1に係る間柱ダンパー10及び実施の形態2に係る間柱ダンパー210と同様な効果が得られる。
なお、柱体311は、円筒形状であるため、せん断力がどの方向に掛かっても長手方向に垂直な断面の断面係数Zが同じである。従って、せん断力の方向に拘わらず、柱体311を使用した間柱ダンパー310は、同じエネルギー吸収性能を発揮できるという利点がある。また、柱体311は、円筒形状でなく他の多角形断面を有する柱体でも良い。
10 間柱ダンパー、11 柱体、11a 柱体、12a (柱体の)フランジ、12b (柱体の)フランジ、13 ウェブ、14a 支持部材、14b 支持部材、15a 接続鋼板、15b 接続鋼板、15c 接続鋼板、15d 接続鋼板、15e 接続鋼板、15f 接続鋼板、15g 接続鋼板、15h 接続鋼板、16a 接続鋼板、16b 接続鋼板、16c 接続鋼板、17a (支持部材の)フランジ、17b (支持部材の)フランジ、17c (支持部材の)フランジ、17d (支持部材の)フランジ、18a ウェブ、18b ウェブ、20a 上梁、20b 下梁、30a 柱、30b 柱、51a 拡大部、51b 拡大部、52a 幅狭部、60 孔、60a 孔、60b 孔、90 低降伏点鋼板、100 架構、110 間柱、110a 間柱ダンパー、111 柱体、111a 柱体、210 間柱ダンパー、211 柱体、211a 柱体、212 (柱体の)フランジ、212a (柱体の)フランジ、212b (柱体の)フランジ、310 間柱ダンパー、311 柱体、A 矢印、B 矢印、M 曲げモーメント、M 最大値、P 部分、Q 部分、W 幅寸法、Z 断面係数、w 幅寸法、σ 応力、σ 最大応力、σ 最大応力。

Claims (8)

  1. 2つの柱の間に渡された2つの梁の間に剛接合で取り付けられ、長手方向が一方の前記梁から他方の前記梁に向かう柱体を備える間柱ダンパーであって、
    前記柱体は、
    前記長手方向に垂直な方向の断面の断面係数が当該柱体の前記長手方向の中央部において最も低く、当該柱体の端部において最も高く、
    板状に形成されたウェブ及びフランジを備え、
    前記ウェブは、
    前記長手方向にわたって均一の幅を有し、幅方向を前記梁が延びる方向に沿わせて配置され、
    前記フランジは、
    前記長手方向にわたって少なくとも前記ウェブの厚さよりも大きい幅を有し、厚さ方向を前記梁が延びる方向に沿わせて配置され、前記ウェブの幅方向の端部に接合され、前記長手方向に複数の孔が並べられ
    複数の前記孔の内径は、
    前記長手方向の中央部から端部に行くに従い漸次減少する、間柱ダンパー。
  2. 2つの柱の間に渡された2つの梁の間に剛接合で取り付けられ、長手方向が一方の前記梁から他方の前記梁に向かう柱体を備える間柱ダンパーであって、
    前記柱体は、
    前記長手方向の単位長さあたりの体積が、前記長手方向の中央部において最も小さく、前記長手方向の端部において最も高くなるように形成され、
    板状に形成されたウェブ及びフランジを備え、
    前記ウェブは、
    前記長手方向にわたって均一の幅を有し、幅方向を前記梁が延びる方向に沿わせて配置され、
    前記フランジは、
    前記長手方向にわたって少なくとも前記ウェブの厚さよりも大きい幅を有し、厚さ方向を前記梁が延びる方向に沿わせて配置され、前記ウェブの幅方向の端部に接合され、前記長手方向に複数の孔が並べられ
    複数の前記孔の内径は、
    前記長手方向の中央部から端部に行くに従い漸次減少する、間柱ダンパー。
  3. 2つの柱の間に渡された2つの梁の間に剛接合で取り付けられ、長手方向が一方の前記梁から他方の前記梁に向かう柱体を備える間柱ダンパーであって、
    前記柱体は、
    前記長手方向に垂直な方向の断面の断面係数が当該柱体の前記長手方向の中央部において最も低く、当該柱体の端部において最も高く、
    板状に形成されたウェブ及びフランジを備え、
    前記ウェブは、
    前記長手方向にわたって均一の幅を有し、幅方向を前記梁が延びる方向に沿わせて配置され、
    前記フランジは、
    前記長手方向にわたって少なくとも前記ウェブの厚さよりも大きい幅を有し、厚さ方向を前記梁が延びる方向に沿わせて配置され、前記ウェブの幅方向の端部に接合され、前記長手方向に複数の孔が並べられ
    複数の前記孔は、
    同一形状であり、
    前記孔の前記柱体の前記長手方向の単位長さあたりの配置密度は、
    前記長手方向の中央部において最も高く、前記長手方向の端部において最も低い、間柱ダンパー。
  4. 2つの柱の間に渡された2つの梁の間に剛接合で取り付けられ、長手方向が一方の前記梁から他方の前記梁に向かう柱体を備える間柱ダンパーであって、
    前記柱体は、
    前記長手方向の単位長さあたりの体積が、前記長手方向の中央部において最も小さく、前記長手方向の端部において最も高くなるように形成され、
    板状に形成されたウェブ及びフランジを備え、
    前記ウェブは、
    前記長手方向にわたって均一の幅を有し、幅方向を前記梁が延びる方向に沿わせて配置され、
    前記フランジは、
    前記長手方向にわたって少なくとも前記ウェブの厚さよりも大きい幅を有し、厚さ方向を前記梁が延びる方向に沿わせて配置され、前記ウェブの幅方向の端部に接合され、前記長手方向に複数の孔が並べられ
    複数の前記孔は、
    同一形状であり、
    前記孔の前記柱体の前記長手方向の単位長さあたりの配置密度は、
    前記長手方向の中央部において最も高く、前記長手方向の端部において最も低い、間柱ダンパー。
  5. 前記配置密度は、
    前記長手方向の中央部から端部に行くに従い漸次減少する、請求項3又は4に記載の間柱ダンパー。
  6. 前記柱体は、
    ロールHにより構成される、請求項1~5の何れか1項に記載の間柱ダンパー。
  7. 前記柱体は、
    ビルドHであり、前記フランジに複数の前記孔を形成してから前記ウェブに接合して形成される、請求項1~5の何れか1項に記載の間柱ダンパー。
  8. 請求項1~7の何れか1項に記載の間柱ダンパーと、
    前記2つの柱と、前記2つの柱の間に渡された前記2つの梁と、を備え、
    前記2つの梁のそれぞれは、
    H形鋼で形成された支持部材が一体に接合され、
    前記柱体の前記ウェブは、
    接続鋼板が固定され、
    前記接続鋼板は、
    前記支持部材のウェブに固定され、前記柱体に前記支持部材を固定する、建築構造物。
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