JP7212916B2 - 走行車両の自動テスト走行システム - Google Patents
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Description
また、運転者により運転にクセがあるため、同じ走行プログラムに従って走行車両を走行させたとしても、運転者によって走行テストの結果にバラツキが生ずることも有り、走行テストの精度の点でも問題があった。
また、前方の障害物を検出するための監視カメラを備えている場合には、バンク付き曲線路では、監視カメラの前方の撮像範囲では走行車両から見て前方に占める路面の割合が大きくなってしまい、障害物があったとしても左右にずれ込む可能性が高いため、このような監視カメラでは、バンク付き曲線路において障害物を検出することが難しい。
このようにして、本発明による走行車両の自動テスト走行システムを利用することにより、従来、運転者によって走行テストの結果にバラツキが生ずるのに対して、自動運転による走行テストによって常に均一な走行テストを行なうことが可能となり、より精度の高い走行テストデータが得られる。
図1は、本発明による走行車両の自動テスト走行システム(以下、自動テスト走行システムという)の一実施形態の全体構成を示している。図1において、自動テスト走行システム10は、周回コース11と、周回コース11を周回して走行する無人運転車両20と、無人運転車両20を外部から駆動制御する外部運転制御部30と、ネットワーク40と、から構成されている。
また、周回コース11の一箇所には、切替位置11gが設けられており、周回コース11を周回する走行車両が切替位置11gを通過する際に、後述するように、走行プログラム50を構成する走行パターンの切替えが行なわれる。
さらに、バンク付き曲線路11cの走行方向手前には停止位置11hが設けられ、後述するようにバンク付き曲線路11c内に障害物を発見した場合には、無人運転車両20がこの停止位置11hで緊急停止する。
なお、3次元ライダー13aとして、この撮像範囲θより小さい撮像範囲のカメラを使用する場合には複数台のカメラを用意し、これらのカメラの撮像範囲を互いにずらして配置することにより撮像範囲θをカバーするようにしてもよいことは明らかである。
送信部13bは、3次元ライダー13aからの撮像信号13cが入力され、この撮像信号13cをネットワーク40を介して外部運転制御部30に送信する。ここで、撮像信号13cは、3次元ライダー13aが検出した無人運転車両20と障害物との距離情報を含む。
これにより、車両制御部24は操舵部23を制御して、無人運転車両20を走行レーン12a,12bから外れることなく確実に走行レーン12a,12b内で走行させることができる。
三軸加速度センサ28dは、所謂ジャイロであって、車両本体21の三軸方向の加速度により無人運転車両20の三次元の姿勢を検出し、その検出信号S4を自動運転制御部25に送出する。
横傾斜センサ28eは、車両本体21の横方向の傾斜角度を検出し、その検出信号S5を自動運転制御部25に送出する。なお、三軸加速度センサ28dの検出信号S4によって、車両本体21の横方向の傾斜角度を抽出できる場合には、横傾斜センサ28eは省略してもよい。
さらに、3次元ライダー28fを備えている場合には、3次元ライダー28fは、無人運転車両20の前方の物体とその距離を検出して、前方のレーザー画像と検出した物体との距離のデータを検出信号S6として自動運転制御部25に送出する。
これにより、車両制御部24は、当該障害物や他の走行車両と接触しないよう走行部22を制御して、無人運転車両20を減速又は停止させ、あるいは操舵部23を制御して走行レーン12a,12bを変更する。特に、バンク付き曲線路11c上に障害物を発見した場合には、自動運転制御部25は、走行プログラム50にかかわらず車両制御部24を制御して、無人運転車両20を停止位置11hで緊急停止させる。
そして、外部運転制御部30の制御部33は、修正された走行プログラム50を即時にネットワーク40を介して無人運転車両20に伝送する。これにより、無人運転車両20では、自動運転制御部25が、修正された走行プログラム50に基づいて無人運転車両20の走行制御部24を制御して、無人運転車両20の現在進行中の走行パターンも変更し、変更した内容で自動テスト走行を継続することが可能である。
まず図7(A)は、走行開始パターンP1を示しており、周回コース11の駐車スペース11fから発車して周回コース11の外側の走行レーン12bに進入し、曲線路11cを通過して直進路11bに沿って切替位置11gまで進む走行パターンである。この走行開始パターンP1により、無人運転車両20は、駐車スペース11fから出発して周回コース11内に進入することができる。
このようにして、走行プログラム50の構成例としては、走行開始パターンP1,コース周回パターンP2(周回数4)及び走行終了パターンP4から成る走行プログラム、又は走行開始パターンP1,走行停止パターンP3(周回数1)及び走行終了パターンP4から成る走行プログラム、あるいは走行開始パターンP1,コース周回パターンP2(周回数2),走行停止パターンP3(周回数1)及び走行終了パターンP4から成る走行プログラム等がある。
無人運転車両20によるテスト走行開始の際に、無人運転車両20の自動運転制御部25が記憶部27から、前もって作成された走行プログラム50を読み出して車両制御部24に送出することにより、車両制御部24は、走行プログラム50に基づいて走行部22及び操舵部23を駆動制御する。これにより、無人運転車両20は、当該走行プログラム50に従って周回コース11をテスト走行する。
さらに、自動運転制御部25あるいは外部運転制御部30の制御部33が、無人運転車両20のテスト走行プログラムによる自動運転中に、各走行パターンP1~P4又は各走行パターンP1~P4の各種パラメータを編集してもよい。
車両制御部24は、修正された走行パターンP1~P4に基づいて走行部22及び操舵部23を駆動制御する。従って、無人走行車両20は、障害物や他の車両との接触を回避するように、減速や停止又は走行レーン12a,12bの車線変更を行ない、その後、テスト走行を続けることができる。
即ち、自動運転制御部25は、検出部28からの検出信号に基づいて自己位置推定により、当該無人運転車両20が停止しているときに、三軸加速度センサ28dの検出信号S4から得られる三次元の姿勢、即ちピッチ角,ロール角及びヨー角を初期化する、あるいは周回コース11の走行路12のある地点、つまり、マップデータ上の所定の地点を等速直線走行したと判断したとき、マップデータを基準として三次元の姿勢、即ちピッチ角,ロール角及びヨー角を初期化する。
続いて、自動運転制御部25は、三軸加速度センサ28dの検出信号S4から得られる角速度を積分してフィルタリング等の信号処理により、当該無人運転車両20の車両本体21の姿勢角を推定する。具体的には、姿勢角の推定は、例えば単純な積分、EKF(エクステンドカルマンフィルタ)による推定、PF(パーティクルフィルタ)による推定あるいはルンゲクッタ法による積分により行なわれる。
まずステップST1にて、自動運転制御部25は、前述した走行路12のマップデータからバンク付き曲線路11cの曲率半径を取得する。なお、マップデータによるバンク付き曲線路11cの曲率半径は、バンク付き曲線路11cの水平面への投影像から取得しているため、実際の曲率半径とは異なっている。
ステップST3にて、自動運転制御部25は計画経路となる走行進路上に目標点を設定し、ステップST4にて、この目標点に向って走行するために最適な操舵角を演算する。
次に、ステップST5にて、自動運転制御部25は、検出部28からの検出信号に基づいて当該無人運転車両20の速度及びロール角から無人運転車両20に加えられる車速による遠心力及び横傾斜角度による横すべり力、つまり、横方向の力を考慮して補正操舵角を演算する。
最後に、ステップST6にて、自動運転制御部25は、上記操舵角と補正操舵角とを加算した角度を操舵角として車両制御部24に出力する。車両制御部24は、この操舵角に基づいて操舵部23を駆動制御する。
以上の動作を繰り返し行なうことにより、自動運転制御部25は、無人運転車両20の車両本体21をバンク付き曲線路11cに沿って円滑に走行させることができる。
障害物検出部13の撮像信号13cに基づいて、自動運転制御部25がバンク付き曲線路11c上に障害物を発見すると、自動運転制御部25は、走行プログラム50による制御を中断して緊急停止指令25bを生成し、車両制御部24に送出する。これにより、車両制御部24は、緊急停止指令25bに基づいて無人運転車両20をバンク付き曲線路11cの手前の停止位置11hにて緊急停止させる。
まず、自動テスト走行の前に、無人運転車両20の自動運転制御部25又は外部運転制御部30にて走行プログラム50が作成され、無人運転車両20の記憶部27に記憶される。
自動テスト走行開始時には、無人運転車両20の自動運転制御部25は、記憶部27から走行プログラム50を読み出し、この走行プログラム50に基づいて車両制御部24を制御する。車両制御部24は、走行プログラム50に従って走行部22及び操舵部23を駆動制御するので、無人運転車両20は走行プログラム50に従って自動テスト走行を行なう。この場合、無人運転車両20の運転状態表示部29は青色点灯表示を示している。
従って、無人運転車両20が指定された走行レーン12a又は12bから外れようとすると、自動運転制御部25は即時に無人運転車両20を指定された走行レーン12a又は12b内に戻すよう操舵部23を駆動制御するので、無人運転車両20は、自動テスト走行中に指定された走行レーン12a又は12bから外れるようなことはない。
さらに、自動運転制御部25は、バンク付き曲線路11cを走行する際には、マップデータから取得した当該バンク付き曲線路11cの曲率半径から、車両本体21の横傾斜角度と車速を参照して操舵角を修正する。これにより、無人運転車両20はバンク付き曲線路11cを安定して確実に走行することができる。
ここで、無人運転車両20が周回コース11上で停止した場合には、自動運転制御部25は、再び走行開始する前に運転状態表示部29に対して黄色表示の指令を伝送して、運転状態表示部29に黄色点灯表示を行なわせる。
これにより、車両制御部24は、緊急停止指令25bに基づいて走行部22及び操舵部23を駆動制御し、当該無人運転車両20をバンク付き曲線路11cの手前の停止位置11hで停止させる。
例えば、上述した実施形態においては、無人運転車両20は車輪22aにより地上を走行するように構成されているが、例えば無限軌道等の車輪以外の走行手段を備えるようにしてもよい。
11 周回コース
11a,11b 直線路
11c,11d バンク付き曲線路(曲線路)
11e 白線
11f 駐車スペース(ベース)
11g 切替位置
11h 停止位置(走行停止ゾーン)
12 走行路
12a,12b 走行レーン
13 障害物検出部
13a 障害物センサ(ライダー)
13c 撮像信号
20 無人運転車両
21 車両本体
22 走行部
22a 車輪
22b 駆動源
23 操舵部
24 車両制御部
25 自動運転制御部
25a 障害物検出信号
26 送受信部
27 記憶部
28 検出部
28a 監視カメラ
28b 位置検出部
28c 車速センサ
28d 三軸加速度センサ
28e 横傾斜センサ
28f ライダー(3次元ライダー)
29 運転状態表示部
30 外部運転制御部
31 送受信部
32 記憶部
33 制御部
34 表示部
35 入力部
40 ネットワーク
50 走行プログラム
S1~S6 検出信号
P1~P4 走行パターン
Claims (12)
- 閉鎖された走行路から成る周回コースに沿って運転制御部により無人運転車両を走行させて当該無人運転車両の走行テストを行なう、走行車両の自動テスト走行システムであって、
前記周回コースがバンク付き曲線路を備えており、
前記無人運転車両が、走行路を走行するための走行部及び操舵部と、前記走行路における走行状態を検出する位置センサ,車速センサ,三軸加速度センサ及び横傾斜角度を検出する横傾斜センサから成る検出部と、を備えており、
前記運転制御部が、前記無人運転車両の検出部からの検出信号に基づいて、当該無人運転車両の位置,車速及び姿勢を検出して、前記走行部及び操舵部を駆動制御することにより、当該無人運転車両を前記周回コースに沿って周回走行させると共に、
前記運転制御部が、前記バンク付き曲線路では、前記横傾斜角度を参照して、前もって作成した当該周回コースのマップデータから操舵角を演算し、演算された操舵角により前記操舵部を駆動制御することを特徴とする、走行車両の自動テスト走行システム。 - 前記運転制御部が、前記バンク付き曲線路では前もって作成された当該周回コースのマップデータから当該曲線路の曲率を得て、当該無人運転車両の横傾斜角度と位置及び姿勢により周回コースの進路上の目標点に向かう最適な操舵角を演算することを特徴とする、請求項1に記載の走行車両の自動テスト走行システム。
- 前記運転制御部が、前記バンク付き曲線路では当該無人運転車両の車速及び姿勢から補正操舵角を演算し、前記操舵角と補正操舵角により前記操舵部を駆動制御することを特徴とする、請求項2に記載の走行車両の自動テスト走行システム。
- 前記走行路のバンク付き曲線路に、障害物センサが備えられており、
前記運転制御部が、前記障害物センサの検出信号に基づいて前記バンク付き曲線路内の障害物を認識し、走行中に当該障害物と接触しないよう当該無人運転車両の走行部及び操舵部を駆動制御し、かつ必要に応じて当該無人運転車両を運転停止させることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載の走行車両の自動テスト走行システム。 - 前記障害物センサが、前記バンク付き曲線路をカバーする撮像範囲を有するライダー又はカメラであることを特徴とする、請求項4に記載の走行車両の自動テスト走行システム。
- 前記障害物センサが、前記バンク付き曲線路の曲率中心付近に配置されていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の走行車両の自動テスト走行システム。
- 前記運転制御部が、前記障害物センサにエラーが発生し又は前記障害物センサと外部運転制御部との間に通信エラーが発生したとき当該無人運転車両の走行部を駆動制御して、当該無人運転車両が前記バンク付き曲線路内に進入しないように緊急停止させることを特徴とする、請求項4から6の何れかに記載の走行車両の自動テスト走行システム。
- 前記運転制御部が、前もって設定された複数個のテスト走行パターンの組合せから成るテスト走行プログラムに従って、前記無人運転車両の走行部を駆動制御することを特徴とする、請求項1から7の何れかに記載の走行車両の自動テスト走行システム。
- 前記テスト走行パターンが、前記周回コースに隣接して設けられたベースから前記周回コース内の所定箇所までの走行開始パターンと、前記所定箇所から前記ベースまで帰還する走行終了パターンと、前記所定箇所から前記周回コースに沿って再び前記所定箇所まで周回するテスト走行パターンと、を含んでおり、
前記運転制御部が、前記所定箇所を基準として前記各走行パターンを切り替えることを特徴とする、請求項8に記載の走行車両の自動テスト走行システム。 - 前記各走行パターンが、それぞれ目標速度を設定されていることを特徴とする、請求項9に記載の走行車両の自動テスト走行システム。
- 前記各走行パターンが、それぞれ周回数,速度,横位置,車線,一旦停止等のパラメータを付加され得ることを特徴とする、請求項9又は10に記載の走行車両の自動テスト走行システム。
- 前記運転制御部が、前記無人運転車両のテスト走行プログラムによる自動運転中に、前記各走行パターン又は前記各走行パターンの各種パラメータを編集することが可能であることを特徴とする、請求項11に記載の走行車両の自動走行システム。
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