JP7211533B2 - 誘電体共振器、誘電体フィルタ、およびマルチプレクサ - Google Patents

誘電体共振器、誘電体フィルタ、およびマルチプレクサ Download PDF

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Description

本発明は、誘電体共振器、誘電体フィルタ、および当該誘電体フィルタを含むマルチプレクサに関する。
従来、誘電体共振器が知られている。たとえば、特開平5-90811号公報(特許文献1)には、同軸型誘電体共振器が開示されている。当該同軸型誘電体共振器においては、誘電体部材の外周面に導電性部材の外導体が形成されているとともに、同軸形状の誘電体部材の貫通孔に導電体ペーストが充填されることにより内導体が形成されている。当該内導体が高い導電率を有することにより、同軸型誘電体共振器で発生する損失による熱量を効率的に同軸型誘電体共振器の外部へ放熱することができる。当該同軸型誘電体共振器によれば、小型化によるQ値の低下を小さくすることができる。
特開平5-90811号公報
誘電体フィルタの周波数特性(たとえば通過特性または減衰特性)は、複数の誘電体共振器によって形成される場合が多い。このような場合、誘電体フィルタの性能は、当該誘電体共振器の急峻性に依存する。そのため、誘電体フィルタのさらなる低損失化を実現するためには、誘電体共振器の急峻性についての指標であるQ値をさらに向上させる必要がある。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は誘電体共振器のQ値の向上および誘電体フィルタの低損失化を実現することである。
本発明の一局面に係る誘電体共振器は、誘電体基板と、分布定数素子と、シールド導体部とを備える。分布定数素子は、誘電体基板の内部において第1方向に延在する。シールド導体部は、第1方向から分布定数素子を平面視したとき、分布定数素子を巻回するように誘電体基板の表面に形成されている。分布定数素子の一方端は、シールド導体部に接続されていない。分布定数素子は、複数の導体を含む。
本発明の他の局面に係る誘電体フィルタは、誘電体基板と、分布定数素子と、第1端子および第2端子と、シールド導体部とを備える。分布定数素子は、誘電体基板の内部において第1方向に延在する。第1端子および第2端子は、複数の分布定数素子に電気的に接続されている。シールド導体部は、第1方向から複数の分布定数素子を平面視したとき、複数の分布定数素子を巻回するように誘電体基板の表面に形成されている。複数の分布定数素子の各々の一方端は、シールド導体部に接続されていない。複数の分布定数素子に含まれる少なくとも1つの分布定数素子は、複数の導体を含む。誘電体基板は、第1方向に直交する第2方向に積層された複数の誘電体層によって形成されている。複数の導体の各々は、第1方向に延在し、第2方向を法線とする分布定数線路を形成している。複数の導体は、複数の誘電体層の少なくとも13層の誘電体層に配置されている。
本発明に係る誘電体共振器によれば、分布定数素子が複数の導体を含むことにより、Q値の向上を実現することができる。
本発明に係る誘電体フィルタによれば、分布定数素子が複数の導体を含むことにより、低損失化を実現することができる。
実施の形態1に係る誘電体フィルタの外観斜視図である。 実施の形態1に係る誘電体フィルタの斜視図である。 図1の誘電体フィルタの通過特性(実線)および反射特性(点線)を併せて示す図である。 比較例1に係る誘電体フィルタの斜視図である。 図1の誘電体フィルタの挿入損失の最小値(実線)と図4の誘電体フィルタの挿入損失の最小値(点線)とを併せて示す図である。 実施の形態2に係る誘電体共振器の斜視図である。 図6のVII-VII線断面図である。 比較例2に係る誘電体共振器の斜視図である。 図8の分布定数素子に高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度(kV/m)の分布を、X軸方向から平面視した図である。 図6の分布定数素子に高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。 実施の形態2の変形例1に係る誘電体共振器の断面図である。 実施の形態2の変形例2に係る誘電体共振器の断面図である。 実施の形態2の変形例3に係る誘電体共振器の断面図である。 実施の形態2の変形例4に係る誘電体共振器の断面図である。 実施の形態3に係る誘電体共振器の斜視図である。 図15の誘電体共振器をX軸方向から平面視した図である。 複数の導体の積層数と誘電体共振器のQ値の関係について、図16の誘電体共振器の場合(実線)と図6の誘電体共振器(点線)とを併せて示す図である。 実施の形態3の変形例に係る誘電体共振器をX軸方向から平面視した図である。 実施の形態4に係る誘電体フィルタの斜視図である。 実施の形態4の変形例に係る誘電体フィルタの斜視図である。 比較例3に係る誘電体フィルタの斜視図である。 図20の誘電体フィルタの通過特性(実線)および図21の誘電体フィルタの通過特性(点線)を併せて示す図である。 図19の誘電体フィルタの通過特性(実線)および図21の誘電体フィルタの通過特性(点線)を併せて示す図である。 実施の形態5に係る誘電体フィルタの斜視図である。 図24の分布定数素子にoddモードにおいて高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。 図24の分布定数素子にevenモードにおいて高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。 図19の分布定数素子にoddモードにおいて高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。 図19の分布定数素子にevenモードにおいて高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。 実施の形態5の変形例に係る誘電体フィルタの斜視図である。 実施の形態6に係るマルチプレクサの一例であるデュプレクサの等価回路図である。 図30のデュプレクサの外観斜視図である。 図30のデュプレクサの斜視図である。
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則として繰り返さない。
[実施の形態1]
図1および図2は、実施の形態1に係る誘電体フィルタ1の斜視図である。図1および図2において、X軸、Y軸、およびZ軸は互いに直交している。後に説明する図4、図6~図16、図18~図21、図24~図29、および図31,図32においても同様である。
図1および図2を参照しながら、誘電体フィルタ1は、たとえば直方体状である。誘電体フィルタ1は、誘電体基板100と、分布定数素子131~134と、シールド導体部150と、接地電極121,122と、入出力端子P1(第1端子)と、入出力端子P2(第2端子)とを備える。なお、図2においては、誘電体フィルタ1の内部に形成された分布定数素子131~134を見易くするため、図1の誘電体基板100を図示していない。誘電体基板の不図示について、図4、図6、図8、図15、図16、図18~図21、図24、図29、および図32においても同様である。
誘電体基板100は、複数の誘電体層がZ軸方向(第2方向)に積層されることによって形成されている。分布定数素子131~134の各々は、誘電体基板100の内部においてX軸方向(第1方向)に延在している。分布定数素子131~134の各々のX軸方向の長さ、Y軸方向の長さ、およびZ軸方向の長さは、他の分布定数素子のX軸方向の長さ、Y軸方向の長さ、およびZ軸方向の長さとそれぞれ同じである。分布定数素子131~134は、接地電極121と122との間において、Y軸方向(第3方向)に直線状にこの順に並置されている。なお、分布定数素子131~134は、直線状に並置されている必要はなく、たとえば、菱形状、あるいは千鳥状(ジグザク状)に配置されていてもよい。
入出力端子P1,P2の各々は、ビア導体および線路導体を介して、分布定数素子131,134にそれぞれ電気的に接続されている。入出力端子P1に入力された信号は、入出力端子P2から出力される。入出力端子P2に入力された信号は、入出力端子P1から出力される。なお、2つの回路素子が電気的に接続されている場合には、当該2つの回路素子が直接接続されている場合、および当該2つの回路素子が電界結合している場合が含まれる。
Z軸方向に垂直な誘電体フィルタ1の最外層の面を上面UFおよび底面BFとする。上面UFおよび底面BFは、Z軸方向に対向している。Z軸方向に平行な面のうちZX平面と平行な面を側面SF1およびSF3とする。Z軸方向に平行な面のうちYZ平面と平行な面を側面SF2およびSF4とする。
底面BFには、入出力端子P1,P2、および接地端子110が形成されている。入出力端子P1,P2、および接地端子110は、たとえば底面BFに平面電極が規則的に配置されたLGA(Land Grid Array)端子である。底面BFは、不図示の回路基板に接続される。
上面UFには、シールド電極116が配置されている。シールド電極116は、上面UFを覆っている。
側面SF1には、シールド電極111,112が配置されている。シールド電極111,112は、X軸方向に互いに離間して配置されている。シールド電極111,112の各々は、接地端子110、接地電極121,122、およびシールド電極116に接続されている。
側面SF3には、シールド電極114,115が配置されている。シールド電極114,115は、X軸方向に互いに離間して配置されている。シールド電極114,115の各々は、接地端子110、接地電極121,122、およびシールド電極116に接続されている。
側面SF2には、シールド電極113が配置されている。シールド電極113は、側面SF2を覆っている。シールド電極113は、接地端子110、接地電極121,122、およびシールド電極112,114,116に接続されている。
側面SF4には、シールド電極が形成されていない。
接地端子110およびシールド電極111~116は、シールド導体部150を形成する。X軸方向からシールド導体部150を平面視したとき、シールド導体部150は、分布定数素子131~134を巻回するように誘電体基板100の表面に形成されている。
分布定数素子131~134の各々の側面SF4側の端部(一方端)は、シールド導体部150に接続されていない。すなわち、分布定数素子131~134の各々の一方端は、電圧が変化し得る開放端である。一方、分布定数素子131~134の各々の側面SF2側の端部(他方端)は、シールド電極113に接続されている。すなわち、分布定数素子131~134の各々の他方端は、電圧がシールド導体部150の基準電圧に固定される固定端である。
分布定数素子131~134の各々のX軸方向の長さは、誘電体フィルタ1を通過可能な所望の信号の波長の4分の1である。すなわち、分布定数素子131~134の各々は、λ/4共振器である。誘電体フィルタ1は、4つのλ/4共振器から形成される4段の誘電体フィルタである。誘電体フィルタ1の段数(共振器の数)は、2段、あるいは3段であってもよいし、5段以上であってもよい。
分布定数素子131~134は、複数の導体141~144をそれぞれ含む。複数の導体141の各々は、X軸方向に延在し、Z軸方向を法線とする分布定数線路を形成している。複数の導体141の各々は、誘電体基板100を形成する複数の誘電体層のいずれかに配置されている。すなわち、複数の導体141は、Z軸方向に誘電体層の厚み分の間隔を空けて積層されている。複数の導体141においてZ軸方向に隣接する導体の間隔は一定でなくてもよい。複数の導体142~144の各々も、複数の導体141と同様に配置されている。
分布定数素子131~134は、ビア導体V11~V14をそれぞれ含む。分布定数素子131の一方端において、複数の導体141は、ビア導体V11(短絡導体部)によって互いに接続されている。分布定数素子132の一方端において、複数の導体142は、ビア導体V12(短絡導体部)によって互いに接続されている。分布定数素子133の一方端において、複数の導体143は、ビア導体V13(短絡導体部)によって互いに接続されている。分布定数素子134の一方端において、複数の導体144は、ビア導体V14(短絡導体部)によって互いに接続されている。
分布定数素子131~134の各々の開放端において、当該分布定数素子の複数の導体が互いに接続されることにより、当該複数の導体各々の電位(極性)が一致する。そのため、当該複数の導体の各々を流れる電流の共振モードを一致させることができる。その結果、当該複数の導体の各々を電流が流れる方向を一致させることができる。
図3は、図1の誘電体フィルタ1の通過特性(実線)および反射特性(点線)を併せて示す図である。通過特性とは、挿入損失の周波数特性である。反射特性とは、反射損失の周波数特性である。図3に示されるように、5.5GHz~6.0GHzの間において通過帯域が形成されているとともに、5.0GHz~5.3GHzの間に減衰極が生じている。
図4は、比較例1に係る誘電体フィルタ10の斜視図である。誘電体フィルタ10の構成は、図1の誘電体フィルタ1の分布定数素子131~134が分布定数素子11~14にそれぞれ置き換えられた構成である。これら以外は同様であるため、説明を繰り返さない。図4に示されるように、分布定数素子11~14の各々は、内部が充填された一個のバルク材から形成されている。当該バルク材のX軸方向の長さ、Y軸方向の長さ、およびZ軸方向の長さは、図1の分布定数素子131~134各々のX軸方向の長さ、Y軸方向の長さ、およびZ軸方向の長さとそれぞれ同じである。
図5は、図1の誘電体フィルタ1の挿入損失の最小値(実線)と図4の誘電体フィルタ10の挿入損失の最小値(点線)とを併せて示す図である。図1の誘電体フィルタ1の挿入損失の最小値に関しては、分布定数素子131~134のZ軸方向の長さ(高さ)および各導体のZ軸方向の長さ(厚み)を一定にして、複数の導体141~144の各々が形成される誘電体の分割数(積層数)を変化させた場合の値が示されている。積層数が増加するほど、複数の導体141~144の各々においてZ軸方向に隣接する導体の間隔は狭くなる。図5に示されるように、積層数が13以上である場合、誘電体フィルタ1の挿入損失は、誘電体フィルタ10の挿入損失より小さい。
図1の分布定数素子131~134の各々において、複数の導体の各々がZ軸方向に間隔を空けて配置されている。そのため、当該分布定数素子に含まれる複数の導体の体積は、図4の分布定数素子11~14各々の体積よりも小さい。
この点、高周波信号は、導体の全部分を流れるわけではなく、導体の表面部分を流れる(表皮効果)ことが知られている。図1の分布定数素子131~134の各々において、Z軸方向に隣接する導体の間には電流が流れないものの、各導体において電流が流れる表皮部分が増加する。すなわち、分布定数素子を複数の導体の積層体として形成することにより、高周波信号が通過可能な表面積を増加させることができる。その結果、当該分布定数素子を含む誘電体共振器のQ値を増加させることができるため、当該誘電体共振器を用いて形成される誘電体フィルタの挿入損失を低減することができる。
表皮効果の観点から、電流が流れる領域を確保するために、分布定数素子131~134の各々に含まれる導体の厚みは、当該導体の表皮深さδよりも大きいことが望ましい。導体の表皮深さδは、当該導体の表面(表皮)に比べて、電流が自然対数eの逆数(約36.7%)に低下する表面からの深さのことを表す。表皮深さδは、導体の抵抗率ρ、透磁率μ、真空の透磁率μ(4π×10-7)、および角周波数ω(高周波数信号の周波数fの2π倍)を用いて、式(1)のように表される。
Figure 0007211533000001
以上、実施の形態1に係る誘電体フィルタによれば、低損失化を実現することができる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、複数の分布定数素子の各々が複数の導体の積層構造を有する誘電体フィルタについて説明した。実施の形態2では、複数の導体の積層構造を有する1つの分布定数素子を備える誘電体共振器について説明する。
図6は、実施の形態2に係る誘電体共振器2の斜視図である。図7は、図6のVII-VII線断面図である。誘電体共振器2の構成は、図1および図2の誘電体フィルタ1の分布定数素子131~134が、分布定数素子231に置き換えられた構成である。これ以外は同様であるため、説明を繰り返さない。
図6および図7に示されるように、分布定数素子231は、複数の導体241と、ビア導体V21(短絡導体部)とを含む。複数の導体241の各々は、X軸方向に延在し、Z軸方向を法線とする分布定数線路を形成している。複数の導体241の各々は、誘電体基板100を形成する複数の誘電体層のいずれかに配置されている。
分布定数素子231の一方端は、シールド導体部150に接続されていない。すなわち、分布定数素子231の一方端は、電圧が変化し得る開放端である。分布定数素子231の一方端において、複数の導体241は、ビア導体V21によって互いに接続されている。
一方、分布定数素子231の他方端は、シールド電極113に接続されている。すなわち、分布定数素子231の他方端は、電圧がシールド導体部150の基準電圧に固定される固定端である。
分布定数素子231のX軸方向の長さは、誘電体共振器2が共振する信号の波長の4分の1である。すなわち、誘電体共振器2は、λ/4共振器である。
図7を参照しながら、複数の導体241の各々のX軸方向の長さは、誘電体基板100のX軸方向の長さに等しい。誘電体共振器2の製造過程においては、複数の導体241のX軸方向の長さおよび誘電体基板100のX軸方向の長さを決定する切断作業を一体的に行うことが可能であるため、誘電体基板100の製造ばらつきを抑制することができる。
図8は、比較例2に係る誘電体共振器20の斜視図である。誘電体共振器20の構成は、図6の分布定数素子231が21に置き換えられた構成である。それ以外は同様であるため説明を繰り返さない。
図8に示されるように、分布定数素子21は、内部が充填された一個のバルク材から形成されている。分布定数素子21のX軸方向の長さ、Y軸方向の長さ、およびZ軸方向の長さは、図6の分布定数素子231のX軸方向の長さ、Y軸方向の長さ、およびZ軸方向の長さとそれぞれ同じである。
図9は、図8の分布定数素子21に高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度(kV/m)の分布を、X軸方向から平面視した図である。図10は、図6の分布定数素子231に高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。図9および図10において、領域の色が白から黒に近づくほど、当該領域の電界強度が強い。図25~図28に関しても同様である。
図9に示されるように、表皮効果により、分布定数素子21の表面に電界が集中しており、分布定数素子21の内部にはほとんど電流が流れていない。一方、図10に示されるように、分布定数素子231においては、分布定数素子231の内部にも電界が発生している。分布定数素子231においては、複数の導体241を間隔を空けて積層することにより、高周波数信号が通過可能の表面積が分布定数素子21より増加している。高周波数信号が通過可能な領域の広がりにより、誘電体共振器2のQ値を誘電体共振器20のQ値よりも向上させることができる。
誘電体共振器2においては、誘電体基板100の内部に形成されたビア導体V21によって、複数の導体241の各々が互い接続されている場合について説明した。複数の導体241の各々は、誘電体基板100の外部において互いに接続されてもよい。
図11は、実施の形態2の変形例1に係る誘電体共振器2Aの断面図である。誘電体共振器2Aの構成は、図7のビア導体V21が接続導体217(短絡導体部)に置き換えられた構成である。これ以外は同様であるため、説明を繰り返さない。
図11に示されるように、接続導体217は、誘電体基板100の外部において、複数の導体241の各々を互いに接続している。接続導体217を誘電体基板100の外部に形成することにより、誘電体基板100の内部にビア導体を形成する工程が不要になる。その結果、誘電体共振器2の製造工程を簡略化することができる。
誘電体共振器2においては、複数の導体241の各々のX軸方向の長さが誘電体基板100のX軸方向の長さに等しい場合について説明した。両者の長さは異なっていてもよい。
図12は、実施の形態2の変形例2に係る誘電体共振器2Bの断面図である。誘電体共振器2Bの構成は、図7の複数の導体241が241Bに置き換えられた構成である。これ以外は同様であるため、説明を繰り返さない。図12に示されるように、複数の導体241Bの各々のX軸方向の長さは、誘電体基板100のX軸方向の長さよりも短い。
誘電体共振器2においては、分布定数素子231の一方端が開放端で、他方端が固定端である場合について説明した。分布定数素子231の両端は、開放端であってもよい。
図13は、実施の形態2の変形例3に係る誘電体共振器2Cの断面図である。誘電体共振器2Cの構成は、図7の複数の導体241が241Cに置き換えられているとともに、シールド電極113が除かれた構成である。これ以外は同様であるため、説明を繰り返さない。図13に示されるように、複数の導体241Cの各々の両端は、シールド導体部150に接続されていない。すなわち、分布定数素子231の両端は、開放端である。分布定数素子231のX軸方向の長さは、誘電体共振器2Cが共振する信号の波長の2分の1である。すなわち、誘電体共振器2Cは、λ/2共振器である。
誘電体共振器2においては、分布定数素子231の開放端において、複数の導体241の各々が互い接続されている場合について説明した。複数の導体241の各々は、分布定数素子231の開放端において互いに接続されていなくてもよい。
図14は、実施の形態2の変形例4に係る誘電体共振器2Dの断面図である。誘電体共振器2Dの構成は、図7のビア導体V21が除かれた構成である。これ以外は同様であるため、説明を繰り返さない。
以上、実施の形態2および変形例1~4に係る誘電体共振器によれば、Q値の向上を実現することができる。
[実施の形態3]
実施の形態2においては、ほぼ同一の線路形状の複数の導体を積層することにより、分布定数素子が形成されている場合について説明した。複数の導体の積層数を増加させて導体間の間隔を小さくすると、導体間に形成可能な誘電体の量が減少する。その結果、導体間の誘電体の剛性が低下して、導体と当該誘電体との間に生じる応力によって分布定数素子に歪みが生じ易くなる。そこで、実施の形態3においては、分布定数素子の芯部分に導体の積層構造を形成しない構成について説明する。当該構成によれば、当該芯部分に形成される誘電体の剛性を確保することにより、誘電体共振器のQ値を維持しながら分布定数素子の歪みを低減することができる。
図15は、実施の形態3に係る誘電体共振器3の斜視図である。誘電体共振器3の構成は、図6の分布定数素子231が331に置き換えられた構成である。これ以外は同様であるため、説明を繰り返さない。
図15に示されるように、分布定数素子331は、複数の導体341と、短絡導体部360とを含む。短絡導体部360は、ビア導体V31,V32を含む。複数の導体341の各々は、X軸方向に延在し、Z軸方向を法線とする分布定数線路を形成している。
分布定数素子331の一方端は、シールド導体部150に接続されていない。すなわち、分布定数素子331の一方端は、電圧が変化し得る開放端である。分布定数素子331の一方端において、複数の導体341は、ビア導体V31,V32の各々によって互いに接続されている。
一方、分布定数素子331の他方端は、シールド電極113に接続されている。すなわち、分布定数素子331の他方端は、電圧がシールド導体部150の基準電圧に固定される固定端である。
分布定数素子331のX軸方向の長さは、誘電体共振器3が共振する信号の波長の4分の1である。すなわち、誘電体共振器3は、λ/4共振器である。
図16は、図15の誘電体共振器3をX軸方向から平面視した図である。図16に示されるように、Y軸方向における分布定数素子331の長さ(幅)は、幅w31(特定長さ)である。
複数の導体341は、導体3411(第1導体)と、導体3412(第1導体)と、導体3413(第3導体)と、導体3414(第4導体)と、導体3415(第2導体)と、導体3416(第2導体)とを含む。複数の導体341に含まれる導体のうち、導体3411および3416以外の導体は、導体3411と導体3416との間に積層されている。
導体3411,3412,3415,3416各々の幅は、幅w31である。導体3411と3412との間に積層されている導体の幅および導体3415と3416との間に積層されている導体の幅も幅w31である。
導体3413の幅は、幅w32(<w31)である。導体3414の幅は、幅w33(<w31)である。幅w32とw33とは異なっていてもよいし、等しくてもよい。導体3413および3414は、Z軸方向において導体3412と3415との間に配置されている。導体3413および3414は、Y軸方向に距離d30(=w31-w32-w33)だけ離間している。
導体3412と3413との間に積層されている導体の幅および導体3413と3415との間に積層されている導体の幅の各々も幅w32である。導体3411、導体3411と3413との間に積層されている導体、導体3413、導体3413と導体3416との間に積層されている導体、および導体3416は、ビア導体V31によって互いに接続されている。
導体3412と3414との間に積層されている導体の幅および導体3414と3415との間に積層されている導体の幅の各々も幅w33である。導体3411、導体3411と3414との間に積層されている導体、導体3414と導体3416との間に積層されている導体、および導体3416は、ビア導体V32によって互いに接続されている。
分布定数素子331の芯部分Cd(導体3412と3415との間であって、かつ導体3413と3414との間の部分)には、導体の積層構造が形成されていない。芯部分Cdの誘電体の剛性を確保することができるため、分布定数素子331の歪みを低減することができる。また、高周波信号の表皮効果から、分布定数素子331の芯部分Cdにはほとんど電流が流れない。そのため、芯部分Cdに導体の積層構造を形成しなくても、分布定数素子331を流れる電流はほとんど減少しない。その結果、誘電体共振器3のQ値を維持することができる。
図17は、複数の導体の積層数と誘電体共振器のQ値の関係について、図16の誘電体共振器3の場合(実線)と図6の誘電体共振器2(点線)とを併せて示す図である。図17に示されるように、両者はほとんど同じである。誘電体共振器3においては、誘電体共振器2のQ値が維持されている。
誘電体共振器3においては、芯部分Cdと最外層の導体3411,3416との間に最外層の導体3411,3416と同じ幅の導体が配置されている場合について説明した。芯部分Cdと最外層の導体3411,3416との間には、導体が配置されていなくてもよい。
図18は、実施の形態3の変形例に係る誘電体共振器3AをX軸方向から平面視した図である。誘電体共振器3Aの構成は、図16の複数の導体341が341Aに置き換えられた構成である。複数の導体341Aにおいては、最外層の導体3411と3416との間において、芯部分CdのY軸方向の両側に導体3413と同じ幅の導体、および導体3414と同じ幅の導体がそれぞれ積層されている。表皮効果の観点から、導体3411,3416の各々の厚みは、各導体の表皮深さよりも厚いことが望ましい。
以上、実施の形態3および変形例に係る誘電体共振器によれば、Q値の向上を実現することができるともに、誘電体共振器の歪みを低減することができる。
[実施の形態4]
実施の形態4においては、2段の誘電体フィルタについて説明する。
図19は、実施の形態4に係る誘電体フィルタ4の斜視図である。誘電体フィルタ4の構成は、図2の誘電体フィルタ1の分布定数素子131~134が、分布定数素子431,432に置き換えられた構成である。これ以外は同様であるため、説明を繰り返さない。
図19に示されるように、分布定数素子431は、複数の導体441と、ビア導体V41(短絡導体部)とを含む。複数の導体441の各々は、X軸方向に延在し、Z軸方向を法線とする分布定数線路を形成している。
分布定数素子431の一方端は、シールド導体部150に接続されていない。すなわち、分布定数素子431の一方端は、電圧が変化し得る開放端である。分布定数素子431の一方端において、複数の導体441は、ビア導体V41によって互いに接続されている。
一方、分布定数素子431の他方端は、シールド電極113に接続されている。すなわち、分布定数素子431の他方端は、電圧がシールド導体部150の基準電圧に固定される固定端である。
分布定数素子432は、複数の導体442と、ビア導体V42(短絡導体部)とを含む。複数の導体442の各々は、X軸方向に延在し、Z軸方向を法線とする分布定数線路を形成している。
分布定数素子432の一方端は、シールド導体部150に接続されていない。すなわち、分布定数素子432の一方端は、電圧が変化し得る開放端である。分布定数素子432の一方端において、複数の導体442は、ビア導体V42によって互いに接続されている。
一方、分布定数素子432の他方端は、シールド電極113に接続されている。すなわち、分布定数素子432の他方端は、電圧がシールド導体部150の基準電圧に固定される固定端である。
分布定数素子431,432の各々のX軸方向の長さは、誘電体フィルタ4を通過可能な所望の信号の波長の4分の1である。すなわち、分布定数素子431,432の各々は、λ/4共振器である。誘電体フィルタ4は、2つのλ/4共振器から形成される2段の誘電体フィルタである。
図20は、実施の形態4の変形例に係る誘電体フィルタ4Aの斜視図である。誘電体フィルタ4Aの構成は、図19の分布定数素子431,432が431A,432Aにそれぞれ置き換えられた構成である。分布定数素子431A,432Aの構成は、図19の分布定数素子431,432からビア導体V41,V42がそれぞれ除かれた構成である。これら以外は同様であるため、説明を繰り返さない。
図21は、比較例3に係る誘電体フィルタ40の斜視図である。誘電体フィルタ40の構成は、図19の分布定数素子431,432が41,42にそれぞれ置き換えられた構成である。それ以外は同様であるため説明を繰り返さない。
図21に示されるように、分布定数素子41,42の各々は、内部が充填された一個のバルク材から形成されている。分布定数素子41,42の各々のX軸方向の長さ、Y軸方向の長さ、およびZ軸方向の長さは、図19の分布定数素子431,432の各々のX軸方向の長さ、Y軸方向の長さ、およびZ軸方向の長さとそれぞれ同じである。
図22は、図20の誘電体フィルタ4Aの通過特性(実線)および図21の誘電体フィルタ40の通過特性(点線)を併せて示す図である。図22に示されるように、誘電体フィルタ40においては、周波数f41およびf42(>f41)において挿入損失が極小となっている。周波数f41は、分布定数素子41,42の各々を流れる電流の方向が逆となるoddモードにおける誘電体フィルタ40の共振周波数である。周波数f42は、分布定数素子41,42の各々を流れる電流の方向が同じとなるevenモードにおける誘電体フィルタ40の共振周波数である。周波数f41,f42の各々において挿入損失が極小となることにより、周波数f41とf42との間において誘電体フィルタ40の通過帯域が形成される。
誘電体フィルタ4Aにおいては、周波数f43(>f41)において挿入損失が極小となっている。誘電体フィルタ4Aにおいては、分布定数素子431A,432Aの各々を流れる電流の向きが同じとなるevenモードにおいて共振が発生する。しかし、分布定数素子431A,432Aの各々を流れる電流の向きが逆となるoddモードにおいては共振が発生し難い。
誘電体フィルタ4Aにおいては、分布定数素子431A,432Aの各々の開放端において、複数の導体441,442の各々が互いに接続されていないため、当該複数の導体の各々を流れる電流に複数の共振モードが発生し、当該複数の共振モードが互いに干渉する。特に、oddモードにおいては、分布定数素子431A,432Aの各々を流れる電流の方向が逆であるため、当該複数の共振モードが打ち消し合う。そのため、oddモードにおいて誘電体フィルタ4Aは、共振し難い。
図23は、図19の誘電体フィルタ4の通過特性(実線)および図21の誘電体フィルタ40の通過特性(点線)を併せて示す図である。図23に示されるように、両者はほとんど同じ特性を示している。誘電体フィルタ4においても誘電体フィルタ40と同様に、周波数f41およびf42(>f41)において挿入損失が極小となっている。
誘電体フィルタ4においては、分布定数素子431,432の各々の開放端において、複数の導体441,442の各々が互いに接続されているため、当該複数の導体の各々を流れる電流の共振モードが一致する。その結果、分布定数素子431,432を流れる電流の方向が逆となるoddモードにおいても、誘電体フィルタ4においては共振が発生する。
以上、実施の形態4および変形例に係る誘電体フィルタによれば、低損失化を実現することができる。さらに、実施の形態4および変形例に係る誘電体フィルタによれば、oddモードにおいても共振を発生させることができるため通過帯域を広帯域化することができる。
[実施の形態5]
実施の形態4においては、分布定数素子を形成する複数の導体の幅が一定である場合について説明した。当該分布定数素子の延在方向から当該複数の導体を平面視すると、当該複数の導体は、全体として矩形を形成する。矩形のように尖った角部分を有する分布定数素子に電流が流れると、当該角部分に電界集中が生じ易い。電界集中は、導体損失を生じさせるため、誘電体フィルタの挿入損失を悪化させる。
そこで、実施の形態5においては、分布定数素子を形成する複数の導体において、最外層に近い導体の幅を中間層に近い導体の幅よりも短くする。当該分布定数素子の延在方向から当該複数の導体を平面視すると、当該複数の導体は、全体として矩形の角部が丸められた形状を形成する。当該形状においては角部が尖っていないため、電界集中が緩和される。実施の形態5に係る誘電体フィルタによれば、導体損失が低減される。その結果、挿入損失をさらに改善することができる。
図24は、実施の形態5に係る誘電体フィルタ5の斜視図である。誘電体フィルタ5の構成は、図19の分布定数素子431,432が、分布定数素子531,532にそれぞれ置き換えられた構成である。これ以外は同様であるため説明を繰り返さない。
図24に示されるように、分布定数素子531は、複数の導体541と、ビア導体V51(短絡導体部)とを含む。複数の導体541の各々は、X軸方向に延在し、Z軸方向を法線とする分布定数線路を形成している。
分布定数素子531の一方端は、シールド導体部150に接続されていない。すなわち、分布定数素子531の一方端は、電圧が変化し得る開放端である。分布定数素子531の一方端において、複数の導体541は、ビア導体V51によって互いに接続されている。
一方、分布定数素子531の他方端は、シールド電極113に接続されている。すなわち、分布定数素子531の他方端は、電圧がシールド導体部150の基準電圧に固定される固定端である。
分布定数素子532は、複数の導体542と、ビア導体V52(短絡導体部)とを含む。複数の導体542の各々は、X軸方向に延在し、Z軸方向を法線とする分布定数線路を形成している。
分布定数素子532の一方端は、シールド導体部150に接続されていない。すなわち、分布定数素子532の一方端は、電圧が変化し得る開放端である。分布定数素子532の一方端において、複数の導体542は、ビア導体V52によって互いに接続されている。
一方、分布定数素子532の他方端は、シールド電極113に接続されている。すなわち、分布定数素子532の他方端は、電圧がシールド導体部150の基準電圧に固定される固定端である。
分布定数素子531,532の各々のX軸方向の長さは、誘電体フィルタ5を通過可能な所望の信号の波長の4分の1である。すなわち、分布定数素子531,532の各々は、λ/4共振器である。誘電体フィルタ5は、2つのλ/4共振器から形成される2段の誘電体フィルタである。
複数の導体541,542は互いに同様の積層構造を有する。以下では、複数の導体541の積層構造について説明する。
複数の導体541は、導体5411(第1導体)と、導体5412(第2導体)と、導体5413(第3導体)と、導体5414(第3導体)とを含む。複数の導体541に含まれる導体のうち、導体5411および5412以外の導体は、導体5411と導体5412との間に積層されている。
分布定数素子531の幅は、幅w53(特定長さ)である。導体5413,5414および導体5413と5414との間に積層されている導体の各々の幅も幅w53である。
導体5411の幅は、幅w51(<w53)である。導体5412の幅は、幅w52(<w53)である。幅w51とw52とは異なっていてもよいし、等しくてもよい。
導体5411と導体5413との間に配置された導体の幅は、導体5411から5413に近づくにつれて徐々に長くなる。導体5412と導体5414との間に配置された導体の幅は、導体5412から5414に近づくにつれて徐々に長くなる。
図25は、図24の分布定数素子531,532にoddモードにおいて高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。図26は、図24の分布定数素子531,532にevenモードにおいて高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。図25および図26に示されるように、分布定数素子531,532の各々に含まれる複数の導体は、全体として矩形の角部が丸められた形状を形成している。
図27は、図19の分布定数素子431,432にoddモードにおいて高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。図28は、図19の分布定数素子431,432にevenモードにおいて高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。図27および図28に示されるように、分布定数素子431,432の各々に含まれる複数の導体は、全体として角部分が尖った矩形を形成している。
oddモードに関して図25および図27を比較するとともに、evenモードに関して図26および図28を比較すると、図27および図28において分布定数素子431,432の各々の最外層の導体の両端に生じている電界集中が、図25および図26の分布定数素子531,532の最外層の導体においては分散されている。誘電体フィルタ5によれば、電界集中の緩和により、誘電体フィルタ4よりも挿入損失を改善することができる。
分布定数素子に含まれる複数の導体が全体として形成する形状は、円形であってもよい。なお、円形は、真円である必要はなく、また楕円形も含む。
図29は、実施の形態5の変形例に係る誘電体フィルタ5Aの斜視図である。誘電体フィルタ5Aの構成は、図24の複数の導体541,542が541A,542Aに置き換えられた構成である。これ以外は同様であるため説明を繰り返さない。
図29に示されるように、X軸方向から複数の導体541A,542Aを平面視したとき、複数の導体541A,542Aの各々は、全体として円形を形成している。
複数の導体541Aは、導体5431(第1導体)と、導体5432(第2導体)と、導体5433(第3導体)とを含む。複数の導体541Aに含まれる導体のうち、導体5431および5432以外の導体は、導体5431と導体5432との間に積層されている。
導体5433の幅は、幅w53である。導体5431の幅は、幅w54(<w53)である。導体5432の幅は、幅w55(<w53)である。幅w54とw55とは異なっていてもよいし、等しくてもよい。
導体5431と導体5433との間に配置された導体の幅は、導体5431から5433に近づくにつれて徐々に長くなる。導体5432と導体5433との間に配置された導体の幅は、導体5432から5433に近づくにつれて徐々に長くなる。
なお、図24および図29の分布定数素子531を用いて、誘電体共振器を形成可能である。
以上、実施の形態5および変形例に係る誘電体フィルタによれば、さらなる低損失化を実現することができる。
[実施の形態6]
実施の形態6においては、実施の形態に係る誘電体フィルタを含むマルチプレクサについて説明する。
図30は、実施の形態6に係るマルチプレクサの一例であるデュプレクサ6の等価回路図である。図30に示されるように、デュプレクサ6は、誘電体フィルタ6A,6Bと、共通端子Pcomとを備える。誘電体フィルタ6Aは、入出力端子P61A(第1端子)と、入出力端子P62A(第2端子)とを含む。誘電体フィルタ6Bは、入出力端子P61B(第1端子)と、入出力端子P62B(第2端子)とを含む。共通端子Pcomは、誘電体フィルタ6Aの入出力端子P62Aに接続されているとともに、誘電体フィルタ6Bの入出力端子P61Bに接続されている。誘電体フィルタ6Aの通過帯域は、誘電体フィルタ6Bの通過帯域と異なる。
図31および図32は、図30のデュプレクサ6の斜視図である。図31および図32を参照しながら、マルチプレクサ6は、たとえば直方体状である。マルチプレクサ6は、誘電体基板600と、接地端子610と、シールド電極611,612,613,614,615,616と、接地電極621,622とをさらに備える。誘電体フィルタ6Aは、分布定数素子631,632,633を含む。誘電体フィルタ6Bは、分布定数素子634,635,636を含む。
誘電体基板600は、複数の誘電体層がZ軸方向に積層されることによって形成されている。分布定数素子631~636の各々は、誘電体基板600の内部においてX軸方向に延在している。分布定数素子631~636の各々のX軸方向の長さ、Y軸方向の長さ、およびZ軸方向の長さは、他の分布定数素子のX軸方向の長さ、Y軸方向の長さ、およびZ軸方向の長さとそれぞれ同じである。分布定数素子631~636は、接地電極621と622との間において、Y軸方向に直線状にこの順に並置されている。なお、分布定数素子631~636は、直線状に並置されている必要はなく、たとえば、菱形状、あるいは千鳥状(ジグザク状)に配置されていてもよい。
入出力端子P61A,P62Bは、ビア導体および線路導体を介して、分布定数素子631,636にそれぞれ電気的に接続されている。入出力端子P62A,P61Bは、分布定数素子633,634にそれぞれ電気的に接続されているとともに、ビア導体V60によって共通端子Pcomに接続されている。Z軸方向から誘電体フィルタ6A,6Bを平面視したとき、入出力端子P62A,P61Bは、分布定数素子633,634にそれぞれ重なっている。なお、入出力端子P62A,P61Bは、分布定数素子632,635にそれぞれ重なっていてもよい。
入出力端子P61A,P62Bに入力された信号は、共通端子Pcomから出力される。共通端子Pcomに入力された信号は、当該信号の周波数によって入出力端子P61AまたはP62Bから出力される。
Z軸方向に垂直なマルチプレクサ6の最外層の面を上面UF6および底面BF6とする。上面UF6および底面BF6は、Z軸方向に対向している。Z軸方向に平行な面のうちZX平面と平行な面を側面SF61およびSF63とする。Z軸方向に平行な面のうちYZ平面と平行な面を側面SF62およびSF64とする。
底面BF6には、入出力端子P61A,P62B,共通端子Pcom、および接地端子610が形成されている。入出力端子P61A,P62B、および接地端子610は、たとえば底面BF6に平面電極が規則的に配置されたLGA(Land Grid Array)端子である。底面BF6は、不図示の回路基板に接続される。
上面UF6には、シールド電極616が配置されている。シールド電極616は、上面UF6を覆っている。
側面SF61には、シールド電極611,612が配置されている。シールド電極611,612は、X軸方向に互いに離間して配置されている。シールド電極611,612の各々は、接地端子610、接地電極621,622、およびシールド電極616に接続されている。
側面SF63には、シールド電極614,615が配置されている。シールド電極614,615は、X軸方向に互いに離間して配置されている。シールド電極614,615の各々は、接地端子610、接地電極621,622、およびシールド電極616に接続されている。
側面SF62には、シールド電極613が配置されている。シールド電極613は、側面SF62を覆っている。シールド電極613は、接地端子610、接地電極621,622、およびシールド電極612,614,616に接続されている。
側面SF64には、シールド電極が形成されていない。
接地端子610およびシールド電極611~616は、シールド導体部650を形成する。X軸方向からシールド導体部650を平面視したとき、シールド導体部650は、分布定数素子631~636を巻回するように誘電体基板600の表面に形成されている。
分布定数素子631~636の各々の側面SF64側の端部(一方端)は、シールド導体部650に接続されていない。すなわち、分布定数素子631~63の各々の一方端は、電圧が変化し得る開放端である。一方、分布定数素子631~636の各々の側面SF62側の端部(他方端)は、シールド電極613に接続されている。すなわち、分布定数素子631~636の各々の他方端は、電圧がシールド導体部650の基準電圧に固定される固定端である。
分布定数素子631~636の各々のX軸方向の長さは、マルチプレクサ6を通過可能な所望の信号の波長の4分の1である。すなわち、分布定数素子631~636の各々は、λ/4共振器である。誘電体フィルタ6A,6Bの各々は、3つのλ/4共振器から形成される3段の誘電体フィルタである。
分布定数素子631~636は、複数の導体641~646をそれぞれ含む。複数の導体641の各々は、X軸方向に延在し、Z軸方向を法線とする分布定数線路を形成している。複数の導体641の各々は、誘電体基板600を形成する複数の誘電体層のいずれかに配置されている。すなわち、複数の導体641は、Z軸方向に誘電体層の厚み分の間隔を空けて積層されている。複数の導体641においてZ軸方向に隣接する導体の間隔は一定でなくてもよい。複数の導体642~646の各々も、複数の導体641と同様に配置されている。
分布定数素子631~636は、ビア導体V61~V66をそれぞれ含む。分布定数素子631の一方端において、複数の導体641は、ビア導体V61(短絡導体部)によって互いに接続されている。分布定数素子632の一方端において、複数の導体642は、ビア導体V62(短絡導体部)によって互いに接続されている。分布定数素子633の一方端において、複数の導体643は、ビア導体V63(短絡導体部)によって互いに接続されている。分布定数素子634の一方端において、複数の導体644は、ビア導体V64(短絡導体部)によって互いに接続されている。分布定数素子635の一方端において、複数の導体645は、ビア導体V65(短絡導体部)によって互いに接続されている。分布定数素子636の一方端において、複数の導体646は、ビア導体V66(短絡導体部)によって互いに接続されている。
分布定数素子631~636の各々の開放端において、当該分布定数素子の複数の導体が互いに接続されることにより、当該複数の導体各々の電位(極性)が一致する。そのため、当該複数の導体の各々を流れる電流の共振モードを一致させることができる。その結果、当該複数の導体の各々を電流が流れる方向を一致させることができる。
なお、実施の形態6に係るマルチプレクサに含まれる誘電体フィルタは、3段の誘電体フィルタに限定されず、たとえば、実施の形態4および変形例に係る誘電体フィルタ、ならびに実施の形態5および変形例に係る誘電体フィルタのように2段の誘電体フィルタであってもよいし、4段以上の誘電体フィルタであってもよい。また、実施の形態6に係るマルチプレクサに含まれる誘電体フィルタの数は2に限定されず、3以上であってもよい。すなわち、実施の形態6に係るマルチプレクサは、デュプレクサおよびダイプレクサに限定されず、たとえばトリプレクサ、クアッドプレクサ、あるいはペンタプレクサを含む。
以上、実施の形態6に係るマルチプレクサによれば、低損失化を実現することができる。
なお、実施の形態に係る誘電体共振器は、内導体と外導体とを含む同軸型誘電体共振器として捉えることが可能である。この場合、実施の形態に係る誘電体共振器に含まれる分布定数素子,シールド導体部が、同軸型誘電体共振器に含まれる内導体,外導体にそれぞれ対応する。すなわち、実施の形態に係る誘電体共振器は、内導体が複数の導体に分割された同軸型誘電体共振器として捉えることができる。
今回開示された各実施の形態は、矛盾しない範囲で適宜組み合わされて実施されることも予定されている。今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,4,4A,5,5A,6A,6B,10,40 誘電体フィルタ、2,2A~2D,3,3A,20 誘電体共振器、6 マルチプレクサ、1114,21,41,42,131~134,231,331,431,431A,432,432A,531,532,631~636 分布定数素子、100,600 誘電体基板、110,610 接地端子、111~116,611~616 シールド電極、121,122,621,622 接地電極、141~144,241,241B,241C,341,341A,441,442,541,541A,542,542A,641~646 複数の導体、3411~3416,5411~5414,5431~5433 導体、150,650 シールド導体部、217 接続導体、360 短絡導体部、Cd 芯部分、P1,P2,P61A,P62A,P61B,P62B 入出力端子、Pcom 共通端子、V11~V14,V21,V31,V32,V41,V42,V51,V52,V61~V66 ビア導体。

Claims (17)

  1. 誘電体基板と、
    前記誘電体基板の内部において第1方向に延在する分布定数素子と、
    前記第1方向から前記分布定数素子を平面視したとき、前記分布定数素子を巻回するように前記誘電体基板の表面に形成されたシールド導体部とを備え、
    前記分布定数素子の一方端は、前記シールド導体部に接続されておらず、
    前記分布定数素子は、複数の導体を含み、
    前記誘電体基板は、前記第1方向に直交する第2方向に積層された複数の誘電体層によって形成され、
    前記複数の導体の各々は、前記第1方向に延在し、前記第2方向を法線とする分布定数線路を形成し、
    前記複数の導体は、前記複数の誘電体層の少なくとも2層の誘電体層に配置され、
    前記複数の導体は、第1導体と、第2導体と、第3導体と、第4導体とを含み、
    前記第3導体および前記第4導体は、前記第2方向において前記第1導体と前記第2導体との間に配置されているとともに、前記第1方向および前記第2方向の各々に直交する第3方向に離間している、誘電体共振器。
  2. 前記少なくとも2層の誘電体層の数は、13以上である、請求項1に記載の誘電体共振器。
  3. 前記複数の導体の各々の前記第1方向の長さは、前記誘電体基板の前記第1方向の長さに等しい、請求項1または2に記載の誘電体共振器。
  4. 前記分布定数素子は、前記一方端において前記複数の導体の各々を互いに接続する短絡導体部をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の誘電体共振器。
  5. 前記短絡導体部は、前記誘電体基板の外部に配置されている、請求項4に記載の誘電体共振器。
  6. 前記分布定数素子の他方端において、前記複数の導体の各々は、前記シールド導体部に接続されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の誘電体共振器。
  7. 誘電体基板と、
    前記誘電体基板の内部において第1方向に延在する分布定数素子と、
    前記第1方向から前記分布定数素子を平面視したとき、前記分布定数素子を巻回するように前記誘電体基板の表面に形成されたシールド導体部とを備え、
    前記分布定数素子の一方端は、前記シールド導体部に接続されておらず、
    前記分布定数素子は、複数の導体を含み、
    前記誘電体基板は、前記第1方向に直交する第2方向に積層された複数の誘電体層によって形成され、
    前記複数の導体の各々は、前記第1方向に延在し、前記第2方向を法線とする分布定数線路を形成し、
    前記複数の導体は、前記複数の誘電体層の少なくとも2層の誘電体層に配置され、
    前記分布定数素子は、前記一方端において前記複数の導体の各々を互いに接続する短絡導体部をさらに含み、
    前記第1方向および前記第2方向の各々に直交する第3方向における前記分布定数素子の長さは、特定長さであり、
    前記複数の導体は、第1導体と、第2導体と、第3導体とを含み、
    前記複数の導体のうち、前記第1導体および前記第2導体以外の導体は、前記第1導体と前記第2導体との間に配置され、
    前記第3方向における前記第1導体および前記第2導体の各々の長さは、前記特定長さよりも短い、誘電体共振器。
  8. 誘電体基板と、
    前記誘電体基板の内部において第1方向に延在する分布定数素子と、
    前記第1方向から前記分布定数素子を平面視したとき、前記分布定数素子を巻回するように前記誘電体基板の表面に形成されたシールド導体部とを備え、
    前記分布定数素子の一方端は、前記シールド導体部に接続されておらず、
    前記分布定数素子は、複数の導体を含み、
    前記誘電体基板は、前記第1方向に直交する第2方向に積層された複数の誘電体層によって形成され、
    前記複数の導体の各々は、前記第1方向に延在し、前記第2方向を法線とする分布定数線路を形成し、
    前記複数の導体は、前記複数の誘電体層の少なくとも2層の誘電体層に配置され、
    前記複数の導体の各々の前記第2方向の厚みは、当該導体の表皮深さよりも厚い、誘電体共振器。
  9. 誘電体基板と、
    前記誘電体基板の内部において第1方向に延在する複数の分布定数素子と、
    前記複数の分布定数素子に電気的に接続された、第1端子および第2端子と、
    前記第1方向から前記複数の分布定数素子を平面視したとき、前記複数の分布定数素子を巻回するように前記誘電体基板の表面に形成されたシールド導体部とを備え、
    前記複数の分布定数素子の各々の一方端は、前記シールド導体部に接続されておらず、
    前記複数の分布定数素子に含まれる少なくとも1つの分布定数素子は、複数の導体を含み、
    前記誘電体基板は、前記第1方向に直交する第2方向に積層された複数の誘電体層によって形成され、
    前記複数の導体の各々は、前記第1方向に延在し、前記第2方向を法線とする分布定数線路を形成し、
    前記複数の導体は、前記複数の誘電体層の少なくとも13層の誘電体層に配置され、
    前記複数の導体は、第1導体と、第2導体と、第3導体と、第4導体とを含み、
    前記第3導体および前記第4導体は、前記第1方向において前記第1導体と前記第2導体との間に配置されているとともに、前記第1方向および前記第2方向の各々に直交する第3方向に離間している、誘電体フィルタ。
  10. 前記複数の導体の各々の前記第1方向の長さは、前記誘電体基板の前記第1方向の長さに等しい、請求項9に記載の誘電体フィルタ。
  11. 前記少なくとも1つの分布定数素子は、前記一方端において前記複数の導体の各々を互いに接続する短絡導体部をさらに含む、請求項9または10に記載の誘電体フィルタ。
  12. 前記短絡導体部は、前記誘電体基板の外部に配置されている、請求項11に記載の誘電体フィルタ。
  13. 前記複数の分布定数素子の他方端において、前記複数の導体の各々は、前記シールド導体部に接続されている、請求項9~12のいずれか1項に記載の誘電体フィルタ。
  14. 誘電体基板と、
    前記誘電体基板の内部において第1方向に延在する複数の分布定数素子と、
    前記複数の分布定数素子に電気的に接続された、第1端子および第2端子と、
    前記第1方向から前記複数の分布定数素子を平面視したとき、前記複数の分布定数素子を巻回するように前記誘電体基板の表面に形成されたシールド導体部とを備え、
    前記複数の分布定数素子の各々の一方端は、前記シールド導体部に接続されておらず、
    前記複数の分布定数素子に含まれる少なくとも1つの分布定数素子は、複数の導体を含み、
    前記誘電体基板は、前記第1方向に直交する第2方向に積層された複数の誘電体層によって形成され、
    前記複数の導体の各々は、前記第1方向に延在し、前記第2方向を法線とする分布定数線路を形成し、
    前記複数の導体は、前記複数の誘電体層の少なくとも13層の誘電体層に配置され、
    前記少なくとも1つの分布定数素子は、前記一方端において前記複数の導体の各々を互いに接続する短絡導体部をさらに含み、
    前記第1方向および前記第2方向の各々に直交する第3方向における前記分布定数素子の長さは、特定長さであり、
    前記複数の導体は、第1導体と、第2導体と、第3導体とを含み、
    前記複数の導体のうち、前記第1導体および前記第2導体以外の導体は、前記第1導体と前記第2導体との間に配置され、
    前記第3方向における前記第1導体および前記第2導体の各々の長さは、前記特定長さよりも短い、誘電体フィルタ。
  15. 誘電体基板と、
    前記誘電体基板の内部において第1方向に延在する複数の分布定数素子と、
    前記複数の分布定数素子に電気的に接続された、第1端子および第2端子と、
    前記第1方向から前記複数の分布定数素子を平面視したとき、前記複数の分布定数素子を巻回するように前記誘電体基板の表面に形成されたシールド導体部とを備え、
    前記複数の分布定数素子の各々の一方端は、前記シールド導体部に接続されておらず、
    前記複数の分布定数素子に含まれる少なくとも1つの分布定数素子は、複数の導体を含み、
    前記誘電体基板は、前記第1方向に直交する第2方向に積層された複数の誘電体層によって形成され、
    前記複数の導体の各々は、前記第1方向に延在し、前記第2方向を法線とする分布定数線路を形成し、
    前記複数の導体は、前記複数の誘電体層の少なくとも13層の誘電体層に配置され、
    前記複数の導体の各々の前記第2方向の厚みは、当該導体の表皮深さよりも厚い、誘電体フィルタ。
  16. 請求項9~15のいずれか1項に記載の第1誘電体フィルタおよび第2誘電体フィルタを備える、マルチプレクサ。
  17. 前記第1誘電体フィルタの第2端子に接続されているとともに、前記第2誘電体フィルタの第1端子に接続された共通端子をさらに備える、請求項16に記載のマルチプレクサ。
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