JPH06252606A - 高周波用フィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【構成】 誘電体ブロック１の表面には入力端子２、出
力端子３及び接地端子４が形成され、誘電体ブロック１
の内部には平板状に形成された複数個の内部電極５ａが
誘電体ブロック１と密着して同一平面上に並列的に埋設
され、内部電極５ａの端部に接続された引き出し電極７
が誘電体ブロック１の表面に形成されている。 【効果】 結合容量と入出力容量とが誘電体ブロック１
内部に形成され、外部環境の影響を受けることが少ない
ため、フィルタ特性のバラツキを小さくすることがで
き、かつ結合度が安定した高周波用フィルタ１１を得る
ことができる。また従来、高周波用フィルタの外部に外
付けされていた入力端子、出力端子及び入出力用容量、
共振器結合容量が省略し得るため、製造コストを低減す
ることができるとともに、全体として小型化を図ること
ができる。また、フィルタ特性や結合度を自由に調整す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は高周波用フィルタに関
し、より詳細には自動車電話、携帯電話、コードレス電
話等の無線通信器等の部品として、マイクロ波の周波数
領域において使用される高周波フィルタに関する。

【０００２】

【従来の技術】マイクロ波用のフィルタは、一般に所定
の共振周波数を有するマイクロ波を高誘電率材料で形成
された誘電体ブロック内に閉じ込め、所定の作用効果が
得られる高周波用共振器が組み合わされて構成されてい
る。

【０００３】図５はこの種のフィルタとして従来から使
用されている同軸型共振器が組み合わされたフィルタを
模式的に示したもので、（ａ）は正面図、（ｂ）は平面
図である。同軸型誘電体共振器６０はマイクロ波の１／
４波長を共振線路波長としたものであり、円筒形状に形
成された２つ以上の誘電体ブロック６１の内周面には内
部電極６２が形成され、誘電体ブロック６１の外周面に
は接地電極６３が形成され、誘電体ブロック６１には入
出力結合用容量６５が外付けされている。そしてこれら
の同軸型誘電体共振器６０が共振器結合用容量６４で結
合されることによりフィルタが構成されている。

【０００４】図６は上記と同様に従来から使用されてい
る誘電体ブロック一体型のフィルタを示したもので、
（ａ）は斜視図、（ｂ）は（ａ）におけるＹＹ線断面図
である。誘電体ブロック７１の外周面には接地電極７３
が形成され、また誘電体ブロック７１には２個の貫通孔
７７が形成され、貫通孔７７の間にはスリット７８が形
成され、それぞれの貫通孔７７に対応した２個の同軸型
誘電体共振器７０が磁界結合されることによりフィルタ
が構成されている。

【０００５】図７は上記と同様に従来から使用されてい
るマイクロストリップラインを応用した共振器が組み合
わされたフィルタを模式的に示した斜視図である。この
フィルタはマイクロ波の１波長の整数倍を共振線路波長
としたマイクロストリップライン共振器８０を組み合わ
せたものであり、平板形状に形成された誘電体ブロック
８１の表面には入出力用電極８５及び共振用電極８６が
形成され、また誘電体ブロック８１の裏面には接地電極
８７が形成されている。そして共振用電極８６に対応す
るマイクロストリップライン共振器８０が磁界結合され
ることによりフィルタが構成されている。

【０００６】図８は上記と同様に従来から使用されてい
るトリプレート型ストリップラインを応用した共振器が
組み合わされたフィルタを示した斜視図である。誘電体
ブロック９１の表面には外部電極９３が形成されてお
り、誘電体ブロック９１には平板形状の内部電極９２が
形成され、さらに入出力用容量９４が結合容量ｃを介し
て接続されている。そして内部電極９２に対応するトリ
プレート型ストリップライン共振器９０が磁界結合され
ることによりフィルタが構成されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】図５に示した同軸型誘
電体共振器６０が組み合わされたフィルタにおいては、
同軸型誘電体共振器６０の構造は単純であるが、誘電体
ブロック６１に閉じ込められるマイクロ波の周波数（共
振周波数）は誘電体ブロック６１の形状寸法及び誘電体
ブロック６１を構成する素材の誘電率によって定まる。
したがって設計における自由度が狭くなり、前記マイク
ロ波の周波数領域においても共振周波数が比較的に低い
場合は誘電体ブロック６１が大形になり、かつ同軸型誘
電体共振器６０における共振周波数の調整が困難である
という課題があった。また共振器結合用容量６４及び入
出力結合用容量６５が外付けされているため、小型化が
困難であると同時に結合部のシールドが必要になる等、
製造プロセスが複雑になりコストが高くなるという課題
があった。

【０００８】また図６に示した誘電体ブロック一体型の
フィルタにおいては、共振器結合部となるスリット７８
が内蔵されていることは好ましいが、貫通孔７７やスリ
ット７８を形成するために手間がかかり、図５に示した
同軸型誘電体共振器６０の場合と同様に設計の自由度が
狭く、誘電体ブロック７１が大形になり易く、共振周波
数の調整が困難であるという課題があった。

【０００９】また図７に示したマイクロストリップライ
ン共振器８０を組み合わせたフィルタにおいては、誘電
体ブロック８１の表面に入出力用電極８５、共振用電極
８６を印刷パターンで形成することができるために設計
の自由度は広くなり、かつ厚膜印刷技術を用いてメタラ
イズを形成することができるために安価に製造し得る。
しかし入出力用電極８５、共振用電極８６、接地電極８
７の片面側がそれぞれ外部に露出して空気と接触するた
め、実効比誘電率が低くなり、放射損失が発生し、また
外部環境の影響を受けやすく、信頼性が劣るという課題
があった。また前記したように実効比誘電率が低いため
に誘電体ブロック８１を大きく形成する必要があり、小
型化を図ることが難しいという課題があった。

【００１０】また図８に示したトリプレート型ストリッ
プライン共振器９０を組み合わせたフィルタにおいて
は、実効比誘電率が高く、設計の自由度が広い点は好ま
しいが、トリプレート型共振器９０間の結合が磁界結合
であり、結合度が内部電極９２間の距離で決まるため通
過帯域幅により大きさの制約を受けるという課題があっ
た。また前記結合が安定せず、フィルタ特性のばらつき
が大きいという課題があった。この問題を解決するた
め、同軸型共振器６０が組み合わされたフィルタと同
様、内部電極９２間に容量結合用コンデンサ（図示せ
ず）が外付けされた構造のものもあるが、このものの場
合は小型化に支障を来すと同時に結合部にシールドを要
する等製造プロセスが複雑になり、コストが高くなると
いう課題があった。またフィルタ特性がフィルタの内部
構造に依存しているため、一旦フィルタが構成されてし
まうと外部からフィルタ特性を調整することが非常に困
難であるという課題があった。

【００１１】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、実効比誘電率が高く、設計の自由度が広く、
小型の、しかも容量結合が安定した、フィルタ特性のば
らつきが少なく、かつ製造後におけるフィルタ特性の微
調整をすることができる高周波用フィルタを提供するこ
とを目的としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る高周波用フィルタは、誘電体ブロックの
表面には入力端子、出力端子及び接地端子が形成され、
前記誘電体ブロックの内部には平板状に形成された複数
個の内部電極が前記誘電体ブロックと密着して同一平面
上に並列的に埋設され、前記内部電極の端部に接続され
た引き出し電極が前記誘電体ブロックの表面に形成され
ていることを特徴としている（１）。

【００１３】また、誘電体ブロックの表面には入力端
子、出力端子及び接地端子が形成され、前記誘電体ブロ
ックの内部には平板状に形成され、誘電体部分を挟んで
２層以上重なり合った複数個の内部電極が前記誘電体ブ
ロック及び誘電体部分と密着して同一平面上に並列的に
埋設され、前記内部電極の少なくとも一つの端部に接続
された引き出し電極が前記誘電体ブロックの表面に形成
されていることを特徴としている（２）。

【００１４】また、上記（１）または（２）記載の高周
波用フィルタにおいて、平板状に形成された内部電極の
少なくとも１層に突起状の容量結合用電極部が形成され
ていることを特徴としている（３）。

【００１５】

【作用】上記（１）記載の高周波用フィルタによれば、
誘電体ブロックの表面には入力端子、出力端子及び接地
端子が形成され、前記誘電体ブロックの内部には平板状
に形成された複数個の内部電極が前記誘電体ブロックと
密着して同一平面上に並列的に埋設され、前記内部電極
の端部に接続された引き出し電極が前記誘電体ブロック
の表面に形成されているので、前記内部電極間に発生す
る結合容量と、前記内部電極と前記入力端子及び出力端
子間に発生する入出力容量とが前記誘電体ブロック内部
に形成され、外部環境の影響を受けることが少なくな
り、フィルタ特性のバラツキが小さく、かつ容量結合の
安定した高周波用フィルタが得られることとなる。また
前記内部電極間に発生する結合容量と、前記引き出し電
極間に発生する結合容量と、前記内部電極と前記入力端
子及び出力端子との間に発生する入出力容量とが前記誘
電体ブロックの表面または内部に形成され、従来高周波
用フィルタの外部に外付けされていた入力端子、出力端
子、入出力用容量、共振器結合容量が省略されるため、
製造コストを低減し得るとともに全体として小型化し得
ることとなる。また前記入力端子、出力端子及び内部電
極におけるそれぞれの大きさ及びこれらの間の距離を変
えることにより、フィルタ特性や結合度を自由に調整し
得ることとなり、さらに前記引き出し電極間のスリット
幅、あるいは前記引き出し電極と前記入力端子及び出力
端子との間におけるスリット幅の調整加工を施すことに
より、フィルタの構造や大きさを変えることなく、結合
度やフィルタ特性の微調整を製造後においても容易に行
い得ることとなる。

【００１６】また、上記（２）記載の高周波用フィルタ
によれば、誘電体ブロックの表面には入力端子、出力端
子及び接地端子が形成され、前記誘電体ブロックの内部
には平板状に形成され、誘電体部分を挟んで２層以上重
なり合った複数個の内部電極が前記誘電体ブロック及び
誘電体部分と密着して同一平面上に並列的に埋設され、
前記内部電極の少なくとも一つの端部に接続された引き
出し電極が前記誘電体ブロックの表面に形成されている
ので、上記（１）のものと同様の作用が得られるととも
に、前記内部電極間の電気的接続が一層確実となり、前
記内部電極における抵抗が小さくなり、高いＱ値が得ら
れることとなる。

【００１７】また、上記（１）または（２）記載の高周
波用フィルタにおいて、平板状に形成された内部電極の
少なくとも１層に突起状の容量結合用電極部が形成され
ている場合には、上記（１）または（２）のものと同様
の作用が得られるとともに、さらに容量結合が安定化す
ることとなり、また前記容量結合用電極部の形状を変化
させることにより共振器間の結合度が変えられ、共振器
結合容量となる内部電極間の距離を変化させることな
く、種々の帯域幅を有する高周波用フィルタが得られる
こととなる。

【００１８】

【実施例】以下、本発明に係る高周波用フィルタの実施
例を図面に基づいて説明する。なお下記の実施例におい
ては、いずれもフィルタは１／４波長共振器が２個結合
されたものを示している。図１は本発明に係る高周波用
フィルタの実施例１を模式的に示したもので、（ａ）は
斜視図、（ｂ）は平面図、（ｃ）は側面図、（ｄ）は
（ｂ）におけるＸＸ線断面図である。図中１は高誘電率
材料を略直方体形状に形成して焼結させた高周波用誘電
体セラミックスよりなる誘電体ブロックを示しており、
誘電体ブロック１表面には外部電極９が形成されてい
る。この外部電極９にスリットＳが成形され、正面視逆
コの字形状の入力端子２、コの字形状の出力端子３及び
長方形形状の２個の引き出し電極７がそれぞれ形成さ
れ、残りの部分は接地電極４となっている。また誘電体
ブロック１内部には平板状に形成された２個の内部電極
５ａが誘電体ブロック１と密着して同一平面上に並列的
に埋設されており、内部電極５ａの端部は引き出し電極
７に接続されている。これら内部電極５ａを構成する金
属導体としては加工性とマイクロ波に対する導電性に優
れたＡｇ、Ｐｄ、Ｐｔ、Ａｕ、Ｃｕ、Ｃｏ、Ｎｉまたは
これらの金属を１種類以上含有している合金（ただし、
Ｎｉ、Ｎｉ系合金、Ｃｏ、Ｃｏ系合金は非磁性体に限
る）が使用されている。

【００１９】このように構成された実施例１に係る高周
波用フィルタ１１にあっては、２個の内部電極５ａ間に
発生する結合容量と、内部電極５ａと入力端子２及び出
力端子３との間に発生する入出力容量とが誘電体ブロッ
ク１内部に形成されており、外部環境の影響を受けるこ
とが少ないため、フィルタ特性のバラツキを小さくする
ことができ、かつ結合度が安定した高周波用フィルタ１
１を得ることができる。また２個の内部電極５ａ間に発
生する結合容量と、２個の引き出し電極７間に発生する
結合容量と、内部電極５ａと入力端子２及び出力端子３
との間に発生する入出力容量とが誘電体ブロック１の表
面または内部に形成され、従来高周波用フィルタの外部
に外付けされていた入力端子、出力端子、入出力用容
量、共振器結合容量が省略されるため、製造コストを低
減することができるとともに、全体として小型化を図る
ことができる。また入力端子２、出力端子３及び内部電
極５ａにおけるそれぞれの大きさ及びこれらの間の距離
を変えることにより、フィルタ特性や結合度を自由に調
整することができ、さらに２個の引き出し電極７間のス
リットＳ、あるいは引き出し電極７と入力端子２及び出
力端子３との間におけるスリットＳの調整加工を施すこ
とにより、フィルタの構造や大きさを変えることなく、
結合度やフィルタ特性の微調整を製造後においても容易
に行うことができる。

【００２０】また図２は本発明に係る高周波用フィルタ
の実施例２を模式的に示したもので、（ａ）は斜視図、
（ｂ）は平面図、（ｃ）は側面図、（ｄ）は（ｂ）にお
けるＸＸ線断面図である。図中１は実施例１のものと同
様に形成された誘電体ブロックを示しており、誘電体ブ
ロック１の表面には入力端子２、出力端子３、引き出し
電極７及び接地電極４が実施例１のものと同様に形成さ
れている。また誘電体ブロック１の内部には平板状に形
成された３層の内部電極５ａ、５ｂ、５ｃが誘電体部分
６を挟んで重なり合うことにより、内部電極５が構成さ
れており、内部電極５ａ、５ｂ、５ｃは実施例１のもの
と同じ材質で形成されている。そして２個の内部電極５
ａ、５ａ同士、内部電極５ｂ、５ｂ同士及び内部電極５
ｃ、５ｃ同士がそれぞれ誘電体ブロック１及び誘電体部
分６と密着して同一平面上に並列的に埋設され、また内
部電極５ａ、５ｂ、５ｃの端部は引き出し電極７にそれ
ぞれ接続されて高周波用フィルタ１２が構成されてい
る。

【００２１】このように構成された実施例２に係る高周
波用フィルタ１２にあっては、実施例１のものと同様の
効果を得ることができるとともに、内部電極５ａ、５
ｂ、５ｃの間の電気的接続を一層確実にすることがで
き、内部電極５ａ、５ｂ、５ｃにおける抵抗を小さくす
ることができ、高いＱ値を得ることができる。

【００２２】なお実施例２では３層の内部電極５ａ、５
ｂ、５ｃがすべて引き出し電極７に接続されているが、
これらのうち１〜２層が引き出し電極７に接続されたも
のも、実施例２のものと略同様の効果を有する。

【００２３】また図３は本発明に係る高周波用フィルタ
の実施例３を模式的に示したもので、（ａ）は斜視図、
（ｂ）は平面図、（ｃ）は側面図、（ｄ）は（ｂ）にお
けるＸＸ線断面図である。図中１は実施例１のものと同
様に形成された誘電体ブロックを示しており、誘電体ブ
ロック１の表面には入力端子２、出力端子３、引き出し
電極７及び接地電極４が実施例１のものと同様に形成さ
れている。また実施例１のものと同様に、誘電体ブロッ
ク１の内部には内部電極５ａが形成され、内部電極５ａ
は引き出し電極７にそれぞれ接続されており、内部電極
５ａには突起状の容量結合用電極部８が形成されてい
る。

【００２４】このように構成された実施例３に係る高周
波用フィルタ１３にあっては、実施例１のものと同様の
効果を得ることができるとともに、さらに結合を安定化
させることができ、また容量結合用電極部８の形状を変
化させることにより共振器間の結合容量を変えることが
でき、共振器結合容量となる２個の内部電極５ａ間の距
離を変化させることなく、種々の帯域幅を有する高周波
用フィルタ１３を得ることができる。

【００２５】また図４は本発明に係る高周波用フィルタ
の実施例４を模式的に示したもので、（ａ）は斜視図、
（ｂ）は平面図、（ｃ）は側面図、（ｄ）は（ｂ）にお
けるＸＸ線断面図である。図中１は実施例２のものと同
様に形成された誘電体ブロックを示しており、誘電体ブ
ロック１の表面には入力端子２、出力端子３、引き出し
電極７及び接地電極４が実施例２のものと同様に形成さ
れている。また実施例２のものと同様に、誘電体ブロッ
ク１の内部には誘電体部分６を挟んで３層の内部電極５
ａ、５ｂ、５ｃが形成され、内部電極５ａ、５ｂ、５ｃ
は引き出し電極７にそれぞれ接続されており、内部電極
５ａ、５ｂ、５ｃには突起状の容量結合用電極部８がそ
れぞれ形成されている。

【００２６】このように構成された実施例４に係る高周
波用フィルタ１４にあっては、実施例２のものと同様の
効果を得ることができるとともに、さらに結合を安定化
させることができ、また容量結合用電極部８の形状を変
化させることにより共振器間の結合容量を変えることが
でき、共振器結合容量となる２個の内部電極５間の距離
を変化させることなく、種々の帯域幅を有する高周波用
フィルタ１４を得ることができる。

【００２７】

【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る高周波
共振器（１）にあっては、誘電体ブロックの表面には入
力端子、出力端子及び接地端子が形成され、前記誘電体
ブロックの内部には平板状に形成された複数個の内部電
極が前記誘電体ブロックと密着して同一平面上に並列的
に埋設され、前記内部電極の端部に接続された引き出し
電極が前記誘電体ブロックの表面に形成されているの
で、前記内部電極間に発生する結合容量と、前記内部電
極と前記入力端子及び出力端子間に発生する入出力容量
とが前記誘電体ブロック内部に形成され、外部環境の影
響を受けることが少なくなり、フィルタ特性のバラツキ
が小さく、かつ容量結合の安定した高周波用フィルタを
得ることができる。また前記内部電極間に発生する結合
容量と、前記引き出し電極間に発生する結合容量と、前
記内部電極と前記入力端子及び出力端子との間に発生す
る入出力容量とが前記誘電体ブロックの表面または内部
に形成され、従来高周波用フィルタの外部に外付けされ
ていた入力端子、出力端子、入出力用容量、共振器結合
容量を省略することができるため、製造コストを低減す
ることができるとともに全体として小型化を図ることが
できる。また前記入力端子、出力端子及び内部電極にお
けるそれぞれの大きさ及びこれらの間の距離を変えるこ
とにより、フィルタ特性や結合度を自由に調整すること
ができ、さらに前記引き出し電極間のスリット幅、ある
いは前記引き出し電極と前記入力端子及び出力端子との
間におけるスリット幅の調整加工を施すことにより、フ
ィルタの構造や大きさを変えることなく、結合度やフィ
ルタ特性の微調整を製造後においても容易に行うことが
できる。

【００２８】また本発明に係る高周波用フィルタ（２）
にあっては、誘電体ブロックの表面には入力端子、出力
端子及び接地端子が形成され、前記誘電体ブロックの内
部には平板状に形成され、誘電体部分を挟んで２層以上
重なり合った複数個の内部電極が前記誘電体ブロック及
び誘電体部分と密着して同一平面上に並列的に埋設さ
れ、前記内部電極の少なくとも一つの端部に接続された
引き出し電極が前記誘電体ブロックの表面に形成されて
いるので、高周波用フィルタ（１）による効果に加え、
さらに前記内部電極間の電気的接続を一層確実なものに
することができ、前記内部電極における抵抗を小さくす
ることができ、高いＱ値を得ることができる。

【００２９】また本発明に係る高周波用フィルタ（１）
または（２）において、平板状に形成された内部電極の
少なくとも１層に突起状の容量結合用電極部が形成され
ている場合には、高周波用フィルタ（１）または（２）
による効果に加え、さらに容量結合を安定することがで
き、また前記容量結合用電極部の形状を変化させること
により共振器間の結合度を変えることができ、共振器結
合容量となる内部電極間の距離を変化させることなく、
種々の帯域幅を有する高周波用フィルタを得ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る高周波用フィルタの実施例１を模
式的に示したもので、（ａ）は斜視図、（ｂ）は平面
図、（ｃ）は側面図、（ｄ）は（ｂ）におけるＸＸ線断
面図である。

【図２】本発明に係る高周波用フィルタの実施例２を模
式的に示したもので、（ａ）は斜視図、（ｂ）は平面
図、（ｃ）は側面図、（ｄ）は（ｂ）におけるＸＸ線断
面図である。

【図３】本発明に係る高周波用フィルタの実施例３を模
式的に示したもので、（ａ）は斜視図、（ｂ）は平面
図、（ｃ）は側面図、（ｄ）は（ｂ）におけるＸＸ線断
面図である。

【図４】本発明に係る高周波用フィルタの実施例４を模
式的に示したもので、（ａ）は斜視図、（ｂ）は平面
図、（ｃ）は側面図、（ｄ）は（ｂ）におけるＸＸ線断
面図である。

【図５】従来の同軸型共振器が組み合わされたフィルタ
を模式的に示したもので、（ａ）は正面図、（ｂ）は平
面図である。

【図６】従来の誘電体ブロック一体型のフィルタを示し
たもので、（ａ）は斜視図、（ｂ）は（ａ）におけるＹ
Ｙ線断面図である。

【図７】従来のマイクロストリップラインを応用した共
振器が組み合わされたフィルタを模式的に示した斜視図
である。

【図８】従来のトリプレート型ストリップラインを応用
した共振器が組み合わされたフィルタを示した斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ 誘電体ブロック ２ 入力端子 ３ 出力端子 ４ 接地電極 ５、５ａ、５ｂ、５ｃ 内部電極 ６ 誘電体部分 ７ 引き出し電極 ８ 容量結合用電極部 １１、１２、１３、１４ 高周波用フィルタ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊山 洋 大阪府大阪市中央区北浜４丁目５番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 誘電体ブロックの表面には入力端子、出
   力端子及び接地端子が形成され、前記誘電体ブロックの
   内部には平板状に形成された複数個の内部電極が前記誘
   電体ブロックと密着して同一平面上に並列的に埋設さ
   れ、前記内部電極の端部に接続された引き出し電極が前
   記誘電体ブロックの表面に形成されていることを特徴と
   する高周波用フィルタ。
2. 【請求項２】 誘電体ブロックの表面には入力端子、出
   力端子及び接地端子が形成され、前記誘電体ブロックの
   内部には平板状に形成され、誘電体部分を挟んで２層以
   上重なり合った複数個の内部電極が前記誘電体ブロック
   及び誘電体部分と密着して同一平面上に並列的に埋設さ
   れ、前記内部電極の少なくとも一つの端部に接続された
   引き出し電極が前記誘電体ブロックの表面に形成されて
   いることを特徴とする高周波用フィルタ。
3. 【請求項３】 平板状に形成された内部電極の少なくと
   も１層に突起状の容量結合用電極部が形成されている請
   求項１または請求項２記載の高周波用フィルタ。